JP2528228B2 - フッ素系樹脂積層膜およびその製造方法 - Google Patents
フッ素系樹脂積層膜およびその製造方法Info
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Description
着膜を介してフッ素系樹脂を積層させた膜およびその製
造方法に関するものである。さらに詳しくは、フライパ
ン、ホットプレート、炊飯器、鍋などの調理器具、複写
機のロール、化学反応容器、撹拌機等のフッ素コーティ
ング物品に関する。
フッ素系高分子と例えば金属板との密着性を高めるため
に、電解エッチング、または機械的研磨等により金属板
の表面を粗面化した後、フッ素系高分子の懸濁液をコー
ティングし、高温で焼き付け処理して造られている。他
の方法として、粗面化された材料の表面に、まずポイミ
ド樹脂やエポキシ樹脂などのアンダーコート膜を薄く形
成し、その上にフッ素樹脂を焼き付けコーティングする
ことも行われている。いずれも基材の材料表面とフッ素
樹脂コーティング膜との接着性を高め、剥離を防止する
ためである。
法で得られるフッ素樹脂コーティング膜は、基材の材料
表面とフッ素コート膜との間には化学結合が存在しない
ため結合力が弱く、長時間使用すると密着性が悪くな
り、フッ素コート膜が材料の表面から剥離するという課
題があった。
に荒らしたり電解エッチングするため、製造工程が複雑
となり、製造コストが高くなるという課題もあった。本
発明は、前記従来技術の課題を解決するため、基材の表
面との密着性が優れたフッ素系樹脂積層膜を提供するこ
とを目的とする。
で、製造工程の簡単な、フッ素系樹脂積層膜の製造方法
を提供することである。
に、本発明のフッ素系樹脂積層膜は、基材表面に、アル
ケニルシランハライド、アルキンシランハライド、アル
ケニルアルコキシシラン、アルキンアルコキシシラン、
およびこれらのフッ素含有誘導体から選ばれる少なくと
も一種のシラン系界面吸着剤の残基からなる内層膜と、
その上に表層膜を少なくとも設けた積層構造のコーティ
ング膜であって、前記内層膜は基材表面と−Si−結合
によって共有結合された吸着膜であり、前記表層膜はフ
ッ素系ポリマーで形成され、かつ表層膜と内層膜とは架
橋結合していることを特徴とする。
架橋結合が、表層膜及び/または内層膜中の不飽和結合
の開裂によるものであることが好ましい。
属、セラミックス、プラスチック、ガラス、木材、石材
から選ばれる少なくとも一つの材料であることが好まし
い。
法は、基材表面上に、基材表面の活性水素と反応するア
ルケニルシランハライド、アルキンシランハライド、ア
ルケニルアルコキシシラン、アルキンアルコキシシラ
ン、及びこれらのフッ素含有誘導体から選ばれる少なく
とも一種のシラン系界面吸着剤を接触させて、脱塩化水
素反応または脱アルコール反応により−Si−結合を有
する吸着膜を形成し、前記吸着膜上にフッ素樹脂コート
膜を架橋反応によって形成させたことを特徴とする。
を非水系の有機溶媒に溶解し、この溶液に基材を浸漬し
て基材表面にシラン系界面吸着剤を化学吸着させ、シロ
キサン結合を有する単分子膜またはポリマー膜を形成さ
せる吸着膜形成工程と、前記吸着膜形成工程後フッ素系
高分子をコーティングし、しかる後、架橋反応させてフ
ッ素コート膜を形成するフッ素コート膜形成工程を有す
ることが好ましい。
のコート膜の架橋反応が、放射線を照射、または加熱に
よる架橋であることが好ましい。
子が炭素−炭素間の二重結合または三重結合を含むこと
が好ましい。
子が、溶剤可溶型タイプのポリマーであることが好まし
い。
膜は基材表面に内層膜とその上に表層膜を少なくとも設
けた積層構造であって、内層膜は基材表面と−Si−結
合によって共有結合された吸着膜であり、表層膜はフッ
素系ポリマーで形成され、かつ表層膜と内層膜とは架橋
結合しているので、基材と積層膜との接着強度を高いも
のとすることができる。内層膜は基材表面と化学結合
し、表層膜も内層膜と化学結合しているからである。
のなく、従来の単にアンカー効果を期待しただけのフッ
素コ−ト膜に比べ、密着性の優れたフッ素系ポリマーで
コーティングした材料が得られる。
材表面上に基材表面の活性水素と反応するシラン系界面
吸着剤を接触させて、脱塩化水素反応または脱アルコー
ル反応により−Si−結合を有する単分子またはポリマ
ー吸着膜を形成し、前記吸着膜上にフッ素樹脂コート膜
を架橋反応によって形成させるので、電解エッチング等
の工程を必要としない。その結果製造方法が合理的、効
率的なものとなる。
説明する。例えば図1に示すように、金属板1の表面全
面に、化学吸着法によりエチレン基を末端に有するシラ
ン界面吸着剤を吸着反応させて、シロキサン結合を有す
る吸着膜2を形成する。
例えばアルミニウム,銅,鉄等所謂卑金属材料であれば
何れでもよい。もちろん金属板に限られることなく、セ
ラミックス、ガラス、プラスチック、半導体など基材の
種類は問わない。
く、この金属酸化膜の水酸基とシラン吸着剤のクロロシ
リル基もしくはアルコキシシリル基とが反応し、シロキ
サン結合を形成する。
着剤は例えば次の式(化1)に示されるものである。
5程度が最も扱い易い。Rは低級アルキル基で、とくに
CH3 またはC2 H5 が好ましい。)上記式中、(1) 〜
(6) 式の化合物中aが1であるトリクロロシラン系化合
物を好ましく用いることができる。
前記シラン系界面吸着剤を用い、2×10-3〜5×10
-2Mol /リットル程度の濃度で溶かした80wt%ヘキサ
デカン、12wt%四塩化炭素、8wt%クロロホルム溶液
を調整し、前記金属板を室温で1時間浸漬する。金属板
1の表面はナチュラルオキサイド(自然酸化膜)が形成
されており、表面には水酸基(−OH)が含まれてい
る。従って、シラン系界面吸着剤のクロロシリル基(−
SiCl)と水酸基(−OH)とが反応して、基材表面
に次の化学式(化2)で示す結合が生成され、単分子膜
2が一層、酸素原子を介して、化学結合した形で形成さ
れる。なお次の化学式(化2)は、シラン系界面吸着剤
の一例として例えば、CH2 =CH(CH2 )n SiC
l3 の反応例を示すものである。
3またはクロロホルム等で洗浄する。未反応物を除去す
るためである。非水溶液を用いて未反応物を洗浄除去し
た後、水で洗浄するか空気中にさらして空気中の水分と
反応させてSiCl基を加水分解することにより−Si
OH基に変える。この反応式を下記式(化3)に示す。
この非水溶液を用いて未反応物を洗浄除去する工程を採
用すると、内層膜は単分子吸着膜となる。
が脱水縮合を起こし、下記式(化4)に示すようにシロ
キサン結合(SiO−)が形成される。
しない場合は、内層膜はポリマー吸着膜に形成できる。
本発明は、内層膜は単分子吸着膜でもポリマー吸着膜で
も差支えないが、どちらかというと単分子吸着膜のほう
が接着強力は高いので好ましい。内層膜が単分子吸着膜
の場合は、厚さがナノメーター(nm)のレベルのもの
となり、ポリマー吸着膜の場合はそれよりも厚いものと
なる。これらの内層膜自体の接着性は、碁盤目剥離強度
試験によっても剥離しない程度である。
[例えばCH2 =CH(CH2 )n Si(OR)3 ]を
用いた場合は、次に示す化学式(化5)のように反応す
る。この反応工程は前記式(化2〜4)と同様に進行す
る。
水溶液で処理して、酸化膜をつくることにより、表面の
水酸基の数を増やすことができ、吸着密度を高めること
ができる。基材がプラスチックの場合は、表面を酸素雰
囲気でプラズマ照射(例えば100W、20分間コロナ
放電処理する)することにより、表面に活性基を生成さ
せることができる。もっともポリアミドやポリイミド
は、表面に−NH基を有し、これが反応に寄与するので
特別な処理は不要である。ポリアミドやポリイミドの場
合は次の(化6)のように反応が進む。この場合も反応
工程は前記式(化2〜4)と同様に進行する。
濁液をコートし、乾燥・焼成して、フッ素コート膜3を
形成する。こうして得たフッ素コート膜3は、シロキサ
ン結合を有した単分子膜2上にあるため、単分子膜2の
炭化水素基成分との界面において分子鎖が絡み合った状
態になっている。
射すると、図2に示すように、シロキサン結合を有する
単分子膜2およびフッ素系高分子のC=Cまたは炭素炭
素の三重結合が開裂して、単分子膜2´とフッ素コート
膜3´の間に化学結合が形成される。
子としては、テトラフルオロエチレンあるいはテトラフ
ルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテル
の共重合体がよい。放射線照射により前記単分子膜2と
効率よく架橋させるために、主鎖あるいは側鎖にC=C
または炭素−炭素の三重結合を有するフッ素系高分子の
方がさらに好ましい。
下記式(化7)の高分子が例としてあげられる。
度が好ましく、xは1〜10程度が最も扱いやすい。)
フッ素コート膜に照射する放射線の例としてはとして
は、電子線、中性子線、α線、β線、γ線などが挙げら
れる。
基材が金属、セラミックスまたはプラスチック、木材、
石材からなる材料に適用できる。表面は塗料などで塗装
されていても良い。たとえば次のようなものである。 [a] 刃物の例:包丁、鋏、ナイフ、カッター、彫刻刀、
剃刀、バリカン、鋸、カンナ、ノミ、錐、千枚通し、バ
イト、ドリルの刃、ミキサーの刃、ジュ−サ−の刃、製
粉機の刃、芝刈り機の刃、パンチ、押切り、ホッチキス
の刃、缶切りの刃、または手術用メス等。 [b] 針の例:鍼術用の針、縫い針、ミシン針、畳針、注
射針、手術用針、安全ピン等。 [c] 窯業製品の例:陶磁器製、ガラス製、セラミックス
製またはほうろうを含む製品等。例えば衛生陶磁器(例
えば便器、洗面器、風呂等)、食器(例えば、茶碗、
皿、どんぶり、湯呑、コップ、瓶、コーヒー沸かし容
器、鍋、すり鉢、カップ等)、花器(水盤、植木鉢、一
輪差し等)、水槽(養殖用水槽、鑑賞用水槽等)、化学
実験器具(ビーカー、反応容器、試験管、フラスコ、シ
ャーレ、冷却管、撹拌棒、スターラー、乳鉢、バット、
注射器)、瓦、タイル、ほうろう製食器、ほうろう製洗
面器、ほうろう製鍋等。 [d] 鏡の例:手鏡、姿見鏡、浴室用鏡、洗面所用鏡、自
動車用鏡(バックミラー、サイドミラー)、ハーフミラ
ー、ショーウィンドー用鏡、デパートの商品売り場の鏡
等。 [e] 成形用部材の例:プレス成形用金型、注型成形用金
型、射出成形用金型、トランスファー成形用金型、真空
成形用金型、吹き込み成形用金型、押し出し成形用ダ
イ、インフレーション成形用口金、繊維紡糸用口金、カ
レンダー加工用ロールなど。 [f] 装飾品の例:時計、宝石、真珠、ブローチ、ネクタ
イピン、イヤリング、ネックレス、貴金属装飾製品、白
金、金、銀、銅、アルミ、チタン、錫あるいはそれらの
合金やステンレス製、メガネフレーム等。 [g] 食品成形用型の例:ケーキ焼成用型、クッキー焼成
用型、パン焼成用型、チョコレート成形用型、ゼリー成
形用型、アイスクリーム成形用型、オーブン皿、製氷皿
等。 [h] 調理器具の例:鍋、釜、やかん、ポット、フライパ
ン、ホットプレート、焼き物調理用網、油切り、タコ焼
きプレート等。 [i] 紙の例:グラビア紙、撥水撥油紙、ポスター紙、高
級パンフレット紙等。 [j] 樹脂の例:ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステ
ル、アラミド、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、フェノール
樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン、ケイ素樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ア
クリル酸エステル樹脂、ポリアセタール、ポリフェンレ
ンオキサイド等 [k] 家庭電化製品の例:テレビジョン、ラジオ、テープ
レコーダー、オーディオ、CD、冷凍関係機器の冷蔵
庫、冷凍庫、エアコン、ジューサー、ミキサー、扇風機
の羽根、照明器具、文字盤、パーマ用ドライヤー等。 [l] スポーツ用品の例:スキー、釣竿、棒高跳び用のポ
ール、ボート、ヨット、ジェットスキー、サーフボー
ド、ゴルフボール、ボーリングのボール、釣糸、魚網、
釣り浮き等。 [m] 乗り物部品に適用する例: (1) ABS樹脂:ランプカバー、インストルメントパネ
ル、内装部品、オートバイのプロテクター (2) セルロースプラスチック:自動車のマーク、ハンド
ル (3) FRP(繊維強化樹脂):外板バンパー、エンジン
カバー (4) フェノール樹脂:ブレーキ (5) ポリアセタール:ワイパーギヤ、ガスバルブ、キャ
ブレター部品 (6) ポリアミド:ラジエータファン (7) ポリアリレート:方向指示レンズ、計器板レンズ、
リレーハウジング (8) ポリブチレンテレフタレート:リヤエンド、フロン
トフェンダ (9) ポリアミノビスマレイミド:エンジン部品、ギヤボ
ックス、ホイール、サスペンジョンドライブシステム (10)メタクリル樹脂:ランプカバーレンズ、計器板とカ
バー、センターマーク (11)ポリプロピレン:バンパー (12)ポリフェニレンオキシド:ラジエーターグリル、ホ
イールキャップ (13)ポリウレタン:バンパー、フェンダー、インストル
メントパネル、ファン(14)不飽和ポリエステル樹脂:ボ
ディ、燃料タンク、ヒーターハウジング、計器板 [n] 事務用品の例:万年筆、ボールペン、シャ−プペン
シル、筆入れ、バインダー、机、椅子、本棚、ラック、
電話台、物差し、製図用具等。 [o] 建材の例:屋根材、外壁材、内装材。屋根材として
窯瓦、スレート瓦、トタン(亜鉛メッキ鉄板)など。外
壁材としては木材(加工木材を含む)、モルタル、コン
クリート、窯業系サイジング、金属系サイジング、レン
ガ、石材、プラスチック材料、アルミ等の金属材料な
ど。内装材としては木材(加工木材を含む)、アルミ等
の金属材料、プラスチック材料、紙、繊維など。 [p] 石材の例:花コウ岩、大理石、みかげ石等。たとえ
ば建築物、建築材、芸術品、置物、風呂、墓石、記念
碑、門柱、石垣、歩道の敷石など。 [q] その他魔法瓶、真空系機器、電力送電用碍子または
スパークプラグ等の撥水撥油防汚効果の高い高耐電圧性
絶縁碍子等である。
する。 実施例1 アルミニウム板(2×5×0.1cm)をω−ノナデセ
ニルトリクロロシランの10-2mol /リットル溶液(8
0wt%ヘキサデカン+12wt%四塩化炭素+8wt%クロ
ロホルム)に室温、窒素雰囲気下で60分間浸漬した
後、クロロホルムおよび純水で洗浄し、単分子膜をアル
ミニウム表面に形成した。このアルミ板の表面にフッ素
系高分子[−(CF2 −CF2 )8 −CH=CH−]n
(但しnはポリマの繰返し単位を示し、好ましくは5〜
500である。以下同じ。)の懸濁液をスプレーコート
し、150℃で10分乾燥後、380℃で20分間焼成
し、500μmのフッ素コート膜を形成した。このよう
にして作成した試料に電子線を1分間照射した(300
keV、0.02Mrad/s)。
19−トリメチルシリル−18−ノナデシニルトリクロ
ロシランに変えて同様の実験をした。
リマーに変えて同様の実験をした。
に変えて同様の実験をした。
レンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体
に変えて同様の実験をした。
ニルトリクロロシランの10-2mol /リットル溶液(8
0wt%ヘキサデカン+12wt%四塩化炭素+8wt%クロ
ロホルム)に室温、窒素雰囲気下で60分間浸漬した
後、純水で洗浄し、内層膜としてポリマー吸着膜をアル
ミニウム表面に形成した。このアルミ板の表面にフッ素
系高分子[−(CF2 −CF2 )8 −CH=CH−]n
(但しnはポリマの繰返し単位を示し、好ましくは5〜
500である。以下同じ。)の懸濁液をスプレーコート
し、150℃で10分乾燥後、380℃で20分間焼成
し、500μmのフッ素コート膜を形成した。このよう
にして作成した試料に電子線を1分間照射した(300
keV、0.02Mrad/s)。
グした後、ポリテトラフルオロエチレンの懸濁液をスプ
レーコートし、実験1と同じ条件で乾燥・焼成してフッ
素コート膜を形成した。
の剥離試験(接着強力試験)をした。剥離するフッ素コ
ート膜の幅は10mmとした。剥離強度の測定結果を表
1に示す。
定は、次の手順で行った。 (1) 幅×30mm、長さ60mmのサンプルを用意し、
測定面にフッ素樹脂プレート、例えばFEP(テトラフ
ロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体)をロ
ーラ加熱下、300〜350℃でプレ接着する。 (2) 次に電気炉中で、350℃で15分間メイン接着処
理をする。 (3) 次に幅10mmのサンプルをカットにより作成し、
これを通常の接着剥離試験機により測定する。
の剥離強度は6kg/10mm(58.8Newton/10mm)であ
ったが、本発明のアルミニウム材料の剥離強度はいづれ
も、10kg/10mm(98.0 Newton/10mm)以上で比較
例に比べて密着性がすぐれていることがわかる。
膜は、フッ素コーティングポリマー膜がシロキサン結合
を介して基材表面と粘接着した形態をしているので、従
来のものに比べて密着性が優れている。すなわち、フッ
素系樹脂積層膜は基材表面に内層膜とその上に表層膜を
少なくとも設けた積層構造であって、内層膜は基材表面
と−Si−結合によって共有結合された吸着膜であり、
表層膜はフッ素系ポリマーで形成され、かつ表層膜と内
層膜とは架橋結合しているので、基材と積層膜との接着
強度を高いものとすることができる。内層膜は基材表面
と化学結合し、表層膜も内層膜と化学結合しているから
である。
て、電解エッチングする必要がないため、製造工程が簡
略になり、製造コストを低減することができる。このよ
うに本発明は工業的価値の大なるものである。
を分子レベルまで拡大した図である。
を分子レベルまで拡大した図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 基材表面に、アルケニルシランハライ
ド、アルキンシランハライド、アルケニルアルコキシシ
ラン、アルキンアルコキシシラン、およびこれらのフッ
素含有誘導体から選ばれる少なくとも一種のシラン系界
面吸着剤の残基からなる内層膜と、その上に表層膜を少
なくとも設けた積層構造のコーティング膜であって、前
記内層膜は基材表面と−Si−結合によって共有結合さ
れた吸着膜であり、前記表層膜はフッ素系ポリマーで形
成され、かつ表層膜と内層膜とは架橋結合していること
を特徴とするフッ素系樹脂積層膜。 - 【請求項2】 表層膜と内層膜との架橋結合が、表層膜
及び/または内層膜中の不飽和結合の開裂によるもので
ある請求項1に記載のフッ素系樹脂積層膜。 - 【請求項3】 基材が、金属、セラミックス、プラスチ
ック、ガラス、木材、石材から選ばれる少なくとも一つ
の材料である請求項1に記載のフッ素系樹脂積層膜。 - 【請求項4】 基材表面上に、基材表面の活性水素と反
応するアルケニルシランハライド、アルキンシランハラ
イド、アルケニルアルコキシシラン、アルキンアルコキ
シシラン、及びこれらのフッ素含有誘導体から選ばれる
少なくとも一種のシラン系界面吸着剤を接触させて、脱
塩化水素反応または脱アルコール反応により−Si−結
合を有する吸着膜を形成し、前記吸着膜上にフッ素樹脂
コート膜を架橋反応によって形成させたことを特徴とす
るフッ素系樹脂積層膜の製造方法。 - 【請求項5】 シラン系界面吸着剤を非水系の有機溶媒
に溶解し、この溶液に基材を浸漬して基材表面にシラン
系界面吸着剤を化学吸着させ、シロキサン結合を有する
単分子膜またはポリマー膜を形成させる吸着膜形成工程
と、前記吸着膜形成工程後フッ素系高分子をコーティン
グし、しかる後架橋反応させてフッ素コート膜を形成す
るフッ素コート膜形成工程を有する請求項4に記載のフ
ッ素系樹脂積層膜の製造方法。 - 【請求項6】 フッ素高分子のコート膜の架橋反応が、
放射線を照射、または加熱による架橋である請求項4に
記載のフッ素系樹脂積層膜の製造方法。 - 【請求項7】 フッ素系高分子が炭素−炭素間の二重結
合または三重結合を含む請求項4に記載のフッ素系樹脂
積層膜の製造方法。 - 【請求項8】 フッ素系高分子が、溶剤可溶型タイプの
ポリマーである請求項4に記載のフッ素系樹脂積層膜の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3288663A JP2528228B2 (ja) | 1990-11-06 | 1991-11-05 | フッ素系樹脂積層膜およびその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2-302021 | 1990-11-06 | ||
JP30202190 | 1990-11-06 | ||
JP3288663A JP2528228B2 (ja) | 1990-11-06 | 1991-11-05 | フッ素系樹脂積層膜およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0564859A JPH0564859A (ja) | 1993-03-19 |
JP2528228B2 true JP2528228B2 (ja) | 1996-08-28 |
Family
ID=26557265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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-
1991
- 1991-11-05 JP JP3288663A patent/JP2528228B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH0564859A (ja) | 1993-03-19 |
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