JPH05239165A - 熱安定性アクリルアミドポリシロキサン組成物 - Google Patents

熱安定性アクリルアミドポリシロキサン組成物

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JPH05239165A
JPH05239165A JP4136621A JP13662192A JPH05239165A JP H05239165 A JPH05239165 A JP H05239165A JP 4136621 A JP4136621 A JP 4136621A JP 13662192 A JP13662192 A JP 13662192A JP H05239165 A JPH05239165 A JP H05239165A
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polydiorganosiloxane
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sio
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JP4136621A
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Michael Andrew Lutz
アンドリュー ルツ マイケル
Kristen Andrea Scheibert
アンドレア シェイバート クリステン
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Dow Corning Corp
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    • C08L83/04Polysiloxanes
    • C08L83/08Polysiloxanes containing silicon bound to organic groups containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紫外線硬化性アクリルアミド官能性ポリジオ
ルガノシロキサンの熱安定性を改善する。 【構成】 アクリルアミド官能性ポリジオルガノシロキ
サンに、カルボン酸ニッケル、ナフテン酸第1錫、カル
ボン酸セリウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸アル
ミニウム、カルボン酸銀、ウンデシレン酸銅、カルボン
酸コバルト、モノ(メタクリレート)トリプロポキシジ
ルコネート、モノ(エチルアセトアセトネート)アルミ
ニウム(sec−ブトキサイド)、ジ(エチルアセトア
セトネート)アルミニウムsec−ブトキサイド、亜鉛
アセチルアセトネート、モリブデンアセチルアセトネー
ト及びジカルボン酸ジブチル錫の内の少くとも1つを添
加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アクリルアミド官能
性ポリジオルガノシロキサン含有組成物の熱安定性を改
善することに関する。
【0002】ポリオルガノシロキサンは環境からの攻
撃、例えば気候、化学物質、冷却及び加熱から表面を保
護するという価値ある性質を持つことが知られている。
しかしながら、ポリオルガノシロキサン含有材料が、よ
り厳しい環境で用いられうるように改善が探究されてい
る。ポリオルガノシロキサンは電気絶縁性を持つので、
皮膜、封入剤及び注封材料として電子工業において有用
である。
【0003】例えば、印刷回路基材は、自動車又は他の
乗物のエンジンで用いうるかも知れないが、運転温度
は、長期暴露に対して高過ぎ、長期使用にわたって、ポ
リオルガノシロキサン含有材料はその機能特性を適切に
維持できないであろう。しかしながら、ポリオルガノシ
ロキサン含有材料の使用温度を高めることができれば、
被覆した印刷回路基板は、高温にさらされる用途にも用
いうるであろう。ポリオルガノシロキサン含有材料は、
それが覆っている装置を保護する十分な物理的保全性を
維持すべきであるし、デリケートな機器を害する程の量
の分解生成物を放出すべきでない。
【0004】紫外線にさらすと硬化するポリオルガノシ
ロキサン含有材料を用いれば、それらは硬化が早く、硬
化中の揮発物の放出量が少なく、自動化に適用容易であ
り、低温で硬化しエネルギーコストが低減できるという
利点がある。これらは、今日の工業が、ポリオルガノシ
ロキサン含有材料及び紫外線硬化の両方を用いたいと考
えている理由の内のいくつかとなっている。しかしなが
ら、紫外線にさらして硬化するポリオルガノシロキサン
組成物の多数は、劣化即ち物性低下を起こさずに高温へ
の長時間暴露に耐える能力が比較的低い。
【0005】それらを、高温への暴露の間及び後に厳し
い環境から表面を保護する用途に望ましいものとするた
めに、それらの熱安定性が改善される必要がある。従っ
て紫外線硬化性ポリオルガノシロキサン使用可能温度を
上げる手段を見出すための研究がなされた。この手段
は、高温への暴露の効果、例えば、機械的強度及び靭性
の喪失、脆化と割れ、並びに電気的性質の低下を克服す
べきである。
【0006】EP公開 No.0,400,785(199
0年12月5日公開)においては、アクリルアミド官能
性ポリジオルガノシロキサンの150℃における熱安定
性が、熱安定剤としてナフテン酸亜鉛、オクタン酸第1
錫及び有機チタネートを添加することにより改善される
ことが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、紫外線に晒
すことにより硬化し、かつ改善された熱安定性を有する
アクリルアミド官能性ポリジオルガノシロキサンを提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、1分子あたり
平均して約0.4個を越えるアクリルアミド官能基を持
ち、光増感系の存在下に紫外線に晒すことにより架橋し
うるポリジオルガノシロキサン;カルボン酸ニッケル、
ナフテン酸第1錫、カルボン酸セリウム、カルボン酸マ
ンガン、カルボン酸アルミニウム、カルボン酸銀、ウン
デシレン酸銅、カルボン酸コバルト、トリプロポキシジ
ルコン酸モノメタクリレート、モノ(エチルアセトアセ
トネート)アルミニウムジ(sec−ブトキサイド)、
ジ(エチルアセトアセトネート)アルミニウムsec−
ブトキサイド、亜鉛アセチルアセトネート、モリブデン
アセチルアセトネート、及びジカルボン酸ジブチル錫か
らなる群から選ばれる有効量の熱安定剤;並びに有効量
の光増感系を含む組成物に関する。
【0009】本発明組成において有用なアクリルアミド
官能基含有ポリオルガノシロキサン類は、当技術分野に
おいて既知のものでありうる。それらは、本質的にジオ
ルガノシロキサン単位からなるが小量の他のシロキサン
単位、例えばモノオノガノシルセスキオキサン、トリオ
ルガノシロキシ及びSiO2 を含みうる線状ポリジオル
ガノシロキサン類である。アクリルアミド官能基は有機
基含有シロキサン単位のいずれに付いていてもよい。
【0010】本発明のアクリルアミド官能性ポリオルガ
ノシロキサン類含有組成物に有用な熱安定添加剤は、ナ
フテン酸ニッケル及びオクタン酸ニッケルのようなナフ
テン酸ニッケル;ナフテン酸第1錫;ナフテン酸セリウ
ムのようなカルボン酸セリウム;ナフテン酸マンガンの
ようなカルボン酸マンガン;オクタン酸アルミニウムの
ようなカルボン酸アルミニウム;モノ(エチルアセトア
セトネート)アルミニウムジ(sec−ブトキサイ
ド);ジ(エチルアセトアセトネート)アルミニウム
(sec−ブトキサイド);オクタン酸銀のようなカル
ボン酸銀;ウンデシレン酸銅;オクタン酸コバルトのよ
うなカルボン酸コバルト;トリプロポキシジルコン酸モ
ノメタクリレート;亜鉛アセチルアセトネート;モリブ
デンアセチルアセトネート;ジラウリン酸ジブチル錫の
ようなジカルボン酸ジブチル錫である。
【0011】これらの熱安定剤は、長期間にわたって高
温にさらされる間有効な安定性を提供する量で用いられ
る。高温にさらされている間硬化された材料の安定性を
反映する1つの性質はジュロメーター値として表わされ
た硬度である。加熱期間にわたって硬度が実質的に増大
又は減少する材料は、製品の不安定さを反映する。
【0012】分解は単位あたりの架橋数を増大させう
る。これは硬度を増大するのであるから、熱安定性の1
つの実例は、加熱期間の間硬度が実質的に増大しないこ
と、例えば175℃で100%未満の増大を示すことで
あろう。分解は単位あたりの架橋の数を減少させうる。
これは硬度を減少させるのであるから、熱安定性の他の
1つの実例は、加熱期間の間硬度が実質的に減少しない
こと、例えば175℃で100%未満の減少を示すこと
であろう。
【0013】好ましくは熱安定剤の有効量は、42日ま
での間175℃に加熱して硬化したアクリルアミド官能
性ポリオルガノシロキサン組成物がそのジュロメーター
値を当初のジュロメーター値の±100%以内に保つ、
より好ましくは±50%以内に保つ量である。好ましい
有効量は、熱安定剤の重量%が組成物の重量基準で0.
005〜5重量%の範囲内であるような量である。
【0014】好ましい熱安定剤は、ナフテン酸ニッケ
ル、ウンデシレン酸銅、オクタン酸コバルト、ナフテン
酸第1錫、オクタン酸ニッケル、ジラウリン酸ジブチル
錫、オクタン酸アルミニウム及びモリブデンアセチルア
セトネートである。多数の化合物が熱安定剤として評価
されているが、本発明のアクリルアミド官能性ポリオル
ガノシロキサン組成物の熱安定性にとっては実質的に効
果がないか又は有害であることがわかった。これら効果
がない化合物は、ナフテン酸鉛、ナフテン酸銅、オクタ
ン酸第2鉄及びオクタン酸鉛である。
【0015】熱安定剤は他の成分と物理的に配合されて
均一な混合物を形成する。熱安定剤は、それが組成物の
全体にわたってよく分散されているとき最も効果的であ
る。場合によっては、熱安定剤の分散は、混合操作の間
の加熱によって助けられる。熱安定剤の分散には、溶剤
の使用も助けとなろう。
【0016】前記アクリルアミド官能基は、ポリジオル
ガノシロキサン分子のケイ素原子にケイ素−炭素結合を
通して結合されており、次の式(I)又は(II)で示さ
れる。
【0017】
【化2】
【0018】ここにR″は水素原子又はメチルであり、
2 は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソプロピル、第3ブチルである。R3 は、この基
あたり炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基、例えば
メチレン、エチレン、ブチレン、ヘキシレン、プロピレ
ン、デシレン、−C6 4 −,−CH2 CH2 6 4
【0019】
【化3】
【0020】である。R3 は、好ましくは、このラジカ
ル当たり炭素原子数2〜6の炭化水素、例えば、エチレ
ン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチ
レン、第3ブチレン、ペンチレン及びヘキシレンであ
る。R* は2価の炭化水素基である。2価の炭化水素基
としてのR* としてはメチレン、エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、ヘキシレン、デシレン並びに次式で示さ
れるものがある。
【0021】
【化4】
【0022】紫外線にさらして硬化するアクリルアミド
官能性ポリオルガノシロキサンは当技術分野で知られて
いる。例えば、 Morehouseは、米国特許2,929,8
29(1960年3月22日発行)において、アクリル
アミド化合物は、アシルハライドとアミノアルキルシリ
コン化合物と反応させてアクリルアミド官能性ケイ素化
合物を形成することにより、作りうることを教えてい
る。 Morehouseは次の反応を教えている。
【0023】
【化5】
【0024】ここにR6 はアルキル、アリール、アルケ
ニル又は1価の複素環であり、Mはハロゲン原子であ
り、aは少なくとも3の整数である。R6 がビニルのと
きは、前記ハロゲン化合物はアクリロイルハライドであ
り、形成された製品はアクリルアミド官能性ケイ素化合
物であろう。 Morehouseは、アクリルアミド官能性ポリ
オルガノシロキサン類を調製する方法を示している。
【0025】アクリルアミド官能基を持つポリオルガノ
シロキサン類は Varaprathの米国特許 No.4,608,
270(1986年8月26日発行)に教えられてい
る。これはアクリルアミド官能基を有するポリオルガノ
シロキサンの調製を示している。本発明の組成物におい
て用いられるポリジオルガノシロキサンは次の平均単位
式を持つ。
【0026】
【化6】
【0027】ここにR3 は上に定義したとおりであり、
Rは1価の基、例えばアルキル基、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル及びシクロヘキシル;アリール基
例えばフェニル、2−フェニルエチル及びベンジル;又
はフッ素化アルキル基、例えば3,3,3−トリフルオ
ロプロピル、2(ペルフルオロエチル)エチル及び2
(ペルフルオロブチル)エチルであり、各R7 は独立に
2 又は
【0028】
【化7】
【0029】であり、1分子あたり少なくとも1つのR
7
【0030】
【化8】
【0031】であり、R2 とR″とは上に定義した通り
であり、fは0又は1であり、cは0〜2.05の値を
とり、dは1分子あたり少なくとも0.4個のアクリル
アミド官能基が存在し、ケイ素原子1つあたり0.5個
迄のアクリルアミド基が存在するような値であり、好ま
しくはdは0.001〜0.04であり、c+dは1.
9〜2.05の値をとる。便宜上次式のアクリルアミド
官能基を示すためにZを用いよう。
【0032】
【化9】
【0033】前記ポリジオルガノシロキサン類は、好ま
しくは、必要なアクリルアミド官能基で置換された炭化
水素基を含むシロキサン単位に加えて、アクリルアミド
官能基のないシロキサン単位、例えばMeSiO3/2
Me2 SiO2/2 ,MeViSiO2/2 ,MePhSi
2/2 ,Me3 SiO1/2 ,ViMe2 SiO1/2 及び
SiO4/2 を含む。ここに用いた記号Me,Ph及びV
iはそれぞれメチル、フェニル及びビニルである。この
ポリジオルガノシロキサン類は、アクリルアミド官能基
及び未反応アミン水素原子を持つシロキサン単位、例え
ばZHNCH2 CH2 NHCH2 CH(CH3)CH2
i(CH3)O2/2 を含みうる。
【0034】本発明の組成物に用いられる好ましいポリ
ジオルガノシロキサン類は式Z′R 2 SiO(R2 Si
O) x (Z′RSiO)y SiR2 Z′で示される。こ
こに各Z′は独立に上記R基又はZであり、x及びyは
それぞれ平均値10〜5000及び0〜500である。
このポリジオルガノシロキサンは1分子あたり平均して
少なくとも0.4Zを有する。好ましいポリジオルガノ
シロキサンとしては次のものがある:Me3 SiO(M
2 SiO)500(MeZ′SiO)2SiMe3 ,Z′M
2 SiO(Me2 SiO)2000 SiMe2 Z′,Z′
Me2 SiO(Me2 SiO)100(MeZ′SiO)3
iMe2 Z′,Me3 SiO(MeZ′SiO)10 Si
Me3 及びZ′Me2 SiO(MeZ′SiO)10 Si
Me2 Z′。
【0035】前記アクリルアミド官能基を有するポリジ
オルガノシロキサン類は、窒素に結合した少なくとも1
つの水素を含みケイ素に結合したアミノ置換炭化水素基
を平均して少なくとも0.4個有するアミノ官能性ポリ
ジオルガノシロキサンをアシロキシハライドと混合する
ことにより調製しうる。この混合物は、水溶性アルカリ
性物質の水溶液とアミノ官能性ポリジオルガノシロキサ
ン用水不溶性溶媒とを用いて反応させる。アクリルアミ
ド官能基に変換されるアミノ水素原子1つあたり少なく
とも1つのアクリロイルクロライドが存在すべきであ
り、アクリロイルクロライドの量に関して少なくとも等
量のアルカリ性物質が存在すべきである。アクリロイル
クロライドについて言及するときは、メタクリロイルク
ロライドと置き換えうるということを理解すべきであ
る。
【0036】前記アミノ官能性ポリジオルガノシロキサ
ンは、アクリルアミド官能基に変換するための少なくと
も1つのアミノ水素原子を有するアミノ官能基を平均し
て少なくとも0.4個有しうる。ケイ素に結合したアミ
ノ置換炭化水素基は次式で示されるが、以後便宜上これ
をZ″と記す。
【0037】
【化10】
【0038】ここにR2 ,R3 及びfは上に定義したと
おりである。アミノ置換炭化水素基(アミノ官能性)の
例としては、次のものがある:H2 NCH2 CH2 CH
2 −,CH3 NHCH2 CH2 CH2 −,H2 NCH2
CH(CH3)CH2 −,H2 NCH2 CH2 NHCH2
CH2 CH2 −,H2 NCH2 CH2 NHCH2 CH
(CH3)CH2 −,H2 N(CH2)6 NH(CH2)
3 −,H2 N(CH2)6 NHCH2 CH(CH3)CH2
−,H2 N(CH2)2 N(CH3)CH2 CH2 CH2
及びCH3 NHCH2 CH(CH3)CH2 −。
【0039】前記アミノ官能性ポリジオルガノシロキサ
ンは次の平均単位式を持つシロキサン類でありうる。
【0040】
【化11】
【0041】ここにR2 ,R3 ,c,f及びdは上に定
義した通りである。このポリジオルガノシロキサン類
は、必要なアミノ置換炭化水素基を含むシロキサン単位
に加えて、アミノ置換炭化水素基のないシロキサン単
位、例えばMeSiO3/2 ,Me 2 SiO2/2 ,Me3
SiO1/2 ,MeViSiO2/2 ,MePhSi
2/2 ,ViMe2 SiO1/2 及びSiO4/2 を含みう
る。
【0042】アクリルアミド官能性ポリジオルガノシロ
キサン類に変換される好ましいアミノ官能性ポリジオル
ガノシロキサンは式Z2 2 SiO(R2 SiO)
x (Z2RSiO)y SiR2 2 で示される。ここに
各Z2 は、独立にR基又はZ″基であり、x及びyはそ
れぞれ平均値10〜5000及び0〜500を持つ数で
ある。このアミノ官能性ポリジオルガノシロキサンは、
1分子あたり平均して少なくとも0.4個のZ″を持
つ。
【0043】アクリルアミド官能性ポリジオルガノシロ
キサン類に変換される好ましいアミノ官能性ポリジオル
ガノシロキサンの例としては次のものがある:Me3
iO(Me2 SiO)500(MeZ2 SiO)2SiM
3 ,Z2 Me2 SiO(Me2 SiO)2000 SiMe
2 2 ,Z2 Me2 SiO(Me2 SiO)100(MeZ
2 SiO)3SiMe2 2 ,Me3 SiO(MeZ2
iO)10 SiMe3 及びZ2 Me2 SiO(MeZ2
iO)10 SiMe2 2
【0044】アミノ官能性ポリオルガノシロキサン類は
有機ケイ素の技術分野で周知であり、それらの調製につ
いて詳述する必要はない。いくつかは商業的に入手可能
である。Sommerの米国特許 No.2,557,803(1
951年6月19日発行) 、Speierの米国特許 No.2,
738,357(1956年3月3日発行)、Elliotの
米国特許 No.2,754,312(1956年7月10
日発行)、Speierの米国特許 No.2,762,823
(1956年9月11日発行)、米国特許 No.2,99
8,406、米国特許 No.3,045,036、 Brown
の米国特許 No.3,355,424(1967年11月
28日発行)、 Pluedmannの米国特許 No.3,560,
543(1971年2月2日発行)、米国特許 No.3,
890,269、米国特許 No.4,036,868、Se
ilerらの米国特許 No.4,152,346(1979年
5月1日発行)、及び Tangneyらの米国特許 No.4,5
07,455(1985年5月26日発行)はアミノ官
能性ポリオルガノシロキサン類の調製法を教えている。
【0045】本発明の組成物において用いられるアクリ
ルアミド官能性ポリジオルガノシロキサンは、アルカリ
性物質の水溶液の存在下に、アクリロイルハライドにア
ミノ官能性ポリジオルガノシロキサンを混合することに
より作りうる。このアルカリ性物質は、アクリルアミド
官能基に変換されるアミノ置換炭化水素基中のアミン基
のpKbよりも大きなpKb値を持つ水溶性物質なら何
でもよい。このアルカリ性物質は、好ましくはアルカリ
金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリ
ウムである。
【0046】アルカリ性物質の水溶液に加えて、アクリ
ロイルハライドをアミノ官能性ポリジオルガノシロキサ
ンと混合するとき、アミノ官能性ポリジオルガノシロキ
サン用の水不溶性溶媒も存在してもよい。前記溶媒は反
応成分と反応しない適当な液体なら何でもよい。好まし
くは、この溶媒は、反応生成物であるアクリルアミド官
能性ポリジオルガノシロキサンの溶媒でもある。
【0047】適当な溶媒の例としては、炭化水素類例え
ばトルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン及び
ヘプタン;ハロゲン化炭化水素類例えばメチレンクロラ
イド、クロロホルム、トリクロロエチレン及びトリクロ
ロエタン;及び酸素化化合物例えばエチルエーテル及び
酢酸エチルがある。2又はそれ以上の溶媒も用いうる。
この場合には混合物は、そしてこの混合物の全成分が必
ずしもそうである必要はなくて、アミノ官能性ポリジオ
ルガノシロキサンの溶媒でありさえすればよい。
【0048】アクリロイルハライド、アミノ官能性ポリ
ジオルガノシロキサン、アルカリ性物質の水溶液及び溶
媒は、アクリロイルハライドがアルカリ性物質及び溶媒
の存在下に、アミノ官能性ポリジオルガノシロキサンに
加えられる限り、どんな方法で混合してもよい。好まし
くは、アクリロイルハライド又はその溶液は、アルカリ
性物質の水溶液とアミノ官能性ポリジオルガノシロキサ
ンの溶媒溶液とのよく攪拌した混合物に添加される。こ
の反応は、望ましくない副生物の生成を最少にし、変換
を増大させるために約0〜10%の温度で行なわれるべ
きである。
【0049】この方法で用いられる成分の量は狭く臨界
的なものではない。アクリロイルハライドが窒素に結合
した水素と反応するとき生成してくる全ての塩化水素を
中和するに充分な量のアルカリ性物質が存在し、所望の
量のアミノ官能基をアクリルアミド官能基に変換するに
充分な量のアクリロイルハライドが存在しさえすればよ
い。
【0050】アルカリ性物質とアクリロイルハライドは
好ましくは等g当量で用いられる。例えばアクリロイル
クロライド1分子あたり水酸化ナトリウム1モルであ
る。もっとも、生成するハロゲン化水素の量に対してア
ルカリ性物質が過剰に存在しても反応の望ましい結果に
有害なことは見出されなかった。生成する塩化水素の量
に対してアルカリ性物質が不足することは避けるべきで
ある。
【0051】この方法で用いられる水の量は、アルカリ
性物質を溶解するに充分な量であるべきであり、好まし
くは飽和濃度より低い濃度の当該溶液を形成すべきであ
る。水酸化ナトリウムの2重量%溶液が望ましいことが
見出された。
【0052】この方法で用いられる溶媒の量は、アミノ
官能性ポリジオルガノシロキサン及び好ましくは、アク
リルアミド官能性ポリジオルガノシロキサン生成物も溶
解するに充分な量であるべきである。
【0053】アクリロイルハライドをアミノ官能性ポリ
ジオルガノシロキサンに添加する間又は添加した後、水
相と非水相との密な接触を維持するため、反応混合物を
徹底的に攪拌すべきである。一般には1時間以内にアク
リル化反応が終わるまで、攪拌を維持するために低剪断
手段、例えば攪拌機、パドル及びインペラーで充分であ
る。反応が終わった後、有機相を水相から分離し、反応
生成物(有機相中にある)を溶媒から分離する。アクリ
ルアミド基の望ましくない重合を避けるために、蒸留又
は精留のようないかなる分離操作の前にも、溶液に重合
防止剤を加えるのが望ましいであろう。
【0054】特に被覆に有用な本発明の硬化性組成物は
次式で示される充分にアクリリル化した(acrylylated)
ポリジオルガノシロキサンから作りうる:
【0055】ZR2 SiO(R2 SiO)z (ZRSi
O)g SiR2
【0056】ここにZ及びRは上記したのと同じ意味を
持ち、zは10〜2000の値をとリ、gは0〜0.1
zの値をとる。硬化性組成物が無溶媒被覆組成物として
用いられるときは、上記式で示されるアクリルアミド官
能性ポリジオルガノシロキサンは、好ましくは100〜
10,000センチポイズの粘度を持つ。
【0057】上記式で示されるアクリルアミド官能性ポ
リジオルガノシロキサン類の例としては次のものがあ
る:
【0058】ZMe2 SiO(Me2 SiO)z SiM
eZ,Me3 SiO(Me2 SiO)z (ZMeSi
O)h SiMe3 及びZMe2 SiO(Me2 SiO)
z (ZMeSiO)h SiMe2 Z。
【0059】ここにhは0より大きく0.1zまでの値
をとり、zは上記値をとる。これらのポリジオルガノシ
ロキサン類において、hは、ポリジオルガノシロキサン
が、1分子あたり平均して少なくとも0.4個のアクリ
ルアミド官能基を含むような値をとる。平均して1,2
又はそれ以上のアクリルアミド官能基を有するアクリル
アミド官能性ポリジオルガノシロキサンから調製される
組成物は、紫外線硬化性被覆材を作るのに非常に有用で
ある。
【0060】同一譲受人に譲渡されたMichael A.Lutzの
米国特許出願 No.07/335,908(1989年4
月10日出願)は、紫外線にさらすと硬化してゲルにな
り、こわれ易い部品を持つ電子装置を被覆し、封入し又
は注封するに有用なアクリルアミド官能性ポリジオルガ
ノシロキサン組成物を示している。これらの組成物は、
好ましく、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸第1錫、ナ
フテン酸セリウム、ナフテン酸マンガン、オクタン酸ア
ルミニウム、オクタン酸銀、オクタン酸ニッケル、ウン
デシレン酸銅、オクタン酸コバルト、n−プロパノール
有機ジルコネート錯体、有機アルミニウム錯体、亜鉛ア
セチルアセトネート、モリブデンアセチルアセトネート
及びジラウリン酸ジブチル錫の存在によって大巾な熱安
定性の改善を示す。
【0061】これらのゲル状の性質を持つ組成物は、予
定の粘度で予定のジュロメーター硬度を持つ、つまり未
硬化の組成物の粘度と硬化した組成物の硬度とは独立に
調節しうる、という点で特異である。これらの組成物
は、アクリルアミド官能性ポリジオルガノシロキサン類
の配合物及び紫外線照射したとき配合物を硬化させる光
増感系を含み、前記配合物は(A)4〜90モル%の一
般式
【0062】YR′2 SiO(R2 SiO) n SiR′
2
【0063】で示されるアクリルアミド官能基で末端停
止したポリジオルガノシロキサン、(B)9〜50モル
%の一般式
【0064】R′3 SiO(R2 SiO)n SiR′2
【0065】で示されるモノアクリルアミド官能基で末
端停止したポリジオルガノシロキサン、及び(C)0〜
65モル%の一般式
【0066】R′3 SiO(R2 SiO)n SiR′3
【0067】で示される非官能性ポリジオルガノシロキ
サンの配合物である。
【0068】但し上記式において、Rはアルキル、アリ
ール及びフッ素化アルキルからなる群から選ばれる1価
の基であり;各R′は独立にR及び水酸基から選ばれ;
Yはケイ素−炭素結合を通してケイ素原子に組合された
アクリルアミド官能基であり、このアクリルアミド官能
基は前記式(I)又は(II) で示され;そしてnは30
〜3000の値をとり、前記モル%は全配合物100モ
ル%を基準とし、この配合物中の各ポリオルガノシロキ
サンの存在割合は、アクリルアミドを有する末端が20
〜95%及び非官能性の末端が5〜80%となるような
ものである。
【0069】アクリルアミド官能性ポリジオルガノシロ
キサン(A)は1分子あたり2つのアクリルアミド官能
基を持ち、末端シロキサン単位1あたり1つのアクリル
アミド官能基を持ち、次の一般式で示される:
【0070】YR′2 SiO(R2 SiO)n SiR′
2
【0071】ここにY,R,R′及びnは上に定義した
通りである。各R′は、独立に水酸基及びRで示される
基から選ばれる。アクリルアミド官能性ポリジオルガノ
シロキサン(A)は、nが30〜3,000、好ましく
は50〜1,000であるような重合度を持ちうる。そ
して好ましいジオルガノシロキサン単位は、ジメチルシ
ロキサン、フェニルメチルシロキサン、ジフェニルシロ
キサン及びメチル(3,3,3−トリフルオロプロピ
ル)シロキサンからなる群から選ばれる。
【0072】アクリルアミド官能性ポリジオルガノシロ
キサン(A)は、アクリルアミドがN−アルキル−N−
アクリルアミド又はN−アルキル−N−メタクリルアミ
ドであるものでありうる。アクリルアミドポリジオルガ
ノシロキサン(A)は、ポリマー鎖の末端ケイ素原子に
Si−c結合を通して結合した2つのアクリルアミド官
能基を含む。このポリジオルガノシロキサンのケイ素原
子に結合された残りの有機基は、上にRについて定義し
たものであり、好ましくはメチル、フェニル又は3,
3,3−トリフルオロプロピルである。
【0073】このアクリルアミド官能性ポリジオルガノ
シロキサンは上に引用した Varaprathから当技術分野で
既知である。この Varaprathは鎖の末端にアクリルアミ
ド官能基を持ったポリオルガノシロキサン類を示してお
り、その中でも有用なポリマーは第2アミン官能性ポリ
ジオルガノシロキサンから作られることを示しており、
そのようなポリマーの製造方法を示している。シロキサ
ン単位は、ジメチルシロキサン単位、ジフェニルシロキ
サン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチル−
3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位及び
式(I)のアクリルアミド官能基を持つシロキサン単位
を含みうる。但し前記式(I)において、R2 は水素原
子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、例えばメチル、
エチル、プロピル又はブチルであり、R3 は炭素原子数
2〜6の炭化水素基、例えばエチレン、プロピレン、イ
ソブチレン及びヘキシレンである。R″が水素のとき
は、前記アクリルアミド官能基はアクリリル基であり、
R″がメチル基のときは前記アクリルアミド官能基はメ
タクリリル基である。次式で示されるポリジオルガノシ
ロキサンで末端停止したポリジオルガノシロキサンが好
ましい。
【0074】
【化12】
【0075】モノアクリルアミド官能性末端停止ポリジ
オルガノシロキサン(B)は特によく知られている訳で
はないが、アクリルアミド官能性ポリジオルガノシロキ
サン(A)を調製するのに用いられる多数の方法で調製
されうる。モノアクリルアミド官能性末端停止ポリジオ
ルガノシロキサン(B)は、始めに末端停止単位のいく
つかがトリオノガノシロキシであるポリジオルガノシロ
キサンを調製することにより作りうる。前記トリオルガ
ノシロキシにおいて有機基はアルキル、アリール又はフ
ルオロアルキルであり、この末端停止単位の残りは水酸
基である。Dupreeは米国特許 No.3,274,145
(1966年9月20日発行)に、そのようなポリマー
とその調製方法を示している。
【0076】モノアクリルアミド官能性末端停止ポリジ
オルガノシロキサン(B)は又、適当な出発物質を選ぶ
ことによりいくつかの方法によっても調製しうる。ポリ
ジオルガノシロキサン(B)を純粋な形で、即ち、全て
の分子が一端に非官能性末端基を持ち、他端にアクリル
アミド官能性末端基を持つような形で調製するのは難し
い。殆どのポリジオルガノシロキサン類の調製法は、平
衡法であり、これらの方法は分子種の統計的分布を作り
出すのである。
【0077】例えば、アクリルアミド官能性末端基が、
触媒の存在下で水酸基末端ポリジオルガノシロキサンと
シランとを反応させる方法を用いるポリジオルガノシロ
キサンの調製方法は、出発ポリジオルガノシロキサン
が、分子のなかのいくらかが1つの水酸基末端と1つの
非官能性末端、例えばトリメチルシロキシ単位を持つも
のであれば、用いることができる。
【0078】そのようなポリジオルガノシロキサンはDu
preeから知られており、Dupreeは分子のいくつかは1つ
の水酸基末端基を持つポリジオルガノシロキサンの調製
を示している。この水酸基で末端停止したポリジオルガ
ノシロキサンは、分子のいくらかは2つの水酸基末端基
を持ち、分子のいくらかは1つの水酸基末端基と1つの
非官能性末端基(トリオルガノシロキシ単位)とを持
ち、そして分子のいくつかは2つの非官能性末端基(い
ずれもトリオルガノシロキシ基)を持つような分子の分
布を持つ。
【0079】ポリマー混合物中に存在する各種のポリジ
オルガノシロキサンの量は、それを調製するのに用いら
れる成分による。(B)用に用いられるポリジオルガノ
シロキサンは、1つの末端水酸基を持った望みの数の分
子を与えるであろう方法を選択することにより、最もよ
く制御できる。そうすると、アクリルアミド官能性末端
ポリジオルガノシロキサン(A)分子の数と非官能性ポ
リジオルガノシロキサン(C)分子の数を変えて種々の
配合物を作ることができる。
【0080】Dupreeの記載しているような末端水酸基を
持つポリジオルガノシロキサンから出発して、オルガノ
チタネートのような縮合触媒の存在下に、アクリルアミ
ド官能性/アルコキシシランとこれらのポリジオルガノ
シロキサンとを反応させて、モノアクリルアミド官能性
末端ポリジオルガノシロキサン(B)を作ることができ
る。同様に種々の種類のポリジオルガノシロキサン
(B)を作るのは他の方法を用いうる。例えば、出発成
分がいくらかの非官能性末端基を与えるための前駆体を
含むこと以外は、アクリルアミド官能性末端ポリジオル
ガノシロキサン(A)を作るために述べられた方法であ
る。そのような方法を用いて、(A),(B)及び
(C)のモル%値が上記限度内である組成物を直接調製
しうる。
【0081】非官能性末端ポリジオルガノシロキサン
(C)は当技術分野において周知であり、商業的に入手
できる。この非官能性ポリジオルガノシロキサンは又、
平衡法を用いるポリジオルガノシロキサン(B)の製造
方法によって作りうる。
【0082】上述のように(A),(B)及び(C)の
モル%は、(A)が4〜90モル%で存在し、(B)が
9〜50モル%で存在し、(C)が0〜65モル%で存
在するものである。(C)がゼロモル%の組成物は、ポ
リジオルガノシロキサンを調製する非平衡法を用いる方
法、例えばジメチルシロキサン単位の環状トリマーをア
ルキルリチウムで重合するリビングポリマー法によって
調製される。そのような方法で、1つの水酸基末端及び
1つのトリオルガノシロキシ末端を持つポリジオルガノ
シロキサンを製造できる。
【0083】本発明の配合物は、(A),(B)及び
(C)よりなり、アクリルアミド官能基の末端基が20
〜95%(末端数基準)であり、非官能性基が5〜80
%(末端数基準)であるものである。好ましい配合物
は、45〜80%(末端数基準)のアクリルアミド官能
性末端基と20〜55%(末端数基準)の非官能性末端
基を含む。
【0084】もし適当な前駆体、即ちアミンで末端停止
したポリジオルガノシロキサンが用いられるならば、マ
イクル(Michael) 付加法によってポリジオルガノシロキ
サン(A)及び(B)を作りうる。ポリジオルガノシロ
キサンの両端にアミンが存在するときは(A)ができ、
ポリジオルガノシロキサンの一端にアミンが存在し、他
端は非官能性であるときは(B)ができる。
【0085】Leeらは米国特許 No.4,697,02
6(1987年9月29日発行)で、アクリルアミド官
能基で末端停止したポリジオルガノシロキサン類を教え
ている。これはジアクリルアミド又はジメタクリルアミ
ド官能性化合物を第1又は第2アミン官能性ポリジオル
ガノシロキサンにマイクル付加することにより作られ
る。Leeらは、マイクル付加法を用いるポリマーの調
製法を示している。
【0086】マイクル付加法で調製され、アクリルアミ
ド官能基で末端停止したポリジオルガノシロキサンは、
次の一般式(III) で示される少なくとも1つのアクリル
アミド官能基で末端停止したシロキサン単位を持つもの
である:
【0087】
【化13】
【0088】ここにR3 ,R2 ,R,R″及びR* は上
に定義した通りであり、ポリジオルガノシロキサン中に
存在するシロキサン反復単位は、一般単位式R2 SiO
であり、ここにRは上に定義した通りである。
【0089】ポリジオルガノシロキサン(A)について
は、アクリルアミド官能性末端基を含む好ましいマイク
ル付加ポリジオルガノシロキサンの1つの種類は、Rが
メチルで、R3
【0090】
【化14】
【0091】で、R2 がメチルで、R″が水素原子で、
* が一般式−(CH2)j −(ここにjは1〜6の整数
である。)で示される2価の炭化水素基であり、1分子
中に平均して30〜3,000のジメチルシロキサン単
位が存在するものである。
【0092】ポリジオルガノシロキサン(B)のマイク
ル付加については、ポリマーが一端にトリオルガノシロ
キシ単位を持ち、他端に式(III) のアクリルアミド官能
性末端停止シロキサン単位を持つことを除いて、(A)
について上に述べたのと同様であろう。
【0093】アクリルアミド官能性末端ポリジオルガノ
シロキサン(A)及び(B)は、ポリマー末端1つあた
り1つの第1アミン基又は第2アミン基で末端停止した
アミノ官能性ポリジオルガノシロキサンに1分子あたり
2つのアクリルアミド又はメタクリルアミド基を持つア
クリルアミド官能性化合物を密に混合することにより調
製しうる。このアミンポリジオルガノシロキサン及びア
クリルアミド化合物を混合すると反応が起こってアクリ
ルアミド官能性末端ポリジオルガノシロキサンを生じ、
アミン前駆体いかんによって、それがアミン官能基を両
端に持つか1端のみに持つかによって、ポリジオルガノ
シロキサン(A)又は(B)になる。この反応はマ型付
加反応として知られている。この反応は室温で起こるが
商業的に応用するには、かなり遅いと言わねばならない
場合が多い。例えば、たった40%のアミンをアクリル
アミド官能基に変えるために24時間又はそれ以上かか
る。
【0094】混合物を加熱すれば反応速度が増し、80
%のアミンをアクリルアミド官能基に変えうる。この混
合物を100℃を越えて加熱すべきでない。何故ならそ
のような温度になるとラジカル開始連鎖反応によってア
クリルアミド官能基が相当失なわれるからである。ラジ
カル脱除剤、例えばp−メトキシフェノールは望ましく
ない連鎖反応を妨げるのに役立つ。しかしこの脱除剤
は、それが除かれない限り、最終製品のアクリルアミド
官能性末端ポリジオルガノシロキサンの活性の方も、そ
の使用の間妨げる。ラジカル脱除剤を用いうるが、それ
を用いれば高純度アクリルアミド官能性末端ポリジオル
ガノシロキサンの製造を高価にする。
【0095】最良の反応条件は、促進溶媒、例えばアル
コールを用いて密な混合物を形成することである。好ま
しいアルコールは、反応生成物をさ程高い温度に加熱し
なくても、反応生成物から容易に除けるものである。促
進アルコールの例はエタノール及びイソプロパノールで
ある。促進溶媒の使用は、90〜95%のアミンをアク
リルアミド官能基に変換する程に反応速度を増す。最も
早い反応は、促進溶媒を用いそして混合物を25℃超、
100℃未満に加熱することであろう。
【0096】この本発明は、アクリルアミド官能基が分
子の所定の位置に付く前の事情の故に、望みの構造のア
クリルアミド官能性末端ポリジオルガノシロキサンを調
製する利点を提供する。アミン官能性末端ポリジオルガ
ノシロキサンは、ポリジオルガノシロキサンを調製する
のに用いられる前駆体にアクリルアミド官能基が存在す
る場合よりも高い調製温度に耐えられる。
【0097】例えば、ポリ(コ−ジフェニルシロキサン
−コジメチルシロキサン)を調製するにはアルカリ性平
衡触媒と、シクロポリジメチルシロキサン及びシクロポ
リジフェニルシロキサンの混合物を150℃のような高
い温度に加熱する必要がある。ジメチルシロキサン単
位、ジフェニルシロキサン単位及びアクリルアミド官能
基を持つシロキサン末端単位を有するポリマーを調製し
ようとしてもアクリルアミド官能基を重合させずに反応
を乗り切ることはできず、従って、この種のアクリルア
ミド官能性ポリジオルガノシロキサンは製造できないで
あろう。
【0098】例えば、シクロポリジメチルシロキサン、
シクロポリジフェニルシロキサン、アルカリ性平衡触媒
及びアミン帯有シロキサン前駆体の混合物を用いてアミ
ン官能性末端ポリ(コ−ジフェニルシロキサン−コ−ジ
メチルシロキサン)を作ることができ、次いでより低い
温度でアクリルアミド官能性末端ポリジオルガノシロキ
サンに変換しうる。アミン官能基は、アクリルアミド官
能基よりも、はるかに容易にそのような反応を乗り切る
ことができる。
【0099】前記アミン官能基は第1又は第2アミン官
能基でありうる。第1アミン官能基は第2アミン官能基
よりもはるかに容易に反応する。それ故に二官能性アク
リルアミド化合物は第1アミンと容易に反応し残りのア
ミン水素はアクリル官能基と容易に反応しない。第1及
び第2アミンの間のそのような反応速度の差はアクリル
官能性末端ポリジオルガノシロキサン(A)又は(B)
のいずれかの調製に有利に用いうる。二官能性化合物の
アクリルアミド基の1つが第1アミンと反応した後、残
った第2アミン水素と反応する一官能性アクリルアミド
を加えることにより反応を止めることができる。
【0100】アミン官能性末端ポリジオルガノシロキサ
ン及び二官能性アクリルアミド化合物の間の反応は、こ
の反応混合物に一官能性アクリルアミド化合物を加える
ことにより止めることができる。この一官能性アクリル
アミド化合物は反応中2つの時点で加えうる。アミン官
能性末端ポリジオルガノシロキサン及び二官能性アクリ
ルアミド化合物を混合し、この反応を止めたい望みの時
点で一官能性アクリルアミド化合物を加える。一官能性
アクリルアミド化合物を反応の初期に加えることもでき
るが、これはアミンの水素原子、特に第1アミンの水素
原子を使用し尽す。一官能性アクリルアミド化合物は、
それが二官能性アクリルアミド化合物と競合して最終ケ
イ素化合物上のアクリルアミド基の数が望みの製品では
なくなるようなことがないように、好ましくは反応が始
まった後に加える。
【0101】反応は他の方法でも止められる。この場
合、二官能性アクリルアミド化合物とアミン官能性末端
ポリジオルガノシロキサンの間の反応は、酸無水物を加
えると止まる。反応を止めるために酸無水物を用いれば
貯蔵安定性に関して一官能性アクリルアミド化合物を用
いるのと同じような利益がある。しかし酸無水物を用い
れば、新しい化合物が形成されるという追加の利点があ
る。この新しい化合物は、アクリルアミド官能性末端ポ
リジオルガノシロキサンが次の基を持つものである:
【0102】
【化15】
【0103】ここにR**は1価の炭化水素基又は一般式
−R3 −COOH(ここにR3 は上に定義した通りであ
る。)で示される基である。
【0104】アミン官能性末端ポリジオルガノシロキサ
ン及びアクリルアミド官能性化合物の量は、2つの第1
アミン水素又は1つの第2アミン水素(ここにこれらの
第1及び第2アミン水素原子は二官能性アクリルアミド
化合物との反応前のものである。)あたり少なくとも1
分子のアクリルアミド官能性化合物があるようにすべき
である。上記アクリルアミド官能性化合物対第1アミン
水素の比率は、第2アミン水素原子が反応しないという
意味ではなくて、それらは比較的ゆっくり反応し、上記
方法により容易に反応を止められるということである。
【0105】前記アミン官能性末端ポリジオルガノシロ
キサンは、鎖の末端に第1及び第2アミン官能基を持つ
当技術分野で知られた何でもよい。これらのアミン官能
性ポリジオルガノシロキサンは上に引用した如く、当技
術分野で周知の方法で調製でき、多数は商業的に入手可
能である。
【0106】末端停止ポリジオルガノシロキサンを作る
のに用いられるアミン官能性シランは、次の一般式で示
されるものを例示できる:
【0107】
【化16】
【0108】ここにR3 ,R2 及びRは上に定義した通
りである。X′としてはアルコキシ基又はN,N−ジア
ルキルアミノ基を例示できる。アルコキシ基の例として
は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、2−
エチルヘキソキシ、イソプロポキシ、ヘキシルオキシ、
2−メトキシエトキシ、2−エトキシエトキシがある。
N,N−ジアルキルアミノ基の例としてはジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ及びジイソプロピルアミノがある。
そのようなシランの例としてはδ−アミノブチルジメチ
ルメトキシシランがある。これらのシランは、ポリジオ
ルガノシロキサンを末端停止して、アクリルアミド官能
性末端ポリジオルガノシロキサン(A)又は(B)を作
るのに用いうるアミン官能性末端ポリジオルガノシロキ
サンを提供するのに用いうる。
【0109】アクリルアミド官能性末端ポリジオルガノ
シロキサン(A)を作るためのアミン官能性末端ポリジ
オルガノシロキサンの例は、次式で示されるものの内の
1つである。
【0110】
【化17】
【0111】ここにR3 は上に定義した通りであり、n
は平均値30〜3,000、好ましくは50〜1,00
0である。アクリルアミド官能性末端ポリジオルガノシ
ロキサン(B)を作るためのアミン官能性末端ポリジオ
ルガノシロキサンは次の一般式で示されるものの内の1
つである。
【0112】
【化18】
【0113】ここにnは上に定義した通りであり、Jの
内の一方はメチルで他方は−R3 −NH2 又は−R3
NHR2 (ここにR2 及びR3 は上に定義した通りであ
る。)である。
【0114】アクリルアミド官能性末端ポリジオルガノ
シロキサンを作るのに用いられる二官能性アクリルアミ
ド化合物は商業的に入手可能であり、周知の方法で作る
こともできる。二官能性アクリルアミド化合物の例とし
ては次のものがある:
【0115】
【化19】
【0116】
【化20】
【0117】N,N′−ジメチルアクリルアミドは二官
能性アクリルアミド化合物及びアミン官能性末端ポリジ
オルガノシロキサンの間の反応を止めるのに用いうる。
更に、反応を止めるのに用いうる前記無水物の例として
は無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソバ
レリアン酸、無水カプロン酸、無水パルミチン酸、無水
ステアリン酸、無水コハク酸及びグルタル酸無水物があ
る。
【0118】アクリルアミド官能基を有するシランはア
クリルアミド官能性末端ポリジオルガノシロキサン
(A)又は(B)を調製するのに用いうる。この調製
は、上述のように縮合触媒の存在下に、前記シランを水
酸基末端ポリジオルガノシロキサンと反応させることに
より達成しうる。そのようなシランは次のような一般式
で示しうる:
【0119】
【化21】
【0120】ここにR3 ,R2 ,R,X′,R″及びR
* は上に定義した通りである。好ましくは、R3 は、炭
素原子数3〜10のアルキレン基であり、Rはメチルで
あり、R″は水素であり、R* は2価の炭化水素基であ
る。
【0121】このゲル組成物は、熱安定剤、ポリジオル
ガノシロキサン(A),(B)及び(C)の配合物並び
に光増感系を含む。前記光増感系は、アクリルアミド官
能性末端ポリジオルガノシロキサンを硬化して、こわれ
易い部品を持つ電子装置を封入し及び/又は被覆するに
適当な硬さと弾性率を持つゲルを形成する、のに有用な
光開始剤を含む。この組成物は紫外線にさらすと硬化す
る。
【0122】この光増感系は最も簡単な形では光開始剤
である。それは光硬化過程に何らかの作用をする他の成
分、例えばアミン、特に第3アミンのような連鎖移動剤
も含みうる。他の成分は当技術分野で既知である。
【0123】光開始剤はゲル組成物に望みの硬化を与え
るのに充分な量で用いられる。光開始剤の例としては、
ベンゾイン;ベンゾインアルキルエーテル、例えばメチ
ル、エチル、イソプロピル及びイソブチルベンゾインエ
ーテル;アセトフェノン誘導体、例えばジアルコキシア
セトフェノン例えばジエトキシアセトフェノン、ジクロ
ロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、α,α
−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メチ
ルフェニルグリオキシレート、4−ベンゾイルベンジル
−トリメチルアンモニウムクロライド、α−アシロキシ
ムエステル例えば1−フェニル−1,2−プロパンジオ
ン−2−(O−エトキシカルボニルオキシム)、連鎖移
動剤と組合せたベンゾフェノン、例えばアミン及びアゾ
−ビス(イソブチロニトリル)、ベンジルケタール及び
ケトンアミン誘導体がある。
【0124】ポリシランは、紫外線で硬化すべき組成物
において有用である。ポリシロキサン光開始剤はケイ素
原子が直線状に又は環状に連結した鎖を持つものであ
る。このポリシランは前記配合物に溶解性でなければな
らない。このポリシランは、Westの米国特許 No.4,2
60,780(1981年4月7日発行)に定義された
フェニルメチルポリシラン; Baneyらの米国特許 No.
4,314,956(1982年2月9日発行)に定義
されたアミノ化メチルポリシラン;Petersonらの米国特
許 No.4,276,424(1981年6月30日発
行)のメチルポリシラン;及びWestらの米国特許 No.
4,324,901(1982年4月13日発行)に定
義されたポリシラスチレンでありうる。
【0125】これら組成物において特に有用な光開始剤
としては、
【0126】
【化22】
【0127】及びベンゾインメチルエーテルがある。
【0128】このゲル組成物は熱安定剤を含むので、前
記配合物と光開始剤は、貯蔵の間、かなり安定である。
しかし更に保護するため、又は予想外の事態に備えて、
貯蔵安定剤を加えるのが有利であることが分かるであろ
う。この組成物は、アミン、特に第3アミン、例えばジ
イソプロピルアミノエタノール及びトリオクチルアミン
を含む貯蔵安定剤を含みうる。他の種の粘度安定剤は、
脱除剤型、例えばp−メトキシフェノール(ハイドロキ
ノンのモノメチルエーテルとしても知られている)、カ
テコール、4−t−ブチルカテコール、フェノチアジ
ン、ハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メ
チルフェノール及びN−フェニル−2−ナフチルアミン
である。ラジカル脱除剤粘度安定剤は好ましくは組成物
の重量を基準にして、好ましくは0〜1重量%の量で用
いられる。ラジカル脱除剤が用いられるときは、その量
は0.001〜0.1重量%のように小さくあるべきで
ある。
【0129】本発明の組成物は、何らかの用途に適した
随意の成分を含みうる。しかしながら、未硬化粘度、硬
化剤の硬さ、電気的性質、未硬化及び硬化状態の両方に
ついての組成物の腐食性に影響するものは、組成物をこ
われ易い電子装置用の被覆材、封入剤又は注封材料とし
て用いるときに評価すべきである。考えうる随意成分の
例としては、界面活性剤、充填材や樹脂のような補強
剤、着色剤及び他の変性剤がある。
【0130】本発明組成物は、紫外線による硬化が受入
れられうる多種の用途に用いうる。特に適当な用途は、
電気的及び電子的装置を保護するもの、例えば、電子装
置の被覆、封入又は注封用である。本発明の組成物は硬
化して、硬質樹脂型材料から弾性材料、更には柔いゲル
状材料へと変わる種々の材料になる。この組成物のある
ものは紙の被覆に有用である。本発明組成物は、添加剤
を加えない同じ組成物に較べて熱安定性の改善された硬
化品を与える。添加剤は、湿った条件下でも熱老化後に
電気的性質を維持するようである。
【0131】本発明のゲル組成物は、紫外線に曝すと迅
速に、通常数秒以内に硬化し、そしてそれらはポリジオ
ルガノシロキサンをベースにしているので、集積回路の
保護に適している。これらの組成物は、高いイオン純度
(ionic purity) 及び低吸湿性を持ち、低温でも応力緩
和を示し、熱的に安定であり、厳しい環境に対して保護
する。このゲル組成物がその粘度と硬度とを独立に変え
る性質の故に、ウェーハー段階での恒久的な保護被覆を
形成させるための材料塗布及び光画像形成の間の現場で
のフローバリヤー (flow barrier) の生成を含む、フォ
トバリヤー (photobarrier) 加工に有用である。この組
成物は、保存安定性に優れ、ワンパッケージコンテナ製
品として輸送しうる。このゲル組成物は、集積回路を保
護するのに用いることができ、自動製造ラインのような
迅速な加工が必要な製造工程で用いうる。
【0132】以下の例は、具体的説明のためのもので、
特許請求の範囲に適切に記述された本発明を限定するも
のと解釈すべきではない。以下の例において、特にこと
わらない限り、「部」は「重量部」を表わし、粘度は2
5℃で測定したものである。
【0133】例 両末端基がアクリルアミドであるポリマーを以下のよう
にして調製した:
【0134】窒素ガスシールをし温度を30℃末端に保
ちつつ、反応器に、1分子あたり平均10個のジメチル
シロキサン単位を持つヒドロキシル−ジメチルシロキシ
末端ポリ(ジメチルシロキサン)80.98部を装填
し、次式
【0135】
【化23】
【0136】で示されるシラン19.02部を加えるこ
とにより、アミノ官能性末端ポリジオルガノシロキサン
を調製した。シランの添加が終わった後、反応混合物を
ゆっくりと80℃に加熱し、この温度に1時間保った。
次いで80℃、約45mmHgで、揮発物を除いた。生じた
アミノ官能性末端ポリジオルガノシロキサン、「アミノ
ポリマーA」はアミン中和の当量(ANE)が708.
5g/当量であった。
【0137】反応器に、アミノポリマーA 3.76
部、1分子あたりメチルフェニルシロキサン単位3〜6
個を持つ環状ポリ(メチルフェニル−シロキサン)1
2.64部、1分子あたりジメチルシロキサン単位3〜
6個を持つ環状ポリ(ジメチルシロキサン)81.92
部、ジメチルホルムアミド0.49g及びカリウムシラ
ノレート触媒0.01部を装填することによりアミノ官
能性末端ポリジオルガノシロキサン、「アミノポリマー
B」を調製した。得られた混合物を150℃で約8時間
加熱し、50℃に冷却し、次いでプロピオン酸0.04
4部で中和した。
【0138】この混合物を少なくとも1時間攪拌し、過
剰のプロピオン酸を重炭酸ナトリウム0.049部で中
和し、次いで150℃,45mmHgでストリップした。こ
のストリップした混合物に Supercell(商標)、けいそ
う土濾過助剤0.99部加え、次いでこの混合物を加圧
濾過した。得られたアミノ官能性末端ポリジオルガノシ
ロキサン、アミノポリマーBは、ANEが17,870
g/当量、屈折率1.4245、粘度6.75Pa・s 及
び非揮発成分含量97.7重量%であった。
【0139】12Lの3つ口フラスコに3000gのア
ミノポリマーB、3000gのヘプタン及び11.79
gのナトリウムメトキサイドを加えることにより、アク
リルアミド官能性末端ポリジオルガノシロキサンを調製
した。この混合物を0〜5℃に冷却し、76.3mLのメ
タノールを加え、次いで17.73mLのアクリロイルク
ロライドを282mLのヘプタンに溶かしたものを4時間
かけて加えた。約1時間後1mLのプロピオン酸を反応混
合物に加え、続いて約1時間後に30gの炭酸カルシウ
ム及び60gの Supercell(商標)を加えた。得られた
溶液を0.22μmの膜状フィルターを通して加圧濾過
した。得られた透明液に50ppm p−メトキシフェノー
ル(MEHQ)及び25ppm のフェノチアジンを加え、
50℃,10mmHg未満で減圧ストリップした。得られた
製品はアクリルアミド官能性ポリオルガノシロキサンで
あり、ここにアミン基は次式
【0140】
【化24】
【0141】で示されるアクリルアミド官能基に変換し
ていた。このものを「アクリルアミド配合物A」と呼
ぶ。これは、アミンからアクリルアミドへの変換率9
5.2モル%、粘度5.71Pa・s 、塩素含量1ppm 未
満、ナトリウム含有0.5ppm 未満、カリウム含量0.
5ppm 未満であった。
【0142】50%(末端数基準)アクリルアミド官能
性末端及び50%(末端数基準)非官能性末端を持つポ
リマー混合物の調製を以下のようにして行なった:
【0143】ポリマー末端の50%(末端数基準)がト
リメチルシロキシ官能性でポリマー末端の50%(末端
数基準)がアミノ官能性となるように、粘度2センチス
トークスのトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキ
サンを用いて、反応混合物中のアミノポリマーAの一部
を置き換える他はアミノポリマーBと同様にしてアミノ
官能性ポリジオルガノシロキサン(「アミノポリマー
C」)を調製した。得られた製品は淡黄色の透明な液体
であった。このアミノ官能性末端ポリジオルガノシロキ
サンは次の平均式を持っていた:
【0144】
【化25】
【0145】ここにEBはこのポリマー混合物の停止末
端を表わす。計算値によるとこの混合物の内わけは次の
ようであった。ポリマー分子の25モル%は次式で示さ
れる2つのアミノ官能性末端基を持ち、
【0146】
【化26】
【0147】ポリマー分子の50モル%は、上に示した
アミノ官能基である1つのEBとメチル(非官能性)で
あるもう1つのEBとを持ち、ポリマー分子の25モル
%は、メチル基(非官能性)の停止末端を持っていた。
このアミノ官能性末端ポリジオルガノシロキサンを「ア
ミノブレンドA」と呼ぶ。これは、50%(末端数基
準)の停止末端をアミノ基とし、50%(末端数基準)
の停止末端基をメチル基としている。アミノブレンドA
はブルックフィールド粘度計で10rpm としHAF#3
を用いて測定した粘度は5.65Pa・s であり、ANE
(アミン中和当量)は33,900g/eqであった。
【0148】アクリルアミド官能性末端ポリジオルガノ
シロキサンを以下のようにして調製した。12Lの3つ
口フラスコに3,000gのアミノポリマーC、300
0gのヘキサン及び7.18gのナトリウムメトキサイ
ドを加えた。この混合物を0〜5℃に冷却し、76.3
mLのメタノールを加え、次いで11.14mLの塩化アク
リロイルを289mLのヘプタンに溶かしたものを4時間
25分かけて加えた。24時間後、この反応混合物を
0.8μm膜フィルターを通して加圧濾過した。
【0149】得られた透明な溶液を30gの炭酸カルシ
ウム及び Supercell(商標)濾過助剤と共に約24時間
攪拌した。得られた透明な溶液に50ppm のp−メトキ
シフェノール(MEHQ)及び25ppm のフェノチアジ
ンを混合し、50℃,10mmHg未満で減圧ストリップし
た。この製品を「アクリルアミド配合物B」と呼ぶ。こ
のものは、12rpm でLV#3スピンドルを用いて測っ
た粘度が4.5Pa・sであり、ANEが667,000
g/eqであり変換率93.8モル%であった。アクリル
アミド配合物Bは次の平均式を持っていた。
【0150】
【化27】
【0151】ここにEB′はこのポリマー混合物におけ
る末端基を表わす。この混合物を評価すると、ポリマー
分子の25モル%は、次式で示されるアクリルアミド末
端基を2つ持ち、
【0152】
【化28】
【0153】ポリマー分子の50モル%は、上に示した
アクリルアミド官能基としての1つのEB′とメチル
(非官能性)としてのもう一方のEB′とを持ち、そし
てポリマー分子の25モル%はメチル基(非官能性)の
両末端停止基を持っていた。このアクリルアミド配合物
Bは、評価によればアクリルアミド基の停止末端50%
(末端数基準)とメチルの停止末端50%(末端数基
準)とを持っていた。
【0154】組成物の調製を次のようにして行なった:
【0155】次のように組成物を作ることにより熱安定
性を評価した:アクリルアミド配合物Aとアクリルアミ
ド配合物Bとの混合物(ポリマー混合物)を作って粘度
5.5Pa・s 及びショア00目盛で硬さ30とした。こ
れら性質は、1重量%の(1−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)フェニルメタノン(ケトン光開始剤)をポリマー混
合物に加えた後に測定した。このケトン光開始剤はポリ
マー混合物に、70℃で0.5時間加熱することにより
配合した。
【0156】組成物のサンプルを表1に示した種々の添
加剤1重量%と混合した。次いで各サンプルを缶ぶた上
に厚さ189ミル(4.8mm)で被覆し、次いで Fusio
n System UV Curing Unit から紫外線照射し投与量3J
/cm2 を与えた。色、相溶性及び粘着性を観察した。始
めのショア00硬度を測定し、次いでサンプルを175
℃の強制空気炉中に置き、1,3,7,14,21及び
42日の後にショア00硬度を測定した。175℃で、
ショア00で100%を越えて変わった組成物をは望ま
しくないと考えられた。その結果を表2に示す。
【0157】
【表1】
【0158】
【表2】
【0159】上記熱安定性試験の結果から、19の添加
剤が175℃エージングで改善された熱安定性を示し
た。これらの添加剤は、ナフテン酸ニッケル、ナフテン
酸第1錫、ナフテン酸セリウム、ナフテン酸マンガン、
オクタン酸アルミニウム、オクタン酸銀、オクタン酸ニ
ッケル、オクタン酸コバルト、ウンデシレン酸銅、モリ
ブデンアセチルアセトネート、亜鉛アセチルアセトネー
ト、ジラウリン酸ジブチル錫、モノ(メタクリレート)
トリプロポキシジルコネート、モノ(エチルアセトアセ
トネート)アルミニウムジ(sec−ブトキサイド)及
びジ(エチルアセトアセトネート)アルミニウムsec
−ブトキサイド並びに我々の上記出願に開示したナフテ
ン酸亜鉛、オクタン酸第1錫及びテトラブチルチタネー
トであった。
【0160】175℃及び1重量%でのエージング期間
にわたって最高の安定性を示した添加剤は、ナフテン酸
ニッケル、ナフテン酸第1錫、オクタン酸コバルト及び
ウンデシレン酸銅であった。オクタン酸鉛(組成物 No.
16)及びナフテン酸鉛(組成物 No.8)は添加剤なし
の組成物(組成物 No.1、対照)より良いということは
なかった。ナフテン酸銅(組成物 No.6)、オクタン酸
銅(II)(組成物 No.12)、オクタン酸第2鉄(組成
物 No.13)及び銅アセチルアセトネート(組成物 No.
20)は、熱安定性にいくらかの改善を示したが、17
5℃でのエージング期間のパーセンテージ変化は、10
0%より大きく、許容できないものと決定した。又、ナ
フテン酸銅及びオクタン酸第2鉄は初期硬度が非常に低
く、許容できないものであった。
【0161】
【発明の効果】本発明によれば紫外線硬化性アクリルア
ミド官能性ポリジオルガノシロキサンの熱安定性が改善
される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09D 5/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子あたり平均して約0.4個を越え
    るアクリルアミド官能基を持ち、光増感系の存在下に紫
    外線に晒すことにより架橋しうるポリジオルガノシロキ
    サン;カルボン酸ニッケル、ナフテン酸第1錫、カルボ
    ン酸セリウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸アルミ
    ニウム、カルボン酸銀、ウンデシレン酸銅、カルボン酸
    コバルト、トリプロポキシジルコン酸モノメタクリレー
    ト、モノ(エチルアセトアセトネート)アルミニウムジ
    (sec−ブトキサイド)、ジ(エチルアセトアセトネ
    ート)アルミニウムsec−ブトキサイド、亜鉛アセチ
    ルアセトネート、モリブデンアセチルアセトネート、及
    びジカルボン酸ジブチル錫からなる群から選ばれる有効
    量の熱安定剤;並びに有効量の光増感系を含む組成物。
  2. 【請求項2】 1分子あたり平均して約0.4個を越え
    るアクリルアミド官能基を持ち、光増感系の存在下に紫
    外線に晒すことにより架橋しうるポリジオルガノシロキ
    サン;ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸第1錫、ナフテ
    ン酸セリウム、ナフテン酸マンガン、オクタン酸アルミ
    ニウム、オクタン酸銀、オクタン酸ニッケル、ウンデシ
    レン酸銅、オクタン酸コバルト、トリプロポキシジルコ
    ン酸モノメタクリレート、モノ(エチルアセトアセトネ
    ート)アルミニウムジ(sec−ブトキサイド)、ジ
    (エチルアセトアセトネート)アルミニウムsec−ブ
    トキサイド、亜鉛アセチルアセトネート、モリブデンア
    セチルアセトネート及びジラウリン酸ジブチル錫からな
    る群から選ばれる有効量の熱安定剤;並びに有効量の光
    増感系を含む組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリジオルガノシロキサンが(A)
    4〜90モル%の一般式 YR′2 SiO(R2 SiO) n SiR′2 Y で示されるアクリルアミド官能基で末端停止したポリジ
    オルガノシロキサン、(B)9〜50モル%の一般式 R′3 SiO(R2 SiO)n SiR′2 Y で示されるモノアクリルアミド官能基で末端停止したポ
    リジオルガノシロキサン、及び(C)0〜65モル%の
    一般式 R′3 SiO(R2 SiO)n SiR′3 で示される非官能性ポリジオルガノシロキサンの配合物
    である請求項1又は2の組成物。但し上記式において、
    Rはアルキル、アリール及びフッ素化アルキルからなる
    群から選ばれる1価の基であり;各R′は独立にR及び
    水酸基から選ばれ;Yはケイ素−炭素結合を通してケイ
    素原子に組合されたアクリルアミド官能基であり、この
    アクリルアミド官能基は次式の(I)又は(II) で示さ
    れ、 【化1】 ここにR″は水素原子又はメチルであり、R2 は水素原
    子又は炭素原子数1〜4のアルキルであり、R3 は当該
    基1つあたり炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基で
    あり、R* は2価の炭化水素基又はエーテル結合を有す
    る2価の炭化水素基であり;そしてnは30〜3000
    の値をとり、前記モル%は全配合物100モル%を基準
    とし、この配合物中の各ポリオルガノシロキサンの存在
    割合は、アクリルアミドを有する末端が20〜95%
    (末端数基準)及び非官能性の末端が5〜80%(末端
    数基準)となるようなものである。
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