JP4887233B2 - アリーリデンピラゾロン色素を含有する感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法 - Google Patents

アリーリデンピラゾロン色素を含有する感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法 Download PDF

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Description

本発明は特定の新規なアリーリデンピラゾロン色素を含む感熱転写記録用インクシート、インクカートリッジおよびそれを用いた感熱転写記録方法に関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレイではLCDやPDPにおいて、カラー画像を記録、再現するためにカラーフィルターが使用されている。
カラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の着色剤(色素や顔料)が使用されている。しかしながら、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件に耐えうる堅牢な着色剤がないのが実情であり、改善が強く望まれている。
感熱転写記録には、支持体(ベースフィルム)上に熱溶融性インク層を形成させた感熱転写材料をサーマルヘッドにより加熱し該インクを溶融して受像材料上に記録する方式と、支持体上に熱移行性色素を含有する色素供与層を形成させた感熱転写材料をサーマルヘッドにより加熱して色素を受像材料上に熱拡散転写させる方式とがある。後者の感熱転写方式は、サーマルヘッドに加えるエネルギーを変えることにより色素の転写量を変化させることができるために階調記録が容易であり、高画質のフルカラー記録には特に有利である。しかしこの方式に用いる熱移行性色素には種々の制約があり、必要とされる性能を全て満たすものは極めて少ない。
必要とされる性能としては、例えば、色再現上好ましい分光特性を有すること、熱記録ヘッドによって昇華および/または転写すること、分子吸光係数が大きいこと、光や熱に堅牢であること、種々の化学薬品に堅牢であること、合成が容易であること、感熱転写用記録材料を作りやすいこと、安全であることなどがある。しかしながら、色再現上好ましい分光特性を有し、光や熱に堅牢であるとして提案されている従来の特定の色素(例えば特許文献1および特許文献2)は満足できるレベルではなく、さらなる改良が強く望まれている。
感熱転写記録に使用するために、特定のアリーリデンピラゾロン骨格を有する色素が提案されている(特許文献3)。しかしながら、これらの色素は上記の要求特性が必ずしも満足いくレベルでなく、さらなる検討が求められていた。
特開昭63−189289号公報 特開昭60−53564号公報 特開平2−3450号公報
本発明の目的は、色再現上好ましい分光特性を有し、かつ高い光堅牢性を有するアリーリデンピラゾロン色素を用い、印画サンプルにおける優れた色再現性、画像保存性および転写濃度の全てを同時に満足する感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下の構成によって上記課題が達成されることを見出した。
(1)基材シート及び該基材シートの一方の面に形成された色素担持層からなり、該色素担持層に含有するイエロー色素の少なくとも1種が、下記一般式()で表されるアリーリデンピラゾロン色素であることを特徴とする感熱転写記録用インクシート。
Figure 0004887233
(一般式(2)中、Yはフッ素原子、塩素原子または臭素原子を表し、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基またはイソプロピル基を表し、RおよびRは各々独立にメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基またはアリル基を表す。)
(2)前記(1)に記載のインクシートが装填されていることを特徴とするインクカートリッジ。
(3)支持体上にポリマーを含有するインク受容層を有する受像材料上に前記(1)に記載の感熱転写記録用インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法
本発明によって、色再現上好ましい分光特性を有し、分子吸光係数が高く、溶解度が高く、転写濃度が高く、さらに高い光堅牢性を有する新規なアリーリデンピラゾロン色素を含有する感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法を提供することができる。さらには、印画サンプルにおける優れた色再現性、画像保存性および感熱転写濃度の全てを満足する感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法を提供することができる。
以下に本発明の感熱転写用インクシート、インクカートリッジ、感熱転写記録方法およびそれに用いるアリーリデンピラゾロン色素について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
〔一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素〕
最初に、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素について詳細に説明する。本発明では一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素のうち、後述する一般式(2)で表されるものを用いる。
般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素に類似のアリーリデンピラゾロン色素が特開平2−3450号公報に記載されている。具体的には、下記の化合物No.12、13である。しかしながら、一般式(1)で表される特定の置換基の組み合わせを有するアリーリデンピラゾロン色素は記載されておらず、この特定の構造を有するアリーリデンピラゾロン色素が、感熱転写用インクシートとして、上記目的を達成するのに極めて有用であることは、これまで全く知られていなかった。
Figure 0004887233
一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素の構造的特徴は、ピラゾロンの5−位にアルコキシ基を有し、かつアニリノ基のメチンに対してオルト位にハロゲン原子を有することである。この特徴を有する上記本発明のアリーリデンピラゾロン色素は、色再現上好ましい分光特性を有し、モル吸光係数が高く、溶解度が高く、高い光堅牢性を有しており、感熱転写記録用インクシートとして使用した場合、転写濃度が高く、その他の必要な性能を同時に満足できるため、感熱転写記録用途に特に好適に利用可能である。
一般式(1)において、Xは置換または無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。ここで、置換していてもよい置換基に関しては後述する。
一般式(1)において、Yはハロゲン原子を表す。
一般式(1)において、Rは炭素数6〜10の置換または無置換のアリール基を表す。同じく、置換してもよい置換基に関しては後述する。
一般式(1)において、R、RおよびRは各々独立に水素原子、炭素数1〜4の無置換のアルキル基、炭素数1〜4の無置換のアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。
一般式(1)において、RおよびRは各々独立に炭素数1〜6の置換または無置換のアルキル基、アリル基を表す。ここで、置換してもよい置換基に関しては後述する。
以下に、上述のX、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基をさらに詳しく説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。中でも塩素原子、臭素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
本発明においては、アルキル基には、シクロアルキル基、およびビシクロアルキル基が含まれる。アルキル基には、直鎖、分岐の置換もしくは無置換のアルキル基が含まれる。直鎖、分岐の置換もしくは無置換のアルキル基は炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、および2−エチルヘキシル基を挙げることができる。シクロアルキル基としては置換もしくは無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換もしくは無置換のシクロアルキル基は、炭素数3〜30のシクロアルキル基が好ましい。例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基を挙げることができる。ビシクロアルキル基としては、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基を挙げることができる。例として、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基を挙げることができる。さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中の「アルキル」(例えばアルキルチオ基の「アルキル」)もこのような概念の「アルキル」を表す。
本発明においては、アルケニル基にはシクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基が含まれる。アルケニル基としては直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。アルケニル基としては、炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基が好ましい。例としてはビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基を挙げることができる。シクロアルケニル基としては、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましい。例としては、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基が挙げられる。ビシクロアルケニル基としては、置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基が含まれる。ビシクロアルケニル基としては炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましい。例として、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基を挙げることができる。
アルキニル基は、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、およびプロパルギル基が挙げられる。
アリール基は、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基が挙げられる。
ヘテロ環基は、置換もしくは無置換の芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、それらはさらに縮環していてもよい。これらのヘテロ環基としては、好ましくは5または6員のヘテロ環基であり、また環構成のヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましい。さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。ヘテロ環基を構成する環を置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、シンノリン環、フタラジン環、キノキサリン環、ピロール環、インドール環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、ベンズオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イソチアゾール環、ベンズイソチアゾール環、チアジアゾール環、イソオキサゾール環、ベンズイソオキサゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、イミダゾリジン環、チアゾリン環が挙げられる。
アルコキシ基は、置換もしくは無置換のアルコキシ基が含まれる。置換もしくは無置換のアルコキシ基としては、炭素原子数が1〜30のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−オクチルオキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3−カルボキシプロポキシ基などを挙げることができる。
アリールオキシ基は、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基が好ましい。アリールオキシ基の例として、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基などを挙げることができる。
アシルオキシ基は、ホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましい。アシルオキシ基の例には、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
カルバモイルオキシ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基が好ましい。カルバモイルオキシ基の例には、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基などを挙げることができる。
アルコキシカルボニルオキシ基は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルオキシ基は、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
アミノ基は、アルキルアミノ基、アリールアミノ基およびヘテロ環アミノ基を含む。アミノ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基が好ましい。アミノ基の例には、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N-メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、カルボキシエチルアミノ基、スルフォエチルアミノ基、3,5−ジカルボキシアニリノ基、4−キノリルアミノ基などを挙げることができる。
アシルアミノ基は、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。アシルアミノ基の例には、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基などを挙げることができる。
アミノカルボニルアミノ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が好ましい。アミノカルボニルアミノ基の例には、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基などを挙げることができる。なお、この基における「アミノ」の用語は、前述のアミノ基における「アミノ」と同じ意味である。
アルコキシカルボニルアミノ基は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基などを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルアミノ基は、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基などを挙げることができる。
スルファモイルアミノ基は、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基が好ましい。スルファモイルアミノ基の例には、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基などを挙げることができる。
アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基が好ましい。アルキルスルホニルアミノ基およびアリールスルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基などを挙げることができる。
アルキルチオ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基が好ましい。アルキルチオ基の例には、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基などを挙げることができる。
スルファモイル基は、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基が好ましい。スルファモイル基の例には、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)基などを挙げることができる。
アルキルもしくはアリールスルフィニル基は、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基が好ましい。アルキルもしくはアリールスルフィニル基の例には、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基などを挙げることができる。
アルキルもしくはアリールスルホニル基は、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基が好ましい。アルキルもしくはアリールスルホニル基の例には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル基などを挙げることができる。
アシル基は、ホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましい。アシル基の例には、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニル基などを挙げることができる。
アリールオキシカルボニル基は、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基が好ましい。アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基などを挙げることができる。
アルコキシカルボニル基は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基が好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル基などを挙げることができる。
カルバモイル基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基が好ましい。カルバモイル基の例には、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基などを挙げることができる。
アリールもしくはヘテロ環アゾ基として、例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ基などを挙げることができる。
イミド基として、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基などを挙げることができる。
Xは好ましくは、置換または無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基であり、さらに好ましくは置換または無置換の炭素数1〜3のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜2の無置換のアルコキシ基である。
Yは好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子であり、さら好ましくはフッ素原子、塩素原子であり、最も好ましくは塩素原子である。
は、好ましくは置換または無置換のフェニル基であり、さらに好ましくは無置換またはアルキル基の置換したフェニル基であり、最も好ましくは無置換のフェニル基である。
、RおよびRは各々独立に、好ましくは水素原子、炭素数1〜3の無置換のアルキル基、炭素数1〜3の無置換のアルコキシ基または塩素原子であり、さらに好ましくは水素原子、炭素数1〜2の無置換のアルキル基または炭素数1〜2の無置換のアルコキシ基であり、最も好ましくは水素原子である。
およびRは各々独立に、好ましくは置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基またはアリル基であり、さらに好ましくは置換または無置換の炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基であり、最も好ましくは炭素数1〜3の無置換のアルキル基またはアリル基である。
般式(1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
好ましい組み合わせは、Xが無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基であり、Yがフッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、Rが置換または無置換のフェニル基であり、Rが水素原子であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基またはアリル基であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基またはアリル基であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子である組み合わせである。
さらに好ましい組み合わせは、Xが無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基であり、Yがフッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、Rが置換または無置換のフェニル基であり、Rが水素原子であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、Xが無置換の炭素数1〜3のアルコキシ基であり、Yがフッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、Rが置換または無置換のフェニル基であり、Rが水素原子であり、Rが無置換の炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基であり、Rが無置換の炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子である組み合わせか、または一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素である。本発明においては一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を用いる。
〔一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素〕
以下に一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素について詳細に説明する。
一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素は、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素の特徴的な構造に加え、熱拡散性の観点から分子量が410以下であることが特徴であり、この特徴を兼ね備えた色素はこれまで全く知られていなかった。この特徴を有する一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素は、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素の中でも、特に転写感度に優れ、前述の感熱転写記録用インクシートの用途に特好適である。
一般式(2)におけるYは、一般式(1)におけるYと同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(2)におけるRは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基である。好ましくは、メチル基、エチル基またはn−プロピル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基であり、最も好ましくはエチル基である。
一般式(2)におけるRおよびRは各々独立にメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基である。好ましくは各々独立にエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基またはアリル基であり、さらに好ましくは各々独立にエチル基、n−プロピル基またはアリル基であり、最も好ましくは各々独立にエチル基またはアリル基である。
本発明の一般式(2)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
好ましい組み合わせは、Yがフッ素原子または塩素原子であり、Rがメチル基またはエチル基であり、Rがエチル基、n−プロピル基またはアリル基であり、Rがエチル基、n−プロピル基またはアリル基である組み合わせである。
さらに好ましい組み合わせは、Yが塩素原子であり、Rがメチル基またはエチル基であり、Rがエチル基、n−プロピル基またはアリル基であり、Rがエチル基、n−プロピル基またはアリル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、Yが塩素原子であり、Rがエチル基であり、Rがエチル基またはアリル基であり、Rがエチル基またはアリル基である組み合わせである。
以下に、本発明で用いることのできる一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素の具体例を一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素の具体例とともに示すが、本発明で用いることができる一般式()のアリーリデンピラゾロン色素は以下の具体例によって限定されるものではない。なお、以下の具体例においてPhはフェニル基(−C)を表す。
Figure 0004887233
ここで上記具体化合物例に挙げた(1)〜(10)は、前記一般式(2)のアリーリデンピラゾロン色素の具体例である
これらのアリーリデンピラゾロン色素は、一般的に行われているピラゾロン誘導体とアミノベンズアルデヒド誘導体との脱水縮合反応により合成することができる。
具体的には、一般式(3)で表されるピラゾロン誘導体と、一般式(4)で表されるアミノベンズアルデヒド誘導体を、例えば下記反応スキーム1に従って、メタノール等の溶媒中で加熱して脱水縮合反応させることにより容易に合成することができる。詳細は、実施例で示す。
一般式(3)で表されるピラゾロン誘導体は、例えばJ.Heterocycl.Chem.1996,33(2),479頁に記載の方法により容易に合成することができる。
一般式(4)で表されるアミノベンズアルデヒド誘導体は、例えば第4版実験化学講座,20巻,284−288頁、第4版実験化学講座,21巻,113−118頁に記載の方法により容易に合成することができる。
Figure 0004887233
(一般式(3)中、XおよびRは、それぞれ前記一般式(1)中のXおよびRと同義である。一般式(4)中、Y、R〜Rは、前記一般式(1)中のY、R〜Rと同義である。また一般式(1)は前述の一般式(1)と同じである。)
〔感熱転写記録用インクシート〕
本発明のアリーリデンピラゾロン色素は3原色のうち、イエロー色として使用されることが好ましい。本発明のアリーリデン色素の最大吸収波長の好ましい範囲としては好ましくは400〜480nmであり、より好ましくは420〜460nmである。
本発明の感熱転写記録用インクシートは、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とする。感熱転写記録用インクシートは、一般に支持体上に色素供与層が形成された構造を有しており、その色素供与層中に一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を含有させる。本発明の感熱転写記録用インクシートは、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素をバインダーとともに溶剤中に溶解するか、あるいは溶媒中に微粒子状に分散させることによってインク液を調製し、該インク液を支持体上に塗設し、適宜乾燥して色素供与層を形成することにより製造することができる。
本発明の感熱転写記録用インクシートの支持体には、インクシート用支持体として従来から用いられているものを適宜選択して用いることができる。例えば特開平7−137466号公報の段落番号0050に記載される材料を好ましく用いることができる。支持体の厚みは、2〜30μmが好ましい。
本発明の感熱転写記録用インクシートの色素供与層に用いることができるバインダー樹脂は、耐熱性が高く、加熱されたときに色素が受像シートへ移行するのを妨げないものであれば特にその種類は制限されない。例えば、特開平7−137466号公報の段落番号0049に記載されるものを好ましい例として挙げることができる。また、色素供与層形成用の溶剤についても、従来公知の溶剤を適宜選択して用いることができ、特開平7−137466号公報の実施例に記載されるものを好ましく用いることができる。
色素供与層中における一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素の含有量は、0.03〜1.0g/mが好ましく、0.1〜0.6g/mがより好ましい。また、色素供与層の厚みは、0.2〜5μmが好ましく、0.4〜2μmがより好ましい
本発明の感熱転写記録用インクシートは、本発明の効果を過度に阻害しない範囲内であれば、色素供与層以外の層を有するものであってもよい。例えば、支持体と色素供与層との間に中間層を有するものであってもよいし、色素供与層とは反対側の支持体面(以下において「背面」ともいう)にバック層を有するものであってもよい。中間層としては、例えば下塗り層や、色素の支持体方向への拡散を防止するための拡散防止層(親水性バリアー層)を挙げることができる。また、バック層としては、例えば耐熱スリップ層を挙げることができ、サーマルヘッドのインクシートへの粘着防止を図ることができる
本発明をフルカラー画像記録が可能な感熱転写記録材料に適用するには、シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含有するシアンインクシート、マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ色素を含有するマゼンタインクシート、イエロー画像を形成することができる熱拡散性イエロー色素を含有するイエローインクシートを支持体上に順次塗設して形成することが好ましい。また、必要に応じて他に黒色画像形成物質を含むインクシートがさらに形成されていてもよい。
シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含有するシアンインクシートとしては、例えば、特開平3−103477号公報や特開平3−150194号公報などに記載されたものを好ましく用いることができる。
マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ色素を含有するマゼンタインクシートとしては、例えば、特許第2542921号公報、特許第2747848号公報などに記載されたものを好ましく用いることができる。
本発明の感熱転写記録材料用インクシートは、インクカートリッジに装填することができる。インクカートリッジの構造や装填方法については、従来から感熱転写記録の分野で採用されているものを本発明でも用いることができる。具体的には、実開昭63−161851号公報、実開昭63−161851号公報、実開平1−101864号公報などに記載されるインクカートリッジの技術を本発明にも適用することができ、特に実開平1−101864号]公報に記載されたものがより好ましい。
〔感熱転写記録〕
本発明の感熱転写記録用インクシートを用いて感熱転写記録を行う際には、サーマルヘッド等の加熱手段と受像シートを組み合わせて用いる。すなわち、画像記録信号に従ってサーマルヘッドから熱エネルギーがインクシートに加えられ、該熱エネルギーが加えられた部分の色素が受像シートに移行し固定されることによって画像記録がなされる。受像シートの構成や使用材料については、例えば特開平7−137466号公報の段落番号0056〜0074に記載されたものを好ましく用いることができる。
以下に合成例と実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
実施例1:アリーリデンピラゾロン色素の合成
<例示化合物(1)の合成>
例示化合物(1)は、下記スキームに従い合成した。
Figure 0004887233
中間体(A)の合成
エタノール50mLを氷冷下、内温10℃以下で撹拌し、原料(B)19.6gを添加し、次に原料(A)10.8gを滴下した。氷冷下、1時間攪拌後、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(SM−28)58gを10℃以下で滴下した。2時間攪拌後、6N塩酸54mLを20℃以下で滴下し、30分間攪拌した。析出した結晶を吸引濾過で濾別し、水洗後、乾燥し、白色結晶(中間体(A))を14.2g得た。(収率:70%)
Figure 0004887233
中間体(B)の合成
3−クロロアニリン63.8g、炭酸カリウム173g、1−メチル−2−ピロリドン100mLを窒素気流下、65℃で攪拌し、ヨードエタン120mLを滴下した。4時間加熱還流後、室温まで冷却し、酢酸エチル300mLを加え、5%食塩水600mLで洗浄分液、さらに10%食塩水で洗浄分液した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧下濃縮し、(中間体(B))92gを得た。
Figure 0004887233
中間体(C)の合成
DMF46.4mLにトルエン140mLを加え、氷―メタノールにより冷却して撹拌した。オキシ塩化リン41.3mLを10℃以下で滴下し、その後15〜20℃で30分撹拌させた。(中間体(B))55.1gを15〜20℃で滴下し、100℃に加温して2時間反応させた。60℃まで冷却させたところでアセトニトリル50mLを加え、さらに氷―メタノールにより冷却させた。水400mLを20℃以下で滴下させ、その後、25%水酸化ナトリウム水溶液320gを同じく20℃以下で滴下させた。水400mLと酢酸エチル750mLを加えて抽出し、有機層を食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。ロータリーエバポレーターで濃縮し、(中間体(C))61.4g(収率96.7%)を得た。
得られた中間体(C)は精製することなく次工程に用いた。
Figure 0004887233
例示化合物(1)の合成
中間体(A)14.2g、中間体(B)19.6g、酢酸アンモニム5.4g及びイソプピルアルコール90mLの混合物を1時間加熱還流下に攪拌させた。50℃まで冷却後ゴミ取り濾過を行い、さらに室温まで冷却させ1時間撹拌させた。析出した結晶を減圧濾取し、少量のイソプピルアルコールでかけ洗いし、例示化合物(1)21.2g(収率94.6%)を得た。
<例示化合物(2)、(3)および(5)の合成>
例示化合物(2)、(3)および(5)は、上記合成例に準じた方法で合成することができた。得られた例示化合物(2)、(3)、(5)および上記で合成した例示化合物(1)の酢酸エチル溶液中(濃度1×10−6mol/L、光路長10mm)における極大吸収波長、融点およびH NMRスペクトル(300MHz)の化学シフト値を下記表2に示す。
また、残りの例示化合物(4)および(6)〜(12)(例示化合物(11)、(12)は参考例である)も、上記合成例に準じた方法で合成した。

Figure 0004887233
実施例2:感熱転写記録用インクシートの作成と評価
<感熱転写記録用インクシートの作成>
支持体として裏面に熱硬化アクリル樹脂(厚み1μm)により耐熱滑性処理が施された厚み6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を使用し、フィルムの表面側に書きの色素供与層用塗料組成物をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布形成し、インクシート1を作成した。
(色素供与層用塗料組成物)
例示化合物(1) 5.0質量部
ポリビニルブチラール樹脂 5.0質量部
(エスレックBH−6、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 90質量部
次に、上記例示化合物(1)を下記表3に記載の色素にそれぞれ変更したこと以外はインクシート1の作製と同様にして、本発明のインクシート2、3および比較用インクシート4〜7をそれぞれ作製した。
<画像記録および評価>
上記のようにして得られたインクシート1と、富士フイルム(株)製ASK2000用受像シートとを、色素供与層と受像層とが接するようにして重ね合わせ、色素供与材料の背面側からサーマルヘッドを使用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドット、パルス巾0.15〜15ミリ秒、ドット密度6ドット/mmの条件で印字を行い、受像材料の受像層にマゼンタ色の色素を像状に染着させたところ、転写むらのない鮮明な画像記録が得られた。インクシート1をインクシート2〜7にそれぞれ変更したこと以外は同様にして画像記録を行った。
はじめに、得られた記録済の各熱転写受像材料を3日間、Xeライト(17000ルクス)で照射し、色像の光安定性(光堅牢性)を調べた。ステータスA反射濃度1.0を示す部分の照射後のステータスA反射濃度を測定し、照射前の反射濃度1.0に対する残存率(百分率)でその安定度をA(95%以上)、B(80%以上95%未満)、C(80%未満)の3段階で評価した。
次に、得られた各画像のベタ濃度(100%網点濃度)におけるステータスA反射濃度を測定し、反射濃度が2.2以上をA(非常に良い)、1.8以上2.2未満をB(良い)、1.8未満をC(一応許容できる)の3段階で評価した。
インクシート保存性については、上記のようにして得られたインクシートをロール状に巻きとり、温度60℃、湿度70%RHの条件下で24時間経時し、この強制経時の前後でそれぞれプリントを行い、その反射濃度の変化について、ほとんど変化しないをA(非常によい)、やや変化するをB(許容できる)、大きく変化するをC(許容できない)を目視にて3段階で評価した。
これらの結果を下記表3にまとめた。
Figure 0004887233
Figure 0004887233
なお、ここで、比較色素4は、特開平2−3450号公報に記載の例示色素の例示化合物13において、ピラゾロン環の窒素原子に置換する−C10を特定することができず、フェニル基で代用したものである。
また、これらの色素の酢酸エチル溶液中におけるモル吸光係数(L・mol−1cm−1)は、化合物例(1)が52800、化合物例(2)が61900、化合物例(5)が53700、比較色素1が55100、比較色素2が52900であった。
上記の画像記録試験の結果、本発明の一般式()で表されるピラゾロンモノメチン色素は、モル吸光係数が高く、公知の類似の色素と比較して、耐光性、転写性およびインクシートの保存性のいずれにも優れた性能を示した。
特に本発明のこれらの色素を用いたインクシートから受像層に転写された画像は、比較色素1を用いた場合と比較して、高い転写濃度を有し、また、比較色素2を用いた場合と比較して、高い光堅牢性を有することがわかった。
一方、インクシート保存性の評価の際、温度60℃、湿度70%RHの条件下で24時間経時の試料のうち、比較色素(1)、比較色素(3)および比較色素(4)を用いたものは、いずれも明確に色素の結晶の析出が確認されたのに対し、本発明の色素を用いたものは色素の結晶の析出は認められなかった。
これらの結果より、本発明のアリーリデンピラゾロン色素は、モル吸光係数が高く、比較色素と比較して、光堅牢性が高く、転写濃度が高く、かつインクシート保存性が高く、インクシートに求められる諸性能を同時に満たすことができることがわかった。

Claims (3)

  1. 基材シート及び該基材シートの一方の面に形成された色素担持層からなり、該色素担持層に含有するイエロー色素の少なくとも1種が、下記一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素であることを特徴とする感熱転写記録用インクシート。
    Figure 0004887233
    (一般式(2)中、Yはフッ素原子、塩素原子または臭素原子を表し、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基またはイソプロピル基を表し、RおよびRは各々独立にメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基またはアリル基を表す。)
  2. 請求項1に記載のインクシートが装填されていることを特徴とするインクカートリッジ。
  3. 支持体上にポリマーを含有するインク受容層を有する受像材料上に請求項1に記載の感熱転写記録用インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法
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