JP2001261990A - ピロロトリアゾール系色素及びその製造方法並びに熱移行性色素供与材料 - Google Patents

ピロロトリアゾール系色素及びその製造方法並びに熱移行性色素供与材料

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JP2001261990A
JP2001261990A JP2000082389A JP2000082389A JP2001261990A JP 2001261990 A JP2001261990 A JP 2001261990A JP 2000082389 A JP2000082389 A JP 2000082389A JP 2000082389 A JP2000082389 A JP 2000082389A JP 2001261990 A JP2001261990 A JP 2001261990A
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JP2000082389A
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English (en)
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Takashi Mikoshiba
尚 御子柴
Naoto Matsuda
直人 松田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光、熱、湿度、大気、薬品等に対する堅牢
性、転写性、吸収特性及び溶解性に優れた、マゼンタ乃
至シアンのピロロトリアゾール系色素を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表されることを特徴
とするピロロトリアゾール系色素である。なお、下記一
般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6
7及びR8は、各々独立に水素原子又は置換基を表す。
Xは、−OH又は−N(R 9)R10を表す。R9及びR10
は、各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキ
ル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若し
くは無置換のヘテロ環基を表す。Z1及びZ2は−N=又
は−C(R11)=を表す。ただし、Z1、Z2のどちらか
一方が−N=であるとき、他方は−C(R11)=であ
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色相、光堅牢性、
湿熱堅牢性等に優れ、インクジェット方式、熱移行型感
熱転写方式(DDTT)、溶融型感熱転写方式等のフル
カラー画像形成用又はカラーフィルター用に好適なマゼ
ンタ乃至シアンのピロロトリアゾール系色素及びその製
造方法、並びにピロロトリアゾール系色素を含有する熱
移行性色素供与材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー写真、カラー電子写真、イ
ンクジェット方式、熱移行型感熱転写方式(DDT
T)、溶融型感熱転写方式、印刷用インク及び拡散転写
方式銀塩写真について盛んに研究が行われている。これ
らの画像形成用色素として、アゾメチン色素が使用され
ている。又、エレクトロニクスの分野において、固体撮
像管やカラー液晶テレビ用フィルターの需要が増大し、
アゾメチン色素がフィルター色素としても研究されるよ
うになった。
【0003】そして、インクジェット方式カラーコピ
ー、熱移行型感熱転写方式(DDTT)、及び溶融型感
熱転写方式等の画像形成用に用いるマゼンタ乃至シアン
色素として種々の色素が提案されているが、その中でも
ピロロトリアゾールカプラーから誘導される色素として
は、アゾ色素、アゾメチン色素が知られている。アゾ色
素は、特許2805561号において昇華転写方式の色
素として提案されている。又、アゾメチン色素は、特許
2676655号、特許2676656号においてハロ
ゲン化銀写真材料のシアン色素として用いられている
旨、記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光、熱、湿
度、大気、薬品等に対する堅牢性、転写性、吸収特性、
及び溶解性に優れたマゼンタ乃至シアンのピロロトリア
ゾール系色素を提供することを目的とする。又、本発明
は入手容易な原料からピロロトリアゾール系色素を容易
にかつ収率良く製造する方法を提供することを目的とす
る。更に、本発明は、ピロロトリアゾール系色素を用い
ることにより、熱移行特性に優れた、高品質な熱移行性
色素供与材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ピロロト
リアゾールカプラーから誘導される色素について鋭意検
討を行い、全く新規なピロロトリアゾール系色素を見出
した。又、このピロロトリアゾール系色素は、従来公知
のピロロトリアゾールカプラーとアルデヒド類とカラー
現像主薬との3者の反応により、又は、カルボニル化さ
れたピロロトリアゾールカプラーとカラー現像主薬の2
者との反応により、収率良く製造できることを見出し
た。
【0006】本発明は、本発明者らによる上記知見に基
づくものであり、前記課題を解決する手段は以下の通り
である。即ち、 <1> 下記一般式(I)で表されることを特徴とする
ピロロトリアゾール系色素である。
【0007】
【化5】
【0008】前記一般式(I)において、R1、R2
3、R4、R5、R6、R7及びR8は、各々独立に水素原
子又は置換基を表す。Xは、−OH又は−N(R9)R
10を表す。R9及びR10は、各々独立に、水素原子、置
換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換の
アリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表
す。Z1及びZ2は、−N=又は−C(R11)=を表す。
ただし、Z1及びZ2のどちらか一方が−N=であると
き、他方は−C(R11)=である。R11は、水素原子又
は置換基を表す。
【0009】<2> 下記一般式(I)で表されるピロ
ロトリアゾール系色素を含有することを特徴とする熱移
行性色素供与材料である。
【0010】
【化6】
【0011】前記一般式(I)において、R1、R2
3、R4、R5、R6、R7及びR8は、各々独立に、水素
原子又は置換基を表す。Xは、−OH又は−N(R9
10を表す。R9及びR10は、各々独立に、水素原子、
置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換
のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を
表す。Z1及びZ2は、−N=又は−C(R11)=を表
す。ただし、Z1及びZ2のどちらか一方が−N=である
とき、他方は−C(R11)=である。R11は、水素原子
又は置換基を表す。
【0012】<3> 下記一般式(I)で表されるピロ
ロトリアゾール系色素の製造方法であって、下記一般式
(II)で表される化合物と、一般式(III)で表される
カラー現像主薬とを反応させることを特徴とするピロロ
トリアゾール系色素の製造方法である。
【0013】
【化7】
【0014】前記一般式(I)、(II)及び(III)にお
いて、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、
各々独立に、水素原子又は置換基を表す。Xは、−OH
又は−N(R9)R10を表す。R9及びR10は、各々独立
に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換
若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換
のヘテロ環基を表す。Z1及びZ2は、−N=又は−C
(R11)=を表す。ただし、Z1及びZ2のどちらか一方
が−N=であるとき、他方は−C(R11)=である。R
11は、水素原子又は置換基である。
【0015】<4> 下記一般式(I−a)で表される
ピロロトリアゾール系色素の製造方法であって、下記一
般式(IV)で表されるカプラーと、一般式(V)で表さ
れるアルデヒドと、一般式(III)で表されるカラー現
像主薬とを反応させることを特徴とするピロロトリアゾ
ール系色素の製造方法である。
【0016】
【化8】
【0017】前記一般式(I−a)、(III)、(IV)及
び(V)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6及び
7は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。X
は、−OH又は−N(R9)R10を表す。R9及びR
10は、各々独立に、水素原子、置換若しくは無置換のア
ルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換
若しくは無置換のヘテロ環基を表す。Z1及びZ2は、−
N=又は−C(R11)=を表す。ただし、Z1及びZ2
どちらか一方が−N=であるとき、他方は−C(R11
=である。R11は、水素原子又は置換基である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のピロロトリアゾー
ル系色素及びその製造方法、並びに熱移行性色素供与材
料について詳細に説明する。 (ピロロトリアゾール系色素)まず、下記一般式(I)
で表されることを特徴とするピロロトリアゾール系色素
について説明する。
【0019】
【化9】
【0020】前記一般式(I)において、R1、R2、R3
及びR4は、各々独立に、水素原子又は置換基である。
1、R2、R3及びR4の表す置換基としては、例えば、
ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシク
ロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニ
ル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、
アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、
ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオ
キシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニル
オキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ
基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカル
ボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ
基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニル
アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、
アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル
基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ
基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフ
ィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、又はシリル基
等が挙げられる。
【0021】前記ハロゲン原子としては、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。前記アルキル基と
しては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよ
く、又、置換されていてもよい。具体的には、非環状ア
ルキル基(好ましくは炭素数1から30の非環状アルキ
ル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコ
シル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2
―エチルヘキシル基等)、シクロアルキル基(好ましく
は、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロア
ルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル
基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等)、ビシクロ
アルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換若し
くは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5か
ら30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去っ
た一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン
−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−
イル基等)、又は、更に環構造が多いトリシクロ構造等
が挙げられる。なお、以下に説明する置換基の中のアル
キル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのよ
うな概念のアルキル基を表すこととする。
【0022】前記アルケニル基としては、直鎖状、分岐
状又は環状のいずれであってもよく、又、置換されてい
てもよい。具体的には、アルケニル基(好ましくは炭素
数2から30の置換若しくは無置換のアルケニル基、例
えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、
オレイル基等)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭
素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニ
ル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水
素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−
シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1
−イル基等)、又は、ビシクロアルケニル基(置換若し
くは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素
数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニ
ル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水
素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシ
クロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビ
シクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基
等)等が挙げられる。
【0023】前記アルキニル基としては、炭素数2から
30の置換若しくは無置換のアルキニル基が好ましく、
例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリ
ルエチニル基等が挙げられる。前記アリール基として
は、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール
基が好ましく、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナ
フチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイ
ルアミノフェニル基等が挙げられる。前記ヘテロ環基と
しては、5又は6員の置換若しくは無置換の、芳香族若
しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を
取り除いた一価の基が好ましく、炭素数3から30の5
若しくは6員の芳香族のヘテロ環基がより好ましい。例
えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニ
ル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
【0024】前記アルコキシ基としては、炭素数1から
30の置換若しくは無置換のアルコキシ基が好ましく、
例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、
t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシ
エトキシ基等が挙げられる。前記アリールオキシ基とし
ては、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリー
ルオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基、2−メ
チルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−
ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェ
ノキシ基等が挙げられる。前記シリルオキシ基として
は、炭素数3から20のシリルオキシ基が好ましく、例
えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチル
シリルオキシ基等が挙げられる。前記ヘテロ環オキシ基
としては、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘ
テロ環オキシ基が好ましく、例えば、1−フェニルテト
ラゾールー5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオ
キシ基等が挙げられる。前記アシルオキシ基としては、
ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無
置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30
の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基が
好ましく、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ
基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベン
ゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキ
シ基等が挙げられる。
【0025】前記カルバモイルオキシ基としては、炭素
数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキ
シ基が好ましく、例えば、N,N−ジメチルカルバモイ
ルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、
モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オク
チルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカル
バモイルオキシ基等が挙げられる。前記アルコキシカル
ボニルオキシ基としては、炭素数2から30の置換若し
くは無置換アルコキシカルボニルオキシ基が好ましく、
例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボ
ニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−
オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。前記アリ
ールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数7から
30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル
オキシ基が好ましく、例えば、フェノキシカルボニルオ
キシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、
p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキ
シ基等が挙げられる。前記アミノ基としては、アミノ
基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキル
アミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のア
ニリノ基が好ましく、例えば、アミノ基、メチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニ
リノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。前記アシ
ルアミノ基としては、ホルミルアミノ基、炭素数1から
30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ
基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール
カルボニルアミノ基が好ましく、例えば、ホルミルアミ
ノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロ
イルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ
−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が
挙げられる。前記アミノカルボニルアミノ基としては、
炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボ
ニルアミノ基が好ましく、例えば、カルバモイルアミノ
基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,
N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカ
ルボニルアミノ基等が挙げられる。
【0026】前記アルコキシカルボニルアミノ基として
は、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシ
カルボニルアミノ基が好ましく、例えば、メトキシカル
ボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブ
トキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカ
ルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルア
ミノ基等が挙げられる。前記アリールオキシカルボニル
アミノ基としては、炭素数7から30の置換若しくは無
置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましく、
例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフ
ェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシ
フェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。前記ス
ルファモイルアミノ基としては、炭素数0から30の置
換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基が好まし
く、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチ
ルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノ
スルホニルアミノ基等が挙げられる。前記アルキルスル
ホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基として
は、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキル
スルホニルアミノ基及び炭素数6から30の置換若しく
は無置換のアリールスルホニルアミノ基が好ましく、例
えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルア
ミノ基、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリ
クロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニ
ルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
【0027】前記アルキルチオ基としては、炭素数1か
ら30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基が好まし
く、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサ
デシルチオ基等が挙げられる。前記アリールチオ基とし
ては、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリー
ルチオ基が好ましく、例えば、フェニルチオ基、p−ク
ロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が
挙げられる。前記ヘテロ環チオ基としては、炭素数2か
ら30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基が好ましく、
例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテ
トラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。前記スル
ファモイル基としては、炭素数0から30の置換若しく
は無置換のスルファモイル基が好ましく、例えば、N−
エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプ
ロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファ
モイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾ
イルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモ
イル)スルファモイル基等が挙げられる。
【0028】前記アルキルスルフィニル基及びアリール
スルフィニル基としては、炭素数1から30の置換又は
無置換のアルキルスルフィニル基及び炭素数6から30
の置換又は無置換のアリールスルフィニル基が好まし
く、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニ
ル、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスル
フィニル基等が挙げられる。前記アルキルスルホニル基
及びアリールスルホニル基としては、炭素数1から30
の置換又は無置換のアルキルスルホニル基及び6から3
0の置換又は無置換のアリールスルホニル基が好まし
く、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル
基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホ
ニル基等が挙げられる。前記アシル基としては、ホルミ
ル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカ
ルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換の
アリールカルボニル基、炭素数4から30の置換若しく
は無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテ
ロ環カルボニル基が好ましく、例えば、アセチル基、ピ
バロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、
ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボ
ニル基、2―ピリジルカルボニル基、2―フリルカルボ
ニル基等が挙げられる。
【0029】前記アリールオキシカルボニル基として
は、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリール
オキシカルボニル基が好ましく、例えば、フェノキシカ
ルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−
ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノ
キシカルボニル基等が挙げられる。前記アルコキシカル
ボニル基としては、炭素数2から30の置換若しくは無
置換アルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキ
シカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基
等が挙げられる。前記カルバモイル基としては、炭素数
1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基が好
ましく、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモ
イル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ
−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニ
ル)カルバモイル基等が挙げられる。前記アリールアゾ
基及びヘテロ環アゾ基としては、炭素数6から30の置
換若しくは無置換のアリールアゾ基及び炭素数3から3
0の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基が好ましく、
例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、
5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イ
ルアゾ基等が挙げられる。
【0030】前記イミド基としては、N−スクシンイミ
ド基、N−フタルイミド基等が好ましい。前記ホスフィ
ノ基としては、炭素数2から30の置換若しくは無置換
のホスフィノ基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィ
ノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホス
フィノ基等が挙げられる。前記ホスフィニル基として
は、炭素数2から30の置換若しくは無置換のホスフィ
ニル基が好ましく、例えば、ホスフィニル基、ジオクチ
ルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等
が挙げられる。前記ホスフィニルオキシ基としては、炭
素数2から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオ
キシ基が好ましく、例えば、ジフェノキシホスフィニル
オキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が
挙げられる。前記ホスフィニルアミノ基としては、炭素
数2から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミ
ノ基が好ましく、例えば、ジメトキシホスフィニルアミ
ノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基等が挙げら
れる。前記シリル基としては、炭素数3から30の置換
若しくは無置換のシリル基が好ましく、例えば、トリメ
チルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニル
ジメチルシリル基等が挙げられる。
【0031】前記置換基は、更に該置換基で置換されて
いてもよい。そのような置換基の例としては、アルキル
カルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルア
ミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニ
ル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基等が挙げ
られる。具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニ
ル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル
基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノス
ルホニル基等が挙げられる。
【0032】上述のR1の中でも、水素原子、塩素原
子、フッ素原子、アルキル基(炭素数1から20の置換
若しくは無置換のアルキル基、例えば、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル
基、2−メトキシエチル基等)、アシルアミノ基(炭素
数1から20の置換若しくは無置換のアシルアミノ基、
例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ベン
ゾイルアミノ基等)、アルコキシ基(炭素数1から20
の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基等)が好ま
しく、水素原子、無置換の炭素数1から6のアルキル基
がより好ましく、水素原子、炭素数1から3の無置換ア
ルキル基が特に好ましい。
【0033】上述のR2、R3及びR4の中でも、各々独
立に水素原子、塩素原子、アシルアミノ基、(炭素数1
から30の置換又は無置換のアシルアミノ基、例えば、
アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基等)、アルキル
基(炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキル
基、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t
−ブチル基、n−オクチル基等)が好ましい。その中で
も、R4は水素原子が好ましく、R2及びR3は、水素原
子、塩素原子、アシルアミノ基が好ましい。
【0034】一般式(I)におけるR5は、水素原子又は
置換基を表す。前記置換基としては、前記R1の置換基
として挙げたものが同様に挙げられる。前記R5の中で
も、水素原子、アルキル基(炭素数1から30の置換若
しくは無置換のアルキル基、例えばメチル基、エチル
基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ヘキサデシル
基、2−クロロエチル基等)、アリール基(炭素数6か
ら30の置換若しくは無置換のアリール基、例えばフェ
ニル基、p−クロロフェニル基、m−ニトロフェニル
基、o−メトキシフェニル基、2−ナフチル基等)、又
は、ヘテロ環基(炭素数2から30の置換若しくは無置
換のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チアゾリ
ル基、2−ピリジル基、2−トリアゾリル基等)が好ま
しく、マゼンタ色素を形成する場合には水素原子が特に
好ましく、シアン色素を形成する場合には、電子吸引性
基が特に好ましい。
【0035】一般式(I)におけるR6及びR7は、各々
独立に、水素原子又は置換基を表す。その具体例は、R
1で挙げたものが同様に挙げられる。R6の中でも、シア
ノ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルコ
キシカルボニル基、炭素数1から30の置換若しくは無
置換のアミノカルボニル基、炭素数6から30の置換若
しくは無置換のアリール基、炭素数2から30の置換若
しくは無置換のアルキルカルボニル基、又は、炭素数7
から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基
が好ましく、シアノ基がより好ましい。
【0036】一般式(I)におけるR7は、シアノ基、ア
ルコキシカルボニル基(炭素数2から30の置換若しく
は無置換のアルコキシカルボニル基、例えば、メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブチルオキ
シカルボニル基)、カルバモイル基(炭素数1から30
の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、メチ
ル基、カルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等)、
アリール基(炭素数6から30の置換若しくは無置換の
アリール基、例えば、m−クロロフェニル基、p−アセ
チルアミノフェニル基、p−n−ヘキサデカノイル基
等)、アルキルカルボニル基(炭素数2から30の置換
若しくは無置換のアルキルカルボニル基、例えば、アセ
チル基、ピバロイル基、ヘキサデシルカルボニル基
等)、又は、アリールカルボニル基(炭素数7から30
の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、例え
ば、ベンゾイル基、p−メトキシフェニルカルボニル
基、m−フルオロフェニルカルボニル基、o−トリデシ
ルカルボニルアミノフェニルカルボニル基等)が好まし
く、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルコキ
シカルボニル基がより好ましく、炭素数6から30のシ
クロアルキルオキシカルボニル基が特に好ましい。
【0037】一般式(I)におけるR8は、水素原子又は
炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキル基を
表す。その中でも水素原子が好ましい。
【0038】一般式(I)におけるZ1及びZ2は、−N
=又は−C(R11)=を表す。Z1は−N=であり、Z2
は−C(R11)=であるのが好ましい。又、R11はR1
と同義であり、その中でも、アルキル基(炭素数1から
30の置換又は無置換のアルキル基、例えば、メチル
基、エチル基、イソプロピル−t−ブチル基、n−ブチ
ル基、n−オクタデシル基)、アリール基(炭素数6か
ら30の置換又は無置換のアリール基、例えば、フェニ
ル基、m−クロロフェニル基、p−アセチルアミノフェ
ニル基、p−n−ヘキサデカノイルアミノフェニル基
等)、又は、アシルアミノ基(炭素数1から30の置換
若しくは無置換のアシルアミノ基、例えば、アセチルア
ミノ基、ピバロイルアミノ基等)が好ましく、炭素数6
から30の置換又は無置換のアリール基がより好まし
い。
【0039】一般式(I)におけるXは、―OH又は−
N(R9)R10を表し、これらの中でも、−N(R9)R
10の方が好ましい。更に、R9及びR10は、各々独立
に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換
若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換
のヘテロ環基を表す。R9及びR10は、各々独立にアル
キル基(炭素数1から30の置換若しくは無置換のアル
キル基、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、
イソプロピル基、t−ブチル基等)、アリール基(炭素
数1から30の置換若しくは無置換のアリール基、例え
ば、フェニル基、ナフチル基、p−メトキシフェニル
基、p−メチルフェニル基等)、又は、ヘテロ環基(炭
素数1から30の置換若しくは無置換のへトロ環基、例
えば、ピロリジン−2−オン−3−イル基、ピペラジン
−2−オン−3−イル基等)が好ましく、アルキル基
(炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキル
基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキサデシル基、2−
シアノエチル基、3−ブロモプロピル基等)がより好ま
しく、炭素数1から10の無置換のアルキル基が特に好
ましい。
【0040】本発明のピロロトリアゾール系色素の好ま
しい構造は、以下の一般式(I−b)で表される構造で
ある。
【0041】
【化10】
【0042】前記一般式(I−b)において、R1は、水
素原子、炭素数1から10の無置換のアルキル基、塩素
原子、フッ素原子、炭素数2から10の無置換アシルア
ミノ基を表す。R2、R3及びR4は、各々独立に、水素
原子、炭素数1から10の無置換のアルキル基を表す。
9及びR10は、各々独立に炭素数1から10の置換若
しくは無置換のアルキル基を表す。R6は、シアノ基、
炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボ
ニル基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアシ
ル基を表す。R7は、シアノ基、炭素数5から15の置
換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基を表す。R
11は、アルキル基(炭素数1から30の置換若しくは無
置換のアルキル基)、アリール基(炭素数6から30の
置換若しくは無置換のアリール基)を表す。
【0043】その中でも、一般式(I−b)で表される
構造は、R1がメチル又は水素原子で、R2、R3及びR4
が全て水素原子であり、R9がメチル基又はエチル基で
あり、R10が炭素数1から10の置換若しくは無置換の
アルキル基であり、R6がシアノ基であり、R7が炭素数
2から15の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニ
ル基であり、R11が炭素数1から20の置換若しくは無
置換のアルキル基、又は炭素数6から30の置換若しく
は無置換のアリール基であるのが、より好ましい。
【0044】なお、本発明の一般式(I)で表されるピ
ロロトリアゾール系色素は、色素分子内に退色を抑制す
る効果を持った原子団を有していてもよい。この場合、
画像の堅牢性を高くすることができる点が好ましい。退
色を抑制する効果を持つ原子団は、色素のR1、R2、R
3及びR4のどの部位に結合してもよい。退色を抑制する
効果を持った原子団としては、特開平3−205189
号広報に記載された原子団が好ましい。
【0045】−ピロロトリアゾール系色素の具体例− 次に、前記一般式(I)で表されることを特徴とするピ
ロロトリアゾール系色素の具体例(I−1〜24)を以
下に示すが、本発明はこれらの化合物に何ら限定される
ものではない。
【0046】
【化11】
【0047】
【化12】
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】
【化15】
【0051】
【化16】
【0052】
【化17】
【0053】
【化18】
【0054】本発明の一般式(I)で表されるピロロト
リアゾール系色素は、置換基の種類によっては、酸付加
塩を形成する場合がある。前記酸付加塩としては、例え
ば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、又は燐酸
塩等の鉱酸塩の他、p−トルエンスルホン酸塩、メタン
スルホン酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、ク
エン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。又、置換
基の種類によっては塩基付加塩を形成する場合もある。
更に、一般式(I)で表されるピロロトリアゾール系色
素及びその塩は、水和物又は溶媒和物として存在するこ
とがある。一般式(I)で表される遊離形態若しくは塩
の形態の化合物、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物
は、いずれも本発明の範囲に包含される。
【0055】本発明の一般式(I)で表されるピロロト
リアゾール系色素は、置換基の種類によっては1又は2
個以上の不斉炭素を有する場合がある。このような場
合、1又は2個以上の不斉炭素に基づく光学異性体、及
び2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体等の
立体異性体が存在することがある。一般式(I)で表さ
れるピロロトリアゾール系色素についての純粋な形態の
任意の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ
体等はいずれも本発明の範囲に包含される。
【0056】−ピロロトリアゾール系色素の用途− ここでは、本発明のピロロトリアゾール系色素の用途に
ついて説明する。まず、該ピロロトリアゾール系色素
は、カラー拡散転写方式(熱現像方式、アルカリ処理液
中での現像方式)に用いられる拡散性色素供与材料を構
成する色素として好適である。更に、熱転写方式(熱移
行型感熱転写方式又は昇華型方式、溶融型感熱転写方
式)、インクジェット方式、通常の印刷方式、及びフィ
ルター(例えば、光学フィルター)等においても、有用
な色素として用いられている。具体的な形態としては、
インクシート、色素供与材料(例えば拡散転写、又は熱
移行性色素供与材料等)、インク組成物(例えば、印刷
用インク、インクジェット用インク等)、光吸収性組成
物(例えば、カラーフィルター)等が挙げられる。
【0057】インクシートは、通常、支持体(例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボ
ネート等)と、その上に設けられた本発明のピロロトリ
アゾール系色素と、バインダーとを含有した層を有した
ものからなる。次に、色素供与材料は、通常、支持体
(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、
ポリカーボネート、グラシン紙、コンデンサー紙等)
と、その上に設けられた本発明のピロロトリアゾール系
色素と、バインダーとを含有した層を有したものからな
る。又、インク組成物は、通常、本発明のピロロトリア
ゾール系色素、インク溶剤[例えば、リン酸エステル系
溶剤(具体的にはリン酸トリクレジル、リン酸トリス−
2−エチルヘキシル、リン酸トリオクチル等)、フタル
酸エステル系溶剤(具体的にはフタル酸ジブチル、花王
(株)製ビニサイザー#124)等]、及び必要により
バインダー樹脂等から構成される。更に、フィルター
は、通常、本発明のピロロトリアゾール系色素を含有し
たポリマーフィルムからなるもの、本発明のピロロトリ
アゾール系色素とバインダーを含有した光吸収性組成物
を支持体(例えば、ポリマーフィルム、ガラス板等)の
上に設けたものなどがある。
【0058】(ピロロトリアゾール系色素の製造方法)
以下、本発明のピロロトリアゾール系色素の製造方法に
ついて説明する。 −第1の製造方法− 第1の製造方法においては、まず、下記一般式(IV)で
表されるカプラーと、下記一般式(V)で表されるアル
デヒドと、下記一般式(III)で表されるカラー現像主
薬(p−フェニレンジアミン系又はp−アミノフェノー
ル系カラー現像主薬)とを反応させる。
【0059】
【化19】
【0060】前記一般式(I)、(I−a)、(III)、
(IV)及び(V)において、R1、R2、R3、R4、R5
6、R7及びR8は、各々独立に、水素原子又は置換基
を表す。Xは−OH又は−N(R9)R10を表す。R9
びR10は、各々独立に、水素原子、置換あるいは無置換
のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、又は
置換あるいは無置換のヘテロ環基を表す。Z1及びZ2
−N=又は−C(R11)=を表す。ただし、Z1及びZ2
のどちらか一方が−N=であるとき、他方は−C
(R11)=である。R11は、水素原子又は置換基であ
る。
【0061】このとき、反応溶液としては、アルコ―ル
系溶媒(メタノ−ル、エタノール)、エステル系溶媒
(酢酸エチル、酢酸ブチル)、パラフィン系溶剤(ヘキ
サン、石油エーテル)、アミド系溶剤(ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド)、水等が好適に挙げら
れる。その中でも、水と、水に溶解しない有機溶媒との
2層系溶液が好ましい。
【0062】前記反応溶液の使用量(2層系の場合は総
量)としては、前記一般式(II)で表されるカプラー1
重量部に対し、0〜100重量部が好ましく、2〜20
重量部がより好ましく、3〜10重量部が特に好まし
い。前記反応溶液が2層系の場合には、水と有機溶媒の
比率としては、10:1〜1:10が好ましく、2:1
〜1:2がより好ましい。又、前記一般式(III)で表
されるカラー現像主薬の使用量としては、前記一般式
(II)で表されるカプラーに対し、0.01〜100倍
当量が好ましく、0.1〜10倍当量がより好ましく、
0.3〜4倍当量が特に好ましい。
【0063】反応温度としては0〜80℃が好ましく、
20〜60℃がより好ましく、30〜40℃が特に好ま
しい。又、反応溶液のpHとしては、7以上が好まし
く、8以上がより好ましく、9以上が特に好ましく、1
0以上が最も好ましい。
【0064】次に、一般式(IV)で表されるカプラー
と、一般式(V)で表されるアルデヒドと、一般式(II
I)で表されるカラー現像主薬(p−フェニレンジアミ
ン系又はp−アミノフェノール系カラー現像主薬)との
反応物から、一般式(I)のピロロトリアゾール系色素
を製造するには、該反応物を酸化することが必要とな
る。前記酸化は、酸素、空気を用いてもよく、酸化剤を
用いてもよい。又、前記酸化剤としては、二酸化マンガ
ン、赤血塩、N−ブロモコハク酸イミド、N−クロロコ
ハク酸イミド、ペルオキシ硫酸ナトリウム、ペルオキシ
硫酸カリウム、又はペルオキシ硫酸アンモニウムが好ま
しい。
【0065】更に、R8が水素原子以外の化合物を製造
する場合は、一般式(I−a)のピロロトリアゾール系
色素を、アルキル化剤を用いてアルキル化する。前記ア
ルキル化剤としては、例えば、アルキルハライド(臭化
エチル、ヨウ化イソプロピル、臭化オクチル等)、アル
キル硫酸エステル(ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等)が
挙げられる。
【0066】−第2の製造方法− 第2の製造方法においては、下記一般式(II−a)で表
される化合物と、下記一般式(III)で表されるカラー
現像主薬とを反応させる。この場合、一般式(II−a)
で表される化合物は、例えば、前記一般式(IV)で表さ
れるカプラーを、オキシ塩化リンを用いてホルミル化す
ることにより、好適に得ることができる。
【0067】
【化20】
【0068】前記一般式(II−a)で表される化合物を
得る反応において、オキシ塩化リンの使用量としては、
前記一般式(IV)で表されるカプラーに対し、0.1〜
3当量が好ましく、0.5〜1.5当量がより好まし
く、0.8〜1.2当量が特に好ましい。
【0069】又、前記一般式(II−a)で表される化合
物を得る反応において、用いる溶媒としては、アセトニ
トリル、スルホラン、トルエン、キシレン等が好まし
く、該溶媒の使用量としては、前記一般式(IV)で表さ
れるカプラーに対し、0〜100重量部が好ましく、1
〜20重量部がより好ましく、2〜5重量部が特に好ま
しい。
【0070】更に、前記一般式(II−a)で表される化
合物を得る反応における温度は、0〜100℃が好まし
く、20〜80℃がより好ましく、40〜60℃が特に
好ましい。
【0071】次に、前記一般式(II−a)で表される化
合物と、前記一般式(III)で表されるカラー現像主薬
との反応において、用いる溶媒としては、メタノール、
エタノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル系溶媒、ヘキサン、ペンタン等のエー
テル系溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムア
ミド等のアミド系溶剤、等が好適に挙げられる。
【0072】カラー現像主薬を溶媒に溶かした液(カラ
ー現像液)の使用量としては、一般式(II−a)で表さ
れる化合物の0.1〜100モル当量が好ましく、0.
5〜20モル当量がより好ましく、0.8〜1.5当量
が特に好ましい。
【0073】前記一般式(II−a)で表される化合物
と、前記一般式(III)で表されるカラー現像主薬との
反応における温度は、0〜100℃が一般的であり、2
0〜60℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。
又、反応における液性は、酸性でもよく、中性でもよ
く、アルカリ性でもよいが、酸性が好ましい。
【0074】−ピロロトリアゾール系色素の製造方法の
態様− ピロロトリアゾール系色素の製造方法としては、一般式
(IV)で表されるカプラーと、下記一般式(V)で表さ
れるアルデヒドと、下記一般式(III)で表されるカラ
ー現像主薬とを、ともに反応溶液中で反応させる態様が
一般的であるが、以下に述べるような態様(膜使用態
様)であってもよい。即ち、一般式(IV)で表されるカ
プラーを支持体上に塗布した膜を作製し、一般式(V)
で表されるアルデヒドと、一般式(III)で表されるカ
ラー現像主薬を溶解した溶液で処理し、更に酸化処理す
ることでピロロトリアゾール系色素を製造する態様であ
る。このとき、一般式(V)で表されるアルデヒドと一
般式(III)で表されるカラー現像主薬は、同一浴中に
存在しても、別の浴中でもよい。この場合にも、これら
の化合物は前記第1及び第2の製造方法で述べた使用量
で好ましく用いられ、反応温度等の条件もそのまま適用
できる。
【0075】−製造されるピロロトリアゾール系色素の
量(発色濃度)とホルムアルデヒド濃度の相関− 前記膜使用態様によりピロロトリアゾール系色素を製造
する場合、前記一般式(V)で表されるアルデヒドを溶
解した溶液中のアルデヒド濃度が高いと、製造されるピ
ロロトリアゾール系色素の量(発色濃度)が多く(高
く)なり、前記アルデヒド濃度が低いと、製造されるピ
ロロトリアゾール系色素の量(発色濃度)が少なく(低
く)なるという相関がある。従って、溶液中のアルデヒ
ド濃度を測定することにより、製造されるピロロトリア
ゾール系色素の量(発色濃度)を知ることができ、一
方、製造されるピロロトリアゾール系色素の量(発色濃
度)を測定することにより、溶液中や気体中のアルデヒ
ド濃度を知ることができる。具体的には、一般式(IV)
で表されるカプラーを支持体上に塗布した膜を作成し、
被測定溶液に一定時間含浸し、更に一般式(III)で表
されるカラー現像主薬が溶解した溶液で処理した後、酸
化を行い発色させる。又、アルデヒドの気体中の濃度を
測るときは、一般式(IV)で表されるカプラーを支持体
上に塗布した膜を被測定気体中に放置し暴露させた後、
一般式(III)で表されるカラー現像主薬が溶解した溶
液で処理し、その後酸化を行い発色させる。この場合
も、アルデヒドの濃度が高い程、ピロロトリアゾール系
色素の発色濃度が高くなる。
【0076】(熱移行性色素供与材料)本発明の熱移行
性色素供与材料は、通常、支持体(例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、グ
ラシン紙、コンデンサー紙等)と、その上に設けられた
本発明のピロロトリアゾール系色素と、バインダーとを
含有した層を有したものからなる。
【0077】本発明のピロロトリアゾール系色素は上記
の様に、支持体上の色素供与層に含有させて熱移行性色
素供与材料とし、熱転写方式の画像形成に用いることが
できる。本発明の熱移行性色素供与材料について、以下
に詳しく述べる。まず、本発明のピロロトリアゾール系
色素を熱移行性色素供与材料に用いる場合は、その熱拡
散性の点から、分子量が500以下であることが好まし
く、分子量が400以下であることがより好ましい。
又、本発明のピロロトリアゾール系色素のプロトンを解
離させて使用する場合は、該色素のpKaは低いことが
好ましい。具体的には、水/テトラヒドロフラン=1:
1中pKaが8以下(25℃)であることが好ましく、
7以下(25℃)であることがより好ましく、5以下
(25℃)であることが特に好ましい。
【0078】通常、熱移行性色素を熱転写方式の画像形
成に用いる場合、フルカラーの画像を構成するために
は、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の色素が必要
である。本発明のピロロトリアゾール系色素は中性及び
酸性条件下ではプロトンが解離しない。本発明のピロロ
トリアゾール系色素をイエロー色素として用い、他の2
色を公知の色素から選択して、フルカラーの画像形成を
行うことができる。本発明のピロロトリアゾール系色素
は塩基性条件下ではプロトンが解離して非解離のときよ
り吸収極大が長波下し、同時に分子吸光係数が大きくな
る。本発明のピロロトリアゾール系色素と従来公知の色
素とを混合して使用してもよい。又本発明のピロロトリ
アゾール系色素の2種以上を同一の色として混合して使
用してもよい。
【0079】熱移行性色素供与材料はシート状、又は連
続したロール状若しくはリボン状で使用できる。シアン
色素やマゼンタ色素及びそれと組み合わせて用いられる
イエローの各色素は、通常各々独立な領域を形成するよ
うに支持体上に配置される。例えば、イエロー色素領
域、マゼンタ色素領域、シアン色素領域を面順次若しく
は線順次に一つの支持体上に配置する。又、上記のイエ
ロー色素、マゼンタ色素及びシアン色素を、各々別々に
支持体上に設けた3種の熱移行性色素供与材料を用意
し、これらから順次一つの受像材料に色素の熱転写を行
うこともできる。本発明のピロロトリアゾール系色素及
びそれと組み合わせて用いられる色素は、各々バインダ
ー樹脂と共に適当な溶剤に溶解又は分散させて支持体上
に塗布するか、あるいはグラビア法等の印刷法により支
持体上に印刷することができる。これらの色素を含有す
る色素供与層の厚みは乾燥厚みで通常約0.2〜5μ
m、特に0.4〜2μmに設定するのが好ましい。色素
の塗布量は0.03〜1.0g/m2がより好ましく、
0.1〜0.6g/m2が特に好ましい。
【0080】−バインダー樹脂− 本発明のピロロトリアゾール系色素及びそれと組み合わ
せて用いられる色素と、共に用いるバインダー樹脂とし
ては、このような目的に従来公知であるバインダー樹脂
のいずれも使用することができ、通常耐熱性が高く、し
かも加熱された場合に色素の移行を妨げないものが選択
される。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリ
ル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、ポリアク
リルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニトリル
等)、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレンーポリ
フェエニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例えばメ
チルセルロ−ス、エチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、セルロースアセテート水素フタレート、酢
酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート、
セルロースアセテートブチレート、セルローストリアセ
テート等)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えばポリ
ビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニル
ブチラール等の部分ケン化ポリビニルアルコール)、石
油系樹脂、ロジン誘導体、クマロン−インデン樹脂、テ
ルペン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等)等が挙げられる。本発明に
おいてこのようなバインダー樹脂は、例えば色素100
重量部当たり約20〜600重量部使用するのが好まし
い。
【0081】−溶剤及び支持体− 本発明のピロロトリアゾール系色素、それと組み合わせ
て用いられる色素及びバインダー樹脂を溶解又は分散す
るための溶剤としては、従来公知の溶剤がいずれも使用
できる。又、熱移行性色素供与材料の支持体としては従
来公知のものがいずれも使用できる。例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、グ
ラシン紙、コンデンサー紙、セルロースエステル、フッ
素ポリマー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリオレ
フィン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リプロピレン、ポリスルホン、セロファン等が挙げられ
る。熱移行性色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2
〜30μmである。
【0082】−スリッピング層及び親水性バリヤー層− 前記熱移行性色素供与材料は、サーマルヘッドが熱移行
性色素供与材料に粘着するのを防止するために、スリッ
ピング層を有していてもよい。前記スリッピング層はポ
リマーバインダーを含有した、又は含有しない潤滑物質
(例えば界面活性剤、固体潤滑剤、液体潤滑剤、又はこ
れらの混合物等)から構成される。熱移行性色素供与材
料には背面より印字するときにサーマルヘッドの熱によ
るスティッキングを防止し、滑りをよくする意味で、支
持体の色素供与層を設けない側にスティッキング防止処
理を施すのがよい。又、前記熱移行性色素供与材料は、
色素の支持体方向への拡散を防止するため、親水性バリ
ヤー層を有していてもよい。前記親水性バリヤー層は、
意図する目的に有用な親水性物質を含んでいる。更に、
熱移行性色素供与材料は、下塗り層を有してもよい。
【0083】−画像の形成− 本発明においては、熱移行性色素供与材料を受像材料と
重ね合わせ、いずれかの面から、好ましくは熱移行性色
素供与材料の裏面から、例えばサーマルヘッド等の加熱
手段により、画像情報に応じた熱エネルギーを与えるこ
とによって、加熱エネルギーの大小に応じて、色素供与
層の色素を受像材料に転写することができる。それによ
り、優れた鮮鋭性、解像性の階調のあるカラー画像を形
成することができ、又、褪色防止剤も同様にして転写で
きる。加熱手段としては、サーマルヘッドに限らず、レ
ーザー光(例えば半導体レーザー)、赤外線フラッシ
ュ、熱ペン等、公知のものが使用できる。
【0084】熱源に前記レーザー光を用いる場合、熱移
行性色素供与材料にレーザー光を強く吸収する、吸収性
材料を含有することが好ましい。熱移行性色素供与材料
にレーザー光を照射すると、前記吸収性材料が光エネル
ギーを熱エネルギーに変換し、近傍のピロロトリアゾー
ル系色素にその熱を伝達し、ピロロトリアゾール系色素
が受像材料に転写する温度まで加熱される。前記吸収性
材料は色素の下部に層を成して存在し、及び/又は色素
と混合される。熱源にレーザー光を用いる場合の更に詳
しい説明は、英国特許第2,083,726A号明細書
に記載されている。前記レーザーとしては、数種のレー
ザーが使用可能であるが、小型、低コスト、安定性、信
頼性、耐久性及び変調の容易さの点で半導体レーザーが
好ましい。
【0085】本発明の熱移行性色素供与材料は、受像材
料と組合せることにより、熱印字方式の各種プリンター
を用いた印字、ファクシミリ、磁気記録方式、光磁気記
録方式、又は光記録方式等による画像のプリント作成
や、テレビジョン又はCRT画面からのプリント作成等
に利用できる。熱転写画像記録方法の詳細については、
特開昭60−34895号公報の記載を参照できる。
【0086】−受像材料− 本発明の熱移行性色素供与材料と組合わせて用いられる
受像材料は、支持体上に熱移行性色素供与材料から移行
してくる色素を受容する受像層を有するものである。こ
の前記受像層は、印字の際に、熱移行性色素供与材料か
ら移行してくる、染着する働きを有した熱移行性色素を
受容し得る物質を単独で、又はその他のバインダー物質
と共に、含んでいることが好ましく、又、厚み0.5〜
50μm程度の被膜であることが好ましい。そして、熱
移行性色素を受容し得る物質の代表例であるポリマーと
しては、次のような物質が挙げられる。 (a)エステル結合を有するもの(例えば、ポリエステ
ル樹脂等) (b)ウレタン結合を有するもの(例えば、ポリウレタ
ン樹脂等) (c)アミド結合を有するもの(例えば、ポリアミド樹
脂等) (d)尿素結合を有するもの(例えば、尿素樹脂等) (e)スルホン結合を有するもの(例えば、ポリスルホ
ン樹脂等) (f)その他極性の高い結合を有するもの(例えば、ポ
リカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂
等)
【0087】上記のような製造樹脂に加えて、これらの
混合物あるいは共重合体等も使用できる。 −拡散助剤、塩基性物質及び媒染剤− 前記受像材料において、特に受像層中には、熱移行性色
素を受容し得る物質として、又は熱移行性色素の拡散助
剤として、高沸点有機溶剤又は熱溶剤を含有させること
ができる。又、色素を媒染させるための塩基性物質又は
媒染剤ポリマーを含有させることができる。前記塩基性
物質としては、無機及び有機の塩基性物質が使用でき
る。無機の塩基性物質としては、金属の水酸化物又は塩
が挙げられる。一方、有機の塩基性物質としては、含窒
素ヘテロ環、アミン類が挙げられる。更に有機の塩基性
物質の中でも、アミン類が好ましく使用される。アミン
類の例を挙げると第一アミン(アニリン、n−ブチルア
ミン、オクチルアミン等)、第二アミン(メチルアニリ
ン、エチルアニリン、ジブチルアミン等)、第三アミン
(トリブチルアミン、トリオクチルアミン等)などであ
る。アミン類は部分構造としてアミノ基を持つポリマー
であってもよい。アミノ基を持つポリマーや媒染剤ポリ
マーの具体例は特開平1−188391号公報、同3−
83685号公報、及び特開昭61−64492号公報
に記載されている。アミノ基を持つポリマーとしては、
ポリビニルアセタール樹脂であるAEA(三共(株)
製)が好ましい。
【0088】媒染剤ポリマーの具体例としては、例えば
以下の化合物(P−1〜24)が挙げられる。
【0089】
【化21】
【0090】
【化22】
【0091】
【化23】
【0092】
【化24】
【0093】−受像材料の受像層− 前記受像材料において、受像層は、熱移行性色素を受容
し得る物質を水溶性バインダーに分散して担持する構成
としてもよい。この場合に用いられる水溶性バインダー
としては、公知の水溶性ポリマーを使用し得るが、硬膜
剤により架橋反応し得る基を有する水溶性のポリマーが
好ましい。又、受像層は2層以上の層で構成してもよ
い。この場合、支持体に近い方の層にはガラス転移点の
低い製造樹脂を用いたり、高沸点有機溶剤や熱溶剤を用
いて、熱移行性色素に対する染着性を高めた構成にし、
最外層にはガラス転移点のより高い製造樹脂を用いた
り、高沸点有機溶剤や熱溶剤の使用量を必要最小限にす
るか若しくは使用しないで、表面のべたつき、他の物質
との接着、転写後の他の物質への再転写、及び熱移行性
色素供与材料とのブロッキング等の故障を防止する構成
にすることが望ましい。なお、受像層の厚さは全体で
0.5〜50μm、特に3〜30μmが好ましい。2層
構成の場合、最外層は0.1〜2μm、特に0.2〜l
μmにするのが好ましい。
【0094】−受像材料の中間層及び支持体− 前記受像材料において、支持体と受像層の間には中間層
を有してもよい。中間層は、構成する材質により、クッ
ション層、多孔層、色素の拡散防止層のいずれか又はこ
れらの2つ以上の機能を備えた層であり、場合によって
は接着剤の役目も兼ねている。前記受像材料に用いる支
持体としては、転写温度に耐えることができ、平滑性、
白色度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、及び転写後のへ
こみ等の点で要求を満足できるものならば、どの様なも
のでも使用できる。一般的には、紙、製造高分子(フイ
ルム)が挙げられ、具体的には、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリイミド、セルロース類(例
えばトリアセチルセルロース等)又はこれらのフィルム
中へ酸化チタン等の顔料を含有させたもの、更にポリプ
ロピレン等から作られるフィルム法製造紙、ポリエチレ
ン等の製造樹脂パルプと天然パルプとから作られる混抄
紙、ヤンキー紙、バライタ紙、コーティッドペーパー
(特にキャストコート紙)、金属、布類、ガラス類等が
挙げられる。これらは、単独で用いることもできるし、
ポリエチレン等の製造高分子で片面又は両面をラミネー
卜された支持体として用いることもできる。この他に、
特開昭62−253159号公報(29)〜(31)頁
に記載の支持体を用いることができる。これらの支持体
の表面に親水性バインダーとアルミナゾルや酸化スズの
ような半導体金属酸化物、カーボンブラックその他の帯
電防止剤を塗布してもよい。
【0095】−蛍光増白剤、褪色防止剤及び離型剤− 又、前記受像材料において、蛍光増白剤を用いてもよ
い。蛍光増白剤は褪色防止剤と組み合わせて用いること
ができる。又、本発明の熱移行性色素供与材料と受像材
料との離型性を向上させるために、熱移行性色素供与材
料及び/又は受像材料を構成する層中に、離型剤を含有
させるのが好ましく、両方の材料が接触する面に当たる
最外層に含有させるのが、より好ましい。
【0096】−硬膜剤− 本発明の熱移行性色素供与材料及び受像材料を構成する
層は、硬膜剤によって硬化されていてもよい。硬膜剤と
しては、例えば、ビニルスルホン系硬膜剤(N、N′−
エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタン
等)、N−メチロ一ル系硬膜剤(ジメチロール尿素
等)、又は高分子硬膜剤(特開昭62−234157号
公報等に記載の化合物)等が挙げられる。
【0097】−褪色防止剤− 熱移行性色素供与材料や熱移行性受像材料には褪色防止
剤を用いてもよい。前記褪色防止剤としては公知のも
の、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体が挙
げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上
を組み合わせて使用してもよい。又、前記褪色防止剤は
予め受像材料に含有させておいてもよいし、色素供与材
料から転写させる等の方法で外部から受像材料に供給す
るようにしてもよい。
【0098】−界面活性剤等− 熱移行性色素供与材料や熱移行性受像材料の構成層に
は、塗布助剤、剥離性改良、滑り性改良、帯電防止及び
現像促進等の目的で、種々の界面活性剤を使用すること
ができる。熱移行性色素供与材料や熱移行性受像材料の
構成層には、滑り性改良、帯電防止、及び剥離性改良等
の目的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。又、熱
移行性色素供与材料や熱移行性受像材料には、マット剤
を用いることができる。
【0099】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0100】(実施例1)
【0101】
【化25】
【0102】−ピロロトリアゾール系色素の製造例1− [工程1] カプラーA40g(46.0mmol)、
塩化メチレン200ml、ジメチルホルムアミド8.4
g(115mmol)を氷冷下撹拌しているところへ、
オキシ塩化リン14.1g(91.9mmol)を滴下
した。その後、2時間還流した。更にオキシ塩化リン8
g(52mmol)を滴下して1時間反応させた。放冷
後、水200ml、水酸化カリウム25.8g(460
mmol)の溶液に反応液を注ぎ、室温で3時間撹拌し
た後、塩酸を滴下し中性に調整した。酢酸エチルで抽出
し、乾燥後減圧で溶媒を留去し粗生成物を得た。その
後、粗組成物についてアセトニトリルで再結晶を行い。
35g(39mmol)の中間体Bを得た(収率84.
8%)。
【0103】[工程2] 中間体B16g(17.8m
mol)、炭酸カリウム4.1g(29.7mmo
l)、エタノール50ml、カラー現像主薬C8.7g
(20mmol)を40℃で2時間撹拌した。その後、
水100ml、酢酸エチル200mlを加え抽出し、減
圧留去し粗生成物を得た。粗生成物についてシリカゲル
カラムクロマトグラフィーを用い精製を行い、前記ピロ
ロトリアゾール系色素の具体例(I−1)を12g得た
(収率58.4%)。得られたピロロトリアゾール系色
素の構造は、1H NMR及びmasスペクトルで確認
した。なお、前記ピロロトリアゾール系色素の具体例
(I−2〜24)も同様にして容易に製造することがで
きた。
【0104】(実施例2) −ピロロトリアゾール系色素の製造例2− カプラーA1g、カラー現像主薬C1g、ホルマリン
(36%)1ml、酢酸エチル20ml、水20ml、
水酸化カリウム1gを1時間撹拌した。分液を行い有機
層を乾燥した後、減圧で溶媒を留去した。粗生成物につ
いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製
し、前記ピロロトリアゾール系色素の具体例(I−1)
を0.7g得た(収率57.1%)。得られたピロロト
リアゾール系色素の構造は、1H NMR及びmasス
ペクトルで確認した。なお、前記ピロロトリアゾール系
色素の具体例(I−2〜24)も同様にして容易に製造
することができた。
【0105】−吸収スペクトル− 得られたピロロトリアゾール系色素の具体例(I−1)
について、酢酸エチル中での吸収スペクトルを図1に示
す。 吸収極大波長 528nm 分子吸光係数 34300 (abs/cm mmol)
【0106】(実施例3) −熱移行性色素供与材料(2−1)の作製− 支持体として裏面に耐熱滑性処理が施された厚さ6μm
のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製)を使
用し、フィルムの表面上に下記組成の熱移行性色素供与
層用塗料組成物をワイヤーバーコーティングにより乾燥
時の厚みが1.5μmとなるように塗布形成し、熱移行
性色素供与材料(2−1)を作製した。 熱移行性色素供与層用塗料組成物: ピロロトリアゾール系色素の具体例(I−6) 10mmol ポリビニルブチラール樹脂 (電気化学製デンカブチラール5000−A) 3g トルエン 40ml メチルエチルケトン 40ml ポリイソシアネート(武田薬品製タケネー卜D110N) 0.2ml 次に上記具体例(I−6)を表1に記載の他の具体例に
かえた以外は、上記と同様にして、本発明の熱移行性色
素供与材料(2−2)〜(2−6)及び比較用の熱移行
性色素供与材料(2−7)をそれぞれ作製した。比較用
の色素化合物aの構造を以下に示す。
【0107】
【化26】
【0108】−受像材料の作製− 支持体として厚み150μmの製造紙(王子油化製YU
PO−FPG−150)を用い、表面に下記組成物をワ
イヤーバーコーティングにより乾燥時の厚さが8μmと
なるように塗布して熱移行性受像材料を作製した。乾燥
は、ドライヤーで仮乾燥後、温度100℃のオーブン中
で30分間行った。 受像層用塗料組成物: ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン−280) 22g ポリイソシアネート(大日本インキ化学製KP−90) 4g アミノ変性シリコーンオイル (信越シリコーン製KF−857) 0.5g メチルエチルケトン 85ml トルエン 85ml シクロヘキサノン 15ml
【0109】−色相、最大濃度、熱移行特性、光堅牢性
の評価− 上記方法で得られた熱移行性色素供与材料(2−1)〜
(2−7)と受像材料とを、熱移行性色素供与層と受像
層とが接するようにして重ね合わせ、熱移行性色素供与
材料の支持体側からサーマルヘッドを使用し、サーマル
ヘッドの出力0.25W/ドット、パルス巾0.15〜
15ミリ秒、ドット密度6ドット/mmの条件で印字を
行い、受像材料の受像層にイエロー乃至赤色の色素を像
状に染着させた。その結果、本発明のピロロトリアゾー
ル系色素を使用した場合、転写むらのない鮮明な画像記
録が得られた。以下、各々の材料について、色相、最大
濃度、及び熱移行特性について、評価した。
【0110】色相: ○ 鮮やかなイエローの色相を呈する。 △ イエローの色相として、やや劣る。 × イエロの色相として、劣る。
【0111】熱移行特性: ○ 熱移行性色素供与層用塗料組成物が容易に溶解す
る。 △ 熱移行性色素供与層用塗料組成物を溶解するのに加
熱が必要であり、時間もかかつた。 × 熱移行性色素供与層用塗料組成物の溶解が不完全
で、色素の結晶が溶け残った。
【0112】次に、上記方法で得られた記録済の各熱移
行性受像材料を3日間、Xeライト(17000ルク
ス)で照射し、色像の光堅牢性を調べた。ステータスA
反射濃度1.0を示す部分の照射後のステータスA反射
濃度を測定し、照射前の反射濃度1.0に対する残存率
(百分率)で光堅牢性を評価した。上記色相、最大濃
度、熱移行特性及び光堅牢性についての評価結果を、表
1に示した。
【0113】
【表1】
【0114】表1の結果より、熱移行性色素供与材料に
含有された本発明のピロロトリアゾール系色素は、光堅
牢性に優れ、高い転写濃度を与えることがわかった。
又、色相も鮮明であり、熱移行特性も優れていた。一
方、比較用色素化合物aは、熱移行特性の点で本発明の
色素に劣り、光堅牢性も低かった。又、色相の点で劣っ
ていた。更に、作製したインクシートの面状が悪く、転
写濃度も低かった。又、本発明のピロロトリアゾール系
色素は、比較用色素化合物aと比べて、溶解度が高く、
熱移行特性に優れ、製造時のコストも安価であった。
又、湿熱、暗熱等の堅牢性も優れていた。
【0115】以上の結果より、本発明のピロロトリアゾ
ール系色素は、優れた色相、高い転写性、優れた光堅牢
性を両立し、しかも熱移行特性、コスト等の点で優れる
ことが確認された。
【0116】(実施例4) −インクの作製− 次に、本発明のピロロトリアゾール系色素を用いて、イ
ンクを作製した。下記組成物を温度50℃で30分撹拌
溶解した後、室温まで徐冷し、インク(4―1)を作製
した。 インク(4−1): リン酸トリクレジル 20ml フタル酸ジブチル 20ml ジメチルホルムアミド 1ml 本発明のピロロトリアゾール系色素の具体例(I−1) 0.5mg 具体例(I−1)を等重量の他の具体例(種類は表2に
記載)に変更して、インク番号(4−2)〜(4−1
1)を作製した。インク番号(4−2)〜(4−11)
について、実施例3に従って色相及びインク化適性につ
いて評価した。なお、インク化適性の評価は、熱移行性
色素供与材料の場合の熱移行特性と同様である。以下、
色相及びインク化適性についての評価結果を表2に示し
た。
【0117】
【表2】
【0118】以上の結果より、本発明のピロロトリアゾ
ール系色素を用いたインクは、比較用色素化合物aを用
いたインクに比べ、何れも濃度が高くインク化適性に優
れ、色相も鮮明で、光堅牢性も高いことが確認された。
【0119】(実施例5) −フィルターの作製− 本発明のピロロトリアゾール系色素を用いて、フィルタ
ーを作製した。基材としては、3mm厚のガラス基板を
用い、表面に下記組成の組成物をスピンコーテイングに
より、乾燥時の厚みが10μmになるように塗布して、
フィルター(6−1)を作製した。乾燥は、ドライヤー
で仮乾燥後、室温で2日間放置して行った。 組成物: 2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール 17ml 本発明のピロロトリアゾール系色素の具体例(I−1) 0.5g
【0120】具体例(I−1)を等重量の他の化合物
(種類は表3に記載)に置き換えて、フィルター(6−
4)〜(6−11)を同様に作製した。そして、フィル
ター(6−1)〜(6−11)について、色相(実施例
3と同様に評価)及びフィルターの面状を評価した。
【0121】フィルターの面状: ○:顕微鏡を使用しても全く色素の結晶、凝集が見えな
い。 △:顕微鏡でわずかに色素の結晶、凝集が見えるが、目
視では色素の結晶、凝集は見えない。 ×:目視で、色素の結晶、凝集が見える。 フィルターの評価結果を表3に示した。
【0122】
【表3】
【0123】以上の結果より、本発明のピロロトリアゾ
ール系色素を用いたフィルターは、比較用色素化合物a
に比べて、何れも優れた色相を示し、フィルターの面状
も良好であることを確認した。
【0124】(実施例6) −製造されるピロロトリアゾール系色素の量(発色濃
度)とホルムアルデヒド濃度との相関− 本発明のピロロトリアゾール系色素の製造方法を利用し
て、ホルムアルデヒド濃度と製造されるピロロトリアゾ
ール系色素の量(発色濃度)との相関を調べた。以下に
説明する。まず、下塗りをした厚み127μmの三酢酸
セルロースフィルム支持体に、下記の組成の乳化物を塗
布した膜を作製した。補助用剤として酢酸エチルを用
い、乾燥させて補助溶剤を除去した。 乳化物: ゼラチン 1.33g カプラ−A 0.25g フタル酸ジブチル 0.50g ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10mg (単位は、m2当たりの添加量である。)
【0125】前記乳化物を塗布した膜をホルムアルデヒ
ドの1%水溶液浴に1分間含浸させた後、1分間水洗し
た。その後、カラー現像主薬Cの1%水溶液(バッファ
ーを用いてpHを10に調整した)浴に2分間含浸し
た。更に、ペルオキシ硫酸ナトリウム水溶液(2%)の
浴に2分間含浸させた。その結果、前記乳化物を塗布し
た膜は、鮮やかなマゼンタ色に呈色した。
【0126】一方、ホルムアルデヒドの1%溶液浴の代
わりに、単なる蒸留水を用いて、全く同様に作業を行っ
たところ、前記乳化物を塗布した膜は無呈色であった。
【0127】以上の結果から、製造されるピロロトリア
ゾール系色素の量(発色濃度)と溶液中のホルムアルデ
ヒドの濃度には相関があり、溶液中のホルムアルデヒド
濃度が高いと、製造されるピロロトリアゾール系色素の
量(発色濃度)が多く(高く)なり、前記ホルムアルデ
ヒド濃度が低いと、製造されるピロロトリアゾール系色
素の量(発色濃度)が少なく(低く)なることが確認さ
れた。
【0128】
【発明の効果】本発明によると、光、熱、湿度、大気、
薬品等に対する堅牢性、転写性、吸収特性及び溶解性に
優れた、マゼンタ乃至シアンのピロロトリアゾール系色
素を提供することができる。又、入手容易な原料からピ
ロロトリアゾール系色素を容易にかつ収率良く、安価で
製造する方法を提供することができる。更に、本発明
は、ピロロトリアゾール系色素を用いることにより、熱
移行特性に優れた、高品質な熱移行性色素供与材料を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のピロロトリアゾール系色素の
具体例(I−1)についての、酢酸エチル中における吸
収特性を示したデータである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されることを特徴
    とするピロロトリアゾール系色素。 【化1】 前記一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5
    6、R7及びR8は、各々独立に、水素原子又は置換基
    を表す。Xは、−OH又は−N(R9)R10を表す。R9
    及びR10は、各々独立に、水素原子、置換若しくは無置
    換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又
    は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。Z1及びZ2
    は、−N=又は−C(R11)=を表す。ただし、Z1
    びZ2のどちらか一方が−N=であるとき、他方は−C
    (R11)=である。R11は、水素原子又は置換基を表
    す。
  2. 【請求項2】 下記一般式(I)で表されるピロロトリ
    アゾール系色素を含有することを特徴とする熱移行性色
    素供与材料。 【化2】 前記一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5
    6、R7及びR8は、各々独立に水素原子又は置換基を
    表す。Xは、−OH又は−N(R9)R10を表す。R9
    びR10は、各々独立に、水素原子、置換若しくは無置換
    のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は
    置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。Z1及びZ
    2は、−N=又は−C(R11)=を表す。ただし、Z1
    びZ2のどちらか一方が−N=であるとき、他方は−C
    (R11)=である。R11は、水素原子又は置換基を表
    す。
  3. 【請求項3】 下記一般式(I)で表されるピロロトリ
    アゾール系色素の製造方法であって、下記一般式(II)
    で表される化合物と、一般式(III)で表されるカラー
    現像主薬とを反応させることを特徴とするピロロトリア
    ゾール系色素の製造方法。 【化3】 前記一般式(I)、(II)及び(III)において、R1
    2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、各々独立
    に、水素原子又は置換基を表す。Xは、−OH又は−N
    (R9)R10を表す。R9及びR10は、各々独立に、水素
    原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは
    無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ
    環基を表す。Z1及びZ2は、−N=又は−C(R11)=
    を表す。ただし、Z1及びZ2のどちらか一方が−N=で
    あるとき、他方は−C(R11)=である。R11は、水素
    原子又は置換基である。
  4. 【請求項4】 下記一般式(I−a)で表されるピロロ
    トリアゾール系色素の製造方法であって、下記一般式
    (IV)で表されるカプラーと、一般式(V)で表される
    アルデヒドと、一般式(III)で表されるカラー現像主
    薬とを反応させることを特徴とするピロロトリアゾール
    系色素の製造方法。 【化4】 前記一般式(I−a)、(III)、(IV)及び(V)にお
    いて、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、各々
    独立に、水素原子又は置換基を表す。Xは、−OH又は
    −N(R9)R10を表す。R9及びR10は、各々独立に、
    水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若し
    くは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘ
    テロ環基を表す。Z1及びZ2は、−N=又は−C
    (R11)=を表す。ただし、Z1及びZ2のどちらか一方
    が−N=であるとき、他方は−C(R11)=である。R
    11は、水素原子又は置換基である。
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JP2007055017A (ja) * 2005-08-23 2007-03-08 Fujifilm Corp 画像形成装置

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