JP2009066994A - 感熱転写記録用インクシートおよびそれを用いた感熱転写記録方法 - Google Patents

感熱転写記録用インクシートおよびそれを用いた感熱転写記録方法 Download PDF

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賀彦 藤江
Shinichi Teramae
伸一 寺前
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Abstract

【課題】感熱転写記録用色素に要求される性能の全ての特性において総合的に優れた性能を有し、特に印画サンプルにおける優れた色再現性、画像保存性および転写濃度を同時に満足する感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法を提供する。
【解決手段】基材シートおよび該基材シートの一方の面に形成された色素担持層からなり、該色素担持層に下記一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン骨格を有する色素を少なくとも2種類含有する感熱転写記録用インクシート。
Figure 2009066994

(一般式(1)中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは各々独立に水素原子または1価の置換基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は感熱転写記録用インクシートおよびそれを用いた感熱転写記録方法に関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレイではLCDやPDPにおいて、カラー画像を記録、再現するためにカラーフィルターが使用されている。
カラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の着色剤(色素や顔料)が使用されている。しかしながら、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件に耐えうる堅牢な着色剤がないのが実情であり、改善が強く望まれている。
感熱転写記録には、支持体(ベースフィルム)上に熱溶融性インク層を形成させた感熱転写材料をサーマルヘッドにより加熱し該インクを溶融して受像材料上に記録する方式と、支持体上に熱移行性色素を含有する色素供与層を形成させた感熱転写材料をサーマルヘッドにより加熱して色素を受像材料上に熱拡散転写させる方式とがある。後者の感熱転写方式は、サーマルヘッドに加えるエネルギーを変えることにより色素の転写量を変化させることができるために階調記録が容易であり、高画質のフルカラー記録には特に有利である。しかしこの方式に用いる熱移行性色素には種々の制約があり、必要とされる性能を全て満たすものは極めて少ない。
必要とされる性能としては、例えば、色再現上好ましい分光特性を有すること、熱記録ヘッドによって昇華および/または転写すること、分子吸光係数が大きいこと、光や熱に堅牢であること、種々の化学薬品に堅牢であること、合成が容易であること、感熱転写用記録材料を作りやすいこと、安全であることなどがある。
従来、このような感熱転写記録に用いられる色素のうち、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン系色素を、昇華方式の感熱転写記録用色素として用いることが知られている(例えば特許文献1〜7)。また、アリーリデンピラゾロン系色素と特定のピリドンアゾ系イエロー色素との併用系(特許文献3)、アリーリデンピラゾロン系色素と特定のジシアノスチリル系イエロー色素との併用系(特許文献4および6)、アリーリデンピラゾロン系色素と特定のアミノピラゾールアゾ系イエロー色素との併用系(特許文献5)、アリーリデンピラゾロン系色素と特定のキノフタロン系イエロー色素との併用系(特許文献5)、およびアリーリデンピラゾロン系色素と特定のビスピラゾロンメチン系イエロー色素との併用系(特許文献7)も知られている。
しかしながら、これらに具体的に記載されている色素または色素混合物では、記録濃度、記録物の色調の鮮明性、記録物の耐光性、またはインクシートの経時安定性において、必ずしも満足できるものでなく、これらを全て高いレベルで満足することが強く望まれていた。
特開平2−3450号公報 特開平10−329428号公報 特開平4−275184号公報 特開平4−265792号公報 特開2003−221535号公報 特開2003−335072号公報 特開2004−230878号公報
本発明の目的は、感熱転写記録用色素に要求される性能の全ての特性において総合的に優れた性能を有し、特に印画サンプルにおける優れた色再現性、画像保存性および転写濃度を同時に満足する感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法を提供することにある。
本発明者らは、多くの提案されているイエロー色素の個々の特性を研究する過程において、特定の構造を有するアリーリデンピラゾロン系の色素に至り、少なくとも2種の互いの構造が異なるアリーリデンピラゾロン系の色素を組み合わせることで、本発明の目的を達成できることを見出した。
すなわち、以下の構成を有する本発明によって課題を解決することができた。
(1)基材シートおよび該基材シートの一方の面に形成された色素担持層からなり、該色素担持層に下記一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン骨格を有する色素を少なくとも2種類含有することを特徴とする感熱転写記録用インクシート。
Figure 2009066994
(一般式(1)中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは各々独立に水素原子または1価の置換基を表す。)
(2)前記一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン骨格を有する色素の少なくとも2種類のうち、少なくとも一方が下記一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素であることを特徴とする(1)に記載の感熱転写記録用インクシート。
Figure 2009066994
(一般式(2)中、Rは炭素数6〜10の置換または無置換のアリール基を表し、R10は置換または無置換の炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、R11はハロゲン原子を表し、R12およびR13は各々独立に炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基またはアリル基を表す。)
(3)前記一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン骨格を有する色素の少なくとも2種類のうち、少なくとも一方が下記一般式(3)で表されるアリーリデンピラゾロン色素であることを特徴とする(1)または(2)に記載の感熱転写記録用インクシート。
Figure 2009066994
(一般式(3)中、R14は炭素数6〜10の置換または無置換のアリール基を表し、R15は置換または無置換の炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、R16およびR17は各々独立に炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基を表す。)
(4)支持体上にポリマーを含有するインク受容層を有する受像材料上に(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感熱転写記録用インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
本発明によって、感熱転写記録用インクシートに要求されるすべての特性において総合的に優れた性能を有し、感度が高く、記録濃度が高く、記録物の色調が鮮明で、記録物の保存性が高い感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法を提供することができる。
特に、本発明によって低エネルギーで高い濃度の黄色を呈し、耐光性も良好な感熱転写記録物が得ることができ、シアンとの混色で高い濃度で好ましいグリーンの色調を得ることができ、さらに得られた記録物の耐光性が特に著しく良好である。
以下に本発明の感熱転写用インクシート、感熱転写記録方法およびそれに用いるアリーリデンピラゾロン色素について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の感熱転写記録用インクシートには、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン系の色素を少なくとも2種以上を組み合わせて使用するものである。
一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン系色素1種類のみを用いて作成された感熱転写記録用インクシートで形成される画像は、耐光性が良好で、シアンとの混色で得られるグリーンの色調においても画像の耐光性が良好である反面、溶解性が低いこと、インクシートの経時保存性が実用上満足できないという欠点があった。
一方、溶解性を向上させる手法として、異なる色素を混合することが有効であることは公知である。特許文献3〜7記載のアリーリデンピラゾロン系色素と他の特定のイエロー色素との併用において、確かに溶解性の向上は認められる反面、いずれの場合においてもアリーリデンピラゾロン系色素1種類のみを用いた場合と比較して、形成される画像における耐光性、とりわけシアンとの混色で得られるグリーンの色調における画像の耐光性の悪化が顕著であるという欠点があった。
しかしながら、本発明にしたがって、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン系色素を2種以上組み合わせて用いれば、溶解性に優れ、インクシートの経時保存性に優れ、形成される画像の耐光性、特にシアンとの混色で得られるグリーンの色調においても耐光性が優れる。
〔一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素〕
最初に、本発明で用いる一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素について、詳細に説明する。
一般式(1)において、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、各々独立に水素原子または1価の置換基を表す。ここで表す1価の置換基に関しては特に制限はないが、代表例として、ハロゲン原子、アルキル基(本明細書では、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む飽和脂肪族基を意味する)、アルケニル基(本明細書では、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む二重結合を有する不飽和脂肪族基を意味する)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基およびヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基を挙げることができ、それぞれの基はさらに置換基を有していてもよい。
以下に、上述の1価の置換基およびさらに置換していてもよい置換基について詳細に説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。中でも塩素原子、臭素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
アルキル基には、シクロアルキル基、およびビシクロアルキル基が含まれる。アルキル基には、直鎖、分岐の置換もしくは無置換のアルキル基が含まれる。直鎖、分岐の置換もしくは無置換のアルキル基は炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、および2−エチルヘキシル基を挙げることができる。シクロアルキル基としては置換もしくは無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換もしくは無置換のシクロアルキル基は、炭素数3〜30のシクロアルキル基が好ましい。例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基を挙げることができる。ビシクロアルキル基としては、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基を挙げることができる。例として、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基を挙げることができる。さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。なお、以下に説明する置換基の中の「アルキル」(例えばアルキルチオ基の「アルキル」)もこのような概念の「アルキル」を表す。
アルケニル基にはシクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基が含まれる。アルケニル基としては直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。アルケニル基としては、炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基が好ましい。例としてはビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基を挙げることができる。シクロアルケニル基としては、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましい。例としては、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基が挙げられる。ビシクロアルケニル基としては、置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基が含まれる。ビシクロアルケニル基としては炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましい。例として、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基を挙げることができる。
アルキニル基は、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、およびプロパルギル基が挙げられる。
アリール基は、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基が挙げられる。
ヘテロ環基は、置換もしくは無置換の芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、それらはさらに縮環していてもよい。これらのヘテロ環基としては、好ましくは5または6員のヘテロ環基であり、また環構成のヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましい。さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。ヘテロ環基を構成する環を、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、シンノリン環、フタラジン環、キノキサリン環、ピロール環、インドール環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、ベンズオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イソチアゾール環、ベンズイソチアゾール環、チアジアゾール環、イソオキサゾール環、ベンズイソオキサゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、イミダゾリジン環、チアゾリン環が挙げられる。
アルコキシ基には、置換もしくは無置換のアルコキシ基が含まれる。置換もしくは無置換のアルコキシ基としては、炭素原子数が1〜30のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−オクチルオキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3−カルボキシプロポキシ基などを挙げることができる。
アリールオキシ基は、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基が好ましい。アリールオキシ基の例として、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基などを挙げることができる。
アシルオキシ基は、ホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましい。アシルオキシ基の例には、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
カルバモイルオキシ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基が好ましい。カルバモイルオキシ基の例には、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基などを挙げることができる。
アルコキシカルボニルオキシ基は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルオキシ基は、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
アミノ基は、アルキルアミノ基、アリールアミノ基およびヘテロ環アミノ基を含む。アミノ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基が好ましい。アミノ基の例には、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N-メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、カルボキシエチルアミノ基、スルフォエチルアミノ基、3,5−ジカルボキシアニリノ基、4−キノリルアミノ基などを挙げることができる。
アシルアミノ基は、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。アシルアミノ基の例には、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基などを挙げることができる。
アミノカルボニルアミノ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が好ましい。アミノカルボニルアミノ基の例には、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基などを挙げることができる。なお、この基における「アミノ」の用語は、前述のアミノ基における「アミノ」と同じ意味である。
アルコキシカルボニルアミノ基は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基などを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルアミノ基は、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基などを挙げることができる。
スルファモイルアミノ基は、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基が好ましい。スルファモイルアミノ基の例には、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基などを挙げることができる。
アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基が好ましい。アルキルスルホニルアミノ基およびアリールスルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基などを挙げることができる。
アルキルチオ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基が好ましい。アルキルチオ基の例には、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基などを挙げることができる。
スルファモイル基は、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基が好ましい。スルファモイル基の例には、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基などを挙げることができる。
アルキルもしくはアリールスルフィニル基は、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基が好ましい。アルキルもしくはアリールスルフィニル基の例には、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基などを挙げることができる。
アルキルもしくはアリールスルホニル基は、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基が好ましい。アルキルもしくはアリールスルホニル基の例には、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基などを挙げることができる。
アシル基は、ホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましい。アシル基の例には、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基などを挙げることができる。
アルコキシカルボニル基は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基が好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基などを挙げることができる。
アリールオキシカルボニル基は、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基が好ましい。アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基などを挙げることができる。
カルバモイル基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基が好ましい。カルバモイル基の例には、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基などを挙げることができる。
アリールもしくはヘテロ環アゾ基として、例えば、フェニルアゾ基、4−メトキシフェニルアゾ基、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ基、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ基などを挙げることができる。
イミド基として、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基などを挙げることができる。
は、好ましくは置換または無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基であり、より好ましくは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、最も好ましくは置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基である。
は、好ましくは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のジアルキルアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のアリール基、置換またはジアルキルカルバモイル基であり、より好ましくは置換または無置換のジアルキルアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基であり、最も好ましくは置換または無置換の炭素数1〜3のアルコキシ基である。
は、好ましくは水素原子、またはハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、フッ素原子、または塩素原子であり、最も好ましくは水素原子、または塩素原子である。
、RおよびRは、各々独立に、好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基であり、最も好ましくは水素原子である。
およびRは、各々独立に、好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、より好ましくは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、またはアリル基であり、最も好ましくは炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基である。
本発明の一般式(1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基が少なくとも1つが前記好ましい置換基であることが好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい置換基であることがより好ましく、全ての置換基が前記好ましい置換基であることが最も好ましい。
好ましい組み合わせは、Rが置換または無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、Rが置換または無置換のジアルキルアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基であり、Rが水素原子またはハロゲン原子であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリル基であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、Rが置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、Rが置換または無置換のアルコキシ基であり、Rが水素原子またはハロゲン原子であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、Rが置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、Rが炭素数1〜3置換または無置換のアルコキシ基であり、Rが水素原子または塩素原子であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素の中で2種以上のうちの少なくとも1種として選択するのに最も好ましいものは、一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素である。
〔一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素〕
以下に、一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素について詳細に説明する。
一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素の特徴は、2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−オン環における5−位にアルコキシ基を有し、かつアニリノ基のメチンに対してオルト位にハロゲン原子を有することである。この特徴を有するアリーリデンピラゾロン色素は、色再現上好ましい分光特性を有し、高い耐光性を有している。なおかつアリーリデンピラゾロン色素の中では比較的溶解度が高く、高濃度のインクシートが作成可能なため該色素を1種のみで使用した場合でも比較的高い転写濃度を実現できる。
一般式(2)において、Rは置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基を表す。好ましくは置換または無置換のフェニル基であり、より好ましくは無置換のフェニル基である。
一般式(2)において、R10は置換または無置換の炭素数1〜3のアルコキシ基を表す。好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基であり、最も好ましくはエトキシ基である。
一般式(2)において、R11はハロゲン原子を表す。好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子であり、より好ましくは、フッ素原子、塩素原子であり、最も好ましくは塩素原子である。
一般式(2)においてR12およびR13は、各々独立に置換または無置換の炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基を表す。好ましくは各々独立に無置換の炭素数1〜3のアルキル基、アリル基であり、より好ましくは無置換の炭素数2〜3のアルキル基、アリル基であり、最も好ましくはエチル基、アリル基である。
本発明の一般式(2)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基が少なくとも1つが前記好ましい置換基であることが好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい置換基であることがより好ましく、全ての置換基が前記好ましい置換基であることが最も好ましい。
好ましい組み合わせは、Rが無置換のフェニル基であり、R10がメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基であり、R11がフッ素原子、塩素原子であり、R12がエチル基、n−プロピル基、アリル基であり、R13がエチル基、n−プロピル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、Rが無置換のフェニル基であり、R10がメトキシ基、エトキシ基であり、R11が塩素原子であり、R12がエチル基、n−プロピル基、アリル基であり、R13がエチル基、n−プロピル基、アリル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、Rが無置換のフェニル基であり、R10がエトキシ基であり、R11が塩素原子であり、R12がエチル基、アリル基であり、R13がエチル基、アリル基である組み合わせである。
一方、感熱転写用に用いられるイエロー色素の平均的な分子量が350〜500程度であるのに対して、置換基上の特徴であるハロゲン原子の導入によって分子量が増えるため(例えば塩素原子の場合、35.5)、色素の単位重量あたりの色濃度という点では不利である。
一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素の中で2種以上のうちの少なくとも1種として選択するのに最も好ましいものは、一般式(3)で表されるアリーリデンピラゾロン色素である。
〔一般式(3)で表されるアリーリデンピラゾロン色素〕
以下に、一般式(3)で表されるアリーリデンピラゾロン色素について詳細に説明する。
一般式(3)で表されるアリーリデンピラゾロン色素の特徴は、2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−オン環における5−位にアルコキシ基を有し、かつアニリノ基のメチンに対して両オルト位および両メタ位がいずれも水素原子であることが特徴である。この特徴を有するアリーリデンピラゾロン色素は、色再現上イエローとしてはやや赤味の分光特性を有しているものの、高い耐光性を有している。一方、アリーリデンピラゾロン色素の中では比較的溶解度が低く、高濃度のインクシートが作成不可能なため、該色素を1種のみで使用した場合、高い転写濃度を実現することが難しい。
一般式(3)において、R14は置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基を表す。好ましくは置換または無置換のフェニル基であり、より好ましくは無置換のフェニル基である。
一般式(3)において、R15は置換または無置換の炭素数1〜3のアルコキシ基を表す。好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基であり、最も好ましくはエトキシ基である。
一般式(3)においてR16およびR17は、各々独立に置換または無置換の炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基を表す。好ましくは各々独立に無置換の炭素数1〜3のアルキル基、アリル基であり、より好ましくは無置換の炭素数2〜3のアルキル基、アリル基であり、最も好ましくはエチル基、アリル基である。
本発明の一般式(3)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基が少なくとも1つが前記好ましい置換基であることが好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい置換基であることがより好ましく、全ての置換基が前記好ましい置換基であることが最も好ましい。
好ましい組み合わせは、R14が無置換のフェニル基であり、R15がメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基であり、R16がエチル基、n−プロピル基、アリル基であり、R17がエチル基、n−プロピル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、R14が無置換のフェニル基であり、R15がメトキシ基、エトキシ基であり、R16がエチル基、n−プロピル基、アリル基であり、R17がエチル基、n−プロピル基、アリル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、R14が無置換のフェニル基であり、R15がエトキシ基であり、R16がエチル基、アリル基であり、R17がエチル基、アリル基である組み合わせである。
一方、感熱転写用に用いられるイエロー色素の平均的な分子量が350〜500程度であるのに対して、置換基上の特徴であるアニリノ基のメチンに対して両オルト位および両メタ位がいずれも水素原子であることによって分子量が比較的小さいため色素の単位重量あたりの色濃度という点では潜在的に有利であるはずと考えられる。
本発明において、前記構造を有する色素から選択される2種類以上の色素を組み合わせて用いる限りにおいて、本発明の効果を得ることはできるが、これらの組み合わせによる本発明の効果を十分に発現するためには、当該骨格部分その他の部分構造を含めて、アリーリデンピラゾロン色素は、分子量として、通常600以下、特に500以下、とりわけ250〜450の範囲であることが好ましい。
一般式(1)から選択されるアリーリデンピラゾロン色素は、好ましくは一般式(2)のアリーリデンピラゾロン色素と一般式(3)のアリーリデンピラゾロン色素の組み合わせが好ましい。
以下に、本発明の一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素の具体例を示すが、本発明で用いることのできる一般式(1)のアリーリデンピラゾロン色素は以下の具体例によって限定されるものではない。
なお、具体例において、Phはフェニル基(−C)、Meはメチル基、Etはエチル基、n−Prはn−プロピル基、Allylはアリル基をそれぞれ表す。
一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素
Figure 2009066994
ここで上記具体例に挙げた6〜12は前記一般式(2)の具体例でもあり、また上記具体例に挙げた1〜5は、前記一般式(3)の具体例でもある。
これらのアリーリデンピラゾロン色素は、一般的に行われているピラゾロン誘導体とアミノベンズアルデヒド誘導体との脱水縮合反応により合成することができる。
具体的には、2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−オン誘導体と、4−(N,N−ジアルキルアミノ)ベンズアルデヒド誘導体などを、メタノール等の溶媒中で加熱して脱水縮合反応させることにより容易に合成することができる。
2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−オン誘導体は、例えばJ.Heterocycl.Chem.1996,33(2),479頁に記載の方法により容易に合成することができる。
4−(N,N−ジアルキルアミノ)ベンズアルデヒド誘導体などのアミノベンズアルデヒド誘導体は、例えば第4版実験化学講座,20巻,284−288頁、第4版実験化学講座,21巻,113−118頁に記載の方法により容易に合成することができる。
〔感熱転写記録用インクシート〕
本発明のアリーリデンピラゾロン色素は3原色のうち、イエロー色として使用されることが好ましい。本発明のアリーリデン色素の最大吸収波長の好ましい範囲としては好ましくは400〜480nmであり、より好ましくは420〜460nmである。
本発明の感熱転写記録用インクシートは、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を少なくとも2種類含有することを特徴とする。感熱転写記録用インクシートは、一般に支持体上に色素供与層が形成された構造を有しており、その色素供与層中に一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を少なくとも2種類含有させる。本発明の感熱転写記録用インクシートは、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を少なくとも2種類、バインダーとともに溶剤中に溶解するか、あるいは溶媒中に微粒子状に分散させることによってインク液を調製し、該インク液を支持体上に塗設し、適宜乾燥して色素供与層を形成することにより製造することができる。
本発明の感熱転写記録用インクシートの色素供与層に用いることができるバインダー樹脂は、耐熱性が高くて、加熱されたときに色素化合物が受像材料へ移行するのを妨げないものであれば特にその種類は制限されない。例えば、特開平7−137466号公報の段落番号0049に記載されるものを好ましい例として挙げることができる。また、色素供与層形成用の溶剤についても、従来公知の溶剤を適宜選択して用いることができ、特開平7−137466号公報の実施例に記載されるものを好ましく用いることができる。
色素供与層中における一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を2種類混合する場合、選択された各々の特定の色素によって異なるが、一般的には質量比で10〜90:90〜10の比率で使用することが好ましい。片方の色素の割合が大きすぎると十分に溶解性が向上しない、インクシートの経時保存性が劣るなどの傾向が現れることがある。
また色素供与層中における一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を3種類以上混合する場合、選択された各々の特定の色素によって異なるが、選択した特定の色素の割合が大きすぎると十分に溶解性が向上しない、インクシートの経時保存性が劣るなどの傾向が現れることがある。一般的には該インクシートの作成に使用する色素の合計を100質量部としたに対して、特定の1種の色素が90質量部を超えないことが好ましい。
本発明の効果を妨げない範囲で、さらにその他のイエロー色素と混合して用いることもできるが、通常、その他のイエロー色素の含有量としては、本発明の2種以上のアリーリデンピラゾロン系色素の合計量を100質量部とした場合、30質量部以下、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。
色素供与層中における色素混合物の含有量は、0.03〜1.0g/mが好ましく、0.1〜0.6g/mがより好ましい。また、色素供与層の厚みは、0.2〜5μmが好ましく、0.4〜2μmがより好ましい。
本発明の感熱転写記録用インクシートは、本発明の効果を過度に阻害しない範囲内であれば、色素供与層以外の層を有するものであってもよい。例えば、支持体と色素供与層との間に中間層を有するものであってもよいし、色素供与層とは反対側の支持体面(以下において「裏面」ともいう)にバック層を有するものであってもよい。中間層としては、例えば下塗り層や、色素の支持体方向への拡散を防止するための拡散防止層(親水性バリアー層)を挙げることができる。また、バック層としては、例えば耐熱スリップ層を挙げることができ、サーマルヘッドのインクシートへの粘着防止を図ることができる。
本発明をフルカラー画像記録が可能な感熱転写記録材料に適用するには、シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含有するシアンインクシート、マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ色素を含有するマゼンタインクシート、イエロー画像を形成することができる熱拡散性イエロー色素を含有するイエローインクシートを支持体上に順次塗設して形成することが好ましい。また、必要に応じて他に黒色画像形成物質を含むインクシートがさらに形成されていてもよい。
シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含有するシアンインクシートとしては、例えば、特開平3−103477号公報や特開平3−150194号公報などに記載されるもの、または下記実施例に記載のインドアニリン系シアン色素(C1)を含むインクシートを好ましく用いることができる。マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ色素を含有するマゼンタインクシートとしては、例えば、特開平1−225592号公報などに記載されるものを好ましく用いることができる。
〔感熱転写記録〕
本発明の感熱転写記録用インクシートを用いて感熱転写記録を行う際には、サーマルヘッド等の加熱手段と受像材料を組み合わせて用いる。すなわち、画像記録信号に従ってサーマルヘッドから熱エネルギーがインクシートに加えられ、該熱エネルギーが加えられた部分の色素が受像材料に移行し固定されることによって画像記録がなされる。受像材料は、通常は支持体上にポリマーを含有するインク受容層を設けた構成を有している。受像材料の構成や使用材料については、例えば特開平7−137466号公報の段落番号0056〜0074に記載されたものを好ましく用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔実施例1〕
<感熱転写記録用インクシートの作製>
裏面に熱硬化アクリル樹脂(厚み1μm)により耐熱滑性処理が施された厚み6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を支持体として使用し、フィルムの表面側に下記の色素供与層形成用塗料組成物をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布形成し、インクシート1およびインクシートCを作製した。
〔インクシート1の配合〕
例示化合物(1) 2.5質量部
例示化合物(6) 2.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 5.0質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業製)
メチルメチルケトン/トルエン(1/2) 190質量部
〔インクシートCの配合〕
シアン色素(C1) 8.0質量部
フェノキシ樹脂 5.0質量部
(PKHJ、商品名、ユニオンカーバイド社製)
テトラヒドロフラン 190質量部
Figure 2009066994
次に、上記例示化合物(1)および例示化合物(6)を下記表2に記載の色素にそれぞれ変更し、それらの使用量を下記表2に記載される量に変更したこと以外はインクシート1の作製と同様にして、本発明のインクシート2〜4および比較用インクシート5〜12をそれぞれ作製した。
比較イエロー色素(Y1)(特開平4−265792号公報記載の例示化合物W)
Figure 2009066994
比較イエロー色素(Y2)(特開平4−275184号公報記載の例示化合物A)
Figure 2009066994
比較イエロー色素(Y3)(特開2003−221535号公報記載の例示化合物III−3)
Figure 2009066994
比較イエロー色素(Y4)(特開昭63−189289号公報の例示化合物2−2)
Figure 2009066994
比較イエロー色素(カラーインデックス ソルベントイエロー93)
Figure 2009066994
<画像記録および評価>
上記のようにして得られたインクシート1と富士フイルム製ASK2000用受像材料(受像シート)とを、インクシートの色素供与層と受像シートの受容層とが接するようにして重ね合わせ、色素供与材料の裏面側からサーマルヘッドを使用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドット、パルス巾0.15〜15ミリ秒、ドット密度6ドット/mmの条件で印字を行い、受像シートの受像層にイエロー色の色素を像状に染着させたところ、転写むらのない鮮明な画像が記録された。インクシート1をインクシート2〜12にそれぞれ変更したこと以外は同様にして画像記録を行った。
得られた各画像のベタ濃度(100%網点濃度)におけるステータスA反射濃度を測定し、反射濃度が2.4以上を◎、2.2以上2.4未満を○、2.0以上2.2未満を△、2.0未満を×の4段階で転写濃度を評価した。得られた結果を下記表2に、到達濃度として示した。
上記インクシート1、インクシートCをこの順序で、上記と同様の記録条件で同じ受像シート上に重ねて記録したところ、転写村のないグリーン色調の鮮明な画像を得た。インクシート1をインクシート2〜12にそれぞれ変更した以外は同様にして画像記録を行った。
次に、得られた記録済の各受像シート(イエローおよびグリーン)を5日間、Xeライト(17000ルクス)で照射し、色像の耐光性(光堅牢性)を調べた。イエロー部に関してはステータスA反射濃度1.0を示す部分の照射後のステータスA反射濃度を測定し、照射前の反射濃度1.0に対する残存率(百分率)でその安定度を◎(90%以上100%未満)、○(80%以上90%未満)、△(70%以上80%未満)、×(70%未満)の4段階で評価した。グリーン部分に関しては、ステータスA反射濃度1.0の部分の色差変化(CIELabにおける色変化ΔEab)を測定し、10未満を◎(非常によい)、10以上20未満を〇(よい)、20以上30未満を△(許容できる)、30以上を×(許容できない)、とする4段階で評価した。結果を下記表2の耐光性の項目にそれぞれ示した。
インクシート保存性については、上記のようにして得られたインクシート1〜12をそれぞれロール状に巻きとり、温度60度、湿度70%RHの条件下で24時間経時し、この強制経時の前後でそれぞれプリントを行い、その反射濃度の変化について、ほとんど変化しないを◎(非常によい)、やや変化するを〇(許容できる)、大きく変化するを△(許容できない)として、目視にて3段階で評価した。
溶解性については、各色素または色素混合物のメチルエチルケトン/トルエン(2/1)に対する溶解度を目視にて観察し、15質量%以上溶解するを◎、10質量部以上溶解するを〇、5質量部以上溶解するを△、5質量部未満しか溶解しないを×、とする4段階で評価し、溶解性の項目に示した。

Figure 2009066994
ここで、上記比較例8は、特開平4−265792号公報記載の色素の組み合わせに相当し、比較例9は特開平4−275184号公報記載の色素の組み合わせに相当し、比較例10および比較例11は特開2003−221535号公報記載の色素の組み合わせに相当し、比較例12は特開2004−23878号公報記載の色素の組み合わせに相当する。
上記表2より明らかなように、本発明の感熱転写記録用インクシートは、いずれも溶解性、転写濃度、インクシートの経時保存性、光堅牢性の全てがバランスよく優れた記録物が得られることが明らかである。
また詳細は、現在調査中であるが、予想外にも、一般式(2)(例示化合物1)および一般式(3)(例示化合物6)のアリーリデンピラゾロン色素を2種併用することで、アリーリデンピラゾロン1種のみで使用した場合や他のイエロー色素を併用した場合と比較して、シアンとの混色によるグリーンの画像の耐光性に優れることを見出した。
〔実施例2〕
受像紙として、特開昭62−169694号明細書の実施例に記載のポリカーボネートC(可塑剤あり)の水準と同様の方法で作成した受像紙を用いて、他の条件は実施例1と全く同様にして実験を行った。その結果、受像紙を変えても、実施例1と同様の効果が観察された。

Claims (4)

  1. 基材シートおよび該基材シートの一方の面に形成された色素担持層からなり、該色素担持層に下記一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン骨格を有する色素を少なくとも2種類含有することを特徴とする感熱転写記録用インクシート。
    Figure 2009066994
    (一般式(1)中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは各々独立に水素原子または1価の置換基を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン骨格を有する色素の少なくとも2種類のうち、少なくとも一方が下記一般式(2)で表されるアリーリデンピラゾロン色素であることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録用インクシート。
    Figure 2009066994
    (一般式(2)中、Rは炭素数6〜10の置換または無置換のアリール基を表し、R10は置換または無置換の炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、R11はハロゲン原子を表し、R12およびR13は各々独立に炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基またはアリル基を表す。)
  3. 前記一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン骨格を有する色素の少なくとも2種類のうち、少なくとも一方が下記一般式(3)で表されるアリーリデンピラゾロン色素であることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写記録用インクシート。
    Figure 2009066994
    (一般式(3)中、R14は炭素数6〜10の置換または無置換のアリール基を表し、R15は置換または無置換の炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、R16およびR17は各々独立に炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基を表す。)
  4. 支持体上にポリマーを含有するインク受容層を有する受像材料上に請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写記録用インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
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