JP5090966B2 - アリーリデンピラゾロン色素、着色組成物、感熱転写記録用インクシート、感熱転写記録方法、カラートナー、インクジェット用インクおよびカラーフィルター - Google Patents
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Description
カラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の着色剤(色素や顔料)が使用されている。しかしながら、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件に耐えうる堅牢な着色剤がないのが実情であり、改善が強く望まれている。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
このようなインクジェット記録用インクに用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、SOx、オゾンなどの酸化性ガス)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難しい。特に、良好なイエローの色相を有し、溶解性が高く、光、湿度、熱に対して堅牢であること、なかでも光に対して高堅牢であることが強く望まれている。
感熱転写記録に使用するために、特定のアリーリデンピラゾロン骨格を有する色素化合物が提案されている(例えば特許文献9参照)。しかしながら、これらの色素化合物は上記の要求特性が必ずしも満足の行くレベルではなく、更なる検討が求められていた。
(3)前記(1)に記載のアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とする感熱転写記録用インクシート。
(4)支持体上にポリマーを含有するインク受容層を有する受像材料の上に、(3)に記載の感熱転写記録用インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
(5)前記(1)に記載のアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とするカラートナー。
(6)前記(1)に記載のアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
(7)前記(1)に記載のアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とするカラーフィルター。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
最初に、本発明の一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素について詳細に説明する。
一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素は、3−ピラゾロンの2位の置換基としてアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基もしくはスルファモイル基が導入されていることを特徴とする色素化合物である。このような特徴的な構造を有するアリーリデンピラゾロン色素はこれまでに全く知られていなかった。3−ピラゾロンの2位の置換基やアルキル基やアリール基の色素化合物と比較して、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素は光堅牢性および湿熱堅牢性が圧倒的に優れ、また溶解性にも優れている。
一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素は、溶解性、光堅牢性および湿熱堅牢性に優れているため感熱転写記録用インクシートの用途に好適であることに加え、他の用途(例えばインク液等)にも好適に使用可能であると考えられる。
該置換基は特に制限はないが、代表例として、脂肪族基(例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基)、アリール基を挙げることができ、それぞれの基はさらに置換基(例えば上記R3で挙げた置換基)を有していてもよい。
R1およびR2は互いに結合して環構造を形成してもよい。環構造を形成する場合の環構造は、5〜7員の環構造であることが好ましく、5〜6員の環構造であることがより好ましい。R1、R2およびこれらが結合する窒素原子が構成する環構造の具体例としてピロリジン環、ピペリジン環、およびモルホリン環が挙げられ、ピペリジン環、またはモルホリン環が好ましい。
本発明のアリーリデンピラゾロン色素の最大吸収波長は、好ましくは400〜500nmの範囲であり、より好ましくは420〜470nmの範囲である。
本発明の着色組成物は、一般式(1)で表される本発明のアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とする。本明細書における着色組成物は、感熱転写記録用インクシート、インクジェット用インク、カラートナー、カラーフィルター、筆記用ペン、着色プラスチック、その他インク液などのことを指す。
本発明の着色組成物は、特に感熱転写記録用インクシート、インクジェット用インク、カラートナー、カラーフィルターとして有効に用いることができる。
本発明の感熱転写記録用インクシートは、前記一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とする。感熱転写記録用インクシートは、一般に支持体上に色素供与層が形成された構造を有しており、その色素供与層中に一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を含有させる。本発明の感熱転写記録用インクシートは、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素をバインダーとともに溶剤中に溶解するか、あるいは溶媒中に微粒子状に分散させることによってインク液を調製し、該インク液を支持体上に塗設し、適宜乾燥して色素供与層を形成することにより製造することができる。また、アリーリデンピラゾロン色素に加え、その他の色素化合物を同時に用いてもよい。
シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含有するシアンインクシートとしては、例えば、特開平3−103477号公報や特開平3−150194号公報などに記載されるものを好ましく用いることができる。マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ色素を含有するマゼンタインクシートとしては、例えば、特開平4−357088号公報などに記載されるものを好ましく用いることができる。イエロー画像を形成することができる熱拡散性イエロー色素を含有するイエローインクシートとしては、例えば、特開平1−225592号公報などに記載されるものを好ましく用いることができる。
本発明の感熱転写記録用インクシートの支持体には、インクシート用支持体として従来から用いられているものを適宜選択して用いることができる。例えば特開平7−137466号公報の段落番号0050に記載される材料を好ましく用いることができる。支持体の厚みは、2〜30μmが好ましい。
本発明の感熱転写記録用インクシートの色素供与層に用いることができるバインダー樹脂は、耐熱性が高くて、加熱されたときにアリーリデンピラゾロン色素やその他の色素化合物が受像材料へ移行するのを妨げないものであれば特にその種類は制限されない。例えば、特開平7−137466号公報の段落番号0049に記載されるものを好ましい例として挙げることができる。また、色素供与層形成用の溶剤についても、従来公知の溶剤を適宜選択して用いることができ、特開平7−137466号公報の実施例に記載されるものを好ましく用いることができる。
色素供与層中における一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素の含有量は、0.03〜1.0g/m2が好ましく、0.1〜0.6g/m2がより好ましい。また、色素供与層の厚みは、0.2〜5μmが好ましく、0.4〜2μmがより好ましい。
本発明の感熱転写記録用インクシートは、本発明の効果を過度に阻害しない範囲内であれば、色素供与層以外の層を有するものであってもよい。例えば、支持体と色素供与層との間に中間層を有するものであってもよいし、色素供与層とは反対側の支持体面(以下において「背面」ともいう)にバック層を有するものであってもよい。中間層としては、例えば下塗り層や、アリーリデンピラゾロン色素やその他の色素化合物の支持体方向への拡散を防止するための拡散防止層(親水性バリアー層)を挙げることができる。また、バック層としては、例えば耐熱スリップ層を挙げることができ、サーマルヘッドのインクシートへの粘着防止を図ることができる。
本発明の感熱転写記録用インクシートを用いて感熱転写記録を行う際には、サーマルヘッド等の加熱手段と受像材料を組み合わせて用いる。すなわち、画像記録信号に従ってサーマルヘッドから熱エネルギーがインクシートに加えられ、該熱エネルギーが加えられた部分のアリーリデンピラゾロン色素やその他の色素化合物が受像材料に移行し固定されることによって画像記録がなされることを特徴とする、感熱転写記録方法である。。受像材料は、通常は支持体上にポリマーを含有するインク受容層を設けた構成を有している。受像材料の構成や使用材料については、例えば特開平7−137466号公報の段落番号0056〜0074に記載されたものを好ましく用いることができる。
本発明のカラートナーは、前記一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とする。本発明の一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を導入するカラートナー用バインダー樹脂としては、カラートナー用に一般に使用される全てのバインダーが使用できる。例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。カラートナーに対して流動性向上や帯電制御等を付与する目的で、無機微粉末、有機微粒子を外部添加してもよい。表面をアルキル基含有のカップリング剤等で処理したシリカ微粒子、チタニア微粒子が好ましく用いられる。なお、これらは数平均一次粒子サイズが10〜500nmのものが好ましく、さらにはカラートナー中に0.1〜20質量%添加するのが好ましい。
本発明のインクジェット用インクは、前記一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とする。本発明のインクは、親油性媒体や水性媒体中に前記一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を溶解および/または分散させることによって作製することができ、好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明のインクは上述したように分光特性や堅牢性等に優れたている上、さらに溶解性までもが優れたアリーリデンピラゾロン色素を含有するので、インクジェット記録用インクとして好適に用いることができる。必要に応じてその他の添加剤が、本発明の効果を害しない範囲内において含有される。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、色素分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相または水相に添加してもよい。
前記乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(またはブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
前記防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
本発明のカラーフィルターは、前記一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とする。カラーフィルターの形成方法としては、初めにフォトレジストによりパターンを形成し、次いで染色する方法、或いは特開平4−163552号、特開平4−128703号、特開平4−175753号などの各公報で開示されているように、着色剤を添加したフォトレジストによりパターンを形成する方法がある。本発明の一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素をカラーフィルターに導入する場合に用いられる方法としては、これらのいずれの方法を用いてもよいが、好ましい方法としては、特開平4−175753号公報や特開平6−35182号公報に記載されている方法、即ち、熱硬化性樹脂、キノンジアジド化合物、架橋剤、着色剤および溶剤を含有してなるポジ型レジスト組成物を基体上に塗布後、マスクを通して露光し、該露光部を現像してポジ型レジストパターンを形成させ、上記ポジ型レジストパターンを全面露光し、次いで露光後のポジ型レジストパターンを硬化させることからなるカラーフィルターの形成方法を挙げることができる。また、常法に従いブラックマトリックスを形成させ、RGB原色系あるいはY.M.C補色系カラーフィルターを得ることができる。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
例示化合物(Y−2)、(Y−3)および(Y−7)は、上記合成例に準じた方法で合成した。また、これらの例示化合物以外に関しても、化学的な見地から、上記合成例に準じた方法で合成することができる。
得られた実施例101〜105のアリーリデンピラゾロン色素の酢酸エチル溶液中(濃度1×10-6mol/L、光路長10mm)における吸収スペクトルの極大吸収波長を下記表2に示す。
裏面に熱硬化アクリル樹脂(厚み1μm)により耐熱滑性処理が施された厚み6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を支持体として使用し、フィルムの表面側に実施例101で得られた本発明の色素化合物(例示化合物(Y−1))を含む下記の色素供与層形成用塗料組成物をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布形成し、感熱転写記録用インクシート実施例201を作製した。
例示化合物(Y−1) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 90質量部
次に、上記例示化合物(Y−1)を下記表3に記載の色素化合物にそれぞれ変更したこと以外は実施例201と同様にして、本発明の感熱転写記録用インクシート実施例202〜204および比較用感熱転写記録用インクシート比較例201〜203をそれぞれ作製した。比較例201〜203に用いた比較色素1〜3の構造を下記に示す。
この際、各色素化合物のメチルエチルケトン/トルエン(1/1, w/w)を溶媒としたときの溶解性をA(容易に溶解する)、B(溶解する)、C(溶けにくいが溶解する)の三段階で評価した。結果を表3に示す。
(受像材料の作製)
支持体として合成紙(ユポFPG200、商品名、ユポコーポレーション社製、厚み200μm)を用い、この一方の面に下記組成の白色中間層形成用塗料組成物、受容層形成用塗料組成物の順にバーコーターにより塗布を行った。それぞれの塗布量は、乾燥時に白色中間層1.0g/m2、受容層4.0g/m2となる量とし、乾燥は各層110℃で30秒間行った。
ポリエステル樹脂(バイロン200、商品名、東洋紡積(株)製) 10質量部
蛍光増白剤(Uvitex OB、商品名、チバガイギー社製) 1質量部
酸化チタン 30質量部
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 90質量部
塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂 100質量部
(ソルバインA、商品名、日信化学工業(株)製)
アミノ変性シリコーン 5質量部
(X22−3050C、商品名、信越化学工業(株)製)
エポキシ変性シリコーン 5質量部
(X22−300E、商品名、信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(=1/1) 400質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 5質量部
(Tinuvin900、商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
次に、得られた感熱転写記録済の各熱転写受像材料を7日間、Xeライト(17000ルクス)で照射し、色像の光安定性(光堅牢性)を調べた。ステータスA反射濃度1.0を示す部分の照射後のステータスA反射濃度を測定し、照射前の反射濃度1.0に対する残存率(百分率)でその安定度をA(90%以上100%未満)、B(80%以上90%未満)、C(80%未満)の3段階で評価した。結果を下記表3に示す。
さらに、同様に得られた記録済の各熱転写受像材料を7日間、暗所下で80℃、湿度70%RHの条件で保存した際の、色像の湿熱安定性(湿熱堅牢性)を調べた。ステータスA反射濃度1.0を示す部分の照射後のステータスA反射濃度を測定し、照射前の反射濃度1.0に対する残存率(百分率)でその安定度をA(90%以上100%未満)、B(80%以上90%未満)、C(80%未満)の3段階で評価した。結果を下記表3に示す。
さらに、一般式(1)で表される本発明のアリーリデンピラゾロン色素は、比較用の色素と比較して、意外にも溶解性に優れ、インクシート作製における溶解に関する負荷を大幅に軽減できることがわかった。
また、本発明の感熱転写記録方法によって得られた感熱転写記録画像は光、高温高湿条件下における安定性が向上し、優れた画像保存性示すことがわかった。
実施例101で得られた本発明のアリーリデンピラゾロン色素(例示化合物(Y−1))3質量部、トナー用樹脂〔スチレン−アクリル酸エステル共重合体;ハイマーTB−1000F(商品名、三洋化成(株)製)〕100質量部をボールミルで混合粉砕後、150℃に加熱して熔融混和を行い、冷却後ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに分級して1〜20μmの粒子を選択し、実施例401で得られたカラートナーとした。
<インクジェット用インクの作製>
実施例101で得られた本発明のアリーリデンピラゾロン色素(例示化合物(Y−1))5.63g、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム7.04gを、下記高沸点有機溶媒(S−2)4.22g、下記高沸点有機溶媒(S−11)5.63gおよび酢酸エチル50ml中に70℃にて溶解させた。この溶液中に500mlの脱イオン水をマグネチックスターラーで撹拌しながら添加し、水中油滴型の粗粒分散物を作製した。
次に、この粗粒分散物を、マイクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX Inc社製)にて60MPaの圧力で5回通過させることで微粒子化を行い、さらにでき上がった乳化物をロータリーエバポレーターにて酢酸エチルの臭気が無くなるまで脱溶媒を行った。
こうして得られた疎水性染料の微細乳化物に、ジエチレングリコール140g、グリセリン50g、SURFYNOL465(商品名、AirProducts&Chemicals社製)7g、脱イオン水900mlを添加して実施例501のインクジェット用インクを作製した。
(ポジ型レジスト組成物の調製)
m−クレゾール/p−クレゾール/ホルムアルデヒド(反応モル比=5/5/7.5)混合物から得たクレゾールノボラック樹脂(ポリスチレン換算質量平均分子量4300)3.4質量部、下式のフェノール化合物を用いて製造したo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル(平均2個の水酸基がエステル化されている)1.8質量部、ヘキサメトキシメチロール化メラミン0.8質量部、乳酸エチル20質量部、および例示化合物(Y−6)を1質量部混合してポジ型レジスト組成物を得た。なお、例示化合物(Y−6)の合成は、実施例101の例示化合物(Y−1)の合成に準じた方法で合成した。
得られたポジ型レジスト組成物をシリコンウエハにスピンコートした後、溶剤を蒸発させた。次いで、マスクを通してシリコンウエハを露光し、キノンジアジド化合物を分解させた。その後100℃で加熱し、次いでアルカリ現像により露光部を除去して0.8μmの解像度を有するポジ型着色パターンを得た。これを全面露光後、150℃、15分加熱して実施例601のイエローの補色系カラーフィルターを得た。露光は、i線露光ステッパーHITACHI LD−5010−i(商品名、日立製作所(株)製、NA=0.40)により行った。また、現像液は、SOPDまたはSOPD−B(いずれも商品名、住友化学工業(株)製)を用いた。
Claims (7)
- 請求項1に記載のアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とする着色組成物。
- 請求項1に記載のアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とする感熱転写記録用インクシート。
- 支持体上にポリマーを含有するインク受容層を有する受像材料の上に、請求項3に記載の感熱転写記録用インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
- 請求項1に記載のアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とするカラートナー。
- 請求項1に記載のアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
- 請求項1に記載のアリーリデンピラゾロン色素を含有することを特徴とするカラーフィルター。
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