JP2009056711A - 感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感熱転写用インクシートの色素供与層に少なくとも2種類の構造の異なるアゾ色素の混合物を用いる。
【選択図】なし
Description
該感熱転写記録においても多くのマゼンタ色素が提案されており、アゾ色素、さらには、ヘテロアリールアゾへテロアリール化合物のように、アゾ基の両窒素原子の各々にヘテロ芳香環が置換した色素も提案されている(特許文献1参照)。これらの提案されているアゾ色素の中には、モル吸光係数が高く、吸収カーブがシャープであり、複吸収が少ないという優れた分光特性を有しているものも存在するが、画像の保存性、画像形成で求められる色再現性の両立が困難であり、これらの求められる特性を満たす感熱転写用インクシートの開発が強く求められていた。
特に、昇華性色素を使用する感熱転写記録において、マゼンタ色の彩度が高いにもかかわらず、発色濃度、色相及び諸堅牢性、特に高温高湿条件下での画像保存性に優れたフルカラー画像を与える感熱転写用インクシートおよび感熱転写記録方法を提供することである。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
一般式(1)及び一般式(3)においてR1は、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基を表す。炭素数1〜4のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基を挙げることができ、メチル基が好ましい。
炭素数1〜10のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、2−エチルヘキシル基などを挙げることができ、エチル基、n−プロピル基またはn−ブチル基が好ましく、エチル基またはn−プロピル基がより好ましい。アルキル基の炭素数は2〜4が好ましく、2〜3がより好ましい。
炭素数5〜7のシクロアルキル基として、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基を挙げることができ、シクロヘキシル基が好ましい。
そのような置換基として、例えば、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルボモイルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、脂肪族チオ基、スルファモイル基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ基、イミド基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基を挙げることができる。これらの置換基のうち好ましいのは脂肪族オキシ基、アシルオキシ基またはヒドロキシ基であり、より好ましいのは脂肪族オキシ基である。
脂肪族基は、直鎖、分枝または環状の脂肪族基であり、飽和脂肪族基には、アルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基が含まれ、置換基を有してもよい。これらの炭素数は1〜30が好ましい。例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基および2−エチルヘキシル基を挙げることができる。ここで、シクロアルキル基としては置換もしくは無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換もしくは無置換のシクロアルキル基は、炭素数3〜30のシクロアルキル基が好ましい。例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基を挙げることができる。ビシクロアルキル基としては、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基を挙げることができる。例として、ビシクロ[1.2.2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル基を挙げることができる。さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。
ヘテロ環基は、置換もしくは無置換の芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、それらはさらに縮環していてもよい。これらのヘテロ環基としては、好ましくは5または6員のヘテロ環基であり、また環構成のヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましい。さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。ヘテロ環基におけるヘテロ環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、シンノリン環、フタラジン環、キノキサリン環、ピロール環、インドール環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、ベンズオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イソチアゾール環、ベンズイソチアゾール環、チアジアゾール環、イソオキサゾール環、ベンズイソオキサゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、イミダゾリジン環、チアゾリン環が挙げられる。
アリールオキシ基は、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基が好ましい。アリールオキシ基の例として、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基などを挙げることができる。好ましくは、置換基を有してもよいフェニルオキシ基である。
カルバモイルオキシ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基が好ましい。カルバモイルオキシ基の例には、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基などを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルオキシ基は、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基などを挙げることができる。好ましくは置換基を有してもよいフェノキシカルボニルオキシ基である。
アシルアミノ基は、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。アシルアミノ基の例には、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基などを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルアミノ基は、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基などを挙げることができる。置換基を有してもよいフェニルオキシカルボニルアミノ基が好ましい。
脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルホニルアミノ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の脂肪族スルホニルアミノ基(代表としてアルキルスルホニルアミノ基)、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基(好ましくは置換基を有してもよいフェニルスルホニルアミノ基)が好ましい。例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基などを挙げることができる。
スルファモイル基は、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基が好ましい。スルファモイル基の例には、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)基などを挙げることができる。
脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルホニル基は、炭素数1〜30の置換または無置換の脂肪族スルホニル基(代表としてアルキルスルホニル基)、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基(好ましくは置換基を有してもよいフェニルスルホニル基)が好ましい。例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基などを挙げることができる。
脂肪族オキシカルボニル基(代表としてアルコキシカルボニル基)は、炭素数2〜30が好ましく、置換基を有してもよい。例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基などを挙げることができる。
カルバモイル基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基が好ましい。カルバモイル基の例には、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基などを挙げることができる。
イミド基として、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基などを挙げることができる。
これらの各基はさらに置換基を有してもよく、このような置換基としては、上述の置換基が挙げられる。
本発明の感熱転写記録用インクシートは、前記一般式(1)で表されるアゾ色素と前記一般式(2)または(3)で表されるアゾ色素を含有することを特徴とする。感熱転写記録用インクシートは、一般に支持体上に色素供与層が形成された構造を有しており、その色素供与層中に色素を含有させる。本発明の感熱転写記録用インクシートは、色素をバインダーとともに溶剤中に溶解するか、あるいは溶媒中に微粒子状に分散させることによってインク液を調製し、該インク液を支持体上に塗設し、適宜乾燥して色素供与層を形成することにより製造することができる。
本発明の感熱転写記録用インクシートは、本発明の効果を過度に阻害しない範囲内であれば、色素供与層以外の層を有するものであってもよい。例えば、支持体と色素供与層との間に中間層を有するものであってもよいし、色素供与層とは反対側の支持体面(以下において「裏面」ともいう)にバック層を有するものであってもよい。中間層としては、例えば下塗り層や、色素の支持体方向への拡散を防止するための拡散防止層(親水性バリアー層)を挙げることができる。また、バック層としては、例えば耐熱スリップ層を挙げることができ、サーマルヘッドのインクシートへの粘着防止を図ることができる。
シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含有するシアンインクシートとしては、例えば、特開平3−103477号公報や特開平3−150194号公報などに記載されるものを好ましく用いることができる。イエロー画像を形成することができる熱拡散性イエロー色素を含有するイエローインクシートとしては、例えば、特開平1−225592号公報などに記載されるものを好ましく用いることができる。
本発明の感熱転写記録用インクシートを用いて感熱転写記録を行う際には、サーマルヘッド等の加熱手段と受像材料を組み合わせて用いる。すなわち、画像記録信号に従ってサーマルヘッドから熱エネルギーがインクシートに加えられ、該熱エネルギーが加えられた部分の色素が受像材料に移行し固定されることによって画像記録がなされる。受像材料は、通常は支持体上にポリマーを含有するインク受容層を設けた構成を有している。受像材料の構成や使用材料については、例えば特開平7−137466号公報の段落番号0056〜0074に記載されたものを好ましく用いることができる。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
裏面に熱硬化アクリル樹脂(厚み1μm)により耐熱滑性処理が施された厚み6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を支持体として使用し、フィルムの表面側に下記の色素供与層形成用塗料組成物をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布形成し、インクシート1を作製した。
例示化合物(1−1) 2.5質量部
例示化合物(2−1) 2.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 5.0質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 190質量部
上記のようにして得られたインクシート1と富士フイルム製ASK2000用受像シートとを、インクシートの色素供与層と受像シートの受像層とが接するようにして重ね合わせ、色素供与材料の裏面側からサーマルヘッドを使用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドット、パルス巾0.15〜15ミリ秒、ドット密度6ドット/mmの条件で印字を行い、受像シートの受像層にマゼンタ色の色素を像状に染着させたところ、転写むらのない鮮明な画像が記録された。インクシート1をインクシート2〜13にそれぞれ変更したこと以外は同様にして画像記録を行った。
得られた各画像のマゼンタ画像の色相を目視にて、マンセル表色系における色相がほぼ5RPであるものをA(良好)、10P〜10RPの範囲であるものをB(許容できる)、10P〜10RPの範囲外であるものをC(許容できない)の3段階で評価した。結果を下記表4に示す。
得られた各画像のベタ濃度(100%網点濃度)におけるステータスA反射濃度を測定し、反射濃度が2.0以上をA、1.8以上をB、1.6以上1.8未満をCの3段階で転写濃度を評価した。結果を下記表4に示す。
次に、得られた記録済の各熱転写受像材料を7日間、温度80℃湿度70%の高温高湿条件下で、画像の保存性(線像のにじみ)を調べた。目視にて線像のにじみを評価しそのにじみをA(殆どにじまない)、B(ややにじむ)、C(明らかに滲む)の3段階で評価した。結果を下記表4に示す。
Claims (2)
- 基材シート及び該基材シートの一方の面に形成されたマゼンタ色素を含む色素供与層からなり、該マゼンタ色素が、下記一般式(1)で表されるアゾ色素の少なくとも1種と、下記一般式(2)または一般式(3)で表されるアゾ色素の少なくとも1種との混合物であることを特徴とする感熱転写記録用インクシート。
- 支持体上にポリマーを含有するインク受容層を有する受像材料上に請求項1に記載の感熱転写記録用インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
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JP2007226264A JP2009056711A (ja) | 2007-08-31 | 2007-08-31 | 感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法 |
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2007
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