JP2010064363A - 感熱転写記録用インクシートおよびそれを用いた感熱転写記録方法 - Google Patents

感熱転写記録用インクシートおよびそれを用いた感熱転写記録方法 Download PDF

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賀彦 藤江
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隆 星宮
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Abstract

【課題】印画サンプルにおける優れた色再現性、画像保存性、転写濃度を実現することができ、経時保存性が高い感熱転写記録用インクシートを提供する。
【解決手段】感熱転写記録用インクシートの色素担持層に、一般式(1)の色素と一般式(2)の色素等とを含有させる。
Figure 2010064363

【選択図】なし

Description

本発明は感熱転写記録用インクシートおよびそれを用いた感熱転写記録方法に関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレイではLCDやPDPにおいて、カラー画像を記録、再現するためにカラーフィルターが使用されている。
カラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の着色剤(色素や顔料)が使用されている。しかしながら、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件に耐えうる堅牢な着色剤がないのが実情であり、改善が強く望まれている。
感熱転写記録には、支持体(ベースフィルム)上に熱溶融性インク層を形成させた感熱転写材料をサーマルヘッドにより加熱し該インクを溶融して受像材料上に記録する方式と、支持体上に熱移行性色素を含有する色素担持層を形成させた感熱転写材料をサーマルヘッドにより加熱して色素を受像材料上に熱拡散転写させる方式とがある。後者の感熱転写方式は、サーマルヘッドに加えるエネルギーを変えることにより色素の転写量を変化させることができるために階調記録が容易であり、高画質のフルカラー記録には特に有利である。しかしこの方式に用いる熱移行性色素には種々の制約があり、必要とされる性能を全て満たすものは極めて少ない。
必要とされる性能としては、例えば、色再現上好ましい分光特性を有すること、熱記録ヘッドによって昇華および/または転写すること、分子吸光係数が大きいこと、光や熱に堅牢であること、種々の化学薬品に堅牢であること、合成が容易であること、感熱転写用記録材料を作りやすいこと、安全であることなどがある。
アリーリデンピラゾロン系色素を、昇華方式の感熱転写記録用色素として用いることが知られている(例えば特許文献1〜7)。また、アリーリデンピラゾロン系色素と特定のピリドンアゾ系イエロー色素との併用系(特許文献3)、アリーリデンピラゾロン系色素と特定のジシアノスチリル系イエロー色素との併用系(特許文献4および6)、アリーリデンピラゾロン系色素と特定のアミノピラゾールアゾ系イエロー色素との併用系(特許文献5)、アリーリデンピラゾロン系色素と特定のキノフタロン系イエロー色素との併用系(特許文献5)、およびアリーリデンピラゾロン系色素と特定のビスピラゾロンメチン系イエロー色素との併用系(特許文献7)も知られている。
一方、アミノピラゾリルアゾピラゾール系色素を、昇華方式の感熱転写記録用色素として用いることが特許文献8および9に記載されている。また、アリーリデンイソオキサゾロン系色素を、昇華方式の感熱転写記録用色素として用いることが特許文献10に記載されている。しかしながら、これらの色素をアリーリデンピラゾロン系色素と組み合わせて用いることについては記載されていない。さらに、チアゾール−5−イリデンオキサゾロン系色素を銀塩写真材料における増感色素として用いることが特許文献11に記載されているが、画像に使用する色素としての用途は記載されていない。
特開平2−3450号公報 特開平10−329428号公報 特開平4−275184号公報 特開平4−265792号公報 特開2003−221535号公報 特開2003−335072号公報 特開2004−230878号公報 特開2007−229982号公報 特開2007−230066号公報 欧州特許628427A1号明細書 特開平7−311440号公報
上記特許文献に具体的に記載されている色素や色素混合物では、後述する比較例において例示するように、記録濃度が高く、記録物の色調が鮮明で、記録物の耐光性が高く、インクシートの経時安定性の全てにおいて高いレベルで満足することは困難であり、それらを満足する感熱転写記録用インクシートの開発が強く望まれていた。
本発明の目的は、感熱転写記録用色素に要求される上記性能の全ての特性において総合的に優れた性能を有し、印画サンプルにおける優れた色再現性、画像保存性および転写濃度とともに、特にインクシートの経時保存性を満足する感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法を提供することにある。
本発明者らは、前述の先行技術で提案されているイエロー色素の個々の特性を詳細に研究する過程において、一般式(1)で表される特定の構造を有するアリーリデンピラゾロン系色素に至り、該色素を種々の他の色素と組み合わせることことで、本発明の目的を達成できることを見出した。
すなわち、以下の構成を有する本発明によって課題を解決することができた。
〔1〕基材シートおよび該基材シートの一方の面に形成された色素担持層からなり、該色素担持層に下記一般式(1)で表される色素と下記一般式(2)〜(4)で表される少なくとも1種の色素を含有することを特徴とする感熱転写記録用インクシート。
Figure 2010064363
(一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は各々独立に水素原子または1価の置換基を表す。R17とR18は互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成してもよい。)
Figure 2010064363
(一般式(2)中、R21、R22、R23およびR24は各々独立に水素原子または1価の置換基を表し、R24は置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
Figure 2010064363
(一般式(3)中、R31、R32およびR34はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基を表し、R31とR32は互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成してもよい。R33は置換または無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R35は1価の置換基を表し、mは0〜3の整数を表す。mが2または3のとき、複数のR35は同一でも異なってもよい。)
Figure 2010064363
(一般式(4)中、R41、R42およびR44はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基を表し、R41とR42は互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成してもよい。R43は置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基を表す。)
〔2〕支持体上にポリマーを含有するインク受容層を有する受像材料上に前記〔1〕項に記載の感熱転写記録用インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
本発明によって、感熱転写記録用インクシートに要求される前記全ての特性において総合的に優れた性能を有し、感度が高く、記録濃度が高く、記録物の色調が鮮明で、記録物の保存性とともに、インクシートの経時保存安定性が高い感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法を提供することができる。
以下に本発明の感熱転写用インクシート、感熱転写記録方法およびそれに用いる各色素について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
〔一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素〕
最初に、本発明で用いる一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素について、詳細に説明する。
一般式(1)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、各々独立に水素原子または1価の置換基を表し、R17とR18は互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成してもよい。ここで表す1価の置換基に関しては特に制限はないが、代表例として、ハロゲン原子、アルキル基(本明細書では、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む飽和脂肪族基を意味する)、アルケニル基(本明細書では、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む二重結合を有する不飽和脂肪族基を意味する)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基およびヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基を挙げることができ、それぞれの基はさらに置換基を有していてもよい。
以下に、上述の1価の置換基およびさらに置換していてもよい置換基について詳細に説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。中でも塩素原子、臭素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
アルキル基には、シクロアルキル基、およびビシクロアルキル基が含まれる。アルキル基には、直鎖、分岐の置換もしくは無置換のアルキル基が含まれる。直鎖、分岐の置換もしくは無置換のアルキル基は炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、および2−エチルヘキシル基を挙げることができる。シクロアルキル基としては置換もしくは無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換もしくは無置換のシクロアルキル基は、炭素数3〜30のシクロアルキル基が好ましい。例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基を挙げることができる。ビシクロアルキル基としては、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基を挙げることができる。例として、ビシクロ[1.2.2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル基を挙げることができる。さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。なお、以下に説明する置換基の中の「アルキル」(例えばアルキルチオ基の「アルキル」)もこのような概念の「アルキル」を表す。
アルケニル基にはシクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基が含まれる。アルケニル基としては直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。アルケニル基としては、炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基が好ましい。例としてはビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基を挙げることができる。シクロアルケニル基としては、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましい。例としては、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基が挙げられる。ビシクロアルケニル基としては、置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基が含まれる。ビシクロアルケニル基としては炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましい。例として、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−4−イル基を挙げることができる。
アルキニル基は、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、およびプロパルギル基が挙げられる。
アリール基は、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基が挙げられる。
ヘテロ環基は、置換もしくは無置換の芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、それらはさらに縮環していてもよい。これらのヘテロ環基としては、好ましくは5または6員のヘテロ環基であり、また環構成のヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましい。さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。ヘテロ環基を構成する環を、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、シンノリン環、フタラジン環、キノキサリン環、ピロール環、インドール環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、ベンズオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イソチアゾール環、ベンズイソチアゾール環、チアジアゾール環、イソオキサゾール環、ベンズイソオキサゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、イミダゾリジン環、チアゾリン環が挙げられる。
アルコキシ基には、置換もしくは無置換のアルコキシ基が含まれる。置換もしくは無置換のアルコキシ基としては、炭素原子数が1〜30のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−オクチルオキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3−カルボキシプロポキシ基などを挙げることができる。
アリールオキシ基は、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基が好ましい。アリールオキシ基の例として、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基などを挙げることができる。
アシルオキシ基は、ホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましい。アシルオキシ基の例には、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
カルバモイルオキシ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基が好ましい。カルバモイルオキシ基の例には、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基などを挙げることができる。
アルコキシカルボニルオキシ基は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルオキシ基は、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基などを挙げることができる。
アミノ基は、アルキルアミノ基、アリールアミノ基およびヘテロ環アミノ基を含む。アミノ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基が好ましい。アミノ基の例には、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N-メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、カルボキシエチルアミノ基、スルフォエチルアミノ基、3,5−ジカルボキシアニリノ基、4−キノリルアミノ基などを挙げることができる。
アシルアミノ基は、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。アシルアミノ基の例には、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基などを挙げることができる。
アミノカルボニルアミノ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基が好ましい。アミノカルボニルアミノ基の例には、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基などを挙げることができる。なお、この基における「アミノ」の用語は、前述のアミノ基における「アミノ」と同じ意味である。
アルコキシカルボニルアミノ基は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基などを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルアミノ基は、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基などを挙げることができる。
スルファモイルアミノ基は、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基が好ましい。スルファモイルアミノ基の例には、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基などを挙げることができる。
アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基が好ましい。アルキルスルホニルアミノ基およびアリールスルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基などを挙げることができる。
アルキルチオ基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基が好ましい。アルキルチオ基の例には、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基などを挙げることができる。
スルファモイル基は、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基が好ましい。スルファモイル基の例には、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基などを挙げることができる。
アルキルもしくはアリールスルフィニル基は、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基が好ましい。アルキルもしくはアリールスルフィニル基の例には、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基などを挙げることができる。
アルキルもしくはアリールスルホニル基は、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基が好ましい。アルキルもしくはアリールスルホニル基の例には、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基などを挙げることができる。
アシル基は、ホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましい。アシル基の例には、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基などを挙げることができる。
アルコキシカルボニル基は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基が好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基などを挙げることができる。
アリールオキシカルボニル基は、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基が好ましい。アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基などを挙げることができる。
カルバモイル基は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基が好ましい。カルバモイル基の例には、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基などを挙げることができる。
アリールもしくはヘテロ環アゾ基として、例えば、フェニルアゾ基、4−メトキシフェニルアゾ基、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ基、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ基などを挙げることができる。
イミド基として、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基などを挙げることができる。
11は、好ましくは置換または無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基であり、より好ましくは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、最も好ましくは置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基である。
12は、好ましくは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のジアルキルアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のアリール基、置換またはジアルキルカルバモイル基であり、より好ましくは置換または無置換のジアルキルアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基であり、最も好ましくは置換または無置換の炭素数1〜3のアルコキシ基である。
13は、好ましくは水素原子、またはハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、フッ素原子、または塩素原子であり、最も好ましくは水素原子、または塩素原子である。
14、R15およびR16は、各々独立に、好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基であり、最も好ましくは水素原子である。
17およびR18は、各々独立に、好ましくは水素原子、置換または無置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、より好ましくは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、またはアリル基であり、最も好ましくは炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基である。
また、R17とR18は互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成してもよい。R17とR18は互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成する場合、その環状構造は好ましくは5または6員環であり、より好ましくは、モルホリン環、ピロリジン環、ピペリジン環であり、特に好ましくはモルホリン環である。
本発明の一般式(1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基が少なくとも1つが前記好ましい置換基であることが好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい置換基であることがより好ましく、全ての置換基が前記好ましい置換基であることが最も好ましい。
好ましい組み合わせは、R11が置換または無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R12が置換または無置換のジアルキルアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基であり、R13が水素原子またはハロゲン原子であり、R14が水素原子であり、R15が水素原子であり、R16が水素原子であり、R17が置換または無置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリル基であり、R18が置換または無置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、R11が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R12が置換または無置換のアルコキシ基であり、R13が水素原子またはハロゲン原子であり、R14が水素原子であり、R15が水素原子であり、R16が水素原子であり、R17が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基であり、R18が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、R11が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R12が炭素数1〜3の置換または無置換のアルコキシ基であり、R13が水素原子または塩素原子であり、R14が水素原子であり、R15が水素原子であり、R16が水素原子であり、R17が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、R18が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基である組み合わせである
〔一般式(2)で表されるピラゾリルアゾピラゾール色素〕
以下に、一般式(2)で表されるピラゾリルアゾピラゾール色素について詳細に説明する。
一般式(2)で表される色素化合物は、5−(5−アミノピラゾール−4−イルアゾ)ピラゾール−4−カルボニトリル類共通の骨格を有するアゾ色素の中でも、ピラゾール環の1位の置換基が置換カルボニル基(一般式(2)における、−C(=O)−R12)であり、もう一方のピラゾール環の1位の置換基(一般式(2)におけるR24)が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基であることを特徴とするアゾ色素である(本明細書においてアゾ色素はアゾ−ヒドラゾ互変異性平衡におけるアゾ型で記載しているがヒドラゾ型であってもよい)。
一般式(2)において、R21、R22およびR23は各々独立に水素原子または1価の置換基を表す。これらの置換基は特に制限はないが、代表例として、ハロゲン原子、脂肪族基〔飽和脂肪基(アルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、架橋環式飽和炭化水素基もしくはスピロ飽和炭化水素基を含む環状飽和脂肪族基を意味する)、不飽和脂肪族基(二重結合または三重結合を有す、アルケニル基またはアルケニル基のような鎖状不飽和脂肪族基または、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、架橋環式不飽和炭化水素基もしくはスピロ不飽和炭化水素基を含む環状不飽和脂肪族基を意味する)〕、アリール基(好ましくは置換基を有してもよいフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは、環構成原子が酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含む5〜8員環で、脂環、芳香環やヘテロ環で縮環していてもよい)、シアノ基、脂肪族オキシ基(代表としてアルコキシ基)、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基(代表としてアルコキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基〔脂肪族アミノ基(代表としてアルキルアミノ基)、アニリノ基およびヘテロ環アミノ基を含む〕、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基(代表としてアルコキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルホニルアミノ基、脂肪族チオ基(代表としてアルキルチオ基)、アリールチオ基、スルファモイル基、脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルフィニル基、脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、脂肪族オキシカルボニル基(代表としてアルコキシカルボニル基)、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、脂肪族オキシスルホニル基(代表としてアルコキシスルホニル基)、アリールオキシスルホニル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基を挙げることができ、それぞれの基はさらに置換基(例えばここで挙げた置換基)を有していてもよい。
21は、好ましくは置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリールオキシ基、アミノ基、置換または無置換のアルキルアミノ基、置換または無置換のジアルキルアミノ基であり、より好ましくは、無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換または無置換のフェニル基、無置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、無置換のフェノキシ基、置換または無置換の炭素数2〜10のジアルキルアミノ基であり、特に好ましくは無置換の炭素数2〜8のジアルキルアミノ基であり、最も好ましくは無置換の炭素数2〜4のジアルキルアミノ基である。
22は、好ましくは置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基であり、より好ましくは置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換のフェニル基であり、最も好ましくはtert−ブチル基である。
23は、好ましくは置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基、ピリジル基であり、より好ましくは置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換のフェニル基であり、最も好ましくはtert−ブチル基である。
一般式(2)において、R24は置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基を表す。ここでアルキル基とは、直鎖アルキル基、分岐アルキル基および環状アルキル基(例えば、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、架橋環式飽和炭化水素基もしくはスピロ飽和炭化水素基を含む環状飽和脂肪族基)を意味する。R24が分岐アルキル基である場合は、分岐の場所に制限はない。
直鎖アルキル基または分岐アルキル基の例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基および2−エチルヘキシル基を挙げることができる。シクロアルキル基の例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基を挙げることができる。ビシクロアルキル基の例としては、ビシクロ[1.2.2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル基などを挙げることができる。
24が置換基を有する場合は、置換基の場所や種類に特に制限はないが、例えば上述のR11として例示した置換基を有することできる。また、R24が置換基を有する場合は全体としてR24が不飽和炭化水素になるような置換基も好ましく用いることができ、例えばアルキニルアルキル基、アルケニルアルキル基、アリールアルキル基などが好ましい。なお、ここでいうR24の炭素数には置換基の炭素数を含まないが、R24と置換基の炭素数の合計は、10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。
24は、好ましくは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくは無置換の炭素数1〜3のアルキル基であり、最も好ましくはメチル基である。
本発明の一般式(2)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、これらの置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
好ましい組み合わせは、R21が置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基、置換または無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリールオキシ基、アミノ基、置換または無置換のアルキルアミノ基、置換または無置換のジアルキルアミノ基であり、R22が置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環であり、R23が置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基、ピリジル基であり、R24が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましくは、R21が無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換または無置換のフェニル基、無置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、無置換のフェノキシ基、置換または無置換の炭素数2〜10のジアルキルアミノ基であり、R22が置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換のフェニル基であり、R23が置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換のフェニル基であり、R24が無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましくは、R21が無置換の炭素数2〜8のジアルキルアミノ基であり、R22がtert−ブチル基であり、R23がtert−ブチル基であり、R24がメチル基である組み合わせである。
〔一般式(3)で表されるアリーリデンイソオキサゾロン色素〕
本発明の一般式(3)で表されるアリーリデンイソオキサゾロン色素について詳細に説明する。
一般式(3)で表されるアリーリデンイソオキサゾロン色素は、イソオキサゾロン環の3位がアルキル基(置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基)であり、かつアニリン部分のメチン基に対してオルト位の置換基が(一般式(3)におけるR33の置換基)アルコキシ基(置換または無置換のアルコキシ基)であり、さらにアニリン部分の窒素原子が炭素数1〜6のアルキル基2個で置換されている(−N(R31)(R32))ことを特徴とする構造の色素である。
一般式(3)中、R31、R32およびR34はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基を表し、R31とR32は互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成してもよい。R33は置換または無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R35は一価の置換基を表し、mは0〜3の整数を表す。mが2または3のとき、複数のR35は同一でも異なってもよい。
35における一価の置換基としては、特に制限はないが、代表例として、ハロゲン原子、脂肪族基〔飽和脂肪基(アルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、架橋環式飽和炭化水素基もしくはスピロ飽和炭化水素基を含む環状飽和脂肪族基を意味する)、不飽和脂肪族基(二重結合または三重結合を有す、アルケニル基またはアルケニル基のような鎖状不飽和脂肪族基または、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、架橋環式不飽和炭化水素基もしくはスピロ不飽和炭化水素基を含む環状不飽和脂肪族基を意味する)〕、アリール基(好ましくは置換基を有してもよいフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは、環構成原子が酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含む5〜8員環で、脂環、芳香環やヘテロ環で縮環していてもよい)、シアノ基、脂肪族オキシ基(代表としてアルコキシ基)、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基(代表としてアルコキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基〔脂肪族アミノ基(代表としてアルキルアミノ基)、アニリノ基およびヘテロ環アミノ基を含む〕、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基(代表としてアルコキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルホニルアミノ基、脂肪族チオ基(代表としてアルキルチオ基)、アリールチオ基、スルファモイル基、脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルフィニル基、脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、脂肪族オキシカルボニル基(代表としてアルコキシカルボニル基)、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、脂肪族オキシスルホニル基(代表としてアルコキシスルホニル基)、アリールオキシスルホニル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基を挙げることができ、それぞれの基はさらに置換基(例えば前記R5で挙げた置換基)を有していてもよい。
35は、好ましくは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基、ハロゲン原子であり、より好ましくは無置換の炭素数1〜3のアルキル基、塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは塩素原子である。
一般式(3)において、mは0〜3の整数を表す。mは好ましくは0〜2であり、より好ましくは0〜1であり、特に好ましくは0である。
一般式(3)において、R31、R32およびR34は置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基を表す。ここでアルキル基とは、直鎖アルキル基、分岐アルキル基および環状アルキル基(例えば、シクロアルキル基、架橋環式飽和炭化水素基もしくはスピロ飽和炭化水素基を含む環状飽和脂肪族基)を意味する。R31、R32およびR34が分岐アルキル基である場合は、分岐の場所に制限はない。
炭素数1〜6の直鎖アルキル基または分岐アルキル基としては、特に制限はないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基およびイソブチル基(例えば2−エチルヘキシル基)などを挙げることができる。シクロアルキル基の例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基を挙げることができる。
31、R32およびR34が置換基を有する場合は、置換基の場所や種類に特に制限はないが、このような置換基としては、R35で挙げた前記置換基群が挙げられる。また、R31、R32およびR34が置換基を有する場合は全体としてR31、R32およびR34が不飽和炭化水素になるような置換基も好ましく用いることができ、例えばアルキニルアルキル基、アルケニルアルキル基などが好ましい。なお、ここでいうR31、R32およびR34の炭素数には置換基の炭素数を含まないが、R31、R32およびR34とそれぞれの置換基の炭素数の合計は、8以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。
31とR32は互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成してもよい。R31とR32が互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成する場合、その環状構造は好ましくは5または6員環であり、より好ましくは、モルホリン環、ピロリジン環、ピペリジン環であり、特に好ましくはモルホリン環である。
31およびR32は各々独立に、好ましくは置換または無置換の炭素数2〜6のアルキル基であり、より好ましくは置換または無置換の炭素数2〜5のアルキル基であり、特に好ましくは無置換の炭素数2〜4のアルキル基である。
34は、好ましくは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは無置換の炭素数3〜6のアルキル基であり、特に好ましくはtert−ブチル基である。
一般式(3)において、R33は置換または無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。ここでアルコキシ基とは、広く脂肪族オキシ基を意味し、直鎖アルコキシ基、分岐アルコキシ基および環状アルコキシ基(例えば、シクロアルコキシ基、架橋環式アルコキシ基もしくはスピロアルコキシ基を含む環状アルコキシ基)を意味する。R31、R32およびR34が分岐アルコキシ基である場合は、分岐の場所に制限はない。さらに、アルコキシ基は飽和であっても不飽和であってもよく、不飽和アルコキシ基(例えば、アルキノキシ基)の場合は炭素−炭素二重結合の位置に制限はない。
33における置換または無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基としては、特に制限はないが、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソ−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソーペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソ−ヘキシルオキシ基が挙げられる。シクロアルキル基の例としては、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基を挙げることができる。
33はさらに置換基を有してもよく、このような置換基としては、R11で挙げた前記置換基群が挙げられる。ここでいうR33の炭素数には置換基の炭素数を含まないが、R33と置換基の炭素数の合計は、8以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。
33は、好ましくは置換または無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、より好ましくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、さらに好ましくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基であり、特に好ましくは無置換の炭素数1〜5の直鎖飽和アルコキシ基であり、より特に好ましくは無置換の炭素数1〜4の直鎖飽和アルコキシ基であり、最も好ましくは無置換の炭素数1〜3の直鎖飽和アルコキシ基である。
前記一般式(3)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、これらの置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
好ましい組み合わせは、R31が置換または無置換の炭素数2〜6のアルキル基であり、R32が置換または無置換の炭素数2〜6のアルキル基であり、R33が置換または無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、R34が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R35が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基、ハロゲン原子であり、mが0〜1である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、R31が無置換の炭素数2〜6のアルキル基であり、R32が無置換の炭素数2〜6のアルキル基であり、R33が無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、R34が無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、mが0である組み合わせである。
特に好ましい組み合わせは、R31が無置換の炭素数2〜4のアルキル基であり、R32が無置換の炭素数2〜4のアルキル基であり、R33が無置換の直鎖飽和炭素数1〜3のアルコキシ基であり、R34が無置換の炭素数3〜6のアルキル基であり、mが0である組み合わせである。
〔一般式(4)で表されるチアゾール−5−イリデンイソオキサゾロン色素〕
本発明の一般式(4)で表されるチアゾール−5−イリデンイソオキサゾロン色素について詳細に説明する。
一般式(4)において、R41、R42およびR44はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基を表し、R41とR42は互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成してもよい。ここでアルキル基とは、広く脂肪族基を意味し、直鎖アルキル基、分岐アルキル基および環状アルキル基(例えば、シクロアルキル基、架橋環式アルキル基もしくはスピロアルキル基を含む環状アルキル基)を意味する。R41、R42およびR44が分岐アルキル基である場合は、分岐の場所に制限はない。さらに、アルキル基は飽和であっても不飽和であってもよく、不飽和アルキル基(例えば、アルケニル基)の場合は炭素−炭素二重結合の位置に制限はない。R41、R42およびR44における置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基としては、特に制限はないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基が挙げられる。シクロアルキル基の例としては、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基を挙げることができる。R41とR42が互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成する場合、その環状構造は好ましくは5または6員環であり、より好ましくは、モルホリン環、ピロリジン環、ピペリジン環であり、特に好ましくはモルホリン環である。
一般式(4)において、R43は置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基を表す。ここでいうアルキル基はR41、R42およびR44で詳述したアルキル基と同義である。
41、R42、R43およびR44の各基が置換基を有している場合の置換基は、前述のR11で挙げた置換基を挙げることができる。
41およびR42として各々独立に、好ましくは置換または無置換の炭素数2〜6のアルキル基であり、より好ましくは無置換の炭素数2〜5のアルキル基であり、最も好ましくは無置換の炭素数2〜4の直鎖アルキル基である。
43として、好ましくは置換または無置換の炭素数3〜6のアルキル基、無置換のフェニル基であり、より好ましくは無置換の炭素数3〜6の分岐アルキル基であり、最も好ましくはt−ブチル基である。
44として、好ましくは置換または無置換の炭素数3〜6のアルキル基であり、より好ましくは無置換の炭素数3〜6の分岐アルキル基であり、最も好ましくはt−ブチル基である。
本発明の一般式(4)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基が少なくとも1つが前記好ましい置換基であることが好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい置換基であることがより好ましく、全ての置換基が前記好ましい置換基であることが最も好ましい。
好ましい組み合わせは、R41が置換または無置換の炭素数2〜6のアルキル基であり、R42が置換または無置換の炭素数2〜6のアルキル基であり、R43が置換または無置換の炭素数3〜6のアルキル基、無置換のフェニル基であり、R44が置換または無置換の炭素数3〜6のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、R41が無置換の炭素数2〜5のアルキル基であり、R42が無置換の炭素数2〜5のアルキル基であり、R43がより好ましくは無置換の炭素数3〜6の分岐アルキル基であり、R44が無置換の炭素数3〜6の分岐アルキル基である組み合わせである。
特に好ましい組み合わせは、R41が無置換の炭素数2〜4の直鎖アルキル基であり、R42が無置換の炭素数2〜4の直鎖アルキル基であり、R43がt-ブチル基であり、R44がt−ブチル基である組み合わせである。
本発明において、一般式(1)で表される色素と、一般式(2)〜(4)から選択される2色素を組み合わせて用いる限りにおいて、本発明の効果を得ることはできるが、これらの組み合わせによる本発明の効果を十分に発現するためには、当該骨格部分その他の部分構造を含めて、いずれの色素も、分子量として、通常600以下、特に500以下、とりわけ250〜450の範囲であることが好ましい。
組み合わせとして好ましくは、一般式(1)と一般式(2)〜(4)のいずれかである組み合わせであり、より好ましくは、一般式(1)と一般式(2)または(3)のいずれかである組み合わせであり、最も好ましくは、一般式(1)と一般式(3)である組み合わせである。
以下に、本発明に好ましく用いることができる一般式(1)〜(4)で表される色素の具体的化合物例を示すが、本発明に用いられる一般式(1)〜(4)で表される色素は以下の具体例によって限定的に解釈されるものではない。
Figure 2010064363
Figure 2010064363
Figure 2010064363
Figure 2010064363
一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素は、例えば特開平2−3450号公報記載の方法に準じて合成することができる。
一般式(2)で表されるピラゾリルアゾピラゾール色素は、下記一般式(2−A)で表される化合物をジアゾ化し、下記一般式(2−B)で表される化合物とジアゾカップリングし、下記一般式(2−C)で表させる化合物を得た後に、塩基性条件下で下記一般式(2−D)で表される化合物と反応させることにより得ることができる。具体的な製造方法は実施例で例示する。
Figure 2010064363
(一般式(2−A)において、R22は一般式(2)におけるR22と同じである)
Figure 2010064363
(一般式(2−B)において、R23およびR24はそれぞれ一般式(2)におけるR23およびR24と同じである。)
Figure 2010064363
(一般式(2−C)において、R22、R23およびR24はそれぞれ一般式(2)におけるR22、R23およびR24と同じである。)
Figure 2010064363
(一般式(2−D)において、R21は一般式(2)におけるR21と同じである。Xはハロゲン原子(例えば塩素原子)を表す。)
上記一般式(2−A)で表される化合物は、特開平4−265797号公報の段落番号0034〜0036に記載の方法に準じて合成することができる。
上記一般式(2−B)で表される化合物は、市販品として入手可能である(例えば東京化成株式会社製カタログ番号A1311、およびAlfa Aesar製カタログ番号B20095など)
上記一般式(2−C)で表される化合物は、特開2007−229982号公報の段落番号0101〜0103に記載の方法に準じて合成することができる。
上記一般式(2−D)で表される化合物は、市販品として入手可能である(例えば東京化成株式会社製カタログ番号A0082、C0180およびD0695など)。
一般式(3)で表されるアリーリデンイソオキサゾロン色素は、例えば、欧州特許628427A1号明細書5頁15〜33行目、欧州特許412379A1号明細書10頁19〜26行目に記載に準じる方法で合成できる。
一般式(4)で表されるチアゾール−5−イリデンイソオキサゾロン色素は、一般式(4−A)で表される化合物と一般式(4−B)で表される化合物を、アルコール溶媒中で酢酸アンモニウムを触媒とし脱水縮合反応させることにより合成することができる。
Figure 2010064363
(一般式(4−A)においてR41、R42およびR43は各々一般式(4)におけるR41、R42およびR43と同じである。)
Figure 2010064363
(一般式(4−B)においてR44は、一般式(4)におけるR44と同じである。)
上記一般式(4−A)で表される化合物は、特開平7−311440号公報の段落番号0030に記載の方法に準じて合成することができる。
上記一般式(4−B)で表される化合物は、Heterocycles,第6巻(第32号),1153頁(1991年)に記載の方法に準じて合成することができる。
〔感熱転写記録用インクシート〕
本発明感熱転写記録用インクシートの色素は3原色のうち、イエロー色として使用されることが好ましい。最大吸収波長の好ましい範囲としては好ましくは400〜480nmであり、より好ましくは420〜470nmである。
本発明の感熱転写記録用インクシートは、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素と、一般式(2)〜(4)で表される少なくとも1種類の色素を含有する。感熱転写記録用インクシートは、一般に支持体上に色素担持層が形成された構造を有しており、その色素担持層中に一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素と、一般式(2)〜(4)で表される少なくとも1種類の色素を含有させる。本発明の感熱転写記録用インクシートは、一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素と、一般式(2)〜(4)で表される少なくとも1種類、バインダーとともに溶剤中に溶解するか、あるいは溶媒中に微粒子状に分散させることによってインク液を調製し、該インク液を支持体上に塗設し、適宜乾燥して色素担持層を形成することにより製造することができる。
本発明の感熱転写記録用インクシートの色素担持層に用いることができるバインダー樹脂は、耐熱性が高くて、加熱されたときに色素化合物が受像材料へ移行するのを妨げないものであれば特にその種類は制限されない。例えば、特開平7−137466号公報の段落番号0049に記載されるものを好ましい例として挙げることができる。また、色素担持層形成用の溶剤についても、従来公知の溶剤を適宜選択して用いることができ、特開平7−137466号公報の実施例に記載されるものを好ましく用いることができる。
色素担持層中における一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素と一般式(2)〜(4)で表される色素から選択された1種類の色素と混合する場合、選択された各々の特定の色素によって異なるが、一般的には質量比で10〜90:90〜10の比率で使用することが好ましい。片方の色素の割合が大きすぎると十分に溶解性が向上しない、インクシートの経時保存性が劣るなどの傾向が現れることがある。
また3種類以上混合する場合、選択された各々の特定の色素によって異なるが、選択した特定の色素の割合が大きすぎると十分に溶解性が向上しない、インクシートの経時保存性が劣るなどの傾向が現れることがある。一般的には該インクシートの作成に使用する色素の合計を100質量部とした場合に、特定の1種の色素が90質量部を超えないことが好ましい。
本発明の効果を妨げない範囲で、さらにその他のイエロー色素と混合して用いることもできるが、通常、その他のイエロー色素の含有量としては、本発明の色素混合物の合計量を100質量部とした場合、30質量部以下、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。その他のイエロー色素としては、C.I.Solvent Yellow 93、C.I.Disperse Yellow 201などが挙げられる。
色素担持層中における色素混合物の含有量は、0.03〜1.0g/m2が好ましく、0.1〜0.6g/m2がより好ましい。また、色素担持層の厚みは、0.2〜5μmが好ましく、0.4〜2μmがより好ましい。
本発明の感熱転写記録用インクシートは、本発明の効果を過度に阻害しない範囲内であれば、色素担持層以外の層を有するものであってもよい。例えば、支持体と色素担持層との間に中間層を有するものであってもよいし、色素担持層とは反対側の支持体面(以下において「裏面」ともいう)にバック層を有するものであってもよい。中間層としては、例えば下塗り層や、色素の支持体方向への拡散を防止するための拡散防止層(親水性バリアー層)を挙げることができる。また、バック層としては、例えば耐熱スリップ層を挙げることができ、サーマルヘッドのインクシートへの粘着防止を図ることができる。
本発明をフルカラー画像記録が可能な感熱転写記録材料に適用するには、シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含有するシアンインクシート、マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ色素を含有するマゼンタインクシート、イエロー画像を形成することができる熱拡散性イエロー色素を含有するイエローインクシートを支持体上に順次塗設して形成することが好ましい。また、必要に応じて他に黒色画像形成物質を含むインクシートがさらに形成されていてもよい。
シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含有するシアンインクシートとしては、例えば、特開平3−103477号公報や特開平3−150194号公報などに記載されるものを好ましく用いることができる。マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ色素を含有するマゼンタインクシートとしては、例えば、特開平1−225592号公報などに記載されるものを好ましく用いることができる。
〔感熱転写記録〕
本発明の感熱転写記録用インクシートを用いて感熱転写記録を行う際には、サーマルヘッド等の加熱手段と受像材料を組み合わせて用いる。すなわち、画像記録信号に従ってサーマルヘッドから熱エネルギーがインクシートに加えられ、該熱エネルギーが加えられた部分の色素が受像材料に移行し固定されることによって画像記録がなされる。受像材料は、通常は支持体上にポリマーを含有するインク受容層を設けた構成を有している。受像材料の構成や使用材料については、例えば特開平7−137466号公報の段落番号0056〜0074に記載されたものを好ましく用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<感熱転写記録用インクシートの作製>
裏面に熱硬化アクリル樹脂(厚み1μm)により耐熱滑性処理が施された厚み6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を支持体として使用し、フィルムの表面側に下記の色素担持層形成用塗料組成物をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布形成し、インクシート1およびインクシートCを作製した。
〔インクシート1の配合〕
例示化合物(1−1) 3.5質量部
例示化合物(2−1) 1.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 5.0質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業製)
メチルメチルケトン/トルエン(1/2) 190質量部
〔インクシートCの配合〕
シアン色素(C1) 8.0質量部
フェノキシ樹脂 5.0質量部
(PKHJ、商品名、ユニオンカーバイド社製)
テトラヒドロフラン 190質量部
Figure 2010064363
次に、前記例示化合物(1−1)および例示化合物(2−1)を下記表5に記載の色素にそれぞれ変更し、それらの使用量を下記表5に記載される量に変更したこと以外はインクシート1の作製と同様にして、本発明のインクシート2〜10および比較用インクシート11〜25をそれぞれ作製した。
Figure 2010064363
<画像記録および評価>
上記のようにして得られたインクシート1と富士フイルム製ASK2000用受像シートとを、インクシートの色素担持層と受像シートの受容層とが接するようにして重ね合わせ、インクシートの裏面側からサーマルヘッドを使用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドット、パルス巾0.15〜15ミリ秒、ドット密度6ドット/mmの条件で印字を行い、受像シートの受容層にイエロー色の色素を像状に染着させたところ、転写むらのない鮮明な画像が記録された。インクシート1をインクシート2〜12にそれぞれ変更したこと以外は同様にして画像記録を行った。
得られた各画像のベタ濃度(100%網点濃度)におけるステータスA反射濃度を測定し、反射濃度が2.4以上を◎、2.2以上2.4未満を○、2.0以上2.2未満を△、2.0未満を×の4段階で転写濃度を評価した。結果を下記表5に示す。
上記インクシート1、インクシートCをこの順序で、上記と同様の記録条件で同じ受像シート上に重ねて記録したところ、転写村のないグリーン色調の鮮明な画像を得た。インクシート1をインクシート2〜25にそれぞれ変更した以外は同様にして画像記録を行った。
次に、得られた記録済の各受像シート(イエローおよびグリーン)を5日間、Xeライト(17000ルクス)で照射し、色像の耐光性(光堅牢性)を調べた。イエロー部に関してはステータスA反射濃度1.0を示す部分の照射後のステータスA反射濃度を測定し、照射前の反射濃度1.0に対する残存率(百分率)でその安定度を◎(90%以上100%未満)、○(80%以上90%未満)、△(70%以上80%未満)、×(70%未満)の4段階で評価した。グリーン部分に関しては、ステータスA反射濃度1.0の部分の色差変化(CIELabにおける色変化ΔEab)を測定し、10未満を◎(非常によい)、10以上20未満を〇(よい)、20以上30未満を△(許容できる)、30以上を×(許容できない)の4段階で評価した。結果を下記表5に示す。
インクシート保存性については、上記のようにして得られたインクシートをロール状に巻きとり、温度60度、相対湿度70%の条件下で24時間経時し、この強制経時の前後でそれぞれプリントを行い、その反射濃度の変化を目視にて観察し、ほとんど変化しないものを◎(非常によい)、やや変化するものを〇(許容できる)、大きく変化するものを△(許容できない)として3段階で評価した。結果を下記表5に示す。
溶解性については、各色素または色素混合物のメチルエチルケトン/トルエン(2/1)に対する溶解度を目視にて観察し、15質量%以上溶解するものを◎、10質量部以上溶解するものを〇、5質量部以上溶解するものを△、5質量部未満しか溶解しないものを×として4段階で評価した。結果を下記表5に示す。
Figure 2010064363
比較例21は、特開平4−265792号公報記載の色素の組み合わせに相当し、比較例22は特開平4−275184号公報記載の色素の組み合わせに相当し、比較例23および比較例24は特開2003−221535号公報記載の色素の組み合わせに相当し、比較例25は特開2004−23878号公報記載の色素の組み合わせに相当する。
上記表5の結果から明らかなように、溶解性、転写濃度、インクシートの経時保存性、光堅牢性の全てがバランスよく優れた記録物が得られることが明らかである。
また、一般式(1)(例えば例示化合物1-1)と、一般式(2)(例えば例示化合物2−16)または(3)(例えば例示化合物3−1)の色素を併用することで、アリーリデンピラゾロン1種のみで使用した場合や他のイエロー色素を併用した場合と比較して、シアンとの混色によるグリーンの画像の耐光性に優れることを見出した。
〔実施例2〕
受像紙として、特開昭62−169694号公報の実施例に記載のポリカーボネートC(可塑剤あり)の水準と同様の方法で作成した受像紙を用いて、他の条件は実施例1と全く同様にして実験を行った。その結果、受像紙を変えても、実施例1と同様の効果が観察された。
〔実施例3〕
受像紙として、特公平5−15198号公報の実施例に記載の方法で作成した受像紙(飽和ポリエステルを用いた水分散物により作成した受像シート)を用いて、他の条件は実施例1および2と全く同様にして実験を行った。その結果、受像紙を変えても、実施例1および2と同様の効果が観察された。
本発明によって、感度が高く、記録濃度が高く、記録物の色調が鮮明で、記録物の保存性とともに、インクシートの経時保存安定性が高い感熱転写記録用インクシートおよび感熱転写記録方法を提供することができる。特に、先行技術で提案されているアリーリデンピラゾロン色素と他のイエロー色素を組み合わせたものと比較して本発明の一般式(1)で表されるアリーリデンピラゾロン色素と一般式(2)〜(4)のイエロー色素を組み合わせたものは、感度、記録濃度、さらに得られた記録物の耐光性が特に著しく向上している。また、インクシート作成におけるインク塗布液の溶解性がよく、作業の負荷を大幅に軽減できるほか、該インク塗布液の経時安定性に優れ、析出などの起こりにくいという利点が得られる。さらに、本発明によって低エネルギーで高い濃度の黄色を呈し、耐光性も良好な感熱転写記録物が得ることができ、シアンとの混色で高い濃度で好ましいグリーンの色調を得ることができ、加えて、得られた記録物の耐光性が特に著しく良好である。したがって、本発明は産業上の利用可能性が高い。

Claims (2)

  1. 基材シートおよび該基材シートの一方の面に形成された色素担持層からなり、該色素担持層に下記一般式(1)で表される色素と下記一般式(2)〜(4)で表される少なくとも1種の色素を含有することを特徴とする感熱転写記録用インクシート。
    Figure 2010064363
    一般式(1)
    (一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は各々独立に水素原子または1価の置換基を表す。R17とR18は互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成してもよい。)
    Figure 2010064363
    一般式(2)
    (一般式(2)中、R21、R22、R23およびR24は各々独立に水素原子または1価の置換基を表し、R24は置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
    Figure 2010064363
    一般式(3)
    (一般式(3)中、R31、R32およびR34はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基を表し、R31とR32は互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成してもよい。R33は置換または無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R35は1価の置換基を表し、mは0〜3の整数を表す。mが2または3のとき、複数のR35は同一でも異なってもよい。)
    Figure 2010064363
    一般式(4)
    (一般式(4)中、R41、R42およびR44はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基を表し、R41とR42は互いに結合して窒素原子とともに環状構造を形成してもよい。R43は置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基を表す。)
  2. 支持体上にポリマーを含有するインク受容層を有する受像材料上に請求項1に記載の感熱転写記録用インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
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