JP2805561B2 - ピロロトリアゾールアゾ色素およびそれを含有する熱転写色素供与材料 - Google Patents

ピロロトリアゾールアゾ色素およびそれを含有する熱転写色素供与材料

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JP2805561B2 JP4161854A JP16185492A JP2805561B2 JP 2805561 B2 JP2805561 B2 JP 2805561B2 JP 4161854 A JP4161854 A JP 4161854A JP 16185492 A JP16185492 A JP 16185492A JP 2805561 B2 JP2805561 B2 JP 2805561B2
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    • C09B29/3608Monoazo dyes prepared by diazotising and coupling from other coupling components from heterocyclic compounds containing only a nitrogen as heteroatom containing a five-membered heterocyclic ring with only one nitrogen as heteroatom

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた吸収特性を有
し、光、熱、空気、湿気、薬品などに対する堅牢性が高
く、熱転写性が高いピロロトリアゾールアゾ色素、およ
びそれを含有する熱転写色素供与材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アゾ色素は、活性水素を持った化合物や
フェノール類、p−ジアルキルアミノベンゼン類などの
いわゆるカプラー成分と、アミノアリール化合物やアミ
ノヘテロ芳香環化合物から調製された、ジアゾニウム
塩、いわゆるジアゾ成分とをアゾカップリングさせて形
成させた色素である。アゾ色素は、カプラー成分とアゾ
成分を様々な構造に選択できるため、その色調が多岐に
わたり、色素の中でも代表的なものである。その中でも
カプラー成分がヘテロ環のものとしては、ヒドロキシピ
ラゾールアゾ、アミノピラゾールアゾ色素、ピリドンア
ゾ色素、ジアミノピリジンアゾ色素、などが知られてい
る。ヒドロキシピリドンアゾ色素は、特開平3−256
794号、同3−126591号、同3−88851
号、同3−61085号、同2−243395号、同2
−580号、特開昭64−87665号、同64−49
681号に記載されている。アミノピラゾールアゾ色素
は、特開平1−225592号に記載されている。ヒド
ロキシピラゾールアゾ色素は、特開平2−84392
号、特開昭63−182191号、同63−18219
0号、同63−122594号、同63−111095
号、同63−111094号、ジアミノピリジンアゾ色
素は、特開平2−48993号、同2−30590号、
アミノチアゾールアゾ色素は、英国特許0441208
号、ピラゾロトリアゾールアゾ色素は、特開平1−27
5187号に記載されている。しかし、本発明のピロロ
トリアゾール類をカプラー成分としたアゾ色素は全く知
られていない。近年、カラー電子写真、インクジェット
方式カラーコピー、熱転写方式カラーコピー、印刷用イ
ンク、などがさかんに研究され、これらの画像形成用色
素にアゾ色素が用いられている。又、一方では、エレク
トロイメージングの発展と相まって、固体撮影管やカラ
ー液晶テレビ用フィルターの需要が増大しており、アゾ
色素がフィルター用色素としても研究されるようになっ
た。一方、アゾ色素は、カラー拡散転写写真法の画像形
成用の色素として古くから使用されている。このタイプ
の画像形成法に用いられるアゾ色素は、分子内に解離性
のプロトン(酸性度の高いプロトン)を有しており、そ
のプロトンが受像紙中の塩基性物質によって引き抜か
れ、色素が解離することが画像形成法の要点となってい
る。このことにより、色素が受像紙中で固定化され(媒
染)画像の堅牢性が向上する。しかし、このタイプに用
いられるアゾ色素はプロトンが容易に解離できる酸性度
を持つ必要があり、かつ、解離時の吸収特性が画像形成
用色素として優れている必要がある。そのため、このタ
イプに用いられる優れたアゾ色素の開発が望まれてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来公知のア
ゾ色素には、まだ解決されるべき問題点が残っていた。
例えば、吸収がまだ十分シャープではなく、画像の色再
現上又、フィルターの性能上問題があった。また、色素
の光、熱、空気、湿気、薬品に対する堅牢性が十分では
なく、画像の保存性、フィルターの耐久性上問題があっ
た。更に、熱転写用として用いるときの転写性が十分で
はなかった。又、合成上困難が多くコストが高かった。
上記の問題を解決するため、本発明者は、ピロロトリア
ゾール類をカプラー成分とするアゾ色素について鋭意研
究を行った。その結果、ピロロトリアゾールアゾ色素が
シャープな吸収を有し、光、熱、大気、湿気、薬品など
に対する堅牢性が高く、熱転写性が高いことを見い出し
た。加えて、ピロロトリアゾールアゾ色素が塩基性条件
下、シャープな吸収を呈する優れた解離型色素であるこ
とを知見し、本発明を完成した。
【0004】本発明の目的は、吸収波形がシャープなピ
ロロトリアゾールアゾ色素を提供することである。本発
明の他の目的は、光、熱、大気、薬品に対する堅牢性の
高いピロロトリアゾールアゾ色素を提供することであ
る。本発明の他の目的は、濃度が高く、色再現が良く、
光、熱、大気、湿気、薬品に対する堅牢性が高い画像を
与える、熱転写色素供与材料を提供することである。本
発明の他の目的は、保存安定性が改良された熱転写色素
供与材料を提供することである。本発明の別の目的は、
拡散転写方式の画像形成などに用いる新規な解離性色素
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表わされるピロ
ロトリアゾールアゾ色素によって達成された。一般式
(I)
【0006】
【化3】
【0007】式(I)、(II)、(III)、(I
V)中、R、R、Rは各々独立に水素原子あるい
は、炭素原子、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子によ
りピロロトリアゾール環に結合する有機基を表わす。A
は、アリール基、又はヘテロ芳香族基を表わす。又、下
記熱転写色素供与材料によって達成された。支持体上
に、熱移行性色素を含む色素供与材料において、該色素
供与層が下記一般式(I)、(II)、(III)およ
び(IV)で表わされるピロロトリアゾールアゾ色素を
少くとも1種含有することを特徴とする熱転写色素供与
材料。
【0008】
【化4】
【0009】式(I)、(II)、(III)、(I
V)中、R、R、Rは各々独立に水素原子、ある
いは炭素原子、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子によ
りピロロトリアゾール環に結合する有機基を表わす。A
は、アリール基、又はヘテロ芳香族基を表わす。更に、
上記色素を塩基性条件下でプロトンを解離させ、解離性
色素として使用することによって達成された。
【0010】R1 、R2 およびR3 は、水素原子、ある
いは炭素原子、窒素原子、酸素原子又は、硫黄原子によ
りピロロトリアゾール環に結合する有機基を表わす。更
に詳しくは、R1 、R2 およびR3 は、水素原子、アリ
ール基、ヘテロ環基、アルキル基、シアノ基、アシル
基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、アシルアミノ基、アルコキシカ
ルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ
基、スルホニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、
スルファモイルアミノ基、アミノ基(アニリノ基を含
む)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ
基、ヘテリルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、ヘテリルチオ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニ
トロ基、スルファモイル基、スルホニル基、アゾ基、ア
シルオキシ基、カルバモイルオキシ基、イミド基、スル
フィニル基、ホスホリル基、などを表わす。
【0011】R1 、R2 およびR3 の好ましい具体例と
しては、水素原子、アリール基(好ましくは炭素数6〜
20、例えばフェニル、m−アセチルアミノフェニル、
p−メトキシフェニル)、アルキル基(好ましくは炭素
数1〜20、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t
−ブチル、n−オクチル、n−ドデシル)、シアノ基、
アシル基(好ましくは炭素数1〜20、例えばアセチ
ル、ピバロイル、ベンゾイル、フロイル、2−ピリジル
カルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜
20、例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイ
ル、ジメチルカルバモイル、n−オクチルカルバモイ
ル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜
20、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、イソプロポキシカルボニル)、アリールオキシカル
ボニル基(好ましくは炭素数7〜20、例えばフェノキ
シカルボニル、p−メトキシフェノキシカルボニル、m
−クロロフェノキシカルボニル、o−メトキシフェノキ
シカルボニル)、アシルアミノ基〔好ましくは炭素数1
〜20のアルキルカルボニルアミノ基(例えば、ホルミ
ルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、シア
ノアセチルアミノ)、好ましくは炭素数7〜20のアリ
ールカルボニルアミノ基(例えば、ベンゾイルアミノ、
p−トルイルアミノ、ペンタフルオロベンゾイルアミ
ノ、m−メトキシベンゾイルアミノ)、好ましくは炭素
数4〜20のヘテリルカルボニルアミノ基(例えば、2
−ピリジルカルボニルアミノ、3−ピリジルカルボニル
アミノ、フロイルアミノ)〕、アルコキシカルボニルア
ミノ基(好ましくは炭素数2〜20、例えばメトキシカ
ルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、メトキシ
エトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニ
ルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、例えばフェノ
キシカルボニルアミノ、p−メトキシフェノキシカルボ
ニルアミノ、p−メチルフェノキシカルボニルアミノ、
m−クロロフェノキシカルボニルアミノ、o−クロロフ
ェノキシカルボニルアミノ)、スルホニルアミノ基(好
ましくは炭素数1〜20、例えばメタンスルホニルアミ
ノ、ベンゼンスルホニルアミノ、トルエンスルホニルア
ミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数
1〜20、例えばメチルアミノカルボニルアミノ、エチ
ルアミノカルボニルアミノ、アニリノカルボニルアミ
ノ、ジメチルアミノカルボニルアミノ)、スルファモイ
ルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、例えばメチル
アミノスルホニルアミノ、エチルアミノスルホニルアミ
ノ、アニリノスルホニルアミノ)、アミノ基(アニリノ
基を含む、好ましくは炭素数0〜20、例えばアミノ、
メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチ
ルアミノ、n−ブチルアミノ、アニリノ)、アルコキシ
基(好ましくは炭素数1〜20、例えばメトキシ、エト
キシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキ
シ、n−ドデシルオキシ)、アリールオキシ基(好まし
くは炭素数6〜20、例えばフェノキシ、m−クロロフ
ェノキシ、p−メトキシフェノキシ、o−メトキシフェ
ノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜2
0、例えばトリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチ
ルシリルオキシ、セシルジメチルシリルオキシ、フェニ
ルジメチルシリルオキシ)、ヘテリルオキシ基(好まし
くは炭素数3〜20、例えばテトラヒドロピラニルオキ
シ、3−ピリジルオキシ、2−(1,3−ベンゾイミダ
ゾリル)オキシ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数
1〜20、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ブチル
チオ、t−ブチルチオ)、アリールチオ基(好ましくは
炭素数6〜20、例えばフェニルチオ)、ヘテリルチオ
基(好ましくは炭素数3〜20、例えば2−ピリジルチ
オ、2−(1,3−ベンゾオキサゾリル)チオ、1−ヘ
キサデシル−1,2,3,4−テトラゾリル−5−チ
オ、1−(3−N−オクタデシルカルバモイル)フェニ
ル−1,2,3,4−テトラゾリル−5−チオ)、ヘテ
ロ環基(好ましくは炭素数3〜20、例えば2−ベンゾ
オキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−
2−ベンズイミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリ
ル、1−ピロリル、2−フラニル、2−ピリジル、3−
ピリジル)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素)、ヒ
ドロキシ基、ニトロ基、スルファモイル基(好ましくは
炭素数0〜20、例えばメチルスルファモイル、ジメチ
ルスルファモイル)、スルホニル基(好ましくは炭素数
1〜20、例えばメタンスルホニル、ベンゼンスルホニ
ル、トルエンスルホニル)、アゾ基(好ましくは炭素数
3〜20、例えばp−ニトロフェニルアゾ)、アシルオ
キシ基(好ましくは炭素数1〜20、例えばホルミルオ
キシ、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、カルバモ
イルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20、例えばメチ
ルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキ
シ)、イミド基(好ましくは炭素数4〜20、例えば、
こはく酸イミド、フタルイミド)、スルフィニル基(好
ましくは炭素数1〜20、例えばジエチルアミノスルフ
ィニル)、ホスホリル基(好ましくは炭素数0〜20、
例えばジアミノホスホリル)、などが挙げられる。
1 、R2 、R3 のハメットの置換基定数σp の和は、
0.15以上であることが好ましい。その中でも、和が
0.30以上のものが更に好ましい。その中でも、R1
が0.15以上であることが好ましく、更には0.30
以上であることが好ましい。そして最も好ましくはR1
は、σp 値が0.60以上の置換基である。σp 値の和
が0.30以上の具体例としては、R1 およびR2 が、
各々独立にシアノ基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ハロゲン
化アルキル基、スルホニル基から選ばれ、R3 が、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ア
ミノカルボニル基、アリール基、アルキル基、アルキル
カルボニル基、アリールカルボニル基から選ばれるもの
が挙げられる。
【0012】これら該σp 値が0.15以上の電子吸引
性基の例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバ
モイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ
基、ジアールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、
アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、オキシスルホニル基、アシル
チオ基、スルファモイル基、イソシアネート基、チオシ
アネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル
基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキ
シ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキ
ルチオ基、置換アリール基、複素環基、ハロゲン原子、
又はセレノシアネート基があげられる。これらの置換基
のうち更に置換基を有することが可能な基は、R3 の置
換基として挙げた炭素原子、酸素原子、窒素原子又はイ
オウ原子で連結する置換基又はハロゲン原子を更に有し
てもよい。さらに詳しくは、アシル基(例えば、アセチ
ル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル、4−ドデ
シルオキシベンゾイル)、アシルオキシ基(例えば、ア
セトキシ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカル
バモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−
ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−メチル−N
−ドデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−ジ−t
−アミルフェノキシ)プロピル}カルバモイル)、アル
コキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブ
チルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オ
クタデシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボ
ニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、シアノ基、
ニトロ基、ジアルキルホスホノ基(例えば、ジメチルホ
スホノ)、ジアリールホスホノ基(例えば、ジフェニル
ホスホノ)、ジアリールホスフェル基(例えば、ジフェ
ニルホスフェニル)、アルキルスルフェニル基(例え
ば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、アリール
スルフィニル基(例えば、3−ぺンタデシルフェニルス
ルフィニル)、アルキルスルホニル基(例えば、メタン
スルホニル、オクタンスルホニル)、アリールスルホニ
ル基(例えば、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニ
ル)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチル
チオ、テトラデシルチオ、2−フェノキシエチルチオ、
3−フェノキシプロピルチオ、3−(4−t−ブチルフ
ェノキシ)プロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、
フェニルチオ、2−ブトキシ5−t−オクチルフェニル
チオ、3−ぺンタデシルフェニルチオ、2−カルボキシ
フェニルチオ、4−テトラデカンアミドフェニルチ
オ)、オキシスルホニル基(メタンスルホニルオキシ、
トルエンスルホニルオキシ)、アシルチオ基(例えば、
アセチルチオ、ベンゾイルチオ)、スルファモイル基
(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロ
ピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチ
ル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルフ
ァモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、イソシ
アネート基、チオシアネート基、チオカルボニル基(例
えば、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニ
ル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメタ
ン、ヘプタフロロプロパン)、ハロゲン化アルコキシ基
(例えばトリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリー
ルオキシ基(例えばぺンタフロロフェニルオキシ)、ハ
ロゲン化アルキルアミノ基(例えば、N,N−ジ−(ト
リフロロメチル)アミン)、ハロゲン化アルキルチオ基
(例えば、ジフロロメチルチオ、1,1,2,2−テト
ラフロロエチルチオ)σp が0.15以上の他の電子吸
引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニ
トロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ぺン
タクロロフェニル)、複素環基(例えば、2−ベンゾオ
キサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2
−ベンズイミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリ
ル、1−ピロリル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原
子、臭素原子)セレノシアネート基を表わす。
【0013】該σp 値が0.30以上の電子吸引性基と
しては、上述のうち、アシル基、アシルオキシ基、カル
バモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフィ
ニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、ハロゲ
ン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化
アリールオキシ基、ハロゲン化アリールチオ基、2つ以
上のσp 値が0.15以上の電子吸引性基で置換された
アリール基、及び複素環基を挙げることができる。
【0014】該σp 値が0.60以上の電子吸引性基と
しては、上述のうち、シアノ基、ニトロ基、アルキルス
ルホニル基を挙げることができる。
【0015】Aは、アゾ色素における、いわゆるアゾ成
分由来の1価の基であり具体的にはアリール基又は芳香
環基を表すが以下に詳しく説明する。Aの好ましいもの
は、アリール基〔炭素数6〜30。置換基によって置換
されていてもよく、その置換基としては、アルキル基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ア
リール基、ハロゲン原子、アリールオキシカルボニル
基、アルキルオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ
基、カルバモイル基、アシル基、アシルアミノ基、アル
コキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニル
アミノ基、アミノカルボニルアミノ基、スルホニル基、
スルファモイル基、スルホニルアミノ基、アミノ基(置
換アミノ基を含む)、ヒドロキシ基、ヘテロ環基が挙げ
られる〕である。又、ヘテロ環基(炭素数2〜30)も
好ましい。好ましいヘテロ環基としては、置換基によっ
て置換されていてもよい以下のヘテロ環基である。2−
イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、
2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、3−ピラ
ゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−チアゾ
リル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−ベンズイ
ミダゾリル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリ
ル、3−インダゾリル、2−ベンゾチアゾリル、3−イ
ソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリ
ル、3−〔1,2,4〕チアジアゾリル、3−ベンソ
〔d〕イソチアゾリル、ピリドイソチアゾリル。
【0016】Aの好ましい具体例としては、炭素数6〜
30のアリール基、例えば、p−メトキシフェニル、m
−メトキシフェニル、o−メトキシフェニル、p−クロ
ロフェニル、m−クロロフェニル、o−クロロフェニ
ル、p−ニトロフェニル、p−シアノフェニル、p−
(N,N−ジエチル)フェニル、2,4−ジクロロフェ
ニル、m−フロロフェニル、p−トリル、p−メシルフ
ェニル、3,4−ジシアノフェニル、4−メトキシカル
ボニルフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル)、
炭素数2〜30のヘテロ環基、例えば、下記の基が挙げ
られる。
【0017】
【化5】
【0018】本発明のピロロトリアゾールアゾ色素は、
1 、R2 、R3 、Aの選択の仕方により、様々な色相
を持つことができる。
【0019】本発明の色素を、塩基性条件でプロトンを
解離させて使用する場合は、本発明の色素の解離性プロ
トンの酸性度が高い(pKaが低い)程好ましい。
【0020】本発明の色素の解離性プロトンの酸性度
は、R1 、R2 、R3 が電子吸引性である程高くなり
(pKaが低くなり)、好ましい。特にハメットの置換
基定数σp の和が0.15以上であるものが好ましい。
Aが、アリール基の場合には、電子吸引性の置換基で置
換されている方がプロトンの酸性度が高くなり(pKa
が低くなり)好ましい。Aがヘテロ環の場合には、ヘテ
ロ環に窒素を含むものの方が含まないものと比較して、
プロトンの酸性度が高くなり(pKaが低くなり)好ま
しい。
【0021】本発明の色素を解離性の色素とするときの
好ましいAの具体例を以下に示す。
【0022】
【化6】
【0023】溶融型熱転写、昇華型熱転写、などに用い
る非解離型の色素として本発明の色素を用いるときは、
色素の酸性度は、高くても低くてもかまわない。ただし
その場合でも、色素の光堅牢性の点から、本発明の色素
は、Aがアリール基の場合は、電子吸引性の置換基で置
換されているものの方が光堅牢性が高く好ましい。電子
吸引性の置換基としては、アゾ基のp−位又はo−位に
置換するときは、ハメットの置換基定数σp 値が0以上
のものが好ましく、更には、σp 値が0.2〜2のもの
がより好ましい。又、アゾ基のm−位に置換するとき
は、σm 値が0以上のものが好ましく、更には、σm
が0.2〜2のものがより好ましい。又、Aがヘテロ環
基の場合は、ヘテロ環に窒素を含むものが好ましい。そ
の中でも、電子吸引性基で置換されたものが更に好まし
い。電子吸引性基は、ハメットの置換基定数σp が0.
15以上のものが好ましく、0.30以上であるものが
更に好ましい。0.60以上の電子吸引性基で置換され
ている含窒素ヘテロ環がヘテロ環基の中では、最も好ま
しい。本発明の色素の最も好ましいものは、R1 および
2 が各々独立にシアノ基、アルコキシカルボニル基
(炭素数1〜30)、アリールオキシカルボニル基(炭
素数1〜30)、アミノカルボニル基(炭素数1〜3
0)、ハロゲン化アルキル基(炭素数1〜30)、アリ
ール基(炭素数1〜30)でありR3 がアリール基(炭
素数1〜30)、アルキル基(炭素数1〜30)であ
り、Aがアリール基(炭素数1〜30)、少くとも1つ
以上の窒素原子を含むヘテロ芳香環基(炭素数3〜3
0)である。
【0024】ここで、本明細書中で用いられるハメット
の置換基定数について若干説明する。ハメット則はベン
ゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定
量的に論ずるために1935年L.P.ハメットにより
提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認
められている。ハメット則により求められた置換基定数
にはσp 値とσm 値があり、これらの値は多くの一般的
な成書に見出すことができるが、例えば、J. A. Dean
編、「Lange のハンドブック オブ ケミストリー」第
12版、1979年(McGraw-Hill)や「化学の領域」増
刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)
に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの
置換基定数σp により限定したり、説明したりするが、
これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換
基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献
未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にそ
の範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいう
までもない。今後、σp 値、σm 値はこの意味を表わ
す。
【0025】本発明の色素は、色素分子内に褪色を抑制
する効果を持った原子団を有していてもよい。画像の堅
牢性が高いことが求められる場合には特に好ましい。褪
色を抑制する効果を持った原子団は、色素のR1
2 、R3 、Aのどの部位に結合してもよい。褪色を抑
制する効果を持った原子団としては、特開平3−205
189号明細書に記載のものすべてが使用可能である。
式(I)、(II) 、(III)、(IV)で表わされるものの
中でも、式(I)で表わされる構造の色素が好ましい。
本発明の色素は、解離させないで使用する場合には、マ
ゼンタ色素として用いられる。一方、本発明の色素は、
塩基性条件で解離させて用いるときは、シアン色素とし
て用いられる。塩基性条件にするためには、無機、有機
のいかなる塩基も使用できる。塩基性物質としては、写
真分野で媒染剤通称されているカチオンポリマーを用い
ることが好ましい。媒染剤とは、色素のプロトンを解離
させるだけの十分な塩基性を示す部分構造を有した色素
固定用のカチオンポリマーの総称である。これらは、拡
散転写方式銀塩写真の分野でよく知られるものである。
褪色を抑制する効果を持った原子団の具体例を以下に挙
げるが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】本発明の色素は、色素分子内に塩基性を示
す原子団を有していてもよい。塩基性を示す原子団を有
する色素は、受像層に酸性を示す原子団を持つ固定化剤
を含有する受像紙と組み合わせて用いれば、経時でのボ
ケの少ない画像を形成することが可能となる。それゆ
え、経時での画像の鮮鋭度の低下が少ないことが要求さ
れる場合には、分子内に塩基性を示す原子団を有する本
発明の色素は有用である。塩基性を示す原子団として
は、第3アミン残基(3級アミノ基)が好ましい。
【0033】本発明の色素は熱転写用途に用いるとき
は、色素の分子量が700以下になるように置換基が選
択されることが好ましい。より好ましくは、分子量が6
00以下になるように選択される。本発明の色素が熱移
行性の色素として用いられるときには、スルホン酸基
(その塩)、カルボン酸基(その塩)を色素分子内に有
しないものが好ましい。一方、本発明の色素がゼラチン
や水などの親水性媒体中で用いられるときは、置換基と
してスルホン酸基(その塩)、カルボン酸基(その
塩)、アミノ基、水酸基を持つものが好ましい。本発明
の色素は、シアン色素と同所に存在すると、その光堅牢
性が著しく向上する。シアン色素と共存させてもよい使
用法の場合には、共存させた方が好ましい。その混合比
は、本発明の色素に対しシアン色素をモル比で5%〜3
00%であり、好ましくは50〜200%である。
【0034】本発明の色素化合物の具体例を以下に示す
が、本発明は、これらによって限定されるものではな
い。 〔化合物例〕
【0035】
【化13】
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
【化14】
【0044】
【表8】
【0045】
【表9】
【0046】
【表10】
【0047】
【表11】
【0048】
【化15】
【0049】
【表12】
【0050】
【表13】
【0051】
【化16】
【0052】
【表14】
【0053】
【表15】
【0054】
【化17】
【0055】
【化18】
【0056】本発明の色素は、下記カプラー成分A,
B,C又はDと下記ジアゾ成分Eとをジアゾカップリン
グ反応させて合成する。
【0057】
【化19】
【0058】式中、X- は、Cl- イオンのような一価
の陰イオンである。カプラー成分A,B,C又はDは、
その互変異性体でもよい。
【0059】次に本発明の色素の合成例を示し、合成法
を説明する。尚、本発明のカプラー成分の合成法は、特
願平3−226325、同特願平3−236894号公
報に記載されている。 (合成例1) 化合物69の合成
【0060】
【化20】
【0061】合成例 化合物E2.2g、濃塩酸7.6ml、水7.6mlを10
℃で攪拌しているところへ、亜硝酸ナトリウム1.6g
をゆっくり加えた。30分間攪拌し、化合物Eのジアゾ
ニウム塩を調整した。そして、化合物F10g、メタノ
ール100ml、酢酸ナトリウム16.4gを10℃へ攪
拌しているところへ、先に調整したジアゾニウム塩をゆ
っくり滴下した。30分反応させた後、酢酸エチル20
0ml、試料400mlを加え抽出を行った。抽出液を乾燥
後、溶媒を減圧留去し粗生成物を得た。粗生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、化合
物69を11.1g得た。(収率91.8%)
【0062】本発明の色素の物性値を示し、本発明の色
素について説明する。 酢酸エチル中での吸収極大波長(nm) εmax(リットル・mol -1・cm-1) 色素69 559 1.72×104 ジメチルホルムアミド中(トリエチルアミン0.05w%溶液)での 吸収極大波長(nm) εmax(リットル・mol -1・cm-1) 色素69 585 5.21×104
【0063】本発明の熱移行性色素は、支持体上の色素
供与層に含有させられ、熱転写色素供与材料とされ、熱
転写方式の画像形成に用いられる。次に本発明の熱移行
性色素を熱転写方式の画像形成に用いた場合について、
以下に詳しく述べる。通常フルカラーの画像を構成する
ためには、イエロー、マゼンタ、シアン3色の色素が必
要である。そこで、本発明の化合物をマゼンタ色素とし
て用い、他の2色を公知の色素から選択して、フルカラ
ーの画像形成を行うことができる。又、本発明の色素か
ら、イエロー色とマゼンタ色の2種の色素を用い、シア
ン色素は公知の色素から選択して使用してもよい。同一
の色について、本発明の色素と従来公知の色素とを混合
して使用してもよい。また本発明の色素の2種以上を同
一の色として混合して使用してもよい。
【0064】
【0065】本発明の熱移行性色素の使用法について述
べる。熱転写色素供与材料はシート状または連続したロ
ール状もしくはリボン状で使用できる。本発明のシアン
色素やマゼンタ色素およびそれと組み合わせて用いられ
るイエローの各色素は、通常各々独立な領域を形成する
ように支持体上に配置される。例えば、イエロー色素領
域、マゼンタ色素領域、シアン色素領域を面順次もしく
は線順次に一つの支持体上に配置する。また、上記のイ
エロー色素、マゼンタ色素、シアン色素を各々別々の支
持体上に設けた3種の熱転写色素供与材料を用意し、こ
れらから順次一つの熱転写受像材料に色素の熱転写を行
うこともできる。本発明のシアン色素やマゼンタ色素お
よびそれと組み合わせて用いられるイエローの各色素
は、各々バインダー樹脂と共に適当な溶剤に溶解または
分散させて支持体上に塗布するか、あるいはグラビア法
などの印刷法により支持体上に印刷することができる。
これらの色素を含有する色素供与層の厚みは乾燥膜厚で
通常約0.2〜5μm、特に0.4〜2μmの範囲に設
定するのが好ましい。色素の塗布量は0.03〜1.0
g/m2 が好ましい。その中でも、0.1〜0.6g/
2 が更に好ましい。
【0066】上記の色素と共に用いるバインダー樹脂と
しては、このような目的に従来公知であるバインダー樹
脂のいずれも使用することができ、通常耐熱性が高く、
しかも加熱された場合に色素の移行を妨げないものが選
択される。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアク
リル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、ポリア
クリルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニトリ
ル)、ポリビニルピロリドンを始めとするビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例
えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、セルロースアセテート水素フタレー
ト、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースト
リアセテート)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルブチラールなどの部分ケン化ポリビニルアルコー
ル)、石油系樹脂、ロジン誘導体、クマロン−インデン
樹脂、テルペン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン)などが用いられ
る。本発明においてこのようなバインダー樹脂は、例え
ば色素100重量部当たり約20〜600重量部の割合
で使用するのが好ましい。
【0067】本発明において、上記の色素およびバイン
ダー樹脂を溶解または分散するためのインキ溶剤として
は、従来公知のインキ溶剤がいずれも使用できる。熱転
写色素供与材料の支持体としては従来公知のものがいず
れも使用できる。例えばポリエチレンテレフタレート、
ポリアミド、ポリカーボネート、グラシン紙、コンデン
サー紙、セルロースエステル、弗素ポリマー、ポリエー
テル、ポリアセタール、ポリオレフィン、ポリイミド、
ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリス
ルフォン、セロファン等が挙げられる。熱転写色素供与
材料の支持体の厚みは、一般に2〜30μmである。
【0068】サーマルヘッドが色素供与材料に粘着する
のを防止するためにスリッピンク層を設けてもよい。こ
のスリッピング層はポリマーバインダーを含有したある
いは含有しない潤滑物質、例えば界面活性剤、固体ある
いは液体潤滑剤またはこれらの混合物から構成される。
色素供与材料には背面より印字するときにサーマルヘッ
ドの熱によるスティッキングを防止し、滑りをよくする
意味で、支持体の色素供与層を設けない側にスティッキ
ング防止処理を施すのがよい。例えば、ポリビニルブ
チラール樹脂とイソシアネートとの反応生成物、リン
酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属
塩、および充填剤を主体とする耐熱スリップ層を設け
るのがよい。ポリビニルブチラール樹脂としては分子量
が6万〜20万程度で、ガラス転移点が80〜110℃
であるもの、またイソシアネートとの反応サイトが多い
観点からビニルブチラール部分の重量%が15〜40%
のものがよい。リン酸エステルのアルカリ金属塩または
アルカリ土類金属塩としては東邦化学製のガファックR
D720などが用いられ、ポリビニルブチラール樹脂に
対して1〜50重量%、好ましくは10〜40重量%程
度用いるとよい。耐熱スリップ層は下層に耐熱性を伴う
ことが望ましく、加熱により硬化しうる合成樹脂とその
硬化剤の組合せ、例えばポリビニルブチラールと多価イ
ソシアネート、アクリルポリオールと多価イソシアネー
ト、酢酸セルロースとチタンキレート剤、もしくはポリ
エステルと有機チタン化合物などの組合せを塗布により
設けるとよい。
【0069】色素供与材料には色素の支持体方向への拡
散を防止するための親水性バリヤー層を設けることもあ
る。親水性の色素バリヤー層は、意図する目的に有用な
親水性物質を含んでいる。一般に優れた結果がゼラチ
ン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(イソプロピルアク
リルアミド)、メタクリル酸ブチルグラフトゼラチン、
メタクリル酸エチルグラフトゼラチン、モノ酢酸セルロ
ース、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、
ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ
(ビニルアルコール)とポリ(酢酸ビニル)との混合
物、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(アクリル酸)と
の混合物またはモノ酢酸セルロースとポリ(アクリル
酸)との混合物を用いることによって得られる。特に好
ましいものは、ポリ(アクリル酸)、モノ酢酸セルロー
スまたはポリ(ビニルアルコール)である。
【0070】色素供与材料には下塗り層を設けてもよ
い。本発明では所望の作用をすればどのような下塗り層
でもよいが、好ましい具体例としては、(アクリロニト
リル/塩化ビニリデン/アクリル酸)共重合体(重量比
14:80:6)、(アクリル酸ブチル/メタクリル酸
−2−アミノエチル/メタクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル)共重合体(重量比30:20:50)、線状/飽
和ポリエステル例えばボスティック7650(エムハー
ト社、ボスティック・ケミカル・グループ)または塩素
化高密度ポリ(エチレン−トリクロロエチレン)樹脂が
挙げられる。下塗り層の塗布量には特別な制限はない
が、通常0.1〜2.0g/m2 の量で用いられる。
【0071】本発明においては、熱転写色素供与材料を
熱転写受像材料と重ね合わせ、いずれかの面から、好ま
しくは熱転写色素供与材料の裏面から、例えばサーマル
ヘッド等の加熱手段により画像情報に応じた熱エネルギ
ーを与えることにより、色素供与層の色素を熱転写受像
材料に加熱エネルギーの大小に応じて転写することがで
き、優れた鮮明性、解像性の階調のあるカラー画像を得
ることができる。また褪色防止剤も同様にして転写でき
る。加熱手段はサーマルヘッドに限らず、レーザー光
(例えば半導体レーザー)、赤外線フラッシュ、熱ペン
などの公知のものが使用できる。この熱源にレーザーを
用いる方法の場合は、熱転写色素供与材料に、レーザー
光を強く吸収する材料を含有することが好ましい。熱転
写色素供与材料にレーザー光を照射すると、この吸収性
材料が光エネルギーを熱エネルギーに変換し、すぐ近く
の色素にその熱を伝達し、色素が熱転写受像材料に転写
する温度まで加熱される。この吸収性材料は色素の下部
に層を成して存在し、及び/又は色素と混合される。本
プロセスの更に詳しい説明は、英国特許2,083,7
26A号に記載されている。上記のレーザーとしては、
アルゴンやクリプトンのようなイオンガスレーザー、
銅、金およびカドミウムのような金属蒸気レーザー、ル
ビーやYAGのような固体レーザー、又は750〜87
0nmの赤外域で放出するガリウム−ヒ素のような半導
体レーザー等の数種のレーザーが使用可能である。その
中でも、小型、低コスト、安定性、信頼性、耐久性及び
変調の容易さの点で半導体レーザーが好ましい。その具
体例としては、例えばスペクトロダイオードラボ(Sp
ectrodiode Labs)製のレーザーモデル
SDL−2420−H2(登録商標)、またはソニー社
製のレーザーモデルSLD−304v/w(登録商標)
が挙げられる。
【0072】本発明において、熱転写色素供与材料は熱
転写受像材料と組合せることにより、熱印字方式の各種
プリンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気
記録方式、光磁気記録方式、光記録方式等による画像の
プリント作成、テレビジョン、CRT画面からのプリン
ト作成等に利用できる。熱転写記録方法の詳細について
は、特開昭60−34895号の記載を参照できる。
【0073】本発明の熱転写色素供与材料と組合わせて
用いられる熱転写受像材料は支持体上に色素供与材料か
ら移行してくる色素を受容する受像層を設けたものであ
る。この受像層は、印字の際に熱転写色素供与材料から
移行してくる熱移行性色素を受け入れ、熱移行性色素が
染着する働きを有している熱移行性色素を受容しうる物
質を単独で、またはその他のバイダー物質とともに含ん
でいる厚み0.5〜50μm程度の被膜であることが好
ましい。熱移行性色素を受容しうる物質の代表例である
ポリマーとしては次のような樹脂が挙げられる。
【0074】(イ)エステル結合を有するもの テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸などのジカルボ
ン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸
基、カルボキシル基などが置換していてもよい)と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール
Aなどの縮合により得られるポリエステル樹脂:ポリメ
チルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ
メチルアクリレート、ポリブチルアクリレートなどのポ
リアクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エス
テル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ポリ酢酸ビニル樹
脂:スチレンアクリレート樹脂:ビニルトルエンアクリ
レート樹脂など。具体的には特開昭59−101395
号、同63−7971号、同63−7972号、同63
−7973号、同60−294862号に記載のものを
挙げることができる。また、市販品としては東洋紡製の
バイロン290、バイロン200、バイロン280、バ
イロン300、バイロン103、バイロンGK−14
0、バイロンGK−130、花王製のATR−200
9、ATR−2010などが使用できる。 (ロ)ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂など。 (ハ)アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂など。 (ニ)尿素結合を有するもの 尿素樹脂など。 (ホ)スルホン結合を有するもの ポリスルホン樹脂など。 (ヘ)その他極性の高い結合を有するもの ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂な
ど。 上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あるい
は共重合体なども使用できる。
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】本発明において、熱転写色素供与材料と熱
転写受像材料との離型性を向上させるために、色素供与
材料及び/又は受像材料を構成する層中、特に好ましく
は両方の材料が接触する面に当たる最外層に離型剤を含
有させるのが好ましい。離型剤としては、ポリエチレン
ワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形
あるいはワックス状物質:弗素系、リン酸エステル系等
の界面活性剤:パラフィン系、シリコーン系、弗素系の
オイル類等、従来公知の離型剤がいずれも使用できる
が、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイ
ルとしては、無変性のもの以外にカルボキシ変性、アミ
ノ変性、エポキシ変性等の変性シリコーンオイルを用い
ることができる。その例としては、信越シリコーン
(株)発行の「変性シリコーンオイル」技術資料の6〜
18B頁に記載の各種変性シリコーンオイルを挙げるこ
とができる。有機溶剤系のバインダー中に用いる場合
は、このバインダーの架橋剤と反応しうる基(例えばイ
ソシアネートと反応しうる基)を有するアミノ変性シリ
コーンオイルが、また水溶性バインダー中に乳化分散し
て用いる場合は、カルボキシ変性シリコーンオイル(例
えば信越シリコーン(株)製:商品名X−22−371
0)が有効である。
【0080】
【0081】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
褪色防止剤を用いてもよい。褪色防止剤としては、例え
ば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯
体がある。酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合
物、クマラン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒ
ンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒン
ダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物がある。
また、特開昭61−159644号記載の化合物も有効
である。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系
化合物(米国特許第3,533,794号など)、4−
チアゾリドン系化合物(米国特許第3,352,681
号など) 、ベンゾフェノン系化合物(特開昭56−27
84号など)、その他特開昭54−48535号、同6
2−136641号、同61−88256号等に記載の
化合物がある。また、特開昭62−260152号記載
の紫外線吸収性ポリマーも有効である。金属錯体として
は、米国特許第4,241,155号、同第4,24
5,018号第3〜36欄、同第4,254,195号
第3〜8欄、特開昭62−174741号、同61−8
8256号(27)〜(29)頁、特開平1−7556
8号、特開昭63−199248号等に記載されている
化合物がある。有用な褪色防止剤の例は特開昭62−2
15272号(125)〜(137)頁に記載されてい
る。受像材料に転写された色素の褪色を防止するための
褪色防止剤は予め受像材料に含有させておいてもよい
し、色素供与材料から転写させるなどの方法で外部から
受像材料に供給するようにしてもよい。上記の酸化防止
剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組み合わせ
て使用してもよい。
【0082】
【0083】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目
的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有機フルオ
ロ化合物の代表例としては、特公昭57−9053号第
8〜17欄、特開昭61−20944号、同62−13
5826号等に記載されているフッ素系界面活性剤、ま
たはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物もしくは四
フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂など
の疎水性フッ素化合物が挙げられる。
【0084】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
マット剤を用いることができる。マット剤としては二酸
化ケイ素、ポリオレフィンまたはポリメタクリレートな
どの特開昭61−88256号(29)頁記載の化合物
の他に、ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネー
ト樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−27
4944号、同63−274952号記載の化合物があ
る。
【0085】
【実施例】以下に具体例をあげ、本発明を更に詳しく説
明するが、発明の主旨を越えない限り実施例に限定され
るものではない。 実施例1 本発明の化合物の吸収特性を図1および図2に示す。図
1は、色素69 1.0mgを酢酸エチル100mlに溶解
したときの吸収スペクトルである。(たて軸の吸光度
は、1.0に規格化して表示。) 図2は、色素69 1.0mgをジメチルホルムアミド1
00mlに溶解し、トリエチルアミンを0.05ml加えた
ときの吸収スペクトルである。(たて軸の吸光度は、
1.0に規格化して表示。)
【0086】以上のことからわかるように、本発明の色
素は、解離させないと赤〜マゼンタの色素であり、塩基
性の条件下では、吸収極大波長は、長波化し、吸収波形
は、シャープ化する。本発明の色素は、解離した条件で
は、青〜シアン色の色素になることがわかる。 実施例2 (熱転写色素供与材料(2−1)の作成)支持体として
裏面に耐熱滑性処理が施された厚さ6μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(帝人製)を使用し、フィル
ムの表面上に下記組成の熱転写色素供与層用塗料組成物
をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが1.
5μmとなるように塗布形成し、熱転写色素供与材料
(2−1)を作成した。 熱転写色素供与層用塗料組成物: 色素1 10ミリモル ポリビニルブチラール樹脂(電気化学製デンカブチラール 5000−A) 3g トルエン 40cc メチルエチルケトン 40cc ポリイソシアネート(武田薬品製タケネートD110N) 0.2cc 次に上記色素1を表1に記載の他の色素に変えた以外は
上記と同様にして、本発明の熱転写色素供与材料及び比
較用熱転写色素供与材料(2−2)〜(2−18)をそ
れぞれ作成した。
【0087】(熱転写受像材料の作成)支持体として厚
み150μmの合成紙(王子油化製、YUPO−FPG
−150)を用い、表面に下記組成物の受像層用塗料組
成物をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚さが
8μmとなるように塗布して熱転写受像材料を作成し
た。乾燥はドライヤーで仮乾燥後、温度100℃のオー
ブン中で30分間行った。 受像層用塗料組成物: ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン−280) 22g ポリイソシアネート(大日本インキ化学製KP−90) 4g アミノ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製 KF−857) 0.5g メチルエチルケトン 85cc トルエン 85cc シクロヘキサノン 15cc
【0088】上記のようにして得られた熱転写色素供与
材料(1−1)〜(1−18)と熱転写受像材料とを、
熱転写色素供与層と受像層とが接するようにして重ね合
わせ、熱転写色素供与材料の支持体側からサーマルヘッ
ドを使用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドッ
ト、パルス巾0.15〜15ミリ秒、ドット密度6ドッ
ト/mmの条件で印字を行い、受像材料の受像層にイエロ
ーもしくはマゼンタ色の色素を像状に染着させたとこ
ろ、転写むらのない鮮明な画像記録が得られた。次に、
上記のようにして得られた記録済の各熱転写受像材料を
7日間、60℃、ドライの条件で保存し、色像の安定性
を調べた。ステータスA反射濃度1.0を示す部分の照
射後のステータスA反射濃度を測定し、照射前の反射濃
度1.0に対する残存率(百分率)でその安定度を評価
した。結果を表1に記した。
【0089】 表1 写色素供与材料 No. 色素 最大濃度 熱堅牢性 備 考 2−1 1 1.90 92 本発明 2−2 2 1.99 94 〃 2−3 3 2.10 90 〃 2−4 18 1.85 95 〃 2−5 25 1.71 92 〃 2−6 28 1.91 95 〃 2−7 30 1.92 80 〃 2−8 31 1.89 89 〃 2−9 43 1.99 94 〃 2−10 44 1.82 92 〃 2−11 46 2.21 84 〃 2−12 50 1.89 90 〃 2−13 61 2.10 86 〃 2−14 62 2.25 75 〃 2−15 68 1.70 93 〃 2−16 70 1.82 96 〃 2−17 71 1.70 97 〃 2−18 a 1.90 65 比較例
【0090】
【化21】
【0091】表1から、本発明の色素は、転写濃度が高
く、熱堅牢性が高いことがわかる。
【0092】実施例3 実施例2の熱転写色素供与層用塗料組成物の色素1に変
えて、表2に示した色素を用いて、熱転写色素供与材料
(3−1)〜(3−5)を作成した。実施例1で作成し
た受像材料を用いて印字を行ったところ、いずれの場合
も転写むらのない鮮明な画像記録が得られ、濃度が高か
った。また熱堅牢性も優れていた。
【0093】
【0094】実施例4 実施例2の熱転写色素供与層用塗料組成物のポリビニル
ブチラール樹脂と色素に変えて、表3に示した樹脂と色
素を用いて、熱転写色素供与材料(4−1)、(4−
2)、(4−3)を作成した。実施例1と同様の受像材
料を用いて印字を行ったところ、表3に示すように転写
むらのない鮮明な画像記録が得られた。また実施例1と
同様に熱強制試験を行ったところ熱堅牢性も優れてい
た。
【0095】 (表3) 熱転写色素供与材料 樹 脂 色素 熱堅牢性(残存率%) 4−1 エチルセルロース 33 91 4−2 酢酸酪酸セルロース 35 93 4−3 ポリサルホン 36 92
【0096】以下に、他の熱転写受像材料と本発明の上
記熱転写色素供与材料との組合せについての実施例4〜
8を示す。 実施例5 (熱転写受像材料の作製)支持体として厚み150μm
の合成紙(王子油化製:YUPO−FPG−150)を
用い、表面に下記組成の受像層用塗料組成物を、ワイヤ
ーバーコーティングにより乾燥時の厚みが10μmとな
るように塗布して熱転写受像材料を作製した。乾燥はド
ライヤーで仮乾燥後、温度100℃のオーブン中で30
分間行った。 受像層用塗布組成物: ポリエステル樹脂(TP220、日本合成化学製) 2.0g アミノ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製 KF−857) 0.5g エポキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製 KF−100T) 0.5g メチルエチルケトン 85cc トルエン 85cc シクロヘキサン 30cc
【0097】実施例2および実施例3の本発明の色素を
用いた熱転写色素供与材料と組み合せて印字を行なった
ところ、鮮明な画像記録が得られた。また、光および熱
堅牢性も優れていた。
【0098】実施例6 (熱転写受像材料の作製)200μmの紙の両面にそれ
ぞれ15μm、25μmの厚みにポリエチレンをラミネ
ートしたレジンコート紙を用意し、15μm厚みのラミ
ネートされた面に下記組成の受像層用塗料組成物をワイ
ヤーバーコーティングで乾燥厚み10μmになるように
塗布し、乾燥して熱転写受像材料を作製した。 受像層用塗料組成物: ポリエステル樹脂(TP220、日本合成化学製) 25g アミノ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製 KF−857) 0.8g ポリイソシアネート(大日本インキ化学製KP−90) 4g メチルエチルケトン 100cc トルエン 100cc 実施例1と同様にして印字したところ、鮮明で濃度の高
い画像記録が得られた。また、光および熱堅牢性も優れ
ていた。
【0099】実施例7 (熱転写受像材料の作製)下記(A′)の組成のゼラチ
ン水溶液中に(B′)の組成の色素受容性ポリマーの有
機溶剤溶液をホモジナイザーで乳化分散し色素受容性物
質のゼラチン分散液を調製した。 (A′)ゼラチン水溶液: ゼラチン 2.3g ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(5%水溶液) 20cc 水 80cc (B′)色素受容性ポリマー溶液: ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン300) 7.0g カルボキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製 X−22−3710) 0.7g メチルエチルケトン 20cc トルエン 10cc トリフェニルフォスフェート 1.5g このようにして調製した分散物に、下記式で表されるフ
ッ素系界面活性剤(a)の0.5gを水/メタノール
(1:1)の混合溶媒10ccに溶解した溶液を添加し、
受像層用塗料組成物を得た。
【0100】
【化22】
【0101】この塗料組成物を、表面にコロナ放電した
厚み150μmの合成紙(王子油化製:YUPO−SG
G−150)上にワイヤーバーコーティング法によりウ
ェッジ膜厚75μmとなるように塗布し、乾燥して、熱
転写受像材料を得た。実施例1及び2の本発明の色素を
用いた熱転写色素供与材料と上記熱転写受像材料とを用
いて、実施例1と同様に画像の記録を行った。得られた
画像は濃度が高く、鮮明であり堅牢性も高かった。
【0102】実施例8 (熱転写受像材料の作製)次の受像層用塗料組成物を用
いて、実施例1と同様に、熱転写受像材料を作製した。 受像層用塗料組成物:下記化23で表される紫外線吸収
剤7gを加える以外は、実施例1の受像層用塗料組成物
と同じ組成である。
【0103】
【化23】
【0104】実施例1及び2の本発明の色素を用いた熱
転写色素供与材料を用いて、実施例1と同様に印字した
ところ、鮮明で濃度の高い画像が得られた。堅牢性も実
施例1の受像材料を用いたときと比較して高くなってい
た。
【0105】
【発明の効果】本発明のピロロトリアゾール色素は、吸
収波形がシャープで、長波側の不要吸収も小さく、堅牢
性に優れるという従来の色素では得られない効果が得ら
れた。しかも合成が容易でコストが低かった。また、本
発明のピロロトリアゾール色素を含有した熱転写色素供
与材料を用いて画像形成を行うと、褪色や変色のない高
濃度の画像が得られるという効果を有していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色素69の酢酸エチル中の吸収スペク
トルである。
【図2】本発明の色素69のジメチルホルムアミド(ト
リエチルアミン0.05w%)溶液中での吸収スペクト
ルである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)、(II)、(II
    I)、又は(IV)で表わされることを特徴とするピロ
    ロトリアゾールアゾ色素。 【化1】 式(I)、(II)、(III)、(IV)中、R
    、Rは、各々独立に、水素原子、あるいは、炭素
    原子、窒素原子、酸素原子、又は、硫黄原子によりピロ
    ロトリアゾール環に結合する有機基を表わす。Aは、ア
    リール基、又は、ヘテロ芳香族基を表わす。
  2. 【請求項2】 支持体上に熱移行性色素を含む色素供与
    層を有する熱転写色素供与材料において、該色素供与層
    が下記一般式(I)、(II)、(III)又は、(I
    V)で表わされるピロロトリアゾールアゾ色素を少なく
    とも1種含有することを特徴とする熱転写色素供与材
    料。 【化2】 一般式(I)、(II)、(III)、(IV)中、R
    、R、Rは、各々独立に、水素原子あるいは、炭
    素原子、窒素原子、酸素原子、又は、硫黄原子によりピ
    ロロトリアゾール環に結合する有機基を表わす。Aは、
    アリール基又は、ヘテロ芳香環基を表わす。
  3. 【請求項3】 塩基性条件下でプロトンを解離させ、解
    離性色素として使用することを特徴とする請求項1記載
    の色素による画像形成方法。
  4. 【請求項4】 該解離性色素がシアン色素として使用さ
    れることを特徴とする請求項3記載の画像形成方法。
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