JPH05177959A - ピロロトリアゾールアゾメチン色素を含有する熱転写色素供与材料 - Google Patents

ピロロトリアゾールアゾメチン色素を含有する熱転写色素供与材料

Info

Publication number
JPH05177959A
JPH05177959A JP4169881A JP16988192A JPH05177959A JP H05177959 A JPH05177959 A JP H05177959A JP 4169881 A JP4169881 A JP 4169881A JP 16988192 A JP16988192 A JP 16988192A JP H05177959 A JPH05177959 A JP H05177959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
dye
thermal transfer
image
dyes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4169881A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Mikoshiba
尚 御子柴
Makoto Suzuki
真 鈴木
Seiichi Kubodera
征一 久保寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP4169881A priority Critical patent/JPH05177959A/ja
Publication of JPH05177959A publication Critical patent/JPH05177959A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱転写色素供与材料と受像材料より得られる
色素画像の光・熱堅牢性および色再現性を改良する。 【構成】 熱転写色素供与材料に式(I)〜(IV)のピ
ロロトリアゾールアゾメチン色素の少なくとも1種を含
有させる。下式中、R1 〜R4 は水素又は非金属の原子
団を;Xは−OH又は−NR5 6 を;R5 、R6 は水
素、アルキル、アリール又はヘテロ環基を;R7 〜R9
は水素又は非金属の原子団を表す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた吸収特性を有
し、光、熱堅牢性が高いピロロトリアゾールアゾメチン
色素を含有する熱転写色素供与材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、またそれぞれの情報
処理システムに適した記録方法および装置も開発、採用
されている。このような記録方法の一つとして熱転写記
録方法は、使用する装置が軽量かつコンパクトで騒音が
なく、操作性、保守性にも優れており、カラー化も容易
であり、最近広く使用されている。熱転写記録方法は支
持体上に熱溶融性インク層を担持させた熱転写色素供与
材料をサーマルヘッドにより加熱して該インクを溶融し
受像材料上に転写する方式(溶融転写方式)と、熱移行
性の色素とバインダーとを含有する色素供与層を有する
熱転写色素供与材料をサーマルヘッドにより加熱して色
素のみを受像材料の受像層に熱移行させて記録を行う方
式(熱移行方式。一般に昇華型感熱転写方式とも呼ばれ
ている)とがある。本発明は、この内容の後者の熱移行
方式に用いる熱転写色素供与材料に関するものである。
なお、ここで熱移行性の色素とは、昇華または媒体中で
の拡散により熱転写色素供与材料から熱転写受像材料へ
転写しうる色素をいう。
【0003】この熱移行方式に用いられる色素として最
近アゾメチン色素が数多く提案されている。アゾメチン
色素、特にp−ジアルキルアミノフェニル基がイミンの
窒素原子に結合したアゾメチン色素は活性メチレン類や
フェノール類とN,N−ジアルキル−p−フェニレンジ
アミン類等のいわゆるカラー現像主薬との酸化カップリ
ング反応により形成され、しかも色調がイエロー、レッ
ド、マゼンタ、ブルー、シアンと多岐にわたるためイエ
ロー、マゼンタ、シアンの三色混合による減色法を用い
るハロゲン化銀カラー写真感光材料における画像形成用
色素として広く用いられてきている。フェノール類、ナ
フトール類や2,4−ジフェニルイミダゾール類等から
はブルーないしシアン染料が形成され、5−ピラゾロン
類、アシルアセトニトリル類、1H−ピラゾロ〔1,5
−a〕ベンズイミダゾール類、1H−ピラゾロ〔5,1
−c〕−1,2,4−トリアゾール類、1H−ピラゾロ
〔2,3−b〕−1,2,4−トリアゾール類等からは
マゼンタないしブルー色素が形成され、アシルアセトア
ニリド類、ジアシルメタン類、マロンジアニリド類等か
らはイエロー色素が形成される。これらは、特開平3−
114891号、同3−114890号、同3−103
477号、同3−99888号、同3−92385号、
同3−90387号、同3−83688号、同3−93
862号、同3−17163号、同3−16792号、
同3−162990号、同2−310087号、同2−
265791号、同3−7386号、同2−20809
4号、同2−178088号、同2−172793号、
同2−172792号、同2−175190号、同2−
668号、同2−155693号、同2−84391
号、同2−53866号、同2−53865号、同2−
28264号、同1−176592号、特開昭64−6
3194号に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来この方式
に用いられる熱移行性色素には種々の制約があり、必要
とされる性能を不足なく備えた熱移行性色素は極めて少
ない。必要とされる性能としては、例えば色再現上好ま
しい分光特性を有すること、熱移行し易いこと、光や熱
に変色あるいは褪色しないこと、種々の化学薬品による
変質が少ないこと、画像形成後に鮮鋭度が低下しにくい
こと、画像の再転写が起こりにくいこと、熱転写色素供
与材料を作り易いことなどである。この中で、特に光や
熱に対して変色や褪色を起こしにくいことは、画像記録
のうえで特に重要な性能である。しかし、従来用いられ
てきた熱移行性の色素はこの性能が充分でなく、わずか
の期間で変色あるいは褪色してしまい、画像の保存の観
点から改良が望まれていた。また、従来公知の色素は、
吸収がブロードなものが多く、シャープな吸収を持つ色
素の開発が望まれていた。
【0005】本発明の目的は、色再現性の良い画像を与
える熱転写色素供与材料を開発することにある。本発明
の他の目的は、光、熱堅牢性の高い画像を与える熱転写
色素供与材料を提供することにある。本発明の更に他の
目的は、熱転写色素供与材料および形成された画像の経
時安定性を改良することにある。
【0006】本発明の上記目的は、下記一般式(I)、
(II)、(III)および(IV)で表わされるピロロトリア
ゾールアゾメチン色素を少なくとも1種含有する熱転写
色素供与材料によって達成された。
【0007】
【化2】
【0008】式(I)、(II)、(III)、(IV)中、R
1 、R2 、R3 およびR4 は、各々独立に、水素原子又
は非金属の原子団を表わす。Xは−OH又は−NR5
6 を表わす。R5 およびR6 は、各々独立に、水素原
子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。
7 、R8 およびR9 は、各々独立に、水素原子又は非
金属の原子団を表わす。R1 とR2 、および/又はR2
とR5 、および/又はR5 とR6 、および/又はR6
3 、および/又はR3 とR4 は、互いに結合して環構
造を形成していてもよい。R7 とR8 は、互いに結合し
て、環構造を形成していてもよい。
【0009】更に、前記一般式(I)、(II)、(III)
および(IV)で表わされるピロロトリアゾールアゾメチ
ン色素のR7 が、ハメット置換基定数σp 値0.30以
上の電子吸引性基であるものは、吸収がシャープであ
り、これを含有する熱転写色素供与材料によって上記目
的はより好ましく達成された。そして、ピロロトリアゾ
ールアゾメチン色素のR7 およびR8 のハメット置換基
定数σp 値の和が0.70以上のものはシアン色として
優れた色相を呈し、これを含有する熱転写色素供与材料
によって上記目的はより好ましく達成された。
【0010】更に、本発明の上記目的は、該色素供与層
が2種以上の色素の混合物を含有し、該色素混合物のう
ち少なくとも1つが前記一般式(I)、(II)、(III)
および(IV)で表わされるピロロトリアゾールアゾメチ
ン色素であることを特徴とする熱転写色素供与材料によ
ってより好ましく達成された。
【0011】以下に一般式(I)について詳しく述べ
る。R1 、R2 、R3 およびR4 は、各々独立に、水素
原子又は非金属の原子団を表わし、非金属の原子団とし
ては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ
環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基
(置換アミノ基を含む)、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、ス
ルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ
基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル
基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ
基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオ
キシ基、アリールオキシカルボニル基、イミド基、ヘテ
ロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル基
等を表わす。
【0012】その具体例としては、アルキル基(好まし
くは炭素数1〜20、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜2
0、例えばメトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ、イ
ソプロポキシ)、ハロゲン原子(例えば臭素、フッ素、
塩素)、アシルアミノ基〔好ましくは炭素数1〜20の
アルキルカルボニルアミノ基(例えばホルミルアミノ、
アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、シアノアセチル
アミノ)、好ましくは炭素数7〜20のアリールカルボ
ニルアミノ基(例えばベンゾイルアミノ、p−トルイル
アミノ、ペンタフルオロベンゾイルアミノ、m−メトキ
シベンゾイルアミノ)〕、アルコキシカルボニル基(好
ましくは炭素数2〜20、例えばメトキシカルボニル、
エトキシカルボニル)、シアノ基、スルホニルアミノ基
(好ましくは炭素数1〜20、メタンスルホニルアミ
ノ、エタンスルホニルアミノ、N−メチルメタンスルホ
ニルアミノ)、カルバモイル基〔好ましくは炭素数2〜
20のアルキルカルバモイル基(例えばメチルカルバモ
イル、ジメチルカルバモイル、ブチルカルバモイル、イ
ソプロピルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、シ
クロペンチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイ
ル、メトキシエチルカルバモイル、クロロエチルカルバ
モイル、シアノエチルカルバモイル、エチルシアノエチ
ルカルバモイル、ベンジルカルバモイル、エトキシカル
ボニルメチルカルバモイル、フルフリルカルバモイル、
テトラヒドロフルフリルカルバモイル、フェノキシメチ
ルカルバモイル、アリルカルバモイル、クロチルカルバ
モイル、プレニルカルバモイル、2,3−ジメチル−2
−ブテニルカルバモイル、ホモアリルカルバモイル、ホ
モクロチルカルバモイル、ホモプレニルカルバモイ
ル)、好ましくは炭素数7〜20のアリールカルバモイ
ル基(例えばフェニルカルバモイル、p−トルイルカル
バモイル、m−メトキシフェニルカルバモイル、4,5
−ジクロロフェニルカルバモイル、p−シアノフェニル
カルバモイル、p−アセチルアミノフェニルカルバモイ
ル、p−メトキシカルボニルフェニルカルバモイル、m
−トリフルオロメチルフェニルカルバモイル、o−フル
オロフェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイ
ル)、好ましくは炭素数4〜20のヘテリルカルバモイ
ル基(例えば2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジル
カルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チアゾ
リルカルバモイル、2−ベンズチアゾリルカルバモイ
ル、2−ベンズイミダゾリルカルバモイル、2−(4−
メチルフェニル)1,3,4−チアジアゾリルカルバモ
イル)〕、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜2
0、例えばメチルスルファモイル、ジメチルスルファモ
イル)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数
1〜20、例えばメチルアミノカルボニルアミノ、ジメ
チルアミノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニル
アミノ基(好ましくは炭素数2〜20、例えばメトキシ
カルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ)、ヒド
ロキシ基、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、例え
ばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリ
ノ)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、例えば
フェニル、m−アセチルフェニル、p−メトキシフェニ
ル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数3〜20、例えば
2−ピリジル、2−フリル、2−テトラヒドロフリ
ル)、ニトロ基、アリールオキシ基(好ましくは炭素数
6〜20、例えばフェノキシ、p−メトキシフェノキ
シ、o−クロロフェノキシ)、スルファモイルアミノ基
(好ましくは炭素数0〜20、例えばメチルスルファモ
イルアミノ、ジメチルスルファモイルアミノ)、アルキ
ルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、例えばメチルチ
オ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数
6〜20、例えばフェニルチオ、p−メトキシフェニル
チオ、o−クロロフェニルチオ)、スルホニル基(好ま
しくは炭素数1〜20、例えばメタンスルホニル、p−
トルエンスルホニル)、アシル基(好ましくは炭素数1
〜20、例えばホルミル、アセチル、ベンゾイル、p−
トルイル)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数3〜
20)、アゾ基(好ましくは炭素数3〜20、例えばp
−ニトロフェニルアゾ)、アシルオキシ基(好ましくは
炭素数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオ
キシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜
20、例えばメチルカルバモイルオキシ)、シリルオキ
シ基(好ましくは炭素数3〜20、例えばトリメチルシ
ロキシ)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭
素数7〜20、例えばフェノキシカルボニル)、イミド
基(好ましくは炭素数4〜20、例えばフタルイミ
ド)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数3〜20)、
スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、例えばジ
エチルアミノスルフィニル)、ホスホリル基(好ましく
は炭素数0〜20、例えばジアミノホスホリル)が挙げ
られる。
【0013】R2 、R3 およびR4 の中で好ましいもの
は、水素原子である。R1 の中で好ましいものは、水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20の
アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素)、
炭素数1〜20のアシルアミノ基、炭素数1〜20のス
ルホニルアミノ基、炭素数1〜20のアミノカルボニル
アミノ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルアミ
ノ基である。その中でも、R1 は水素原子、アルキル
基、アシルアミノ基が最も好ましい。
【0014】Xは−OH又は−NR5 6 を表わす。R
5 およびR6 は、各々独立に、水素原子、アルキル基
(好ましくは炭素数1〜20、例えばメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、2−メトキシエチ
ル、3−メトキシプロピル、エトキシエチル、2−フェ
ニルエチル、2−シアノエチル、シアノメチル、2−ク
ロロエチル、3−ブロモプロピル、2−メトキシカルボ
ニルエチル、3−エトキシカルボニルプロピル、2−
(N−メチルアミノカルボニル)エチル、3−(N,N
−ジメチルアミノカルボニル)プロピル、2−アセチル
アミノエチル、3−(エチルカルボニルアミノ)プロピ
ル、2−アセチルオキシエチル、アリル、ホモアリル、
プレニル、n−ドデシル)、アリール基(好ましくは炭
素数6〜20、例えばフェニル、p−トリル、p−メト
キシフェニル、2,4−ジクロロフェニル、p−ニトロ
フェニル、2,4−ジシアノフェニル、2−ナフチル)
またはヘテロ環基(置換基を有するものを含む。好まし
くは炭素数3〜20、例えば、下記化3で表わされる
基)を表わす。
【0015】
【化3】
【0016】Xは−NR5 6 が好ましい。
【0017】R5 及びR6 の中で好ましいものは、炭素
数1〜20の置換されてもよいアルキル基(例えばメチ
ル、エチル、プロピル、2−シアノエチル、2−アセチ
ルオキシエチル、2−エトキシカルボニルエチル、2−
メトキシエチル、アリル、ホモアリル、プレニル)であ
る。また、R5 とR6 が結合して形成してもよい環とし
ては、例えば、下記化4で表される基があり、また、R
2 とR5 および/またはR3 とR6 が結合して形成して
もよい環としては、例えば、下記化5で表される基があ
り、好ましい例として挙げることができる。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】R7 、R8 およびR9 は、水素原子又は非
金属の置換基を表わす。更に詳しくは、R7 、R8 およ
びR9 は、水素原子、アリール基、ヘテロ環基、アルキ
ル基、シアノ基、アシル基、カルバモイル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル
アミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオ
キシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、アミノ
カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アミノ
基(アニリノ基を含む)、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、シリルオキシ基、ヘテリルオキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、ヘテリルチオ基、ハロゲン原
子、ヒドロキシ基、ニトロ基、スルファモイル基、スル
ホニル基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキ
シ基、イミド基、スルフィニル基、ホスホリル基などを
表わす。
【0021】R7 、R8 およびR9 の具体例としては、
水素原子、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、例
えばフェニル、m−アセチルアミノフェニル、p−メト
キシフェニル)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜2
0、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチ
ル、n−オクチル、n−ドデシル)、シアノ基、アシル
基(好ましくは炭素数1〜20、例えばアセチル、ピバ
ロイル、ベンゾイル、フロイル、2−ピリジルカルボニ
ル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、例
えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチ
ルカルバモイル、n−オクチルカルバモイル)、アルコ
キシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、例えば
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポ
キシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ま
しくは炭素数7〜20、例えばフェノキシカルボニル、
p−メトキシフェノキシカルボニル、m−クロロフェノ
キシカルボニル、o−メトキシフェノキシカルボニ
ル)、アシルアミノ基〔好ましくは炭素数1〜20のア
ルキルカルボニルアミノ基(例えば、ホルミルアミノ、
アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、シアノアセチル
アミノ)、好ましくは炭素数7〜20のアリールカルボ
ニルアミノ基(例えば、ベンゾイルアミノ、p−トルイ
ルアミノ、ペンタフルオロベンゾイルアミノ、m−メト
キシベンゾイルアミノ)、好ましくは炭素数4〜20の
ヘテリルカルボニルアミノ基(例えば、2−ピリジルカ
ルボニルアミノ、3−ピリジルカルボニルアミノ、フロ
イルアミノ)〕、アルコキシカルボニルアミノ基(好ま
しくは炭素数2〜20、例えばメトキシカルボニルアミ
ノ、エトキシカルボニルアミノ、メトキシエトキシカル
ボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基
(好ましくは炭素数7〜20、例えばフェノキシカルボ
ニルアミノ、p−メトキシフェノキシカルボニルアミ
ノ、p−メチルフェノキシカルボニルアミノ、m−クロ
ロフェノキシカルボニルアミノ、o−クロロフェノキシ
カルボニルアミノ)、スルホニルアミノ基(好ましくは
炭素数1〜20、例えばメタンスルホニルアミノ、ベン
ゼンスルホニルアミノ、トルエンスルホニアミノ)、ア
ミノカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、
例えばメチルアミノカルボニルアミノ、エチルアミノカ
ルボニルアミノ、アニリノカルボニルアミノ、ジメチル
アミノカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基
(好ましくは炭素数1〜20、例えばメチルアミノスル
ホニルアミノ、エチルアミノスルホニルアミノ、アニリ
ノスルホニルアミノ)、アミノ基(アニリノ基を含む、
好ましくは炭素数0〜20、例えばアミノ、メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、
n−ブチルアミノ、アニリノ)、アルコキシ基(好まし
くは炭素数1〜20、例えばメトキシ、エトキシ、イソ
プロポキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ、n−ド
デシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数
6〜20、例えばフェノキシ、m−クロロフェノキシ、
p−メトキシフェノキシ、o−メトキシフェノキシ)、
シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20、例えばト
リメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキ
シ、セシルジメチルシリルオキシ、フェニルジメチルシ
リルオキシ)、ヘテリルオキシ基(好ましくは炭素数3
〜20、例えばテトラヒドロピラニルオキシ、3−ピリ
ジルオキシ、2−(1,3−ベンゾイミダゾリル)オキ
シ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、例
えばメチルチオ、エチルチオ、n−ブチルチオ、t−ブ
チルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜2
0、例えばフェニルチオ)、ヘテリルチオ基(好ましく
は炭素数3〜20、例えば2−ピリジルチオ、2−
(1,3−ベンゾオキサゾリル)チオ、1−ヘキサデシ
ル−1,2,3,4−テトラゾリル−5−チオ、1−
(3−N−オクタデシルカルバモイル)フェニル−1,
2,3,4−テトラゾリル−5−チオ)、ヘテロ環基
(好ましくは炭素数3〜20、例えば2−ベンゾオキサ
ゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−ベ
ンズイミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、1
−ピロリル、2−フラニル、2−ピリジル、3−ピリジ
ル)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素)、ヒドロキ
シ基、ニトロ基、スルファモイル基(好ましくは炭素数
0〜20、例えばメチルスルファモイル、ジメチルスル
ファモイル)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜2
0、例えばメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、ト
ルエンスルホニル)、アゾ基(好ましくは炭素数3〜2
0、例えばp−ニトロフェニルアゾ)、アシルオキシ基
(好ましくは炭素数1〜20、例えばホルミルオキシ、
アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、カルバモイルオ
キシ基(好ましくは炭素数1〜20、例えばメチルカル
バモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ)、イミ
ド基(好ましくは炭素数4〜20、例えば、こはく酸イ
ミド、フタルイミド)、スルフィニル基(好ましくは炭
素数1〜20、例えばジエチルアミノスルフィニル)、
ホスホリル基(好ましくは炭素数0〜20、例えばジア
ミノホスホリル)などが挙げられる。
【0022】本発明のピロロトリアゾールアゾメチン色
素は、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R
8 、R9 の選択の仕方により、様々な色相を持つことが
できる。本発明のピロロトリアゾールアゾメチン色素
は、R7 が電子吸引性の置換基であると、そうでないも
のと比較して吸収波形がシャープとなり、好ましい。そ
して、電子吸引性の程度が強いほど吸収波形はよりシャ
ープになる。この点から、R7 は、アルキル基やアリー
ル基であるよりも、ハメット置換基定数σp 値が0.3
0以上の電子吸引性基であることが好ましい。更には、
ハメット置換基定数σp 値が0.45以上の電子吸引性
基がより好ましく、0.60以上の電子吸引性基が最も
好ましい。
【0023】本発明のピロロトリアゾールアゾメチン色
素は、マゼンタ色素としてよりも、シアン色素として熱
転写色素供与材料に用いられる方が好ましい。尚、本発
明の一般式(I)および(II)で表されるピロロトリア
ゾールアゾメチン色素は、マゼンタ色素として用いるこ
とができる。本発明の色素をシアン色素とするために
は、R7 、R8 のハメット置換基定数σp 値の和が0.
70以上であることが好ましい。このσp 値の和が0.
70未満であると、吸収極大波長がシアン色素としては
短波長であって、人間の目には青色に見え、好ましくな
い。その中でも、R8 のハメット置換基定数σp 値が
0.30以上のものが好ましい。R7 、R8 のσp 値の
和は、2.0以下が好ましい。
【0024】ハメット置換基定数σp 値が0.30以上
の電子吸引性基としては、アシル基、アシルオキシ基、
カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスル
フィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、ハ
ロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲ
ン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルチオ基、2
つ以上のσp 値が0.15以上の電子吸引性基で置換さ
れたアリール基、及び複素環基を挙げることができる。
さらに詳しくは、アシル基(例えば、アセチル、3−フ
ェニルプロパノイル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシ
ベンゾイル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキ
シ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイ
ル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシ
ルオキシエチル)カルバモイル、N−メチル−N−ドデ
シルカルバモイル、N−{3−(2,4−ジ−t−アミ
ルフェノキシ)プロピル}カルバモイル)、アルコキシ
カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオ
キシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデ
シルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基
(例えば、フェノキシカルボニル)、シアノ基、ニトロ
基、アルキルスルフィニル基(例えば、3−フェノキシ
プロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例
えば、3−ペンタデシルフェニルスルフィニル)、アル
キルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタ
ンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベン
ゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、スルファモイ
ル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジ
プロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエ
チル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスル
ファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、ハロ
ゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル、ヘプタ
フロロプロピル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、
トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ
基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、ハロゲン
化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ、1,
1,2,2−テトラフロロエチルチオ)、2つ以上のσ
p 値が0.15以上の他の電子吸引性基で置換されたア
リール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、2,
4,6−トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニ
ル)、複素環基(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2
−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダ
ゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、1−ピロリ
ル)を挙げることができる。
【0025】ハメット置換基定数σp 値が0.45以上
の電子吸引性基としては、アシル基(例えば、アセチ
ル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、アルコ
キシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル)、ア
リールオキシカルボニル基(例えば、m−クロロフェノ
キシカルボニル)、シアノ基、ニトロ基、アルキルスル
フィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル)、ア
リールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニ
ル)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニ
ル、n−オクタンスルホニル)、アリールスルホニル基
(例えば、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニ
ル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファ
モイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲン
化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げるこ
とができる。ハメット置換基定数σp 値が0.60以上
の電子吸引性基としては、シアノ基(0.66)、ニト
ロ基(0.78)、メタンスルホニル基(0.72)を
例として挙げることができる。
【0026】R7 、R8 のσp 値の和が0.70以上の
組み合わせとしては、R7 がシアノ基、アルコキシカル
ボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、ハロゲン化アルキル基から選ばれ、R8 がアシル
基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファ
モイル基、ハロゲン化アルキル基から選ばれる組み合わ
せが好ましい。
【0027】本発明の熱転写色素供与材料に用いられる
ピロロトリアゾールアゾメチン色素の好ましいR1 〜R
9 、Xの組み合わせは、一般式(I)で表される構造で
あって;R2 、R3 、R4 がすべて水素原子であり;R
1 が水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1
〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、
臭素)、炭素数1〜10のアシルアミノ基、炭素数1〜
10のアミノカルボニルアミノ基、又は炭素数1〜10
のアルコキシカルボニルアミノ基であり;Xが−NR5
6 であり;R5 およびR6 は各々独立に炭素数1〜1
0の置換されていてもよいアルキル基であり;R7 およ
びR8 は、各々独立に、ハメット置換基定数σp 値が
0.30以上の電子吸引性基であり;R9 は炭素数1〜
10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基で
ある。そして、シアン色素として用いるときは、上記の
ものの中でも、R7 とR8 のハメット置換基定数σp
の和が0.70以上のものが好ましく、更にはσp 値の
和が1.00以上のものが好ましい。本発明の色素の最
も好ましいものは、一般式(I)で表される構造であっ
て;R2 、R3 、R4 が水素原子であり;R1 が水素原
子、又はメチル基であり;Xが−NR5 6 であり;R
5 、R6 が各々独立に炭素数1〜5のアルキル基であ
り;R7 がシアノ基であり;R8 がアルコキシカルボニ
ル基であり;R9 がアリール基である。
【0028】ここで、本明細書中で用いられるハメット
の置換基定数について若干説明する。ハメット則はベン
ゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定
量的に論ずるために1935年L.P.Hammett
により提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当
性が認められている。ハメット則により求められた置換
基定数にはσp 値とσm 値があり、これらの値は多くの
一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.
A.Dean編、「Lange’s Handbook
of Chemistry」第12版、1979年
(McGraw−Hill)や「化学の領域」増刊、1
22号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳し
い。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基
定数σp により限定したり、説明したりするが、これは
上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にの
み限定されるという意味ではなく、その値が文献未知で
あってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲
内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでも
ない。今後、σp 値、σm 値はこの意味を表わす。
【0029】本発明の色素は、色素分子内に褪色を抑制
する効果を持った原子団を有していてもよい。画像の堅
牢性が高いことが求められる場合には特に好ましい。褪
色を抑制する効果を持った原子団は、色素のR1
2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 のど
の部位に結合していてもよい。褪色を抑制する効果を持
った原子団としては、特開平3−205189号公報に
記載のものすべてが使用可能である。褪色を抑制する効
果を持った原子団の具体例を以下に挙げるが、本発明は
これにより限定されるものではない。
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】本発明の色素の中でも、一般式(I)およ
び(II)で表わされるものの方が、一般式(III)および
(IV)で表わされる色素より、合成が容易であり、光熱
堅牢性が高く、好ましい。
【0042】本発明の熱転写色素供与材料に用いられる
色素の具体例を記す。これらは、本発明を詳しく説明す
るためのものであって、これらにより本発明は限定され
ない。
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】
【化19】
【0046】
【化20】
【0047】
【化21】
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】
【化24】
【0051】
【化25】
【0052】
【化26】
【0053】
【化27】
【0054】
【化28】
【0055】
【化29】
【0056】
【化30】
【0057】
【化31】
【0058】
【化32】
【0059】
【化33】
【0060】
【化34】
【0061】
【化35】
【0062】本発明の色素は、下記カプラーA、B、C
およびDと下記現像主薬Eとを酸化カップリングさせて
合成する。
【0063】
【化36】
【0064】
【化37】
【0065】上記式中、Qは、水素原子あるいはカップ
リング反応中に脱離する脱離基である。もちろん、カプ
ラーA、B、CおよびDはその互変異性体でもよい。あ
るいは、本発明の色素は、上記カプラーA、B、Cおよ
びDと下記化合物Fとを脱水縮合させて合成する。
【0066】
【化38】
【0067】この場合、Qは水素原子である。
【0068】次に本発明の色素の合成例を示し、合成法
を説明する。 (合成例1) 化合物19の合成
【0069】
【化39】
【0070】工程−1 化合物G(10g)、エタノール(30ml)、濃塩酸
(29.5g)を5℃で撹拌しているところへ亜硝酸ナ
トリウム(2.2g)を加えて2時間撹拌し化合物Gの
ジアゾ液を調製した。ニトロエタン(4.37g)、水
酸化ナトリウム(14.0g)、エタノール(100m
l)、水(50ml)を5℃で30分撹拌した。そこ
へ、上記化合物Gのジアゾ液を滴下した。反応液は、赤
色に変わった。30分反応させた後、水(100m
l)、濃塩酸を適量加えて反応液のpHを2にしたとこ
ろ、赤色の結晶が析出した。結晶を濾過した後、水洗、
乾燥を行い、化合物Hを11.0g(95.5%)得
た。
【0071】工程−2 化合物H(10.0g)、メタノール(500ml)、
28重量%ナトリウムメチラート(5.1g)を15℃
で5時間撹拌した。その後、濃塩酸を加え、反応液のp
Hを2にしたところ、結晶が析出した。結晶を濾過、水
洗、乾燥し、化合物Iを3.5g(38.2%)得た。
【0072】工程−3 化合物I(2.5g)、塩化メチレン(100ml)、
トリエチルアミン(4.6ml)を20℃で撹拌してい
るところへ、N−ブロモこはく酸イミド(1.28g)
とN,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン−硫酸塩
(1.89g)を交互に添加した。30分反応後、薄層
クロマトグラフィーでチェックを行ったところ、化合物
Iはすべて消失していた。その後、水(500ml)、
酢酸エチル(500ml)を加え、抽出を行い、分液、
乾燥、濃縮を行った。濃縮物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーを用い精製して、化合物19を0.50g
(23.1%)得た。酢酸エチル中での吸収極大は63
6nmであった。半値巾は84nmであった。
【0073】本発明の熱移行性色素は、支持体上の色素
供与層に含有させられ、熱転写色素供与材料とされ、熱
転写方式の画像形成に用いられる。次に本発明の熱移行
性色素を熱転写方式の画像形成に用いた場合について、
以下に詳しく述べる。通常フルカラーの画像を構成する
ためには、イエロー、マゼンタ、シアン3色の色素が必
要である。そこで、本発明の化合物をシアン色素又はマ
ゼンタ色素として用い、他の2色を公知の色素から選択
して、フルカラーの画像形成を行うことができる。又、
本発明の色素から、シアン色とマゼンタ色の2種の色素
を用い、イエロー色素は公知の色素から選択して使用し
てもよい。同一の色について、本発明の色素と従来公知
の色素とを混合して使用してもよい。また本発明の色素
の2種以上を同一の色として混合して使用してもよい。
【0074】本発明の色素は、単独では吸収がシャープ
すぎるものがあり、色像の色再現上不利である。そこ
で、本発明の色素の1種と、吸収極大波長の異なる他の
色素を混合して使用することが色再現上好ましい。この
ように混合使用される2種の色素は、その吸収極大波長
が互いに異なるものであればよい。従って、吸収極大波
長が互いに異なるものであれば、本発明の一般式
(I)、(II)、(III)および(IV)に包含される2種
の色素を混合使用することもできる。詳しく述べると、
吸収極大波長が650nm程度の本発明の色素の場合、
マゼンタ色素の吸収との間が大きくなり、純度の高い青
色の再現が不利になってしまう。一方、吸収極大波長が
620nm程度の本発明の色素の場合、650nmより
長波長側の吸収が少なく、黒色を再現するためにシアン
色素の使用量を多くせねばならず、本発明の色素の利点
である高ε(モル吸収係数)を生かすことができない。
更に、画像のグレーのバランスに与える照射光の依存性
が大きくなるという欠点もある。本発明において、吸収
極大波長が互いに異なるとは、2種の色素の吸収極大波
長が5nm以上離れていることをいう。そして、2種の
色素の吸収極大波長の差が10〜50nmである色素の
組み合わせが目的を達成するために好ましい。また、本
発明の色素は、単独で熱転写色素供与材料に用いると、
熱転写色素供与材料の保存性(色素結晶の析出)あるい
は熱転写色素受像材料上で形成された画像の保存性(経
時でのブリード)に問題があるものもあった。そこで、
本発明の色素を1種と、構造の異なる他の色素を少なく
とも1種混合して用いると上記の問題点が解決され、好
ましい。このような保存性改良の目的で混合使用される
2種の色素は、その構造が互いに異なるものであればよ
い。従って、構造が互いに異なるものであれば、本発明
の一般式(I)、(II)、(III)および(IV)に包含さ
れる2種の色素を混合使用することもできる。本発明の
色素と他の色素を混合して用いる場合、その使用比率は
任意の比率で良い。色像の色再現を改良する目的で、吸
収極大波長が互いに異なる2種の色素を混合使用する場
合には、混合して出来上がった吸収特性が、いわゆる画
像形成用色素に要求されるブロッキング色素の吸収特性
になるべく近くなるような色素混合比を選択すればよ
い。一方、色像の経時での保存性を改良する目的で、構
造の互いに異なる2種の色素を混合使用する場合には、
2種の色素の混合物の融点が最も低くなる混合比あるい
は2種の色素の溶媒(例えば、酢酸エチル、メチルエチ
ルケトンなど)に対する溶解度が最も高くなる混合比を
選択すればよい。色再現の改良あるいは保存性の改良の
どちらを目的としても、最も適した混合比は、通常重量
比で1:3〜3:1の範囲になることが多く、そのため
色素の混合比としては重量比で1:3〜3:1の範囲が
好ましい。色素を3種以上混合する場合でも、上記の2
種を混合する場合と同様に考えて、好ましい混合比を選
択することができる。
【0075】本発明の熱移行性色素の使用法について述
べる。熱転写色素供与材料はシート状または連続したロ
ール状もしくはリボン状で使用できる。本発明のシアン
色素やマゼンタ色素およびそれと組み合わせて用いられ
るイエローの各色素は、通常各々独立な領域を形成する
ように支持体上に配置される。例えば、イエロー色素領
域、マゼンタ色素領域、シアン色素領域を面順次もしく
は線順次に一つの支持体上に配置する。また、上記のイ
エロー色素、マゼンタ色素、シアン色素を各々別々の支
持体上に設けた3種の熱転写色素供与材料を用意し、こ
れらから順次一つの熱転写受像材料に色素の熱転写を行
うこともできる。本発明のシアン色素やマゼンタ色素お
よびそれと組み合わせて用いられるイエローの各色素
は、各々バインダー樹脂と共に適当な溶剤に溶解または
分散させて支持体上に塗布するか、あるいはグラビア法
などの印刷法により支持体上に印刷することができる。
これらの色素を含有する色素供与層の厚みは乾燥膜厚で
通常約0.2〜5μm、特に0.4〜2μmの範囲に設
定するのが好ましい。色素の塗布量は0.03〜1.0
g/m2 が好ましい。その中でも、0.1〜0.6g/
2 が更に好ましい。
【0076】上記の色素と共に用いるバインダー樹脂と
しては、このような目的に従来公知であるバインダー樹
脂のいずれも使用することができ、通常耐熱性が高く、
しかも加熱された場合に色素の移行を妨げないものが選
択される。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアク
リル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、ポリア
クリルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニトリ
ル)、ポリビニルピロリドンを始めとするビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例
えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、セルロースアセテート水素フタレー
ト、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースト
リアセテート)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルブチラールなどの部分ケン化ポリビニルアルコー
ル)、石油系樹脂、ロジン誘導体、クマロン−インデン
樹脂、テルペン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン)などが用いられ
る。本発明においてこのようなバインダー樹脂は、例え
ば色素100重量部当たり約20〜600重量部の割合
で使用するのが好ましい。
【0077】本発明において、上記の色素およびバイン
ダー樹脂を溶解または分散するためのインキ溶剤として
は、従来公知のインキ溶剤がいずれも使用できる。熱転
写色素供与材料の支持体としては従来公知のものがいず
れも使用できる。例えばポリエチレンテレフタレート、
ポリアミド、ポリカーボネート、グラシン紙、コンデン
サー紙、セルロースエステル、弗素ポリマー、ポリエー
テル、ポリアセタール、ポリオレフィン、ポリイミド、
ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリス
ルフォン、セロファン等が挙げられる。熱転写色素供与
材料の支持体の厚みは、一般に2〜30μmである。
【0078】サーマルヘッドが色素供与材料に粘着する
のを防止するためにスリッピンク層を設けてもよい。こ
のスリッピング層はポリマーバインダーを含有したある
いは含有しない潤滑物質、例えば界面活性剤、固体ある
いは液体潤滑剤またはこれらの混合物から構成される。
色素供与材料には背面より印字するときにサーマルヘッ
ドの熱によるスティッキングを防止し、滑りをよくする
意味で、支持体の色素供与層を設けない側にスティッキ
ング防止処理を施すのがよい。例えば、ポリビニルブ
チラール樹脂とイソシアネートとの反応生成物、リン
酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属
塩、および充填剤を主体とする耐熱スリップ層を設け
るのがよい。ポリビニルブチラール樹脂としては分子量
が6万〜20万程度で、ガラス転移点が80〜110℃
であるもの、またイソシアネートとの反応サイトが多い
観点からビニルブチラール部分の重量%が15〜40%
のものがよい。リン酸エステルのアルカリ金属塩または
アルカリ土類金属塩としては東邦化学製のガファックR
D720などが用いられ、ポリビニルブチラール樹脂に
対して1〜50重量%、好ましくは10〜40重量%程
度用いるとよい。耐熱スリップ層は下層に耐熱性を伴う
ことが望ましく、加熱により硬化しうる合成樹脂とその
硬化剤の組合せ、例えばポリビニルブチラールと多価イ
ソシアネート、アクリルポリオールと多価イソシアネー
ト、酢酸セルロースとチタンキレート剤、もしくはポリ
エステルと有機チタン化合物などの組合せを塗布により
設けるとよい。
【0079】色素供与材料には色素の支持体方向への拡
散を防止するための親水性バリヤー層を設けることもあ
る。親水性の色素バリヤー層は、意図する目的に有用な
親水性物質を含んでいる。一般に優れた結果がゼラチ
ン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(イソプロピルアク
リルアミド)、メタクリル酸ブチルグラフトゼラチン、
メタクリル酸エチルグラフトゼラチン、モノ酢酸セルロ
ース、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、
ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ
(ビニルアルコール)とポリ(酢酸ビニル)との混合
物、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(アクリル酸)と
の混合物またはモノ酢酸セルロースとポリ(アクリル
酸)との混合物を用いることによって得られる。特に好
ましいものは、ポリ(アクリル酸)、モノ酢酸セルロー
スまたはポリ(ビニルアルコール)である。
【0080】色素供与材料には下塗り層を設けてもよ
い。本発明では所望の作用をすればどのような下塗り層
でもよいが、好ましい具体例としては、(アクリロニト
リル/塩化ビニリデン/アクリル酸)共重合体(重量比
14:80:6)、(アクリル酸ブチル/メタクリル酸
−2−アミノエチル/メタクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル)共重合体(重量比30:20:50)、線状/飽
和ポリエステル例えばボスティック7650(エムハー
ト社、ボスティック・ケミカル・グループ)まはた塩素
化高密度ポリ(エチレン−トリクロロエチレン)樹脂が
挙げられる。下塗り層の塗布量には特別な制限はない
が、通常0.1〜2.0g/m2 の量で用いられる。
【0081】本発明においては、熱転写色素供与材料を
熱転写受像材料と重ね合わせ、いずれかの面から、好ま
しくは熱転写色素供与材料の裏面から、例えばサーマル
ヘッド等の加熱手段により画像情報に応じた熱エネルギ
ーを与えることにより、色素供与層の色素を熱転写受像
材料に加熱エネルギーの大小に応じて転写することがで
き、優れた鮮明性、解像性の階調のあるカラー画像を得
ることができる。また褪色防止剤も同様にして転写でき
る。加熱手段はサーマルヘッドに限らず、レーザー光
(例えば半導体レーザー)、赤外線フラッシュ、熱ペン
などの公知のものが使用できる。この熱源にレーザーを
用いる方法の場合は、熱転写色素供与材料に、レーザー
光を強く吸収する材料を含有することが好ましい。熱転
写色素供与材料にレーザー光を照射すると、この吸収性
材料が光エネルギーを熱エネルギーに変換し、すぐ近く
の色素にその熱を伝達し、色素が熱転写受像材料に転写
する温度まで加熱される。この吸収性材料は色素の下部
に層を成して存在し、及び/又は色素と混合される。本
プロセスの更に詳しい説明は、英国特許2,083,7
26A号に記載されている。上記のレーザーとしては、
アルゴンやクリプトンのようなイオンガスレーザー、
銅、金およびカドミウムのような金属蒸気レーザー、ル
ビーやYAGのような固体レーザー、又は750〜87
0nmの赤外域で放出するガリウム−ヒ素のような半導
体レーザー等の数種のレーザーが使用可能である。その
中でも、小型、低コスト、安定性、信頼性、耐久性及び
変調の容易さの点で半導体レーザーが好ましい。その具
体例としては、例えばスペクトロダイオードラボ(Sp
ectrodiode Labs)製のレーザーモデル
SDL−2420−H2(登録商標)、またはソニー社
製のレーザーモデルSLD−304v/w(登録商標)
が挙げられる。
【0082】本発明において、熱転写色素供与材料は熱
転写受像材料と組合せることにより、熱印字方式の各種
プリンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気
記録方式、光磁気記録方式、光記録方式等による画像の
プリント作成、テレビジョン、CRT画面からのプリン
ト作成等に利用できる。熱転写記録方法の詳細について
は、特開昭60−34895号の記載を参照できる。
【0083】本発明の熱転写色素供与材料と組合わせて
用いられる熱転写受像材料は支持体上に色素供与材料か
ら移行してくる色素を受容する受像層を設けたものであ
る。この受像層は、印字の際に熱転写色素供与材料から
移行してくる熱移行性色素を受け入れ、熱移行性色素が
染着する働きを有している熱移行性色素を受容しうる物
質を単独で、またはその他のバイダー物質とともに含ん
でいる厚み0.5〜50μm程度の被膜であることが好
ましい。熱移行性色素を受容しうる物質の代表例である
ポリマーとしては次のような樹脂が挙げられる。
【0084】(イ)エステル結合を有するもの テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸などのジカルボ
ン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸
基、カルボキシル基などが置換していてもよい)と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール
Aなどの縮合により得られるポリエステル樹脂:ポリメ
チルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ
メチルアクリレート、ポリブチルアクリレートなどのポ
リアクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エス
テル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ポリ酢酸ビニル樹
脂:スチレンアクリレート樹脂:ビニルトルエンアクリ
レート樹脂など。具体的には特開昭59−101395
号、同63−7971号、同63−7972号、同63
−7973号、同60−294862号に記載のものを
挙げることができる。また、市販品としては東洋紡製の
バイロン290、バイロン200、バイロン280、バ
イロン300、バイロン103、バイロンGK−14
0、バイロンGK−130、花王製のATR−200
9、ATR−2010などが使用できる。 (ロ)ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂など。 (ハ)アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂など。 (ニ)尿素結合を有するもの 尿素樹脂など。 (ホ)スルホン結合を有するもの ポリスルホン樹脂など。 (ヘ)その他極性の高い結合を有するもの ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂な
ど。 上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あるい
は共重合体なども使用できる。
【0085】熱転写受像材料中、特に受像層中には、熱
移行性色素を受容しうる物質として、または色素の拡散
助剤として高沸点有機溶剤または熱溶剤を含有させるこ
とができる。高沸点有機溶剤および熱溶剤の具体例とし
ては特開昭62−174754号、同62−24525
3号、同61−209444号、同61−200538
号、同62−8145号、同62−9348号、同62
−30247号、同62−136646号に記載の化合
物を挙げることができる。熱転写受像材料の受像層は、
熱移行性色素を受容しうる物質を水溶性バインダーに分
散して担持する構成としてもよい。この場合に用いられ
る水溶性バインダーとしては公知の種々の水溶性ポリマ
ーを使用しうるが、硬膜剤により架橋反応しうる基を有
する水溶性のポリマーが好ましい。受像層は2層以上の
層で構成してもよい。その場合、支持体に近い方の層に
はガラス転移点の低い合成樹脂を用いたり、高沸点有機
溶剤や熱溶剤を用いて色素に対する染着性を高めた構成
にし、最外層にはガラス転移点のより高い合成樹脂を用
いたり、高沸点有機溶剤や熱溶剤の使用量を必要最小限
にするかもしくは使用しないで表面のベタツキ、他の物
質との接着、転写後の他の物質への再転写、熱転写色素
供与材料とのブロッキング等の故障を防止する構成にす
ることが望ましい。受像層の厚さは全体で0.5〜50
μm、特に3〜30μmの範囲が好ましい。2層構成の
場合最外層は0.1〜2μm、特に0.2〜1μmの範
囲にするのが好ましい。受像層は、所望により、色素固
定剤を含有してもよい。色素固定剤としては、特開平3
−83685号に記載されている媒染剤や特開平1−1
88391号に記載のものがいずれも使用可能である。
特に、本発明の色素のXの部分が−OHであるとき、好
ましい結果を得ることができる。
【0086】熱転写受像材料は、支持体と受像層の間に
中間層を有してもよい。中間層は構成する材質により、
クッション層、多孔層、色素の拡散防止層のいずれか又
はこれらの2つ以上の機能を備えた層であり、場合によ
っては接着剤の役目も兼ねている。色素の拡散防止層
は、特に熱移行性色素が支持体に拡散するのを防止する
役目を果たすものである。この拡散防止層を構成するバ
インダーとしては、水溶性でも有機溶剤可溶性でもよい
が、水溶性のバインダーが好ましく、その例としては前
述の受像層のバインダーとして挙げた水溶性バインダ
ー、特にゼラチンが好ましい。多孔層は、熱転写時に印
加した熱が受像層から支持体へ拡散するのを防止し、印
加された熱を有効に利用する役目を果たす層である。熱
転写受像材料を構成する受像層、クッション層、多孔
層、拡散防止層、接着層等には、シリカ、クレー、タル
ク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼオライト、酸
化亜鉛、リトポン、酸化チタン、アルミナ等の微粉末を
含有させてもよい。
【0087】熱転写受像材料に用いる支持体は転写温度
に耐えることができ、平滑性、白色度、滑り性、摩擦
性、帯電防止性、転写後のへこみなどの点で要求を満足
できるものならばどのようなものでも使用できる。例え
ば、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系などの
合成紙)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコー
ト紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含
浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板
紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィンコート紙(特に
ポリエチレンで両側を被覆した紙)などの紙支持体、ポ
リオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリスチレンメタクリレート、ポリカーボネー
ト等の各種のプラスチックフィルムまたはシートとこの
プラスチックに白色反射性を与える処理をしたフィルム
またはシート、また上記の任意の組合せによる積層体も
使用できる。
【0088】熱転写受像材料には蛍光増白剤を用いても
よい。その例としては、K.Veenkatarama
n編「The Chemistry of Synth
etic Dyes」第V巻第8章、特開昭61−14
3752号などに記載されている化合物を挙げることが
できる。より具体的には、スチルベン系化合物、クマリ
ン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリル
系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合
物、カルボスチリル系化合物、2,5−ジベンゾオキサ
ゾールチオフェン系化合物などが挙げられる。蛍光増白
剤は褪色防止剤と組み合わせて用いることができる。
【0089】本発明において、熱転写色素供与材料と熱
転写受像材料との離型性を向上させるために、色素供与
材料及び/又は受像材料を構成する層中、特に好ましく
は両方の材料が接触する面に当たる最外層に離型剤を含
有させるのが好ましい。離型剤としては、ポリエチレン
ワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形
あるいはワックス状物質:弗素系、リン酸エステル系等
の界面活性剤:パラフィン系、シリコーン系、弗素系の
オイル類等、従来公知の離型剤がいずれも使用できる
が、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイ
ルとしては、無変性のもの以外にカルボキシ変性、アミ
ノ変性、エポキシ変性等の変性シリコーンオイルを用い
ることができる。その例としては、信越シリコーン
(株)発行の「変性シリコーンオイル」技術資料の6〜
18B頁に記載の各種変性シリコーンオイルを挙げるこ
とができる。有機溶剤系のバインダー中に用いる場合
は、このバインダーの架橋剤と反応しうる基(例えばイ
ソシアネートと反応しうる基)を有するアミノ変性シリ
コーンオイルが、また水溶性バインダー中に乳化分散し
て用いる場合は、カルボキシ変性シリコーンオイル(例
えば信越シリコーン(株)製:商品名X−22−371
0)が有効である。
【0090】本発明に用いる熱転写色素供与材料および
熱転写受像材料を構成する層は硬膜剤によって硬化され
ていてもよい。有機溶剤系のポリマーを硬化する場合に
は、特開昭61−199997号、同58−21539
8号等に記載されている硬膜膜が使用できる。ポリエス
テル樹脂に対しては特にイソシアネート系の硬膜剤の使
用が好ましい。水溶性ポリマーの硬化には、米国特許第
4,678,739号第41欄、特開昭59−1166
55号、同62−245261号、同61−18942
号等に記載の硬膜剤が使用に適している。より具体的に
は、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、ア
ジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤(下記化40の化
合物など)、
【0091】
【化40】
【0092】ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エチ
レン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンな
ど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素な
ど)、あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−23415
7号などに記載の化合物) が挙げられる。
【0093】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
褪色防止剤を用いてもよい。褪色防止剤としては、例え
ば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯
体がある。酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合
物、クマラン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒ
ンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒン
ダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物がある。
また、特開昭61−159644号記載の化合物も有効
である。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系
化合物(米国特許第3,533,794号など)、4−
チアゾリドン系化合物(米国特許第3,352,681
号など) 、ベンゾフェノン系化合物(特開昭56−27
84号など)、その他特開昭54−48535号、同6
2−136641号、同61−88256号等に記載の
化合物がある。また、特開昭62−260152号記載
の紫外線吸収性ポリマーも有効である。金属錯体として
は、米国特許第4,241,155号、同第4,24
5,018号第3〜36欄、同第4,254,195号
第3〜8欄、特開昭62−174741号、同61−8
8256号(27)〜(29)頁、特開平1−7556
8号、特開昭63−199248号等に記載されている
化合物がある。有用な褪色防止剤の例は特開昭62−2
15272号(125)〜(137)頁に記載されてい
る。受像材料に転写された色素の褪色を防止するための
褪色防止剤は予め受像材料に含有させておいてもよい
し、色素供与材料から転写させるなどの方法で外部から
受像材料に供給するようにしてもよい。上記の酸化防止
剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組み合わせ
て使用してもよい。
【0094】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防
止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用するこ
とができる。例えば、サポニン(ステロイド系)、アル
キレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリ
エチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリ
エチレングリコールエステル類、ポリエチレングリコー
ルソルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールア
ルキルアミンまたはアミド類、シリコーンのポリエチレ
ンオキサイド付加物類)、グリシドール誘導体(例えば
アルケニルコハク酸ポリグリセリド、アルキルフェノー
ルポリグリセリド)、多価アルコールの脂肪酸エステル
類、糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性
剤:アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル
類、アルキルリン酸エステル類、N−アシル−N−アル
キルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、スルホア
ルキルポリエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリ
オキシエチレンアルキルリン酸エステル類などのカルボ
キシ基、スルホ基、フォスホ基、硫酸エステル基、リン
酸エステル基等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤:
アミノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアル
キル硫酸あるいはリン酸エステル類、アルキルべタイン
類、アミンオキシド類などの両性界面活性剤:アルキル
アミン塩類、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム
塩類、ピリジニウム、イミダゾリウムなどの複数環第4
級アンモニウム塩類、および脂肪族あるいは複数環を含
むフォスフォニムあるいはスルホニウム塩類などのカチ
オン性界面活性剤を用いることができる。これらの具体
例は特開昭62−173463号、同62−18345
7号等に記載されている。また、熱移行性色素を受容し
うる物質、離型剤、褪色防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増
白剤その他の疎水性化合物を水溶性バインダー中に分散
する際には、分散助剤として界面活性剤を用いるのが好
ましい。この目的のためには、上記の界面活性剤の他
に、特開昭59−157636号の37〜38頁に記載
の界面活性剤が特に好ましく用いられる。
【0095】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目
的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有機フルオ
ロ化合物の代表例としては、特公昭57−9053号第
8〜17欄、特開昭61−20944号、同62−13
5826号等に記載されているフッ素系界面活性剤、ま
たはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物もしくは四
フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂など
の疎水性フッ素化合物が挙げられる。
【0096】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
マット剤を用いることができる。マット剤としては二酸
化ケイ素、ポリオレフィンまたはポリメタクリレートな
どの特開昭61−88256号(29)頁記載の化合物
の他に、ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネー
ト樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−27
4944号、同63−274952号記載の化合物があ
る。
【0097】
【実施例】
実施例1 (熱転写色素供与材料(1−1)の作成)支持体として
裏面に耐熱滑性処理が施された厚さ6μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを使用し、フィルムの表面上
に下記組成の熱転写色素供与層用塗料組成物をワイヤー
バーコーティングにより乾燥時の厚みが1.5μmとな
るように塗布形成し、熱転写色素供与材料(1−1)を
作成した。 熱転写色素供与層用塗料組成物: 色素4 10ミリモル ポリビニルブチラール樹脂(電気化学製デンカブチラール 5000−A) 3g トルエン 40cc メチルエチルケトン 40cc ポリイソシアネート(武田薬品製タケネートD110N) 0.2cc 次に上記色素4を表1に記載の他の色素に変えた以外は
上記と同様にして、本発明の熱転写色素供与材料及び比
較用熱転写色素供与材料(1−2)〜(1−16)をそ
れぞれ作成した。
【0098】(熱転写受像材料の作成)支持体として厚
み150μmの合成紙(王子油化製、YUPO−FPG
−150)を用い、表面に下記組成の受像層用塗料組成
物をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚さが8
μmとなるように塗布して熱転写受像材料を作成した。
乾燥はドライヤーで仮乾燥後、温度100℃のオーブン
中で30分間行った。 受像層用塗料組成物: ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン−280) 22g ポリイソシアネート(大日本インキ化学製KP−90) 4g アミノ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製 KF−857) 0.5g メチルエチルケトン 85cc トルエン 85cc シクロヘキサノン 15cc
【0099】上記のようにして得られた熱転写色素供与
材料(1−1)〜(1−16)と熱転写受像材料とを、
熱転写色素供与層と受像層とが接するようにして重ね合
わせ、熱転写色素供与材料の支持体側からサーマルヘッ
ドを使用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドッ
ト、パルス巾0.15〜15ミリ秒、ドット密度6ドッ
ト/mmの条件で印字を行い、受像材料の受像層にシア
ンもしくはマゼンタ色の色素を像状に染着させたとこ
ろ、転写むらのない鮮明な画像記録が得られた。次に、
上記のようにして得られた記録済の各熱転写受像材料を
7日間、17,000ルクスの蛍光灯に照射し、色像の
安定性を調べた。ステータスA反射濃度1.0を示す部
分の照射後のステータスA反射濃度を測定し、照射前の
反射濃度1.0に対する残存率(百分率)でその安定度
を評価した。結果を表1に記した。
【0100】
【化41】
【0101】
【表1】
【0102】以上の結果から、本発明の色素由来の色像
は、従来公知のアゾメチン色素aおよびb由来の色像と
比較して、光堅牢性が高いことが明らかである。
【0103】実施例2 実施例1の熱転写色素供与層用塗料組成物の色素4に変
えて、表2に示した色素を用いて、熱転写色素供与材料
(2−1)〜(2−12)を作成した。実施例1で作成
した受像材料を用いて印字を行ったところ、いずれの場
合も転写むらのない鮮明な画像記録が得られ、濃度が高
かった。また光堅牢性も優れていた。
【0104】
【表2】
【0105】実施例3 実施例1の熱転写色素供与層用塗料組成物のポリビニル
ブチラール樹脂と色素に変えて、表3に示した樹脂と色
素を用いて、熱転写色素供与材料(3−1)、(3−
2)、(3−3)を作成した。実施例1と同様の受像材
料を用いて印字を行ったところ、表3に示すように転写
むらのない鮮明な画像記録が得られた。また光堅牢性も
優れていた。
【0106】
【表3】
【0107】以下に、他の熱転写受像材料と本発明の上
記熱転写色素供与材料との組合せについての実施例4〜
8を示す。 実施例4 (熱転写受像材料の作製)支持体として厚み150μm
の合成紙(王子油化製:YUPO−FPG−150)を
用い、表面に下記組成の受像層用塗料組成物を、ワイヤ
ーバーコーティングにより乾燥時の厚みが10μmとな
るように塗布して熱転写受像材料を作製した。乾燥はド
ライヤーで仮乾燥後、温度100℃のオーブン中で30
分間行った。 受像層用塗布組成物: ポリエステル樹脂No.1(下記化42の化合物) 2.0g アミノ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製 KF−857) 0.5g エポキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製 KF−100T) 0.5g メチルエチルケトン 85cc トルエン 85cc シクロヘキサノン 30cc
【0108】
【化42】
【0109】実施例1および実施例2の本発明の色素を
用いた熱転写色素供与材料と組み合せて印字を行なった
ところ、鮮明な画像記録が得られた。また、光堅牢性も
優れていた。
【0110】実施例5 (熱転写受像材料の作製)200μmの紙の両面にそれ
ぞれ15μm、25μmの厚みにポリエチレンをラミネ
ートしたレジンコート紙を用意し、15μm厚みのラミ
ネートされた面に下記組成の受像層用塗料組成物をワイ
ヤーバーコティングで乾燥厚み10μmになるように塗
布し、乾燥して熱転写受像材料を作製した。 受像層用塗料組成物: ポリエステル樹脂No.1(前記化42の化合物) 25g アミノ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製 KF−857) 0.8g ポリイソシアネート(大日本インキ化学製KP−90) 4g メチルエチルケトン 100cc トルエン 100cc 実施例1と同様にして印字したところ、鮮明で濃度の高
い画像記録が得られた。また、光堅牢性も優れていた。
【0111】実施例6 (熱転写受像材料の作製)下記(A′)の組成のゼラチ
ン水溶液中に(B′)の組成の色素受容性ポリマーの有
機溶剤溶液をホモジナイザーで乳化分散し色素受容性物
質のゼラチン分散液を調製した。 (A′)ゼラチン水溶液: ゼラチン 2.3g ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(5%水溶液) 20cc 水 80cc (B′)色素受容性ポリマー溶液: ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン300) 7.0g カルボキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製 X−22−3710) 0.7g メチルエチルケトン 20cc トルエン 10cc トリフェニルフォスフェート 1.5g このようにして調製した分散物に、下記化43で表され
るフッ素系界面活性剤(a)の0.5gを水/メタノー
ル(1:1)の混合溶媒10ccに溶解した溶液を添加
し、受像層用塗料組成物を得た。
【0112】
【化43】
【0113】この塗料組成物を、表面にコロナ放電した
厚み150μmの合成紙(王子油化製:YUPO−SG
G−150)上にワイヤーバーコーティング法によりウ
ェット膜厚75μmとなるように塗布し、乾燥して、熱
転写受像材料を得た。実施例1及び2の本発明の色素を
用いた熱転写色素供与材料と上記熱転写受像材料とを用
いて、実施例1と同様に画像の記録を行った。得られた
画像は濃度が高く、鮮明であり堅牢性も高かった。
【0114】実施例7 (熱転写受像材料の作製)次の受像層用塗料組成物を用
いて、実施例1と同様に、熱転写受像材料を作製した。 受像層用塗料組成物:下記下記化44で表される紫外線
吸収剤7gを加える以外は、実施例1の受像層用塗料組
成物と同じ組成である。
【0115】
【化44】
【0116】実施例1及び2の本発明の色素を用いた熱
転写色素供与材料を用いて、実施例1と同様に印字した
ところ、鮮明で濃度の高い画像が得られた。堅牢性も実
施例1の受像材料を用いたときと比較して高くなってい
た。
【0117】実施例8 実施例1の熱転写色素供与層用塗料組成物の色素4(1
0ミリモル)に変えて、表4に示した2種の色素(各5
ミリモル)を用いて、熱転写色素供与材料(8−1)〜
(8−15)を作成した。また、表4に示した1種の色
素(10ミリモル)を用いて、熱転写色素供与材料(8
−16)、(8−17)を作成した。作成した熱転写色
素供与材料の保存安定性を調べるために、50℃、ドラ
イ条件のオーブンで1週間保存し、熱安定性を試験し
た。評価基準は以下のとおりである。 ○ : 色素の凝集・結晶化が顕微鏡で見ても、全く観
察されない。 △ : 色素の凝集または結晶化が顕微鏡でわずかに観
察される。 × : 一面に色素が凝集または結晶化しているのが目
視で観察される。 結果を表4に示した。
【0118】
【表4】
【0119】
【化45】
【0120】
【化46】
【0121】尚、色素aは実施例1に記載したものと同
一である。No. 16及びNo. 17とNo. 1〜15
との比較から明らかなように、本発明の色素は、単独で
熱転写色素供与材料に用いられるよりも、色素を混合し
て用いられる方が、熱転写色素供与材料の保存安定性が
良く、好ましいことがわかる。
【0122】更に、実施例1の熱転写色素受像材料と、
熱安定性試験後の熱転写色素供与材料(8−1)〜(8
−17)を用いて、実施例1と同様に印字したところ、
本発明の熱転写色素供与材料(8−1)〜(8−16)
はいずれも転写むらのない鮮明な画像記録が得られた。
一方、比較例の熱転写色素供与材料(8−17)は画像
にむらがあった。
【0123】実施例9 本発明の色素は、R7 がハメット置換基定数σP 値が
0.30以上である電子吸引性基であると、そうでない
ものより、吸収がシャープであることを示す。
【0124】
【表5】
【0125】R7 がハメット置換基定数σP 値−0.0
1の色素52に対し、R7 がσP 値0.54の色素53
の方が半値巾が小さく、吸収がシャープであることがわ
かる。
【0126】実施例10 本発明の色素は、R7 とR8 のハメット置換基定数σP
値の和が0.70以上であると吸収極大波長が十分長波
でありシアン色素として好ましく、0.70未満である
と吸収極大波長が短波でありシアン色素としては好まし
くない。これを下記の吸収データより示す。
【0127】
【表6】
【0128】R7 とR8 のハメット置換基定数σP 値の
和が0.70以上の色素51(σP 値の和:1.11)
は、シアン色素として適当な吸収極大波長を有している
のに対し、σP 値の和が0.70未満の色素50(σP
値の和:0.65)は、シアン色素としては短波な吸収
極大波長である。
【0129】
【発明の効果】本発明の熱転写色素供与材料は、全く新
規なピロロトリアゾールアゾメチン色素を含有してい
る。そのため形成された画像は、画像形成用色素として
優れたシャープな吸収を有し、光、熱などに対する堅牢
性が高い。また、その中でも色素のR7 がσP 値0.3
0以上の電子吸引性基であるものは、特に吸収がシャー
プである。更に色素のR7 とR8 のσP 値の和が0.7
0以上の電子吸引性基であるものは、優れたシアン色の
画像を与えた。そして、色素供与層が2種以上の色素の
混合物を含有し、該色素混合物の少なくとも1つが本発
明のピロロトリアゾールアゾメチン色素であるものは、
熱転写色素供与材料やそれから形成される画像の経時安
定性が優れていた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱移行性色素を含む色素供与
    層を有する熱転写色素供与材料において、該色素供与層
    が下記一般式(I)、(II)、(III)および(IV)で表
    わされるピロロトリアゾールアゾメチン色素を少なくと
    も1種含有することを特徴とする熱転写色素供与材料。 【化1】 式(I)、(II)、(III) 、(IV)中、R1 、R2 、R
    3 およびR4 は、各々独立に、水素原子又は非金属の原
    子団を表わす。Xは−OH又は−NR5 6 を表わす。
    5 およびR6 は、各々独立に、水素原子、アルキル
    基、アリール基又はヘテロ環基を表わす。R7 、R8
    よびR9 は、各々独立に、水素原子又は非金属の原子団
    を表わす。R1 とR2 、および/又はR2 とR5 、およ
    び/又はR5 とR6 、および/又はR6 とR3 、および
    /又はR3 とR4 は、互いに結合して環構造を形成して
    いてもよい。R7 とR8 は、互いに結合して、環構造を
    形成していてもよい。
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)、(II)、(III)及び
    (IV)で表わされるピロロトリアゾールアゾメチン色素
    において、R7 が、ハメット置換基定数σp 値が0.3
    0以上の、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基、
    アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリ
    ールスルホニル基、スルファモイル基、ハロゲン化アル
    キル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリール
    オキシ基、ハロゲン化アルキルチオ基、2つ以上のσp
    値0.15以上の電子吸引性基で置換されたアリール
    基、または複素環基であることを特徴とする請求項1記
    載の熱転写色素供与材料。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)、(II)、(III)及び
    (IV)で表わされるピロロトリアゾールアゾメチン色素
    において、R7 とR8 のハメット置換基定数の和が0.
    70以上のシアン色素であることを特徴とする請求項1
    記載の熱転写色素供与材料。
  4. 【請求項4】 該色素供与層が2種以上の色素の混合物
    を含有し、該色素混合物のうち少なくとも1つが前記一
    般式(I)、(II)、(III)および(IV)で表わされる
    ピロロトリアゾールアゾメチン色素であることを特徴と
    する請求項1記載の熱転写色素供与材料。
JP4169881A 1991-06-07 1992-06-05 ピロロトリアゾールアゾメチン色素を含有する熱転写色素供与材料 Pending JPH05177959A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4169881A JPH05177959A (ja) 1991-06-07 1992-06-05 ピロロトリアゾールアゾメチン色素を含有する熱転写色素供与材料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16232591 1991-06-07
JP3-162325 1991-06-07
JP4169881A JPH05177959A (ja) 1991-06-07 1992-06-05 ピロロトリアゾールアゾメチン色素を含有する熱転写色素供与材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05177959A true JPH05177959A (ja) 1993-07-20

Family

ID=26488156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4169881A Pending JPH05177959A (ja) 1991-06-07 1992-06-05 ピロロトリアゾールアゾメチン色素を含有する熱転写色素供与材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05177959A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1193078A2 (en) 2000-09-28 2002-04-03 Fuji Photo Film Co., Ltd. Ink jet image recording method
WO2003000659A1 (fr) * 2001-06-26 2003-01-03 Nissan Chemical Industries, Ltd. Composes heterocyclo-iminophenyle et fungicides et insecticides destines a l'agriculture et l'horticulture

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1193078A2 (en) 2000-09-28 2002-04-03 Fuji Photo Film Co., Ltd. Ink jet image recording method
WO2003000659A1 (fr) * 2001-06-26 2003-01-03 Nissan Chemical Industries, Ltd. Composes heterocyclo-iminophenyle et fungicides et insecticides destines a l'agriculture et l'horticulture

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0423796B1 (en) Thermal transfer dye donating materials
JPH0490384A (ja) 熱転写色素供与材料
US5344933A (en) Pyrrole ring-or condensed pyrrole ring-containing azomethine dye
US5238903A (en) Heat-transfer dye-donating material
JPH0713014A (ja) カラーフイルターアレイ素子
JP4034466B2 (ja) 熱転写記録材料
US5210200A (en) Heterocyclic dye compounds
JP2665642B2 (ja) ピラゾロアゾールアゾメチン色素およびそれを含有する熱転写色素供与材料
JPH05177959A (ja) ピロロトリアゾールアゾメチン色素を含有する熱転写色素供与材料
JP2748210B2 (ja) ピロールアゾメチン色素及びそれを含有する熱転写色素供与材料
JP2676663B2 (ja) イミダゾールアゾメチン色素およびそれを含有する熱転写色素供与材料
JP2655212B2 (ja) アゾメチン色素
US5128312A (en) Thermal transfer dye donating material
JPH06106862A (ja) 熱転写色素供与材料
JP2805561B2 (ja) ピロロトリアゾールアゾ色素およびそれを含有する熱転写色素供与材料
JPH05286268A (ja) 熱転写色素供与材料
JP2893131B2 (ja) 熱転写色素供与材料
JP3280730B2 (ja) 熱転写画像形成方法
JPH07144476A (ja) 感熱転写記録材料
JPH037386A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH02252578A (ja) 熱転写画像記録方法
JP3581380B2 (ja) アゾメチン色素およびそれを含有する熱転写色素供与材料
JPH0648050A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH0624157A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH07125462A (ja) 熱転写記録材料