以下、本発明をその一種であるパチンコ式スロットマシン(回胴式遊技機、以下、「パチスロ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1には、パチスロ機10の機表側が略示されており、パチスロ機10は、前面を開口した直方体状の本体11と、当該本体の左側縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉12とを備えている。本体11の略中央部には3列のドラム13〜15よりなるドラムユニット(可変表示装置)Uが配設され、各ドラム13〜15には複数の図柄が予め定めた配列に従い描かれた図柄列13a〜15aが当該ドラム13〜15の周方向に沿って表示されている。そして、このドラムユニットUでは、各ドラム13〜15を回転させて図柄組み合わせゲーム(変動ゲーム)が行われ、各ドラム13〜15の図柄列13a〜15aによって、図柄組み合わせが形成されるようになっている。これらの図柄組み合わせは、予め定めた複数の図柄有効ラインL1〜L5上に形成されるようになっている。また、各ドラム13〜15には、各ドラム13〜15の回転位置を検出するために、各ドラム13〜15に対応するようにリールセンサSE2〜SE4(図3に示す)が配設されている。
また、ドラムユニットUの前方位置となる前面扉12には、各種装飾を施した透明パネル板17が配設され、当該透明パネル板17には、前記ドラムユニットUを透視可能に保護するための図柄表示窓20が形成されている。また、前記透明パネル板17には、ゲーム(図柄組み合わせゲーム)に関わる情報を報知する表示部19が構成されている。表示部19には、ベット数を表示する賭率表示部21、クレジット数を表示する貯留枚数表示部22、付与される賞メダルの枚数を表示する賞枚数表示部23、ゲームの進行に合わせて点灯/消灯をする電飾ランプ24及び状態ランプ25が形成されている。そして、表示部19の下方位置には、ゲーム中(図柄組み合わせゲーム中)に表示演出を行う表示演出部26が配設されている。
また、前面扉12の前面において透明パネル板17の下方位置には、メダル投入口28が配設されている。メダル投入口28の奥方には、メダルの通過を検知するメダルセンサSE1(図3に示す)が配設されている。また、前記下方位置には、BETボタン29、MAXBETボタン30、クレジットボタン31、スタートレバー32、ストップボタン33〜35が配設されている。さらに、前面扉12の前面における下部中央部にはメダル排出口36が形成されている。また、前面扉12の前面における下部には、メダル排出口36から排出されたメダルを受ける受皿37とともに、音声演出を行うスピーカ27が配設されている。
また、図1に破線で示すように、パチスロ機10本体においてドラムユニットUの下方となる位置には、パチスロ機10内部において、投入されたメダルを貯留するためのホッパー38が配置されている。このホッパー38の下方側にはメダル排出口36が位置し、図柄組み合わせが予め定める賞態様(役)になった場合には、ホッパー38に貯留されたメダルがメダル排出口36へと払い出されるようになっている。前面扉12の裏面側においてメダル投入口28の下方位置には、該メダル投入口28とホッパー38とを繋ぐようにメダルセレクター39が配設されている。
また、本実施形態のパチスロ機10には、クレジット機能が搭載されている。このクレジット機能は、パチスロ機10内部でメダルを貯留データとして貯留記憶しておく機能である。なお、貯留データ(クレジット)には、予め定めた上限数(本実施形態では50枚)が定められており、この上限数の範囲内でメダルがクレジットとして記憶可能になっている。そして、クレジット機能を使用している場合、前記予め定める賞態様になってもクレジット数が上限数を超えるまではクレジットとして記憶される。そして、前記上限数を超える場合、ホッパー38からメダル排出口36にメダルが排出(払い出し)される。なお、クレジットとしてクレジット数が増加する、及びメダル排出口36からメダルを排出することを、遊技者にメダルを付与するという。また、メダルをメダル排出口36に排出するホッパー38、及び払い出すメダルをクレジットとして記憶させるメインCPU40aが払出手段となる。
本実施形態のパチスロ機10は、遊技媒体とするメダルを用いてドラムユニットUによる図柄組み合わせゲームが行われる。すなわち、遊技者は、メダル投入口28からメダルを投入するか、BETボタン29又はMAXBETボタン30を操作してベット数を設定した後、スタートレバー32を操作してドラムユニットUの各ドラム13〜15を回転させる。各ドラム13〜15の回転が開始してから一定時間が経過するか、又は遊技者がストップボタン33〜35を操作すると各ドラム13〜15が停止する。各ストップボタン33〜35は、各ドラム13〜15に対応しており、ストップボタン33にはドラム13、ストップボタン34にはドラム14、ストップボタン35にはドラム15が対応している。そして、前記ベット数によって有効とされる図柄有効ライン上に形成された図柄組み合わせに応じて、遊技者に賞メダルが付与されるようになっている。すなわち、予め定めた賞態様になった場合には、該賞態様に予め定められた枚数の賞メダルが遊技者に付与されるようになっている。
本実施形態のパチスロ機10には、図1に示すように、図柄組み合わせが有効となる図柄有効ラインとして最大で図柄有効ラインL1〜L5の5本が形成されるようになっている。図柄有効ラインL1〜L5は、各ドラム13〜15の上段、中段及び下段に水平に一直線状に形成される図柄有効ラインL1〜L3と、ドラム13の上段、ドラム14の中段及びドラム15の下段、又はドラム13の下段、ドラム14の中段及びドラム15の上段に斜めに一直線状に形成される図柄有効ラインL4,L5となっている。そして、1回のゲームにおいて、選択されるベット数に応じて有効とされる図柄有効ラインが定められている。本実施形態では、ベット数が3段階(以下、1段階目をベット1、2段階目をベット2、3段階目をベット3と示す)選択可能であり、メダル投入口28への1枚のメダル投入、BETボタン29又はMAXBETボタン30によって1段階ずつ最大で3段階までベット可能となっている。そして、ベット1では図柄有効ラインL1の1本が有効となり、ベット2では図柄有効ラインL1〜L3の3本が有効となる。また、ベット3では図柄有効ラインL1〜L5の全て(5本)が有効となるようになっている。
本実施形態のパチスロ機10において、図柄有効ラインL1〜L5上に停止する図柄組み合わせについて図2に基づき説明する。
図2には、ドラム13を第1リール、ドラム14を第2リール、ドラム15を第3リールと示し、各図柄有効ライン上に停止(停止表示)される図柄組み合わせを示している。
本実施形態では、賞メダルの付与(払い出し)が行われる役として、「セブン役」、「バー役」、「ベル役」、「プラム役」、「チェリー役」が設けられている。そして、「セブン」を示す図柄が図柄有効ラインL1〜L5となる直線状に3つ停止した場合、セブン役に定める15枚の遊技メダルが付与される。また、「バー」を示す図柄が図柄有効ラインL1〜L5となる直線状に3つ停止した場合、バー役に定める15枚の遊技メダルが付与される。また、「ベル」を示す図柄が図柄有効ラインL1〜L5となる直線状に3つ停止した場合、ベル役に定める15枚の賞メダルが付与される。また、「プラム」を示す図柄が図柄有効ラインL1〜L5となる直線状に3つ停止した場合、プラム役に定める8枚の賞メダルが付与される。また、「チェリー」を示す図柄がドラム13の中段に1つ停止した場合、チェリー役に定める2枚の賞メダルが付与される。また、「チェリー」を示す図柄がドラム13の上段又は下段に1つ停止した場合、図柄有効ラインL2及び図柄有効ラインL4、又は図柄有効ラインL3及び図柄有効ラインL5の2種類の図柄有効ライン上に停止したこととなり、チェリー役に定める賞メダルの2倍に相当する4枚の賞メダルが付与される。なお、チェリー役では、ドラム14及びドラム15に停止する図柄はどの図柄であっても良い。
また、次のゲームをメダルの投入なし(ベットしない)で行うことができる役として、「リプレイ(再遊技)」が設けられている。そして、「リプレイ」を示す図柄が図柄有効ラインL1〜L5となる直線状に3つ停止した場合、再遊技役が停止した図柄組み合わせゲームが行われたベット数と同じベット数で次のゲームを行うことができる。例えば、ベット1のゲームで再遊技役が停止した場合、ベット1でのゲームが保証される。また、ベット3のゲームで再遊技役が停止した場合、ベット3でのゲームが保証される。すなわち、再遊技役では、当該再遊技役が停止したゲームのベット数に相当する賞メダルが付与されることとなる。以下、ベル役、プラム役、チェリー役及び再遊技役を「小役」と示す。
また、セブン役が図柄有効ラインL1〜L5上に直線状に停止した場合、賞メダルの付与とともに、多数の遊技メダルを獲得することができるチャンスとなる特定遊技状態として「ビッグボーナスゲーム」が付与される。また、バー役が図柄有効ラインL1〜L5上に直線状に停止した場合、賞メダルの付与とともに、遊技者が多数の賞メダルを獲得することができるチャンスとなる特定遊技状態として「レギュラーボーナスゲーム」が付与される。
ビッグボーナスゲームが開始されると、バー役(レギュラーボーナスゲーム)の当選確率が一般遊技に比べて上昇されるようになっている。一般遊技とはビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲーム以外のゲームのことである。そして、ビッグボーナスゲームは、セブン役が停止することを開始契機とし、遊技者が消費(投入)したメダルの枚数に拘わらず予め定めた上限数(本実施形態では360枚)の賞メダルが遊技者に付与される(払い出される)ことを終了契機としている。また、レギュラーボーナスゲームが開始されると、小役に当選する確率(当選確率)が一般遊技に比べて上昇されるようになっている。レギュラーボーナスゲームは、バー役が成立することを開始契機とし、予め定めた回数(本実施形態では8回の小役に当選するまで又は12回)のゲームを行うことを終了契機としている。そして、遊技者は、ビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームに当選することを目的にゲームを行っている。以下、セブン役、バー役を「特定遊技役」と示し、ビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームを総称して「ボーナスゲーム」と示す。
また、図2に示される賞態様(小役及び特定遊技役)を示す図柄組み合わせがいずれの図柄有効ラインL1〜L5に停止していない(賞態様以外の図柄組み合わせが図柄有効ラインL1〜L5に停止した)場合、賞メダルが付与されない(零枚の賞メダルが付与される)はずれ役(はずれ役に当選)とするようになっている。なお、賞メダルが付与されない場合とは、内部抽選ではずれ役に当選している場合、及び内部抽選で小役又は特定遊技役に当選しているが賞態様の図柄組み合わせが停止していない場合(取りこぼし)である。
そして、本実施形態のパチスロ機10では、スタートレバー(開始操作手段)32の操作を開始契機として1回のゲーム(図柄組み合わせゲーム)が開始し、ストップボタン33〜35の操作又は所定の時間の経過により図柄組み合わせが停止される。図柄組み合わせが停止されると、当該図柄組み合わせに応じて賞メダルが付与される(はずれ役の場合には零枚付与される)ことを終了契機として、1回のゲームが終了する。本実施形態では、ビッグボーナスゲーム中及びレギュラーボーナスゲーム中も、前記開始契機としてゲームを開始し、前記終了契機としてゲームを終了させる1回のゲームが行われる。
また、本実施形態のパチスロ機10には、再遊技役の当選確率の異なる再遊技低確率状態と再遊技高確率状態とが設けられている。そして、再遊技役の当選確率が低確率(本実施形態では、7.3分の1)である再遊技低確率状態から、再遊技役の当選確率が高確率(本実施形態では、1.6分の1)である再遊技高確率状態(以下、「リプレイタイム」と示す)を遊技者に付与するリプレイタイム機能が備えられている。このため、リプレイタイム機能によりリプレイタイムが遊技者に付与された場合、遊技者は、再遊技役に当選し易くなり、再遊技役に多く当選することで再遊技役に当選する分だけ遊技者のメダルの消費(投入)を減少させることができる。すなわち、一般遊技中にリプレイタイムが開始される場合、遊技者には、メダルの減少を抑えてビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームの抽選を受けることができるチャンスが付与される。
また、図2に示すように、所定の図柄としてドラム13に図柄「プラム」、ドラム14に図柄「プラム」、ドラム15に図柄「リプレイ」がいずれかの図柄有効ラインL1〜l5上に直線状に停止(以下、「チャンス目」と示す)することを所定条件としてリプレイタイムが開始(に突入)されるようになっている。本実施形態において、チャンス目とは、当該チャンス目の図柄組み合わせによって、遊技者に賞メダルの付与はない(零枚である)が、遊技者に有利な遊技状態を付与するはずれ役とは異なる図柄組み合わせ(所定の図柄)である。また、リプレイタイムは、当該リプレイタイムが開始されたゲームから所定回数(本実施形態では100回)のゲームが行われることのみを終了条件として終了されるようになっている。すなわち、一旦、リプレイタイムが開始されると、所定回数のゲームが行われるまでは、該リプレイタイムが終了されることなく継続されるようになっている。
次に、パチスロ機10の制御構成を図3に基づき説明する。
パチスロ機10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板40が装着されている。主制御基板40は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、電飾ランプ24、状態ランプ25、表示演出部26、スピーカ27を制御する演出制御基板41が装着されている。演出制御基板41は、主制御基板40が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。
以下、主制御基板40について説明する。主制御基板40は、メインCPU40aを備えている。また、メインCPU40aには、ROM40b及びRAM40cが接続されている。メインCPU40aは、当選役決定乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値をRAM40cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。当選役決定乱数は、当選役決定テーブルに従い役を決定する際に使用する乱数である。
また、主制御基板40(メインCPU40a)には、メダルセンサSE1が接続されている。メインCPU40aには、メダルセンサSE1でメダルを検知する毎に、メダルを検知したことを示すメダル検知信号が入力されるようになっている。
また、メインCPU40aには、リールセンサSE2〜SE4が接続されている。メインCPU40aには、図柄表示窓20で表示されている図柄(ドラム13〜15の回転位置)に応じてリールセンサSE2〜SE4が出力する第1〜第3の位置信号が入力されるようになっている。メインCPU40aは、第1〜第3の位置信号によりドラム13〜15の回転位置及び停止位置を把握し、第1〜第3の位置信号に基づきドラム13〜15の回転及び停止制御を行う。
また、メインCPU40aには、BETボタン29、MAXBETボタン30、クレジットボタン31、スタートレバー32及びストップボタン33〜35が接続されている。メインCPU40aには、各ボタン29〜35が操作されると、各ボタン29〜35が操作されたことを示す各種操作信号が入力されるようになっている。そして、メインCPU40aは、各種操作信号を入力すると、各種操作信号に定める所定の制御を行う。
また、メインCPU40aには、賭率表示部21、貯留枚数表示部22、賞枚数表示部23が接続されている。メインCPU40aは、遊技者のメダルの投入、BETボタン29又はMAXBETボタン30の操作に基づき、賭率表示部21の表示制御を行う。また、メインCPU40aは、BETボタン29又はMAXBETボタン30の使用によるクレジット数の減少や、役(賞態様)に基づき賞メダルが払い出されることによるクレジット数の増加や、遊技者のメダルの投入によるクレジット数の増加をクレジットとして記憶し、その内容を貯留枚数表示部22に表示させその都度表示制御を行う。また、メインCPU40aは、役に基づき賞メダルを払い出す場合、払い出す賞メダルの枚数を賞枚数表示部23に表示させる表示制御を行う。
また、メインCPU40aには、ホッパー38が接続されている。メインCPU40aは、各役(賞態様)に定められる賞枚数に基づき払い出す賞メダルの賞枚数を決定した場合、クレジット数を確認し当該クレジット数の上限数を超える場合、駆動信号をホッパー38に出力して、駆動信号を1回出力する毎に賞メダルを1枚払い出させるように制御する。
また、ROM40bには、パチスロ機10を制御するための主制御プログラムが記憶されている。また、ROM40bには、複数の当選役決定テーブル(図3参照)が記憶されている。当選役決定テーブルには、当選役決定乱数の取り得る値(本実施形態では「0〜49999(全50000通りの整数)」)が各役に振り分けられており、当選役決定テーブルに振り分けられる乱数の個数に基づき、各役の当選確率が定められている。そして、メインCPU40aは、抽出する当選役決定乱数と、当選役決定テーブルを参照し、その参照結果に基づき役の種類を決定する役抽選を行う。
次に、本実施形態のパチスロ機10の当選役決定テーブルについて、図4及び図5に基づき説明する。
図4及び図5には、各遊技状態(一般遊技、ビッグボーナスゲーム、レギュラーボーナスゲーム)の各役に振り分けられる乱数値(乱数の個数)及び各役の当選確率が定められた当選役決定テーブルT1〜T6が示されている。なお、図4及び図5に示す当選確率は、分母の少数点以下第2位の数字を四捨五入した数値で示されている。
図4(a)に示すように、当選役決定テーブルT1は、再遊技低確率状態の一般遊技で用いられるテーブルである。当選役決定テーブルT1では、ビッグボーナスゲームとなるセブン役に0〜210の乱数値(211個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が211/50000(1/237.0)とされている。また、レギュラーボーナスゲームとなるバー役に211〜384の乱数値(174個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が174/50000(1/287.4)とされている。また、ベル役に385〜629の乱数値(245個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が245/50000(1/204.1)とされている。また、チェリー役に630〜812の乱数値(183個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が183/50000(1/273.2)とされている。また、プラム役に813〜6262の乱数値(5450個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5450/50000(1/9.2)とされている。また、再遊技役に6263〜13117の乱数値(6855個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が6855/50000(1/7.3)とされている。また、はずれ役に13118〜49999の乱数値(36882個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が36882/50000(1/1.4)とされている。当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる場合、遊技者は、セブン役、バー役を出現させる(セブン役、バー役に当選する)ことを第1の目的として遊技を行うことになる。
図4(b)に示すように、当選役決定テーブルT2は、再遊技低確率状態のビッグボーナスゲームで用いられるテーブルである。当選役決定テーブルT2では、バー役に0〜12678の乱数値(12679個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が12679/50000(1/3.9)とされている。また、ベル役に12679〜12923の乱数値(245個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が245/50000(1/204.1)とされている。また、チェリー役に12924〜13106の乱数値(183個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が183/50000(1/273.2)とされている。また、プラム役に13107〜18556の乱数値(5450個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5450/50000(1/9.2)とされている。また、再遊技役に18557〜25411の乱数値(6855個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が6855/50000(1/7.3)とされている。また、はずれ役に25412〜49999の乱数値(24588個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が24588/50000(1/2.0)とされている。当選役決定テーブルT2に基づき役抽選が行われる場合、遊技者は、バー役を出現させる(バー役に当選する)ことを第1の目的として遊技を行うことになる。
図4(c)に示すように、当選役決定テーブルT3は、再遊技低確率状態のレギュラーボーナスゲームで用いられるテーブルである。当選役決定テーブルT3では、ベル役に0〜12923の乱数値(12924個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が12923/50000(1/3.9)とされている。また、チェリー役に12924〜13106の乱数値(183個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が183/50000(1/273.2)とされている。また、プラム役に13107〜18556の乱数値(5450個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5450/50000(1/9.2)とされている。また、再遊技役に18557〜25411の乱数値(6855個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が6855/50000(1/7.3)とされている。また、はずれ役に25412〜49999の乱数値(24588個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が24588/50000(1/2.0)とされている。当選役決定テーブルT3に基づき役抽選が行われる場合、遊技者は、ベル役を出現させる(ベル役に当選する)ことを第1の目的として遊技を行うことになる。
図5(a)に示すように、当選役決定テーブルT4は、リプレイタイム中の一般遊技で用いられるテーブルである。当選役決定テーブルT4では、セブン役に0〜210の乱数値(211個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が211/50000(1/237.0)とされている。また、バー役に211〜384の乱数値(174個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が174/50000(1/287.4)とされている。また、ベル役に385〜629の乱数値(245個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が245/50000(1/204.1)とされている。また、チェリー役に630〜812の乱数値(183個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が183/50000(1/273.2)とされている。また、プラム役に813〜6262の乱数値(5450個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5450/50000(1/9.2)とされている。また、再遊技役に6263〜37705の乱数値(31443個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が31443/50000(1/1.6)とされている。また、はずれ役に37706〜49999の乱数値(12294個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が12294/50000(1/4.1)とされている。当選役決定テーブルT4に基づき役抽選が行われる場合、遊技者は、セブン役、バー役を出現させる(セブン役、バー役に当選する)ことを第1の目的として遊技を行うことになる。
図5(b)に示すように、当選役決定テーブルT5は、リプレイタイム中のビッグボーナスゲームで用いられるテーブルである。当選役決定テーブルT5では、バー役に0〜12678の乱数値(12679個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が12679/50000(1/3.9)とされている。また、ベル役に12679〜12923の乱数値(245個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が245/50000(1/204.1)とされている。また、チェリー役に12924〜13106の乱数値(183個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が183/50000(1/273.2)とされている。また、プラム役に13107〜18556の乱数値(5450個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5450/50000(1/9.2)とされている。また、再遊技役に18557〜49999の乱数値(31443個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が31443/50000(1/1.6)とされている。当選役決定テーブルT5に基づき役抽選が行われる場合、遊技者は、バー役を出現させる(バー役に当選する)ことを第1の目的として遊技を行うことになる。
図5(c)に示すように、当選役決定テーブルT6は、リプレイタイム中のレギュラーボーナスゲームで用いられるテーブルである。当選役決定テーブルT6では、ベル役に0〜12923の乱数値(12924個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が12924/50000(1/3.9)とされている。また、チェリー役に12924〜13106の乱数値(183個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が183/50000(1/273.2)とされている。また、プラム役に13107〜18556の乱数値(5450個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5450/50000(1/9.2)とされている。また、再遊技役に18557〜49999の乱数値(31443個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が31443/50000(1/1.6)とされている。当選役決定テーブルT6に基づき役抽選が行われる場合、遊技者は、ベル役を出現させる(ベル役に当選する)ことを第1の目的として遊技を行うことになる。
次に、図4及び図5に示した各当選役決定テーブルを各役の当選比率を模式的に示した図6に従い、一般遊技、ビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームの遊技状態について、再遊技低確率状態中とリプレイタイム中とを比較して説明する。
図6(a)は当選役決定テーブルT1、図6(b)は当選役決定テーブルT2、図6(c)は当選役決定テーブルT3、図6(d)は当選役決定テーブルT4、図6(e)は当選役決定テーブルT5、図6(f)は当選役決定テーブルT6の各役の当選比率を示している。
図6(a)に示すように、当選役決定テーブルT1に基づく遊技状態は、再遊技低確率状態であるため再遊技役の当選確率は低確率とされ、はずれ役に当選する確率が他の役に比べて高く、遊技者にとって賞メダルを増加させる(獲得する)ことが困難な再遊技低確率状態の一般遊技である。ここで、遊技者は、ベット3(賭率にメダル3枚分のベット)で遊技していた場合、はずれ役に当選することでメダルの獲得枚数(純増枚数)が3枚減少することになる。換言すれば、遊技者は、保有するメダルの枚数を減少させることになる。すなわち、当選役決定テーブルT1に基づく遊技状態では、当選役の中ではずれ役に当選する当選確率が最も高く振り分けられており、遊技者にとって保有するメダルの枚数を減少させる可能性が高い遊技状態である。
また、図6(d)に示すように、当選役決定テーブルT4に基づく遊技状態は、再遊技高確率状態であるため再遊技役の当選確率は高確率とされ、再遊技役に当選する確率が高く再遊技役に当選することで遊技者はメダルの減少を抑えることができるリプレイタイム中の一般遊技である。また、当選役決定テーブルT4は、当選役決定テーブルT1のはずれ役の一部(本実施形態では約2分の3)が再遊技役に置き換えられており、当選役決定テーブルT1のはずれ役であった部分が、当選役決定テーブルT4では再遊技役に振り分けられるようになっている。ここで、遊技者は、ベット3(賭率にメダル3枚分のベット)で遊技していた場合、再遊技役に当選することで獲得枚数(純増枚数)が変動しない(0枚)ことになる。換言すれば、遊技者は、保有するメダルの枚数を維持させながら(変動させず)ゲームを行うことになる。すなわち、当選役決定テーブルT4に基づく遊技状態では、当選役決定テーブルT1に比べてはずれ役の当選確率が低く、又は再遊技役の当選確率が高く振り分けられており、再遊技役の当選確率が高い分だけ遊技者にとって保有するメダルの枚数を減少させる可能性が低い遊技状態である。
また、図6(b)に示すように、当選役決定テーブルT2に基づく遊技状態は、再遊技低確率状態であるため再遊技役の当選確率は低確率とされ、はずれ役に当選することで遊技者の保有するメダルの枚数を減少させてしまう場合もあるが、バー役に当選することで遊技者の保有するメダルの枚数を増加させるチャンスがある再遊技低確率状態のビッグボーナスゲームである。ここで、遊技者は、ベット3(賭率にメダル3枚分のベット)で遊技していた場合、はずれ役に当選することでメダルの獲得枚数(純増枚数)が3枚減少することになる。すなわち、当選役決定テーブルT2に基づく遊技状態では、遊技者の保有するメダルの枚数を増加させるチャンスであるが、はずれ役にも一定の当選確率で当選するため、遊技者にとって保有するメダルの枚数を減少させる可能性もある遊技状態である。
また、図6(e)に示すように、当選役決定テーブルT5に基づく遊技状態は、リプレイタイム中であるため再遊技役の当選確率は高確率とされ、再遊技役に当選する確率が高く再遊技役に当選することで、遊技者にメダルの減少を抑えつつ保有するメダルの枚数を増加させるチャンスが付与されているリプレイタイム中のビッグボーナスゲームである。さらに、当選役決定テーブルT5は、当選役決定テーブルT2のはずれ役の全てが再遊技役に置き換えられており、当選役決定テーブルT2のはずれ役が、当選役決定テーブルT5では再遊技役に振り分けられるようになっている。このため、再遊技低確率状態でビッグボーナスゲームが行われるゲームにおいて、遊技者は、ベット3(賭率にメダル3枚分のベット)で遊技していた場合、はずれ役に当選することで獲得枚数(純増枚数)を3枚減少させる。一方、リプレイタイムとビッグボーナスが同時に行われるゲームでは、はずれ役の当選比率が零となり、遊技者は、ベット3(賭率にメダル3枚分のベット)で遊技していた場合、再遊技役に当選することで獲得枚数(純増枚数)が変動しない(0枚)ことになる。すなわち、遊技者にメダルを減少させることなく賞メダルを多く獲得させることができ、遊技者のメダルの保有数を好適に増加させることができる遊技状態である。
また、図6(c)に示すように、当選役決定テーブルT3に基づく遊技状態は、再遊技低確率状態であるため再遊技役の当選確率は低確率とされ、はずれ役に当選することで遊技者の保有するメダルの枚数を減少させてしまう場合もあるが、ベル役に当選することで遊技者の保有するメダルの枚数を増加させるチャンスがある再遊技低確率状態のレギュラーボーナスゲームである。ここで、遊技者は、ベット1(賭率にメダル1枚分のベット)で遊技していた場合、はずれ役に当選することでメダルの獲得枚数(純増枚数)が1枚減少することになる。すなわち、当選役決定テーブルT3に基づく遊技状態では、遊技者の保有するメダルの枚数を増加させるチャンスであるが、はずれ役にも一定の当選確率で当選するため、遊技者にとって保有するメダルの枚数を減少させる可能性もある遊技状態である。
また、図6(f)に示すように、当選役決定テーブルT6に基づく遊技状態は、リプレイタイム中であるため再遊技役の当選確率は高確率とされ、再遊技役に当選する確率が高く再遊技役に当選することで、遊技者にメダルの減少を抑えつつ保有するメダルの枚数を増加させるチャンスが付与されているリプレイタイム中のレギュラーボーナスゲームである。さらに、当選役決定テーブルT6は、当選役決定テーブルT3のはずれ役の全てが再遊技役に置き換えられており、当選役決定テーブルT3のはずれ役が、当選役決定テーブルT6では再遊技役に振り分けられるようになっている。このため、再遊技低確率状態でレギュラーボーナスゲームが行われるゲームでは、遊技者は、ベット1(賭率にメダル1枚分のベット)で遊技していた場合、はずれ役に当選することで獲得枚数(純増枚数)を1枚減少させる。一方、リプレイタイムとレギュラーボーナスゲームが同時に行われるゲームでは、はずれ役の当選比率が零となり、遊技者は、ベット1(賭率にメダル1枚分のベット)で遊技していた場合、再遊技役に当選することで獲得枚数(純増枚数)が変動しない(0枚)ことになる。すなわち、遊技者にメダルを減少させることなく賞メダルを多く獲得させることができ、遊技者のメダルの保有数を好適に増加させることができる遊技状態である。
本実施形態のパチスロ機10では、リプレイタイムは一旦開始すると、終了条件(所定回数のゲームが行われる)が成立するまでの間、継続するようになっている。このため、リプレイタイム中にボーナスゲームが開始される場合でも、リプレイタイムは、前記所定回数のゲームが行われるまでは継続される。したがって、リプレイタイム中にボーナスゲームが開始される場合、リプレイタイムとボーナスゲームを同時に行わせるようになっている。すなわち、ボーナスゲームのみが付与される場合と、ボーナスゲームとリプレイタイムが同時に付与される場合とがある。そして、ボーナスゲームにおける各ゲームの開始時、リプレイタイム中であるか否かによって再遊技役及びはずれ役の当選確率が異なっている。したがって、同じタイミングで抽選されるボーナスゲームでも、開始時の遊技状態(リプレイタイム中であるか否か)によってボーナスゲームで遊技者が増加させること(獲得すること)ができる賞メダルの枚数に差を生じさせ、該ゲームの態様を異ならせるようになっている。
特に、ビッグボーナスゲームにおいては、パチスロ機10から当該ゲームにおいて払い出される賞メダルの枚数が定められているため、当該ゲーム中に消費(減少)したメダルの枚数により遊技者のメダルの保有数(純増枚数)が変化する。このため、リプレイタイムとビッグボーナスゲームが同時に行われるか否かにより、ボーナスゲームでの遊技者が増加させることができるメダルに差を生じさせ、ボーナスゲームの態様を異ならせるようにしている。
また、ROM40bには、役毎に払い出す賞メダルの枚数を定めた払出テーブルが記憶されている。払出テーブルでは、セブン役に15枚、バー役に15枚、ベル役に15枚、プラム役に8枚、チェリー役に2枚の賞メダルの払い出しが対応付けられている。本実施形態では、当選役決定テーブルT1〜T6を記憶するROM40bが記憶手段として機能する。
また、RAM40cには、パチスロ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。具体的には、RAM40cには、メインCPU40aによって当選役決定乱数に基づき、特定遊技役及び小役に当選した場合、その当選を示す情報(フラグなど)が役毎に設定されるようになっている。
また、RAM40cには、経過回数Kが記憶(設定)される。経過回数Kは、リプレイタイムに突入してから行われたゲームの回数を示すものである。また、RAM40cには、カウント数Cが記憶(設定)される。カウント数Cは、ビッグボーナスゲームで遊技者が獲得した(遊技者に払い出された)賞メダルの枚数を示すものである。また、RAM40cには、レギュラーボーナスゲームの開始時点からのゲーム回数及び小役に当選した回数がメインCPU40aによってカウントされるようになっている。
以下、演出制御基板41について説明する。
演出制御基板41は、サブCPU41aを備えており、当該サブCPU41aにはROM41b及びRAM41cが接続されている。ROM41bには、各種遊技演出を行うための演出制御プログラム、及び遊技演出用の演出パターンなどが記憶されている。また、RAM41cには、パチスロ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
以下、本実施形態のパチスロ機10において、メインCPU40aが主制御プログラムに基づき実行する図柄組み合わせゲームに係る処理について説明する。
メインCPU40aは、メダル投入口28よりメダルが投入される、BETボタン29が操作される又はMAXBETボタン30が操作されることにより賭率指定される賭率を設定する。そして、メインCPU40aは、スタートレバー32が操作されると、役抽選を行う。役抽選において、メインCPU40aは、当選役決定乱数をRAM40cから取得し、当該乱数を参照するための当選役決定テーブルを決定する。メインCPU40aは、遊技状態に応じて役抽選で参照する当選役決定テーブルを、複数の当選役決定テーブルT1〜T6の中から1つ選択する。
本実施形態において、メインCPU40aは、遊技状態が再遊技低確率状態の一般遊技である場合には、当選役決定テーブルT1を選択し、再遊技低確率状態のビッグボーナスゲームの場合には、当選役決定テーブルT2を選択する。また、メインCPU40aは、再遊技低確率状態のレギュラーボーナスゲームの場合には、当選役決定テーブルT3を選択し、リプレイタイムで一般遊技の場合には、当選役決定テーブルT4を選択する。また、メインCPU40aは、リプレイタイムでビッグボーナスゲームの場合には、当選役決定テーブルT5を選択し、リプレイタイムでレギュラーボーナスゲームの場合には、当選役決定テーブルT6を選択する。メインCPU40aは、RAM40cにフラグなどを設定することで遊技状態を把握している。また、セブン役及びバー役の特定遊技役が内部的に決定されているにも拘わらず、当該特定遊技役を示す図柄がゲームにて有効となっているいずれの図柄有効ラインにも表示されていない場合(所謂、役持ち越し状態時)には、メインCPU40aは、該特定遊技役の抽選が行われない図示しない当選役決定テーブルにより当選役(小役)の役抽選を行う。
続いて、当選役決定テーブルを選択したメインCPU40aは、当選役を決定し、その決定した当選役の情報をRAM40cに記憶(設定)する。そして、メインCPU40aは、ドラム13〜15を制御し当該ドラム13〜15を回転動作させる。
続いて、メインCPU40aは、ストップボタン33〜35が操作された場合、ドラム13〜15(操作されたストップボタン33〜35に対応するドラム13〜15)を役抽選の抽選結果に基づき停止させる停止制御を行う。そして、メインCPU40aは、ドラム13〜15の全て(ドラムユニットU)が停止したことを契機に、入賞判定を行う。入賞判定において、メインCPU40aは、役抽選によって内部的に決定した当選役と、図柄表示窓20に表示されている役を示す図柄組み合わせとが一致するか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、役抽選で当選した役と、図柄表示窓20に最終的に表示された図柄組み合わせが示す役とが一致する場合(入賞判定の判定結果が肯定の場合)、役の入賞が決定される。入賞とは、ゲームの結果、役による特典(賞メダル、再遊技、ビッグボーナスゲーム、レギュラーボーナスゲーム、リプレイタイム)が遊技者に付与されることである。例えば、役抽選でチェリー役に当選したにも拘わらず図柄表示窓20にチェリー図柄が表示されなかった場合や、役抽選でセブン役に当選したにも拘わらず図柄表示窓20にセブン役に対応する図柄組み合わせが表示されなかった場合である。すなわち、役抽選で当選した役と、図柄表示窓20に最終的に表示された図柄組み合わせが示す役とが一致しなかった場合(入賞判定の判定結果が否定の場合)、役の入賞は決定されず役による特典が遊技者に付与されない。
また、本実施形態のパチスロ機10では、各役に対する図柄組み合わせの停止テーブルが予め定められている。停止テーブルには、例えば、ベル役が役抽選で決定された場合、ドラム13〜15(図柄列13a〜15a)の停止位置(図柄組み合わせ)が定められている。そして、停止テーブルは、各役毎に用意されており、メインCPU40aは、停止指示(ストップボタン33〜35の操作及び所定時間の経過)を契機として、停止テーブルに従いドラム13〜15の停止制御を行う。また、メインCPU40aは、ドラム13〜15の停止制御を行う場合、ストップボタン33〜35の操作及び所定時間の経過後に所定の範囲内(最大で4つの図柄分)で強制的にドラム13〜15を制御し、任意の図柄組み合わせを図柄表示窓20に表示させるようにしている。すなわち、メインCPU40aは、ドラム13〜15の停止指示を契機として、所定の範囲内でドラム13〜15の停止制御を行えるようになっている。以下の説明では、各ドラム13〜15(ドラムユニットU)の回転方向を基準として図柄列13a〜15aの図柄の位置(前後)を説明する。
メインCPU40aは、回転中のドラム13〜15の停止指示がされる場合、リールセンサSE2〜SE4により停止指示時に図柄表示窓20に回転表示されている図柄を把握している。そして、その図柄が停止テーブルに定める図柄(位置)でない場合、メインCPU40aは、所定の範囲内で強制的に停止制御を行う。このため、ドラム13〜15は、遊技者がストップボタン33〜35を押したタイミングで停止するとは限らず、遊技者の操作とドラム13〜15の停止のタイミングは一致しない場合(所謂、「スベリ」)がある。
また、本実施形態では、図柄列13a〜15aは、ベル役、プラム役、再遊技役に対応する停止テーブル(図柄組み合わせ)をドラム13〜15の停止指示がどのタイミングで行われた場合でも停止可能(図柄表示窓20に最終的に表示可能)とする配列となっている。そして、メインCPU40aは、役抽選でベル役、プラム役、再遊技役を決定する場合、有効とされる図柄有効ラインL1〜L5のいずれかに各役(ベル役、プラム役、再遊技役)を停止させる。
また、図柄列13a〜15aは、チェリー図柄を図柄列13a上の離れた位置に2個配置し、チェリー役に対応する停止テーブル(図柄組み合わせ)をドラム13の停止指示のタイミングによっては停止可能でない(所謂、「取りこぼし」)が発生する配列となっている。取りこぼしとは、役抽選に当選したものの入賞に至らなかったことを示している。そして、メインCPU40aは、役抽選でチェリー役を決定する場合、有効とされる図柄有効ラインL1〜L5のいずれかにチェリー役を停止させることができるようにする。具体的には、メインCPU40aが図柄表示窓20の上段、中段及び下段のいずれかにチェリー図柄を停止させる場合、停止指示時の図柄の少なくとも4図柄前(メインCPU40aが停止制御を行える所定範囲内)にチェリー図柄があることが必要である。そして、メインCPU40aは、ドラム13の図柄表示窓20の上段、中段及び下段のいずれかにチェリー図柄を停止させる場合、停止指示時の図柄の少なくとも4図柄後(メインCPU40aが停止制御を行える所定範囲内)にチェリー図柄がないときには、チェリー役の取りこぼし目を停止させるようになっている。チェリー役の取りこぼし目に対応する停止テーブルとして、有効とされる図柄有効ラインL1〜L5上に「プラム・プラム・リプレイ」が停止するようになっている。すなわち、遊技者は、チェリー役を入賞させるには、図柄列13aのチェリー図柄から少なくとも4図柄前にある図柄を狙ってストップボタン33の操作(所謂、「目押し」)をすることが必要であり、チェリー図柄を目押しすることで役を入賞させることができる。一方、図柄列13aのチェリー図柄の少なくとも4図柄前にある図柄を目押ししない場合には、取りこぼし目である「プラム・プラム・リプレイ」(チャンス目)が停止するようになっている。このため、チェリー役を取りこぼした場合、遊技者は、チェリー役に対応する賞メダル(2枚又は4枚)を獲得することができない。
また、メインCPU40aは、セブン役及びバー役の特定遊技役を決定している場合、有効とされる図柄有効ラインL1〜L5のいずれかに当選している特定遊技役を停止させることができるようにする。具体的には、メインCPU40aが有効とされる図柄有効ラインを形成する各ドラム13〜15の上段、中段又は下段に特定遊技役に対応する図柄を停止させる場合、停止指示時の少なくとも4図柄前に該図柄があることが必要である。そして、メインCPU40aは、有効とされる図柄有効ラインを形成する各ドラム13〜15の上段、中段又は下段に停止指示時の図柄の少なくとも4図柄後に特定遊技役に対応する図柄がないときには、特定遊技役の取りこぼし目(所謂、リーチ目など)を停止させるようになっている。すなわち、遊技者は、特定遊技役を入賞させるには、図柄列13aの特定遊技役に対応する図柄から少なくとも4図柄前にある図柄を狙ってストップボタン33〜35を操作することが必要であり、特定遊技役に対応する図柄を目押しすることで役を入賞させることができる。また、本実施形態では、一度、特定遊技役に当選すると、特定遊技役が入賞するまでの間、特定遊技役を入賞させることができる状態が継続されるようになっている。このため、特定遊技役に対応する図柄の目押しに失敗しても、次ゲーム以降、特定遊技役を入賞させることができる。
また、メインCPU40aは、はずれ役を決定する場合、有効とされる図柄有効ラインL1〜L5のいずれにも、小役及び特定遊技役を停止させないように各ドラム13〜15の停止制御を行う。具体的には、メインCPU40aは、ドラム13及びドラム14が停止され、有効とされる図柄有効ライン上にベル図柄が2個停止すると、ドラム15の該図柄有効ラインを形成する位置(上段、中段又は下段)にベル図柄が停止しないように制御する。
続いて、メインCPU40aは、前記入賞判定において、小役(ベル役、プラム役、チェリー役、再遊技役)の入賞を決定した場合、各小役に応じた枚数の賞メダル及び特典を遊技者に付与する。そして、メインCPU40aは、賞メダルを遊技者に付与する場合には、賞メダルを払い出す又はクレジット数を増加させることで1回のゲームを終了させる。また、メインCPU40aは、再遊技を遊技者に付与する場合には、自動的に再遊技に応じた賭率(今回のゲームと同等の賭率)を設定して1回のゲームを終了させる。ゲームの終了時、メインCPU40aは、当選役などを記憶した情報をクリアし、次の遊技の処理に移行する。
また、メインCPU40aは、前記入賞判定において、チェリー役の取りこぼし目である「プラム・プラム・リプレイ」が停止しており、チェリー役の取りこぼしを決定した場合、チェリー役の入賞を決定しないがリプレイタイムへの突入を決定する。そして、メインCPU40aは、リプレイタイムを次のゲームから開始させるため、リプレイタイムを開始させることを示す情報をRAM40cに設定して1回のゲームを終了させる。リプレイタイムを開始させる情報として、メインCPU40aは、遊技状態がリプレイタイムであることと、リプレイタイムの回数をカウントするため経過回数Kに100回を設定する。ゲームの終了時、メインCPU40aは、当選役などを記憶した情報をクリアし、次の遊技の処理に移行する。
本実施形態のパチスロ機10では、図4(a)〜(c)(再遊技低確率状態での一般遊技、ビッグボーナスゲーム、レギュラーボーナスゲーム)において、チェリー役を取りこぼした場合、チャンス目(「プラム・プラム・リプレイ」)の図柄組み合わせが有効とされる図柄有効ラインL1〜L5のいずれかに停止されるようになっている。そして、チェリー役の取りこぼしがリプレイタイムの開始契機となる。このため、遊技者は、チェリー役を入賞させる場合には、2枚又は4枚の賞メダルを獲得するが、チェリー役を取りこぼすことでリプレイタイムを獲得することができる。したがって、遊技者は、チェリー役に当選時には、故意にチェリー役を取りこぼす(目押しによってチェリー役を取りこぼす)ことによって、リプレイタイムを開始させることができる。また、目押しが苦手な遊技者においては、チェリー役の目押しに失敗したがリプレイタイムに突入する場合もある。
そして、再遊技低確率状態の一般遊技でチャンス目が出現した場合には、当選役決定テーブルT1から当選役決定テーブルT4に移行される。また、再遊技低確率状態のビッグボーナスゲームでチャンス目が出現した場合には、当選役決定テーブルT2から当選役決定テーブルT5に移行される。また、再遊技低確率状態のレギュラーボーナスゲームでチャンス目が出現した場合には、当選役決定テーブルT3から当選役決定テーブルT6に移行される。すなわち、本実施形態では、特定遊技役の入賞以外にも、各遊技状態でチャンス目の出現を契機として、異なる遊技状態に移行されるようになっている。なお、図5(a)〜(c)(再遊技高確率状態の一般遊技、ビッグボーナスゲーム、レギュラーボーナスゲーム)において、メインCPU40aは、チェリー役を取りこぼした場合には、例えば、チャンス目を停止させないように停止制御を行うようにする。本実施形態では、当選役用決定乱数を取得し、当選役決定テーブルT1〜T6のいずれかを参照して役を決定するメインCPU40aが当選役決定手段として機能するとともに、ゲームの結果に応じて遊技状態を移行させるメインCPU40aが状態制御手段として機能する。
また、メインCPU40aは、前記入賞判定において、特定遊技役(セブン役、バー役)の入賞を決定した場合、各特定遊技役に応じた枚数(15枚)の賞メダル及び特典を遊技者に付与する。そして、メインCPU40aは、賞メダルを払い出す又はクレジット数を増加させることで1回のゲームを終了させるとともに、ボーナスゲームを遊技者に付与する。そして、メインCPU40aは、ボーナスゲームを開始させることを示す情報をRAM40cに設定して1回のゲームを終了させる。ゲームの終了時、メインCPU40aは、特定遊技役の当選などを記憶した情報をクリアし、次の遊技の処理に移行する。
また、メインCPU40aは、前記入賞判定において、はずれ役の入賞を決定した場合、1回の賞メダルの付与を行わず1回のゲームを終了させる。そして、ゲームの終了時、メインCPU40aは、当選役などを記憶した情報をクリアし、次の遊技の処理に移行する。
ゲームにおいて、メインCPU40aは、チャンス目を出現させ、リプレイタイムを開始させた場合、チャンス目の出現の次ゲーム(リプレイタイム突入後、1回目のゲーム)から経過回数Kのカウントを開始する。また、メインCPU40aは、図5(a)〜(c)のテーブルにおいて、当選役を決定した場合、その1回のゲームの終了時に経過回数Kを+1する。そして、メインCPU40aは、経過回数Kが100回になるまで(100回のリプレイタイムが行われるまで)、カウントを継続し、経過回数Kが100回となるゲームの終了を以ってリプレイタイムを終了させる。リプレイタイムの終了時、メインCPU40aは、リプレイタイム時に設定した情報をクリアする。
また、ゲームにおいて、メインCPU40aは、セブン役を入賞させ、ビッグボーナスゲームを開始させた場合、セブン役入賞の次ゲーム(ビッグボーナスゲーム開始後、1回目のゲーム)からカウント数Cのカウントを開始する。また、メインCPU40aは、図4(b)及び図5(b)の当選役決定テーブルにおいて、当選役を決定した場合、その1回のゲームの終了時に遊技者に払い出した賞メダルの枚数を加算していく。そして、メインCPU40aは、遊技者に払い出した賞メダルの枚数が360枚になるまで、カウントを継続し、遊技者に払い出した賞メダルの枚数が360枚となるゲームの終了を以ってビッグボーナスゲームを終了させる。また、メインCPU40aは、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが決定され、当該レギュラーボーナスゲームを入賞させた場合には、図4(c)及び図5(c)に示す当選役決定テーブルにおいて、当選役を決定し、後述するレギュラーボーナスゲーム時に行う処理と同時にカウント数のカウントを行う。ビッグボーナスゲームの終了時、メインCPU40aは、ビッグボーナス開始時に設定した情報をクリアする。
また、ゲームにおいて、メインCPU40aは、バー役を入賞させ、レギュラーボーナスゲームを開始させた場合、バー役入賞の次ゲーム(レギュラーボーナスゲーム開始後、1回目のゲーム)からゲームの回数及び小役に当選した回数のカウントを開始する。また、メインCPU40aは、図4(c)及び図5(c)の当選役決定テーブルにおいて、当選役を決定した場合、その1回のゲームの終了時にゲームの回数及び小役に当選した回数を更新する。そして、メインCPU40aは、ゲームの回数が12回又は小役の当選回数が8回になるまで、カウントを継続し、ゲームの回数が12回又は小役の当選回数が8回となるゲームの終了を以ってレギュラーボーナスゲームを終了させる。レギュラーボーナスゲームの終了時、メインCPU40aは、レギュラーボーナス開始時に設定した情報をクリアする。
次に、本実施形態のパチスロ機10におけるリプレイタイムが開始及び終了されるタイミングと、ビッグボーナスゲームの開始及び終了されるタイミングに拘わり、当選役決定テーブルが移行する態様について図7及び図8に基づき説明する。
図7及び図8には、当選役決定テーブルT1を「T1」、当選役決定テーブルT2を「T2」、当選役決定テーブルT3を「T3」、当選役決定テーブルT4を「T4」、当選役決定テーブルT5を「T5」、当選役決定テーブルT6を「T6」としている。
図7(a)には、一般遊技中にリプレイタイムに突入し、リプレイタイムとビッグボーナスゲームが同時に行われる場合を示している。この場合、再遊技低確率状態である一般遊技中は、当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる。そして、リプレイタイムが開始されると(時点A)、当選役決定テーブルT4に基づき役抽選が行われ、遊技者には、リプレイタイムのみが付与されている遊技状態となる。続いて、リプレイタイム中にビッグボーナスゲームが開始される(時点B)と、当選役決定テーブルT5に基づき役抽選が行われ、遊技者には、ビッグボーナスゲームとリプレイタイムとが同時に付与されている遊技状態となる。また、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが開始されると(時点Bから時点Cの間)、当選役決定テーブルT6に基づき役抽選が行われ、遊技者には、レギュラーボーナスゲームとリプレイタイムとが同時に付与されている遊技状態となる。続いて、ビッグボーナスゲームが終了すると(時点C)、当選役決定テーブルT4に基づき役抽選が行われる。そして、リプレイタイムが終了されると(時点D)、当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる。
また、図7(b)には、リプレイタイム中にビッグボーナスゲームが開始され、ビッグボーナスゲーム中にリプレイタイムが終了する場合を示している。この場合、当選役決定テーブルT4に基づき役抽選が行われ、遊技者には、リプレイタイムのみが付与されている状態となる。そして、リプレイタイム中にビッグボーナスが開始されると(時点E)、当選役決定テーブルT5に基づき役抽選が行われ、遊技者には、ビッグボーナスゲームとリプレイタイムとが同時に付与されている状態となる。また、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが開始されると(時点Eから時点Fの間)、当選役決定テーブルT6に基づき役抽選が行われ、遊技者には、レギュラーボーナスゲームとリプレイタイムが同時に付与されている状態となる。続いて、ビッグボーナスゲームの途中でリプレイタイムが終了すると(時点F)、当選役決定テーブルT2に基づき役抽選が行われ、遊技者には、ビッグボーナスゲームのみが付与されている状態となる。また、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが開始されると(時点Fから時点Gの間)、当選役決定テーブルT3に基づき役抽選が行われ、遊技者には、レギュラーボーナスゲームのみが付与されている状態となる。そして、ビッグボーナスゲームが終了すると(時点G)、当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる。
また、図8(a)には、ビッグボーナスゲーム中にリプレイタイムが開始する場合を示している。この場合、当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる。そして、ビッグボーナスゲームが開始されると(時点H)、当選役決定テーブルT2に基づき役抽選が行われ、遊技者には、ビッグボーナスゲームのみが付与されている状態となる。また、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが開始されると(時点Hから時点Iの間)、当選役決定テーブルT3に基づき役抽選が行われ、遊技者には、レギュラーボーナスゲームのみが付与されている遊技状態となる。続いて、ビッグボーナスゲーム中にリプレイタイムが開始されると(時点I)、当選役決定テーブルT5に基づき役抽選が行われ、遊技者には、ビッグボーナスゲームとリプレイタイムとが同時に付与されている状態となる。また、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが開始されると(時点Iから時点Jの間)、当選役決定テーブルT6に基づき役抽選が行われ、遊技者には、レギュラーボーナスゲームとリプレイタイムとが同時に付与されている状態となる。そして、リプレイタイム中にビッグボーナスゲームが終了すると(時点J)、当選役決定テーブルT4に基づき役抽選が行われる。
また、図8(b)には、再遊技低確率状態でビッグボーナスゲームが行われる場合を示している。この場合、当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる。そして、ビッグボーナスゲームが開始されると(時点K)、当選役決定テーブルT2に基づき役抽選が行われ、遊技者には、ビッグボーナスゲームのみが付与されている状態となる。また、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが開始されると(時点Kから時点Lの間)、当選役決定テーブルT3に基づき役抽選が行われ、遊技者には、レギュラーボーナスゲームのみが付与されている状態となる。続いて、ビッグボーナスゲームが終了すると(時点L)、当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる。
本実施形態のパチスロ機10では、図7(a),(b)、又は図8(a)のように、ビッグボーナスゲームとリプレイタイムが同時に遊技者に付与されるパターンと、図8(b)のようにビッグボーナスゲームのみが付与されるパターンがある。ビッグボーナスゲームとリプレイタイムとが同時に付与されるパターンでは、当選役決定テーブルT5、又は当選役決定テーブルT6に基づき役抽選が行われる。一方、ビッグボーナスゲームのみが付与されるパターンでは、当選役決定テーブルT2、又は当選役決定テーブルT3に基づき役抽選が行われる。このため、ビッグボーナスゲームとリプレイタイムとが同時に付与されるパターンでは、ビッグボーナスゲームのみが付与されるパターンに比べて、遊技者にメダルの保有枚数を増加させる(多数の賞メダルを獲得する)チャンスを与えることができる。すなわち、リプレイタイムが付与されるか否かにより遊技者が獲得できる賞メダルに差が生じる。特に、図7(a)のように、ビッグボーナスゲームが付与されている間、リプレイタイムが継続されるパターンでは、遊技者には、最もリプレイタイムによる利益を受けることができるチャンスが付与されることとなる。
また、図7(b)のように、ビッグボーナスゲームの途中でリプレイタイムが終了するパターンもあり、遊技者には、途中からリプレイタイムによる利益を受けることができるチャンスが終了される。一方、図8(a)のように、ビッグボーナスゲームの途中からリプレイタイムが開始するパターンでは、遊技者には、途中からリプレイタイムによる利益を受けることができるチャンスが付与される。
また、本実施形態のパチスロ機10では、レギュラーボーナスゲームの間、レギュラーボーナスゲームとリプレイタイムが同時に付与されるパターン、レギュラーボーナスゲーム中にリプレイタイムが開始されるパターン、又はリプレイタイムが終了されるパターンも生じることになる。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)リプレイタイムは、特定遊技役に当選して終了するのではなく、終了条件(本実施形態では所定回数(100回)の遊技が行われるまで)が成立するまでの間継続されるようにした。すなわち、リプレイタイム中に特定遊技役(セブン役、バー役)に当選した場合であっても、リプレイタイムを継続させるようにした。この場合、リプレイタイム中に特定遊技役に当選し、ボーナスゲームが開始されても、リプレイタイムを継続してボーナスゲームが付与される。すなわち、リプレイタイムと、ボーナスゲームとが並行して同時に行われる。このため、リプレイタイムと、ボーナスゲームとを別々の遊技状態とすることができる。また、リプレイタイムでは、再遊技役に当選する確率が再遊技低確率状態に比して上昇するため、再遊技低確率状態で遊技を行う場合に比べて再遊技役に多く当選する分だけ遊技者のメダルの消費(投入)を減少させることができる。その結果、リプレイタイムとボーナスゲームが同時に行われる場合には、再遊技低確率状態とボーナスゲームが行われる場合に比べて、ボーナスゲーム中に遊技者により多くの賞メダルを獲得させる(遊技者のメダルの保有枚数を増加させる)チャンスを与えることができる。すなわち、リプレイタイムが継続しているか否かによって、ボーナスゲーム中のメダルの増加態様に変化を生じさせることができる。したがって、ボーナスゲームとリプレイタイムとを共存させることによってボーナスゲーム中の遊技に変化を与え、リプレイタイムがもたらす利益によってボーナスゲーム中に獲得し得るメダルの枚数(純増枚数)に変化を生じさせ、ボーナスゲームのバリエーションを増加させることができる。
(2)また、一般遊技には、一般遊技とリプレイタイムと同時に行われる場合と、そうでない場合が存在する。また、ボーナスゲームには、ボーナスゲームがリプレイタイムと同時に行われる場合と、そうでない場合が存在する。このため、遊技状態毎に複数種類の態様を持たせることができ、遊技のバリエーションを増加させることができる。したがって、遊技状態に変化を持たせることで遊技者の遊技に対するマンネリ化を防止することができる。
(3)また、1種類のビッグボーナスゲームで当該ビッグボーナスゲームに異なる態様を持たせることができる。このため、ビッグボーナスゲームに複数種類の態様を予め設ける場合に比べて、ビッグボーナスゲームに対するパチスロ機10に係る制御負担の軽減に貢献することができる。
(4)リプレイタイムが開始されると、所定回数(本実施形態では100回)のゲームが消化されることを終了条件とし、当該終了条件が成立するまでの間リプレイタイムは継続される。このため、遊技者にリプレイタイムが何時まで継続するのかを把握させることができる。したがって、ゲーム性を遊技者にわかり易くし遊技の興趣を向上することができる。
(5)また、ボーナスゲーム中にもリプレイタイムが終了する(図7(b)参照)可能性があるため、遊技者にボーナスゲームを楽しませつつ、リプレイタイムの継続に対して遊技者に関心を持たせることができる。したがって、ボーナスゲームのバリエーションの増加に寄与するとともに、ボーナスゲームの興趣を向上させることができる。
(6)また、リプレイタイム中にボーナスゲームが開始される場合(図7(b)参照)には、当該ボーナスゲーム中にリプレイタイムが終了する可能性もある。このため、遊技者は、リプレイタイムが継続されている間(終了するまで)にボーナスゲームを消化することで、リプレイタイムがボーナスゲーム中の途中で終了される場合に比べて、賞メダルを獲得する(メダルの保有枚数をより多く増加させる)ことができる。したがって、特に、リプレイタイム中のボーナスゲーム中には、遊技者をボーナスゲームに集中させボーナスゲーム中の興趣を向上することができる。
(7)ボーナスゲーム中でも所定条件(チャンス目が停止する)が成立することによってリプレイタイムに突入する(図8(a)参照)ようにした。このため、ボーナスゲームが開始される場合には、開始時点でリプレイタイムでなくても(再遊技低確率状態であっても)ボーナスゲーム中に当該リプレイタイムに突入するチャンスを遊技者に与えることができる。すなわち、遊技状態(一般遊技、ビッグボーナスゲーム、レギュラーボーナスゲーム)に拘わらず遊技者にリプレイタイムの突入のチャンスを与えることができる。また、特に、再遊技低確率状態でボーナスゲームが開始された場合には、ボーナスゲーム中もリプレイタイムの突入に対し遊技者に関心を持たせることができる。
(8)ドラムユニットUに所定の図柄(本実施形態ではチャンス目)が停止されたことを契機にリプレイタイムが開始されるようにした。ドラムユニットUでは、当該ドラムユニットUに停止される図柄で役が付与されるか否か(賞メダルが払い出されるか否か)を遊技者に報知している。また、役が付与される(賞メダルが払い出される)場合には、役の種類(払い出される賞メダルの枚数)を遊技者に報知している。このため、ゲーム中に遊技者は、ドラムユニットUに最も注目している。すなわち、ドラムユニットUでリプレイタイムの突入契機を遊技者に報知することで、遊技者に当該突入契機を容易に把握させることができる。したがって、内部的にリプレイタイムの突入を決定し突然リプレイタイムが開始される場合に比較して、リプレイタイムという遊技性を遊技者にわかり易くさせるとともに、遊技方法の複雑化を抑制することができる。
(9)前記所定の図柄としては、特定遊技役(セブン役及びバー役)及び再遊技役に対応する図柄以外とした。このため、特定遊技役及び再遊技役に対応する図柄が停止されなかった場合でも、リプレイタイムに突入するチャンスを遊技者に与えることができる。すなわち、特定遊技役及び再遊技役のように次のゲームで何らかの遊技者に有利な特典が付与される図柄が停止されない場合にも、リプレイタイムに突入するかもしれないという期待を遊技者に持たせることができる。したがって、遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
(10)ビッグボーナスゲームは、予め定めた上限数(本実施形態では360枚)の賞メダルが払い出された場合に終了される。この場合、ビッグボーナスゲームでは、遊技者に付与された(払い出された)賞メダルの枚数は同じとなる。このため、ビッグボーナスゲーム中に遊技者が消費(投入)したメダルの枚数に従い、当該ビッグボーナスゲームで増加させる遊技者のメダルの枚数に差が生じることとなる。すなわち、リプレイタイムでビッグボーナスゲームが行われる場合には、遊技者が投入するメダルの数を抑制させることで、好適に賞メダルを遊技者に獲得させることができる。したがって、ビッグボーナスゲームが開始された場合、リプレイタイムであるか否かにより、遊技者の利益に差を生じさせることができる。また、ビッグボーナスゲームに遊技者の関心を惹き付け遊技の興趣を向上することができる。
(11)リプレイタイムでは、賞メダルが付与されない(賞メダルの払い出しがない(零)である)はずれ役の一部、又は当該はずれ役の全部を再遊技役に置き換えるようにした。すなわち、リプレイタイム中は、再遊技低確率状態に比べて、はずれ役の当選確率が減少又は零となる。このため、リプレイタイムにおいて、遊技者は、再遊技役に当選することによりメダルの投入を抑制して遊技を行うことができる。すなわち、再遊技役に多く当選することにより遊技者に同じ枚数のメダルでより多くのゲームを行わせることができる。したがって、リプレイタイム中は、遊技者のメダルの減少を抑えることができるチャンスであり、遊技者にとって有利な遊技状態とすることができる。
(12)また、特に、はずれ役の出る確率が零になる場合には、再遊技役に当選することで遊技者にメダルを投入させることなく遊技を行わせることができる。すなわち、遊技者は、賞メダルが付与される毎にメダルを確実に増加させることができる。したがって、リプレイタイムをより遊技者に有利な遊技状態とすることができる。
(13)また、リプレイタイムの一般遊技においても、再遊技役により多く当選する分だけ、再遊技低確率状態の一般遊技に比べて遊技者の保有するメダルの消費(投入)を減少させることができる。このため、一般遊技でもリプレイタイムを付与することにより、遊技者に有利な遊技状態とすることができる。
なお、前記実施形態は以下のように変更しても良い。
・実施形態において、リプレイタイムは、毎ゲームでリプレイタイムを継続するか否かの抽選を行うようにしても良い。そして、リプレイタイムは、再遊技高確率状態を継続するか否かの抽選を行い、当該抽選に当選し続ける間、継続されるようにする。換言すれば、前記抽選に当選しなかった(落選した)時点で、リプレイタイムは終了される。このため、何時リプレイタイムが終了するかを遊技者に予測させ難くする事ができる。また、リプレイタイム中には、毎ゲームでリプレイタイムの継続に対して遊技者に関心を持たせつつ遊技を行わせることができる。したがって、ボーナスゲーム以外でも遊技者の関心を惹き付けることができる。
・実施形態において、リプレイタイムの開始契機となる所定の条件は、メインCPU40aが所定の当選役、例えば、チェリー役を決定したこととしても良い。すなわち、役の入賞はなくても役抽選によって前記所定の当選役が決定されることを所定の条件としても良い。このため、毎ゲームの役抽選時、遊技者は、前記所定の当選役(本別例ではチェリー役)に当選しているか否かに興味を持つことができる。すなわち、遊技者には、本来の遊技の目的である特定遊技役に当選することと、前記所定の当選役に当選することの両方に期待を持たせつつ遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上することができる。したがって、所定の当選役が停止した場合、遊技者には、当該所定の当選役に対応する賞メダルとともに、リプレイタイムも付与することができる。また、前記所定の当選役としては、特定遊技役及び再遊技役に対応する当選役以外の役とする。このため、特定遊技役及び再遊技役に対応する当選役に当選しない場合でも、リプレイタイムに突入するチャンスを遊技者に与えることができる。すなわち、特定遊技役及び再遊技役のように次のゲームで何らかの遊技者に有利な特典が付与される役でない場合にも、再遊技高確率状態に突入するかもしれないという期待を遊技者に持たせることができる。したがって、遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
・実施形態において、ベル役、プラム役、チェリー役のうち一部でリプレイタイムに突入するようにしても良い。この場合、所定の割合で各役において、チャンス目(「プラム・プラム・リプレイ」)の図柄組み合わせが停止するようにしても良い。そして、メインCPU40aは、各役の決定時に、チャンス目を停止させるか否かの抽選をし、当該抽選に当選していた場合には、該当する役を示す図柄組み合わせを停止させずチャンス目を停止させるようにする。また、前記抽選に当選している場合、チャンス目を停止させず内部的にリプレイタイムに突入を決定し、突然突入するようにしても良い。また、はずれ役の所定の割合において、「プラム・プラム・リプレイ」の図柄組み合わせが停止するようにしても良い。この場合、はずれ役のうち所定の割合において、リプレイタイムが開始されることとなり、はずれ役においてもリプレイタイムに突入するかもしれないという期待を遊技者に持たせることができる。
・実施形態において、役抽選によって、リプレイタイムに突入するか否かの抽選を行い、当選した場合に図柄表示窓20にチャンス目を停止させるようにしても良い。また、チェリー役の当選時、チェリー役の取りこぼし目として図柄表示窓20にチャンス目を停止させるようにする。そして、リプレイタイムに突入するか否かの抽選に当選し、表示されたチャンス目に対してはリプレイタイムが付与されるが、チェリー役の取りこぼしに対するチャンス目に対してはリプレイタイムが付与されない(所謂、「ガセのチャンス目」)ようにする。ガセのチャンス目とは、チャンス目ではあるが当該チャンス目によりリプレイタイムに突入しないチャンス目である。こうすることで、図柄表示窓20にチャンス目が表示された場合、遊技者には、リプレイタイムの突入契機か、又はチェリー役の取りこぼし(ガセのチャンス目)か見分けがつかないため、リプレイタイムの突入により一層期待を持たせることができる。また、チェリー役の当選確率を高く振り分けることで、ガセのチャンス目の出現率を上昇させることができ、チャンス目を出現させるというゲーム性も付加することもできる。
・実施形態において、リプレイタイム用に専用の図柄を図柄列13a〜15aに設けても良い。この場合、リプレイタイムの当選時には、前記図柄を有効とされるいずれかの図柄有効ラインに一直線状に停止させ、当該停止を契機にリプレイタイムに突入するようにしても良い。また、リプレイタイム当選時には、チェリー役のようにドラム13で図柄表示窓20に前記図柄が表示されることを契機に、リプレイタイムに突入するようにしても良い。
・実施形態において、複数種類のリプレイタイムを設けても良い。そして、リプレイタイムの継続回数の異なるものや、はずれ役が再遊技役に置き換えられる割合の異なる複数種類のリプレイタイムを設けても良い。例えば、経過回数Kの上限が50回の第1のリプレイタイムと、経過回数Kの上限が100回の第2のリプレイタイムとを設けた場合、メインCPU40aは、リプレイタイムの開始時に第1のリプレイタイムとするか、第2のリプレイタイムとするかを振り分けるようにする。また、1回目のチャンス目で、はずれ役の半分を再遊技役に置き換えるリプレイタイムを付与し、当該リプレイタイム中に再びチャンス目が停止した場合、はずれ役の全てを再遊技役に置き換えるようにしても良い。このように、リプレイタイムを段階的に設定することで、リプレイタイム中にもチャンス目が停止するか否かに遊技者の関心を惹き付けることができる。さらに、遊技者がビッグボーナスゲーム中に獲得し得るメダルの枚数(純増枚数)にバリエーションを持たせることができる。
・実施形態において、リプレイタイム中に再度チャンス目が停止した場合には、当該リプレイタイムの残り回数(リプレイタイムが開始してから100回に到達するまでのゲーム数)に、新たに100回分のリプレイタイムを上乗せするようにしても良い。
・実施形態において、レギュラーボーナスゲーム中には、リプレイタイムの継続回数として経過回数Kをカウントしないようにしても良い。このため、ビッグボーナスゲームでは、こうすることで、レギュラーボーナスゲームにもその開始時、リプレイタイム中であるか否かに基づき、より明確な差を持たせることができる。したがって、レギュラーボーナスゲームの態様のバリエーションを増加させることができる。
・実施形態において、チャンス目の停止時、抽選によりリプレイタイムを開始するか否かを決定するようにしても良い。こうすることで、チャンス目に演出的効果を付加することができるとともに、遊技者には、チャンス目の停止後次のゲームでリプレイタイムが開始されるか否かに興味を持たせることができる。
・実施形態において、リプレイタイム中には、どの遊技状態(一般遊技、ビッグボーナスゲーム、レギュラーボーナスゲーム)においても、はずれ役の当選確率を零にするようにしても良い。こうすることで、リプレイタイムをより有利な遊技状態とすることができる。
・実施形態において、チェリー役以外の役(ベル役、プラム役、再遊技役)が役抽選で決定された場合、チャンス目の図柄組み合わせが停止されるようにしても良い。この場合、該当する役が取りこぼしが発生するような順序で図柄列13a〜15aに図柄を配置する。
・実施形態において、リプレイタイムの突入契機となるチャンス目自体を役抽選によって、メインCPU40aが抽選するようにしても良い。リプレイタイムの開始契機となる図柄組み合わせを一つの役として存在させることができ、遊技者には、ビッグボーナス、レギュラーボーナスに加えてリプレイタイムに当選することを目的に遊技させることができる。したがって、遊技の興趣を向上させることができる。
・実施形態は、遊技媒体として遊技球を(パチンコ球)を用いるパチンコ式スロット機(パチスロ機)に具体化しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記状態制御手段は、前記再遊技高確率状態が開始してから、当該再遊技高確率状態を継続するか否かの抽選を行い、当該抽選に当選しなかったことを前記終了条件として制御することを特徴とする遊技機。
T1〜T6…当選役決定テーブル、U…ドラムユニット、10…パチスロ機、13〜15…ドラム、13a〜15a…図柄列、32…スタートレバー、33〜35…ストップボタン、38…ホッパー、40…主制御基板、40a…メインCPU、40b…ROM。