次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本実施形態によるパチスロ機1の外観を示す正面図である。
パチスロ機1の本体中央部の筐体内部には3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。各リール2〜4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これら各リール2〜4の前部にはリール表示窓部39が設けられており、このリール表示窓部39に形成された表示窓5,6,7を通して、各リール2〜4の外周面に描かれたシンボルがそれぞれ3個ずつ観察される。リール2〜4および表示窓5〜7は、複数のシンボルを3列に表示する図柄表示手段を構成している。
リール2〜4の前部のリール表示窓部39には、同図に示すように横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技者が遊技媒体であるメダルを投入するための投入口8が設けられている。ゲーム開始に先立って、遊技者が投入口8からメダルを投入すると、図2に示すように、L1(センターライン),L2A(トップライン),L2B(ボトムライン),L3A(クロスダウンライン),およびL3B(クロスアップライン)の全ての入賞ラインが一斉に有効化される。なお、同図における丸印は各リール2〜4上に描かれたシンボルを表している。以降、有効化された入賞ラインを有効化入賞ラインという。本実施形態のパチスロ機1では、メダル3枚賭けもしくは2枚賭けで遊技が行なわれる構成になっており、メダルを1枚投入すると全ての入賞ラインが一斉に有効化されるが、遊技を開始させることはできない。
リール表示窓部39は、後述する液晶パネル39dが電気的表示パネルとして積層されて構成されている。この液晶パネル39dは、遊技者から見てリール2〜4の手前側に配設されて、上述した各リール2〜4の外周面に描かれたシンボルの表示を透過させるように構成されており、遊技に関する種々の情報や演出画像などを表示する。
また、表示窓5〜7の左方の機器前面パネル38には、上部から、遊技動作表示器9〜12、メダル投入枚数表示ランプ(ベットランプ)13〜15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。各表示器9〜12およびベットランプ13〜15は遊技状況に応じて点灯制御され、その時の遊技状況やメダルの投入枚数が遊技者に通知される。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、機械内部に現在クレジットされているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点滅する。
また、表示窓5〜7の右方の機器前面パネル38には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム作動時に、後述するMB(ミドルボーナス)ゲームの残り回数などをデジタル表示する。WINランプ19は、MBの内部当籤役(当籤役)が決定されると点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数などを表示する。インサートランプ21は投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
左方の機器前面パネル38の下方には、選択ボタン23、決定ボタン24、1貯留メダル投入ボタン26、2貯留メダル投入ボタン27、および3貯留メダル投入ボタン28が設けられている。選択ボタン23は、液晶パネル39dに表示する情報を、液晶パネル39dに表示されるメニュー画面などに従って選択する際に操作され、決定ボタン24は、選択ボタン23で選択した情報を決定する際や液晶パネル39dに表示させる際などに操作される。また、貯留メダル投入ボタン26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されてクレジットされている際に、投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1枚〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
また、リール表示窓部39の下方には、左側から、貯留メダル精算ボタン29、スタートレバー30、および停止ボタン(ストップボタン)31,32,33が設けられている。貯留メダル精算ボタン29は、機械内部にメダルをクレジットして遊技を行うか各単位遊技毎に投入口8にメダルを投入して遊技を行うかを切り替える際と、機械内部にクレジットされている全てのメダルを払い出して精算する際とに使用される。スタートレバー30の操作により各リール2〜4の回転が一斉に開始する。スタートレバー30は、単位遊技を開始させる開始操作手段を構成している。停止ボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したときに停止ボタン31〜33の操作は有効になる。各リール2〜4の回転は、有効になった停止ボタン31〜33に対する遊技者の停止操作に応じて停止する。
また、パチスロ機1の正面下部にはメダル受皿34が設けられている。このメダル受皿34はメダル払出口35から払い出されるメダルを貯めるものである。また、パチスロ機1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部36が設けられている。配当表示部36の左右には一対のスピーカカバー96,96が設けられており、各スピーカカバー96,96の背後の筐体内部には後述するスピーカが内蔵されている。各スピーカからの出音は、スピーカカバー96,96にスリット状に開口して形成された複数の透音孔96aから放出される。
また、パチスロ機1の筐体内部には、出玉率の設定値を設定する際に操作される図示しない設定ボタンおよびリセットボタンが設けられている。ここで、出玉率とは、パチスロ機1に投入されたメダルの総枚数に対する払い出されたメダルの総枚数の割合を示すものである。本実施形態では、出玉率の設定値として、“1”,“4”,“6”,“High”の4つの値が用意されており、設定ボタンが操作されると、リセットボタンが1回操作される度に配当枚数表示部20に表示される出玉率の設定値が“1”,“4”,“6”,“High”の順に繰り上がり、出玉率の設定値が“High”の状態で更にリセットボタンが操作されると、出玉率の設定値が“1”に戻る。
各リール2〜4は図3(a)に示す回転リールユニットとして構成されており、フレーム41にブラケット42を介して取り付けられている。各リール2〜4はリールドラム43の外周にリール帯44が貼られて構成されている。リール帯44の外周面にはシンボル列が描かれている。また、各ブラケット42にはステッピングモータ45が設けられており、各リール2〜4はこれらステッピングモータ45が駆動されて回転する。
各リール2〜4の構造は同図(b)に示される。リール帯44の背後のリールドラム43内部にはランプケース46が設けられており、このランプケース46の3個の各部屋にはそれぞれリールバックランプ47a,47b,47cが取り付けられている。これらリールバックランプ47a〜47cは、異なる複数の色を発光するLEDが基板48に取り付けられて構成されており、基板48はランプケース46の背面に取り付けられている。また、ブラケット42にはホトセンサ49が取り付けられている。このホトセンサ49は、リールドラム43に設けられた遮蔽板50がリールドラム43の回転に伴ってホトセンサ49を通過するのを検出する。
各リールバックランプ47a〜47cの点灯により、リール帯44に描かれたシンボルの内、各リールバックランプ47a〜47cの前部に位置する3個のシンボルが背後から個別に照らし出され、各表示窓5〜7にそれぞれ3個ずつのシンボルが映し出される。
本実施形態におけるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」、「MB一般遊技状態」、「MB中RT非作動状態」、および「MB終了後RT作動中状態」の4つの遊技状態がある。これらの各遊技状態は、基本的に、内部当籤する可能性のある当籤役の種類や当籤役の当籤確率などにより区別される。
「一般遊技状態」は、パチスロ機1に電源が投入された直後における遊技状態であり、後述する内部抽籤処理において全ての役が決定される遊技状態である。
「MB一般遊技状態」は、後述する内部抽籤処理においてMBが当籤役として決定されると共に、このMBに対応するシンボル組合せ(青7−青7−青7)がリール表示窓部39における何れかの有効化入賞ライン上に表示役として停止表示されたことを契機として作動する。「MB一般遊技状態」では後述するCBの当籤役の当籤確率が高くなるMBゲームが行われ、「MB一般遊技状態」は、MBゲームが作動してからのメダル払出枚数が100枚に達すると、終了する。また、「MB一般遊技状態」が作動すると、メダルを投入せずに再度単位遊技が行える再遊技の当籤役の当籤確率が高くなるRT(リプレイタイム)状態が作動する。
MBが当籤役として決定されたときにセットされるボーナス当たり要求フラグは、フラグが立てられた以降の単位遊技に持ち越され、MBのシンボル組合せが有効化入賞ライン上に停止表示されてMBが実際に成立すると、ボーナス当たり要求フラグはクリアされる。MBのボーナスが持ち越されている一般遊技状態は、内部当籤状態(持越状態)と呼ばれる。また、ボーナス当たり要求フラグ以外の当籤要求フラグは、フラグが立てられた単位遊技においてのみ有効であり、その単位遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。なお、内部当籤役を持ち越すとは、内部抽籤処理で決定された内部当籤役としての機能を次回以降の単位遊技において発揮できるようにすれば足り、種々の態様に適宜変更可能である。ここで、単位遊技とは、遊技者のスタートレバー30に対する操作に応じて各リール2〜4が回転してから、遊技者の停止ボタン31〜33に対する操作に応じて各リール2〜4の回転が停止し、この際に有効化入賞ライン上に揃ったシンボルの組合せに応じたメダルの払い出しが行われるまでか、次回のゲームの開始が許可される(次回のゲームが始まる)前までのことである。
CBゲームは、後述する内部抽籤処理においてCBが当籤役として決定されると共に、このCBに対応するシンボル組合せ(BAR−BAR−BAR)がリール表示窓部39における何れかの有効化入賞ライン上に表示役として停止表示されたことを契機として、次回の1回の単位遊技に限り作動し、その1回の単位遊技が行われると終了する。CBゲームは、本実施形態では、左リール2および中リール3におけるシンボルの滑りコマ数が最大4コマであるのに対し、右リール4におけるシンボルの滑りコマ数が最大1コマとなると共に、各小役(チェリー,ベル,スイカ)が当籤役として決定される。このため、CBゲームでは、遊技者の停止操作に応じて各小役を入賞させる遊技が行える。なお、CBゲームで、滑りコマ数が減少するリールの種類や数、また、減少する滑りコマ数の値は、適宜変更可能である。
「MB中RT非作動状態」は、「MB一般遊技状態」で上述したRT状態が非作動になっている状態である。また、「MB終了後RT作動中状態」は、「MB一般遊技状態」で作動したRT状態が「MB一般遊技状態」の終了後にも継続している遊技状態である。
図4(a),(b)に示すように、遊技状態が時刻T1で「MB一般遊技状態」になると、再遊技役(リプレイ)が当籤役として決定される確率が「一般遊技状態」よりも高いRT作動状態になる。この「MB一般遊技状態」中にCBが内部当籤し、CBに対応するシンボル組合せが時刻T2で有効化入賞ライン上に揃うと、同図(a)に示すようにRT作動状態が終了して「MB中RT非作動状態」となる。この「MB中RT非作動状態」では、再遊技役が当籤役決定手段により当籤役として決定される確率が「一般遊技状態」と等しくなる。この「MB中RT非作動状態」は、「MB一般遊技状態」が終了する時刻T3までの間、継続して作動する。「MB一般遊技状態」が終了する時刻T3以降は、「一般遊技状態」になる。
一方、「MB一般遊技状態」中にCBが内部当籤しても、CBに対応するシンボル組合せが時刻T2で有効化入賞ライン上に揃わないと、CB役は次の単位遊技以降も持ち越され、同図(b)に示すようにRT作動状態が時刻T2以降も継続する。「MB一般遊技状態」が時刻T3で終了するまでCBに対応するシンボル組合せが揃わないと、時刻T3以降も継続して再遊技役(リプレイ)が当籤役として決定される確率が「一般遊技状態」よりも高いRT作動状態になる。本実施形態では、「MB終了後RT作動中状態」は、遊技状態が「MB一般遊技状態」に遷移してRT状態になってから、予め定められた所定回数(500回)の単位遊技が行なわれる時刻T4で、終了する。時刻T4以降は、遊技状態が「一般遊技状態」になる。
図5および図6は、上述したパチスロ機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62a,62bに構成された回路構成を示している。メイン制御基板61には主制御回路が構成されており、サブ制御基板62aには画像制御回路(gSub)、サブ制御基板62bには音・ランプ制御回路(mSub)が構成されている。
図5に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69、および発生した乱数の1つを特定するサンプリング回路70とが接続されている。さらに、メインCPU64には、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート71が接続されている。プログラムROM65は、後述する各種テーブルやデータ、シーケンスプログラムなどを格納するように記憶部が区分されている。また、制御RAM66には、後述する各種格納領域などが設けられている。
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2〜4を回転駆動するステッピングモータ45、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路74、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら各駆動回路74、76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、貯留メダル投入ボタン26,27,28の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ26S,27S,28S、および貯留メダル精算ボタン29の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ29Sがある。
スタートスイッチ30Sは、スタートレバー30に対する単位遊技の開始操作の検出を行なう開始操作検出手段を構成している。乱数発生器69は、乱数を発生させる乱数発生手段を構成している。サンプリング回路70は、開始操作検出手段により行なわれる開始操作の検出に基づいて、乱数発生器69によって発生される乱数の中から任意の乱数を抽出する乱数抽出手段を構成している。また、マイコン63は、サンプリング回路70により抽出された一の乱数が属する数値範囲に基づいて単位遊技における当籤役を決定する当籤役決定手段を構成している。
また、上記の入力信号発生手段としては、ホトセンサ49からの出力パルス信号を受けて各リール2〜4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサ49は各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では図示されていない。リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサ49は、各リール2〜4が一回転する毎に、リールインデックスとして設けられている遮蔽板50を検出してリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、メインCPU64は、このリセットパルスに基づいて、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値を“0”にクリアする。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消される。
上記のマイコン63、ステッピングモータ45、モータ駆動回路74、およびリール位置検出回路77は、スタートスイッチ30Sにより行なわれる開始操作の検出に基づいて、図柄表示手段により表示されるシンボルの変動を行なう図柄変動手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、停止ボタン31〜33が押された時に対応するリールを停止させる信号を発生するリール停止信号回路78と、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72Sおよび払出完了信号発生回路73とがある。払出完了信号発生回路73は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。これら入力信号発生手段を構成する各回路73,78も、I/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
また、リール停止信号回路78は、図柄変動手段によるシンボルの変動を停止させる停止ボタン31〜33の操作の検出を行う停止操作検出手段を構成している。また、マイコン63、ステッピングモータ45、モータ駆動回路74、およびリール位置検出回路77は、リール停止信号回路78により行なわれる停止操作の検出に基づいて、図柄表示手段により表示されるシンボルの中から当籤役決定手段により決定された当籤役に応じたシンボルを所定の図柄変動範囲内、本実施形態ではシンボル4コマの滑りコマ数の範囲内で変動表示させ、図柄変動手段により行われるシンボルの変動を停止させる制御を行う停止制御手段を構成している。また、マイコン63、ホッパー72、メダル検出部72S、ホッパー駆動回路76、および払出完了信号発生回路73は、停止制御手段により図柄表示手段に停止表示されたシンボルの組合わせに応じて遊技者にメダルを遊技媒体として付与する遊技媒体付与手段を構成している。
また、マイコン63は、当籤役決定手段によって所定の役(本実施形態では“CB”)が決定され、図柄表示手段によって所定の役に対応する第1の図柄組合せ(本実施形態ではCBのシンボル組合せBAR−BAR−BAR)が図柄表示手段に揃ったことを条件に、停止制御手段により当籤役に応じた図柄が停止制御される際に変動表示させられる図柄変動範囲が、1回の単位遊技に限り、所定の図柄変動範囲よりも狭められる第1の特別遊技(本実施形態では前述したCBゲーム)を作動させる第1の特別遊技作動手段を構成している。また、マイコン63は、当籤役決定手段によって特定の役(本実施形態では“MB”)が決定され、この特定の役に対応する第2の図柄組合せ(本実施形態ではMBのシンボル組合せ青7−青7−青7)が図柄表示手段に揃ったことを条件に、遊技媒体付与手段によって遊技者にCBゲームよりも有利な形でメダルが付与される第2の特別遊技(本実施形態ではMBゲーム)を作動させる第2の特別遊技作動手段を構成している。また、マイコン63は、所定の条件(本実施形態ではMBゲーム中に100枚のメダルが払い出されること)が成立したことを条件に、第2の特別遊技作動手段が作動させたMBゲームを終了させる特別遊技終了手段を構成している。また、マイコン63は、再遊技役(リプレイ)に対応する図柄組合せリプレイ−リプレイ−リプレイが図柄表示手段に揃ったことを条件に、メダルを投入せずに再度単位遊技が行える再遊技を作動させる再遊技作動手段を構成している。また、マイコン63は、第2の特別遊技作動手段によってMBゲームが作動させられると、再遊技作動手段が再遊技を作動させる確率が高い再遊技高確率遊技状態(RT作動状態)にし、MBゲームの作動中に第1の特別遊技作動手段によってCBゲームが作動させられると、再遊技高確率遊技状態を終了させて、再遊技高確率遊技状態に比べて再遊技を作動させる確率が低い再遊技低確率遊技状態(RT非作動状態)にし、MBゲームの作動中に第1の特別遊技作動手段によってCBゲームが作動させられないと、再遊技高確率遊技状態をMBゲーム終了後も継続させる遊技状態制御手段を構成している。
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63は、このサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62aへ信号を送出する。
図5に示すサブ制御基板62aには、この信号を受信するシリアルポート80aが設けられている。サブ制御部通信ポート79およびシリアルポート80a間の通信は、サブ制御部通信ポート79からシリアルポート80aへ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からシリアルポート80aへ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、8ビットまたは24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとのセットで構成されている。
サブ制御基板62aは、画像制御CPU81、プログラムROM82およびワークRAM83を主な構成要素として備えている。プログラムROM82には、後述する各種テーブルや画像制御に必要なシーケンスプログラムなどが格納されている。また、ワークRAM83には、画像制御CPU81により種々の処理が行なわれる際の一時的なデータなどが格納される。
また、画像制御CPU81には、制御RAM88を有するVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)86が接続されており、このVDP86には、キャラクタ・データ等が記憶された画像ROM(CROM)87、およびカラーディスプレイ表示用バッファメモリであるビデオRAM89が接続されている。画像制御CPU81は、プログラムROM82に記憶されたシーケンスプログラムに従い、ワークRAM83を作業領域としてVDP86を制御し、VDP86は、画像制御CPU81の制御の下、画像ROM87から読み込んだキャラクタ・データに基づいて液晶パネル39dに画像表示を行う。この画像制御は、カレンダIC(集積回路)84から入力した日付時刻情報を用いて行われ、前述した選択ボタン23および決定ボタン24などの操作部に対する操作入力や、メイン制御基板61から送信されたスタートコマンドやメダル投入コマンドなどの各種コマンドの受信などに応じて行われる。これらワークRAM83およびカレンダIC84は、停電時におけるバックアップ対象になっている。
画像制御CPU81は、シリアルポート80aを介して受信した各種コマンド等に基づいて遊技状態や当籤フラグの種類といった情報を取り込み、取り込んだ情報に基づいて、液晶パネル39dに表示する画像を選択する。そして、VDP86を制御して、選択した画像を液晶パネル39dに表示させる。また、液晶パネル39dに表示されるメニュー画面の表示に従って選択ボタン23および決定ボタン24が操作されると、画像制御CPU81の制御の下、遊技履歴情報やMBの入賞回数などといった遊技に関する情報がVDP86により液晶パネル39dに表示される。
また、液晶パネル39dには、遊技状態制御手段によって作動させられているRT作動状態やRT非作動状態、CBの当籤役が内部当選したことが表示される。画像制御CPU81,VDP86,および液晶パネル39dは、遊技状態制御手段によって作動させられている遊技状態を報知する報知手段を構成している。
また、サブ制御基板62aのシリアルポート80aは、サブ制御基板62bのシリアルポート80bに接続されている。サブ制御基板62bの音・ランプ制御CPU90には、プログラムが記憶されたプログラムROM91、および作業領域となるワークRAM92が接続されている。音・ランプ制御CPU90は、シリアルポート80aを介してシリアルポート80bで受信した制御信号に基づき、ランプ類98およびLED類99などの点灯を制御する。ランプ類98は、ベットランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21などを示している。LED類99は、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ47a〜47c、遊技動作表示器9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、配当枚数表示部20などを示している。
また、音・ランプ制御CPU90には、音源IC93およびパワーアンプ95を介して、スピーカカバー96,96の背後に設けられた前述したスピーカ101,101が接続されており、さらに、音量調節部97が接続されている。音・ランプ制御CPU90は、プログラムROM91に記憶されたプログラムに従って音源IC93を制御し、音源IC93は、音・ランプ制御CPU90によるこの制御に従い、音源ROM94に記憶されたサウンド・データを読み出す。そして、読み出したデータを、音量調節部97からの入力に応じた増幅度に従ってパワーアンプ95において増幅させ、メダル投入音やスタートレバー操作音,停止ボタン操作音,MBゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ101,101から出力させる。
図7〜図12は、メイン制御基板61のプログラムROM65に記憶された各種テーブルおよびデータを示す図である。
図7は、図柄配置テーブルを概念的に示す図である。
図柄配置テーブルは、左,中,右の各リール2〜4毎に、“0”〜“20”のコードナンバーとシンボルの種別との関係を記憶しており、図柄位置欄に示されるコードナンバーに基づき、図柄欄に示されるシンボル種別が特定される。
同図に示すように、左リール2について、コードナンバー“20”にはシンボル“スイカ”が対応付けられており、コードナンバーが“20”であるとシンボル“スイカ”がシンボル種別として特定される。コードナンバー“19”にはシンボル“リプレイ”が対応付けられており、コードナンバーが“19”であるとシンボル“リプレイ”がシンボル種別として特定される。以下、“18”〜“0”の各コードナンバーについても、同図に示すようにそれぞれ1種類のシンボルが対応付けられており、コードナンバーからシンボルの種別が特定される。また、中リール3および右リール4についても、左リール2と同様に、“20”〜“0”の各コードナンバーにそれぞれ1種類のシンボルが対応付けられており、コードナンバーからシンボル種別が特定される。各リール2〜4は、シンボル列が図の矢印方向に移動するように回転駆動される。
図8は、図柄組合せテーブルを概念的に示す図である。
図柄組合せテーブルは、表示役およびメダル払出枚数を特定する際に用いられる。図柄組合せテーブルには、左リール2,中リール3,右リール4について有効化入賞ライン上に表示されたシンボルの組合せと、表示役と、メダル払出枚数との関係が記憶されている。各リール2〜4の欄に表されるシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に表示されると、対応する表示役欄に表される表示役および払出枚数欄に表される枚数が、それぞれ表示役およびメダルの払出枚数として特定される。なお、同図の表示役欄中の表示役1データ欄,表示役2データ欄は、それぞれ後述する表示役1格納領域に格納されるデータ,表示役2格納領域に格納されるデータを示している。
同図に示すように、“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ライン上に表示されると、“00000001”の「リプレイ」が表示役1として特定され、投入枚数が2枚および3枚のいずれの場合であっても0枚が払出枚数として特定される。表示役として「リプレイ」が特定されると、その単位遊技で遊技に賭けられた枚数と同じ枚数のメダルが、次の単位遊技で自動投入される(図15,S43参照)。また、“チェリー−ANY−ANY”が有効化入賞ライン上に表示されると、“00000010”の「チェリー」の小役が表示役1として特定され、投入枚数が2枚の場合には15枚、投入枚数が3枚の場合には2枚がそれぞれ払出枚数として特定される。なお、「ANY」はどのシンボルでもよいことを表す。また、“ベル−ベル−ベル”が有効化入賞ライン上に表示されると、“00000100”の「ベル」の小役が表示役1として特定され、投入枚数が2枚の場合には15枚、投入枚数が3枚の場合には10枚がそれぞれ払出枚数として特定される。また、“スイカ−スイカ−スイカ”が有効化入賞ライン上に表示されると、“00001000”の「スイカ」の小役が表示役1として特定され、投入枚数が2枚の場合には15枚、投入枚数が3枚の場合には6枚がそれぞれ払出枚数として特定される。また、“青7−青7−青7”が有効化入賞ライン上に表示されると、“00000001”の「MB」が表示役2として特定され、投入枚数が2枚および3枚のいずれの場合であっても0枚が払出枚数として特定される。表示役として「MB」が特定されると、次の単位遊技からMBゲームが行なわれる。また、“BAR−BAR−BAR”が有効化入賞ライン上に表示されると、“00000010”の「CB」が表示役2として特定され、投入枚数が2枚および3枚のいずれの場合であっても0枚が払出枚数として特定される。表示役として「CB」が特定されると、次の1回の単位遊技のみCBゲームが行なわれる。また、上記以外のシンボルの組合わせが有効化入賞ライン上に表示されると、「ハズレ」が表示役として特定され、投入枚数が2枚および3枚のいずれの場合であっても0枚が払出枚数として特定される。
図9は、内部抽籤テーブル決定テーブルを概念的に示す図である。
この内部抽籤テーブル決定テーブルは、後述する内部抽籤処理(図14,S6参照)において、内部当籤役の抽籤に用いる内部抽籤テーブルの種別および抽籤回数を決定する際に用いられる。このテーブルでは、一般遊技状態、MB一般遊技状態、MB中RT非作動状態、およびMB終了後RT作動中状態の各遊技状態毎に、抽籤回数、および抽籤に用いる内部抽籤テーブルの種別を表す数値データが割り当てられている。後述する内部抽籤処理では、各遊技状態に対応する内部抽籤テーブルを用いて、数値データが表す抽籤回数だけ抽籤が行われる。
一般遊技状態には、一般遊技状態用内部抽籤テーブルおよび抽籤回数6回を表すデータが割り当てられており、一般遊技状態中の各単位遊技では、内部抽籤テーブルとして一般遊技状態用内部抽籤テーブル、抽籤回数として6回が決定される。また、MB一般遊技状態には、MB一般遊技状態用内部抽籤テーブルおよび抽籤回数5回を表すデータが割り当てられており、MB一般遊技状態中の各単位遊技では、内部抽籤テーブルとしてMB一般遊技状態用内部抽籤テーブル、抽籤回数として5回が決定される。また、MB中RT非作動状態には、MB中RT非作動状態用内部抽籤テーブルおよび抽籤回数5回を表すデータが割り当てられており、MB中RT非作動状態中の各単位遊技では、内部抽籤テーブルとしてMB中RT非作動状態用内部抽籤テーブル、抽籤回数として5回が決定される。また、MB終了後RT作動中状態には、MB終了後RT作動中状態用内部抽籤テーブルおよび抽籤回数6回を表すデータが割り当てられており、MB終了後RT作動中状態中の各単位遊技では、内部抽籤テーブルとしてMB終了後RT作動中状態用内部抽籤テーブル、抽籤回数として6回が決定される。
図10は、各内部抽籤テーブルを概念的に示す図である。同図(a)は、一般遊技状態で用いられる一般遊技状態用内部抽籤テーブル、同図(b)は、MB一般遊技状態で用いられるMB一般遊技状態用内部抽籤テーブル、同図(c)は、MB中RT非作動状態で用いられるMB中RT非作動状態用内部抽籤テーブル、同図(d)は、MB終了後RT作動中状態で用いられるMB終了後RT作動中状態用内部抽籤テーブルである。
各内部抽籤テーブルは、後述する内部抽籤処理(図14,S6参照)において、当籤役を抽籤する際に用いられる。各内部抽籤テーブルは、乱数発生器69で発生してサンプリング回路70で抽出された0〜65535の範囲の乱数を、各当籤番号に区分けする数値範囲を抽籤値として記憶している。抽籤値は各当籤番号毎に設定され、各当籤番号は各データポインタに対応づけられている。データポインタは、小役およびリプレイに係る内部当籤役の種類を数値として表現する小役・リプレイ用データポインタと、ボーナスゲームに係る内部当籤役の種類を数値として表現するボーナス用データポインタとから構成され、各当籤番号に対応する内部当籤役を規定している。
同図(a)に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、出玉率の設定値が設定“1”、メダル投入枚数が“3枚”の一般遊技状態で用いられる。
この一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは、予め定められた複数の種類の内部当籤役に対応するデータポインタが、“1”〜“6”の当籤番号に対応付けられている。当籤番号1には、抽籤値8980の数値範囲,小役・リプレイ用データポインタの1,ボーナス用データポインタの0が割り当てられており、当籤確率は8980/65536である。また、当籤番号2には、抽籤値200の数値範囲,小役・リプレイ用データポインタの2,ボーナス用データポインタの0が割り当てられており、当籤確率は200/65536である。また、当籤番号3には、抽籤値8000の数値範囲,小役・リプレイ用データポインタの3,ボーナス用データポインタの0が割り当てられており、当籤確率は8000/65536である。また、当籤番号4には、抽籤値1500の数値範囲,小役・リプレイ用データポインタの4,ボーナス用データポインタの0が割り当てられており、当籤確率は1500/65536である。また、当籤番号5には、抽籤値25の数値範囲,小役・リプレイ用データポインタの0,ボーナス用データポインタの2が割り当てられており、当籤確率は25/65536である。また、当籤番号6には、抽籤値50の数値範囲,小役・リプレイ用データポインタの0,ボーナス用データポインタの1が割り当てられており、当籤確率は50/65536である。
サンプリング回路70で抽出された乱数値が上記のいずれの抽籤値にも該当しない場合はハズレとなる。また、設定“4”,“6”,“H”についての各一般遊技状態用内部抽籤テーブルも、設定“1”についての上記の一般遊技状態用内部抽籤テーブルと同様に、当籤番号1〜6の各当籤番号毎に抽籤値と各データポインタの値とが割り当てられている。
同図(b)に示すMB一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、出玉率の設定値が設定“1”、メダル投入枚数が“2枚”のMB一般遊技状態で用いられる。
このMB一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号2〜4に割り当てられている抽籤値および各データポインタの値は、同図(a)に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルにおける当籤番号2〜4の抽籤値および各データポインタの値とそれぞれ同一である。また、当籤番号1には、抽籤値49923の数値範囲,小役・リプレイ用データポインタの1,ボーナス用データポインタの0が割り当てられており、当籤確率は49923/65536である。従って、MB一般遊技状態用内部抽籤テーブルが用いられるMB一般遊技状態では、当籤番号1に対応する小役・リプレイ用データポインタ1およびボーナス用データポインタ0が決定される確率、すなわち、リプレイの当籤役が決定される確率は、同図(a)に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルが用いられる一般遊技状態に比べて約5.5倍になっている。また、当籤番号5には、抽籤値8000の数値範囲,小役・リプレイ用データポインタの0,ボーナス用データポインタの2が割り当てられており、当籤確率は8000/65536である。従って、MB一般遊技状態用内部抽籤テーブルが用いられるMB一般遊技状態では、当籤番号5に対応する小役・リプレイ用データポインタ0およびボーナス用データポインタ2が決定される確率、すなわち、CBの当籤役が決定される確率は、同図(a)に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルが用いられる一般遊技状態に比べて320倍になっている。
また、上記のいずれの抽籤値にも該当しない場合はハズレとなる。また、設定“4”,“6”,“H”についての各MB一般遊技状態用内部抽籤テーブルも、設定“1”についての上記の一般遊技状態用内部抽籤テーブルと同様に、当籤番号1〜5の各当籤番号毎に数値範囲と各データポインタの値とが割り当てられている。
同図(c)に示すMB中RT非作動状態用内部抽籤テーブルは、出玉率の設定値が設定“1”、メダル投入枚数が“2枚”のMB中RT非作動状態で用いられる。
このMB中RT非作動状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号1〜4に割り当てられている抽籤値および各データポインタの値は、同図(a)に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルにおける当籤番号1〜4の抽籤値および各データポインタの値とそれぞれ同一であり、当籤番号5に割り当てられている抽籤値および各データポインタの値は、同図(b)に示すMB一般遊技状態用内部抽籤テーブルにおける当籤番号5の抽籤値および各データポインタの値とそれぞれ同一である。
上記のいずれの抽籤値にも該当しない場合はハズレとなる。また、設定“4”,“6”,“H”についての各MB中RT非作動状態用内部抽籤テーブルも、設定“1”についての上記の一般遊技状態用内部抽籤テーブルと同様に、当籤番号1〜5の各当籤番号毎に数値範囲と各データポインタの値とが割り当てられている。
同図(d)に示すMB終了後RT作動中状態用内部抽籤テーブルは、全設定共通、すなわち出玉率の設定値が“1”,“4”,“6”または“High”のいずれかで、メダル投入枚数が“3枚”のMB終了後RT作動中状態で用いられる。
このMB終了後RT作動中状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号1に割り当てられている抽籤値および各データポインタの値は、同図(b)に示すMB一般遊技状態用内部抽籤テーブルにおける当籤番号1の抽籤値および各データポインタの値とそれぞれ同一であり、当籤番号2〜6に割り当てられている抽籤値および各データポインタの値は、同図(a)に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルにおける当籤番号2〜6の抽籤値および各データポインタの値とそれぞれ同一である。
上記のいずれの抽籤値にも該当しない場合はハズレとなる。
図11(a)は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを概念的に示す図であり、同図(b)は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを概念的に示す図である。
これらの内部当籤役決定テーブルは、後述する内部抽籤処理(図14,S6参照)において、内部当籤役を決定する際に用いられ、上述した各内部抽籤テーブル(図10(a)〜(d)参照)におけるデータポインタと内部当籤役との関係を規定している。同図(a)の小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、小役・リプレイ用データポインタ欄に示す小役・リプレイ用データポインタの値と、当たり要求フラグ欄に示す内部当籤役データおよび内部当籤役の内容とが対応づけられている。この内部当籤役データは後述する内部当籤役1格納領域に格納される。また、同図(b)のボーナス用内部当籤役決定テーブルでは、ボーナス用データポインタ欄に示すボーナス用データポインタの値と、当たり要求フラグ欄に示す内部当籤役データおよび内部当籤役の内容とが対応づけられている。この内部当籤役データは後述する内部当籤役2格納領域に格納される。
同図(a)の小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルでは、小役・リプレイ用データポインタ0には、“00000000”の内部当籤役データで表されるハズレの内部当籤役が対応付けられている。また、小役・リプレイ用データポインタ1には、“00000001”の内部当籤役データで表されるリプレイの内部当籤役が対応付けられている。また、小役・リプレイ用データポインタ2には、“00000010”の内部当籤役データで表されるチェリーの内部当籤役が対応付けられている。また、小役・リプレイ用データポインタ3には、“00000100”の内部当籤役データで表されるベルの内部当籤役が対応付けられている。また、小役・リプレイ用データポインタ4には、“00001000”の内部当籤役データで表されるスイカの内部当籤役が対応付けられている。
同図(b)のボーナス用内部当籤役決定テーブルでは、ボーナス用データポインタ0には、“00000000”の内部当籤役データで表されるハズレの内部当籤役が対応付けられている。また、ボーナス用データポインタ1には、“00000001”の内部当籤役データで表されるMBの内部当籤役が対応付けられている。また、ボーナス用データポインタ2には、“00000010”の内部当籤役データで表されるCBの内部当籤役が対応付けられている。
図12は、ボーナス作動時テーブルを概念的に示す図である。
このボーナス作動時テーブルは、後述するボーナス終了チェック処理およびボーナス作動チェック処理で用いられる。このテーブルでは、MB作動時欄に示すデータと、これらの各データが格納される、格納領域欄に示す制御RAM66内の各格納領域とが対応付けられている。
MB作動時欄には、作動中フラグ格納領域にMBゲームが作動中であることを表すMB作動中フラグ、ボーナス終了枚数カウンタ格納領域にMBゲーム中に獲得できるメダル枚数100枚を表す数値が、それぞれ対応づけられている。
図13は、メイン制御基板61の制御RAM66に設けられた種々の格納領域を概念的に示しており、同図(a)は内部当籤役1格納領域、同図(b)は内部当籤役2格納領域、同図(c)は持越役格納領域、同図(d)は作動中フラグ格納領域である。
同図(a)に示す内部当籤役1格納領域には、図11(a)に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照して内部抽籤処理で決定された内部当籤役を表すデータが格納される。同図に示すように、内部当籤役1格納領域はビット0〜ビット7の8ビットで構成されており、各ビットにはデータ欄に示される数値(“0”または“1”)がセットされる。
同図(a)に示すように、内部当籤役が「リプレイ」を表す“00000001”である場合、ビット1〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット0には数値“1”がセットされる。また、内部当籤役が「チェリー」を表す“00000010”である場合、ビット0,ビット2〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット1には数値“1”がセットされる。また、内部当籤役が「ベル」を表す“00000100”である場合、ビット0,ビット1,ビット3〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット2には数値“1”がセットされる。また、内部当籤役が「スイカ」を表す“00001000”である場合、ビット0〜ビット2,ビット4〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット3には数値“1”がセットされる。CBゲームでは、ビット0,ビット4〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット1〜ビット3には数値“1”がセットされることになる。
同図(b)に示す内部当籤役2格納領域には、図11(b)に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照して内部抽籤処理で決定された内部当籤役を表すデータが格納される。同図に示すように、内部当籤役2格納領域はビット0〜ビット7の8ビットで構成されており、各ビットにはデータ欄に示される数値(“0”または“1”)がセットされる。
同図に示すように、内部当籤役が「MB」を表す“00000001”である場合、ビット1〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット0には数値“1”がセットされる。また、内部当籤役が「CB」を表す“00000010”である場合、ビット0,ビット2〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット1には数値“1”がセットされる。
また、格納領域には、図示しない表示役1格納領域,表示役2格納領域がある。表示役1格納領域および表示役2格納領域には、内部当籤役が表示役として成立したときに、その表示役データが内部当籤役格納領域と同じデータで格納される。表示役1格納領域,表示役2格納領域は、それぞれ内部当籤役1格納領域,内部当籤役2格納領域と同じ構成を有しており、表示役の種別を表すフラグの立てられるビットも同じである。
同図(c)に示す持越役格納領域には、持越役の有無を表すデータが格納される。同図に示すように、持越役格納領域はビット0〜ビット7の8ビットで構成されており、各ビットにはデータ欄に示される数値(“0”または“1”)がセットされる。内部当籤役「MB」が持ち越されている場合には、ビット1〜ビット7に数値“0”がセットされ、ビット0には数値“1”がセットされる。また、内部当籤役「CB」が持ち越されている場合には、ビット0,ビット2〜ビット7に数値“0”がセットされ、ビット1には数値“1”がセットされる。
同図(d)に示す作動中フラグ格納領域には、作動中フラグの種別を表すデータが格納される。同図に示すように、作動中フラグ格納領域はビット0〜ビット7の8ビットで構成されており、各ビットにはデータ欄に示される数値(“0”または“1”)がセットされる。MBの表示役が成立してMBゲームが作動中のときには、作動中フラグ格納領域のビット1〜ビット7に数値“0”がセットされ、ビット0に数値“1”がMB作動中フラグとしてセットされる。また、CBの表示役が成立してCBゲームが作動中のときには、作動中フラグ格納領域のビット0,ビット2〜ビット7に数値“0”がセットされ、ビット1に数値“1”がCB作動中フラグとしてセットされる。また、リプレイの当籤役が決定される確率が高いRT作動中状態のときには、作動中フラグ格納領域のビット0,ビット1,ビット3〜ビット7に数値“0”がセットされ、ビット2に数値“1”がRT作動中フラグとしてセットされる。従って、MBゲームの作動中にCBゲームが行なわれるときには、ビット0,ビット1の両方に数値“1”がセットされることになる。また、MBゲームにおけるRT作動中状態のときには、ビット0,ビット2の両方に数値“1”がセットされることになる。
また、図示は省略するが、サブ制御基板62aのワークRAM83にも上記(a)〜(d)に示す各格納領域と同様に、内部当籤役1格納領域(サブ)、内部当籤役2格納領域(サブ)、持越役格納領域(サブ)、および作動中フラグ格納領域(サブ)が設けられている。画像制御CPU81は、これらの格納領域を参照することで内部当籤役の種別や持越役の有無、遊技状態などを判別する。
次に、図14に示すメインフローチャートを参照して、メイン制御基板61のメインCPU64の制御動作について説明する。
初めに、メインCPU64は、ゲーム開始時の初期化処理を行う(図14,S1参照)。具体的には、制御RAM66の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。この初期化処理の際に上述した設定ボタンおよびリセットボタンが操作されると、出玉率の設定値(“1”,“4”,“6”,“High”)の変更処理が行なわれる。続いて、メインCPU64は、ゲーム終了時の指定格納領域のクリア処理を行う(S2)。この処理では、前回のゲームに使用された制御RAM66における指定格納領域がクリアされる。
次に、メインCPU64は、ボーナス作動監視処理を行ない(S3)、続いて、後述するメダル投入・スタートチェック処理を行う(S4)。続いて、メインCPU64は、乱数発生器69で発生した抽籤用の乱数値をサンプリング回路70によって抽出し、抽出した乱数値を制御RAM66の乱数値格納領域に格納する(S5)。続いて、メインCPU64は、後述する内部抽籤処理を行う(S6)。続いて、メインCPU64は、スタートコマンドを制御RAM66の通信データ記憶領域にセットして送信する(S7)。スタートコマンドは、S6の内部抽籤処理で抽籤した当籤役等の情報を含むコマンドである。
次に、メインCPU64は、全リール2〜4の回転開始を要求し(S8)、全リール2〜4の回転を開始させる。続いて、メインCPU64は、リール2〜4の回転を停止制御するリール停止制御処理を行なう(S9)。続いて、メインCPU64は、シンボルの組合せテーブル(図8参照)を参照し、有効化入賞ライン上に沿って表示されるシンボルの組合わせに基づいて、表示役および払出枚数を決定する(S10)。このとき、決定された表示役と内部当籤役とが異なる誤りがある場合には、配当枚数表示部20および液晶パネル39dにイリーガルエラーを表示する。
次に、メインCPU64は、表示役コマンドを制御RAM66の通信データ記憶領域にセットして送信する(S11)。表示役コマンドは、S10で決定した表示役の種類などを含んだコマンドである。続いて、メインCPU64は、メダル払出処理を行う(S12)。この処理では、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿34へ払い出される。
次に、メインCPU64は、払出終了コマンドを制御RAM66の通信データ記憶領域にセットして送信する。払出終了コマンドは、S12のメダル払出処理が終了したことを表す情報を含むコマンドである。続いて、メインCPU64は、メダルの払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S13)。つまり、MBゲームが行なわれていてボーナス終了枚数カウンタの値が1以上であれば、メダルの払出枚数に応じて当該カウンタを減算する。続いて、メインCPU64は、CB作動中フラグまたはMB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別し(S14)、この判別が“Yes”である場合には、後述するボーナス終了チェック処理を行う(S15)。S14の判別が“No”である場合、またはS15の処理終了後、後述するRTゲーム数カウンタ更新処理を行う(S16)。続いて、メインCPU64は、後述するボーナス作動チェック処理を行う(S17)。このS17の処理の後、遊技処理はS2に戻って次の新たな単位遊技が開始される。
次に、図15を参照して、図14,S4で行われるメダル投入・スタートチェック処理について説明する。
このメダル投入・スタートチェック処理では、まず、メインCPU64は、自動投入カウンタの値が“0”であるか否か、つまり、前回の単位遊技において表示役が「リプレイ」でなく、メダルの自動投入が行われないか否かを判別する(図15,S41参照)。自動投入カウンタは、リプレイの表示役が成立したときの単位遊技に賭けられたメダルの枚数を計数するカウンタである。S41の判別が“Yes”の場合、メダルの自動投入が行なわれないため、メインCPU64は、投入口8からのメダルの通過を許可する処理を行なう(S42)。一方、S41の判別が“No”の場合、メインCPU64は、自動投入カウンタの値を投入枚数カウンタに複写して(S43)、前回の単位遊技と同じ枚数のメダルを今回の単位遊技に賭ける自動投入処理を行う。投入枚数カウンタは、投入口8からのメダル投入または貯留メダル投入ボタン26〜28の操作によって、パチスロ機1に投入されたメダルの枚数を計数するカウンタである。続いて、メインCPU64は、自動投入カウンタの値をクリアする処理を行なう(S44)。
S42またはS44の処理が終了すると、メインCPU64は、投入枚数カウンタの最大値を“3”にセットする(S45)。続いて、メインCPU64は、作動中フラグ格納領域(図13(d)参照)を参照して、MB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別し(S46)、この判別が“Yes”の場合、S45でセットした投入枚数カウンタの最大値を“3”から“2”に変更する(S47)。S45およびS47の処理により、一般遊技状態、およびMB終了後RT作動中状態では、メダル3枚賭けの遊技が行なわれ、MB一般遊技状態、およびMB中RT非作動状態では、メダル2枚賭けの遊技が行なわれることになる。
次に、メインCPU64は、投入メダルセンサ8Sからの出力信号に基づいて、投入口8からのメダルの通過があったか否かを判別する(S48)。この判別が“Yes”の場合、メインCPU64は、投入枚数カウンタの値が最大値(3枚)に達しているか否かを判別する(S49)。投入枚数カウンタの値が最大値に達していてS49の判別が“Yes”の場合、メインCPU64は、S48で検出されたメダルを機械内部にクレジットし、クレジットカウンタに“1”を加算する(S53)。クレジットカウンタは、機械内部にクレジットされているメダル枚数を計数するカウンタであり、このクレジットカウンタの値が、上述した貯留枚数表示部16に表示される。一方、S49の判別が“No”の場合、メインCPU64は、投入枚数カウンタに“1”を加算する(S50)。続いて、メインCPU64は、有効ラインカウンタに“5”を格納し(S51)、5本の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bを全て有効化させる。有効ラインカウンタは、有効化入賞ラインの本数を計数するカウンタである。本実施形態では、メダルが投入されたときの有効ラインカウンタの値は、投入枚数にかかわらず、“5”となる。続いて、メインCPU64は、メダル投入コマンドを制御RAM66の通信データ記憶領域にセットして送信する(S52)。メダル投入コマンドは、投入枚数カウンタの値や有効化した入賞ラインの数などの情報を含むコマンドである。
S48の判別が“No”の場合、メインCPU64は、ベットスイッチによりベット操作が検出されたか否かを判別する(S54)。この処理では、貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sが検知したか否かをチェックする。貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sが検知して、S54の判別が“Yes”の場合、上述したS51およびS52の処理が行なわれる。S52またはS53の処理が終了すると、続いて、メインCPU64は、投入口8へのメダル投入または貯留メダル投入ボタン26〜28の操作によって、投入枚数カウンタの値が最大値(3枚)になったか否かを判別する(S55)。この判別が“Yes”の場合、続いて、メインCPU64は、スタートレバー30に対する操作が行なわれてスタートスイッチ30Sが“オン”になったか否かを判別する(S56)。S54、S55またはS56の判別が“No”の場合、処理はS48に戻り、上述の処理が繰り返される。一方、S56の判別が“Yes”の場合、メインCPU64は、S42で許可した投入口8からのメダルの通過を禁止する処理を行なう(S57)。S57の処理が終了すると、メダル投入・スタートチェック処理は終了する。
次に、図16および図17を参照して、図14,S6で行われる内部抽籤処理について説明する。
この内部抽籤処理において、まず、メインCPU64は、内部抽籤テーブル決定テーブル(図9参照)を参照し、現在の遊技状態に基づいて、内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する(図16,S61参照)。このS61で決定された抽籤回数は制御RAM66の抽籤回数カウンタにセットされる。続いて、メインCPU64は、図14,S5の処理で抽出されて制御RAM66の乱数格納領域に格納されている乱数値を取得し、この取得した乱数値を判定用乱数値Xとして制御RAM66の所定領域にセットすると共に、当籤番号の初期値として“1”を制御RAM66の当籤番号格納領域にセットする(S62)。
次に、メインCPU64は、S61で決定した内部抽籤テーブル(図10(a)〜(d)参照)を参照して、当籤番号格納領域にセットされている当籤番号に基づいた抽籤値Yを取得し(S63)、S62でセットした判定用乱数値XからS63で取得した抽籤値Yを減算(X−Y)する(S64)。続いて、メインCPU64は、S64の減算によって桁かりが行われたか否か、つまり、判定用乱数値XがS64で取得した抽籤値Yよりも小さい値であるか否かを判別する(S65)。この判別が“No”である場合、判定用乱数値XがS63で取得した抽籤値Yで表わされる数値範囲には属していないこととなり、メインCPU64は、当籤番号格納領域にセットされている当籤番号に“1”を加算すると共に、抽籤回数カウンタの値を“1”減算する(S66)。続いて、メインCPU64は、抽籤回数カウンタの値が“0”になったか否かを判別する(S67)。この判別が“No”である場合、処理はS63に戻り、上述のS63〜S66の処理が繰返し行なわれる。
S61で抽籤回数カウンタにセットした抽籤回数分だけS66〜S68の処理が行われてS68の判別が“Yes”である場合、当籤役は「ハズレ」となり、メインCPU64は、小役・リプレイ用データポインタおよびボーナス用データポインタとしてそれぞれ“0”を取得し、制御RAM66の所定領域にセットする(S68)。
一方、S65の判別が“Yes”である場合には、判定用乱数値XがS64で取得した抽籤値Yで表わされる数値範囲に属していることになり、メインCPU64は、S61で決定した内部抽籤テーブル(図10(a)〜(d)参照)のデータポインタ欄を参照して、その時の抽籤値Yに対応する小役・リプレイ用データポインタおよびボーナス用データポインタを取得する(S69)。続いて、メインCPU64は、内部当籤役1格納領域(図13(a)参照)のアドレスをセットすると共に(S70)、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル(図11(a)参照)を参照し、S69で取得した小役・リプレイ用データポインタに基づいて小役・リプレイに係る当籤役の当たり要求フラグを取得する(S71)。続いて、メインCPU64は、取得した当たり要求フラグのデータを、S70の処理でセットされたアドレスで示されている内部当籤役1格納領域に格納する(S72)。
次に、メインCPU64は、持越役格納領域(図13(c)参照)の値が“0”であるか否か、すなわち、持越役格納領域に「MB」または「CB」の持越役を示すデータが格納されていないか否かを判別する(図17,S73参照)。持越役格納領域に「MB」または「CB」の持越役が格納されていなくてS73の判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、ボーナス用内部当籤役決定テーブル(図11(b)参照)を参照し、S68またはS69で取得したボーナス用データポインタに基づいて「MB」または「CB」の当たり要求フラグを取得し、この取得した「MB」または「CB」の当たり要求フラグのデータを持越役格納領域(図13(c)参照)に格納する(S74)。S73の判別が“No”である場合またはS74の処理が終了すると、メインCPU64は、持越役格納領域(図13(c)参照)の8ビットデータと内部当籤役2格納領域(図13(b)参照)の8ビットデータとの論理和をとり、この論理和を内部当籤役2格納領域に格納する(S75)。
次に、メインCPU64は、作動中フラグ格納領域(図13(d)参照)を参照して、CB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S76)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、内部当籤役1格納領域(図14(a)参照)のビット1〜3に“1”をセットする(S77)。このS77の処理により、CBゲームでは、全ての小役(チェリー、ベル、スイカ)に内部当籤した状態となり、遊技者の停止操作のタイミングだけに基づいて、全ての小役(チェリー、ベル、スイカ)に対応するシンボル組合せを有効入賞ライン上に停止表示させることが可能となる。一方、S76の判別が“No”である場合、または、S77の処理が終了すると、内部抽籤処理は終了する。
次に、図18を参照して、図14,S15で行われるボーナス終了チェック処理について説明する。
このボーナス終了チェック処理では、まず、メインCPU64は、作動中フラグ格納領域(図13(d)参照)を参照し、CB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(図18,S101)。この判別が“Yes”である場合は、今回の遊技でCBゲームが1回行われたため、CB作動中フラグをオフにするCB終了時処理を行い(S109)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
一方、S101の判別が“No”、つまり、MB作動中フラグがオンでMBゲームが行われている場合、メインCPU64は、ボーナス終了枚数カウンタ格納領域に格納されたボーナス終了枚数カウンタの値が“0”であるか否かを判別する(S102)。MBゲームにおける払い出し枚数が100枚に達していなくてこの判別が“No”である場合、続いて図柄表示手段に表示された表示役が「BAR」揃いか否か、すなわちCB表示役であるか否かを判別する(S103)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、作動中フラグ格納領域(図13(d)参照)におけるRT作動中フラグをオフにセットし(S104)、MB中非RT作動状態にしてボーナス終了チェック処理を終了する。
一方、CB表示役が成立していなくてS103の判別が“No”であった場合、メインCPU64は、CB以外の入賞が成立したか否かを判別する(S105)。この判別が“Yes”であった場合、続いて、その入賞によって払い出されたメダル枚数分、ボーナス終了枚数カウンタ格納領域に格納されたボーナス終了枚数カウンタの値を減算した後、ボーナス終了枚数カウンタの値が“0”になったか否かを判別する(S106)。このS106の判別、またはS102の判別が“Yes”であった場合、MBゲーム中に100枚のメダルが払い出されたことになるので、メインCPU64は、作動中フラグ格納領域(図13(d)参照)におけるMB作動中フラグをオフにするMB終了時処理を行う(S107)。続いて、ボーナス終了コマンドをセットして送信し(S108)、ボーナス終了チェック処理を終了する。一方、S105もしくはS106の判別が“No”であった場合、または、S109の処理終了後にも、メインCPU64はボーナス終了チェック処理を終了する。
次に、図19を参照して、図14,S16で行われるRTゲーム数カウンタ更新処理について説明する。
このRTゲーム数カウンタ更新処理では、まず、メインCPU64は、作動中フラグ格納領域(図13(d)参照)を参照して、RT作動中フラグがオンであるか否かを判別する(図19,S111参照)。この判別が“Yes”の場合、メインCPU64は、RTゲーム数カウンタの値から“1”を減算し(S112)、RTゲーム数カウンタの値が“0”になったか否かを判別する(S113)。RTゲーム数カウンタは、RT作動中状態において行われる単位遊技の回数を計数するカウンタであり、初期値として後述するように500の値が制御RAM66の所定領域に格納される。S113の判別が“Yes”の場合、メインCPU64は、RT作動中フラグをオフにセットし(S114)、RT非作動状態にしてRTゲーム数カウンタ更新処理を終了する。一方、S111もしくはS113の判別が“No”である場合にも、メインCPU64はRTゲーム数カウンタ更新処理を終了する。
次に、図20を参照して、図14,S17で行われるボーナス作動チェック処理について説明する。
このボーナス作動チェック処理では、まず、メインCPU64は、図柄表示手段に表示された表示役がMBであるか否かを判別する(図20,S121参照)。この判別が“Yes”である場合には、ボーナス作動時テーブル(図12参照)に基づいて、MB作動中状態フラグをセットすると共に、ボーナス終了枚数カウンタに100の値をセットするMB作動時処理を行う(S122)。続いて、RT作動中フラグをオンにセットし(S123)、RT作動中状態にした後、RTゲーム数カウンタの値を500の初期値にセットする(S124)。続いて、メインCPU64は、持越役格納領域(図13(c)参照)のビット0を“0”にセットしてMBの持越格納領域をクリアする(S125)。続いてボーナス開始コマンドを制御RAM66の通信データ記憶領域にセットして送信し(S126)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
一方、S121の判別が“No”であった場合、メインCPU64は、次に、図柄表示手段に表示された表示役がリプレイ表示役であるか否かを判別する(S127)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、投入枚数カウンタを自動投入カウンタに複写し(S128)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
一方、S127の判別が“No”であった場合、メインCPU64は、次に、図柄表示手段に表示された表示役が「BAR」揃い、すなわちCBであるか否かを判別する(S129)。この判別が“Yes”である場合、メインCPU64は、作動中フラグ格納領域(図13(d)参照)におけるCB作動中フラグをオンにセットし(S130)、ボーナス作動チェック処理を終了する。このS130の処理により、次回の単位遊技においてCBゲームが行われる。一方、S129の判別が“No”であった場合、または、S130の処理終了後、メインCPU64はボーナス作動チェック処理を終了する。
次に、図21を参照して、1.1173[msec]毎にメイン制御基板61で行われるメインCPU64の割込処理について説明する。
この割込処理において、まず、メインCPU64は、メインCPU64のレジスタに格納されたデータを制御RAM66の所定領域に一旦退避させる(図21,S131参照)。続いて、メインCPU64は、入力ポートチェック処理を行う(S132)。入力ポートチェック処理では、投入メダルセンサ8Sやスタートスイッチ30S等の上述した入力信号発生手段からI/Oポート71に入力された信号の有無をチェックし、入力された信号があるときはそれを取得する。
次に、メインCPU64は、リール2〜4の回転を制御するリール制御処理を行い(S133)、続いて、S131で制御RAM66の所定領域に退避させたデータをレジスタに復帰させ(S134)、割込処理を終了する。
次に、図22〜図31を参照して、サブ制御基板62aの画像制御CPU81によって制御される遊技処理について説明する。
サブ制御基板62aでは、タイマ割込同期のタスクグループに属する処理、コマンド受信割込同期のタスクグループに属する処理、および、VSYNC(垂直同期信号)割込同期のタスクグループに属する処理が行われる。
図22は、パチスロ機1の電源が投入されたときにサブ制御基板62aの画像制御CPU81によって行われる電源投入時処理の概略を示すフローチャートである。
まず、パチスロ機1に電源が投入されると、画像制御CPU81は初期化処理を行う(図22,S171参照)。この処理では、画像制御CPU81は、ワークRAM83、制御RAM88およびビデオRAM89のエラーチェックを行い、各タスクグループに属する処理に用いられるワークRAM83、制御RAM88およびビデオRAM89の初期化を行う。続いて、画像制御CPU81は、ランプ制御タスクを起動させる(S172)。このランプ制御タスクの起動処理により、2[msec]ごとに音・ランプ制御CPU90の制御によるランプ類98およびLED類99の点灯状態を制御する処理が行われる。続いて、画像制御CPU81は、サウンド制御タスクを起動させる(S173)。このサウンド制御タスクの起動処理により、2[msec]ごとに音・ランプ制御CPU90の制御によるスピーカ101,101からの出音状態を制御する処理が行われる。続いて、画像制御CPU81は、マザータスクを起動させる(S174)。このマザータスクの起動処理により、後述するマザータスクの処理が行われる。S174の処理が終了すると、電源投入時処理は終了する。
図23は、図22,S174の処理で起動させられることで、以後、1000/60[msec]毎に行われるマザータスクの処理の概略を示すフローチャートである。
マザータスクの処理では、まず、画像制御CPU81は、VSYNC割込同期のタスクグループに属する描画タスクを起動させる(図23,S181参照)。この描画タスクの起動処理により、描画タスク処理が行われる。続いて、画像制御CPU81は、主基板通信タスクを起動させる(S182)。この主基板通信タスクの起動処理により、コマンド受信割込同期のタスクグループに属する後述する主基板通信タスクの処理が行われる。続いて、画像制御CPU81は、後述する演出登録タスクを起動させる(S183)。この演出登録タスクの起動処理により、コマンド受信割込同期のタスクグループに属する後述する演出登録タスク処理(図25)が行われる。続いて、画像制御CPU81は、VSYNC割込同期のタスクグループの次のタスクを実行する処理を行い(S184)、以後、この処理を繰り返し行う。
図24は、図23のS182の処理で起動させられる主基板通信タスクの処理の詳細を示すフローチャートである。主基板通信タスクの処理は、コマンド受信割込同期のタスクグループに属する処理である。
主基板通信タスクの処理では、まず、画像制御CPU81は、メイン制御基板61から送信されたコマンドが一時的に格納される送信メッセージキューを参照して、メイン制御基板61からコマンドを受信したか否かのチェックを行う(図24,S191参照)。S191の処理が終了すると、続いて、画像制御CPU81は、受信したコマンドの種別を抽出し(S192)、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S193)。この判別が“No”である場合、処理はS191に戻り、上述したS191およびS192の処理が繰り返される。
一方、前回とは異なるコマンドを受信してS193の判別が“Yes”である場合には、画像制御CPU81は、この新たに受信したコマンドに含まれる情報から、内部当籤役や、遊技状態、出玉率の設定値などの遊技情報を取得し、取得した遊技情報のデータをメッセージキューに格納する(S194)。S194の処理が終了すると、処理はS191に戻り、上述した処理が繰り返される。
図25は、図23のS183で起動させられる演出登録タスクの処理の詳細を示すフローチャートである。
演出登録タスクの処理では、まず、画像制御CPU81は、主基板通信タスクの処理でメッセージキューに格納されたコマンドを取り出す(図27,S201)。続いて、取り出したコマンドにメッセージデータが格納されているか否かを判別する(S202)。この判別が“Yes”である場合は、画像制御CPU81が、取り出したコマンドに含まれるメッセージデータから遊技情報を抽出してワークRAM83に複写し(S203)、後述する演出内容決定処理(図26)を行う(S204)。続いて、S202の判定が“No”である場合、またはS204の処理が終了すると、画像制御CPU81は、S204で決定された演出内容に基づいて、液晶パネル39dの表示内容を制御するためのアニメーションデータを決定し、決定したアニメーションデータをワークRAM83のアニメーションデータ格納領域に格納するアニメーションデータの登録処理を行う(S205)。続いて、画像制御CPU81は、S204で決定された演出内容に基づいて、ランプ類98,LED類99の点灯状態を制御するためのLEDデータを決定すると共に、スタートレバー30の操作に応じて音を出力するためのレバー音データや、停止ボタン31,32,33の押下操作に応じて音を出力するための停止音データなどを含む操作サウンドデータを決定する。そして、この決定したLED・サウンドデータをLED・サウンドデータ格納領域にそれぞれ格納するLED・サウンドデータの登録処理を行う(S206)。このS206処理を終えると、S201の処理に戻り、上述した処理が繰り返される。
図26は、図25のS204に示す演出内容決定処理の詳細を示すフローチャートである。
演出内容決定処理では、まず、画像制御CPU81は、スタートレバー30の操作時にメイン制御基板61から送信されるスタートコマンド(図14,S8参照)を受信しているか否かを判別する(図26,S211)。この判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、スタートコマンド受信時処理を行い、後述する演出抽籤処理を行う(S212)。
また、S211の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、停止ボタン31〜33の操作によりリール2〜4がそれぞれ停止させられたときにメイン制御基板61から送信されるリール停止コマンドを受信しているか否かを判別する(S213)。この判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、リール停止コマンドに含まれる情報に基づいて、停止させられたリールの種別等に基づいてランプ類98,LED類99の点灯やスピーカ101,101の出音等の演出を実行する処理を行う(S214)。
また、S213の判別が“No”である場合、続いて、画像制御CPU81は、表示役が成立したときにメイン制御基板61から送信される表示役コマンド(図14,S11参照)を受信しているか否かを判別する(S215)。この判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、後述する表示役コマンド受信時処理を行う(S216)。この処理では、画像制御CPU81は、表示役コマンドに含まれる表示役の種別等のデータに基づいて、演出データをワークRAM83の所定領域にセットする処理を行う。
また、S215の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、MBゲームの作動時にメイン制御基板61から送信されるボーナス開始コマンド(図20,S126参照)を受信しているか否かを判別する(S217)。この判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、ワークRAM83の所定領域にMBゲームに応じた演出データをセットし(S218)、遊技状態をMB作動中状態(サブ)の識別子に変更する(S219)。この識別子は、サブ制御基板62a,62bで遊技状態の識別を行う際に参照されるものである。
また、S217の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、MBゲームの終了時にメイン制御基板61から送信されるボーナス終了コマンド(図18,S108参照)を受信しているか否かを判別する(S220)。この判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、ボーナスゲーム終了時用の演出データをセットする(S221)。
また、S220の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、メイン制御基板61から送信され、受信したその他のコマンドに基づいて演出を実行する処理を行う(S222)。
このS222、または、S212,S214,S216,S219もしくはS221の処理が終了すると、演出内容決定処理は終了する。
上記の演出内容決定処理でワークRAM83にセットされた演出データに基づき、描画タスク処理において、液晶パネル39dに演出画像を表示するためのコマンドがVDP86へ出力されると共に、ランプタスク処理およびサウンドタスク処理において、LED類99,ランプ類98およびスピーカ101,101などを駆動するためのコマンドが、シリアルポート80bを介してサブ制御基板62bの音・ランプ制御CPU90に送信される。
図27は、図26のS212に示す演出抽籤処理の詳細を示すフローチャートである。
演出抽籤処理では、まず、画像制御CPU81は、ワークRAM83を参照して、MB終了後RT作動中状態(サブ)の識別子がセットされているか否かを判別する(図27,S231)。この判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、MB終了後RT作動中状態用演出決定テーブル選択処理を行う(S239)。この処理では、画像制御CPU81は、演出決定テーブルとして図示しないMB終了後RT作動中状態用演出決定テーブルを選択する。
また、MB終了後RT作動中状態(サブ)の識別子がセットされていなくて、S231の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、ワークRAM83を参照して、CB作動中状態(サブ)の識別子がセットされているか否かを判別する(S232)。この判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、CB作動中状態用演出決定テーブル選択処理を行う(S238)。この処理では、画像制御CPU81は、演出決定テーブルとして、図示しないCB作動中状態用演出決定テーブルを選択する。
また、CB作動中状態(サブ)の識別子がセットされていなくて、S232の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、ワークRAM83を参照して、MB作動中状態(サブ)の識別子がセットされているか否かを判別する(S233)。この判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、後述するMB作動中状態用演出決定テーブル選択処理を行う(S237)。この処理では、画像制御CPU81は、演出決定テーブルとして、図示しないMB作動中状態用演出決定テーブルを選択する。
また、MB作動中状態(サブ)の識別子がセットされていなくて、S233の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、ワークRAM83を参照して、内部当籤状態(サブ)の識別子がセットされているか否かを判別する(S234)。この判別が“Yes”である場合、画像制御CPU81は、内部当籤用演出決定テーブルを選択する処理を行う(S236)。この処理では、画像制御CPU81は、演出決定テーブルとして、図示しない内部当籤用演出決定テーブルを選択する。また、内部当籤状態(サブ)の識別子がセットされていなくて、S234の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、一般遊技状態用演出決定テーブルを選択する処理を行う(S235)。
S235,S236,S237,S238またはS239の処理が終了すると、続いて、画像制御CPU81は、遊技状態に応じた演出データがセットされているか否かを判別する(S240)。演出データがセットされていなくてS240の判別が“No”である場合、画像制御CPU81は、上述した処理で選択している演出決定テーブルに基づいて演出内容を決定し(S241)、決定した演出内容に応じた演出データをワークRAM83の所定領域にセットする(S242)。S240の判別が“Yes”であった場合、または、S242の処理が終了すると、後述する遊技数減算処理を行い(S243)、演出抽籤処理を終了する。
図28は、図27のS237に示すMB作動中状態用演出決定テーブル選択処理の詳細を示すフローチャートである。
MB作動中状態用演出決定テーブル選択処理では、まず、画像制御CPU81は、MB作動中状態用演出決定テーブルを参照して、RT作動中を報知する演出データをワークRAM83の所定領域にセットする(図28,S251)。セットしたこの演出データにより、描画タスク処理において、液晶パネル39dには図29(a)に示すRT作動状態表示が現われる。なお、図29において図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。前述したように、MBゲームが作動するとRT作動状態となるため(図20,S123)、液晶パネル39dの画面右下におけるRT作動状態は、「高RT作動」が斜線で示されるように強調表示され、「高RT非作動」に比べて際立たせられる。このRT作動状態により、遊技者は、現在、MB一般遊技状態でRT作動状態であることを知ることができる。
続いて、画像制御CPU81は、CB役が内部当籤したか否かを判別する(S252)。この判別が“Yes”であった場合、CB役が内部当籤したことを報知する演出データをセットする(S253)。セットしたこの演出データにより、描画タスク処理において、液晶パネル39dには図29(b)に示すように、表示窓5の下方に「CB当籤!」という表示が現われ、遊技者にCB役が内部当籤したことが報知される。本実施形態では、MBゲームの作動中にCB役が内部当籤し、CB役に対応するシンボル組合せを有効化入賞ライン上に揃えるとMB中RT非作動状態となり(図4(a),時刻T2参照)、遊技者に有利なRT作動状態が終了してしまう。このため、有効化入賞ライン上にCB役に対応するシンボル組合せBAR−BAR−BARを揃えないように注意を促すため、表示窓6の下方において「BAR」に「×」が付された表示が現われる。
一方、S251の判別が“No”であった場合、または、S253の処理が終了すると、MB作動中状態用演出決定テーブル選択処理は終了する。
図30は、図27のS243に示す遊技数減算処理の詳細を示すフローチャートである。
遊技数減算処理では、まず、画像制御CPU81は、ワークRAM83の所定領域に格納されたRTゲーム数カウンタ(サブ)の値が“1”以上であるか否かを判別する(図30,S261)。RTゲーム数カウンタ(サブ)は、サブ制御基板62a,62bにおいてRTゲームの実行回数を把握するカウンタである。この判別が“No”であった場合は、遊技数減算処理を終了する。
また、S261の判別が“Yes”であった場合は、ワークRAM83内に格納されたRTゲーム数カウンタ(サブ)の値から1減算し(S262)、RTゲーム数カウンタ(サブ)の値が“0”になったか否かを判別する(S263)。この判別が“No”であった場合は、遊技数減算処理を終了する。一方、S263の判別が“Yes”であった場合、RT作動中状態で500回の単位遊技実行されたものと判断し、画像制御CPU81は、サブ制御基板62a,62bで管理する遊技状態をRT遊技状態(サブ)の識別子から一般遊技状態(サブ)の識別子に変更し(S264)、遊技数減算処理を終了する。
図31は、図26のS216に示す表示役コマンド受信時処理の詳細を示すフローチャートである。
表示役コマンド受信時処理では、まず、画像制御CPU81は、受信した表示役コマンドに基づき、有効化入賞ライン上に表示された表示役が「BAR」揃いであるか否かを判別する(図31,S271参照)。この判別が“Yes”であった場合、画像制御CPU81は、CB役が成立したものと判断し、次に、現在の遊技状態がMB中RT作動状態(サブ)であるか否かを判別する(S272)。この判別が“Yes”であった場合、画像制御CPU81は、サブ制御基板62a,62bで管理する遊技状態をMB中RT非作動状態(サブ)に変更する(S273)。この遊技状態の変更により、液晶パネル39dにおける図29(a)に示すRT作動状態表示は、「高RT非作動」が強調表示させられて、「高RT作動」よりも際立たせられる演出が行われることになる。
また、S271の判別が“No”であった場合、画像制御CPU81は、有効化入賞ライン上に表示された表示役が青7揃いの「MB」であるか否かを判別する(S274)。この判別が“Yes”であった場合は、MB作動中状態(サブ)に変更する(S275)。続いて、画像制御CPU81は、RT作動中フラグ(サブ)をオンにセットし(S276)、RT作動中カウンタ(サブ)を500にセットする(S277)。S273もしくはこのS277の処理を終了した場合、または、S272もしくはS274の判別が“No”であった場合には、画像制御CPU81は、表示役コマンドに含まれる表示役の種別等のデータに基づいて、演出データをワークRAM83の所定領域にセットし(S278)、表示役コマンド受信時処理を終了する。
このような本実施形態によるパチスロ機1によれば、上記のように、当籤役決定手段によって特定の役としてMB役が決定され、このMB役に対応するシンボル組合せ(青7−青7−青7)が図柄表示手段に揃うと、第2の特別遊技作動手段によってMBゲームが第2の特別遊技として作動させられる(図20,S121,S122参照)と共に、遊技状態制御手段により、再遊技作動手段が再遊技を作動させる確率が高いRT作動中状態にさせられる(図20,S123参照)。このRT作動中状態は、遊技状態制御手段により、MBゲームの作動中にCB役に対応するシンボル組合せ(BAR−BAR−BAR)が図柄表示手段に揃って第1の特別遊技作動手段によってCBゲームが第1の特別遊技として作動させられると、終了させられる(図18,S103,S104参照)が、MBゲームの作動中にCBに対応するシンボル組合せが図柄表示手段に揃わないでCBゲームが作動させられないと、MBゲーム終了後も継続させられる(図4(b),時刻T3参照)。従って、遊技者は、MBゲームの作動中に当籤役決定手段によってCBが決定されても、図柄表示手段にCBに対応するシンボル組合せを揃えないように停止ボタン31〜33の停止操作を行うことにより、遊技者にとって有利なRT作動中状態が遊技状態制御手段によって終了させられてRT非作動状態に遷移させられてしまうことを防止することができると共に、MBゲーム終了後もRT作動中状態を継続させることができる。このため、MBゲームの作動中においてRT作動中状態を継続させることにより、遊技者のメダル獲得状況に変化を持たせて遊技の興趣を向上させながら、MBゲームが終了した後にも遊技の興趣を継続させて遊技の興趣の永続を図ることができるパチスロ機1が提供される。
また、本実施形態によれば、遊技状態制御手段によって作動させられているRT作動中状態またはRT非作動中状態が、液晶パネル39dにおける「高RT作動」または「高RT非作動」が図29(a)に示すように強調表示されることにより、報知される。このため、遊技者は、MBゲームの作動中に液晶パネル39dにおいてRT作動中状態の報知を受けた場合には、CB役が決定されても図柄表示手段にCB役に対応するシンボル組合せBAR−BAR−BARを揃えないように注意して停止操作を行うことができると共に、MBゲーム終了後にもRT作動中状態が継続することを期待しながらMBゲームを行うことができる。また、遊技者は、MBゲームの作動中に液晶パネル39dにおいてRT非作動中状態の報知を受けた場合には、MBゲーム終了後にRT作動中状態が継続しないことを事前に把握することができる。
なお、上記実施形態では、ボーナス終了チェック処理(図18)において、MB作動中フラグが“オン”、すなわちMBゲームの作動中のときに図柄表示手段に「BAR」が揃うと、メインCPU64が、RT作動中フラグをオフにセットし、RT作動中状態を終了させる場合について説明した(図18,S103,S104参照)。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、ボーナス作動チェック処理(図20)のS129の処理の後に、RT作動中フラグをオフにセットする処理を追加する構成とすることにより、MBゲームが終了したMBゲームの作動中以外のときでも、図柄表示手段に「BAR」を揃えるとRT作動中状態からRT非作動状態に遷移するように構成してもよい。
また、液晶パネル39dで、RT作動中状態(「高RT作動」)またはRT非作動状態(「高RT非作動」)を報知する構成としたが、報知する手段は液晶パネル39dに限るものではない。例えば、各リール2〜4に内蔵されたランプの点滅パターンや、スピーカ101,101から出力される音声で報知するようにしてもよい。