以下、本発明をその一種であるパチンコ式スロットマシン(回胴式遊技機、以下、「パチスロ」と示す)に具体化した第1の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。なお、パチスロは、遊技者がベット数(賭数)を設定した後、スタートレバーを操作して遊技(変動ゲーム)を開始させるとともにストップボタンの操作により図柄を停止させ、その停止した図柄の組み合わせが遊技媒体の払出条件を充足させる賞態様を形成した場合に遊技媒体であるメダルを遊技者に付与するゲーム性を有する。また、パチスロは、遊技(変動ゲーム)が開始してから賞として付与される遊技媒体の払い出しが完了するまでを一遊技単位として遊技(変動ゲーム)が行われる。
図1には、本実施形態のパチスロ10の機表側が略示されており、パチスロ10は、前面を開口した直方体状の本体11と、当該本体の左側縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉12とを備えている。前面扉12の前面上部には、遊技中(変動ゲーム中)に表示演出を行う液晶表示装置からなる演出実行手段となる演出表示部14が配設されている。また、前面扉12の上部には、演出表示部14を囲うように各種の演出効果光を発するランプRが設けられている。
前面扉12の前面中央には、中央パネル15が設けられているとともに、当該中央パネル15には、機内部に配設される図柄表示手段としてのドラムユニット13を透視可能な透視窓16が設けられている。透視窓16は、中央パネル15と一体形成された合成樹脂板から構成されている。ドラムユニット13は、各種の図柄が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻装された左リール13Lと、中リール13Cと、右リール13Rとから構成されている。そして、透視窓16には、左リール13Lを第1図柄列として、該第1図柄列が配置される隣には第2図柄列としての中リール13Cが配置し、該第2図柄列が配設される隣には第3図柄列としての右リール13Rが配置している。
ドラムユニット13の各リール13L,13C,13Rに印刷される各図柄は、図2に示すように予め定められた順に各図柄がそれぞれに配列されている。ドラムユニット13の左リール13Lには、図柄L00〜図柄L20の21個の図柄が配列されている。また、中リール13Cには、図柄C00〜図柄C20までの21個の図柄が配列されている。また、右リール13Rには、図柄R00〜図柄R20までの21個の図柄が配列されている。そして、変動ゲームにおいて左リール13Lでは、図柄L00、図柄L01・・・図柄L20、図柄L00の順に透視窓16に表示されるように変動する。また、変動ゲームにおいて中リール13Cでは、図柄C00、図柄C01・・・図柄C20、図柄C00の順に透視窓16に表示されるように変動する。また、変動ゲームにおいて右リール13Rでは、図柄R00、図柄R01・・・図柄R20、図柄R00の順に透視窓16に表示されるように変動する。
なお、本実施形態において各リール13L,13C,13Rでは、「チェリー」を模した図柄(図柄L00など)、「BAR」の文字が装飾された図柄(図柄L01など(ブランク図柄))、「7」を模した図柄(図柄L02など(セブン))がそれぞれに配列されている。また、各リール13L,13C,13Rでは、「REPLAY」の文字が装飾された図柄(図柄L03など(リプレイ))、「ベル」を模した図柄(図柄L04など)、「すいか」を模した図柄(図柄L05など)がそれぞれに配列されている。また、各リール13L,13C,13Rでは、「☆(星)」を模した図柄(図柄L15など(ブランク図柄))がそれぞれに配列されている。ブランク図柄は、該ブランク図柄を含んで構成される入賞ライン上の図柄の組み合わせははずれとなり、賞としてボーナスゲームや賞メダルが1枚以上付与されることのない図柄の組み合わせである。
そして、各リール13L,13C,13Rは、各々に対応して設けられたステッピングモータ(図示しない)により独立して縦方向に回転及び停止するように構成されており、各リール13L,13C,13Rが回転することによって透視窓16には各種図柄が連続的に変化しつつ表示(変動)されるようになっている。そして、各リール13L,13C,13Rの回転が停止した場合、透視窓16には、各リール13L,13C,13Rのリールシートに印刷された複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示されるようになっている。このため、透視窓16は、各リール13L,13C,13Rにおいて3つの図柄が表示可能な大きさで形成されている。そして、パチスロ10には、透視窓16から透視可能な図柄の表示領域において、停止表示される図柄の組み合わせを規定する複数(本実施形態では5本)の入賞ラインL1,L2,L3,L4,L5が形成されている。また、各リール13L,13C,13Rには、該各リール13L,13C,13Rの回転位置を検出するためのリールセンサSE1,SE2,SE3(図3に示す)が各リール13L,13C,13Rにそれぞれ対応するように設けられている。
また、中央パネル15には、変動ゲームに関わる情報を報知する表示部19が構成されている。表示部19には、投入可能表示用LED20a、再遊技表示用ランプ20b、ウェイト表示用LED20c、状態ランプ20d、賭数表示部21、貯留枚数表示部22、賞枚数表示部23、払出枚数表示部24が形成されている。
投入可能表示用LED20aは、変動ゲームのベット数を設定可能な状態、又は機本体にメダルを投入可能な状態である時に点灯し、変動ゲームが開始される、又は最大のベット数(MAXBET)が設定され且つ貯留データ(クレジット)がクレジット上限枚数に達した場合に消灯する。再遊技表示用ランプ20bは、変動ゲームにおいて再遊技役(遊技者によりベット数を設定することなく内部的にベット数が自動的に設定されて次回の変動ゲームを開始させることができる状態を付与する役)が入賞した場合に点灯する。
ウェイト表示用LED20cは、ウェイトタイム中にスタート操作が検出された場合に点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、変動ゲームがあまり速く進行し過ぎてしまうことを規制するために設定された最短遊技時間であり、このウェイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後に各リール13L,13C,13Rが始動するように設定されている。したがって、十分な時間間隔を空けて変動ゲームを進行する場合にはスタート操作時に変動ゲームの進行が規制されることはないが、短時間で変動ゲームを進行しようとする場合にはウェイトタイムによって変動ゲームの進行が一時的に規制され、ウェイトタイムが経過するまでの間、リールの始動待ち状態となる。パチスロ10では、前回の変動ゲームでリールの回転が開始した時点を基準として、例えば4.1秒の最短遊技時間が設定されており、前回の変動ゲームでリールの回転が開始された時点から4.1秒が経過する前に、今回のスタート操作が検出された場合、最短遊技時間が経過した後にリールの回転が開始される。状態ランプ20dは、変動ゲームの進行に合わせて点灯/消灯をする。
また、賭数表示部21は、3つのランプから構成されており、変動ゲームのベット数に応じてランプが点灯する。1ベット(1BET)で最も下のランプが点灯し、2ベット(2BET)で最も下のランプと真ん中のランプとが点灯し、3ベット(3BET)で全てのランプが点灯する。貯留枚数表示部22は、機内部で貯留しているクレジット数を表示する。賞枚数表示部23は、変動ゲーム中に入賞が発生した場合に、当該入賞に基づいて遊技者に付与される賞メダルの枚数が表示される。払出枚数表示部24では、ボーナスゲーム(ビッグボーナスゲーム)中の払出枚数の総数を表示する。
また、前面扉12の前面において中央パネル15の右下方位置には、メダル投入口27が配設されている。メダル投入口27の奥方には、メダルの通過を検知するメダルセンサSE4(図3に示す)が配設されている。また、前面扉12の前面において中央パネル15の左下方位置には、左から順にBETボタン29、及びMAXBETボタン30が設けられている。BETボタン29は、機内部で貯留記憶されているクレジットから最小単位の最小ベット数である1ベット分(1枚分)を変動ゲームのベット数(賭数)としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。そして、MAXBETボタン30は、1回の変動ゲームにおいて許容されるベット数の最大ベット数(本実施例では3ベット分(3枚分))を変動ゲームのベット数としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。また、BETボタン29の内部にはBETボタンLED29aが内蔵されているとともに、MAXBETボタン30の内部にはMAXBETボタンLED30aが内蔵されている。BETボタンLED29a、及びMAXBETボタンLED30aは、ボタンの操作が受付可能である場合に点灯し、受付不可である場合に消灯する。
また、前面扉12の前面において各BETボタン29,30の下方位置には、精算スイッチ31が設けられている。精算スイッチ31は、変動ゲームの開始に伴ってベットされたメダル(遊技媒体)、又は機内部に貯留記憶されているクレジットを払い戻すときに使用(操作)するスイッチである。また、精算スイッチ31の右方位置には、変動ゲームを開始する際に操作する開始信号出力手段としてのスタートレバー32が設けられている。そして、パチスロ10では、ベット数の設定終了後にスタートレバー32を操作することにより、各リール13L,13C,13Rの回転が開始されるようになっている。
スタートレバー32の右方位置には、遊技者により操作される停止信号出力手段としてのストップボタン33L,33C,33Rが設けられている。ストップボタン33L,33C,33Rは、回転しているリールを停止させるためのボタンであり、各リール13L,13C,13Rに対応して3個のストップボタンがある。ストップボタン33Lの内部にはストップボタンLED34Lが内蔵されているとともに、ストップボタン33Cの内部にはストップボタンLED34Cが内蔵されており、さらにストップボタン33Rの内部にはストップボタンLED34Rが内蔵されている。ストップボタンLED34L,34C,34Rは、対応するストップボタン33L,33C,33Rの操作が受付可能である場合に青色に点灯し、操作が受付不可である場合に赤色に点灯する。
さらに、前面扉12の前面におけるスタートレバー32、及び各ストップボタン33L,33C,33Rの下方位置には、下部パネル35が設けられているとともに、当該下部パネル35には、賞態様を形成する図柄の組み合わせと当該図柄の組み合わせの入賞時に払い出される賞メダルの枚数などが表記されている。
また、前面扉12の前面における下部中央部にはメダル排出口36が形成されている。また、前面扉12の前面における下部には、メダル排出口36から排出されたメダルを受ける受皿37とともに、音声演出を行うスピーカ18が配設されている。
また、図1に破線で示すように、パチスロ10本体においてドラムユニット13の下方となる位置には、パチスロ10内部において、投入されたメダルを貯留するためのホッパー38が配置されている。このホッパー38の下方側にはメダル排出口36が位置し、図柄の組み合わせが遊技者に賞メダルを付与する予め定める賞態様(役)になった場合には、ホッパー38に貯留されたメダルがメダル排出口36へと払い出されるようになっている。前面扉12の裏面側においてメダル投入口27の下方位置には、該メダル投入口27とホッパー38とを繋ぐようにメダルセレクター39が配設されている。
次に、遊技者が遊技(変動ゲーム)を行うための操作や、この操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
遊技(変動ゲーム)を開始させることが可能な状態においては、BETボタンLED29a及びMAXBETボタンLED30aが点灯するようになっており、この状態においてBETボタン29及びMAXBETボタン30の操作が受付可能となる。そして、ベット数を設定するには、BETボタン29又はMAXBETボタン30のいずれかを操作する。BETボタン29が操作された場合には、貯留記憶されているクレジットから1ベット分の枚数(メダル1枚)相当分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。また、MAXBETボタン30が操作された場合には、貯留記憶されているクレジットから3ベット分の枚数(メダル3枚)相当分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。なお、BETボタン29が2回操作された場合には、2ベット分の枚数(メダル2枚)相当分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。また、MAXBETボタン30が操作された場合には、開始させる変動ゲームにおいて設定することができる中で最大のベット数が設定される。
また、パチスロ10では、メダル投入口27からベット数に相当する枚数のメダルを投入することで各ベット数を設定することが可能であって、メダル1枚を投入するとき1ベット分のベット数が設定されるとともに、メダル2枚を投入するとき2ベット分のベット数が設定され、さらにはメダル3枚を投入するとき3ベット分のベット数が設定される。
本実施形態のパチスロ10では、図1に示すように5本の入賞ラインL1,L2,L3,L4,L5を定めている。そして、遊技者によりBETボタン29及びMAXBETボタン30が操作されると、それぞれのベット数が設定されるとともに上段、中段及び下段の横3列の入賞ラインL1〜L3に加えて斜め対角線上の2つの入賞ラインL4,L5が有効とされる。入賞ラインが有効になるとは、当該入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせが有効となることで、有効な入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせが予め定めた賞態様を形成する場合に賞として賞メダルが払い出される。本実施形態では、変動ゲームにおいて設定されるベット数に拘わらず、5つの入賞ラインL1〜L5が有効となるよう構成されている。なお、ベット数が最大数である3ベットに設定された場合には、それを越えるベット数を設定することはできないため、BETボタンLED29a及びMAXBETボタンLED30aは消灯する。
上記のようにベット数が設定され、スタートレバー32の操作が受付可能な状態、すなわち、ゲーム開始可能な状態で遊技者がスタートレバー32を操作する開始操作を行えば、ドラムユニット13の各リール13L,13C,13Rが回転し、透視窓16には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。そして、スタートレバー32は、遊技者により開始操作されると、開始操作されたことを示す開始信号を主制御基板40(主制御用CPU40a)に出力する。
その後、各リール13L,13C,13Rの回転が開始されてから所定時間が経過すると、各ストップボタン33L,33C,33Rの操作が受付可能になり、これら各ストップボタン33L,33C,33Rの操作が受付可能になった旨を示す各ストップボタンLED34L,34C,34Rが青色に点灯する。そして、各ストップボタンLED34L,34C,34Rが青色に点灯している状態で遊技者がいずれかのストップボタン33L,33C,33Rを押圧する停止操作を行えば、対応するストップボタンLED34L,34C,34Rが赤色に点灯する。そして、各ストップボタン33L,33C,33Rは、遊技者により停止操作されると、停止操作されたことを示す停止信号を主制御基板40(主制御用CPU40a)にそれぞれ出力する。
そして、ストップボタン33L,33C,33Rに対応する各リール13L,13C,13Rの回転が停止され、透視窓16からは対応する列の上段、中段及び下段に図柄が表示される。なお、遊技者によりストップボタン33L,33C,33Rが停止操作されない場合には、これらストップボタン33L,33C,33Rが停止操作されるまでの間、各リール13L,13C,13Rの回転が継続される。
そして、各リール13L,13C,13Rの全てが停止された時点で、有効化された入賞ラインL1〜L5のいずれかに予め定めた賞態様を形成する図柄の組み合わせが表示された場合は入賞となり、入賞した賞態様に応じた特典としての賞(賞メダル、再遊技、ボーナスゲーム)が遊技者に対して付与される。例えば、賞として賞メダルを付与する場合には、入賞した賞態様に応じた枚数のメダルが賞メダルとして遊技者に対して付与される。そして、付与された賞メダルの枚数は、賞枚数表示部23に表示される。また、特に予め定められた図柄の組み合わせが表示されてボーナス入賞した場合等にあっては、通常遊技とは異なり、遊技者にとって有利な、すなわち大量の賞メダルを獲得できるボーナス遊技が発生し、ボーナスゲーム(ビッグボーナスゲーム)が遊技者に対して賞として付与される。すなわち、ボーナス遊技は、予め定められた図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止表示される前に比較して遊技者に有利な遊技状態である。
本実施形態のパチスロ10では、スタートレバー32の開始操作を開始契機として1回の変動ゲーム(遊技)が開始し、ストップボタン33L,33C,33Rの停止操作により図柄の組み合わせが停止(停止表示)される。前記図柄の組み合わせが停止表示されると、該図柄の組み合わせに応じて賞メダルが払い出される(賞メダルを付与することが定められていない場合には零枚の賞メダルが払い出される)ことを終了契機として1回の変動ゲーム(遊技)が終了する。本実施形態では、ボーナスゲーム中も、前記開始契機を変動ゲームの開始とし、前記終了契機を以って変動ゲームを終了させる1回の変動ゲームが行われるようになっている。
本実施形態のパチスロ10において、入賞ラインL1〜L5のいずれかに停止する図柄の組み合わせについて図4に基づき説明する。
図4には、内部で決定される当選役に基づき入賞ラインL1〜L5のいずれかに停止する図柄の組み合わせと、該図柄の組み合わせに対応する賞とを示した役構成が示されている。なお、本実施形態では、役に対して付与される賞メダルの枚数が遊技状態毎(通常遊技及びボーナスゲーム毎)に定められている。
本実施形態では、入賞ラインL1〜L5のいずれかに図柄の組み合わせが停止表示されることで賞メダルの付与(払い出し)が行われる役として、「ベル役」、「スイカ役」、「チェリー役」が設けられている。
ベル役に対応する図柄の組み合わせとしては、入賞ラインL1〜L5のいずれかに直線状に左リール13Lから「ベル・ベル・ベル」の順に3つ停止表示される図柄の組み合わせが定められている。そして、内部抽選で当選役としてベル役が決定されている場合に、入賞ラインL1〜L5上に「ベル・ベル・ベル」の図柄の組み合わせが停止表示されたとき、各遊技状態に応じたベル役に対応する枚数の賞メダルが遊技者に付与される。
また、スイカ役に対応する図柄の組み合わせとしては、入賞ラインL1〜L5のいずれかに直線状に左リール13Lから「すいか・すいか・すいか」の順に3つ停止表示される図柄の組み合わせが定められている。そして、内部抽選で当選役としてスイカ役が決定されている場合に、入賞ラインL1〜L5上に「すいか・すいか・すいか」の図柄の組み合わせが停止表示されたとき、各遊技状態に応じたスイカ役に対応する枚数の賞メダルが遊技者に付与される。
また、チェリー役に対応する図柄の組み合わせとしては、左リール13Lの上段(入賞ラインL3,L5上)、左リール13Lの中段(入賞ラインL3上)及び左リール13Lの下段(入賞ラインL2,L4上)のいずれかに「チェリー」を停止表示される図柄の組み合わせが定められている。そして、内部抽選で当選役としてチェリー役が決定されている場合に、左リール13Lの上段、中段及び下段のいずれかに「チェリー」の図柄(図柄の組み合わせ)が停止表示されたとき、各遊技状態に応じたチェリー役に対応する枚数の賞メダルが遊技者に付与される。なお、内部抽選で当選役としてチェリー役が決定されている場合に、左リール13Lの上段(入賞ラインL3,L5)及び下段(入賞ラインL2,L4)のいずれかに「チェリー」の図柄(図柄の組み合わせ)が停止表示されたとき、2つの入賞ラインに「チェリー」の図柄が停止表示されることにより各遊技状態に応じたチェリー役に対応する枚数の2倍に相当する枚数の賞メダルが遊技者に付与される。また、内部抽選で当選役としてチェリー役が決定されている場合に、中リール13C及び右リール13Rに停止表示される図柄はいずれの図柄であっても良い。
また、遊技者がベット数をベットすることなく内部で自動的にベット数が設定されることで次の変動ゲームを行うことができる役として、「再遊技役(リプレイ役)」が設けられている。再遊技役に対応する図柄の組み合わせとしては、入賞ラインL1〜L5のいずれかに直線状に左リール13Lから「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の順に3つ停止表示される1種類の図柄の組み合わせが定められている。そして、内部抽選で当選役として再遊技役が決定されている場合に、入賞ライン上L1〜L5上に「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄の組み合わせが停止表示されることで、遊技者がベット数をベットすることなく次の変動ゲームを行うことができる。
すなわち、内部抽選で当選役として再遊技役が決定されている場合に、それぞれに対応する図柄の組み合わせが入賞ラインL1〜L5上に停止表示されたとき、該図柄の組み合わせが停止表示した変動ゲームが行われたベット数と同じベット数で次の変動ゲームを行うことができる再遊技(リプレイ)が遊技者に付与される。例えば、ベット数に3ベットが設定された変動ゲームで再遊技役が停止表示された場合、ベット数に3ベットが設定される変動ゲームが保証される。なお、再遊技役では、遊技者に賞メダルが払い出されるわけではなく、再遊技役が停止した変動ゲームが行われたベット数と同じベット数で次の変動ゲームを行うことができるのみであって、賞としてメダルが遊技者に払い出されない。すなわち、遊技者は、再遊技役が入賞する場合であってもその入賞により賞メダルを獲得することができない。本実施形態では、「ベル役」、「スイカ役」、「チェリー役」、及び「再遊技役」が小役となる。また、入賞ラインL1〜L5上に図柄の組み合わせが停止表示される場合に、賞として該図柄の組み合わせに応じて1枚以上の賞メダルを遊技者に払い出す「ベル役」、「スイカ役」、「チェリー役」とが払出役となる。
また、通常遊技とは異なり、遊技者にとって有利な、すなわち大量の賞メダルを獲得できるボーナスゲーム(ボーナス遊技)を生起させる契機となるボーナス役として、「セブン役」が設けられている。セブン役に対応する図柄の組み合わせとしては、入賞ラインL1〜L5のいずれかに直線状に左リール13Lから「セブン・セブン・セブン」の順に3つ停止表示される1種類の図柄の組み合わせが定められている。そして、内部抽選で当選役としてセブン役が決定された後であって、入賞ラインL1〜L5上に「セブン・セブン・セブン」の図柄の組み合わせが停止表示されたとき、ボーナスゲームが開始(生起)されて「ビッグボーナスゲーム」が遊技者に付与される。本実施形態において、セブン役(「セブン」を示す図柄)は、ボーナスゲームを作動(開始)させる契機となる役である。
ボーナスゲームが開始されると、ベル役の当選確率が通常遊技に比べて上昇されるようになっている。通常遊技とはボーナスゲーム以外の変動ゲームのことである。そして、本実施形態においてボーナスゲームは、セブン役が入賞することを開始契機とし、遊技者が消費(投入)したメダルの枚数に拘わらず予め定めた最大払出枚数(本実施形態では360枚)の賞メダルが遊技者に付与される(払い出される)ことを終了契機としている。そして、遊技者は、セブン役に当選する(ビッグボーナスゲームを生起させる)ことを目的に変動ゲームを行っている。
また、はずれ役に対応する図柄の組み合わせとしては、図4に示されるボーナス役及び小役を示す図柄の組み合わせが有効とされる入賞ラインL1〜L5のいずれにも停止表示されていない場合の図柄の組み合わせが定められている。そして、内部抽選で当選役としてボーナス役及び小役のいずれも決定していない(当選役としてはずれ役を決定している)場合であって、入賞ラインL1〜L5上にボーナス役及び小役を示す図柄の組み合わせが停止表示されないとき、1枚以上の賞メダルが遊技者に付与されない(零枚の賞メダルが付与される)ようになっている。なお、内部抽選において、賞として賞メダルを付与する旨を定めた賞態様となる役(払出役)に当選しているが該賞態様の図柄の組み合わせが停止表示していない場合(取りこぼし)であっても、遊技者に賞メダルが付与されないようになっている。
また、本実施形態のパチスロ10の機内部には、図3に示すように、設定値を決定するための設定スイッチSWが設けられている。設定値は、遊技者にとって有利さの度合いを示すための指標であり、パチスロ10に投入されメダル(遊技媒体)の総数に対する、パチスロ10から払い出された賞メダル(遊技媒体)の総数の割合(いわゆる出球率)を調整するために用いる。この設定値は、予め決められた複数(本実施形態では6)の段階のうちから1の段階の設定値が設定されるようになっている。本実施形態では、設定値を変更することによりセブン役及び小役の当選確率が変更されるようになっている。
具体的には、図示しない設定用鍵型スイッチに遊技店が管理する設定キーを挿入して所定方向に回転させた状態でパチスロ10に電源を投入すると、現在の設定値が表示される。そして、設定スイッチSWを操作すると、設定値が1ずつ変更される。設定すべき設定値となったときにスタートレバー32を操作すると、設定値が設定される。その後、設定キーが取り外されると、遊技が可能となる。
次に、パチスロ10の制御構成を図3に基づき説明する。
パチスロ10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板40が装着されている。主制御基板40は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号を出力する。また、機裏側には、遊技状態に応じた演出制御等を実行するサブ制御基板41が装着されている。そして、サブ制御基板41は、主制御基板40が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。また、電源基板42には、パチスロ10の外部から電源が供給される。そして、電源基板42には、主制御基板40、サブ制御基板41、ホッパー38が接続されており、これらの各基板40,41、及びホッパー38は電源基板42を介して電源が供給されるようになっている。
主制御基板40には、ドラムユニット13を構成する各リール13L,13C,13R、リールセンサSE1〜SE3、メダルセンサSE4、サブ制御基板41、ホッパー38が接続されている。また、主制御基板40には、中央パネル15に設けられた各種表示用LED20a〜20d、賭数表示部21、貯留枚数表示部22、賞枚数表示部23、払出枚数表示部24が接続されている。また、主制御基板40には、BETボタン29と、MAXBETボタン30と、精算スイッチ31と、スタートレバー32と、各ストップボタン33L,33C,33Rとが接続されている。
サブ制御基板41には、演出表示部14を制御する演出表示制御基板43が接続されている。演出表示制御基板43は、サブ制御基板41が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。なお、演出表示制御基板43は、サブ制御基板41を介して電源基板42から電源を供給されるようになっている。また、サブ制御基板41には、演出表示制御基板43を介して演出表示部14が接続されている。また、サブ制御基板41には、スピーカ18や、各種ランプRが接続されている。
以下、主制御基板40について説明する。主制御基板40は、主制御用CPU40aを備えており、該主制御用CPU40aには、主制御用ROM40b及び主制御用RAM40cが接続されている。主制御用CPU40aは、当選役決定乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値を主制御用RAM40cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。当選役決定乱数は、主制御用CPU40aが当選役決定テーブルに従い役を決定する際に使用する乱数である。
また、主制御用CPU40aには、接続されるリールセンサSE1〜SE3から透視窓16で表示されている図柄(回転中の各リール13L,13C,13Rの回転位置)に応じて第1〜第3の位置信号が入力されるようになっている。第1の位置信号には左リール13Lが対応し、第2の位置信号には中リール13Cが対応し、第3の位置信号には右リール13Rが対応するようになっている。そして、主制御用CPU40aは、第1〜第3の位置信号により各リール13L,13C,13Rの回転位置及び停止位置を把握し、該第1〜第3の位置信号に基づき各リール13L,13C,13Rの回転及び停止制御を行う。また、主制御基板40(主制御用CPU40a)には、接続されるメダルセンサSE4から該メダルセンサSE4でメダルを検知する毎に、メダルを検知したことを示すメダル検知信号が入力されるようになっている。
また、主制御用CPU40aには、接続されるBETボタン29、MAXBETボタン30、精算スイッチ31、スタートレバー32及びストップボタン33L,33C,33Rが操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種操作信号が入力されるようになっている。そして、主制御用CPU40aは、各種操作信号を入力すると、各種操作信号に定める所定の制御を実行する。また、主制御用CPU40aは、各種操作信号の入力により、各種表示用LED20a〜20d、賭数表示部21、貯留枚数表示部22、賞枚数表示部23、払出枚数表示部24の表示制御をその都度実行する。主制御用CPU40aは、遊技者のメダルの投入、各BETボタン29,30の操作に基づき、賭数表示部21の表示制御を行う。そして、主制御用CPU40aは、各BETボタン29,30の使用による機内部に貯留記憶しているクレジット数の減少や、役(賞態様)に基づき賞メダルが払い出されることによるクレジット数の増加や、遊技者のメダルの投入(メダルセンサSE4のメダルの検知)によるクレジット数の増加をクレジットとして記憶し、その内容を貯留枚数表示部22に表示させその都度表示制御を行う。また、主制御用CPU40aは、役に基づき賞メダルを払い出す場合、払い出す賞メダルの枚数を賞枚数表示部23に表示させる表示制御を行う。なお、主制御用CPU40aは、役に基づき賞メダルを払い出す場合、払い出す賞メダルの枚数を賞枚数表示部23に表示させるとともに、払出枚数表示部24に累積的に表示させる表示制御を行う。
本実施形態のパチスロ10には、クレジット機能が搭載されている。このクレジット機能は、パチスロ10内部でメダルを貯留データとして貯留記憶しておく機能である。なお、貯留データ(クレジット)には、予め定めたクレジット上限枚数(本実施形態では50枚)が定められており、このクレジット上限枚数の範囲内でメダルがクレジットとして記憶可能になっている。そして、クレジット機能を使用している場合、前記予め定める賞態様になってもクレジット数がクレジット上限枚数を超えるまではクレジットとして記憶される。そして、前記クレジット上限枚数を超える場合、ホッパー38からメダル排出口36にメダルが排出(払い出し)される。
また、クレジット機能を使用している場合、精算スイッチ31を押下操作することで、クレジットとして記憶されている枚数相当分のメダルがホッパー38からメダル排出口36に排出(払い出し)される。なお、賞として賞メダルが付与される場合に、クレジットとしてクレジット数が増加する、及びメダル排出口36からメダルを排出することを、遊技者にメダルを付与するという。そして、本実施形態において再遊技役の入賞においては、該再遊技役の入賞に伴い賞メダルを遊技者に付与する賞ではなく、遊技者に賞メダルを払い出す賞ではない。このため、再遊技役が入賞する場合、ホッパー38から賞メダルが払い出されないとともに、精算スイッチ31を押下操作してもメダルが遊技者に払い出されることはないようになっている。また、メダルをメダル排出口36に排出するホッパー38、及び払い出すメダルをクレジットとして記憶させる主制御用CPU40aが払出手段となる。なお、主制御用CPU40aは、変動ゲームが開始される、又は最大のベット数(MAXBET)が設定され且つクレジットがクレジット上限枚数に達するまでの間、投入可能表示用LED20aを点灯させるように制御する。また、主制御用CPU40aは、変動ゲームが開始される、又は最大のベット数(MAXBET)が設定され且つクレジットがクレジット上限枚数が達する場合に、投入可能表示用LED20aを消灯させるように制御する。
また、主制御用CPU40aには、ホッパー38が接続されている。主制御用CPU40aは、各役(賞態様)に定められる賞枚数に基づき払い出す賞メダルの賞枚数を決定した場合、クレジット数を確認し当該クレジット数のクレジット上限枚数を超えるとき、駆動信号をホッパー38に出力して、駆動信号を1回出力する毎に賞メダルを1枚払い出させるように制御する。
また、主制御用ROM40bには、パチスロ10を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、各遊技状態(通常遊技、ボーナスゲーム)別、並びに各入賞役別の内部当選確率が、当選役決定乱数値の割り当て範囲として定められた複数の当選役決定テーブルが記憶されている。なお、主制御用ROM40bには、設定値ごとに内部当選確率が異なる当選役決定テーブルがそれぞれ記憶されている。
また、主制御用ROM40bには、ボーナスゲームの終了契機(作動終了条件)などが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、各役に対する図柄の組み合わせの停止テーブルが予め定められている。停止テーブルとは、各役に当選している場合に、各ストップボタン33L,33C,33Rを遊技者が操作した時の操作タイミングによって停止させる図柄を役毎に定めたものである。本実施形態において、各ストップボタン33L,33C,33Rを遊技者が操作した時(停止操作時)の操作タイミング(操作のタイミング)とは、遊技者による停止操作時に透視窓16に表示されている図柄により定められている。例えば、ベル役が当選役として抽選で決定されている場合には、左リール13Lに対応するストップボタン33Lが操作されるタイミング(操作された場合に透視窓16に表示されている図柄)に基づき左リール13Lの停止位置(停止表示させる図柄)が定められている。そして、当選役毎に停止テーブルが用意されており、主制御用CPU40aは、該停止テーブルに従い各リール13L,13C,13Rの停止制御を行うようになっている。
また、主制御用RAM40cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。具体的には、主制御用RAM40cには、主制御用CPU40aが当選役決定乱数に基づき、はずれ役以外の役を決定した場合にその決定した当選役を示す役情報(当選フラグなど)が役毎に設定されるようになっている。なお、主制御用RAM40cには、主制御用CPU40aによって当選役決定乱数に基づき、はずれ役を決定する場合にはずれ役を示す情報が設定される。また、主制御用RAM40cには、遊技状態に係る情報(フラグなど)が主制御用CPU40aにより記憶(設定)されるようになっている。また、主制御用RAM40cには、ボーナスゲームで遊技者が獲得した(遊技者に払い出された)賞メダルの枚数を示すカウント数が主制御用CPU40aによりカウント(更新)され、随時記憶(設定)されるようになっている。
次に、主制御用CPU40aが決定する当選役と、該当選役に応じた賞の内容とを、図4に基づき説明する。
図4には、当選役の入賞を決定するための各当選役に対応する図柄の組み合わせが定められており、該図柄の組み合わせに従い役(賞態様)が規定されている。そして、主制御用CPU40aは、各リール13L,13C,13Rの停止時、リールセンサSE1〜SE3に基づき有効とされる入賞ラインL1〜L5に停止した図柄の組み合わせから内部抽選で当選役として決定している当選役を入賞させるか否かを判定している。そして、主制御用CPU40aは、内部抽選で決定している当選役を入賞させる場合に、該当選役に対応した賞を遊技者に付与する。そして、本実施形態において主制御用CPU40aは、ベル役を入賞させると通常遊技では10枚、ボーナスゲームでは15枚の賞メダルを遊技者に付与し、スイカ役を入賞させると通常遊技では6枚、ボーナスゲームでは15枚の賞メダルを遊技者に付与する。また、主制御用CPU40aは、チェリー役を入賞させると通常遊技では2枚又は4枚、ボーナスゲームでは15枚の賞メダルを遊技者に付与する。また、セブン役の入賞を決定するときには、賞としてボーナスゲーム(ビッグボーナスゲーム)を生起させることが定められている。また、再遊技役の入賞を決定するときには、賞として再遊技(リプレイ)を遊技者に付与することが定められている。
次に、主制御用ROM40bに記憶される当選役決定テーブルについて説明する。ボーナスゲームに対応する当選役決定テーブルにおいては、役抽選の抽選対象となるベル役の当選確率を通常遊技よりも高確率に設定しているとともに、チェリー役及びスイカ役の当選確率を通常遊技よりも高確率又は同確率に設定している。また、通常遊技に対応する当選役決定テーブルにおいて、設定値が低いよりも高い方が、役抽選の抽選対象となるボーナス役及びベル役の当選確率を高確率に設定されている。また、各遊技状態に対応する当選役決定テーブルには、テーブル毎に当選役決定乱数の取り得る値(本実施形態では「0〜65535(全65536通りの整数)」)が各役に振り分けられており、当選役決定テーブルに振り分けられる乱数の個数に従い各役の当選確率が定められている。そして、主制御用CPU40aは、抽出する当選役決定乱数と、設定値及び遊技状態により特定される当選役決定テーブルを参照し、その参照結果に基づき役の種類を決定する役抽選を行う。また、役抽選において主制御用CPU40aは、ボーナス役及び小役のいずれにも当選しない場合に(これらのいずれにも当選しない確率で)はずれ役を決定する。
以下、サブ制御基板41について説明する。
サブ制御基板41は、サブ制御用CPU41aを備えており、該サブ制御用CPU41aにはサブ制御用ROM41b及びサブ制御用RAM41cが接続されている。サブ制御用ROM41bには、各種遊技演出を行うためのサブ制御プログラムが記憶されている。また、サブ制御用ROM41bには、演出表示部14の表示演出態様が示される表示演出パターンや、スピーカ18の音声出力態様が示される音声演出パターンや、各種ランプRの発光態様が示される発光演出パターンが記憶されているまた、サブ制御用RAM41cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
以下、本実施形態のパチスロ10において、主制御用CPU40aがメイン制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。本実施形態では、メイン制御プログラムに基づき以下の各種処理を実行する主制御基板40の主制御用CPU40aが、当選役決定手段、図柄変動手段、停止制御手段及び状態制御手段として機能する。また、主制御用CPU40aが、設定値設定手段として機能する。また、主制御用CPU40aが、遊技媒体付与手段として機能する。
主制御用CPU40aは、メダル投入口27よりメダルが投入される、BETボタン29又はMAXBETボタン30が操作されることにより指定されるベット数を設定する。そして、主制御用CPU40aは、賭数表示部21の点灯制御を行う。
なお、主制御用CPU40aは、通常遊技及びボーナスゲームのいずれの遊技状態であるかを示す状態情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに設定しており、該状態情報に基づき実行させる変動ゲームで設定し得るベット数を管理する。主制御用CPU40aは、状態情報が通常遊技である旨を示す場合に3ベットのベット数のみを指定可能とし、3ベットのベット数が指定されるときに変動ゲームを行うことができるゲーム開始可能な状態を生起する。そして、主制御用CPU40aは、状態情報が通常遊技である旨を示す場合に3ベットのベット数が指定されるとゲーム開始可能な状態であることを遊技者に報知する。また、主制御用CPU40aは、状態情報がボーナスゲームである旨を示す場合に1ベットのベット数のみを指定可能とし、1ベットのベット数が指定されるときにゲーム開始可能な状態を生起させる。そして、主制御用CPU40aは、状態情報がボーナスゲームである旨を示す場合に1ベットのベット数が指定されるとゲーム開始可能な状態であることを遊技者に報知する。
続いて、主制御用CPU40aは、ゲーム開始可能な状態において(ゲーム開始可能な状態を生起させている場合に)、スタートレバー32が操作されると(遊技者により開始操作されると)、役抽選(内部抽選)を行う。役抽選において、主制御用CPU40aは、当選役決定乱数を主制御用RAM40cから取得し、遊技状態(状態情報)に応じた種類の当選役決定テーブルに基づき役抽選を行う。
なお、ボーナス役が役抽選により内部的に決定されている状態で、該ボーナス役を示す図柄の組み合わせが変動ゲームにて有効とされる入賞ラインL1〜L5のいずれにも停止表示されていない(ボーナス役が入賞していない)場合(所謂、役持ち越し状態時)、主制御用CPU40aは、該ボーナス役の抽選を行わない役持ち越し状態用の当選役決定テーブルにより当選役の役抽選を行う。
続いて、主制御用CPU40aは、取得した当選役決定乱数と遊技状態に応じた当選役決定テーブルとを参照することで当選役を決定する。そして、主制御用CPU40aは、当選役を決定すると、決定した当選役の種類を示す役情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに記憶(設定)する。まず、主制御用CPU40aは、取得した当選役決定乱数と当選役決定テーブルとを参照して、ボーナス役に当選しているか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、当選役としてボーナス役を決定するとともに、ボーナス役を決定したことを示す役情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに記憶(設定)する。一方、主制御用CPU40aは、前記判定結果が否定であってボーナス役を決定しない場合、取得している当選役決定乱数と選択している当選役決定テーブルを参照して、当選役としてボーナス役以外の役を決定するとともに、決定した当選役の役情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに記憶(設定)する。
なお、主制御用CPU40aは、役抽選により一旦ボーナス役の当選を決定すると、決定されたボーナス役が入賞するまでの間、ボーナス役を決定したことを示す役情報を主制御用RAM40cに記憶保持させる。その一方で、主制御用CPU40aは、役抽選により小役の当選を決定すると、決定された小役が入賞したか否かに拘わらず1回の変動ゲームの終了時に、小役を決定したことを示す役情報を主制御用RAM40cにクリアさせる。また、主制御用CPU40aは、役抽選によりボーナス役及び小役以外のはずれ役を当選役として決定すると、1回の変動ゲームの終了時に、はずれ役を決定したことを示す役情報を主制御用RAM40cにクリアさせる。
本実施形態において、ボーナス役とは、役抽選による当選の決定後、該ボーナス役に予め定めた図柄の組み合わせが入賞するまで以降の変動ゲームに役情報が持ち越し可能な役である。また、小役とは、1回の変動ゲームの実行に伴う役抽選により当選した際、該変動ゲームで役抽選により当選した小役が入賞して賞(賞メダルや再遊技など)が付与されたか否かに拘わらず、以降の変動ゲームに役情報が持ち越し不可能な役である。
そして、主制御用CPU40aは、役抽選により当選役を決定した後、前回の変動ゲームが終了してから又は電源が投入されて変動ゲーム開始可能な状態からウェイトタイムが経過している場合、各リール13L,13C,13Rを回転動作させる。また、主制御用CPU40aは、略同時に変動ゲーム開始を指示するとともに、役抽選の抽選結果及び変動ゲームが行われる遊技状態を示した変動ゲーム開始コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。
一方、主制御用CPU40aは、役抽選により当選役を決定した後、前記ウェイトタイムが経過していない場合には、各リール13L,13C,13Rの始動待ち状態とする。そして、主制御用CPU40aは、前記ウェイトタイムの経過後、始動待ち状態を解除して各リール13L,13C,13Rを回転動作させ、ゲーム開始コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。
続いて、主制御用CPU40aは、遊技者によりストップボタン33L,33C,33Rが操作されると(遊技者により停止操作されると)、操作された各ストップボタン33L,33C,33Rに対応する各リール13L,13C,13Rを停止させる停止制御を行う。主制御用CPU40aは、ストップボタン33Lから停止信号を入力すると、該ストップボタン33Lに対応する左リール13Lを停止させる停止制御を行う。また、主制御用CPU40aは、ストップボタン33Cから停止信号を入力すると、該ストップボタン33Cに対応する中リール13Cを停止させる停止制御を行う。また、主制御用CPU40aは、ストップボタン33Rから停止信号を入力すると、該ストップボタン33Rに対応する右リール13Rを停止させる停止制御を行う。なお、主制御用CPU40aは、各リール13L,13C,13Rの回転動作を開始させた場合、ストップボタン33L,33C,33Rが遊技者により操作されることのみを以て、各リール13L,13C,13Rの停止制御を行う。
次に、主制御用CPU40aが行う各リール13L,13C,13Rの停止制御の内容を説明する。
主制御用CPU40aは、決定した当選役に基づき各ストップボタン33L,33C,33Rが遊技者により操作されるタイミングから所定の範囲内(最大で4図柄分)で強制的に各リール13L,13C,13Rの停止を制御し、任意の図柄の組み合わせを停止表示させるようにしている。主制御用CPU40aは、回転中の各リール13L,13C,13Rを停止させる場合、今回の変動ゲームで決定している当選役の種類及び各ストップボタン33L,33C,33Rの操作タイミングから主制御用ROM40bに記憶される停止テーブルを参照し、該停止テーブルに定める図柄の組み合わせを有効とされる入賞ライン上に形成するように停止制御を行う。このため、各リール13L,13C,13Rは、各ストップボタン33L,33C,33Rの遊技者による停止操作のタイミングで停止するとは限らず、遊技者による停止操作のタイミングと各リール13L,13C,13Rの停止するタイミングとが一致しない場合(所謂、「すべり」)がある。遊技者による操作タイミングと、各リールの停止タイミングとが一致しない場合に主制御用CPU40aは、最大4図柄分のすべりを伴う制御を実行している。
本実施形態において各リール13L,13C,13Rには、図2に示すように図柄が配列されており該配列に基づき各停止テーブルが定められている。そして、各リール13L,13C,13Rには、ベル役に対応する停止テーブル(図柄の組み合わせ)を遊技者による操作タイミングがどの操作タイミングで行われた場合でも停止可能(透視窓16に停止表示可能)とするように図柄が配列されている。すなわち、本実施形態における各リール13L,13C,13Rには、ベル役に対応する図柄の組み合わせを構成する各図柄同士が、7図柄(透視窓16に停止表示される3図柄分と、すべりを伴う制御による最大の変化数である4図柄分とによる7図柄分)以上離れないように配列されている。そして、主制御用CPU40aは、役抽選でベル役や再遊技役を決定している場合、それぞれの停止テーブルに基づき有効とされる入賞ラインL1〜L5のいずれかにベル役に対応する図柄の組み合わせ(「ベル・ベル・ベル」)を停止させる制御を行う。
また、各リール13L,13C、13Rには、再遊技役に対応する停止テーブル(図柄の組み合わせ)を遊技者による操作タイミングがどの操作タイミングで行われた場合でも停止可能(透視窓16に停止表示可能)とするように図柄が配列されている。すなわち、本実施形態における各リール13L,13C,13Rには、再遊技役に対応する図柄の組み合わせを構成する各図柄同士が、7図柄(透視窓16に停止表示される3図柄分と、すべりを伴う制御による最大の変化数である4図柄分とによる7図柄分)以上離れないように配列されている。そして、主制御用CPU40aは、役抽選で再遊技役を決定している場合、有効とされる入賞ラインL1〜L5のいずれかに通常リプ役に対応する図柄の組み合わせ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)を停止させる制御を行う。
また、各リール13L,13C,13Rには、スイカ役とチェリー役とボーナス役のそれぞれに対応する停止テーブル(図柄の組み合わせ)を遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合に停止可能でない(透視窓16に停止表示不可能)ように図柄が配列されている。すなわち、本実施形態における各リール13L,13C,13Rには、スイカ役とチェリー役とボーナス役のそれぞれに対応する図柄の組み合わせを構成する各図柄同士が、7図柄(透視窓16に停止表示される3図柄分と、すべりを伴う制御による最大の変化数である4図柄分とによる7図柄分)以上離れて配列されている。このため、各リール13L,13C,13Rの図柄の配列は、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めるタイミングで行われない場合には、役抽選においてスイカ役やチェリー役やボーナス役に当選したものの入賞に至らない取りこぼしが発生する配列となっている。そして、予め定められたタイミングとして、停止表示させたい図柄の少なくとも4図柄前(主制御用CPU40aが停止制御を行える所定範囲内)に遊技者により停止操作がされることである。このため、スイカ役、チェリー役及びボーナス役を入賞させるには、予め定めたタイミングで遊技者により停止操作がされる必要がある。そして、主制御用CPU40aは、役抽選でスイカ役を決定している場合、スイカ役に対応する停止テーブルに基づき有効とされる入賞ラインL1〜L5のいずれかにスイカ役に対応する図柄の組み合わせ及び取りこぼし用の図柄の組み合わせのいずれかを停止させる制御を行う。また、主制御用CPU40aは、役抽選でチェリー役を決定している場合、チェリー役に対応する停止テーブルに基づき有効とされる入賞ラインL1〜L5のいずれかにチェリー役に対応する図柄の組み合わせ及び取りこぼし用の図柄の組み合わせのいずれかを停止させる制御を行う。また、主制御用CPU40aは、役抽選でボーナス役を決定している、又は役持ち越し状態において、ボーナス役に対応する図柄の組み合わせ及び取りこぼし用の図柄の組み合わせ(リーチ目)のいずれかを停止させる制御を行う。
また、主制御用CPU40aは、役抽選によりはずれ役を決定する場合、有効とされる入賞ラインL1〜L5のいずれにも、はずれ役以外の役(ボーナス役及び小役に対応する図柄の組み合わせ)を停止表示させないように各リール13L,13C,13Rの停止制御を行う。例えば、主制御用CPU40aは、リール13L及びリール13Cが停止され、有効とされる入賞ライン上にベル図柄が2個停止すると、リール13Rの該入賞ライン上にベル図柄が停止しないように制御する。なお、本実施形態では、役持ち越し状態において、役抽選ではずれ役を決定すると、当選しているボーナス役を優先的に入賞させるように構成されている。このため、主制御用CPU40aは、役持ち越し状態において、ボーナス役に対応する停止テーブルに基づき図柄の組み合わせを停止表示させる。また、主制御用CPU40aは、役持ち越し状態でない場合に役抽選によりはずれ役を決定するとき、はずれ役に対応する停止テーブルに基づき図柄の組み合わせを停止表示させる。
続いて、主制御用CPU40aは、各リール13L,13C,13Rの全てが停止し有効とされる入賞ラインL1〜L5上に図柄の組み合わせが停止表示させたことを契機に、入賞判定を行う。入賞判定において、主制御用CPU40aは、役抽選によって内部的に決定した当選役と、入賞ラインL1〜L5に表示されている図柄の組み合わせとが一致しているか否かを判定する。すなわち、主制御用CPU40aは、役抽選で当選した役と、入賞ラインL1〜L5に停止されている図柄の組み合わせ(透視窓16に最終的に表示された図柄の組み合わせ)に対応する役とが一致する場合に入賞判定の判定結果を肯定とし、役の入賞を決定する。役が入賞するとは、変動ゲームの結果、役による賞(賞メダル、再遊技、ボーナスゲーム)が遊技者に付与されることである。一方、主制御用CPU40aは、役抽選で当選した役と、入賞ラインL1〜L5に表示されている図柄の組み合わせ(透視窓16に停止された図柄の組み合わせ)に対応する役とが一致しない場合に入賞判定の判定結果を否定とし、役の入賞を決定せず当選役による賞を遊技者に付与しないようになっている。
続いて、主制御用CPU40aは、入賞判定において、払出役(ベル役、スイカ役、チェリー役)の入賞を決定した場合、各払出役に応じた数の賞メダル及び賞を遊技者に付与し、1回の変動ゲームを終了させて主制御用RAM40cに記憶されている役情報をクリアする。また、主制御用CPU40aは、再遊技役の入賞を決定した場合、再遊技を遊技者に付与し、自動的に再遊技役に応じたベット数(今回の変動ゲームと同等のベット数)を設定し、1回の変動ゲームを終了させて主制御用RAM40cに記憶されている役情報をクリアする。そして、主制御用CPU40aは、入賞判定により小役(払出役及び再遊技役)の入賞を決定した場合に役抽選で決定した役が入賞した旨を示す入賞指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。入賞指示コマンドにより、サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)は、ゲーム開始コマンドで指定される当選役が入賞したことを認識する。
また、主制御用CPU40aは、入賞判定において、ボーナス役の入賞を決定した場合、役情報に基づき入賞させるボーナス役の種類とボーナスゲームに係る情報(状態情報や、最大払出数など)を主制御用RAM40cに記憶(設定)する。また、主制御用CPU40aは、ボーナスゲームの開始を指示するボーナス開始指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。そして、主制御用CPU40aは、ボーナスゲームを開始させる場合、ボーナス役入賞の次の変動ゲーム(ボーナスゲーム開始後、1回目の変動ゲーム)からカウント数のカウントを開始する。さらに、主制御用CPU40aは、ボーナス役の入賞を決定した場合、ボーナスゲーム用の当選役決定テーブルを参照して当選役を決定し、ボーナスゲームにおける1回の変動ゲームの終了時に遊技者に払い出した賞メダルの数をカウント数に加算していく。そして、主制御用CPU40aは、遊技者に払い出した賞メダルの数が予め定めた最大払出数(本実施形態では360枚)を超えるまで加算を継続して実行し、遊技者に払い出した賞メダルの枚数が最大払出数を超える変動ゲームの終了を以てボーナスゲームを終了させる。そして、主制御用CPU40aは、ボーナスゲームの終了を指示するボーナス終了指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。
次に、本実施形態のパチスロ10において、サブ制御用CPU41aがサブ制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
サブ制御用CPU41aは、ゲーム開始コマンドを入力すると、該コマンドに指定される当選役と遊技状態とに基づき各種演出を実行させるように制御する。そして、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用ROM41bに記憶される表示演出パターンに基づき、演出表示部14に表示演出を行わせるように演出表示制御基板43を制御する。また、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用ROM41bに記憶される音声演出パターンに基づき、スピーカ18に音声演出を行わせるように制御する。また、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用ROM41bに記憶される発光演出パターンに基づき、ランプRに発光演出を行わせるように制御する。サブ制御用CPU41aは、ゲーム開始コマンドが入力される毎に各種演出に係る制御を行うようになっている。
また、サブ制御用CPU41aは、ボーナス開始指示コマンドを入力すると、ボーナスゲームが開始されたことを示すオープニング演出を演出表示部14に実行させるように演出表示制御基板43を制御する。そして、演出表示部14では、ボーナスゲームの開始を示すオープニング演出を実行する。また、サブ制御用CPU41aは、ボーナス終了指示コマンドを入力すると、ボーナスゲームが終了されたことを示すエンディング演出を演出表示部14に実行させるように演出表示制御基板43を制御する。なお、サブ制御用CPU41aは、ボーナスゲーム中において該ボーナスゲーム用の演出を演出表示部14に継続的に実行させるように演出表示制御基板43を制御する。
そして、本実施形態のパチスロ10では、変動ゲームにてボーナス役に当選したか否かを示唆する予告演出を実行可能に構成されている。前記予告演出は、演出表示部14に表示される複数段階(本実施形態では、9段階)の表示態様を有する予告示唆画像が最高段階に達したときに、複数回(本実施形態では、3回)の変動ゲームに亘って実行されるようになっている。本実施形態では、予告示唆画像は、メーターを模した画像であり、段階数が増加する毎にメモリが上昇するような態様で変更表示される。また、変動ゲームにおいては、所定確率でキャラクタが表示される予告準備演出が実行されるようになっており、予告準備演出にて表示されたキャラクタに応じてメーター(予告示唆画像)の段階数が増加するように構成されている。
以下、予告演出及び予告準備演出について詳しく説明する。
サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)は、役抽選の抽選結果及び変動ゲームが行われる遊技状態を示した変動ゲーム開始コマンドを入力すると、図5に示す予告演出発生処理を実行する。まず、サブ制御用CPU41aは、予告演出中であるか否かを判定する(ステップS101)。この判定結果が肯定の場合、サブ制御用CPU41aは、予告演出発生処理を終了する。次に、サブ制御用CPU41aは、複数の変動ゲームに亘って実行される連続演出中であるか否かを判定する(ステップS102)。この判定結果が肯定の場合、サブ制御用CPU41aは、予告演出発生処理を終了する。
この判定結果が否定の場合、サブ制御用CPU41aは、予告準備演出を実行させるか否かを判定する(ステップS103)。この判定結果が肯定の場合、サブ制御用CPU41aは、予告準備演出の演出内容を決定し、決定した演出内容に基づき予告準備演出を実行させる(ステップS104)。具体的には、サブ制御用CPU41aは、表示させるキャラクタ及び、当該キャラクタに応じて増加させるメーター(予告示唆画像)の段階数を決定する。そして、サブ制御用CPU41aは、決定したキャラクタを表示させ、当該キャラクタに応じてメーターの段階数を増加させる。
次に、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに記憶されている現在のメーターの段階数に、決定したメーターの段階数を加算し、加算後のメーターの段階数を新たな段階数として更新して記憶する(ステップS105)。なお、加算後のメーターの段階数が最高段階(9段階)以上となった場合には、最高段階を新たな段階数として更新する。その後、サブ制御用CPU41aは、加算後のメーターの段階数が最高段階(9段階)に達したか否かを判定する(ステップS106)。この判定結果が肯定の場合、サブ制御用CPU41aは、次の変動ゲームから予告演出を実行させることを決定し(ステップS107)、予告演出発生処理を終了する。なお、サブ制御用CPU41aは、予告演出の実行を決定すると共に、メーターの段階数を初期段階(1段階)に設定する。
一方、ステップS106の判定結果が否定の場合(メーターの段階数が最高段階でない場合)、サブ制御用CPU41aは、次の変動ゲームから複数(本実施形態では3回)の変動ゲームに亘って連続演出を実行させることを決定する(ステップS108)。
一方、ステップS103の判定結果が否定の場合(予告準備演出を実行させない場合)、サブ制御用CPU41aは、予告演出を実行させるか否かを乱数抽選により判定する(ステップS109)。このとき、役抽選の抽選結果としてボーナス役が決定されていた場合、サブ制御用CPU41aは、ボーナス役が決定されていなかった場合よりも高確率で予告演出を実行させることを決定するようになっている。この判定結果が肯定の場合、サブ制御用CPU41aは、当該変動ゲームにおいて予告演出の実行を決定する(ステップS110)。一方、ステップS109の判定結果が否定の場合、サブ制御用CPU41aは、そのまま予告演出発生処理を終了する。
次に、予告演出の実行が決定されたときに実行される予告演出実行処理について説明する。ステップS107等で予告演出の実行が決定された後、変動ゲーム開始コマンドを入力すると、サブ制御用CPU41aは、予告演出実行処理を実行する。この処理において、サブ制御用CPU41aは、予告演出の演出内容を、役抽選の抽選結果及び設定値に基づき決定する。
具体的には、サブ制御用CPU41aは、予告演出の実行を決定した変動ゲームにおける役抽選の抽選結果がボーナス役である場合、図6に示すように、3回の変動ゲームで、全ての敵キャラクタ(本実施形態では10体の敵キャラクタ)を倒すことを演出内容とする予告演出の演出パターンを決定する。一方、サブ制御用CPU41aは、役抽選の抽選結果がボーナス役でない場合、設定値が高ければ高いほど、多くの敵キャラクタを倒すような演出パターンを高確率で決定し、設定値が低ければ低いほど、少ない敵キャラクタを倒すような演出パターンを高確率で決定するようになっている。なお、サブ制御用CPU41aは、役抽選の抽選結果がボーナス役でない場合、全ての敵キャラクタを倒すことを演出内容とする予告演出の演出パターンを決定しないようになっている。また、サブ制御用CPU41aは、ステップS107にて予告演出の実行を決定すると、決定した予告演出の演出パターンに基づき、次の変動ゲームから3回の変動ゲームに亘って、予告演出を実行するようになっている。
本実施形態では、サブ制御用CPU41aは、役抽選の抽選結果がボーナス役でない場合であって、設定値が「6」である場合、9体の敵キャラクタを倒すような演出パターンを高確率で決定しやすくなっている。また、サブ制御用CPU41aは、役抽選の抽選結果がボーナス役でない場合であって、設定値が「4」又は「5」である場合、7体の敵キャラクタを倒すような演出パターンを高確率で決定しやすくなっている。また、サブ制御用CPU41aは、役抽選の抽選結果がボーナス役でない場合であって、設定値が「3」である場合、5体の敵キャラクタを倒すような演出パターンを高確率で決定しやすくなっている。また、サブ制御用CPU41aは、役抽選の抽選結果がボーナス役でない場合であって、設定値が「1」又は「2」である場合、3体の敵キャラクタを倒すような演出パターンを高確率で決定しやすくなっている。
以上のように、ボーナス役が決定されたときには、全ての敵キャラクタが倒される一方、ボーナス役が決定されないときには、倒した敵キャラクタの数に応じて設定値を推測できるようになっている。このため、全ての敵キャラクタが倒されなくても、遊技者は、倒された敵キャラクタの数から設定値を推測することができ、遊技の興趣が向上する。
次に、連続演出の実行が決定されたときに実行される連続演出実行処理について説明する。ステップS108で連続演出の実行が決定された場合、又は変動ゲームにおける遊技演出として乱数抽選により連続演出が決定された場合、サブ制御用CPU41aは、連続演出実行処理を実行する。この処理において、サブ制御用CPU41aは、連続演出の演出内容を、役抽選の抽選結果に基づき決定する。なお、サブ制御用CPU41aは、連続演出の最後(連続演出開始から3回目)の変動ゲームにおいて、予告準備演出を実行させるようになっている。このため、サブ制御用CPU41aは、連続演出が終了する変動ゲームにおいて、予告準備演出の演出内容を決定する。具体的には、サブ制御用CPU41aは、表示させるキャラクタ及び、当該キャラクタに応じて増加させるメーターの段階数を決定する。また、連続演出が終了する変動ゲームにおける予告準備演出にて、メーターの段階数が最高段階となった場合、サブ制御用CPU41aは、連続演出が終了した次の変動ゲームにおいて、予告演出の実行を決定する。これにより、次の変動ゲームにおいて、サブ制御用CPU41aは、予告演出実行処理を実行する。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)サブ制御用CPU41aは、予告演出にて予め決められた当選役(ボーナス役)が決定されなかったことを示唆する場合には、当該予告演出中に設定された設定値を示唆する。このため、予告演出にてボーナス役が決定されなかったことが示唆された場合、設定値を推測することができる。従って、ボーナス役に当選しなかったとしても、遊技者は、予告演出の演出内容から設定値を推測することができ、遊技の興趣が低下しない。これにより、遊技を継続させることができる。
(2)サブ制御用CPU41aは、予告演出において、ボーナス役が決定されなかったときのみ、設定値を示唆する。このようにボーナス役が決定したことが示唆された場合には、全ての敵キャラクタが倒されて、設定値が示唆されない。このため、ボーナス役が決定したことが示唆されなくても、遊技者に対して予告演出に注目させることができる。
(3)設定値は、投入されるメダルの総数と付与される賞メダルの総数との割合を調整するために用いられている。このため、設定値は、遊技を継続するか否かを判断する重要な要素となるため、遊技者は、ボーナス役が示唆されなかったとしても設定値を予測することができる予告演出に対して注目させることができる。
(4)決定したボーナス役は、複数回の遊技に亘って持ち越されるようになっており、予告演出は、複数回の遊技に亘って実行される。このため、遊技者は、複数回の変動ゲームに亘って、ボーナス役に当選しているのではないかと期待して遊技を継続することができる。それと共に、仮にボーナス役に当選していなくても設定値を予測することができるため、遊技者に遊技を継続させることができる。
(5)予告準備演出が実行される毎に、予告示唆画像の段階数が増加するようになっており、予告示唆画像の段階数が最高段階に達した場合、予告演出が実行されるようになっている。これにより、予告示唆画像が途中の段階まで表示されている場合、遊技者は、予告演出を実行させ、設定値を推測するために、遊技を継続する意欲を持つことができる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態のパチスロ10に、通常遊技における再遊技役の当選確率を変動させる再遊技役確率変動機能を備えても良い。そして、設定値に応じて、再遊技役確率変動機能に突入する確率又は実行される回数を変更するようにしても良い。
・上記実施形態では、連続演出を実行可能に構成したが、実行できなくても良い。
・上記実施形態では、予告準備演出により予告示唆画像(メーター)の段階数が最高段階に達したときに、予告演出を実行するように構成されていた。この別例として、予告示唆画像の段階数に関係なく実行させても良い。
・上記実施形態では、予告演出は、複数回の変動ゲームに亘って実行されたが、1回の変動ゲームにて実行させても良い。また、上記実施形態では、3回の変動ゲームに亘って予告演出が実行されたが、予告演出が実行される変動ゲームの回数を任意に変更しても良い。例えば、2回にしてもよく、4回にしてもよい。
・上記実施形態では、設定値を6段階に設定できるように構成されていたが、任意の段階数の設定値を設定できるようにしても良い。例えば、設定値を、2段階に設定できるようにしても良く、4段階に設定できる容易にしても良い。
・上記実施形態では、連続演出が終了する変動ゲームにて予告準備演出を実行させたが実行させなくても良い。
・上記実施形態では、倒した敵キャラクタが多ければ多いほど高い設定値が設定されている可能性が高かったが、倒した敵キャラクタが少なければ少ないほど高い設定値が設定されている可能性が高くなるようにしても良い。このようにすれば、敵キャラクタが余り倒せず、早くのボーナス役成立の期待が持てなくなってしまっても、高い設定値が設定されているのではないかと期待させることができ、遊技者に予告演出について最後まで注目させることができる。
・上記実施形態の予告演出では、予告演出中に倒される敵キャラクタの総数が設定された数以上にならなければ、各変動ゲームにおいて倒される敵キャラクタの数を任意に変更しても良い。例えば、全ての敵キャラクタが倒される場合、1回目の変動ゲームにて1体の敵キャラクタを倒し、2回目の変動ゲームにて2体の敵キャラクタを倒し、3回目の変動ゲームにて7体の敵キャラクタを倒すというように、変動ゲームの回数が進む毎に倒す敵キャラクタを多くするようにしてもよい。また、全ての敵キャラクタが倒される場合、1回目の変動ゲームにて5体の敵キャラクタを倒し、2回目の変動ゲームにて3体の敵キャラクタを倒し、3回目の変動ゲームにて2体の敵キャラクタを倒すというように、変動ゲームの回数が進む毎に倒す敵キャラクタを少なくするようにしてもよい。同様に、9体の敵キャラクタが倒される場合、1回目の変動ゲームにて3体の敵キャラクタを倒し、2回目の変動ゲームにて3体の敵キャラクタを倒し、3回目の変動ゲームにて3体の敵キャラクタを倒すようにというように、全ての変動ゲームにおいて同じ数の敵キャラクタを倒すようにしてもよい。また、9体の敵キャラクタが倒される場合、1回目の変動ゲームにて6体の敵キャラクタを倒し、2回目の変動ゲームにて0体の敵キャラクタを倒し、3回目の変動ゲームにて3体の敵キャラクタを倒すというように、倒す敵キャラクタが増減したり、倒せなかったりしてもよい。このようにすることにより、遊技者は敵キャラクタがいつ何体倒されるかが予想できなくなり、最後までボーナス役成立の期待を持つことができる。また、仮にボーナス役が成立しなくても、最後まで倒される敵キャラクタの数が予測できないため、設定値推測のために最後まで演出に注目させることができる。
・上記実施形態において、遊技者の保有するメダルの減少を抑えたり、遊技者の保有するメダルを増加させたりすることができる特定遊技状態を付与できるようにしても良い。例えば、特定遊技状態は、役抽選で当選している役に対する押し順や、操作タイミングなどを遊技者に報知(ナビゲート)することで、遊技者の保有するメダルの減少を抑えたり、遊技者の保有するメダルを増加させたりすることができる状態であってもよい。そして、特定遊技状態では、押し順や操作タイミングなどを遊技者に報知(ナビゲート)する確率や特定遊技状態を付与する回数を異ならせることで、遊技者の得ることができる利益の異ならせることができる。また、特定遊技状態には、再遊技役確率変動機能と役抽選で当選している役に対する押し順や、操作タイミングなどを遊技者に報知(ナビゲート)する機能とをそれぞれの遊技状態に組み合わせて適用することもできる。そして、特定遊技状態に突入する確率又は突入してから継続する変動ゲームの回数を設定値に応じて変更するようにしても良い。
・上記実施形態において、メーターの段階数を所定回数(例えば200回)の変動ゲームが実行される毎に増加させても良い。このようにすれば、変動ゲームを実行させれば、メーターの段階数が増加するため、遊技者に変動ゲームを継続させる意欲を持たせることができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記演出実行手段は、複数段階に分けられた表示画像を、予め決められた表示順序で表示させ、最終段階まで表示させたときに予告演出を実行させる予告準備演出を実行させるように構成されているとともに、予告準備演出の実行中、遊技が実行される毎に、いくつの段階の表示画像を表示させるかを決定し、決定した段階分の表示画像を表示させることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。