本発明の実施の形態に係る遊技機(以下、パチスロ1)について、以下図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、パチスロ1の外観上の構造について説明する。
パチスロ1は、リール3L,3C,3Rや回路基板等を収容するキャビネット1aと、キャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア1bとを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。各リール3L,3C,3Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
フロントドア1bの中央には、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5は、図柄表示領域4L,4C,4Rを含む表示画面を備え、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域4L,4C,4Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成を備えている。
つまり、図柄表示領域4L,4C,4Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域4L,4C,4Rを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域(以下、表示窓)4L,4C,4Rは、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、リール3L,3C,3Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓4L,4C,4Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
本実施の形態では、各表示窓の上段を組合せてなるトップライン8b、各表示窓の中段を組合せてなるセンターライン8c、各表示窓の下段を組合せてなるボトムライン8d、左表示窓の上段、中表示窓の中段及び右表示窓の下段を組合せてなるクロスダウンライン8e、左表示窓の下段、中表示窓の中段及び右表示窓の上段を組合せてなるクロスアップライン8aの5つを入賞判定ラインとして設けている。
フロントドア1bには、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口22は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口22に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン11は、パチスロ内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン14は、パチスロ内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー6は、全てのリールの回転を開始するために設けられる。ストップボタン7L,7C,7Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリール3L,3C,3Rの回転を停止するために設けられる。
7セグ表示器18は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
ランプ101は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ21L,21Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口15は、後述のメダル払出装置の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受皿16に貯められる。
続いて、図2を参照して、パチスロ1の各リール3L,3C,3Rの表面に配されている図柄の配列について説明する。
各リール3L,3C,3Rの表面には複数種類の図柄がその回転方向に連続して配されている。より具体的には、各リール3L,3C,3Rの表面には、回転方向において21分割された各位置(後述のRAM33に設けられる図柄カウンタにより特定される位置であり、図柄位置「0」〜「20」)に対して、赤7(図柄61)、チャンス(図柄62)、リプレイ(図柄63)、ベル(図柄64)及びチェリー(図柄65)の何れかが配されることによって、計21個の図柄が配されている。
尚、各リール3L,3C,3Rは、上から下に向かう方向(図中の矢印方向)に、定速で回転(例えば80回転/分)するように後述の主制御回路71により制御され、表示窓4L,4C,4R内において、リール3L,3C,3Rの表面に配された複数の図柄がその回転に伴って変動する。
また、本実施の形態では、原則として、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。したがって、例えば、ストップボタンが押されたときにセンターライン8c上にある図柄から最大で4個先にある図柄がセンターライン8c上に到達したときにその回転を停止することが可能となっている。
続いて、図3及び図4を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。パチスロ1は、主制御回路71、副制御回路72及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
まず、図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の主制御回路71の構成について説明する。主制御回路71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ49L,49C,49R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ7Sは、3つのストップボタン7L,7C,7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルがセレクタ(図示せず)内を通過したことを検出する。セレクタは、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口22に受け入れられた適正なメダルをホッパーへ案内する。メダルセンサ22Sは、セレクタ内においてメダルが通過する経路上に設けられている。
また、ベットスイッチ11Sは、ベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L,49C,49R、7セグ表示器18及びホッパー40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
表示部駆動回路48は、7セグ表示器18の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー41に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
モータ駆動回路39は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L,3C,3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L,3C,3Rに応じて検出する。
ステッピングモータ49L,49C,49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L,3C,3Rに伝達される。ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L,3C,3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L,3C,3Rの回転角度を管理する。
より具体的には、前述のステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力されたパルスの数は、RAM33に設けられたパルスカウンタによって計数され、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力が当該パルスカウンタによって計数される毎に、RAM33に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに応じて設けられており、上記リールインデックスがリール位置検出回路50によって検出される毎にその値がクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することによって、上記リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理することができるようになっており、リールインデックスが検出される位置を基準としてリールの回転方向における各図柄の位置を検出することが可能となっている。
次に、図4を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の副制御回路72の構成について説明する。副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ROM(以下、サブROM)82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ87、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)90、オーディオRAM91、A/D変換器88及びアンプ89を含んで構成されている。
サブCPU81は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプによる光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、ボーナス開始時演出やボーナス終了時演出などの各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御回路72には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ21L,21R及びランプ101が接続されている。サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファを含む)及びドライバ87は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置により表示する。
また、サブCPU81、DSP90、オーディオRAM91、A/D変換器88及びアンプ89は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカにより出力する。また、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプの点灯及び消灯を行う。
続いて、図5〜図15を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
まず、図5を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リールの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。図柄コードは、1バイトのデータであり、赤7(図柄61)〜チェリー(図柄65)の5種の図柄に応じて、「1(00000001B)」〜「5(00000101B)」のそれぞれが割り当てられている。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、前述の図柄カウンタにより管理される各リールの回転方向における各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。本実施の形態では、図柄カウンタと図柄配置テーブルとを参照することによって、そのときに各表示窓の中段に表示されている図柄の種類を特定可能となっている。
次に、図6を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞判定ライン8a〜8eに沿って各リール3L,3C,3Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナス遊技状態の作動といった特典が遊技者に対して与えられる。尚、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、左リール3Lの図柄「ベル」、中リール3Cの図柄「ベル」及び右リール3Rの図柄「ベル」が入賞判定ラインに沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又は特殊が決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。
また、左リール3Lの図柄「リプレイ」、中リール3Cの図柄「リプレイ」及び右リール3Rの図柄「リプレイ」が入賞判定ラインに沿って表示されたとき、表示役としてリプレイAが決定され、再遊技の作動が行われる。リプレイAに係る図柄の組合せ「リプレイ−リプレイ−リプレイ」は、再遊技の作動に係る第1の図柄の組合せの一例である。
また、左リール3Lの図柄「チャンス」、中リール3Cの図柄「リプレイ」及び右リール3Rの図柄「リプレイ」が入賞判定ラインに沿って表示されたとき、表示役としてリプレイBが決定され、再遊技の作動が行われる。リプレイBに係る図柄の組合せ「チャンス−リプレイ−リプレイ」は、再遊技の作動に係る第2の図柄の組合せの一例である。
また、左リール3Lの図柄「チャンス」、中リール3Cの図柄「チャンス」及び右リール3Rの図柄「チャンス」が入賞判定ラインに沿って表示されたとき、表示役としてリプレイCが決定され、再遊技の作動が行われる。リプレイCに係る図柄の組合せ「チャンス−チャンス−チャンス」は、再遊技の作動に係る第3の図柄の組合せの一例である。
また、表示役としてMBが決定されたときには、ミドルボーナス(以下、MBと略記する)の作動が行われる。また、表示役としてBBが決定されたときには、ビッグボーナス(以下、BBと略記する)の作動が行われる。尚、詳しくは追って説明していくが、本実施の形態では、BBの作動が終了したことを条件に、第1のRT(以下、RT1)の作動、第2のRT(以下、RT2)の作動及び第3のRT(以下、RT3)の作動がそれぞれ行われる。そして、表示役としてリプレイBが決定されたときには、RT1の作動及びRT3の作動が終了し、表示役としてリプレイCが決定されたときには、RT2の作動及びRT3の作動が終了する。
次に、図7を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナス遊技状態の作動が行われるときに、メインRAMに設けられた遊技状態フラグ格納領域、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタの各格納領域に格納するデータを規定している。
遊技状態フラグは、作動が行われるボーナス遊技状態の種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナス遊技状態の種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)、レギュラーボーナス(第1種特別役物)及びMB(第2種特別役物に係る役物連続作動装置)を設けている。レギュラーボーナス(以下、RBと略記する)の作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる(後述の図26のS194〜S196を参照のこと)。
詳しくは追って説明するが、BBの作動が行われると、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が相対的に高い確率で決定される。また、MBの作動が行われると、メダルの払い出しに係る複数種類の図柄の組合せの表示をそれぞれ許可する内部当籤役が決定され、且つ、特定のリール(左リール3L)についてストップボタンが押されたときからそのリールの回転を停止するまでの規定時間が短縮される。
BB及びMBは、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合にその作動が終了する。RBは、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによってその作動が終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナス遊技状態の終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナス遊技状態の作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナス遊技状態の作動が終了する。
次に、図8及び図9を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタは、後述の内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
内部当籤役は、入賞判定ラインに沿って3つのリールにより表示を許可する図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。
図8は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役又は再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役を規定している。図9は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナス遊技状態の作動に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役を規定している。
例えば、小役・リプレイ用データポインタが「5」であるとき、内部当籤役として「リプレイB」が決定され、その結果、左リール3Lの図柄「チャンス」、中リール3Cの図柄「リプレイ」及び右リール3Rの図柄「リプレイ」からなる図柄の組合せの表示が許可される。尚、各データポインタが「0」であるとき、内部当籤役として「ハズレ」が決定されるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
ここで、本実施の形態では、遊技者によってストップボタンが押されたとき、原則として最大滑り駒数「4」の範囲内で、内部当籤役により許可される図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるように各リールの回転が停止される(いわゆる引き込み)。これに対して、内部当籤役により許可されない図柄の組合せは、入賞判定ラインに沿って表示されることがないように各メインリールの回転が停止される(いわゆる蹴飛ばし)。
次に、図10〜図12を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタと、各データポインタが決定されるときの抽籤値とを規定している。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
抽籤値は、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタであり、内部当籤役)が決定されるときの乱数値を規定したものであり、より具体的には、その乱数値の集合の大きさを規定したものであるといえる。抽籤値が「150」といった場合、例えば「0」〜「149」の150個の乱数値の集合を意味する。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタであり、内部当籤役)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
図10は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜当籤番号10に応じた抽籤値とデータポインタとを規定する。図11は、MBの作動中において参照されるMB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。MB遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜当籤番号5に応じた抽籤値とデータポインタとを規定している。MB遊技状態用内部抽籤テーブルが規定している当籤番号1〜当籤番号5に応じた抽籤値及び小役・リプレイ用データポインタは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルが規定しているそれと基本的に同様となっている。
図12は、RBの作動中において参照されるRB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。RB遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1に応じた抽籤値とデータポインタとを規定している。RB作動中用内部抽籤テーブルでは、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定される確率が一般遊技状態用内部抽籤テーブルに比べて高い。
次に、図13〜図15を参照して、抽籤値変更テーブルについて説明する。抽籤値変更テーブルは、前述の一般遊技状態用内部抽籤テーブルにおいて抽籤値の変更を行う対象となる当籤番号と変更後の抽籤値とを規定している。抽籤値変更テーブルは、RT1、RT2及びRT3のそれぞれに応じて設けられており、対応するRTの作動が行われているときに参照される。
図13は、RT1作動中用抽籤値変更テーブルを示す。RT1の作動が行われると、一般遊技状態用内部抽籤テーブルの当籤番号6に対応する抽籤値「8980」が、このRT1作動中用抽籤値変更テーブルにより規定されている抽籤値「54613」に変更される。この結果、RT1の作動中では内部当籤役「リプレイA」の当籤確率が増加する。
図14は、RT2作動中用抽籤値変更テーブルを示す。RT2の作動が行われている場合、一般遊技状態用内部抽籤テーブルの当籤番号7に対応する抽籤値「0」が、このRT2作動中用抽籤値変更テーブルにより規定されている抽籤値「1310」に変更される。この結果、RT2の作動中では内部当籤役「リプレイB」の当籤確率が増加する。尚、本実施の形態では、変更前の抽籤値を「0」としたことから、RT2の作動が行われてないときにはリプレイBが決定されない一方で、RT2の作動が行われるときにはリプレイBが決定されるようになる。
図15は、RT3作動中用抽籤値変更テーブルを示す。RT3の作動が行われている場合、一般遊技状態用内部抽籤テーブルの当籤番号8に対応する抽籤値「0」が、このRT3作動中用抽籤値変更テーブルにより規定されている抽籤値「655」に変更される。この結果、RT3の作動中では内部当籤役「リプレイC」の当籤確率が増加する。
このように、本実施の形態では、RT1の作動が行われるとき、RT2の作動が行われるとき、及び、RT3の作動が行われるとき、それぞれに対応づけられたリプレイが決定されるときの抽籤値のみを各々個別に変更するようにしたことによって、参照する内部抽籤テーブル自体の変更を行うことなく、各リプレイの当籤確率を変動させることを可能としている。この結果、各リプレイの当籤確率がそれぞれ異なる複数の内部抽籤テーブルを設ける必要がなくなる。
また、複数のRTの作動がそれぞれ行われている場合において何れかのRT(例えば、RT2)の作動を終了するときは、作動が継続するRT(例えば、RT1)により変動したリプレイ(例えば、リプレイA)の当籤確率(例えば、54613/65536)を引き継ぎつつも、作動が終了するRTにより変動した別のリプレイ(例えば、リプレイB)の当籤確率(例えば、1310/65536)だけを変動前のもの(例えば、0/65536)に戻すこともできるようになる。
続いて、図16〜図19を参照して、メインRAM32に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
まず、図16を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。内部当籤役格納領域を構成するビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。
本実施の形態では、例えば、小役・リプレイ用データポインタが「7」であるとき、内部当籤役として「チェリー+ベル+特殊(00000111)」が決定されるが、このように複数のビットに「1」が立っているときは、該当する図柄の組合せの全ての表示が許可される。そして、遊技者によりストップボタンが押されたタイミングに基づいて、上記該当する複数の図柄の組合せの何れかが入賞判定ラインに沿って表示されるようになる。また、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
尚、メインRAMには、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。表示役格納領域を構成するビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されたことになる。
次に、図17を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。前述の内部抽籤テーブル等を参照して行われた抽籤の結果、ボーナスの作動に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役「BB」又は「MB」が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納された上記内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ラインに表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
次に、図18を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、1バイトからなる遊技状態フラグを格納する。遊技状態フラグは、各ビットに対して固有のボーナス遊技状態が割り当てられている。遊技状態フラグ格納領域を構成するビットに「1」が立っているとき、該当するボーナス遊技状態の作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
次に、図19を参照して、RT作動中フラグ格納領域の構成について説明する。RT作動中フラグ格納領域は、1バイトからなるRT作動中フラグを格納する。RT作動中フラグは、各ビットに対して固有のRTが割り当てられている。RT作動中フラグ格納領域を構成するビットに「1」が立っているとき、該当するRTの作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるとき、何れのRTの作動も行われていないことを示す。
続いて、図20〜図27を参照して、主制御回路のメインCPUにより実行されるプログラムの内容について説明する。
まず、図20を参照して、メインCPUの制御によるメインフローチャートについて説明する。パチスロに電源が投入されると、はじめに、メインCPU31は、初期化処理を行う(S1)。次に、メインCPU31は、メインRAMにおける指定格納領域のクリアを行う(S2)。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU31は、後で図21を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサやスタートスイッチの入力のチェック等が行われる。
次に、メインCPU31は、乱数値を抽出し、メインRAMに設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。次に、メインCPU31は、後で図22を参照して説明する内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。
次に、メインCPU31は、停止テーブル決定テーブルを参照し、遊技状態及び内部当籤役に基づいて、停止テーブルを決定する(S6)。停止テーブルは、各リールの回転を停止したときに該当表示窓の中段に表示される図柄の位置を決定するためのデータ(以下、停止データ)を、各リールの図柄の位置「0」〜「20」に応じて規定している。次に、メインCPU31は、スタートコマンドを副制御回路に対して送信する(S7)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPU31は、全メインリールの回転開始を要求する(S8)。尚、全メインリールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図27)によってステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。
次に、メインCPU31は、後で図24を参照して説明するリール停止制御処理を行う(S9)。この処理では、ストップスイッチの入力のチェックが行われ、ストップボタンが押されたタイミングと内部当籤役と停止テーブルとに基づいて該当リールの回転が停止される。
次に、メインCPU31は、図柄組合せテーブルを参照し、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて表示役等を決定する(S10)。入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致するか否かの判定が行われ、この結果、一致する場合に、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU31は、表示コマンドを副制御回路に対して送信する(S11)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPU31は、メダル払出処理を行う(S12)。決定された払出枚数に基づいて、ホッパーの駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU31は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S13)。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
次に、メインCPU31は、BB遊技状態フラグ又はMB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(S14)。メインCPU31は、BB遊技状態フラグ又はMB遊技状態フラグがオンであると判別したときには、後で図25を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(S15)。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
メインCPU31は、S15の後、又は、S14においてBB遊技状態フラグ又はMB遊技状態フラグがオンではないと判別したときには、後で図26を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(S16)。ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、S2に移る。
続いて、図21を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、自動投入カウンタは0であるか否かを判別する(S31)。自動投入カウンタは0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(S32)。セレクタのソレノイドの駆動が行われ、セレクタ内のメダルの通過が促される。
メインCPU31は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(S33)。次に、メインCPU31は、自動投入カウンタをクリアする(S34)。S33及びS34は再遊技を行うための処理である。
メインCPU31は、S32又はS34の後で、投入枚数カウンタの最大値として3をセットする(S35)。次に、メインCPU31は、BB遊技状態フラグ又はMB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(S36)。メインCPU31は、BB遊技状態フラグ又はMB遊技状態フラグがオンであると判別したときには、投入枚数カウンタの最大値を2に変更する(S37)。
メインCPU31は、S37の後、又は、S36においてBB遊技状態フラグ又はMB遊技状態フラグがオンではないと判別したときには、メダルの通過は検出されたか否かを判別する(S38)。メインCPU31は、メダルの通過は検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S39)。メインCPU31は、投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(S40)。次に、メインCPU31は、有効ラインカウンタに5を格納する(S41)。次に、メインCPU31は、メダル投入コマンドを副制御回路に対して送信する(S42)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成されている。
メインCPU31は、S39において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(S43)。メインCPU31は、S43の後、S42の後、又は、S38においてメダルの通過が検出されていないと判別したときには、ベットスイッチのチェックを行う(S44)。ベットボタンに対応する数値が投入枚数カウンタに加算される一方でクレジットカウンタから減算される。
次に、メインCPU31は、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S45)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、S38に移る一方で、投入枚数カウンタは最大値に達したと判別したときには、スタートスイッチはオンであるか否かを判別する(S46)。
メインCPU31は、スタートスイッチはオンではないと判別したときには、S38に移る一方で、スタートスイッチはオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(S47)。セレクタのソレノイドの駆動が行われず、メダルの排出が促される。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
続いて、図22を参照して、内部抽籤処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、後で図23を参照して説明する内部抽籤テーブル決定処理を行う(S61)。この処理では、ボーナス遊技状態の作動の有無及びRTの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブルや抽籤回数等が決定される。尚、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。例えば、一般遊技状態用内部抽籤テーブルが決定されると、抽籤回数として10が決定される。
次に、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、乱数データとしてセットする(S62)。次に、メインCPU31は、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットし、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する(S63)。
次に、メインCPU31は、乱数データから抽籤値を減算する(S64)。次に、メインCPU31は、桁かりが行われたか否かを判別する(S65)。メインCPU31は、桁かりが行われていないと判別したときには、抽籤回数を2減算する(S66)。
次に、メインCPU31は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(S67)。メインCPU31は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、S63に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタとしてそれぞれ0をセットする(S68)。
メインCPU31は、S65において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S69)。メインCPU31は、S69又はS68の後で、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S70)。
次に、メインCPU31は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(S71)。次に、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S72)。メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S73)。次に、メインCPU31は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(S74)。
メインCPU31は、S74の後、又は、S72において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(S75)。
次に、メインCPU31は、MB遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(S76)。メインCPU31は、MB遊技状態フラグはオンではないと判別したときには、内部抽籤処理を終了する一方で、MB遊技状態フラグはオンであると判別したときには、内部当籤役格納領域のビット0〜ビット2をオンにする(S77)。つまり、MBの作動中では、抽出された乱数値にかかわらず、メダルの払い出しに係る全ての図柄の組合せの表示が許可される。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
続いて、図23を参照して、内部抽籤テーブル決定処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、BB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(S91)。メインCPU31は、BB遊技状態フラグがオンであると判別したときには、RB遊技状態用内部抽籤テーブルをセットし、抽籤回数として1をセットする(S92)。この処理が終了すると、内部抽籤テーブル決定処理を終了する。
メインCPU31は、S91においてBB遊技状態フラグがオンではないと判別したときには、MB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(S93)。メインCPU31は、MB遊技状態フラグがオンであると判別したときには、MB遊技状態用内部抽籤テーブルをセットし、抽籤回数として5をセットする(S94)。この処理が終了すると、内部抽籤テーブル決定処理を終了する。
メインCPU31は、S93においてMB遊技状態フラグがオンではないと判別したときには、一般遊技状態用内部抽籤テーブルをセットし、抽籤回数として10をセットする(S95)。次に、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S96)。メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、抽籤回数を2減算する(S97)。
メインCPU31は、S97の後、又は、S96において持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときには、RT1作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S98)。メインCPU31は、RT1作動中フラグがオンであると判別したときには、RT1作動中用抽籤値変更テーブルを参照し、一般遊技状態用内部抽籤テーブルの当籤番号6に割り当てられた抽籤値を変更する(S99)。この結果、内部当籤役「リプレイA」の当籤確率が増大する。
メインCPU31は、S99の後、又は、S98においてRT1作動中フラグがオンではないと判別したときには、RT2作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S100)。メインCPU31は、RT2作動中フラグがオンであると判別したときには、RT2作動中用抽籤値変更テーブルを参照し、一般遊技状態用内部抽籤テーブルの当籤番号7に割り当てられた抽籤値を変更する(S101)。この結果、内部当籤役「リプレイB」の当籤確率が増大する。
メインCPU31は、S101の後、又は、S100においてRT2作動中フラグがオンではないと判別したときには、RT3作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S102)。メインCPU31は、RT3作動中フラグがオンではないと判別したときには、内部抽籤テーブル決定処理を終了する一方で、RT3作動中フラグがオンであると判別したときには、RT3作動中用抽籤値変更テーブルを参照し、一般遊技状態用内部抽籤テーブルの当籤番号8に割り当てられた抽籤値を変更する(S103)。この結果、内部当籤役「リプレイC」の当籤確率が増大する。この処理が終了すると、内部抽籤テーブル決定処理を終了する。
続いて、図24を参照して、リール停止制御処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S111)。メインCPUは、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたと判別したときには、該当ストップボタンの操作を無効化する(S112)。各ストップボタンの有効及び無効の状態は、メインRAMに設けられた所定の格納領域において管理される。
次に、メインCPU31は、決定されている停止テーブルを参照し、図柄カウンタ(つまり、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置であり、以下「停止開始位置」という)に応じた停止データを取得する(S113)。該当リールの回転を停止したときに該当表示窓の中段に表示する図柄の位置(或いは当該図柄の位置と停止開始位置との差分となる滑り駒数)が仮決定される。
次に、メインCPU31は、チェック回数として5をセットする(S114)。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
次に、メインCPU31は、MB遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(S115)。メインCPU31は、MB遊技状態フラグはオンであると判別したときには、押されたストップボタンは左ストップボタンであるか否かを判別する(S116)。
メインCPU31は、左ストップボタンであると判別したときには、チェック回数を2に変更する(S117)。本実施の形態では、MBの作動中であり、且つ、その回転を停止する対象が左リール3Lであるときには、左ストップボタンが押されたときから前述の規定時間(190msec)よりも短い時間(75msec)内に、左リール3Lの回転を停止する制御が行われる。より具体的には、チェック回数を2に変更することで、滑り駒数の最大数を「1」に変更し、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置を含め、そこから1個先の図柄の位置までをチェックの対象とする。つまり、「0」及び「1」の2つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
メインCPU31は、S117の後、S115においてMB遊技状態フラグはオンではないと判別したとき、又は、S116において左ストップボタンではないと判別したときには、内部当籤役に基づいて、停止開始位置を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する(S118)。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ライン沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
また、本実施の形態では、持越役「BB」が有る場合など、2種以上の特典の付与に係る図柄の組合せの表示を共に許容する内部当籤役(例えば、BB+ベルAや、BB+リプレイA)が決定される可能性があるが、このときは、予め定められた優先順位に従って、最も優先順位の高い図柄の位置が決定される。本実施の形態では、再遊技の作動に係る図柄の組合せを表示することが可能となる図柄の位置が最も高く、ボーナス遊技状態の作動に係る図柄の組合せを表示することが可能となる図柄の位置が2番目に高く、メダルの払い出しに係る図柄の組合せを表示することが可能となる図柄の位置が3番目に高くなるよう、上記予め定められた優先順位が規定されている。
次に、メインCPU31は、取得された停止データと検索の結果とに基づいて滑り駒数を決定する(S119)。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。つまり、S113において仮決定された図柄の位置が最も優先順位の高い図柄の位置であればこの図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される一方、S113において仮決定された図柄の位置とは異なる図柄の位置が最も優先順位の高い図柄の位置であればその図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。
次に、メインCPU31は、停止予定位置待ちへ移行する(S120)。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータの駆動が制御され、図柄カウンタが滑り駒数分更新されるのを待って、つまり、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓の中段に到達するのを待って該当リールの回転が停止される。
次に、メインCPU31は、リール停止コマンドを副制御回路に対して送信する(S121)。リール停止コマンドは、停止したリールの種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。次に、メインCPU31は、操作が有効なストップボタンがあるか否かを判別する(S122)。つまり、まだ回転中のリールがあるか否かが判別される。メインCPUは、操作が有効なストップボタンがあると判別したときには、S111に移る一方で、操作が有効なストップボタンがないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
続いて、図25を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(S151)。メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、BB・MB終了時処理を行う(S152)。この処理では、遊技状態フラグ格納領域がクリアされ、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。
次に、メインCPU31は、ボーナス終了時コマンドを副制御回路に対して送信する(S153)。次に、メインCPU31は、BB終了時であるか否かを判別する(S154)。メインCPU31は、BB終了時であると判別したときには、RT作動中フラグ格納領域において、RT1作動中フラグ、RT2作動中フラグ及びRT3作動中フラグを全てオンにする(S155)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
メインCPUは、S151においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したとき、又は、S154においてBB終了時ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタを1減算する(S156)。次に、メインCPUは、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(S157)。
メインCPUは、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(S158)。この処理では、RB遊技状態フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
続いて、図26を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU31は、表示役はBB又はMBであるか否かを判別する(S181)。メインCPU31は、表示役はBB又はMBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、BB・MB作動時処理を行う(S182)。この処理では、表示役に応じたボーナス遊技状態フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
次に、メインCPU31は、持越役格納領域の値をクリアする(S183)。次に、メインCPU31は、RT作動中フラグ格納領域において、RT1作動中フラグ、RT2作動中フラグ及びRT3作動中フラグを全てオフにする(S184)。次に、メインCPU31は、ボーナス開始コマンドを副制御回路に対して送信する(S185)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
メインCPU31は、S181において表示役はBB又はMBではないと判別したときには、表示役はリプレイA、リプレイB又はリプレイCであるか否かを判別する(S186)。メインCPU31は、表示役はリプレイA、リプレイB又はリプレイCであると判別したときには、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する(S187)。
次に、メインCPU31は、表示役はリプレイBであるか否かを判別する(S188)。メインCPU31は、表示役はリプレイBであると判別したときには、RT1作動中フラグ、RT2作動中フラグ及びRT3作動中フラグはそれぞれオンであるか否かを判別する(S189)。メインCPU31は、RT1作動中フラグ、RT2作動中フラグ及びRT3作動中フラグはそれぞれオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、RT1作動中フラグ、RT2作動中フラグ及びRT3作動中フラグはそれぞれオンであると判別したときには、RT1作動中フラグ及びRT3作動中フラグをそれぞれオフにする(S190)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
次に、メインCPU31は、表示役はリプレイBではないと判別したときには、表示役はリプレイCであるか否かを判別する(S191)。メインCPU31は、表示役はリプレイCではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、表示役はリプレイCであると判別したときには、RT1作動中フラグ、RT2作動中フラグ及びRT3作動中フラグはそれぞれオンであるか否かを判別する(S192)。メインCPU31は、RT1作動中フラグ、RT2作動中フラグ及びRT3作動中フラグはそれぞれオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、RT1作動中フラグ、RT2作動中フラグ及びRT3作動中フラグはそれぞれオンであると判別したときには、RT2作動中フラグ及びRT3作動中フラグをそれぞれオフにする(S193)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
メインCPU31は、S186において表示役はリプレイA、リプレイB又はリプレイCではないと判別したときには、BB遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(S194)。メインCPU31は、BB遊技状態フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、BB遊技状態フラグはオンであると判別したときには、RB遊技状態フラグはオンであるか否かを判別する(S195)。
メインCPU31は、RB遊技状態フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、RB遊技状態フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う(S196)。この処理では、RB遊技状態フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
続いて、図27を参照して、メインCPUの制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(S201)。次に、メインCPU31は、入力ポートチェック処理を行う(S202)。この処理では、ストップスイッチ等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次に、メインCPU31は、リール制御処理を行う(S203)。この処理では、全リールの回転開始が要求されたときに、各リールの回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータの駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リールの回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータの駆動が制御される。
次に、メインCPU31は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S204)。次に、メインCPU31は、レジスタの復帰を行う(S205)。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
続いて、図28及び図29を参照して、各RTの作動及びその終了に関するタイムチャートについて説明する。以上説明してきたように、本実施の形態では、まず、BBの作動が終了したことを条件に、RT1、RT2及びRT3のそれぞれの作動を開始する。
RT1の作動が行われているときは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルにより規定されている内部当籤役「リプレイA」が決定されるときの抽籤値「8980」が、これよりも大きい値「54613」に変更される。また、RT2の作動が行われているときは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルにより規定されている内部当籤役「リプレイB」が決定されるときの抽籤値「0」が、これよりも大きい値「1310」に変更される。また、RT3の作動が行われているときは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルにより規定されている内部当籤役「リプレイC」が決定されるときの抽籤値「0」が、これよりも大きい値「655」に変更される。
そして、図28に示すように、各RTの作動中に表示役「リプレイB」が決定されたとき、RT1の作動及びRT3の作動がそれぞれ終了する。RT1の作動が終了すると、内部当籤役「リプレイA」が決定されるときの抽籤値が、変更後の値「54613」から一般遊技状態用内部抽籤テーブルにより規定されている変更前の値「8980」に戻る。また、RT3の作動が終了すると、内部当籤役「リプレイC」が決定されるときの抽籤値が、変更後の値「655」から一般遊技状態用内部抽籤テーブルにより規定されている変更前の値「0」に戻る。尚、RT2の作動は継続して行われることから、内部当籤役「リプレイB」が決定されるときの抽籤値は変更後の値「1310」が引き継がれる。
その一方で、図29に示すように、各RTの作動中に表示役「リプレイC」が決定されたとき、RT2の作動及びRT3の作動がそれぞれ終了する。RT2の作動が終了すると、内部当籤役「リプレイB」が決定されるときの抽籤値が、変更後の値「1310」から一般遊技状態用内部抽籤テーブルにより規定されている変更前の値「0」に戻る。また、RT3の作動が終了すると、内部当籤役「リプレイC」が決定されるときの抽籤値が、変更後の値「655」から一般遊技状態用内部抽籤テーブルにより規定されている変更前の値「0」に戻る。尚、RT1の作動は継続して行われることから、内部当籤役「リプレイA」が決定されるときの抽籤値は変更後の値「54613」が引き継がれる。
このように、本実施の形態のパチスロ1によれば、従来のように、各RTに応じて専用の内部抽籤テーブルを規定し、各RTの作動に応じて、全てのリプレイが決定されるときの抽籤値を一律に再セットすることはせず、各RTで共通の内部抽籤テーブル(一般遊技状態用内部抽籤テーブル)を参照しつつ、RTごとに予め対応づけられたリプレイが決定されるときの抽籤値のみを各々別個に変更することによって、リプレイの当籤確率を変動させるようにした。
加えて、前述したように、それぞれで異なる条件に応じて各RTの作動を終了することによって、各リプレイの当籤確率を各々別個に変動前のものに戻しつつ、作動が継続するRTについては、変動後のリプレイの当籤確率をそのまま引き継ぐことができるようになる。したがって、リプレイの当籤確率を変動させるパターンに応じて、新たなRT及び新たな内部抽籤テーブルを設ける必要がなくなる。この結果、RT及びその作動条件等を徒に増やすことがなく、制御負担等の軽減を図りつつ、弾力的に多彩な遊技性を付与することが可能となる。
さらに、より詳細な構成に言及すると、RT1は、リプレイAの当籤確率が他のリプレイと比べて著しく高くなるようにその変動が行われることから、遊技者にとって最も有利なRTとして位置づけられている。また、RT2は、上記RT1の作動が終了する契機となるリプレイBが決定される可能性が生じるようにその当籤確率の変動が行われる。また、RT3は、上記RT2の作動が終了する契機となるリプレイCが決定される可能性が生じるようにその当籤確率の変動が行われる。
つまり、図28に示すように、表示役「リプレイB」が決定された場合では、RT1の作動が終了することにより、リプレイAの当籤確率が変動前の当籤確率に低下する結果、遊技者にとってその後の遊技が相対的に不利なものとなる。その一方で、図29に示すように、表示役「リプレイC」が決定された場合では、RT2の作動が終了することにより、リプレイBの当籤確率が変動前の当籤確率に低下する結果、ボーナス遊技状態の作動が開始されるまで上記RT1の作動が終了する可能性がなくなり、遊技者にとってその後の遊技が相対的に有利なものとなる。
このように、BBの作動が終了した以降において、表示役「リプレイB」が決定されるか、或いは、表示役「リプレイC」が決定されるかに応じて、その後の遊技が遊技者にとって有利なものとなるか不利なものとなるかが決定されるという遊技性を持たせるようにしたので、BBの終了後において遊技者が抱く期待に起伏を生じさせることができ、遊技の興趣を向上させることが可能となっている。
続いて、図30〜図33を参照して、副制御回路のサブCPU81により実行されるプログラムの内容について説明する。
まず、図30を参照して、サブCPU81により行われる主基板通信タスクについて説明する。はじめに、サブCPU81は、主制御回路から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S301)。次に、サブCPU81は、コマンドを受信した場合、そのコマンドの種別を抽出する(S302)。
次に、サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S303)。サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、S301に移る一方で、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、メッセージキューに格納し(S304)、S301に移る。
続いて、図31を参照して、サブCPU81により行われる演出登録タスクについて説明する。はじめに、サブCPU81は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S311)。次に、サブCPU81は、メッセージは有るか否かを判別する(S312)。
サブCPUは、メッセージは有ると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(S313)。例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、作動中フラグ等といった各種データがサブRAMに設けられた格納領域に複写される。次に、サブCPU81は、後で図32を参照して説明する演出内容決定処理を行う(S314)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
サブCPU81は、S314の後、又は、S312においてメッセージは無かったと判別したときには、アニメーションデータの登録を行う(S315)。次に、サブCPU81は、サウンドデータ・ランプデータの登録を行う(S316)。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、S311に移る。
続いて、図32を参照して、サブCPUにより実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。はじめに、サブCPU81は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S321)。サブCPUは、スタートコマンド受信時であると判別したときには、後で図33を参照して説明する演出抽籤処理を行う(S322)。この処理では、作動中のボーナス遊技状態の種類や作動中のRTの種類に応じて演出データが決定される。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。
サブCPU81は、S321においてスタートコマンド受信時ではないと判別したときには、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S323)。サブCPU81は、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、作動ストップボタンの種別等に応じて演出データをセットする(S324)。
次に、サブCPU81は、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S325)。サブCPU81は、表示コマンド受信時であると判別したときには、表示役の種別等に応じて演出データをセットする(S326)。
次に、サブCPU81は、表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S327)。サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、BB開始用演出データをセットする(S328)。
次に、サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス終了時コマンド受信時であるか否かを判別する(S329)。サブCPU81は、ボーナス終了時コマンド受信時ではないと判別したときには、演出内容決定処理を終了する一方で、ボーナス終了時コマンド受信時であると判別したときには、BB終了時用演出データをセットする(S330)。
サブCPU81は、S322、S324、S326、S328又はS330の後で、セットされた演出データの登録を要求する(S331)。演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
続いて、図33を参照して、演出抽籤処理のフローチャートについて説明する。はじめに、サブCPU81は、BB遊技状態であるか否かを判別する(S351)。サブCPU81は、BB遊技状態であると判別したときには、BB作動中用演出データをセットする(S352)。この処理が終了すると、演出抽籤処理を終了する。
サブCPU81は、S351においてBB遊技状態ではないと判別したときには、RT3作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S353)。RT3の作動が行われているときは、RT1、RT2及びRT3のすべての作動が行われていることとなる。RT1、RT2及びRT3のすべての作動が行われている期間は、表示役「リプレイB」が決定されるか、或いは、表示役「リプレイC」が決定されるかに応じて、その後の遊技が遊技者にとって有利なものとなるか不利なものとなるかが決定される期間である。サブCPU81は、RT3作動中フラグはオンであると判別したときには、RT作動中(チャンスゾーン)用演出決定テーブルを参照し、内部当籤役に基づいて演出データを決定する(S354)。この処理が終了すると、演出抽籤処理を終了する。
サブCPU81は、S353においてRT3作動中フラグはオンではないと判別したときには、RT2作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S355)。RT2の作動のみが行われている期間は、最も有利なRT1の作動が終了していることから、遊技者にとって相対的に不利な期間である。サブCPU81は、RT2作動中フラグはオンであると判別したときには、通常状態用演出決定テーブルを参照し、内部当籤役に基づいて演出データを決定する(S356)。この処理が終了すると、演出抽籤処理を終了する。
RT1の作動のみが行われている期間は、遊技者にとって相対的に有利な期間である。サブCPU81は、S355においてRT2作動中フラグはオンではないと判別したときには、RT作動中(高)用演出決定テーブルを参照し、内部当籤役に基づいて演出データを決定する(S357)。この処理が終了すると、演出抽籤処理を終了する。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、本発明の遊技機が備える、リール、乱数値抽出手段、内部抽籤手段、リール回転手段、停止操作検出手段、リール停止手段、再遊技作動手段、ボーナス作動手段、確率変動状態作動手段、変更手段、確率変動状態終了手段などの具体的構成については前述した本実施の形態の各要素に限られるものではない。
本実施の形態では、第2の確率変動状態(RT2)の作動を終了する契機となる予め定められた図柄の組合せとして、第3リプレイである「リプレイC」の図柄の組合せを採用したが、これに限られるものではない。本実施の形態における「MB」の作動に係る図柄の組合せや、「特殊」等のメダルの払い出しに係る図柄の組合せを採用するようにしても良い。
例えば、「MB」の作動に係る図柄の組合せを採用する場合、図26に示すボーナス作動チェック処理のS191〜S193を省略し、S185の後において表示役はMBであるか否かを判別する処理を行う。そして、MBであると判別したときにS192及びS193と同様の処理を行うようにする。このようにすると、MBの作動が行われるとき、MBの作動が終了した以降の遊技が遊技者にとって有利なものとなるので、MBの作動に対して遊技者が抱く期待をより大きいものとすることが可能となる。
また、例えば、「特殊」に係る図柄の組合せを採用する場合、図26に示すボーナス作動チェック処理のS191〜S193を省略し、S194の前において「表示役は特殊であるか否か?」を判別する処理を行い、特殊であると判別したときにS192及びS193と同様の処理を行うようにする。このようにすると、特殊に係る図柄の組合せが表示されるとき、メダルの払い出しに加え、以降の遊技が遊技者にとって有利なものとなるので、遊技者が抱く期待をより大きいものとすることが可能となる。尚、「MB」の作動に係る図柄の組合せ又は「特殊」に係る図柄の組合せを採用する場合、本実施の形態のRT3及びリプレイCをとくに設ける必要はなく、これらに関するテーブルの構成やプログラムの構成を修正するようにしても良い。
また、本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT1の作動のみが決定された以降は、表示役「リプレイB」が決定されたとしても、その作動が終了されることがない構成を採用し、遊技者に安心を与えることしているが、本発明はこれに限られるものではない。その作動を終了する可能性がある構成を採用するようにしても良い。
例えば、上記構成は、図25に示すボーナス作動チェック処理のS189を省略しつつ、一般遊技状態用内部抽籤テーブルにより規定されている内部当籤役「リプレイB」が決定されるときの抽籤値として「0」より大きい値を採用することにより実現可能となる。尚、上記各リプレイが決定されるときの抽籤値として例えば0に近い値(「1」や「2」など)を採用すると、遊技者に与える安心を著しく損なうことが避けられる。
また、本実施の形態では、複数種類の内部当籤役のそれぞれが決定されるときの乱数値を規定するデータテーブルとして、図10に示す内部抽籤テーブルを採用し、複数種類の内部当籤役のそれぞれが決定されるときの乱数値として、前述の抽籤値を採用したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、内部抽籤テーブルは、複数種類の内部当籤役のそれぞれが決定されるときの乱数値の範囲(例えば、下限値と上限値)を規定し、抽出された乱数値が上記範囲内にあるときに、該当する内部当籤役を決定する手法を採用しても良い。
この場合、例えば、一般遊技状態用内部抽籤テーブルにおいてリプレイAが決定されるときの乱数値の範囲を「0〜8979」と規定すると、RT1の作動中では、この範囲「0〜8979」をより大きい範囲「0〜54612」に変更することにより、前述の抽籤値の変更と同様に、リプレイAの当籤確率を変動させることができるようになる。
また、本実施の形態では、内部抽籤テーブルを参照し、抽出された乱数値に基づいてデータポインタを一旦決定し、その後、内部当籤役決定テーブルを参照して、データポインタに応じた内部当籤役を決定するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。データポインタの決定を介することなく、内部当籤役を決定するようにしても良い。
また、本実施の形態では、変更を行う対象となる当籤番号及びその変更後の抽籤値を規定した抽籤値変更テーブルを設け、これを参照して抽籤値の変更を行っているが、抽籤値変更テーブルを必ずしも設ける必要はない。例えば、図23に示す内部抽籤テーブル決定処理のS97の内容を、「一般遊技状態用内部抽籤テーブルの当籤番号6の抽籤値を54613に変更」する内容に替えても良い。
本実施の形態において適用した、図1〜図2に示す装置構成、図3及び図4に示す回路構成及びその周辺装置、図5〜図15に示すテーブルの構成、図16〜図19に示すRAMの格納領域の構成、図20〜図33に示すフローチャートの構成などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更又は修正が可能なものである。
また、本実施の形態のような機械式リールを備えたスロットマシン(回胴式遊技機)の他、リール及びその表面に配される図柄を映像により表示するビデオスロット等の遊技機にも本発明を適用できる。更に、前述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
尚、本実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。