JP4878179B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、特に重荷重用タイヤとして好適であり、優れたビード耐久性を確保しながら転がり抵抗性能を向上しうる空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤでは、荷重負荷時、ビード部がタイヤ軸方向外側に倒れ込むように変形し、その際、カーカスのプライ折返し部の側で圧縮歪が発生する。そしてこの圧縮歪が繰り返されることにより、前記プライ折返し部のカーカスコードにコードルースを招きビード損傷を誘発する。このビード損傷は、荷重負荷が大きいトラック、バス用等の重荷重用タイヤでより発生しやすい。
そこで重荷重用タイヤにおいては、従来、図6に示すように、カーカスのプライ本体部a1とプライ折返し部a2との間に配するビードエーペックスゴムbを、硬質のゴムからなる半径方向内方の下エーペックス部b1と、軟質のゴムからなる半径方向外方の上エーペックス部b2とに区分した構造が広く採用されている(例えば特許文献1など参照)。この構造では、前記硬質の下エーペックス部b1によりビード変形を低減し、前記圧縮歪を低く抑えるとともに、軟質の上エーペックス部b2によって圧縮歪に起因するカーカスコードへの応力を緩和でき、その結果、コードルースを抑制しうる。
特開2002−205508号公報
他方、環境資源の保護という観点より、近年、前記重荷重用タイヤにおいても転がり抵抗性能を向上させることが強く要請されている。そのために、前記ビードエーペックスゴムb、特にエネルギーロスが大きい硬質の下エーペックス部b1のゴムボリュウムを減じることが提案される。しかし前記下エーペックス部b1のゴムボリュウムを減じた場合には、ビード剛性が低下してビード変形量が増し、ビード耐久性を低下させるという問題が生じる。
そこで本発明者は、ビードコアcの周囲に配されるラッピング用ゴム層dに着目して研究を行った。その結果、前記ラッピング用ゴム層dに硬質のゴムを採用した場合には、下エーペックス部b1とビードコアcとを一体に結合させることができ、下エーペックス部b1に作用する力をビードコアcに効率良く伝達しうるなど、ビード変形をビードコアcと一体となって効果的に抑制しうることを見出し得た。又前記下エーペックス部b1のゴムボリュウムの削減も可能となり、ビード耐久性を高く確保しながら転がり抵抗性能を向上しうることも見出し得た。
すなわち本発明は、ラッピング用ゴム層に硬質のゴムを使用することを基本として、ビード耐久性を高く確保しながら転がり抵抗性能を向上しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部を有するカーカスプライからなるカーカスと、前記ビードコアから半径方向外方にのびる断面略三角形状のビードエーペックスゴムとを具える空気入りタイヤであって、
前記ビードコアは、ビードワイヤが多列多段に巻回されるリング状のコア本体と、このコア本体の周囲を囲むことにより前記ビードワイヤのバラケを防止するラッピング用ゴム層とからなるとともに、
前記ビードエーペックスゴムは、硬質のゴムからなる半径方向内方の下エーペックス部と、この下エーペックス部よりも軟質のゴムからなる半径方向外方の上エーペックス部とからなり、
かつ前記下エーペックス部は、前記ビードコアのタイヤ半径方向上面に沿う底片部と、この底片部のタイヤ軸方向内端から立ち上がり前記プライ本体部に沿ってタイヤ半径方向外方にのびる立片部とからなる断面L字状をなし、
しかも前記ラッピング用ゴム層のゴム硬度Hs1と、前記下エーペックス部のゴム硬度Hs2とを82〜87°の範囲とするとともに、
前記立片部は、その半径方向外端の前記コア本体の半径方向外端からの半径方向高さh1を15mm以上とし、
かつ前記立片部の厚さtは半径方向外方に向かって順次減少し、かつ前記コア本体の半径方向外端から半径方向外方に10mmの距離を隔たる高さ位置P0における前記立片部の厚さt0を0.5〜2.5mmの範囲としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記ラッピング用ゴム層は、厚さiを0.2〜2.5mmとしたことを特徴としている。
請求項3の発明では、前記下エーペックス部のゴム硬度Hs2は、前記ラッピング用ゴム層のゴム硬度Hs1より大であることを特徴としている。
請求項4の発明では、前記底片部の前記ビードコアのタイヤ半径方向上面からの厚さTは、タイヤ軸方向外側に向かって順次減少することを特徴としている。
請求項5の発明では、前記カーカスプライは、前記プライ本体部に連なり前記ビードコアの廻りで折り返されるプライ折返し部を具えるとともに、該プライ折返し部は、前記上エーペックス部のタイヤ軸方向外側面に沿ってのびかつ前記外側面にて途切れることを特徴としている。
請求項6の発明では、前記カーカスプライは、前記プライ本体部に連なり前記ビードコアの廻りで折り返されるプライ折返し部を具えるとともに、該プライ折返し部は、前記下エーペックス部内を通って前記プライ本体部に向かってのびる巻上げ部を有することを特徴としている。
本明細書では、前記ゴム硬度は、JIS−K6253に基づきデュロメータータイプAにより測定したデュロメータA硬さを意味する。又タイヤの各部の寸法等は、特に断りがない限り、タイヤを正規リムにリム組みしかつ50kPaの内圧を充填した50kPa充填状態において特定される値とする。なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
本発明は叙上の如く、ビードコアのラッピング用ゴム層を、下エーペックス部と同レベルの硬質のゴムで形成している。従って、このラッピング用ゴム層を介してビードコアと下エーペックス部とを一体かつ強固に結合させることができる。その結果、特に前記下エーペックス部をL字状としてゴムボリュームを減じた場合には、転がり抵抗性能を向上しながら、ビード変形を、ビードコアと一体となって効果的に抑制することが可能となり、ビード耐久性を高く確保することができる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤが、トラック・バス用等の重荷重用タイヤである場合の50kPa充填状態を示す断面図、図2、3はそのビード部を拡大して示す断面図である。
図1において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7とを具える。
前記ベルト層7は、ベルトコードを用いた2枚以上、重荷重用タイヤの場合には通常3〜4枚のベルトプライから形成される。本例では、ベルト層7が、スチールコードをタイヤ周方向に対して例えば60±15°の角度で配列した半径方向最内側の第1のベルトプライ7Aと、タイヤ周方向に対して例えば10〜35°の小角度で配列した第2〜4のベルトプライ7B〜7Dとからなる4枚構造の場合を例示している。このベルトプライ7A〜7Dは、ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上設けて重置されることにより、ベルト剛性を高めトレッド部2をタガ効果を有して補強している。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して70〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。カーカスコードとして、スチールコードが好適であるが、必要に応じてナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミドなどの有機繊維コードも使用される。前記カーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
前記ビードコア5は、図2に示すように、例えばスチール製のビードワイヤ5sを多列多段に巻回した断面多角形状のリング状コア本体10と、このコア本体10の周囲を囲むことにより前記ビードワイヤ5sのバラケを防止するラッピング用ゴム層11とから形成される。
前記ラッピング用ゴム層11としては、ゴム材のみによって形成されるゴム層、及びゴム材中にラッピングコードを埋設させたラッピングコード入りのゴム層も好適に採用しうる。そして、このラッピング用ゴム層11のゴムとして、ゴム硬度Hs1が76〜88°の範囲の硬質のゴムが使用される。なお従来のラッピング用ゴム層は、そのゴム硬度が70°以下であり、本発明では、従来に比して硬いゴムが使用される。又ラッピング用ゴム層11の厚さi(図3に示す)は、従来と同様、0.2〜2.5mmの範囲が好適に採用できる。
前記ビードコア5は、リムJのリムシートJs面に対向する半径方向下面SL、この下面SLと平行な半径方向上面SU、前記下面SLと上面SUとのタイヤ軸方向外縁間を継ぐタイヤ軸方向外側面SO、及び前記下面SLと上面SUとのタイヤ軸方向内縁間を継ぐタイヤ軸方向内側面SIからなるコア外周面を有する断面多角形状をなす。特に本例では、前記外側面SOおよび内側面SIが、それぞれく字状の屈曲面からなる断面偏平六角形状をなす場合を例示しており、前記下面SLがリムシートJsと略平行となることによって、リムJとの嵌合力を広範囲に亘って高めている。なお前記リムJは、本例では、チューブレス用の15°テーパーリムであり、従って、前記下面SLはタイヤ軸方向線に対して略15°の角度で傾斜している。
次に、カーカス6の前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5から半径方向外方にのびる断面略三角形状のビードエーペックスゴム8が配される。このビードエーペックスゴム8は、前記プライ折返し部6bの外端6beを半径方向外方に越えて延在する。即ち、該プライ折返し部6bは、前記ビードエーペックスゴム8のタイヤ軸方向外側面に沿ってのびかつ前記外側面にて途切れている。本例では、ビードエーペックスゴム8の外端8eのビードベースラインBLからの半径方向高さH1を、タイヤ断面高さH0の26〜50%の範囲としている。
又前記ビードエーペックスゴム8は、ゴム硬度Hs2が82〜87°の範囲の硬質のゴムからなる半径方向内方の下エーペックス部12と、この下エーペックス部12よりも軟質のゴムからなる半径方向外方の上エーペックス部13とから形成される。なお前記上エーペックス部13のゴム硬度Hs3は、本例では、50〜60°の範囲であり、かつ前記ゴム硬度Hs2との硬度差(Hs2−Hs3)を20〜38°、好ましくは26〜38°としている。これにより、ビード変形に伴うプライ折返し部6bの側の圧縮歪に対して、カーカスコードに作用する応力を緩和しうる。
又前記下エーペックス部12は、ビードコア5の前記タイヤ半径方向上面SUに沿う底片部12Bと、この底片部12Bのタイヤ軸方向内端から立ち上がり前記プライ本体部6aに沿ってタイヤ半径方向外方にのびる立片部12Aとからなる断面L字状に形成される。
このように本発明では、まず第1に、前記ビードコア5のラッピング用ゴム層11を、前記下エーペックス部12と同レベルの硬質のゴムで形成している。従って、このラッピング用ゴム層11を介してコア本体10と下エーペックス部12とを一体かつ強固に結合させることができる。又第2に、前記下エーペックス部12として、プライ本体部6aに沿って立ち上がる立片部12Aを有する断面L字状に形成している。その結果、タイヤ軸方向外側に倒れ込むビード変形を、前記下エーペックス部12とコア本体10とが一体となって効果的に抑制することができ、ビード耐久性を高く確保することが可能となる。しかも、エネルギーロスの大きい硬質の下エーペックス部12が、断面L字状をなすなどゴムボリュウムが減じられるため、転がり抵抗性能を同時に向上させることができる。
このような作用効果を有効に発揮させるために、図3に拡大して示すように、前記立片部12Aの半径方向外端の、前記コア本体10の半径方向外端からの半径方向高さh1を、15mm以上としている。又前記立片部12Aの厚さtは、半径方向外方に向かって順次減少するとともに、前記コア本体10の半径方向外端から半径方向外方に10mmの距離を隔たる高さ位置P0において、前記立片部12Aの厚さt0を0.5〜2.5mmの範囲としている。
ここで、前記ラッピング用ゴム層11のゴム硬度Hs1が82゜未満では、下エーペックス部12に作用する力がコア本体10に有効に伝達されず、又前記下エーペックス部12のゴム硬度Hs2が76°未満では、下エーペックス部12自体が変形しやすくなり、何れの場合もビード変形の抑制効果が達成されない。又前記立片部12Aの高さh1が15mm未満、及び前記厚さt0が0.5mm未満の場合にも、前記下エーペックス部12による補強が不充分となり、ビード変形の抑制効果が達成されなくなる。なお前記立片部12Aの半径方向外端のビードベースラインBLからの半径方向高さH2を、ビードベースラインBLからのリムフランジ高さHfの250%以上とすることも、ビード変形抑制の観点から好ましい。又前記立片部12Aの厚さtが半径方向外方に向かって順次減少することにより、前記上エーペックス部13との間の剛性段差が減じられ、前記立片部12Aの半径方向外端を起点とした損傷が抑制される。
又前記ラッピング用ゴム層11のゴム硬度Hs1が87°より大、及び前記下エーペックス部12のゴム硬度Hs2が87°より大では、エネルギーロスの上昇を招き、転がり抵抗性能を充分に向上することができなくなる。又前記立片部12Aの厚さt0が2.5mmより大では、下エーペックス部12のゴムボリュウムの削減が不充分となり、転がり抵抗性能の向上を不充分とする。
このような観点から、前記ゴム硬度Hs1、Hs2では、それぞれの下限値を76°以上とするのが好ましく、又上限値を88°以下とするのが好ましい。又前記厚さt0では、その下限値を1.0mm以上とするのがより好ましく、又上限値を2.0mm以下とするのがより好ましい。又前記高さh1は、転がり抵抗性能の観点からその上限を30mm以下とするのが好ましい。
又前記底片部12Bでは、前記ビードコア5のタイヤ半径方向上面SUからの厚さTを、タイヤ軸方向外側に向かって順次減少させることが、ビード変形の抑制効果を発揮しながらゴムボリュウムを減じるために好ましい。
又前記下エーペックス部12とコア本体10との結合をより強固なものとするために、ビードコア5の前記内側面SIとプライ折返し部6bとの間隙部、及びビードコア5の前記外側面SOとプライ折返し部6bとの間隙部に配されるゴムも、前記下エーペックス部12と同組成のゴム、或いは同じはゴム硬度Hsの範囲のゴムで形成するのが好ましい。
なおラッピング用ゴム層11と下エーペックス部12とを同組成のゴムで形成することができる。しかし、ビード変形抑制の観点からは、前記下エーペックス部12のゴム硬度Hs2を、ラッピング用ゴム層11のゴム硬度Hs1よりも大(Hs2>Hs1)とするのが好ましい。
次に、図2中の符号20は、カーカス6を介してビードコア5の周りをU字に囲むビード補強層である。このビード補強層20は、スチール製の補強コードをタイヤ周方向に対して10〜60゜の角度で配列したスチールコードプライからなり、前記プライ本体部6aのタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片20aから、前記ビードコア5の半径方向内方を通ってプライ折返し部6bの外側面に沿って半径方向外方に立上がる外片20bを有する断面U字状に形成される。これにより、ビード部4を補強する。なお前記内片20aの半径方向外端のビードベースラインBLからの半径方向高さDa、及び前記外片20bの半径方向外端のビードベースラインBLからの半径方向高さDbは、それぞれ前記リムフランジ高さHfの150〜300%の範囲であり、150%未満では補強効果が不充分となり、逆に300%を越えると内片20aの外端、及び外片20bの外端を起点として損傷が発生しやすくなる。
又図2中の符号21は、リムズレ防止用のクリンチゴムであり、例えばゴム硬度Hs4が70〜79°、かつ前記ラッピング用ゴム層11よりも軟質の耐摩耗性に優れるゴムから形成される。このクリンチゴム21は、本例では、ビード部4の外側面をなしビードヒール部分からリムフランジの上端を半径方向外方に超えた高さ位置まで立ち上がるクリンチ基部21Aと、ビード底面をなしかつ前記クリンチ基部21Aからビードトウ部分までのびるクリンチ底部21Bとを含んで構成される。前記クリンチ基部21Aには、サイドウォール部3の外側面をなす柔軟なサイドウォールゴム22が境界線Kを介して連設される。この境界線Kは、本例では前記ビードヒール部分からビード部4の外側面まで半径方向外方に傾斜してのびる。従って前記クリンチゴム21は、ビード部4の外側面上に半径方向最外点を有するとともに、この最外点のビードベースラインBLからの高さH3を、前記リムフランジ高さHfより大、かつ前記下エーペックス部12の前記半径方向高さH2よりも小に設定している。
又本例では、前記プライ折返し部6bの外端6beを起点としたカーカスコードルースを抑制するために、前記プライ折返し部6bをタイヤ軸方向内外から挟み込み前記外端6beを被覆保護する薄厚の保護ゴム層23i、23oを設けている。この保護ゴム層23i、23oは、前記上エーペックス部13よりも軟質、かつサイドウォールゴム22より硬質のゴムからなり、プライ折返し部6bに作用する応力を緩和吸収し、前記カーカスコードルースを抑制しうる。
又図4に本発明の他の実施形態を示す。本例では、前記クリンチゴム21は、前記サイドウォールゴム22との境界線Kが、ビード部4の外側面上の下点21aから前記ビードエーペックスゴム8の外側面又は前記保護ゴム層23oの外側面上の上点21bまでタイヤ軸方向内側に向かって半径方向外方に傾斜してのびる場合を例示している。なお前記下点21aのビードベースラインBLからの高さH4は、前記リムフランジ高さHfより大であり、又本例では、前記下エーペックス部12の前記半径方向高さH2よりも小に設定している。
又図5に本発明のさらに他の実施形態を示す。本例では、前記カーカス6のプライ折返し部6bを、前記ビードコア5の前記タイヤ軸方向内側面SI 、半径方向下面SL、及びタイヤ軸方向外側面SOに沿って折れ曲がる主部30と、該主部30に連なりビードコア5の前記半径方向上面SUの近傍を前記プライ本体部6aに向かって傾斜してのびる巻上げ部31とからなる所謂ワインド構造にて構成している。この巻上げ部31は、前記下エーペックス部12内を通り、かつ下エーペックス部12内で途切れている。
なお前記ワインド構造では、前記巻上げ部31を拘束し、カーカスコードのスプリングバックを防止するため、前記巻上げ部31のタイヤ半径方向外側に、巻上げ部押さえ用の補助コード層33を形成するのが好ましい。この補助コード層33は、スチールコード33wを、タイヤ周方向に螺旋巻きした巻回体からなり、これによりカーカスコードに型付けを施すことなくスプリングバックを抑制でき、型付けに起因するコード強力の低下を防止しつつ、前記巻上げ部31を意図した形状に安定して保持することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の構造をなすタイヤサイズが11R22.5の重荷重用タイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤの、ビード耐久性、転がり抵抗性能についてテストし比較した。なお表1に記載以外の仕様は夫々同仕様であり、各タイヤにおいて、ビードエーペックスゴムの半径方向高さH1はタイヤ断面高さH0の165%、ラッピング用ゴム層の厚さiは1.0mmである。
(1)ビード耐久性:
ドラム試験機を用い、リム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)、縦荷重(27.25kNの3倍)の条件下で速度30km/hで走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を測定した。
(2)転がり抵抗性能;
転がり抵抗試験機を用い、リム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)、縦荷重(27.25kN)、速度(80km/h)の条件にて転がり抵抗を測定し、比較例1のタイヤを100とした指数で表示した。指数は小さい方が良好である。
Figure 0004878179
Figure 0004878179
表の如く、実施例のタイヤは、ビード耐久性を高く確保しながら転がり抵抗性能を向上しうるのが確認できた。
本発明の空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。 そのビード部を拡大して示す断面図である。 ビード部をさらに拡大して示す断面図である。 ビード部の他の実施例を示す断面図である。 ビード部のさらに他の実施例を示す断面図である。 従来のビード構造を説明する断面図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
5s ビードワイヤ
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
8 ビードエーペックスゴム
10 コア本体
11 ラッピング用ゴム層
12 下エーペックス部
12A 立片部
12B 底片部
13 上エーペックス部

Claims (6)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部を有するカーカスプライからなるカーカスと、前記ビードコアから半径方向外方にのびる断面略三角形状のビードエーペックスゴムとを具える空気入りタイヤであって、
    前記ビードコアは、ビードワイヤが多列多段に巻回されるリング状のコア本体と、このコア本体の周囲を囲むことにより前記ビードワイヤのバラケを防止するラッピング用ゴム層とからなるとともに、
    前記ビードエーペックスゴムは、硬質のゴムからなる半径方向内方の下エーペックス部と、この下エーペックス部よりも軟質のゴムからなる半径方向外方の上エーペックス部とからなり、
    かつ前記下エーペックス部は、前記ビードコアのタイヤ半径方向上面に沿う底片部と、この底片部のタイヤ軸方向内端から立ち上がり前記プライ本体部に沿ってタイヤ半径方向外方にのびる立片部とからなる断面L字状をなし、
    しかも前記ラッピング用ゴム層のゴム硬度Hs1と、前記下エーペックス部のゴム硬度Hs2とを82〜87°の範囲とするとともに、
    前記立片部は、その半径方向外端の前記コア本体の半径方向外端からの半径方向高さh1を15mm以上とし、
    かつ前記立片部の厚さtは半径方向外方に向かって順次減少し、かつ前記コア本体の半径方向外端から半径方向外方に10mmの距離を隔たる高さ位置P0における前記立片部の厚さt0を0.5〜2.5mmの範囲としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ラッピング用ゴム層は、厚さiを0.2〜2.5mmとしたことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記下エーペックス部のゴム硬度Hs2は、前記ラッピング用ゴム層のゴム硬度Hs1より大であることを特徴とする請求項1、又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記底片部の前記ビードコアのタイヤ半径方向上面からの厚さTは、タイヤ軸方向外側に向かって順次減少することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記カーカスプライは、前記プライ本体部に連なり前記ビードコアの廻りで折り返されるプライ折返し部を具えるとともに、該プライ折返し部は、前記上エーペックス部のタイヤ軸方向外側面に沿ってのびかつ前記外側面にて途切れることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記カーカスプライは、前記プライ本体部に連なり前記ビードコアの廻りで折り返されるプライ折返し部を具えるとともに、該プライ折返し部は、前記下エーペックス部内を通って前記プライ本体部に向かってのびる巻上げ部を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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