JP2004359806A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部、カーボンブラック及びその他の無機充填剤の合計配合量130〜190重量部及び不溶性硫黄含有率が80重量%以上の硫黄5〜7.5重量部を含む、デュロA硬度が87ポイント以上のゴム組成物で未加硫時の厚さが0.3〜2mmのカバーゴムをビードコア周囲に被覆してなる空気入りタイヤ。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤのビード部の耐久性を低下させることなく、ビードフィラー付け及びタイヤの成形作業性を向上させた空気入りタイヤに関する。なお、本発明に係る空気入りタイヤは、その構造(例えばラジアル構造、バイアス構造など)を問わず、またその用途(乗用車用、重荷乗車両用など)も問わず、広く使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
ビード廻り(ビードコア周辺からカーカス)の構造その他の従来技術については、例えば以下のように、特許文献1〜4などに記載されている。即ち、特許文献1にはビードコアの底部にビードカバーゴムを配置してビード部へのカーカス張力に基づく横力の作用を低減してビード部の変形を防止し、耐久性を改善する提案がされている。また特許文献2には、1本巻きビードワイヤーの周囲をコーティングゴムで被覆し、その被覆後の横断面外輪部形状を規定してワイヤーを巻回して段重ねする際に未加硫ゴム層間に滑り落ちて変形するのを防止してタイヤのユニフォミティーを向上させることが提案されている。更に特許文献3には、ゴム成分100重量部に、脱水ヒマシ油脂肪酸0.1〜20重量部を加硫促進助剤として配合して加硫前は軟化剤として機能させてタイヤ製造の作業性を向上させ、加硫後は硬化剤として機能させてリムフィットを上げることが提案されている。更に特許文献4にはビードコア〜カーカス間の未加硫ゴムのゴム部材の厚さをモールド下側になる方がモールド上側になる方に比べて厚くすることによってビード部CBUといわれる致命的な故障の発生を防止することが提案されている。しかしながら、これらは、何れもビードインシュレーションゴムやカバーゴムの配合を規定するものではない。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−72109号公報
【特許文献2】
特開平6−79806号公報
【特許文献3】
特開平7−26067号公報
【特許文献4】
特開平10−193928号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のビード部のインシュレーション及びカバーゴムは、ビードコア廻りにおけるビードワイヤーの飛び出しを防止する為に、高硬度で且つビードワイヤーとの接着性を高めるために多量の硫黄が配合されていることが多い。しかしながら、これにより、ビードカバーはビードフィラー付け/タイヤ成形作業前に硫黄ブルームによるタック不足となり易く、これは不溶性硫黄の使用でもその改善は不十分であり、有機溶剤によるスワブ、又はゴムセメント塗布等が必要となっていた。
【0005】
従って、本発明の目的は、前記した従来技術の問題点を解決して、ビートの耐久性を低下させることなく、硫黄ブルームの発生を防止してタイヤ成形作業性を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に従えば、ジエン系ゴム100重量部、カーボンブラック及びその他の無機充填剤の合計配合量130〜190重量部及び不溶性硫黄含有率が80重量%以上の硫黄5〜7.5重量部を含む、デュロA硬度が87ポイント以上のゴム組成物で未加硫時の厚さが0.3〜2mmのカバーゴムをビートコア周囲に被覆してなる空気入りタイヤが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、ビードカバーゴムにカーボンブラック/無機充填剤を多量配合することにより硫黄をカーカスプライコート並みに減少させてもインシュレーションとの硬度差は小さくでき、更に一定ゲージとすることにより、ビード廻りの耐久性を低下させることなく、硫黄ブルームを抑制できることを見出し、本発明をするに至った。
【0008】
本発明においてゴム組成物に配合するジエン系ゴムとしては、例えばタイヤ用原料ゴムとして使用することができる任意のジエン系ゴムを含み、かかる代表的なジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)などをあげることができる。これは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
【0009】
本発明においてゴム組成物に配合するカーボンブラック及びその他の無機充填剤としては、従来からタイヤ用に配合されている任意のカーボンブラック及び無機充填剤を用いることができ、無機充填剤としては、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウムなどがあげられる。使用するカーボンブラックとその他の無機充填剤の比率には特に限定はないが、カーボンブラック:その他の無機充填剤=85:15〜50:50(重量比)が好ましく、75:25〜55:45(重量比)が更に好ましい。
【0010】
本発明においてゴム組成物に配合する硫黄は80重量%以上、好ましくは85重量%以上の不溶性硫黄含有率でなければならない。不溶性硫黄の含有率が80重量%未満では硫黄ブルームを十分に抑制できずタック低下を招くので好ましくない。
【0011】
本発明において使用される不溶性硫黄はオイル処理の有無を問わないが、固化防止および分散性を配慮するとオイル処理品が好ましい。
【0012】
本発明に従えば、カバーゴムに使用するゴム組成物のデュロA(デュロ硬度計で測定)硬度が87ポイント以上、好ましくは87〜93でなければならず、この値が87ポイント未満ではビード耐久性が低下するので好ましくない。前記したカーボンブラックとその他の無機充填剤合計がゴム100重量部に対し、130重量部未満では、所望の硬度が出ないのでビード耐久性が低下する。一方、合計配合量が190重量部を超えて配合しても硬度の上昇は小さく、逆に破断物性低下が生ずるので好ましくない。一方硫黄配合量が5重量部未満では所望の硬度が出ないのでビード耐久性が低下し、7.5重量部超では硫黄ブルーム抑制効果が不十分となる。更にカバーゴムゲージが0.3mm未満ではブルーム抑制効果が不十分で、2mm超ではビード引抜き力が低下するので好ましくない。
【0013】
本発明に係るゴム組成物を用いるカバーゴムを取付けた構造の空気入りタイヤの典型例を図1に示す。図1において、1はビードコア、2はカーカス、3はカバーゴム、4はコード補強層、5はインナーライナーを示す。本発明に従えばカバーゴム3として前記ゴム組成物を用いるもので、その成形作業は従前通りで行うことができる。
【0014】
本発明に係るゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑性剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0015】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
【0016】
実施例1〜3及び比較例1〜4
サンプル調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、165±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
【0017】
次に得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で150℃で40分間加硫して加硫ゴムシートを調製し、デュロA硬度及び破断伸びを測定した。結果を表Iに示す。
【0018】
【表1】
【0019】
表I脚注
*1:JIS K6253に準拠して、室温におけるデュロメーター(タイプA)の硬度測定を行なった。
*2:JIS K6251に準拠して、室温における破断伸び測定を行ない、A−1の測定値を100として指数で示した。この値が大きいほど破断伸びが大きいことを示す。
*3:ASTM D2229に準拠して、170℃×20分加硫させて作製した引抜きサンプルのワイヤー引抜き試験を行ない、測定した引抜き力をA−1を100とした指数(この指数が大きいほど良好)で示した。
【0020】
【表2】
【0021】
表II脚注
*4:指定のビードインシュレーションゴム及びビードカバーゴムを使用して作成したビードを室温で3日間放置後の硫黄ブルーム状態を比較した。硫黄ブルームが顕著でタック不足ならばゴムセメント塗布「要」、ゴムセメント塗布無しで成形使用可であれば塗布「不要」とした。
*5:22.5×7.50リムに空気圧=0.94MPa でインフレート。ドラム試験機、荷重=51kN、速度45km/hの条件で、ビード部破壊迄の走行距離を測定し、標準例の走行距離を100として指数で示した(この値が大きいほど良好)。
*6:*5の耐久試験後タイヤのビードコア最外層のビードワイヤー引抜き力を測定し、標準例を100とした指数で示した(この値が大きいほど良好)。
【0022】
【発明の効果】
本発明に従えば、前述の如く、先行技術で示されていないビードカバーゴム配合を用いることによりビード耐久性を低下させること無く、硫黄ブルームの発生防止による作業性向上が期待出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った空気入りタイヤのビードコアの周囲を示す。
【符号の説明】
1…ビードコア
2…カーカス
3…カバーゴム
4…コード補強層
5…インナーライナー
Claims (1)
- ジエン系ゴム100重量部、カーボンブラック及びその他の無機充填剤の合計配合量130〜190重量部及び不溶性硫黄含有率が80重量%以上の硫黄5〜7.5重量部を含む、デュロA硬度が87ポイント以上のゴム組成物で未加硫時の厚さが0.3〜2mmのカバーゴムをビードコア周囲に被覆してなる空気入りタイヤ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003159491A JP2004359806A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003159491A JP2004359806A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004359806A true JP2004359806A (ja) | 2004-12-24 |
Family
ID=34052536
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003159491A Pending JP2004359806A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004359806A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007230400A (ja) * | 2006-03-01 | 2007-09-13 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 空気入りタイヤ |
JP2009013196A (ja) * | 2007-06-29 | 2009-01-22 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | インスレーション用ゴム組成物およびそれを用いたインスレーションを有するタイヤ |
WO2022024889A1 (ja) * | 2020-07-30 | 2022-02-03 | 住友理工株式会社 | メッキワイヤー補強層被覆用ゴム組成物およびそれを用いた高圧ホース |
KR20220057794A (ko) * | 2020-10-30 | 2022-05-09 | 금호타이어 주식회사 | 공기입 타이어용 비드 어셈블리 및 그 제조방법 |
-
2003
- 2003-06-04 JP JP2003159491A patent/JP2004359806A/ja active Pending
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KR102509168B1 (ko) * | 2020-10-30 | 2023-03-13 | 금호타이어 주식회사 | 공기입 타이어용 비드 어셈블리 및 그 제조방법 |
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