JP2008001201A - 重荷重用タイヤ - Google Patents

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直樹 杉山
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Abstract

【課題】一般ビード耐久性と熱ビード耐久性との双方を高める。
【解決手段】カーカス6のプライ折返し部6bは、ビードコア5の内側面SI、内面SL及びタ外側面SOに沿って折れ曲がる折返し主部10と、それに連なりビードコア5の外面SU近傍をプライ本体部6aに向かってのびる副部11と、その外端で立ち上がりプライ本体部6aに接して3.0mm以下の間隔Lbを隔てて平行にのびる立上げ部12とからなる。前記副部11のタイヤ半径方向外側に、スチールコード13wを螺旋状に巻回した補助コード層13を設けるとともに、補助コード層13の半径方向内端のビードコア5の外面SUからの高さLaを3〜11mm、かつ立上げ部12のプライ本体部6aに沿った長さLcを15〜35mmの範囲とした。
【選択図】図4

Description

本発明は、ビード耐久性を向上した重荷重用タイヤに関する。
例えば下記の特許文献1に、図5に示す如く、カーカスのプライ折返し部aを、ビードコアbの周りに巻き付け、その端部分a1を、前記ビードコアbとビードエーペックスゴムcとの間で狭持した所謂ビードワインド構造のタイヤが提案されている。この構造では、前記プライ折返し部aがビードコアbの周囲で途切れるため、その端部分a1に作用するタイヤ変形時の応力が小であり、従って、該端部分a1を起点とした損傷を効果的に抑制しできるという利点がある。しかしその反面、プライ折返し部aの係止力が相対的に弱いため、特に、ビード部がブレーキパッド等の熱(ブレーキ熱)の蓄熱等により過度に温度上昇した場合には、ゴムの軟化によって、プライ折返し部aの吹き抜け方向への位置ズレが大きくなり、高温時のビード耐久性(以後、熱ビード耐久性と呼ぶ)が不充分となるという問題がある。
特開2005−162057号公報
そこで前記特許文献1では、ビード部に断面U字状のビード補強層dを設け、その外片d1のビードベースラインBLからの高さHoを20〜35mmとすることで、熱ビード耐久性を高めることが提案されている。しかし前記外片d1が高くなるにつれ、通常走行において、前記外片d1の外端に圧縮歪みが繰り返し作用し、ビード耐久性(前記熱ビード耐久性と区別する時、一般ビード耐久性と呼ぶ)に不利を招くという問題がある。
本発明は、一般ビード耐久性と熱ビード耐久性との双方を向上しうる重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部と、このプライ本体部の両側に連なり前記ビードコアの周りで折り返されたプライ折返し部とを有する1枚のカーカスプライからなるカーカスを具えた重荷重用タイヤであって、
前記プライ折返し部は、前記ビードコアのタイヤ軸方向の内側面、タイヤ半径方向の内面及びタイヤ軸方向の外側面に沿って折れ曲がる折返し主部と、この折返し主部に連なり前記ビードコアのタイヤ半径方向の外面近傍を前記プライ本体部に向かってのびる副部と、この副部の外端で立ち上がりかつ前記プライ本体部に接して又はプライ本体部とは平行かつ3.0mm以下の間隔Lbを隔てて半径方向外方にのびる立上げ部とからなり、
しかも前記副部のタイヤ半径方向外側に、スチールコードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回することにより該副部を前記ビードコアの外面に押さえ付ける補助コード層を設けるとともに、
前記補助コード層の半径方向内端の前記ビードコアの外面からの高さLaを3〜11mm、かつ前記立上げ部の前記プライ本体部に沿った長さLcを15〜35mmの範囲としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記ビード部は、前記副部のタイヤ半径方向外側に、ゴム硬度Hs2が76〜88の硬質のゴムからなる半径方向内側の下エーペックス部と、ゴム硬度Hs1が50〜60の軟質のゴムからなる半径方向外側の上エーペックス部とからなる断面略三角形状のビードエーペックスゴムを具え、
しかも前記下エーペックス部は、前記副部に沿う底片部と、この底片部のタイヤ軸方向内端から立ち上がり前記立上げ部に沿ってタイヤ半径方向外方にのびる立片部とからなる断面L字状をなすとともに、
前記立片部は、その半径方向外端の前記ビードコアの半径方向外端からの半径方向高さh1を15mm以上とし、かつ前記ビードコアの半径方向外端から半径方向外側に10mmの距離h2を隔たる高さ位置において、前記立片部の厚さtは0.5〜2.5mmの範囲であることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記ビード部は、前記折返し主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記折返し主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片と、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片とからなるビード補強層を具えるとともに、
前記外片の半径方向外端は、前記補助コード層の半径方向内端よりも半径方向内方に位置したことを特徴としている。
本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、タイヤを正規リムにリム組しかつ50kPaの内圧を充填した無負荷の50kPa充填状態において特定される値とする。なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
又ゴム硬度Hsは、JIS−K6253に基づきデュロメータータイプAにより測定したデュロメータA硬さである。
本発明は叙上の如く、プライ折返し部の副部を、補助コード層によるスチールコードの螺旋巻きによってビードコアの外面に押さえ付けるとともに、前記副部に、前記プライ本体部に沿ってのびる立上げ部を設けている。これらの相乗効果によって、プライ折返し部をビードコア廻りに強く固定でき、従来的な断面U字状のビード補強層を設けることなく、吹き抜け方向へのズレを確実に抑制できる。即ち、前記ビード補強層の外片による弊害である、前記外片に繰り返し作用する圧縮歪みによる損傷を抑制することが可能となり、一般ビード耐久性を高く確保しながら、熱ビード耐久性を向上することができる。又前記副部の立上げ部は、前記プライ本体部に接して又は近接して平行に立ち上がるため、この立上げ部の外端には圧縮歪みが作用せず、又立上げ部とプライ本体部との間の剪断力も、前記補助コード層により抑制されるため、一般ビード耐久性を高く確保できる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明の重荷重用タイヤの50kPa充填状態を示す断面図、図2はそのビード部を拡大して示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の重荷重用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7とを具える。
前記ベルト層7は、ベルトコードとしてスチールコードを用いた少なくとも3枚のスチールベルトプライからなる。本例では、前記ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば60±15°の角度で配列した半径方向最内側の第1のベルトプライ7Aと、タイヤ周方向に対して例えば10〜35°の小角度で配列した第2〜4のベルトプライ7B〜7Dとからなる4枚構造のものを例示している。このベルト層7は、ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上有することにより、ベルト剛性を高めトレッド部2をタガ効果を有して補強している。
又前記カーカス6は、カーカスコードとしてスチールコードを用い、かつ該カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば80〜90°の角度で配列した1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るトロイド状のプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
前記ビードコア5は、図2に示すように、例えばスチール製のビードワイヤ5wを多列多段に巻回した断面多角形状をなし、リムJのリムシート面J1に対向するタイヤ半径方向の内面SL、この内面SLと平行なタイヤ半径方向の外面SU、前記内面SLと外面SUとのタイヤ軸方向外縁間を継ぐタイヤ軸方向外側面SO、及び前記内面SLと外面SUとのタイヤ軸方向内縁間を継ぐタイヤ軸方向の内側面SIを具える。特に本例では、前記外側面SOおよび内側面SIが、それぞれく字状の屈曲面からなる偏平な断面六角形状をなす場合を例示しており、前記内面SLがリムシート面J1と略平行となることによって、リムJとの嵌合力を広範囲に亘って高めている。なお前記リムJは、本例では、チューブレス用の15°テーパーリムであり、従って、前記内面SLはタイヤ軸方向線に対して略15°の角度で傾斜している。前記ビードコア5の断面形状としては、必要に応じて、正六角形、矩形状も採用できる。なおビードコア5では、前記ビードワイヤ5wのバラケを防止するために、その周囲を、キャンバス布やゴムシートなどからなる薄いラッピング層8をによって被覆することができる。
又前記重荷重用タイヤ1では、カーカス6のプライ折返し部6bが、前記ビードコア5の周面に巻き付けられたワインド構造で構成される。
詳しくは、前記プライ折返し部6bは、ビードコア5の前記タイヤ軸方向の内側面SI 、タイヤ半径方向の内面SL、及びタイヤ軸方向の外側面SOに沿って折れ曲がる折返し主部10と、該折返し主部10に連なりビードコア5の前記外面SUの近傍を前記プライ本体部6aに向かって傾斜してのびる副部11と、この副部11の外端で立ち上がり前記プライ本体部6aに沿って半径方向外方にのびる立上げ部12とから形成される。
ここで前記副部11は、ビードコア5の前記外面SU(又はその延長線)よりも半径方向外側の部位を意味し、図4に示すように、前記外面SUに対して60°以下、さらには45°以下の角度θを有して前記プライ本体部6aに向かって延在する。この角度θが大きすぎると、プライ折返し部6bの係止力が減じるとともに、後述する補助コード層13の形成が難しくなる。前記角度θの下限値は0°である。
なお前記角度θは、ビードコア5に向く前記プライ折返し部6bの内向き面が、ビードコア5の前記外面(又はその延長線)に交わる下端点11aを中心として、該下端点11aを通って前記副部11の内向き面と接する接線を引いたときの、この接線の前記外面SUに対する角度として定義する。又ビードコア5では、ビードワイヤ5wが一直線状に整一せずに上下にバラツキながら配列するなど、その外面SUが非平面をなす場合がある。係る場合には、前記外面SUに現れるビードワイヤ列のうち最もタイヤ軸方向外側に位置するビードワイヤ5woと最もタイヤ軸方向内側に位置するビードワイヤ5wiとに接する接線Kで近似する。なお前記内面SL、内外側面SI、SOも同様、各面に現れるビードワイヤ列のうちで両端に位置するビードワイヤ、即ち多角形形状の各角部に位置するビードワイヤに接する接線Kで近似する。
又前記立上げ部12は、前記プライ本体部6aとは平行かつ3.0mm以下の間隔Lbを隔てて、又は前記間隔Lbが0mm、即ちプライ本体部6aに接して半径方向外方にのびる。このときの前記立上げ部12のプライ本体部6aに沿った長さLcは、15〜35mmの範囲である。
又本実施形態のワインド構造では、前記副部11のタイヤ半径方向外側に、スチールコード13wをタイヤ周方向に螺旋巻きした巻回体からなる補助コード層13が配される。この補助コード層13は、前記副部11をビードコア5の外面SUに押さえ付けて拘束でき、かつ前記副部11及び立上げ部12を意図した形状に安定して保持することができる。
このように、補助コード層13と立上げ部12との形成により、プライ折返し部6bを略S字状に湾曲させて安定して保持でき、ビードコア廻りでの固定を強固とし、かつカーカスコードの吹き抜け方向へのズレを抑制できる。又前記立上げ部12は、前記プライ本体部6aとは近接して(又は接して)平行にのびるため、この立上げ部12の外端が、前記プライ本体部6aに被覆保護されるなど、この外端には、ビード変形時、圧縮歪みが作用しなくなる。そのため、一般ビード耐久性を高く維持しうる。
このとき、前記立上げ部12とプライ本体部6aとの間隔Lbが3.0mmを超えると、立上げ部12の外端に圧縮歪みが作用する傾向となり、又立上げ部12とプライ本体部6aとの間の剪断歪みも大きくなるため、一般ビード耐久性の低下を招く。又前記立上げ部12の前記長さLcが15mm未満では、カーカスコードの吹き抜け方向へのズレ抑制効果が減じ、熱ビード耐久性を低下させる傾向となる。逆に前記長さLcが35mmを超えても、熱ビード耐久性の向上効果の上昇が見込まれず、逆に立上げ部12外端が、タイヤ変形が大きいサイドウォール側に近づくため一般ビード耐久性に不利を招く。
又前記補助コード層13においても、その半径方向内端のビードコア5の前記外面SUからの高さLaを3〜11mmとすることが必要である。前記高さLaが11mmを超えると、前記補助コード層13による拘束力が減じ、特に一般ビード耐久性に不利を招く。逆に高さLaが3mm未満では、補助コード層13の作成が難しくなり、又カーカスコードがビードコア5の角部で屈曲してコード強力の低下を招く不利が生じる。
次に本例の重荷重用タイヤ1では、ビード部4を補強するとともに、前述の熱ビード耐久性及び一般ビード耐久性をさらに高めるために、ビード部4にビード補強層15を設けている。具体的には、前記ビード補強層15は、スチールコードをタイヤ周方向線に対して例えば10〜40゜の角度で配列したコードプライからなり、前記図2に示すように、前記プライ折返し部6bの折返し主部10に沿いその半径方向内方を通る曲線状部15Aと、この曲線状部15Aのタイヤ軸方向外側で前記折返し主部10と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片15oと、前記曲線状部15Aのタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部6aのタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片15iとを具えて構成される。
そしてこのビード補強層15では、前記外片15oの半径方向外端を、前記補助コード層13の半径方向内端よりも半径方向内方に位置させている。このように、前記外片15oを低く形成することにより、この外片15oの半径方向外端における圧縮歪みの発生を抑制でき、損傷を防止しうる。そのために、この外片15oの外端のビードベースラインBLからの半径方向高さHoを、好ましくは15mm以下、さらにはリムフランジの高さHf以下とするのが良い。
又前記内片15iは、タイヤ変形時のビード部4の倒れ込みを抑える効果があり、これによりビード変形量を抑え、熱ビード耐久性と一般ビード耐久性とをさらに高めうる。そのために、前記内片15iの外端のビードベースラインBLからの半径方向高さHiを35〜55mmの範囲とするのが好ましく、35mm未満ではビード部4の倒込み抑制効果が充分発揮できず、逆に55mmを超えると、前記倒込み抑制効果のさらなる上昇が見込めず、又軽量化に不利となる。なお前記内片15iは、プライ本体部6aに保護されるため、大きな引張り歪みが作用せず、一般ビード耐久性への悪影響を抑えることができる。
なお本例では、前記内片15iの高さHiは、前記立上げ部12の外端のビードベースラインBLからの半径方向高さH1より大であり、特にその差Hi−H1を5mm以上とすることで、剛性段差を緩和している。
なお前記ビード補強層15においては、前記外片15oを削除しても良く、又ビード補強層15自体を削除することもできる。
次に、前記ビード部4には、図3に拡大して示すように、前記副部11のタイヤ半径方向外側に、ゴム硬度Hs2が76〜88の硬質のゴムからなる半径方向内側の下エーペックス部20Lと、ゴム硬度Hs1が50〜60の軟質のゴムからなる半径方向外側の上エーペックス部20Uとからなる断面略三角形状のビードエーペックスゴム20が配される。
本例では、前記下エーペックス部20Lは、前記副部11に沿う底片部20Laと、この底片部20Laのタイヤ軸方向内端から立ち上がり前記立上げ部12に沿ってタイヤ半径方向外方にのびる立片部20Lbとからなる断面L字状に形成される。このような下エーペックス部20Lは、前記副部11、立上げ部12及び補助コード層13と一体となって補強されるため、断面L字状をなしゴムボリュウムが小な場合にも、タイヤ軸方向外側に倒れ込むビード変形を効果的に抑えることができる。従って、前述の熱ビード耐久性及び一般ビード耐久性を高く維持しながら、エネルギーロスの大きい硬質の下エーペックス部20Lのゴムボリュウムを減じうるなど、転がり抵抗性能を同時に向上させることができる。
このような作用効果を有効に発揮させるために、前記立片部20Lbの半径方向外端の、ビードコア5の半径方向外端からの半径方向高さh1を15mm以上としている。又前記立片部20Lbの厚さは、半径方向外方に向かって実質的に減少するとともに、前記ビードコア5の半径方向外端から半径方向外方に10mmの距離h2を隔たる高さ位置P0において、前記立片部20Lbの厚さtを0.5〜2.5mmの範囲としている。
ここで、前記下エーペックス部20Lのゴム硬度Hs2が76°未満では、下エーペックス部20L自体が変形しやすく、ビード変形の抑制効果が有効に発揮されない。又前記立片部20Lbの高さh1が15mm未満、及び前記厚さtが0.5mm未満の場合にも同様に、下エーペックス部20Lによる補強が不充分となり、ビード変形の抑制効果が有効に発揮されない。又前記立片部20Lbの厚さが半径方向外方に向かって実質的に減少することにより、前記上エーペックス部20Uとの間の剛性段差が減じられる。又前記立片部20Lbの前記厚さtが2.5mmより大では、下エーペックス部20Lのゴムボリュウム削減が不充分となり、又前記ゴム硬度Hs2が88°より大では、ゴムが硬質化し過ぎ、何れの場合も転がり抵抗性能に不利となる。
又前記立上げ部12とプライ本体部6aとの間の間隙部21、及び副部11とプライ本体部6aとビードコア5との間の間隙部22にも、前記下エーペックス部20Lと同組成のゴム、或いは同じゴム硬度の範囲(76〜88°)のゴムで形成するのが好ましい。これにより、前記下エーペックス部20Lがビードコア5とも一体化して補強効果をより高めうる。このとき、前記ラッピング層8をゴム硬度が76〜88の硬質のゴムで形成することが好ましく、前記範囲を下回ると下エーペックス部20Lに作用する力がビードコア5に有効に伝達されず、又上回ると転がり抵抗性能に不利となる。
なお図中の符号23は、上エーペックス部20Uとサイドウォールゴム3Gとの間に介在する薄い保護ゴム層であり、前記上エーペックス部20Uより軟質、かつサイドウォールゴム3Gよりも硬質のゴムからなることにより、剛性段差を緩和し層間剥離を抑制する。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の構造をなすタイヤサイズが11R22.5の重荷重用タイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤの、一般ビード耐久性、及び熱ビード耐久性についてテストし比較した。なお表1に記載以外の仕様は夫々同仕様である。
(1)一般ビード耐久性:
ドラム試験機を用い、タイヤをリム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)、縦荷重(27.25kN×3)の条件下にて、速度30km/hで走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を示した。値が大なほど耐久性に優れている。
(2)熱ビード耐久性:
前記と同様の耐久性テストを、リムを130℃に加熱した状態で実施し、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を示した。値が大なほど耐久性に優れている。
Figure 2008001201
Figure 2008001201
表の如く、実施例のタイヤは、ビード耐久性を高く確保しながら転がり抵抗性能を向上しうるのが確認できた。
本発明の重荷重用タイヤの一実施例を示す断面図である。 そのビード部を拡大して示す断面図である。 ビード部をさらに拡大して示す断面図である。 カーカスプライの折り返しをさらに詳しく説明する略断面図である。 従来のビード構造を説明する断面図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
5s ビードワイヤ
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
10 折返し主部
11 副部
12 立上げ部
13 補助コード層
15 ビード補強層
15A 曲線状部
15i 内片
15o 外片
20 ビードエーペックスゴム
20L 下エーペックス部
20La 底片部
20Lb 立片部
20U 上エーペックス部

Claims (3)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部と、このプライ本体部の両側に連なり前記ビードコアの周りで折り返されたプライ折返し部とを有する1枚のカーカスプライからなるカーカスを具えた重荷重用タイヤであって、
    前記プライ折返し部は、前記ビードコアのタイヤ軸方向の内側面、タイヤ半径方向の内面及びタイヤ軸方向の外側面に沿って折れ曲がる折返し主部と、この折返し主部に連なり前記ビードコアのタイヤ半径方向の外面近傍を前記プライ本体部に向かってのびる副部と、この副部の外端で立ち上がりかつ前記プライ本体部に接して又はプライ本体部とは平行かつ3.0mm以下の間隔Lbを隔てて半径方向外方にのびる立上げ部とからなり、
    しかも前記副部のタイヤ半径方向外側に、スチールコードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回することにより該副部を前記ビードコアの外面に押さえ付ける補助コード層を設けるとともに、
    前記補助コード層の半径方向内端の前記ビードコアの外面からの高さLaを3〜11mm、かつ前記立上げ部の前記プライ本体部に沿った長さLcを15〜35mmの範囲としたことを特徴とする重荷重用タイヤ。
  2. 前記ビード部は、前記副部のタイヤ半径方向外側に、ゴム硬度Hs2が76〜88の硬質のゴムからなる半径方向内側の下エーペックス部と、ゴム硬度Hs1が50〜60の軟質のゴムからなる半径方向外側の上エーペックス部とからなる断面略三角形状のビードエーペックスゴムを具え、
    しかも前記下エーペックス部は、前記副部に沿う底片部と、この底片部のタイヤ軸方向内端から立ち上がり前記立上げ部に沿ってタイヤ半径方向外方にのびる立片部とからなる断面L字状をなすとともに、
    前記立片部は、その半径方向外端の前記ビードコアの半径方向外端からの半径方向高さh1を15mm以上とし、
    かつ前記ビードコアの半径方向外端から半径方向外側に10mmの距離h2を隔たる高さ位置において、前記立片部の厚さtは0.5〜2.5mmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の重荷重用タイヤ。
  3. 前記ビード部は、前記折返し主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記折返し主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片と、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片とからなるビード補強層を具えるとともに、
    前記外片の半径方向外端は、前記補助コード層の半径方向内端よりも半径方向内方に位置したことを特徴とする請求項1又は2記載の重荷重用タイヤ。
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