JP3902171B2 - 重荷重用タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、カーカスのプライ折返し部の構造を改善することにより、軽量化を図りつつビード耐久性を向上した重荷重用タイヤに関する。
近年、図5(A)に示す如く、カーカスのプライ折返し部aを、ビードコアbの周りで略一周巻きし、該ビードコアbの半径方向上面bsに沿わせたプライ折返し部aの端部分a1を、該ビードコアbとビードエーペックスゴムcとの間で狭持したビード構造(以下ビードワインド構造という場合がある)のタイヤが提案されている。
この構造のものは、プライ折返し部aがビードコアbの周囲で途切れるため、その端部分a1にタイヤ変形時の応力が作用せず、従って、該端部分a1を起点としたコードルース等の損傷を効果的に抑制できる。しかもプライ折返し部aの長さが小であるため、タイヤを軽量化しうるという利点もある。なおカーカスプライの吹き抜け現象は、前記端部分a1が、ビードコアbとビードエーペックスゴムcとの間で挟まれて係止されることにより防止される。
しかし、前記構造のものは、前記端部分a1の長さが小でありかつ折れ曲がりの度合いが大きいため、例えば生タイヤ成形過程などにおいて、前記端部分a1の折れ曲がりが強く戻ろうとする。その結果、ビードコアbとの間に空洞が生じるなど、空気残りなどの成形不良を発生させやすくなる。又前記端部分a1において、カーカスコードがビードコアと擦れ、フレッティング等の破断損傷を早期に発生させるという問題もある。
そこで、例えば特許文献1には、図5(B)に示すように、前記ビードコアbと端部分a1との間に、厚さ0.5〜8.0mmかつ50%モジュラス1.0〜8.5Mpaの軟質のゴムgを介在させることが提案されている。
特開2002−67628号公報
しかし、このような軟質のゴムgを介在させた場合には、前記ビードコアbのタイヤ軸方向内端位置Qで、新たなカーカスコードルースが生じやすくなるなど、解決すべき新たな問題が発生する。
このコードルースの発生原因としては、前記ビードワインド構造では、走行時の負荷によりカーカスプライの倒れ込みが相対的に大きいこと、およびビード内のゴムが、運転状況によっては車両側のブレーキパッド等の熱を拾って過度に温度上昇し、熱軟化を起こすことが挙げられる。即ち、荷重負荷時、ビード内のゴムは、前記熱軟化およびカーカスプライの大きな倒れ込みによりビードトウ側に移動する傾向となり、このときプライ折返し部aが、前記移動に引きずられて動くため、前記位置Qにおいてカーカスプライとビードコアbとの間に大きな剪断応力が発生する。そして、前述の如くビードコアbと端部分a1との間に前記軟質のゴムgを介在させた場合には、前記プライ折返し部aの動きが助長され、前記コードルースを誘発させると推測される。
そこで本発明は、ビード部に、プライ折返し部を覆う略U字状のビード補強層を設け、かつそのタイヤ軸方向外片を所定高さに立ち上げることを基本として、この外片によりビードトウ側へのゴム移動を阻止することができ、ビードワインド構造が有する利点を損ねることなく、かつ空気残りなどの成形不良の発生を抑えつつ、カーカスコードのフレッティングおよびビードコアのタイヤ軸方向内端位置におけるコードルースを抑制することが可能となり、ビード耐久性を向上しうる重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへて、リムのリムシートに着座するビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を一連に設けたカーカスプライを具えた重荷重用タイヤであって、
前記プライ折返し部は、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側面、前記リムシートと平行な半径方向下面及びタイヤ軸方向外側面に沿って折れ曲がる主部と、該主部に曲線で滑らかに連なりかつ屈曲状に折れ曲がることなく前記ビードコアから離間してのびる巻上げ部とからなり、
該巻上げ部は、前記ビードコアの前記半径方向下面と平行な半径方向上面に対して75°以下の角度θを有して前記プライ本体部に向かって傾斜してのび、かつ該巻上げ部の先端の、前記ビードコアの半径方向上面からの高さLaを3〜15mmとし、
しかも前記ビードコアの半径方向上面と、前記巻上げ部と、前記プライ本体部との間に、複素弾性率Ea* を2〜13Mpaとした断面略三角形状の充填ゴムを配するとともに、
前記ビード部に、前記プライ折返し部の主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片とを少なくとも有するビード補強層を設け、
かつ前記外片のビードベースラインからの半径方向高さHcを20mmより大かつ40mm以下としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記半径方向高さHcは、前記プライ本体部6aの外面がタイヤ軸方向外方に最も張り出すプライ最大幅点Pmのビードベースラインからの高さhmの15%〜34%の範囲であることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記巻上げ部は、その先端と前記プライ本体部との間隙Lbを1〜10mmとしたことを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記充填ゴムの複素弾性率Ea* は、3〜7Mpaであることを特徴としている。
又請求項5の発明では、前記ビード補強層は、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側に、前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片を具えるとともに、この内片のビードベースラインからの半径方向高さHbは60mm以下であることを特徴としている。
ここで、タイヤの各部の寸法等は、本明細書では、特に断りがない限り、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧の5%の内圧を充填した5%内圧状態で特定される値を意味し、この5%正規内圧状態でのタイヤ形状は、通常、加硫金型内でのタイヤ形状と略一致している。
又前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。また前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" を意味する。
本発明は叙上の如く構成しているため、ビードワインド構造が有する利点を損ねることなく、空気残りなどの成形不良の発生を抑えることができ、しかもカーカスコードのフレッティング、およびビードコアのタイヤ軸方向内端位置におけるコードルースを抑制しビード耐久性を向上しうる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は、本発明の重荷重用タイヤが、トラック・バス用等のチューブレスタイヤである場合の5%正規内圧状態を示す断面図、図2はそのビード部を拡大して示す断面図である。
図1において、重荷重用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されるベルト層7とを具備して構成される。
前記ベルト層7は、ベルトコードを用いた2枚以上(重荷重用タイヤの場合は3枚以上)のベルトプライから形成される。本例では、ベルト層7が、スチールコードをタイヤ周方向に対して例えば60±15°の角度で配列した半径方向最内側の第1のベルトプライ7Aと、タイヤ周方向に対して例えば10〜35°の小角度で配列した第2〜4のベルトプライ7B〜7Dとの4枚構造の場合を例示している。このベルトプライ7A〜7Dは、ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上設けて重置されることにより、ベルト剛性を高めトレッド部2をタガ効果を有して補強している。
又前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して70〜90°の角度で配列した一枚のカーカスプライ6Aから形成される。カーカスコードとして、スチールコードが好適であるが、必要に応じてナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミドなどの有機繊維コードも使用される。又前記カーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
なお前記ビードコア5は、図2に示すように、例えばスチール製のビードワイヤを多段多列に巻回してなるリング状体であって、本例では、断面横長の偏平六角形状のものを例示する。このビードコア5は、半径方向下面SLが正規リムJのリムシートJ1と略平行となることによって、リムとの嵌合力を広範囲に亘って高めている。本例では、前記正規リムJがチューブレス用の15°テーパーリムである場合を例示しており、従って、ビードコア5の前記半径方向下面SL及び上面SUは、タイヤ軸方向線に対して15°の角度で傾斜してる。なおビードコア5の断面形状としては、必要に応じて、正六角形、矩形状も採用できる。このように、チューブレス用の15°テーパーリムである場合においてビードコア5の前記半径方向下面SL及び上面SUは、タイヤ軸方向線に対して15°の角度で傾斜し、即ちビードコア5は、断面横長の偏平六角形状、正六角形、矩形状であることにより半径方向上面SUは、半径方向下面SLと平行となる。
次に、本発明では、前記カーカス6のプライ折返し部6bは、このビードコア5の周面に巻き付けられるとともに、該プライ折返し部6bの端部がビードエーペックスゴム8との間で狭持されて係止される。
詳しくは、前記プライ折返し部6bは、前記ビードコア5のタイヤ軸方向内側面Si、半径方向下面SL、及びタイヤ軸方向外側面Soに沿って折れ曲がる主部10と、該主部10に連なり前記ビードコア5から離間してのびる巻上げ部11とから形成される。なお主部10と、巻上げ部11とは、図1〜3に明示するごとく曲線で滑らかに連なる。
このとき、前記巻上げ部11は、ビードコア5の前記半径方向上面SUに対して75°以下の角度θを有して前記プライ本体部6aに向かって傾斜してのびる。この巻上げ部11は、前記半径方向上面SUの延長線よりも半径方向外側の部位を意味し、本例では、略直線状をなす好ましい場合を例示している。なお「略直線状」とは、加硫成型などにおける変形を許容するもので、直線の他、曲率半径100mm以上の円弧を含むことができる。又前記角度θは、前記巻上げ部11が円弧の場合には、前記半径方向上面SUの延長線が巻上げ部11に交わる交点P1と、前記巻上げ部11の先端P2とを結ぶ直線Xの、前記半径方向上面SUに対する角度とする。又前記巻上げ部11が円弧の場合の曲率半径は、前記交点P1と前記先端P2とその中点とを通る3点円弧の曲率半径を意味する。
なお要求により、前記巻上げ部11を屈曲線状に折れ曲れることもでき、係る場合には各折れ曲がり部分の前記半径方向上面SUに対する角度を75°以下に設定する。
そして、前記巻上げ部11では、その先端P2の前記半径方向上面SUからの高さLaを3〜15mmとするとともに、前記半径方向上面SUと、前記巻上げ部11と、前記プライ本体部6aとの間に、断面略三角形状をなす充填ゴム12を配している。
このように、ビードコア5と巻上げ部11との間に小高さの充填ゴム12を設け、前記高さLaを3mm以上に確保しているため、前記巻上げ部11の曲がりの度合いを減じることができる。その結果、巻上げ部11の曲げ戻りが抑えられ、空気残りなどの成形不良の発生を抑制することが可能となる。又前記半径方向上面SUにおけるカーカスコードとビードコア5との擦れを防ぎ、フレッティングを抑制できる。なお充填ゴム12では、ハンドル応答性等の維持のために、その断面形状を、ビードコア5の前記半径方向上面SUと接する辺を底辺とした略二等辺三角形状であるのが好ましい。
ここで、前記高さLaが15mmを越えると、巻上げ部11の前記先端P2に、タイヤ変形時の応力が強く作用する傾向となり、該先端P2を起点としたコードルース等の損傷が生じやすくなる。従って、前記高さLaは5〜15mm、さらには7〜15mmがより好ましい。
又前記先端P2と前記プライ本体部6aとの間隙Lbを1〜10mmの範囲に確保することも重要であり、1mm未満では、タイヤ形成時のバラツキ、或いは走行時のタイヤ変形等によって、カーカスコードの先端とプライ本体部6aのカーカスコードとが接触して擦れ合うなど、フレッティング等のコード損傷を招きやすくなる。又前記間隙Lbが10mmを越えると、巻上げ部11の係止力が不十分となり、走行中に吹き抜け現象が発生する恐れがある。従って、前記間隙Lbは1〜5mm、さらには2〜4mmがより好ましい。
ここで、前記巻上げ部11においては、その先端P2には、タイヤ変形時の応力が作用する傾向がある。Laが3mm以下であると、特に、巻上げ部11には、その半径方向外側に、複素弾性率Eb*が35〜60Mpa程度の高弾性のビードエーペックスゴム8が隣接するため、前記応力が集中し易い傾向となる。従って、前記充填ゴム12においては、前記応力を分散緩和させてコードルース等を防止することが必要であり、そのために本発明では、この充填ゴム12を、複素弾性率Ea* が13Mpa以下の衝撃緩和効果に優れる低弾性のゴムで形成している。前記複素弾性率の値は、粘弾性スペクトロメータを用い、温度70℃、周波数10Hz、動歪率2%の条件で測定した値である。
なお前記複素弾性率Ea* が13Mpaを越えると、柔軟性が損なわれるため振動および応力集中を充分に抑制しえず、先端P2でのコードルースを防止できない恐れが生じる。
しかし、前記充填ゴム12に2〜13Mpaの低弾性のゴムを用いると、プライ折返し部6bのビードトウ側への移動を助長し、ビードコアbのタイヤ軸方向内端位置Qにおいて、カーカスコードルースを招くなど、新たな損傷を発生させる。
この損傷は、前述した如く、ビードワインド構造では、荷重負荷時のカーカスプライ6Aの倒れ込みが相対的に大きく、かつビード内のゴムが車両側のブレーキパッド等の熱を拾って軟化しやすいことに原因する。即ち、荷重負荷時、熱で軟化したビード内のゴムがフランジとの間で押し圧されてビードトウ側に移動する傾向となり、このときプライ折返し部6bが、前記移動に引きずられて動くため、前記位置Qにおいてカーカスプライとビードコアbとの間に大きな剪断応力が発生する。そして、前記充填ゴム12の複素弾性率Ea* が13Mpa以下と軟らかいと、プライ折返し部6bのビードトウ側への動きを助長し、前記剪断応力を増大させる結果、前記位置Qでコードルースを誘発させるのである。
そこで本発明では、図3に示すように、前記ビード部4に、ビード補強層15を設けるとともに、このビード補強層15の外片15oの高さを特定することにより、ビードトウ側へのゴム移動を抑え、前記位置Qでのコードルースの発生を抑制している。
詳しくは、前記ビード補強層15は、スチールコードをタイヤ周方向線に対して例えば10〜40゜の角度で配列した1枚のコードプライからなり、前記プライ折返し部6bの主部10に沿いその半径方向内方を通る曲線状部15Aと、この曲線状部15Aのタイヤ軸方向外側で前記主部10と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片15oとを少なくとも具えて構成される。本例では、前記曲線状部15Aのタイヤ軸方向内側に、前記プライ本体部6aのタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片15iをさらに設けた、断面U字状のものを例示している。
そして、このビード補強層15では、前記外片15oのビードベースラインBLからの半径方向高さHcを20mmより大かつ40mm以下に規制している。このように、前記半径方向高さHcを20mmより高くした場合には、前記外片15oが遮蔽板としての機能を発揮するようになり、ビードトウ側への前記ゴム移動F(図3に一点鎖線で示す)を抑制することができ、前記位置Qでのコードルースの発生を抑えることが可能となる。しかし前記半径方向高さHcが40mmを越えてしまうと、該外片15oの外端に応力が集中してコードルースを招くなど、ビード耐久性を向上することができなくなる。従って、前記半径方向高さHcは、20mmより大かつ40mm以下とすることが必要である。又前記プライ本体部6aの外面がタイヤ軸方向外方に最も張り出すプライ最大幅点PmのビードベースラインBLからの高さをhm(図1に示す)としたとき、前記半径方向高さHcを、該高さhmの15%〜34%の範囲とするのも好ましい。
なお前記充填ゴム12の複素弾性率Ea* が2Mpa以下と柔らか過ぎると、前記プライ折返し部6bがゴム移動Fに引きずられやすくなるため、前記半径方向高さHcを20mmより大とした場合にも、前記位置Qでのコードルースを抑制するのが難しくなる。従って、充填ゴム12の前記複素弾性率Ea* は、3〜15Mpa、さらには3〜7Mpaの範囲であるのが好ましい。
又ビード補強層15の前記内片15iは、荷重負荷時のカーカスプライ6Aの倒れ込みを減じるため、前記位置Qでのコードルース抑制には有利である。しかし、この内片15iのビードベースラインBLからの半径方向高さHbが60mmを越えると、その外端に応力が集中してコードルースを招きやすくなるなどビード耐久性を向上することが難しくなり、しかも縦剛性が過大となって乗り心地性の悪化を招くという不具合がある。このような観点から、前記半径方向高さHbの上限値は60mm以下が好ましく、又その下限値は10mm以上、25mm以上、さらには40mm以上とするのが好ましい。しかしこの内片15iは、要求により削除することもでき、さらには曲線状部15Aのタイヤ軸方向内端を、ビードベースラインBLと同高さで終端させても良い。なお前記「ビードベースラインBL」とは、タイヤが基づく規格で定まるリム径位置を通るタイヤ軸方向線を意味する。
又本例においては、ビード部4をよりスリム化し、重量低減と、それに伴う蓄熱の減少による耐久性の向上とを図るため、前記プライ本体部6aは、その半径方向内端位置Q4から半径方向外方に向かって直線状にのびる直線部分6a1を具えるとともに、この直線部分6a1のビードベースラインBLからの高さh1を、前記ビードエーペックスゴム8のビードベースラインBLからの半径方向高さh0の50%以上、60%以上、さらには70%以上に設定している。
なお前記ビードエーペックスゴム8として、本例では、複素弾性率Eb1*を35〜60Mpaとした下のエーペックスゴム部8Aと、その半径方向外方に隣接しかつ複素弾性率Eb2*を、充填ゴム12の前記複素弾性率Ea*より大かつ下のエーペックスゴム部8Aの前記複素弾性率Eb*より小とした上のエーペックスゴム部8Bとの2層構造をなすものを例示しており、特に本例では、前記下のエーペックスゴム部8AのビードベースラインBLからの半径方向高さh01を前記高さh0の40〜60%の範囲とし、乗り心地性と操縦安定性の両立を図っている。なお前記高さh1の上限は、前記高さhmより小であれば特に規制されない。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の構造をなすタイヤサイズが11R22.5の重荷重用ラジアルタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤの、ビード強度、ビード耐久性、成形不良の発生率を測定し互いに比較した。表1以外の仕様は互いに同仕様としている。
なお従来例は、図4に示す如く、カーカスのプライ折返し部をビードエーペックスゴムの外側面に沿って巻き上げた構造をなし、プライ折返し部のビードベースラインからの高さh2を65mmとしている。
(1)ビード強度;
タイヤをリム(7.50×22.5)に装着し、バルブからタイヤ内腔に水を充填し、タイヤが破裂したときの破壊水圧を測定し、従来例を100とした指数で示した。値が大きいほど優れている。
(2)ビード耐久性;
〈i〉 一般ビード耐久性:
ドラム試験機を用い、タイヤをリム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)、縦荷重(27.25kN×3)の条件下にて、速度30km/hで走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を、従来例を100とした指数で示した。値が大なほど耐久性に優れている。
〈ii〉 熱ビード耐久性:
前記と同様のビード耐久性テストを、リムを130℃に加熱した状態で実施し、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を、従来例を100とした指数で示した。値が大なほど耐久性に優れている。なお熱ビード耐久性では、ビードコアのタイヤ軸方向内端位置でのコードルースを起点として損傷が発生している。
(3)成形不良の発生率;
タイヤ100本を作成して不良タイヤの発生率を算出した。なお不良タイヤは、タイヤをCTスキャナで撮影し、空気残りの有無を検出した。
(4)縦バネ定数;
リム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)の条件下にて、縦荷重(27.25kN)を作用させたときの縦撓みを計測し、この縦撓みで前記縦荷重を除すことにより求めた。
Figure 0003902171
表の如く、実施例品は、成形不良を発生させることなく、一般ビード耐久性および熱ビード耐久性の双方が向上していることが確認できる。
本発明の重荷重用タイヤの一実施例を示す断面図である。 そのビード部を拡大して示す断面図である。 そのビード部を拡大して示す断面図である。 表1の従来例のビード構造を示す断面図である。 (A)、(B)はビードワインド構造の従来技術を説明する断面図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
10 主部
11 巻上げ部
12 充填ゴム
15 ビード補強層
15a 曲線状部
15i 内片
15o 外片
P1 上げ部の先端

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへて、リムのリムシートに着座するビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を一連に設けたカーカスプライを具えた重荷重用タイヤであって、
    前記プライ折返し部は、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側面、前記リムシートと平行な半径方向下面及びタイヤ軸方向外側面に沿って折れ曲がる主部と、該主部に曲線で滑らかに連なりかつ屈曲状に折れ曲がることなく前記ビードコアから離間してのびる巻上げ部とからなり、
    該巻上げ部は、前記ビードコアの前記半径方向下面と平行な半径方向上面に対して75°以下の角度θを有して前記プライ本体部に向かって傾斜してのび、かつ該巻上げ部の先端の、前記ビードコアの半径方向上面からの高さLaを3〜15mmとし、
    しかも前記ビードコアの半径方向上面と、前記巻上げ部と、前記プライ本体部との間に、複素弾性率Ea* を2〜13Mpaとした断面略三角形状の充填ゴムを配するとともに、
    前記ビード部に、前記プライ折返し部の主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片とを少なくとも有するビード補強層を設け、
    かつ前記外片のビードベースラインからの半径方向高さHcを20mmより大かつ40mm以下としたことを特徴とする重荷重用タイヤ。
  2. 前記半径方向高さHcは、前記プライ本体部6aの外面がタイヤ軸方向外方に最も張り出すプライ最大幅点Pmのビードベースラインからの高さhmの15%〜34%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の重荷重用タイヤ。
  3. 前記巻上げ部は、その先端と前記プライ本体部との間隙Lbを1〜10mmとしたことを特徴とする請求項1又は2記載の重荷重用タイヤ。
  4. 前記充填ゴムの複素弾性率Ea* は、3〜7Mpaであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の重荷重用タイヤ。
  5. 前記ビード補強層は、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側に、前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片を具えるとともに、この内片のビードベースラインからの半径方向高さHbは60mm以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の重荷重用タイヤ。
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