JP4262827B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤに係り、特に、ビード部の耐久性を向上させた空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
トラック等、特に重荷重で使用され、摩耗後に再びトレッドを更生して複数回使用される空気入りラジアルタイヤにおいては、長期間の使用によってカーカス層の補強コード端末の応力集中部を起点にゴム中にセパレーションを生じ、タイヤが使用できなくなる問題がある。
【0003】
即ち、トラック、バス用タイヤのように高内圧を充填して使用されるタイヤでは、カーカス層が空気圧によりビードコアから引き抜けようとして、その端末部に大きな応力集中が生じるため、カーカス層の折返端末部に繰り返し変形が加わり、該端末部を起点とするセパレーション故障を発生するのである。
【0004】
こうしたカーカス端部のセパレーション故障に対して、従来より、ビード部補強層をカーカス層の外側に配置したり、ビード部のゴム部材の配置を工夫する(例えば、特開平2−279403号公報)など多くの技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、トラック、バス用の大型タイヤでは、環境への配慮や経済性からの更生回数の増加により使用条件が厳しくなっていることと、特に近年増加傾向の偏平率の低いタイヤではビード耐久性が悪化することから、従来技術を使用してもビード部でのセパレーション故障の防止は十分ではなく、ビード部故障に対する根本的な解決には至っていない。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、優れたビード耐久性を有する重荷重車両に適した空気入りラジアルタイヤを提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、一方のビード部のビードコアから他方のビード部のビードコアへ延在する本体部と前記本体部に連続して設けられ前記ビードコアの外周面に沿って巻き込んだ巻き込み部とを備えた実質的にラジアル方向に延びる複数本のスチールコードからなる少なくとも1枚のカーカス層よりなるカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側に設けられ、前記カーカスのクラウン部を補強するベルトと、を備えた空気入りラジアルタイヤであって、ラジアル方向に対して傾斜した複数本のコードからなり、前記カーカス層のタイヤ外側で、前記ビードコアの周りに配置されるビード補強層を備え、前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部の側方に前記ビード補強層のコードをコーティングしているコーティングゴムよりも硬い硬ゴムシートを配置し、前記硬ゴムシートを前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部よりもタイヤ径方向外側へ突出させたことを特徴としている。
【0008】
次に、請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0009】
請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤでは、カーカス層を塑性変形によって癖付けしてビードコア外周面周りに巻き込み、応力集中源である端末部が負荷転動時に殆ど変形の生じないビードコア上に配置することで、カーカス層の端末部を起点とするセパレーション故障が根本的に解消される。
【0010】
また、カーカス層のタイヤ外側で、かつビードコアの周りにビード補強層を配置したので、負荷転動時にリムフランジとの擦れによるタイヤ外皮の摩滅を防止することができる。
【0011】
ビード部内には、ビード補強層の端末部が配置されるが、このビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部が従来タイヤのカーカス層端末部と同様の応力集中源となる。
【0012】
即ち、負荷転動時に、ビード部がリムフランジ方向に倒れ込む曲げ変形をする際に、ビード補強層端末部近傍からタイヤ半径方向外側のカーカス層の本体部がタイヤ半径方向内側に沈み込むような変形をするために、ビード補強層端末部に大きな圧縮歪を生じさせる。
【0013】
その際、ビード補強層端末部近傍が、カーカス層の本体部に向かって接近するように傾斜した配置では、端末部に直接より圧縮変形が生じやすい。
【0014】
ここで、本発明では、ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部の側方に、ビード補強層のコードをコーティングしているコーティングゴムよりも硬い硬ゴムシートを配置し、さらに、この硬ゴムシートをこの端末部よりもタイヤ径方向外側へ突出させたので、この硬ゴムシートがタイヤ径方向外側からの圧縮力がビード補強層の端末部に作用する前に受け止め、ビード補強層(コード)の端末部の応力集中が緩和される。これによりビード補強層端末部を起点とするセパレーションの発生を防止することができる。
【0015】
さらに、ビード補強層端末部は、カーカス層端末部と異なり、内圧によって引き抜かれようとする力を殆ど受けず、さらに、このビード部補強層のタイヤ軸方向外側の端末部は従来タイヤと異なりカーカス層の折返部が隣接しないこととラジアル方向に対しコードが傾斜配置していることから、負荷転動時にビード部の曲げ変形が生じた際に、ビード補強層内のコードはコードが角度変化することでコード端末部に生じる圧縮応力を緩和して応力集中を低減するが、それでもコード端末部では、補強コードと周りのゴムとの剛性段差により応力集中が完全に解消されるわけではない。そこで該ビード補強層端末部を覆ってビード補強層のコーティングゴムよりも硬い硬ゴムシートを配置することで、端末部の剛性段差も緩和されて端末部の圧縮歪を低減し、ビード部の耐久性が大幅に向上する。
負荷転動時にビード部の曲げ変形が生じた際にもビード補強層内のコードが角度変化し難く、該変形による端末部の応力集中が緩和されることから、端末部をよりタイヤ外方へ傾斜させて端末部の圧縮歪を緩和することでビード部の耐久性が大幅に向上する。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部からの前記硬ゴムシートの突出量が、25mm以下であることを特徴としている。
【0017】
次に、請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0018】
硬ゴムシートは、ビード補強層の端末部よりもタイヤ径方向外側へ突き出させ過ぎると、屈曲の大きいタイヤサイド部に硬ゴムシートが位置し、セパレーションの核となることから、突出量を25mm以下とすることが好ましい。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記硬ゴムシートは、前記ビード補強層のタイヤ軸方向内側に配置されていることを特徴としている。
【0020】
次に、請求項3に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0021】
ビード補強層のタイヤ回転軸方向内側は、よりカーカス層本体部に近接していることから、ビード倒れ込みによる圧縮歪の影響が大きく、該位置に硬ゴムシートを配置することで、端末部の応力集中をより有効に緩和できる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記硬ゴムシートは、前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側に配置されていることを特徴としている。
【0023】
次に、請求項4に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0024】
ビード補強層のタイヤ回転軸方向外側は、カーカス本体部の倒れ込みによる圧縮応力に関しては、回転軸方向内側と比較するとその影響は小さいが、反面ビード倒れ込み変形時にタイヤ外皮がリムフランジ上に倒れ込んだ際に、リムフランジからの突き上げによって剪断歪の影響を受ける。従ってビード補強層端末部のタイヤ回転軸方向外側を硬ゴムシートにて補強することで該剪断歪が抑制されることも手伝ってビード部の耐久性が向上する。
【0025】
請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記硬ゴムシートは、前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側と内側との両方に配置されると共に、前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部を覆っていることを特徴とする。
【0026】
次に、請求項5に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0027】
ビード補強層端末部のタイヤ回転軸方向内、外側両方に硬ゴムシートを配置することで、カーカス本体部の倒れ込みによる圧縮歪、リムフランジからの突き上げによる剪断歪の両者を有効に抑制することで、一層ビード部の耐久性が向上する。
【0028】
請求項6に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部の側方に配置される前記硬ゴムシートと前記コーティングゴムとの両者に接し、前記硬ゴムシートと前記コーティングゴムとの間、または前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部のタイヤ径方向外側、或いはその両方に、前記コーティングゴムと同一の硬さのゴム、または前記コーティングゴムよりも軟らかいゴムを有することを特徴としている。
【0029】
次に、請求項6に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0030】
ビード補強層端末部を硬ゴムシートで補強することで、補強層上のゴムの圧縮歪が抑制されるが、さらに補強層コード上に軟ゴムを併設することで硬ゴムによる変形抑制とともにコード上の軟ゴムが圧縮変形を吸収することで、一層ビード補強層コードのコーティングゴムの歪みを緩和することができる。
【0031】
また、ビード補強層端末部を硬ゴムシートで補強する場合、硬ゴムシートの硬さが硬い程、ビード補強層のコーティングゴムの変形を抑制するが、反面硬ゴムシートとビード補強層コーティングゴム界面に剪断歪の集中が生じ、ゴム−ゴム間の界面剥離故障を生じ易くなる。そこで補強層端部の半径方向外方だけでなく、硬ゴムシートとビード補強層コーティングゴムの間にも軟ゴムを介在させるか少なくともビード補強層コーティングゴムと同じ硬さのゴムを介在させることで、軟ゴムまたはビード補強層コーティングゴム厚増によって界面剪断歪を低減させて、硬ゴムによる変形抑制と組み合わせることが、ビード部の耐久性を向上させる上で一層好ましい。
【0032】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ビード補強層のコードは、ラジアル方向に対して30度〜80度の範囲内の角度で傾斜していることを特徴としている。
【0033】
次に、請求項7に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0034】
ビード補強層のコードをラジアル方向に対して30度〜80度の範囲内の角度で傾斜させることが好ましいのは、このコードの角度が30度未満になると、カーカス本体部が倒れ込んだ際に、カーカス層のスチールコードと同様にタイヤラジアル方向に近づく為、ビード補強のコードの角度変化によるビード補強層の端末部での歪緩和が起きにくく、コード端部に大きな圧縮応力の集中が生じる。
【0035】
一方、コードの角度が80度を越えると、ビード補強層のコードがほぼ周方向に向く為にビード補強層の剪断剛性が低下し、タイヤが転動時に踏み蹴りにてサイドウォールが回転方向にずれる周方向剪断変形のビードでの抑制効果が大幅に低下するので、リムフランジとタイヤ外皮との周方向ずれによる摩滅を有効に防止することが出来なくなり、ビード補強層としての役割が十分に発揮されなくなる。
【0036】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図1に示すように、本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10は、一対のビードコア12(図1では片側のみ図示)と、一対のビードコア12にトロイド状に跨がるカーカス14とを有している。
【0037】
カーカス14は、本実施形態では一枚のカーカス層(カーカスプライ)16から構成されているが、カーカス層16は2枚以上であっても良い。
【0038】
カーカス層16は、互いに平行に並べられた実質的にラジアル方向(好ましくはラジアル方向に対して±10°以内)に沿って延びる複数本のスチールコード(図示せず)を備え、これら複数本のスチールコードが薄肉のコーティングゴム(図示せず)に埋設されている通常の構造のものである。
【0039】
カーカス層16は、一方のビード部11のビードコア12から他方のビード部11のビードコア12へ延在する本体部16Aと、ビードコア12の外周面に沿って巻き込んだ巻込部16Bとを有している。
【0040】
なお、カーカス層16の巻込部16Bの端末部16Cの位置は、少なくともビードコア12のタイヤ軸方向外側端よりもタイヤ軸方向内側で、ビードコア12の上辺上に位置し、ビードコア12の中心よりもタイヤ軸方向内側に位置することが好ましく、図1に示すように本体部16Aの近傍に位置すること(即ち、カーカス層16がビードコア12の周りを略1周すること。)が更に好ましい。
【0041】
なお、巻込部16Bのスチールコードは、ビードコア12の外周面に沿うようにタイヤ製造段階(少なくとも加硫前)で少なくとも1箇所以上の部位で塑性変形されており、製品タイヤにおいてここでのスチールコードには真っ直ぐな状態へ戻ろうとする力は生じていない。
【0042】
このカーカス層16のタイヤ外側には、ビード補強層(所謂チェーファー)18がビードコアの周りに配置されている。
【0043】
ビード補強層18は、互いに平行とされ、ラジアル方向に対して30度〜80度の範囲内の角度で傾斜した複数本のコード19をゴム(所謂コーティングゴム)21で被覆したものである。なお、このビード補強層18に用いるコードは、スチールコードでも良く、ナイロン等の有機繊維コードであっても良い。
【0044】
ここで、ビード補強層18は、ビードコア12からタイヤ軸方向内側の端末部18Aにかけてはカーカス層16の外周面に沿うように隣接して配置されているが、ビードコア12からタイヤ軸方向外側の端末部18Bにかけては、ビードコア12から離れる方向に直線状に延びている。
【0045】
このビード補強層18のタイヤ軸方向外側の端末部18B付近には、硬ゴムシート24がビード補強層18のタイヤ軸方向内面に密着して配置されている。
【0046】
この硬ゴムシート24は、ビード補強層18のコード19を被覆しているゴム21よりも硬度が高く設定されている。
【0047】
また、この硬ゴムシート24は、ビード補強層18の端末部18Bよりもタイヤ径方向外側へ突出している。
【0048】
なお、硬ゴムシート24の端末部18Bからの突出量d1 は、空気入りラジアルタイヤ10のタイヤサイズが285/60R22.5である場合においては、25mm以下に設定することが好ましい。なお、この突出量d1 は、タイヤサイズに応じて適宜変更される値である。
【0049】
また、ビード部11には、ビードコア12に巻かれたカーカス層16の巻込部16Bのタイヤ径方向外側にビード部11の剛性を確保するスティフナー20が設けられている。
【0050】
なお、図示はしないが、カーカス14のタイヤ半径方向外側には、カーカス14のクラウン部を補強するベルトが設けられている。
(作用)
本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10では、カーカス層16のスチールコードを塑性変形によって癖付けしてビードコア12の外周面周りに巻き込み、応力集中源である端末部16Cを負荷転動時に殆ど変形の生じないビードコア12に接するように配置したので、カーカス層16の端末部16Cを起点とするビード部11内のゴムのセパレーション故障を防止することができる。
【0051】
また、カーカス層16のタイヤ外側に配置したビード補強層18は、負荷転動時にリムフランジ22との擦れによるタイヤ外皮の摩滅を防止する。
【0052】
さらに、負荷転動時にビード部11がリムフランジ22方向に倒れ込む曲げ変形をする際に、ビード補強層18の端末部18A近傍からカーカス層16の本体部16Aがタイヤ半径方向内側に沈み込むように変形し、ビード補強層18のタイヤ軸方向外側の端末部18Bに対してコード方向に略平行に圧縮力が作用するが(圧縮の方向は図1の矢印A方向)、硬ゴムシート24が、圧縮力がビード補強層18の端末部18Bに作用する前に受け止めるので、ビード補強層18の端末部18Bの応力集中が緩和される。
【0053】
これによりビード補強層18の端末部18Bを起点とするセパレーションの発生を防止することができる。
【0054】
さらに、ビード補強層18の端末部18B側は内圧によって引き抜かれようとする力を殆ど受けず、さらに、このビード補強層18の端末部18Bは従来タイヤと異なりカーカス層16の巻込部16B(従来タイヤのカーカス層の折返部に相当)が隣接しないことと、ラジアル方向に対しコード19が傾斜配置されていることから、負荷転動時にビード部11の曲げ変形が生じた際にもビード補強層18内のコードが角度変化し易く、この変形によって端末部18Bの径方向圧縮応力の集中が緩和される。
【0055】
なお、空気入りラジアルタイヤ10のタイヤサイズが285/60R22.5である場合においては、ビード補強層18の端末部18Bからの硬ゴムシート24の突出量d1 が25mmよりも大きくなると、屈曲の大きいタイヤサイド部に硬ゴムシート24が位置し、硬ゴムシート24のタイヤ径方向外側の端末部がセパレーションの核となることから、突出量を25mm以下とすることが好ましい。
【0056】
また、ビード補強層18のコード19のラジアル方向に対する角度が30度未満になると、カーカス層16の本体部16Aが倒れ込んだ際に、カーカス層16のスチールコードと同様にタイヤラジアル方向に近づく為、ビード補強層18のコード19の角度変化によるビード補強層18の端末部18Bでの歪緩和が起きにくく、コード端部に直接大きな圧縮応力の集中が生じる。
【0057】
一方、コード19の角度が80度を越えると、ビード補強層18の剪断剛性が低下し、タイヤ転動時に生じる周方向剪断変形のビード部11での抑制効果が低下するので、リムフランジ22とタイヤ外皮との周方向ずれによる摩滅を有効に防止することが出来なくなる。
[第2の実施形態]
本発明の空気入りラジアルタイヤの第2の実施形態を説明する。なお、前述した実施形態と同一構成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0058】
図2に示すように、本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10では、硬ゴムシート24がビード補強層18の端末部18Bのタイヤ軸方向外側に配置されている。
【0059】
この場合、ビード補強層18の端末部18Bのタイヤ回転軸方向外側に硬ゴムシート24を配置しているが、第1の実施形態と比較すると、硬ゴム配置部のカーカス層16の本体部16Aからの距離が離れるのでビード部11の曲げ変形による圧縮応力抑制効果は相対的にやや少ないが、反面ビード部11倒れ込み変形時にタイヤ外皮がリムフランジ22上に倒れ込んだ際に、リムフランジ22からの突き上げによって受ける剪断歪のビード補強層18の端末部18Bでの抑制効果もあり、ビード部11の耐久性が向上する。
【0060】
なお、その他の作用、効果は第1の実施形態と同様である。
[第3の実施形態]
本発明の空気入りラジアルタイヤの第3の実施形態を説明する。なお、前述した実施形態と同一構成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0061】
図3に示すように、本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10では、硬ゴムシート24がビード補強層18の端末部18Bのタイヤ軸方向外側と内側との両方に配置されると共に、端末部18Bを覆いかつタイヤ径方向外側に延びている。
【0062】
この場合ビード補強層18の端末部18Bのタイヤ回転軸方向内、外側両方に硬ゴムシート24を配置することで、前述のカーカス層16の本体部16Aの倒れ込みによる圧縮歪及びリムフランジ22からの突き上げによる剪断歪の両者を有効に抑制することで、一層ビード部11の耐久性が向上する。
[第4の実施形態]
本発明の空気入りラジアルタイヤの第4の実施形態を説明する。なお、前述した実施形態と同一構成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0063】
図4に示すように、本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10では、硬ゴムシート24がビード補強層18の端末部18Bのタイヤ軸方向外側に配置されているが、硬ゴムシート24とビード補強層18との間には、軟ゴムシート26が挟持されている。
【0064】
軟ゴムシート26は、ビード補強層18のタイヤ軸方向外側に密着していると共に端末部18Bを覆い、かつタイヤ径方向外側へ延びている。なお、軟ゴムシート26は、コード19を被覆しているゴム21よりも硬度が低く設定されている。
【0065】
ビード補強層18の端末部18Bを硬ゴムシート24で補強することで、補強層上ゴムの圧縮歪が抑制されるが、さらにビード補強層18のコード19上に軟ゴムシート26を併設することで硬ゴムシート24による変形抑制とともにコード19上の軟ゴムシート26が圧縮変形を吸収することで、一層ビード補強層18のコード19のゴム21(コーティングゴム)の歪みを緩和することができる。
[その他の実施形態]
なお、第4の実施形態の変形例として、図5(A)〜(D)に示すように硬ゴムシート24及び軟ゴムシート26を配置しても良い。
(試験例)
次に、本発明の効果を確かめるために、タイヤサイズが285/60R22.5である従来例のタイヤと本発明の適用された実施例のタイヤとを用意し、室内のドラム試験機にてタイヤの耐久試験を行った。
【0066】
実施例1のタイヤは図1に示す構造のタイヤ、実施例2のタイヤは図2に示す構造のタイヤ、実施例3のタイヤは図3に示す構造のタイヤ、実施例4のタイヤは図4に示す構造のタイヤ、実施例5のタイヤは図1に示す構造のタイヤ、従来例のタイヤは図6に示す構造のタイヤである。
【0067】
ここで、従来例のタイヤは、図6に示すように、カーカス層16の折返部16Dがタイヤ半径方向外側へ向かって延びており、カーカス層16の外側にビード補強層18が配置された構成のタイヤである。
【0068】
実施例1〜5及び従来例のタイヤのカーカス層は、何れも(1×3+9+15)×0.175mm+1×0.15mmの構造のスチールコードを5cm当たり26本の密度(測定部位:ビードコア周り)で平行に並べてゴム被覆したものであり、コード方向を実質的にラジアル方向としたものである。
【0069】
実施例1〜5及び従来例のタイヤのビード補強層は、何れも(1×3+9+15)×0.175mm+1×0.15mmの構造のスチールコードを5cm当たり21本の密度(測定部位:ビードコア周り)で平行に並べてゴム被覆したものであり、コード方向をラジアル方向に対して60度傾斜させたものである(測定部位:タイヤ軸方向外側の端末部)。
【0070】
ここで、実施例1〜5及び従来例のタイヤのビード補強層のスチールコードのコーティングゴムは、ゴム硬度が70度(JIS硬度)である。
【0071】
実施例1〜3のタイヤの硬ゴムシートは、厚さが2mm、ゴム硬度が80度(JIS硬度)、ビード補強層の端末部からの突出量d1 が15mmである。
【0072】
実施例4のタイヤの硬ゴムシートは、厚さが2mm、ゴム硬度が80度(JIS硬度)、ビード補強層の端末部からの突出量d1 が15mmであり、軟ゴムシートは、厚さが2〜3mm、ゴム硬度が60度(JIS硬度)、ビード補強層の端末部からの突出量d2 が25mmである。
【0073】
実施例5のタイヤの硬ゴムシートは、厚さが2mm、ゴム硬度が80度(JIS硬度)、ビード補強層の端末部からの突出量d1 が30mmである。
【0074】
ドラム試験は、試験タイヤに内圧900kPaを充填した後に、半径1.7mのスチールドラム上に、5200kgの荷重にて圧着し、時速60km/hにてビード部故障(セパレーション)発生まで走行させた。その際の室温は46°Cであった。
【0075】
評価は、ビード部故障が発生するまでの走行距離を測定し、従来例のタイヤがビード部故障を発生するまでの走行距離の逆数を100とする指数で表した。なお、数値が大きい程ビード部故障を発生するまでの走行距離が長く、ビード部の耐久性に優れていることを表す。
【0076】
【表1】
Figure 0004262827
【0077】
試験の結果、本発明の適用された実施例1〜5のタイヤは、ビード部でセパレーションを発生するまでの走行距離が大幅に延び、ビード部の耐久性が大幅に向上していることが分かった。
【0078】
このため、本発明の適用された空気入りラジアルタイヤは、更生タイヤの台タイヤとして用いるのに適していることが分かる。
【0079】
ちなみに、実施例5のタイヤにおいては、軟ゴムシートのタイヤ径方向外側の端末部ではなく、硬ゴムシートのタイヤ径方向外側の端末部よりセパレーションが発生した。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の空気入りラジアルタイヤは上記の構成としたので、ビード部の耐久性を向上することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのビード部の断面図であり、(B)はビード補強層のコードのタイヤ径方向外側の端末部付近の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのビード部の断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのビード部の断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのビード部の断面図である。
【図5】(A)乃至(D)は、本発明の更に他の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤのビード補強層の端末部付近の断面図である。
【図6】試験に用いた従来例に係る空気入りラジアルタイヤのビード部の断面図である。
【符号の説明】
10 空気入りラジアルタイヤ
11 ビード部
12 ビードコア
14 カーカス
16 カーカス層
18 ビード補強層
18B 端末部
24 硬ゴムシート(第2のゴムシート)
26 軟ゴムーシート(第1のゴムシート)

Claims (7)

  1. 一方のビード部のビードコアから他方のビード部のビードコアへ延在する本体部と前記本体部に連続して設けられ前記ビードコアの外周面に沿って巻き込んだ巻き込み部とを備えた実質的にラジアル方向に延びる複数本のスチールコードからなる少なくとも1枚のカーカス層よりなるカーカスと、
    前記カーカスのタイヤ半径方向外側に設けられ、前記カーカスのクラウン部を補強するベルトと、を備えた空気入りラジアルタイヤであって、
    ラジアル方向に対して傾斜した複数本のコードからなり、前記カーカス層のタイヤ外側で、前記ビードコアの周りに配置されるビード補強層を備え、
    前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部の側方に前記ビード補強層のコードをコーティングしているコーティングゴムよりも硬い硬ゴムシートを配置し、前記硬ゴムシートを前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部よりもタイヤ径方向外側へ突出させたことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部からの前記硬ゴムシートの突出量が、25mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記硬ゴムシートは、前記ビード補強層のタイヤ軸方向内側に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記硬ゴムシートは、前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記硬ゴムシートは、前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側と内側との両方に配置されると共に、前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部を覆っていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部の側方に配置される前記硬ゴムシートと前記コーティングゴムとの両者に接し、前記硬ゴムシートと前記コーティングゴムとの間、または前記ビード補強層のタイヤ軸方向外側の端末部のタイヤ径方向外側、或いはその両方に、前記コーティングゴムと同一の硬さのゴム、または前記コーティングゴムよりも軟らかいゴムを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  7. 前記ビード補強層のコードは、ラジアル方向に対して30度〜80度の範囲内の角度で傾斜していることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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