JP2004306680A - 空気入りラジアルタイヤおよびそれの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トレッド部の周方向断面内での曲げ剛性の直接的な増加をもたらして、ランフラット走行時の駆動および制動性能の低下を効果的に抑制する。
【解決手段】一枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカス4と、ラジアルカーカス4の中央円周を含む平面に対し比較的に小角度の傾斜配列をなす実質的に非伸長性のコードからなり、ラジアルカーカスの周りを取り囲む二層のコード交差積層構造になるベルト6と、少なくともサイドウォール部2と対応する部分でその内側に配置した、横断面形状がほぼ三日月状をなす補強ゴム10とを具えるものであり、ラジアルカーカス4の内側に、それの中央円周とほぼ平行に延びるコードからなる補強層11を配設してなる。
【選択図】 図1
【解決手段】一枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカス4と、ラジアルカーカス4の中央円周を含む平面に対し比較的に小角度の傾斜配列をなす実質的に非伸長性のコードからなり、ラジアルカーカスの周りを取り囲む二層のコード交差積層構造になるベルト6と、少なくともサイドウォール部2と対応する部分でその内側に配置した、横断面形状がほぼ三日月状をなす補強ゴム10とを具えるものであり、ラジアルカーカス4の内側に、それの中央円周とほぼ平行に延びるコードからなる補強層11を配設してなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、少なくともサイドウォール部と対応する部分で、その内側に、比較的高硬度の補強ゴムを配設してなり、タイヤ内圧の低下ないしは消失時に、その補強ゴムによって輪荷重の一部もしくは全部を支持して、たとえば、タイヤの交換設備、修理設備等を具えるサービスステーションその他に到るまでの相当距離を、操舵の不具合や、タイヤの障害の進行等の不利を生じることなく、車両を安全に継続走行させる、いわゆるランフラット空気入りラジアルタイヤおよびその製造方法に関するものであり、たとえば、タイヤ内圧が大気圧まで低下した状態の下で、補強ゴムによる輪荷重の支持下でそれを転動させるランフラット走行において、トレッド部の踏面、とくにはそれの幅方向中央部分が路面から大きく浮き上がるバックリング現象の発生を有利に抑制する技術を提案するものである。
【0002】
【従来の技術】
ランフラット走行に当っては、タイヤサイド部の剛性が補強ゴムによって大きく高められることに起因して、その補強ゴムによって支持される輪荷重にあって、タイヤサイド部に沿ってトレッド部の両側に伝達されて、トレッド部踏面をその幅方向に圧縮する分力により、上述したようなバックリング現象が生じることが知られており、このバックリングによれば、トレッド部踏面の接地面積または接地圧が減少することにより、駆動および制動性能とともに、操縦安定性もまた低下することになる。
【0003】
そしてこれらのことは、氷雪路面上を転動するスタッドレスタイヤにおいて特に重大であり、しかも、氷雪路面においては、そもそも、路面とタイヤとの間の摩擦係数が極めて小さいことから、一旦バックリング発生すると、踏面の、路面からの浮き上がり量としてのバックリング量が増加し易いという問題があった。
【0004】
そこで、少なくともサイドウォール部の内側で、インナライナとラジアルカーカスとの間に、横断面形状がほぼ三日月状をなす補強ゴムを配設したこの種のランフラット空気入りラジアルタイヤの、トレッド部へのバックリング現象の発生を抑えることを目的として、特開平6−191243号公報には、ラジアルカーカスのクラウン部の外周に配設した、二層以上のベルト層からなるベルトと、ベルトの外周に沿って巻回した有機繊維コードよりなるキャップとの間に、タイヤ赤道面に対して実質上直交する多数のコード配列になる一層以上のタイエレメントをほぼベルト幅一杯に配設することにより、ベルト層コードの、層間でのパンタグラフ運動を拘束して、トレッド部の、幅方向断面内での曲げ剛性を高める技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−191243号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、この従来技術は、タイエレメントをもって、トレッド部の幅方向断面内での曲げ剛性を高めるものであり、これによっては周方向断面内での曲げ剛性を直接的には増加させ得ないことから、トレッド周方向での、踏面の浮き上がり抑制を第1義とすることができず、それ故に、ランフラット走行時の駆動および制動性能等の相当なる低下が不可避であった。
【0007】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものでありその目的とするところは、トレッド部の周方向断面内での曲げ剛性の直接的な増加をもたらすことで、ランフラット走行時の駆動および制動性能等の低下を効果的に抑えることができる空気入りラジアルタイヤおよびそれの製造方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の空気入りラジアルタイヤは、トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部の内周側に連続するビード部とを具えるとともに、ビード部に配設したビードコア間にトロイダルに延びて上記各部を補強する、一枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、ラジアルカーカスの中央円周を含む平面に対し比較的小角度、たとえば15〜30°の傾斜配列をなす実質的に非伸長性のコードからなり、ラジアルカーカスの周りを取り囲む二層以上のコード交差積層構造になるベルトと、少なくともサイドウォール部と対応する部分でその内側、たとえば、ラジアルカーカスとインナライナとの間に配置した、横断面形状がほぼ三日月状をなす、比較的高硬度の補強ゴムとを具えるものであり、ラジアルカーカスの内側に、それの中央円周とほぼ平行に延びるコード、好ましくは、実質的に非圧縮性でかつ非伸長性であるスチールコードからなる一層以上の補強層を配設したものである。
【0009】
トレッド部のバックリングを抑制するためには、バックリングにとくに大きな影響を及ぼす、トレッド部の幅方向および円周方向での曲げ剛性を高めることが有効であり、この場合の剛性増加は、ゴム材料によるよりは、コード補強材料によることが効果的である。また、トレッド部のバックリングに対しては、バックリングの発生によって曲がりの外側に位置することになるコード補強材料、いいかえれば、中立軸よりも曲がりの外側に配置したコード補強材料に大きな抗張力を発揮させることが効果的である。
【0010】
そこでこのタイヤでは、トレッド部の周方向断面内での曲げ剛性の直接的にして効果的な増加をもたらすべく、バックリングの発生によって曲がり変形の最外側となる、ラジアルカーカスより内側部分に、それの中央円周とほぼ平行に延びるコードよりなる補強層を配設してこの補強層、ひいては、補強層コードに高い抗張力を発揮させ、その抗張力の、法線方向の分力を、トレッド部踏面の、路面からの浮き上がり変形の抑止力とすることによって、トレッド部へのバックリングの発生を有効に抑制する。
【0011】
そしてこのことは、補強層のコード材質を、非圧縮性および非伸長性にすぐれたスチールとした場合により好適であり、また、補強層の幅をベルト幅、いいかえれば、最広幅のベルト層幅の50〜100%の範囲として、補強層に、抗張力を適正に発揮させた場合に一層好適である。
【0012】
すなわち、補強層の幅を50%未満としたときは、その補強層の非配設域でのバックリングの発生のおそれがあり、一方、100%を越える幅としたときは、補強層がタイヤのショルダー部の屈曲域に入り込むことになって、耐久性の低下が余儀なくされることになる。
【0013】
このようにして、トレッド部の、とくには周方向断面内でのバックリングが抑制される結果として、トレッド部踏面と路面との、接触面積および接地圧の低下がともに有効に防止されることになるので、以上のようなトレッド部構造を、トレッド部踏面に区画したブロックに、サイプを形成してなるスタッドレスタイヤに適用した場合には、従来技術に比して駆動および制動性能と併せて操縦安定性をより顕著に向上させることができ、また、バックリング量の増加傾向を有効に取り除くことができる。
【0014】
この発明の、空気入りタイヤの製造方法は、製品タイヤの内面形状に近似した外表面形状を有する分割タイプの剛性コア上に、小幅のゴムストリップを、螺旋状、渦巻状等に、たとえば幅方向の一部でオーバラップさせながら隙間なく巻回してインナライナ部材および補強ゴム部材を順次に形成するとともに、剛性コアのクラウン域で、それらの外周側に、好ましくは、非圧縮性でかつ非伸長性のコードを、たとえば、複数本の引き揃えコードを一体的にゴム被覆してなるリボン状の態様として、剛性コアの中央円周にほぼ沿わせて螺旋状に巻回して一層以上の補強層部材を形成し、次いで、剛性コアを所定の角度ピッチで回動変位させながら、補強層部材の外周側に、その剛性コアの一方の側部から他方の側部にわたって、たとえば剛性コアの中央円周と直交する方向に延びるプライコードを、剛性コアの全周に貼着させてラジアルカーカス部材を成形し、さらに、このラジアルカーカス部材の外周側に、ベルト部材およびトレッドゴム部材を順次に、また、剛性コアの側部にサイドウォールゴム部材を形成して生タイヤを成型するものである。
なお、生タイヤの加硫に当っては、それを剛性コアとともに加硫モールド内へ入れ込むことができる他、それを剛性コアから取り外して、一般的なブラダの適用下で加硫することもできる。
【0015】
この方法によれば、とくに、円周方向に延びるコードよりなる補強層部材を、所期した通りの位置に正確に配設することができる他、剛性コアの作用下で、タイヤの寸法精度、ユニフォミティ等を大きく高めることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1は、この発明に係るタイヤの幅方向断面図であり、図中1はトレッド部を、2は、そのトレッド部1の側部に連なって半径方向内方に延びるサイドウォール部を、そして3は、サイドウォール部2の内周側に設けたビード部をそれぞれ示す。
【0017】
ここでは、たとえば、有機繊維コードをプライコードとする二枚のカーカスプライからなるラジアルカーカス4を、それぞれのビード部3に配設したビードコア5の間にトロイダルに延在させるとともに、それの側部部分をビードコア5の周りで半径方向の内側から外側に向けて巻上げてタイヤの骨格補強とし、また、このようなラジアルカーカス4のクラウン部の外周側に、ラジアルカーカス4の中央円周を含む平面に対して、たとえば24°の傾斜配列をなす、スチールコード、アラミド繊維コード等とすることができる実質的に非伸長性のコードからなる二層以上、図では二層のベルト層6a,6bよりなるベルト6を、層間でコードを相互に交差させた状態で配設する。
【0018】
またここでは、上述したようなベルト6の外周側に、たとえば、有機繊維コードの螺旋巻回構造になるキャップ7を、ベルト6をその全幅にわたって覆うように配設するとともに、そのキャップ7の各側部部分だけを覆う、同様の構造のレイヤ8を配設する。
【0019】
さらにここでは、少なくともサイドウォール部2と対応する部分で、ラジアルカーカス4と、タイヤの最内層に配設したインナライナ9との間に、横断面形状がほぼ三日月状をなし、最大厚み個所がタイヤ最大幅位置もしくは、それより幾分半径方向外方に位置する補強ゴム10を配設し、また、この補強ゴム10より外周側で、ラジアルカーカス4より内周側に、ラジアルカーカス4の中央円周とほぼ平行に延びる、これもまたスチールコード、アラミド繊維コード等とすることができる、実質的に非圧縮性でかつ非伸長性のコードからなる一層以上の補強層11を配設する。
なおこの補強層11は、たとえば、一本もしくは複数本のコードの螺旋巻回によって形成することができる。
【0020】
ところで、図中12は、キャップ7およびレイヤ8の外周側に配設されて、トレッド部1の踏面を形成する、たとえば内外二層構造のトレッドゴムを、13は、タイヤの側部にあって、サイドウォール部2の外表面を形成するサイドウォールゴムをそれぞれ示し、14は、ビードコア5の外周側で、ラジアルカーカス4の本体部分と巻上げ部分との間に配設したビードフィラゴムを、そして15は、ビード部3の、ホイールリムとの接触域に配設したチェーファゴムをそれぞれ示す。
【0021】
以上のように構成してなるタイヤでは、それのランフラット走行に当り、図2にトレッド部中央円周での周方向断面を例示するように、トレッド部1の踏面16が、図に仮想線で示すように路面から大きく浮き上がり変形するのを、ラジアルカーカス4より内周側にあって、曲がりの中立軸より外側で高い抗張力を発揮する補強層11の作用下で、図に実線で示すように抑制することができ、これにより、接地面積および接地圧の低下を効果的に阻止することができる。
【0022】
そして、トレッド部の周方向断面内での踏面16の浮き上がり変形をこのように抑制できる結果として、その踏面16の、トレッド部1の幅方向断面内での浮き上がり変形もまた図3に例示するように抑制されることになるので、接地面積等の低下は一層有効に阻止されることになる。
【0023】
ところで、以上のような構造を有する空気入りラジアルタイヤの製造に当ってはとくには、上述した補強層11の、所定の位置への正確なる配設を担保するために、製品タイヤの内面形状に近似した外表面形状を有する分割タイプの剛性コア上で生タイヤの成型を行うことが好ましい。
【0024】
この成型に際しては、図4に、剛性コア上の生タイヤの要部を、それの半部についての幅方向断面図で例示するところから明らかなように、はじめに、アルミニウム合金等からなる剛性コア21の周面上に小幅のゴムストリップ22を、コア21の一方の側部から他方の側部にわたって、それの幅方向での所要のオーバラップ量の下で、渦巻状および螺旋状に連続的に巻回してインナライナ部材23を形成し、次いで、このインナライナ部材23の外周側で、コア21のショルダ域からサイド域にわたる領域に、これも小幅のゴムストリップ24を渦巻状に巻回積層して、所要の横断面輪郭形状を有する補強ゴム部材25を形成する。
【0025】
その後は、インナライナ部材23および補強ゴム部材25の外周側で、コア21のクラウン部と対応する領域で、非圧縮性および非伸長性のコード26の一本もしくは複数本を、剛性コア21の中央円周にほぼ沿わせて螺旋状に巻回して一層以上の補強層部材27を形成する。そしてまた、この補強層部材27の外周側で、剛性コア21を、たとえば一方向へ所定の角度ピッチで間欠的に回動変位させながら、プライコード28を、コア21の一方の側部から他方の側部にわたって貼着させて、一枚以上のカーカスプライ素材からなるラジアルカーカス部材29を形成する。
【0026】
また、ラジアルカーカス部材29のクラウン部の外周側には、ベルト部材30、キャップ部材31およびレイヤ部材32を順次に形成し、これらの外周側には、たとえば、小幅ゴムストリップを螺旋状に巻回積層して形成したベーストレッド素材33とキャップトレッド素材34とからなるトレッドゴム部材35を形成する。
【0027】
さらには、剛性コア21の側部域と対応する部分で、ラジアルカーカス部材29の外側に、ゴムストリップを螺旋状に巻回積層してサイドウォールゴム部材36を形成するとともに、他の所要のビードフィラゴム部材、チェーファゴム部材等をもまた同様に形成することで、剛性コア21上に所要の生タイヤを成型する。
【0028】
このように成型してなる生タイヤは、それを剛性コア21とともに加硫モールド内へ収納して加硫すること、または、剛性コア21から取り外して、モールド内で、一般的なブラダの適用下で加硫することにより、図1に示すような製品タイヤとすることができ、この製品タイヤはすぐれた寸法精度、ユニフォミティ等を具えたものとなる。
【0029】
【実施例】
図1に示す構造を具える、サイズが245/40 R18の実施例タイヤにおいて、一層のみの補強層11を、1+6構造のスチールコードにより形成するとともに、その幅を210mmとし、ラジアルカーカス4を、1650d/2のレーヨンコードよりなるカーカスプライの二枚で構成し、ほぼ三日月状の補強ゴム10およびビードフィラゴム14のJIS A硬度をともに92とし、また、ベルト6を1+6構造のスチールコードよりなる二層のベルト層6a,6bにより構成するとともに、内層側ベルト層6aの幅を210mm、外層側ベルト層6bの幅を200mmとした。
また、キャップ7およびレイヤ8をともに1260d/2の66ナイロンコードにより構成した。
【0030】
この実施例タイヤをリム組みするとともに、充填空気圧を大気圧まで低下させた状態で、それに5300Nの荷重を作用させたときの、トレッド部踏面の接地中心の、路面からの浮き上がり量を測定してバックリング量とし、また、同一の条件下で、氷上を20km/hで走行中に、フルブレーキを作用させて、停止するまでの距離を測定して氷上制動性能とした場合の試験結果を表1に指数値をもって示す。
なお表中の指数値は小さいほどすぐれた結果を示すものとした。
また、表1中の比較例タイヤは、実施例タイヤから補強層11を省いた構造を有するものである。
【0031】
【表1】
上記表1によれば、実施例タイヤでは、バックリング量を大きく低減できるとともに、氷上制動性能を大きく向上させ得ることが明らかである。
【0032】
【発明の効果】
以上に述べたところから明らかなように、この発明によれば、とくには、ラジアルカーカスの内側に配設した、トレッド中央円周とほぼ平行に延びるコードからなる補強層の作用の下で、ランフラット走行時のバックリング、とくには周方向断面内でのトレッド部踏面の浮き上がりを直接的に抑制することにより、その踏面の接地面積および接地圧の低下を有効に防止して、従来タイヤに比して駆動および制動性能とともに、操縦安定性を有利に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るタイヤの実施形態をタイヤの半部について示す横断面図である。
【図2】トレッド部の中央円周に沿う断面内での踏面の浮き上がり態様を示す図である。
【図3】トレッド部の幅方向断面内での踏面の浮き上がり態様を示す図である。
【図4】剛性コア上で成型した生タイヤを示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 サイドウォール
3 ビード部
4 ラジアルカーカス
5 ビードコア
6 ベルト
7 キャップ
8 レイヤ
9 インナライナ
10 補強ゴム
11 補強層
12 トレッドゴム
13 サイドウォールゴム
14 ビードフィラ
15 チェーファゴム
16 踏面
21 剛性コア
23 インナライナ部材
25 補強ゴム部材
26 コード
27 補強層部材
28 プライコード
29 ラジアルカーカス部材
30 ベルト部材
31 キャップ部材
32 レイヤ部材
35 トレッドゴム部材
36 サイドウォールゴム部材
【発明の属する技術分野】
この発明は、少なくともサイドウォール部と対応する部分で、その内側に、比較的高硬度の補強ゴムを配設してなり、タイヤ内圧の低下ないしは消失時に、その補強ゴムによって輪荷重の一部もしくは全部を支持して、たとえば、タイヤの交換設備、修理設備等を具えるサービスステーションその他に到るまでの相当距離を、操舵の不具合や、タイヤの障害の進行等の不利を生じることなく、車両を安全に継続走行させる、いわゆるランフラット空気入りラジアルタイヤおよびその製造方法に関するものであり、たとえば、タイヤ内圧が大気圧まで低下した状態の下で、補強ゴムによる輪荷重の支持下でそれを転動させるランフラット走行において、トレッド部の踏面、とくにはそれの幅方向中央部分が路面から大きく浮き上がるバックリング現象の発生を有利に抑制する技術を提案するものである。
【0002】
【従来の技術】
ランフラット走行に当っては、タイヤサイド部の剛性が補強ゴムによって大きく高められることに起因して、その補強ゴムによって支持される輪荷重にあって、タイヤサイド部に沿ってトレッド部の両側に伝達されて、トレッド部踏面をその幅方向に圧縮する分力により、上述したようなバックリング現象が生じることが知られており、このバックリングによれば、トレッド部踏面の接地面積または接地圧が減少することにより、駆動および制動性能とともに、操縦安定性もまた低下することになる。
【0003】
そしてこれらのことは、氷雪路面上を転動するスタッドレスタイヤにおいて特に重大であり、しかも、氷雪路面においては、そもそも、路面とタイヤとの間の摩擦係数が極めて小さいことから、一旦バックリング発生すると、踏面の、路面からの浮き上がり量としてのバックリング量が増加し易いという問題があった。
【0004】
そこで、少なくともサイドウォール部の内側で、インナライナとラジアルカーカスとの間に、横断面形状がほぼ三日月状をなす補強ゴムを配設したこの種のランフラット空気入りラジアルタイヤの、トレッド部へのバックリング現象の発生を抑えることを目的として、特開平6−191243号公報には、ラジアルカーカスのクラウン部の外周に配設した、二層以上のベルト層からなるベルトと、ベルトの外周に沿って巻回した有機繊維コードよりなるキャップとの間に、タイヤ赤道面に対して実質上直交する多数のコード配列になる一層以上のタイエレメントをほぼベルト幅一杯に配設することにより、ベルト層コードの、層間でのパンタグラフ運動を拘束して、トレッド部の、幅方向断面内での曲げ剛性を高める技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−191243号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、この従来技術は、タイエレメントをもって、トレッド部の幅方向断面内での曲げ剛性を高めるものであり、これによっては周方向断面内での曲げ剛性を直接的には増加させ得ないことから、トレッド周方向での、踏面の浮き上がり抑制を第1義とすることができず、それ故に、ランフラット走行時の駆動および制動性能等の相当なる低下が不可避であった。
【0007】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものでありその目的とするところは、トレッド部の周方向断面内での曲げ剛性の直接的な増加をもたらすことで、ランフラット走行時の駆動および制動性能等の低下を効果的に抑えることができる空気入りラジアルタイヤおよびそれの製造方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の空気入りラジアルタイヤは、トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部の内周側に連続するビード部とを具えるとともに、ビード部に配設したビードコア間にトロイダルに延びて上記各部を補強する、一枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、ラジアルカーカスの中央円周を含む平面に対し比較的小角度、たとえば15〜30°の傾斜配列をなす実質的に非伸長性のコードからなり、ラジアルカーカスの周りを取り囲む二層以上のコード交差積層構造になるベルトと、少なくともサイドウォール部と対応する部分でその内側、たとえば、ラジアルカーカスとインナライナとの間に配置した、横断面形状がほぼ三日月状をなす、比較的高硬度の補強ゴムとを具えるものであり、ラジアルカーカスの内側に、それの中央円周とほぼ平行に延びるコード、好ましくは、実質的に非圧縮性でかつ非伸長性であるスチールコードからなる一層以上の補強層を配設したものである。
【0009】
トレッド部のバックリングを抑制するためには、バックリングにとくに大きな影響を及ぼす、トレッド部の幅方向および円周方向での曲げ剛性を高めることが有効であり、この場合の剛性増加は、ゴム材料によるよりは、コード補強材料によることが効果的である。また、トレッド部のバックリングに対しては、バックリングの発生によって曲がりの外側に位置することになるコード補強材料、いいかえれば、中立軸よりも曲がりの外側に配置したコード補強材料に大きな抗張力を発揮させることが効果的である。
【0010】
そこでこのタイヤでは、トレッド部の周方向断面内での曲げ剛性の直接的にして効果的な増加をもたらすべく、バックリングの発生によって曲がり変形の最外側となる、ラジアルカーカスより内側部分に、それの中央円周とほぼ平行に延びるコードよりなる補強層を配設してこの補強層、ひいては、補強層コードに高い抗張力を発揮させ、その抗張力の、法線方向の分力を、トレッド部踏面の、路面からの浮き上がり変形の抑止力とすることによって、トレッド部へのバックリングの発生を有効に抑制する。
【0011】
そしてこのことは、補強層のコード材質を、非圧縮性および非伸長性にすぐれたスチールとした場合により好適であり、また、補強層の幅をベルト幅、いいかえれば、最広幅のベルト層幅の50〜100%の範囲として、補強層に、抗張力を適正に発揮させた場合に一層好適である。
【0012】
すなわち、補強層の幅を50%未満としたときは、その補強層の非配設域でのバックリングの発生のおそれがあり、一方、100%を越える幅としたときは、補強層がタイヤのショルダー部の屈曲域に入り込むことになって、耐久性の低下が余儀なくされることになる。
【0013】
このようにして、トレッド部の、とくには周方向断面内でのバックリングが抑制される結果として、トレッド部踏面と路面との、接触面積および接地圧の低下がともに有効に防止されることになるので、以上のようなトレッド部構造を、トレッド部踏面に区画したブロックに、サイプを形成してなるスタッドレスタイヤに適用した場合には、従来技術に比して駆動および制動性能と併せて操縦安定性をより顕著に向上させることができ、また、バックリング量の増加傾向を有効に取り除くことができる。
【0014】
この発明の、空気入りタイヤの製造方法は、製品タイヤの内面形状に近似した外表面形状を有する分割タイプの剛性コア上に、小幅のゴムストリップを、螺旋状、渦巻状等に、たとえば幅方向の一部でオーバラップさせながら隙間なく巻回してインナライナ部材および補強ゴム部材を順次に形成するとともに、剛性コアのクラウン域で、それらの外周側に、好ましくは、非圧縮性でかつ非伸長性のコードを、たとえば、複数本の引き揃えコードを一体的にゴム被覆してなるリボン状の態様として、剛性コアの中央円周にほぼ沿わせて螺旋状に巻回して一層以上の補強層部材を形成し、次いで、剛性コアを所定の角度ピッチで回動変位させながら、補強層部材の外周側に、その剛性コアの一方の側部から他方の側部にわたって、たとえば剛性コアの中央円周と直交する方向に延びるプライコードを、剛性コアの全周に貼着させてラジアルカーカス部材を成形し、さらに、このラジアルカーカス部材の外周側に、ベルト部材およびトレッドゴム部材を順次に、また、剛性コアの側部にサイドウォールゴム部材を形成して生タイヤを成型するものである。
なお、生タイヤの加硫に当っては、それを剛性コアとともに加硫モールド内へ入れ込むことができる他、それを剛性コアから取り外して、一般的なブラダの適用下で加硫することもできる。
【0015】
この方法によれば、とくに、円周方向に延びるコードよりなる補強層部材を、所期した通りの位置に正確に配設することができる他、剛性コアの作用下で、タイヤの寸法精度、ユニフォミティ等を大きく高めることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1は、この発明に係るタイヤの幅方向断面図であり、図中1はトレッド部を、2は、そのトレッド部1の側部に連なって半径方向内方に延びるサイドウォール部を、そして3は、サイドウォール部2の内周側に設けたビード部をそれぞれ示す。
【0017】
ここでは、たとえば、有機繊維コードをプライコードとする二枚のカーカスプライからなるラジアルカーカス4を、それぞれのビード部3に配設したビードコア5の間にトロイダルに延在させるとともに、それの側部部分をビードコア5の周りで半径方向の内側から外側に向けて巻上げてタイヤの骨格補強とし、また、このようなラジアルカーカス4のクラウン部の外周側に、ラジアルカーカス4の中央円周を含む平面に対して、たとえば24°の傾斜配列をなす、スチールコード、アラミド繊維コード等とすることができる実質的に非伸長性のコードからなる二層以上、図では二層のベルト層6a,6bよりなるベルト6を、層間でコードを相互に交差させた状態で配設する。
【0018】
またここでは、上述したようなベルト6の外周側に、たとえば、有機繊維コードの螺旋巻回構造になるキャップ7を、ベルト6をその全幅にわたって覆うように配設するとともに、そのキャップ7の各側部部分だけを覆う、同様の構造のレイヤ8を配設する。
【0019】
さらにここでは、少なくともサイドウォール部2と対応する部分で、ラジアルカーカス4と、タイヤの最内層に配設したインナライナ9との間に、横断面形状がほぼ三日月状をなし、最大厚み個所がタイヤ最大幅位置もしくは、それより幾分半径方向外方に位置する補強ゴム10を配設し、また、この補強ゴム10より外周側で、ラジアルカーカス4より内周側に、ラジアルカーカス4の中央円周とほぼ平行に延びる、これもまたスチールコード、アラミド繊維コード等とすることができる、実質的に非圧縮性でかつ非伸長性のコードからなる一層以上の補強層11を配設する。
なおこの補強層11は、たとえば、一本もしくは複数本のコードの螺旋巻回によって形成することができる。
【0020】
ところで、図中12は、キャップ7およびレイヤ8の外周側に配設されて、トレッド部1の踏面を形成する、たとえば内外二層構造のトレッドゴムを、13は、タイヤの側部にあって、サイドウォール部2の外表面を形成するサイドウォールゴムをそれぞれ示し、14は、ビードコア5の外周側で、ラジアルカーカス4の本体部分と巻上げ部分との間に配設したビードフィラゴムを、そして15は、ビード部3の、ホイールリムとの接触域に配設したチェーファゴムをそれぞれ示す。
【0021】
以上のように構成してなるタイヤでは、それのランフラット走行に当り、図2にトレッド部中央円周での周方向断面を例示するように、トレッド部1の踏面16が、図に仮想線で示すように路面から大きく浮き上がり変形するのを、ラジアルカーカス4より内周側にあって、曲がりの中立軸より外側で高い抗張力を発揮する補強層11の作用下で、図に実線で示すように抑制することができ、これにより、接地面積および接地圧の低下を効果的に阻止することができる。
【0022】
そして、トレッド部の周方向断面内での踏面16の浮き上がり変形をこのように抑制できる結果として、その踏面16の、トレッド部1の幅方向断面内での浮き上がり変形もまた図3に例示するように抑制されることになるので、接地面積等の低下は一層有効に阻止されることになる。
【0023】
ところで、以上のような構造を有する空気入りラジアルタイヤの製造に当ってはとくには、上述した補強層11の、所定の位置への正確なる配設を担保するために、製品タイヤの内面形状に近似した外表面形状を有する分割タイプの剛性コア上で生タイヤの成型を行うことが好ましい。
【0024】
この成型に際しては、図4に、剛性コア上の生タイヤの要部を、それの半部についての幅方向断面図で例示するところから明らかなように、はじめに、アルミニウム合金等からなる剛性コア21の周面上に小幅のゴムストリップ22を、コア21の一方の側部から他方の側部にわたって、それの幅方向での所要のオーバラップ量の下で、渦巻状および螺旋状に連続的に巻回してインナライナ部材23を形成し、次いで、このインナライナ部材23の外周側で、コア21のショルダ域からサイド域にわたる領域に、これも小幅のゴムストリップ24を渦巻状に巻回積層して、所要の横断面輪郭形状を有する補強ゴム部材25を形成する。
【0025】
その後は、インナライナ部材23および補強ゴム部材25の外周側で、コア21のクラウン部と対応する領域で、非圧縮性および非伸長性のコード26の一本もしくは複数本を、剛性コア21の中央円周にほぼ沿わせて螺旋状に巻回して一層以上の補強層部材27を形成する。そしてまた、この補強層部材27の外周側で、剛性コア21を、たとえば一方向へ所定の角度ピッチで間欠的に回動変位させながら、プライコード28を、コア21の一方の側部から他方の側部にわたって貼着させて、一枚以上のカーカスプライ素材からなるラジアルカーカス部材29を形成する。
【0026】
また、ラジアルカーカス部材29のクラウン部の外周側には、ベルト部材30、キャップ部材31およびレイヤ部材32を順次に形成し、これらの外周側には、たとえば、小幅ゴムストリップを螺旋状に巻回積層して形成したベーストレッド素材33とキャップトレッド素材34とからなるトレッドゴム部材35を形成する。
【0027】
さらには、剛性コア21の側部域と対応する部分で、ラジアルカーカス部材29の外側に、ゴムストリップを螺旋状に巻回積層してサイドウォールゴム部材36を形成するとともに、他の所要のビードフィラゴム部材、チェーファゴム部材等をもまた同様に形成することで、剛性コア21上に所要の生タイヤを成型する。
【0028】
このように成型してなる生タイヤは、それを剛性コア21とともに加硫モールド内へ収納して加硫すること、または、剛性コア21から取り外して、モールド内で、一般的なブラダの適用下で加硫することにより、図1に示すような製品タイヤとすることができ、この製品タイヤはすぐれた寸法精度、ユニフォミティ等を具えたものとなる。
【0029】
【実施例】
図1に示す構造を具える、サイズが245/40 R18の実施例タイヤにおいて、一層のみの補強層11を、1+6構造のスチールコードにより形成するとともに、その幅を210mmとし、ラジアルカーカス4を、1650d/2のレーヨンコードよりなるカーカスプライの二枚で構成し、ほぼ三日月状の補強ゴム10およびビードフィラゴム14のJIS A硬度をともに92とし、また、ベルト6を1+6構造のスチールコードよりなる二層のベルト層6a,6bにより構成するとともに、内層側ベルト層6aの幅を210mm、外層側ベルト層6bの幅を200mmとした。
また、キャップ7およびレイヤ8をともに1260d/2の66ナイロンコードにより構成した。
【0030】
この実施例タイヤをリム組みするとともに、充填空気圧を大気圧まで低下させた状態で、それに5300Nの荷重を作用させたときの、トレッド部踏面の接地中心の、路面からの浮き上がり量を測定してバックリング量とし、また、同一の条件下で、氷上を20km/hで走行中に、フルブレーキを作用させて、停止するまでの距離を測定して氷上制動性能とした場合の試験結果を表1に指数値をもって示す。
なお表中の指数値は小さいほどすぐれた結果を示すものとした。
また、表1中の比較例タイヤは、実施例タイヤから補強層11を省いた構造を有するものである。
【0031】
【表1】
上記表1によれば、実施例タイヤでは、バックリング量を大きく低減できるとともに、氷上制動性能を大きく向上させ得ることが明らかである。
【0032】
【発明の効果】
以上に述べたところから明らかなように、この発明によれば、とくには、ラジアルカーカスの内側に配設した、トレッド中央円周とほぼ平行に延びるコードからなる補強層の作用の下で、ランフラット走行時のバックリング、とくには周方向断面内でのトレッド部踏面の浮き上がりを直接的に抑制することにより、その踏面の接地面積および接地圧の低下を有効に防止して、従来タイヤに比して駆動および制動性能とともに、操縦安定性を有利に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るタイヤの実施形態をタイヤの半部について示す横断面図である。
【図2】トレッド部の中央円周に沿う断面内での踏面の浮き上がり態様を示す図である。
【図3】トレッド部の幅方向断面内での踏面の浮き上がり態様を示す図である。
【図4】剛性コア上で成型した生タイヤを示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 サイドウォール
3 ビード部
4 ラジアルカーカス
5 ビードコア
6 ベルト
7 キャップ
8 レイヤ
9 インナライナ
10 補強ゴム
11 補強層
12 トレッドゴム
13 サイドウォールゴム
14 ビードフィラ
15 チェーファゴム
16 踏面
21 剛性コア
23 インナライナ部材
25 補強ゴム部材
26 コード
27 補強層部材
28 プライコード
29 ラジアルカーカス部材
30 ベルト部材
31 キャップ部材
32 レイヤ部材
35 トレッドゴム部材
36 サイドウォールゴム部材
Claims (5)
- トレッド部、サイドウォール部およびビード部を具えるとともに、ビード部に配設したビードコア間にトロイダルに延在させた、一枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、ラジアルカーカスの中央円周を含む平面に対し比較的に小角度の傾斜配列をなす実質的に非伸長性のコードからなり、ラジアルカーカスの周りを取り囲む二層以上のコード交差積層構造になるベルトと、少なくともサイドウォール部と対応する部分でその内側に配置した、横断面形状がほぼ三日月状をなす補強ゴムとを具える空気入りラジアルタイヤであって、
ラジアルカーカスの内側に、それの中央円周とほぼ平行に延びるコードからなる一層以上の補強層を配設してなる空気入りラジアルタイヤ。 - 補強層の幅をベルト幅の50〜100%としてなる請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 補強層のコードをスチールコードとしてなる請求項1もしくは2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- トレッド部踏面に区画したブロックにサイプを設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 製品タイヤの内面形状に近似した外表面形状を有する分割タイプの剛性コア上にゴムストリップを巻回してインナライナ部材および補強ゴム部材を順次に形成するとともに、剛性コアのクラウン域で、それらの外周側に、コードを中央円周にほぼ沿わせて螺旋状に巻回して一層以上の補強層部材を形成し、次いで、剛性コアを所定の角度ピッチで回動変位させながら、補強層部材の外周側に、その剛性コアの一方の側部から他方の側部にわたってプライコードを貼着させてラジアルカーカス部材を形成し、さらに、ラジアルカーカス部材の外周側に、ベルト部材およびトレッドゴム部材を順次に形成して生タイヤを成型する空気入りタイヤの製造方法。
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