JP4854179B2 - 警報器および警報器用入出力装置 - Google Patents

警報器および警報器用入出力装置 Download PDF

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Description

この発明は、火災警報器やガス漏れ警報器、火災ガス漏れ警報器など、監視領域で発生した異常を検出して警報を行う警報器および当該警報器用の入出力装置に関する。
従来より、オフィスや一般住宅などの監視領域では、火災警報器やガス漏れ警報器、火災ガス漏れ警報器など、火災やガス漏れなどの異常を検出して警報を行う警報器が広く利用されている。そして、このような警報器は、監視領域の利用者に対して警報を出力するための手段や、監視領域の利用者から所定の操作指示を受け付けるための手段を一般的に備えて構成される。
例えば、特許文献1(特開平10−124769号公報、第3図および第4図)には、アラームを出力するブザーや、LEDからなる通電表示灯、押釦スイッチからなる復旧スイッチなどを備える感知器(警報器)が開示されている。この感知器では、煙が感知されると、ブザーからアラームを出力するとともに、通電表示灯を点灯させるが、その後に復旧スイッチがオンされると、通電表示灯を所定の点滅モードで点滅保持する一方で、ブザーからのアラーム出力を所定時間後に停止させる。
特開平10−124769号公報
ところで、上記した従来の技術は、警報器から利用者に対する報知出力、利用者から警報器に対する操作入力などの観点から、以下に説明するような問題点があった。
すなわち、上記した従来の技術では、煙の感知に応じて通電表示灯を点灯させるが、かかる通電表示灯は警報器本体に設けられるので、監視領域の利用者は警報器本体に眼を向けなければ通電表示灯の点灯には気付かず、利用者にとっては警報器による報知出力を容易に認識できるわけではなかった。特に、警報器本体が天井面や壁面上部に設置されたような場合には、報知出力がより一層気付き難いものであった。
また、上記した従来の技術では、煙が感知された後の復旧動作を復旧スイッチによって受け付けるが、かかる復旧スイッチは警報器本体に設けられるので、監視領域の利用者は警報器本体に手が届かなければ復旧スイッチをオンすることができず、利用者にとっては警報器に対して容易に操作入力を行えるわけではなかった。特に、警報器本体が天井面や壁面上部に設置されたような場合には、操作入力がより一層困難であった。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、利用者が警報器に対して容易に操作入力を行うことが可能であり、利用者が警報器による報知出力を容易に認識することが可能な警報器および警報器用入出力装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、監視領域で発生した異常を検出して警報を行う警報器であって、当該警報器は照明装置と電気的に接続され、当該警報器および前記照明装置を操作するための操作指令を当該警報器に対して送信する送信手段を備えた警報器用入出力装置から、当該操作指令を受信する通信手段と、前記通信手段にて受信した前記操作指令に基づいて、当該警報器、および前記照明装置の制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記監視領域で発生した異常を検出した際の前記照明装置の照明状態を判別し、当該判別した照明状態に応じて異なる警報処理内容で当該警報器に警報を行わせると共に、当該警報処理内容に応じて前記照明装置の点灯又は点滅を行わせ、当該警報器が警報中以外かつ前記照明装置が照明点灯中に前記通信手段にて前記操作指令が受信された場合には、前記照明装置を消灯させ、当該警報器が警報中以外かつ前記照明装置が照明消灯中に前記操作指令が受信された場合には、前記照明装置を点灯させ、当該警報器が警報中に前記通信手段にて前記操作指令が受信された場合には、当該警報器の警報処理のうち音声警報のみを停止させることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、当該警報器による前記照明装置に対する電源のオン又はオフの切り替え状態に基づいて前記照明装置の照明状態を判別し、当該判別した照明状態に応じて異なる感度で当該警報器に前記異常の検出を行わせることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、前記制御手段は、前記判別した照明状態が点灯状態の場合には、第1の感度で当該警報器に前記異常の検出を行わせ、前記判別した照明状態が消灯状態の場合には、前記第1の感度よりも高い第2の感度で当該警報器に前記異常の検出を行わせることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記制御手段は、前記判別した照明状態が点灯状態の場合には、第1の音量で当該警報器に警報を行わせ、前記判別した照明状態が消灯状態の場合には、前記第1の音量よりも大きい第2の音量で当該警報器に警報を行わせることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項4に記載の発明において、前記制御手段は、前記判別した照明状態が点灯状態の場合には、前記照明装置を点滅させ、前記判別した照明状態が消灯状態の場合には、前記照明装置を点灯させることを特徴とする。
請求項の発明によれば、警報器本体と通信によって接続される入出力装置(いわゆるリモコン)を介して警報器に係る入出力を行うので、利用者は警報器に対して容易に操作入力を行うことが可能になり、また、利用者は警報器による報知出力を容易に認識することが可能になる。
た、利用者はリモコン上の操作入力を通じて、警報器の動作オンオフ、検出感度設定、試験開始、警報停止、照明装置の制御などを簡単かつ迅速に実行することが可能になる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る警報器および警報器用入出力装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る警報器を用いた警報システムを実施例として、本実施例に係る警報システムの概要および特徴を説明した後に、当該警報システムのリモコンおよび警報器の構成、警報器による処理を順に説明し、最後に本実施例に対する種々の変形例を説明する。
[1:警報システムの概要および特徴]
まず最初に、図1を用いて、本実施例に係る警報システムの概要および特徴を説明する。図1は、本実施例に係る警報システムの全体構成を示す図である。
本実施例に係る警報システムは、一般住宅の台所や寝室、リビングのほか、オフィスの一室など、比較的に小さな監視領域を対象にして形成され、監視領域で発生する火災(煙)を検出して警報を発する煙検知の警報システムである。具体的には、図1に示すように、AC100Vの電気配線1、照明スイッチ2aのスイッチボックス2およびシーリングローゼット3が設置されている監視領域において、さらに、照明器具4と、リモコン10と、警報器20とを備えて構成される。
そして、かかる警報システムは、以下で簡単に説明するように、(1)警報器20に対する容易な操作入力、(2)照明状態に応じた検出処理、(3)警報器20の機能不全の防止、などの主たる特徴を有する。なお、リモコン10は特許請求の範囲に記載の「警報器用入出力装置」および「入出力媒体」に対応する。
(1)警報器に対する容易な操作入力
図1に示した警報システムにおいて、リモコン10は、警報器20に対して所定の情報を入力するとともに、警報器20に係る所定の情報を出力する。すなわち、リモコン10は、照明器具4のオンオフ(点灯消滅)、試験開始、音声警報停止の操作指令を利用者からボタンを介して受け付けて、かかる操作指令を警報器20に対して送信する(図2参照)。そして、警報器20は、リモコン10から受信した操作指令に応じて、照明器具4のオンオフ(点灯消滅)、試験開始、音声警報停止を行う。
その一方、警報器20は、現在の検出値(煙濃度)、現在の設定感度(低感度、高感度)、現在の照明状態に係る情報を所定のタイミングでリモコン10に送信するとともに、火災検出時には火災を検出した旨の状態情報(火災警報)をリモコン10に送信する。そして、リモコン10では、かかる状態情報を受信して、これらを表示部に出力する(図5参照)。
このようなことから、図1に示した警報システムでは、警報器20本体と通信によって接続されるリモコン10を介して警報器20に係る入出力を行うので、利用者は警報器20に対して容易に操作入力を行うことが可能になり、また、利用者は警報器20による報知出力を容易に認識することが可能になる。
(2)照明状態に応じた検出処理
図1に示した警報システムおいて、警報器20は、監視領域で想定される複数の照明状態(すなわち、照明器具4の点灯状態および消灯状態)ごとに定められた検出処理内容を記憶する。つまり、照明器具4が点灯している場合には利用者が活動中である可能性が高く、照明器具4が消灯している場合には利用者が就寝中である可能性が高いなど、監視領域の照明状態から利用者の状況を想定して定められた検出感度を記憶する(図8参照)。
そして、警報器20は、監視領域における照明状態がいずれであるかを常に判別した上で、照明器具4の点灯時には低感度検出を行い、照明器具4の消灯時には高感度検出を行う。このようなことから、図1に示した警報システムでは、利用者が活動中であれば誤発報を防止すべく低感度で検出を行い、利用者が就寝中であれば早期発報を実現すべく低感度で検出を行うなど、監視領域に居る利用者の状況を考慮した多様性ある検出処理を行うことが可能になる。
(3)警報器の機能不全の防止
図1に示した警報システムにおいて、警報器20は、監視領域の天井面に既設のシーリングローゼット3に接続され、かかるシーリングローゼット3を介して動力源としての電源を機器内に入力する(図3参照)。また、警報器20には、監視領域を照らす照明器具4が接続され、シーリングローゼット3を介して入力された電源を照明器具4に出力するとともに、かかる電源出力を調整して照明器具4の照明状態を制御する(電源出力のオンオフによって点灯または消灯を切り替える)。さらに、警報器20は、かかる電源出力の調整によって制御された照明器具4の照明状態に基づいて、監視領域における照明状態を判別する。
このようなことから、図1に示した警報システムでは、シーリングローゼット3に敷設された電気配線1を介して簡単かつ確実に電源供給を受けるので、警報器20に電源を供給するためのプラグが利用者によってコンセントから抜かれるといった危険性はなく、警報器20の意図的な機能不全を防止することが可能になる。また、シーリングローゼット3と照明器具4との間に警報器20本体が接続されるとともに、警報器20に電源を供給するための電気配線として天井面や壁面の裏にある既存の電気配線1を用いるので、監視領域のレイアウトに変更を生じさせることなく警報器20を設置することが可能になる。
さらに、警報器20は監視領域で発生した異常を検出して警報を行うだけでなく、監視領域の照明状態(照明器具4)の制御も行うので、ユーザにおける警報器導入のインセンティブを照明制御の機能面からも刺激して、一般家庭にも警報器20を広く導入・普及させることが可能になる。なお、警報器20本体に接続される照明器具4への電源出力を調整して監視領域の照明状態を制御するので、監視領域の照明状態を的確に判別して適切な検出処理を行うことも可能になる。
[2:リモコンの構成]
次に、図2や図4を用いて、図1に示したリモコン10の構成を説明する。図2は、図1に示したリモコン10の外観構成を示す外観図であり、図4は、かかるリモコン10の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、リモコン10の外観は、掌サイズの平板型の筐体(本体)として形成され、その上部には警報器20と通信を行うための送受信部13を備える。また、筐体表側の下部には操作指令を受け付けるためのボタン11を備え、さらに、その上部には状態表示を行うための表示部12を備える。なお、筐体表側のボタン11近辺には、操作指令の内容を示す文字(「照明(短)/試験(長)」や「警報停止」)が記されている。
そして、かかるリモコン10の内部は、図4に示すように、ボタン11と、表示部12と、送受信部13と、制御部14(受信制御部14aおよび送信制御部14b)と、電池15とを備える。なお、ボタン11は特許請求の範囲に記載の「受付手段」に対応し、受信制御部14aおよび送受信部13は同じく「受信手段」に対応し、送信制御部14bおよび送受信部13は同じく「送信手段」に対応し、表示部12は同じく「出力手段」に対応する。
このうち、電池15は、リモコン10の動力源であり、例えば、交換可能なコイン型のリチウム電池などが用いられる。また、ボタン11は、警報器20を操作するための操作指令を受け付ける受付手段であり、具体的には、照明器具4のオンオフ(点灯消滅)、試験開始、音声警報停止の操作指令を利用者から一つのボタン11によって受け付ける。すなわち、照明器具4のオンオフ(点灯消滅)および音声警報停止の操作指令についてはボタン11の短押しによって受け付け、試験開始の操作指令についてボタン11の長押しによって受け付ける。
送信制御部14bは、ボタン11によって受け付けた操作指令を送受信部13から警報器20に対して送信する処理部である。具体的には、ボタン11が短押しされた場合には、照明オンオフ/音声警報停止の操作指令信号(操作指令コード1)を生成し、これを送受信部13から送信する。一方、ボタン11が長押しされた場合には、試験開始の操作指令信号(操作指令コード2)を生成し、これを送受信部13から送信する。
なお、操作指令コードを受信した警報器20では、操作指令コードを解読して操作指令の内容を判別する。この際、上記の操作指令コード1については、照明オン、照明オフ、音声警報停止のいずれであるかを判別する必要があるが、警報器20では、同一信号である操作指令コード1を受信した状況に応じて操作指令の内容を判別する。すなわち、警報中に受信すれば、音声警報停止と判別し、警報中以外かつ照明点灯中に受信すれば、照明オフと判別し、警報中以外かつ照明消灯中に受信すれば、照明オンと判別する。
送受信部13は、警報器20と通信を行う通信手段である。具体的には、操作指令を送信する場合には、送信制御部14bによって生成された操作指令コードを増幅し、これを赤外線発光ダイオードから赤外線信号として発射(送信)する。一方、状態情報を受信する場合には、警報器20から赤外線信号として発信された状態情報に係る信号(状態情報コード)をピンフォトダイオードで受信し、これを電気信号に戻して受信制御部14aに受け渡す。
受信制御部14aは、状態情報コードを解読して状態情報の内容を判別し、判別した状態情報を表示部12に表示するように制御する処理部である。具体的には、状態情報コードを解読するためのコードテーブルを参照し、現在の検出値(煙濃度)、現在の設定感度、現在の照明状態、火災警報のいずれのコードを受信したかを判別するとともに、煙濃度については煙濃度のアナログ値、設定感度については低感度であるか高感度であるか、照明状態については点灯状態であるか消灯状態であるかをそれぞれ判別する。
表示部12は、警報器20から受信した状態情報を出力する出力手段であり、例えば、液晶画面などで構成される。具体的には、図5に例示するように、受信制御部14aの制御によって、画面下部に現在時刻を表示するとともに、画面上部左側に火災発報の有無(火災を検出した旨の状態情報を警報器20から受信した場合に「炎マーク」を点灯表示する。)、画面上部中央に照明器具4の現在の照明状態(照明点灯中は「お日様マーク」を点灯表示する。)、画面上部左側に現在の設定感度(低感度か高感度かに応じた位置の「三角マーク」を点灯表示する。)および現在の検出値(煙濃度のアナログ出力値をバー形式で点灯表示する。)をそれぞれ表示出力する。
上述してきたリモコン10によれば、利用者は警報器20に対する操作入力(照明器具4の点灯消滅、試験開始、音声警報停止の操作指令など)を容易に行うことが可能になり、また、利用者は警報器20による報知出力(現在の煙濃度、現在の設定感度、現在の照明状態、火災警報の有無)を容易に認識することが可能になる。
また、リモコン10によれば、ボタン11の短押しであれば照明器具4の制御、ボタン11の長押しであれば試験開始といった具合に、一つのボタン11が長押しされたか短押しされたかで操作指令の内容を判別するので、リモコン10に操作指令の数だけ操作ボタン等を設ける必要がなく、リモコン10を簡易な構成にすることが可能になる。
さらに、リモコン10によれば、同一の操作指令コードであっても、照明点灯時の信号受信であれば照明消灯、照明消灯時の信号受信であれば照明点灯といった具合に、警報器20側で操作指令を受信した際の状況に応じて操作指令の内容を判別するので、リモコン10に操作指令の数だけボタン11を設ける必要がなく、リモコン10を簡易な構成にすることが可能になる。
なお、環境保護の一環として省電力の観点から照明器具4をこまめに入切することが望まれる近年では、リモコン10によって照明器具4の制御を容易に行えることは効果が大きいと考えられる。
[3:警報器の構成]
続いて、図3および図6を用いて、図1に示した警報器20の構成を説明する。図3は、図1に示した警報器20の外観構成を示す外観図であり、図6は、かかる警報器20の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、警報器20の外観は、円盤状の筐体(上部筐体)から下方向に皿状の筐体(下部筐体)が隆起して形成される。そして、上部筐体の上面にはシーリングローゼット3に引っ掛けるための引掛栓21を備える。
また、上部筐体の側面(円周面)には、リモコン10と通信を行うためのリモコン送受信部26と、警報を出力するためのスピーカ24とを全方向に渡って複数備える。なお、これらを全方向に備える意義は、全方向で通信を可能にするためと、全方向に警報を出力するためである。
一方、警報器20の下部筐体には、警報を出力するための表示灯25と、火災によって発生した煙を流入するための火災検出部(煙流入口)23とを全方向に渡って複数備える。なお、これらを全方向に備える意義も、全方向に警報を出力するためと、全方向で火災を早期に発見可能にするためである。
さらに、下部筐体の下面には照明器具4のコンセントを差し込むための引掛型コンセント22を備える。なお、引掛栓21(シーリングローゼット3)と引掛型コンセント22とを同軸上に位置するように備える意義は、警報器20を室内でも違和感なく照明器具4の上に設置できるようにするためである。
そして、かかる警報器20の内部は、図6に示すように、火災検出部23と、リモコン送受信部26と、制御部30と、記憶部31と、表示出力部32と、音声出力部33と、電源入力部34と、電源出力部35とを備える。
このうち、火災検出部23は、監視領域における火災の発生を検出する検出手段である。具体的には、赤外線LEDおよびフォトダイオードを用いて火災時に発生する煙の濃度を検出し、その数値からなる検出信号を制御部30に受け渡す。なお、煙濃度の感知手法は、必ずしも光電式感知に限定されるものではなく、いわゆるイオン化式感知などの他手法を任意に採用してもよい。
スピーカ24は、音声出力部33の制御に基づいて警報メッセージやブザー音を監視領域に出力することによって、警報器20による火災検出状態を周囲に報知する手段である。そして、音声出力部33は、制御部30からの指示に応じて、火災検出時にスピーカ24を介して警報メッセージやブザー音を出力する処理部である。
表示灯25は、表示出力部32の制御に基づいて点灯または点滅することによって、警報器20による火災検出状態を周囲に報知する赤色LEDなどの表示灯手段である。そして、表示出力部32は、制御部30からの指示に応じて、表示灯25を点灯または点滅させる処理部である。
リモコン送受信部26は、リモコン10と通信を行う通信手段である。具体的には、操作指令コードを受信する場合には、リモコン10から赤外線信号として発信された操作指令コードをピンフォトダイオードで受信し、これを電気信号に戻して制御部30(受信制御部30b)に受け渡す。一方、状態情報を送信する場合には、制御部30(送信制御部30c)によって生成された状態情報コードを増幅し、これを赤外線発光ダイオードから赤外線信号として発射(送信)する。
電源入力部34は、シーリングローゼット3に接続され、電気配線を介して警報器20内に動力源としての電源を入力する手段であり、図3に例示した引掛栓21に対応する。なお、電源入力部34から先には、シーリングローゼット3および電気配線1を介してスイッチボックス2があるが、このスイッチボックス2に設けられた照明スイッチ2aのオンオフによって、警報器20(さらには照明器具4)への電力供給がオンオフされる。
電源出力部35は、照明器具4に接続され、電源入力部34から警報器20内に入力された電源を照明器具4に出力する手段であり、図3に例示した引掛型コンセント22に対応する。また、電源出力部35は、制御部30からの指示に応じて電源出力の調整(電源入または電源切)を行って、照明器具4の点灯・消灯を切り替える。
記憶部31は、制御部30による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する格納手段(記憶手段)であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図7および図8に例示するように、各種の処理実行条件と実行処理内容とを対応付けた処理用テーブルを備える。
より具体的には、図7に例示する処理用テーブルは、照明スイッチ2aおよびリモコン10のボタン11における操作状態などに応じて、警報器20が、照明器具4の照明状態制御、検出処理、警報処理、試験処理として、如何なる処理を実行するかを規定したものである。なお、具体的な処理内容は後にそれぞれ詳述する。
また、図8に例示する処理用テーブルは、照明スイッチ2aおよび照明器具4の状態に応じて、警報器20が如何なる検出処理および警報処理を実行するかを規定したものである。なお、これについても具体的な処理内容は後に詳述する。
制御部30は、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、状態監視部30aと、受信制御部30bと、送信制御部30cと、照明制御部30dと、検出処理部30eと、警報処理部30fとを備える。
このうち、状態監視部30aは、警報器20に関する各種の状態を監視・判別する処理部である。具体的には、照明スイッチ2aの操作状態(電源入力部34は電源を入力しているか等)、リモコン10の操作状態(受信制御部30bは如何なる内容の操作指令を受信しているか等)、照明器具4の照明状態(電源出力部35は電源を出力しているか等)、検出処理の状態(検出処理部30eは低感度で検出中であるか等)、警報処理の状態(警報処理部30fは待機中であるか警報中であるか等)を判別する。なお、警報器20は、かかる状態監視部30aによって判別された各種の状態と、記憶部31の処理用テーブル(図7や図8参照)に記憶された各種の処理実行条件とを参照して、条件を満足する場合に該当する処理を実行する。
受信制御部30bは、リモコン送受信部26を介してリモコン10から受信した操作指令コードを解読して操作指令の内容を判別する処理部である。具体的には、操作指令コードを解読するためのコードテーブルを参照し、照明オンオフ/音声警報停止の操作指令信号(操作指令コード1)、試験開始の操作指令信号(操作指令コード2)のいずれのコードを受信したかを判別するが、この際、操作指令コード1については、それを受信した状況に応じて、照明オン、照明オフ、音声警報停止のいずれであるかを判別する。すなわち、警報中に受信すれば、音声警報停止と判別し、警報中以外かつ照明点灯中に受信すれば、照明オフと判別し、警報中以外かつ照明消灯中に受信すれば、照明オンと判別する。
送信制御部30cは、警報器20の状態情報をリモコン送受信部26からリモコン10に対して送信する処理部である。具体的には、所定の時間間隔(例えば1分ごと)、火災検出部23で検出された現在の検出値(煙濃度)に係る状態情報コードを生成し、これをリモコン送受信部26から送信する。また、状態監視部30aが監視する検出感度に変更が生じた場合には、変更後の検出感度(現在の設定感度)に係る状態情報コードを生成して送信する。また、状態監視部30aが監視する照明状態に変更が生じた場合には、変更後の照明状態(現在の照明状態)に係る状態情報コードを生成して送信する。さらに、状態監視部30aが監視する警報状態に変更が生じた(待機中から警報中になった)場合には、火災警報に係る状態情報コードを生成して送信する。
照明制御部30dは、電源出力部35による電源出力を調整して照明器具4の照明状態を制御する処理部である。具体的には、電源出力部35に対して電源入または電源切を行って、照明器具4の点灯・消灯を切り替えるが、例えば、照明スイッチ2aがOFF状態からON状態に切り替えられた場合には、電源出力部35に対して電源入を行って照明器具4を点灯させる(図7の(2)参照)。そして、照明スイッチ2aのON状態では、リモコン10のボタン11操作に応じて、照明オフの操作指令(点灯時におけるボタン11の短押し)があれば、照明器具4を点灯状態から消灯させる一方、照明オンの操作指令(消灯時におけるボタン11の短押し)があれば、照明器具4を消灯状態から点灯させる(図7の(3)および(4)参照)。なお、照明スイッチ2aがON状態からOFF状態に切り替えられた場合には、警報器20への電源供給自体が停止されるので、照明器具4は無条件で消灯状態になる(図7の(7)参照)。
検出処理部30eは、火災検出部23から入力された検出信号(煙濃度)に基づいて火災の有無を判断する処理部である。具体的には、火災検出部23から煙濃度が入力された場合に、これを処理用テーブル(図8参照)に記憶された閾値濃度と比較することによって、火災発生の有無を判断し、火災が発生したと判断すると、警報処理部30fに火災信号を出力する。
より詳細には、検出処理部30eは、図8に例示するように、照明器具4の照明状態に応じて、異なる閾値濃度を用いて火災発生の有無を判断する。すなわち、同図に示すように、照明スイッチ2aがON状態にあって照明器具4が点灯している場合には、低感度検出モードとして、周囲の煙濃度が10(%/m)以上に達したか否かを判定する。その一方、照明スイッチ2aがON状態にあって照明器具4が消灯している場合には、高感度検出モードとして、周囲の煙濃度が6(%/m)以上に達したか否かを判定する(図8の(2)および(3)参照)。なお、照明スイッチ2aがOFF状態にある場合には、警報器20への電源供給自体が停止されるので、検出処理も停止される(同図の(1)参照)。
また、検出処理部30eは、照明スイッチ2aがOFF状態からON状態に切り替えられた場合には起動試験を実行し、また、試験開始の操作指令コードをリモコン10から受信した場合には通常試験を実行する。具体的には、いずれの場合も、試験信号(火災検出部23の検出信号に類似した信号)を生成し、この試験信号に基づいて火災発生の有無を擬似的に判断し、火災が発生したと判断した場合には、正常に作動し得ることを示す意味で警報信号を警報処理部30fに出力する。
警報処理部30fは、検出処理部30eからの火災信号に基づいて火災発生の警報を行う処理部である。具体的には、検出処理部30eから火災信号が入力された場合に、処理用テーブルに記憶された警報処理内容を実行するように、表示出力部32、音声出力部33および照明制御部30dに指示を与えることで、所定の音声メッセージおよびブザー音をスピーカ24から出力するとともに、表示灯25を点滅させ、さらに照明器具4を点灯または点滅させる。
より詳細には、警報処理部30fは、図8に例示するように、照明器具4の照明状態に応じて(検出処理部30eの感度検出モードに応じて)、異なる警報処理内容で火災発生の警報を行う。すなわち、同図に示すように、低感度検出モードでは、緑色点滅で待機していた表示灯25を赤色点滅に切り替えるとともに、「ウーウー 火事です 火事です」という警報メッセージ付きの警報音を75dbでスピーカ24から出力し、さらに点灯状態にあった照明器具4を所定間隔で点滅させる(図8の(2)参照)。その一方、高感度検出モードでは、黄色点滅で待機していた表示灯25を赤色点滅に切り替えるとともに、「ウーウー 火事です 火事です」という警報メッセージ付きの警報音を90dbでスピーカ24から出力し、さらに消灯状態にあった照明器具4を点灯させる(図8の(3)参照)。なお、照明スイッチ2aがOFF状態にある場合には、警報器20への電源供給自体が停止されるので、警報処理も停止される(同図の(1)参照)。
また、警報処理部30fは、検出処理部30eによる起動試験および通常試験の実行に応じて、正常に作動し得ることを示す警報信号が検出処理部30eから入力された場合には、正常に作動し得ることを報知する意味で、表示灯25を数秒間に渡って赤色点滅させるとともに、「ウーウー 試験です 試験です」というメッセージ音を数秒間に渡ってスピーカ24から出力する。なお、かかる報知によって、利用者は警報器20が正常に機能している旨を確認することができる。
上述してきた警報器20によれば、利用者が活動中であれば誤発報を防止すべく低感度で検出を行い、利用者が就寝中であれば早期発報を実現すべく低感度で検出を行うなど、監視領域に居る利用者の状況を考慮した多様性ある検出処理を行うことが可能になる。
また、警報器20によれば、警報器20に電源を供給するためのプラグが利用者によってコンセントから抜かれるといった危険性はなく、警報器20の意図的な機能不全を防止することが可能になる。また、監視領域のレイアウトに変更を生じさせることなく警報器20を設置することが可能になる。さらに、ユーザにおける警報器導入のインセンティブを照明制御の機能面からも刺激して、一般家庭にも警報器20を広く導入・普及させることが可能になる。なお、監視領域の照明状態を的確に判別して適切な検出処理を行うことも可能になる。
また、警報器20によれば、監視領域の照明状態から利用者の状況を想定して定められた警報処理内容も機動的に実行するので、例えば、照明消灯時には照明点灯時よりも大音量の警報を出力するなど、監視領域に居る利用者の状況を考慮した多様性ある警報処理を行うことも可能になる。
また、警報器20によれば、警報器20の表示灯25よりも広範囲を照らし、利用者において警報器20の表示灯25よりも気付き易い位置にある照明器具4を、いわゆる警報表示灯としても活用するので、利用者は警報出力を容易に認識することが可能になる。
さらに、警報器20によれば、消灯状態にある照明器具4を警報処理内容の一つとして点灯させるので、利用者は照明器具4の照明を頼りに監視領域の状況確認を迅速に行うことが可能になる。その一方、点灯状態にある照明器具4を警報処理内容の一つとして点滅させるので、利用者は警報出力を確実に認識することが可能になる。
[4:利用者操作に伴う各種処理]
次に、図7を用いて、警報器20による処理のうち、利用者の操作に伴って実行される処理を説明する。利用者が操作する対象としては、照明スイッチ2aとリモコン10のボタン11とがあるが、照明スイッチ2aがOFF状態にある場合には、警報器20への電源供給自体が停止されるので、警報器20はリモコン10の操作にも反応せず、照明器具4は消灯状態にあり、警報器20による処理(検出処理、警報処理、試験処理など)は何ら実行されない状態にある(図7の(1)参照)。
ここで、照明スイッチ2aがOFF状態からON状態に切り替えられた場合には、警報器20は、照明器具4を点灯させるとともに起動試験を実行し、その後、低感度検出モードで検出処理を開始する(図7の(2)参照)。
そして、照明スイッチ2aのON状態では、警報器20は、リモコン10のボタン11操作に応じて、照明オフの操作指令(点灯時におけるボタン11の短押し)があれば、照明器具4を点灯状態から消灯させるとともに、低感度検出モードから高感度検出モードに切り替えて検出処理を実行する(図7の(3)参照)。その一方、照明スイッチ2aのON状態で、照明オンの操作指令(消灯時におけるボタン11の短押し)があれば、警報器20は、照明器具4を消灯状態から点灯させるとともに、高感度検出モードから低感度検出モードに切り替えて検出処理を実行する(図7の(4)参照)。
また、照明スイッチ2aがON状態にあり、照明器具4の照明状態にかかわらず、警報処理による警報出力が開始された状態において、音声警報停止の操作指令(警報出力時におけるボタン11の短押し)があれば、警報器20は、警報処理のうち音声警報のみを停止させる(図7の(5)参照)。つまり、スピーカ24から出力されていたメッセージ音は停止させるが、表示灯25の赤色点滅は維持する。なお、照明器具4については点灯中であれば点灯を維持し、点滅中であれば点滅を停止して点灯に切り替える。これは、照明器具4の点滅は利用者に警報出力を確実に認識させるためのものであり、音声警報停止の操作指令後に点滅させておく必要性は低いからである。
さらに、照明スイッチ2aがON状態にあり、照明器具4の照明状態にかかわらず、警報処理が待機中である状態において、試験開始の操作指令(ボタン11の長押し)があれば、警報器20は、通常試験を実行する(図7の(6)参照)。
そして、照明スイッチ2aがON状態からOFF状態に切り替えられた場合には、警報器20への電源供給自体が停止されるので、警報器20はリモコン10の操作にも反応せず、照明器具4は無条件で消灯状態になり、警報器20による処理(検出処理、警報処理、試験処理など)は何ら実行されない停止状態になる(図7の(7)参照)。つまり、利用者は長期外出などの理由で監視が不要になった場合には、照明スイッチ2aをOFF状態にすることで、警報器20への電源供給を容易に遮断することができ、これによって簡易に省電力化を図ることもできる。
[5:検出警報処理]
続いて、図9を用いて、警報器20による検出処理および警報処理を説明する。図9は、警報器20による検出処理および警報処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示すように、警報器20では、火災検出部23による検出値(煙濃度)が制御部30に入力されると(ステップS901肯定)、この検出値に係る状態情報コードを生成し、これをリモコン送受信部26からリモコン10に送信する(ステップS902)。また、警報器20は、検出値が処理用テーブルに記憶されている閾値濃度を超えたか否かを判定する(ステップS903)。
具体的には、図8に例示したように、照明スイッチ2aがON状態にあって照明器具4が点灯している場合には、低感度検出モードとして、周囲の煙濃度が10(%/m)以上に達したか否かを判定する。一方、照明スイッチ2aがON状態にあって照明器具4が消灯している場合には、高感度検出モードとして、周囲の煙濃度が6(%/m)以上に達したか否かを判定する(図8の(2)および(3)参照)。
そして、検出値が閾値濃度を超えていなかった場合には(ステップS903否定)、警報器20は、上記のステップS901の処理に戻って次の検出値の入力を待つ(ステップS901)。これとは反対に、検出値が閾値濃度を超えていた場合には(ステップS903肯定)、警報器20は警報処理を実行する(ステップS904)。
具体的には、図8に例示したように、低感度検出モードでは、表示灯25を赤色点滅に切り替えるとともに、「ウーウー 火事です 火事です」という警報メッセージ付きの警報音を75dbでスピーカ24から出力し、照明器具4を所定間隔で点滅させる(図8の(2)参照)。その一方、高感度検出モードでは、表示灯25を赤色点滅に切り替えるとともに、「ウーウー 火事です 火事です」という警報メッセージ付きの警報音を90dbでスピーカ24から出力し、照明器具4を点灯させる(図8の(3)参照)。
このようにして警報出力中になった後、音声警報停止の操作指令(リモコン10におけるボタン11の短押し)をリモコン10から受信した場合には(ステップS905肯定)、警報器20は、警報処理のうち音声警報のみを停止させる(ステップS906)。つまり、スピーカ24から出力されていたメッセージ音を停止させる。
その後、音声警報停止は所定時間保持され、かかる所定時間が経過すると(ステップS907肯定)、警報器20は、上記のステップS901の処理に戻って次の検出値の入力を待つ(ステップS901)。つまり、音声警報停止が永久に維持されるのではなく、所定時間後に監視を再開し、その後再び火災を検知すれば、同様に警報処理を行う。なお、警報が誤報であった場合には、利用者は照明スイッチ2aを一旦OFF状態にしてからON状態に切り替える操作を行えば、警報器20の機能復旧が図られる。
[6:他の実施例]
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に示すように、(1)他のシステム構成、(2)他のリモコン、(3)他の照明状態、(4)他の処理内容、(5)他の検出手法、(6)他の警報器、(7)その他、にそれぞれ区分けして他の実施例を説明する。
(1)他のシステム構成
例えば、本実施例では、天井に既設されたシーリングローゼット3に警報器20を接続する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、天井以外(例えば、壁面)に既設されている照明用ローゼットに警報器20を接続するようにしてもよい。
また、本実施例では、シーリングローゼット3と警報器20とを別個に構成する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、両者を一体に構成し、警報器20の機能が付加されたシーリングローゼット3として利用者に提供するようにしてもよい。
また、本実施例では、シーリングローゼット3に本発明を適用した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図10に例示するように、スイッチボックス2に本発明を適用するようにしてもよい。すなわち、この場合には、図11に例示するように、スイッチボックス2に収容される筐体本体として警報器20を構成し、この警報器20から照明器具4の照明状態を制御することになるが、警報器20には、照明スイッチ2aのオンオフ状態にかかわらず、電気配線から電源が直接供給される。
また、本実施例では、スイッチボックス2に照明スイッチ2aがある場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スイッチボックス2から照明スイッチ2aを排除し(照明スイッチ2aがOFF状態になることを防止し)、照明スイッチ2aが常にON状態になっているような環境にしてもよい。この場合には、停電や断線などのトラブルがない限り、警報器20に電源が常に供給されることになる。
また、上記のように、警報器20に電源が常に供給されるようにした場合には、停電や断線などのトラブルで電源供給が停止された際に用いるバックアップ電源を、警報器20が備えるようにしてもよい。そして、このようなバックアップ電源を備える場合には、バッテリー残量をリモコン10に送信して表示させたり、バッテリー残量が少なくなるとバッテリー異常警報をリモコン10に送信して表示させるなどしてもよい。さらに、このようなバックアップ電源としては、電気配線1から電源を充電する方式を採用してもよい。
(2)他のリモコン
また、本実施例では、一つのボタン11で操作指令を受け付ける場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図12に例示するように、複数のボタン(照明ボタン11aおよび感知器ボタン11b)で操作指令を受け付けるようにしてもよい。なお、図12に例示する場合には、照明ボタン11aの押下で照明器具4のオンオフが切り替わり、感知器ボタン11bの押下で音声警報停止若しくは通常試験実行が行われる(図13参照)。
また、本実施例では、照明器具4の点灯消滅、試験開始、音声警報停止の操作指令などをリモコン10で行う場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、警報器20の動作オンオフ(監視機能オンオフ)など、他の操作指令を行うようにしてもよい。
すなわち、警報器20の監視機能オンオフをリモコン10から操作可能にする場合には、上記の実施例とは異なり、照明器具4の動作と警報器20の動作とがそれぞれ独立して行われる(警報器20は照明器具4の照明状態とは無関係に検出処理および警報処理を実行する)ので、図12に例示したリモコン10の照明ボタン11aは、照明器具4の点灯/消灯を操作するためのボタンとして機能し(図14参照)、感知器ボタン11bは、照明器具4の状態とは無関係に、警報器20による監視処理(検出処理および検出処理)の動作/停止を操作するためのボタンとして機能する(図15参照)。これによれば、警報器20の機能を照明状態とは無関係にオンオフしたい利用者を満足させることができる。
また、これと同様の観点から、警報器20による監視処理の動作/停止を操作可能にするだけでなく、警報器20の検出感度(検出モード)をも操作可能にするようにしてもよい。すなわち、図15に例示するように、感知器ボタン11bの押下に応じて、警報器20では「停止(検出処理の停止)→低感度(低感度検出モードの処理実行)→高感度(高感度検出モードの処理実行)」を順に行うようにしてもよい。なお、この場合には、警報器20の表示灯25を「停止(消灯)→低感度(黄色点滅)→高感度(緑色点滅)」といった具合に変化させてもよく、これによれば、利用者は現在の動作状態(検出モードも含む。)を簡単に認識することができる。
また、上記したようなモード変更操作は、図17に例示するようなリモコン10において、モードボタン11bを押下することで行うようにしてもよい。さらに、図17に例示するように、リモコン10に複数の選択ボタン11cおよび決定ボタン11dを設けることによって、例えば、検出感度の閾値そのものを利用者に操作設定させるなど、より複雑な操作指令を受け付けることができるようにしてもよい。
また、本実施例では、警報器20とは本来的には無関係の照明器具4もリモコン10で操作する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、警報器20の機能のみをリモコン10で操作できるようにしてもよい。
また、本実施例では、現在の煙濃度、現在の設定感度、現在の照明状態、火災警報の有無をリモコン10で表示する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図18に例示するように、火災検知部23の汚れ具合、バッテリー内蔵型におけるバッテリー残量など、他の状態情報を表示するようにしてもよい。なお、図18に例示する煙濃度のバー形式表示上では設定感度が表示されるので、現在の煙のない時の濃度値を比較しつつ最適な感度に設定変更することもできる。
また、本実施例では、ボタン11を介して操作指令を受け付ける場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スイッチレバーや、ダイヤルスイッチ、タッチパネルなど、他の受付手段を介して操作指令を受け付けるようにしてもよい。
また、本実施例では、液晶画面としての表示部11に状態情報を表示出力する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、LEDを点滅点灯させたり、スピーカからメッセージを出力したりなど、他の出力手段を介して状態情報を出力するようにしてもよい。
また、本実施例では、リモコン10が赤外線によって警報器20と通信を行う場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電波、微弱電波、超音波、さらにはワイヤード式など、他の方式で通信を行うようにしてもよい。
(3)他の照明状態
例えば、本実施例では、照明器具4の照明状態として点灯状態と消灯状態を想定した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、点灯状態が段階的に変化する場合にも同様に適用することができる。つまり、この場合には、「消灯状態、第一点灯状態、第二点灯状態、第三点灯状態・・・」といった具合に、複数の照明状態ごとに定められた検出処理(高感度から低感度まで段階的に定められた感度による検出処理)を実行することになる。
また、上記のように点灯状態が段階的に変化する場合には、図5に例示したリモコン10の表示部12において、「お日様マーク」の周りにあるバー表示の数を照明状態の段階に対応付けて点灯表示するようにしてもよい。つまり、より照明状態が明るくなるにつれて、点灯表示されるバーの本数を増やすようにしてもよい。
(4)他の処理内容
上記の実施例で説明した検出処理および警報処理の内容(図8参照)はあくまでも例示であって、本発明はこれに限定されるものではなく、これとは異なる他の処理を行う場合でも、照明状態に応じて異なる検出処理内容若しくは警報処理内容を実行するものであれば本発明を同様に適用することができる。
すなわち、例を挙げれば、低感度検出モードでは、周囲の煙濃度が60秒の蓄積時間に渡って6(%/m)以上に達したか否かを判定し、高感度検出モードでは、周囲の煙濃度が10秒の蓄積時間に渡って6(%/m)以上に達したか否かを判定するなど、閾値ではなく蓄積時間を変えて検出処理を行うようにしてもよい。
なお、上記の実施例では、照明器具4の点灯状態で低感度検出モードを採用し、消灯状態で高感度検出モードを採用する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、照明器具4の点灯状態で高感度検出モードを採用し、消灯状態で低感度検出モードを採用するようにしてもよい。
(5)他の検出手法
上記の実施例では、火災によって生じる煙から火災を検出する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、火災によって生じる熱やCOから火災発生の有無を検出するなど、煙以外のファクタを代わりに(若しくは一緒に)用いて火災を検出するようにしてもよい。なお、煙と熱のANDによって火災発生を判断することで、誤報を防止するようにしてもよい。
これについて、例を挙げれば、熱感知式を採用する場合には、低感度検出モードでは、周囲の温度が60℃以上に達したか否かを判定し、高感度検出モードでは、周囲の温度が50℃以上に達したか否かを判定するなど、各モードで異なる閾値温度を用いて火災発生の検出処理を実行するようにしてもよい。
また、例を挙げれば、低感度検出モードでは、定温式の判定(周囲の温度が所定の温度以上に達したか否かを判定)を行い、高感度検出モードでは、差動式の判定(周囲の温度上昇率が所定の温度上昇率以上になったか否かを判定)を行って、火災発生の検出処理を実行するようにしてもよい。
さらに、例を挙げれば、低感度検出モードでは、定温式の判定を行い、高感度検出モードでは、補償式の判定(周囲の温度が所定の温度以上に達したか、若しくは、周囲の温度上昇率が所定の温度上昇率以上になったか否かを判定)を行って、火災発生の検出処理を実行するようにしてもよい。
(6)他の警報器
上記の実施例では、火災警報器に本発明を適用した場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、火災とガス漏れ(炭化水素ガス)を検出する警報器や、ガス漏れのみを検出する警報器などにも同様に適用することができる。
さらに、火災やガス漏れという異常を検出する警報器に本発明を適用する場合に限定されるものではなく、監視領域の異常(例えば、侵入など)に対して照明状態に応じた検出処理または警報処理を実行する(例えば、消灯時の侵入と点灯時の侵入とで異なる処理を実行する)警報器であれば、本発明を同様に適用することができる。
(7)その他
また、図4に示したリモコン10や図6に示した警報器20の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
さらに、警報器20にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現される必要は必ずしもなく、電気回路などによるハードウェアとして実現してもよい。
また、上記の実施例で説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(特に、処理用テーブルに規定した情報)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
なお、上記の実施例で説明した各種の処理方法(検出処理や警報処理などの方法)は、あらかじめ用意されたプログラムを警報器としてのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、警報器としてのコンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上のように、本発明に係る警報器および警報器用入出力装置は、警報器に対して所定の情報を入力するとともに、当該警報器に係る所定の情報を出力する場合に有用であり、特に、利用者が警報器に対して容易に操作入力を行うこと、並びに、利用者が警報器による報知出力を容易に認識することに適する。
本実施例に係る警報システムの全体構成を示す図である。 図1に示したリモコンの外観構成を示す外観図である。 図1に示した警報器の外観構成を示す外観図である。 リモコンの内部構成を示すブロック図である。 リモコンの表示部に表示される画面表示の構成例を示す図である。 警報器の内部構成を示すブロック図である。 警報器の処理用テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。 警報器の処理用テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。 警報器による検出処理および警報処理の流れを示すフローチャートである。 他の警報システムの概要および特徴を説明するための図である。 他の警報器の外観構成を示す外観図である。 他のリモコンの外観構成を示す外観図である。 他の警報器の処理用テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。 他の警報器の処理用テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。 他の警報器の処理用テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。 他の警報器の処理用テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。 他のリモコンの外観構成を示す外観図である。 他のリモコンの表示部に表示される画面表示の構成例を示す図である。
符号の説明
1 電気配線
2 スイッチボックス
2a 照明スイッチ
3 シーリングローゼット
4 照明器具
10 リモコン
11 ボタン
12 表示部
13 送受信部
20 警報器
21 引掛栓
22 引掛型コンセント
23 火災検出部
24 スピーカ
25 表示灯
26 リモコン送受信部
30 制御部
30a 状態監視部
30b 受信制御部
30c 送信制御部
30d 照明制御部
30e 検出処理部
30f 警報処理部
31 記憶部
32 表示出力部
33 音声出力部
34 電源入力部
35 電源出力部

Claims (5)

  1. 監視領域で発生した異常を検出して警報を行う警報器であって、
    当該警報器は照明装置と電気的に接続され、
    当該警報器および前記照明装置を操作するための操作指令を当該警報器に対して送信する送信手段を備えた警報器用入出力装置から、当該操作指令を受信する通信手段と、
    前記通信手段にて受信した前記操作指令に基づいて、当該警報器、および前記照明装置の制御を行う制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記監視領域で発生した異常を検出した際の前記照明装置の照明状態を判別し、当該判別した照明状態に応じて異なる警報処理内容で当該警報器に警報を行わせると共に、当該警報処理内容に応じて前記照明装置の点灯又は点滅を行わせ、
    当該警報器が警報中以外かつ前記照明装置が照明点灯中に前記通信手段にて前記操作指令が受信された場合には、前記照明装置を消灯させ、
    当該警報器が警報中以外かつ前記照明装置が照明消灯中に前記操作指令が受信された場合には、前記照明装置を点灯させ、
    当該警報器が警報中に前記通信手段にて前記操作指令が受信された場合には、当該警報器の警報処理のうち音声警報のみを停止させること、
    を特徴とする警報器。
  2. 前記制御手段は、
    当該警報器による前記照明装置に対する電源のオン又はオフの切り替え状態に基づいて前記照明装置の照明状態を判別し、当該判別した照明状態に応じて異なる感度で当該警報器に前記異常の検出を行わせること、
    を特徴とする請求項1に記載の警報器。
  3. 前記制御手段は、
    前記判別した照明状態が点灯状態の場合には、第1の感度で当該警報器に前記異常の検出を行わせ、
    前記判別した照明状態が消灯状態の場合には、前記第1の感度よりも高い第2の感度で当該警報器に前記異常の検出を行わせること、
    を特徴とする請求項2に記載の警報器。
  4. 前記制御手段は、
    前記判別した照明状態が点灯状態の場合には、第1の音量で当該警報器に警報を行わせ、
    前記判別した照明状態が消灯状態の場合には、前記第1の音量よりも大きい第2の音量で当該警報器に警報を行わせること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の警報器。
  5. 前記制御手段は、
    前記判別した照明状態が点灯状態の場合には、前記照明装置を点滅させ、
    前記判別した照明状態が消灯状態の場合には、前記照明装置を点灯させること、
    を特徴とする請求項4に記載の警報器。
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