図1は住宅において本発明による警報システムを適用した場合の設置状態を例示した説明図である。図1の例にあっては、住宅24に設けられている台所、居間、子供部屋、主寝室、階段室のそれぞれの警戒エリアに火災を検知して警報する無線式の住警器(住宅用火災警報器)10−1〜10−6(区別せず総称する場合には「住警器10」という場合がある)が設置され、また台所には無線式の発信機100が設置されている。発信機100は例えば半固定の壁掛け設置としており、必要な場合には取り外して持ち運ぶことができる。
更に、寝室、階段室及び廊下には照明装置200−1〜200−3(区別せず総称する場合には「照明装置200」という場合がある)が設置され、寝室には照明装置200に対して照明制御を指示操作する可搬型のリモコン装置300が設けられており、リモコン装置300は持ち運んで適宜の場所で使用できる。勿論、リモコン装置300は照明装置200−1〜200−3毎に設けても良い。
住警器10は、火災等の連動信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅各所の、それぞれ対応する監視領域について火災監視を行っている。いま住宅24の台所で万一、火災が発生したとすると、火災発生場所(台所)の住警器10−1が火災を検知して警報を開始する。この火災を検知して警報を開始することを、住警器における「発報」という。
住警器10−1が発報するとき、住警器10−1は連動元として機能し、連動先となる他の住警器10−2〜10−6に対し、火災連動信号を無線により送信する。他の住警器10−2〜10−6は、連動元の住警器10−1からの火災連動信号を有効受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。
ここで有効受信とは、受信した連動信号に含まれるグループ符号がメモリに登録しているグループ符号に一致した場合、つまり受信した連動信号が自己の属する連動グループ内の信号である場合(且つ信号の内容を正常に認識できた場合)に、このイベント信号を有効受信したという。なお、以下の説明にあっては、有効受信を単に受信して説明する。
住警器10から送信する火災連動信号には、送信元の住警器を示す識別情報として例えば送信元符号が含まれている。また火災連動信号を有効受信した住警器は必要に応じ火災連動信号の中継送信を行う。
連動元となった住警器10−1の警報動作としては、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった警報音とメッセージを含む所定パターンの警報音を出力する。一方、連動先の住警器10−2〜10−6にあっては、「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力する。
このような火災警報音の内、「ウーウー」の部分はスピーカを駆動する火災警報信号の信号振幅が一定で周波数が例えば2〜3KHzで変化するスイープ警報音であり、本実施形態における音圧測定試験にあっては、火災警報音の中のスイープ音「ウーウー」を試験音として連続して或いは繰り返して出力させる。
また連動元となった住警器10−1の警報に伴う警報表示としては、例えばLEDを点灯させる。一方、連動先の住警器10−2〜10−6にあっては、LEDを点滅させる。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLEDによる警報表示を区別できるようにしている。
なお、警報表示については他に適宜の手段及び方法を用いることができる。
住警器10−1〜10−6が警報音を出している状態で、警報停止スイッチを操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。
更に住警器10は、発信機100又はリモコン装置300から自己を宛先に指定した試験指示信号(連動信号)を受信すると、スピーカから火災警報音の中のスイープ音の部分を試験音として例えば所定時間に亘り連続或いは繰り返し出力させる音圧測定試験(試験鳴動)を実行する機能を有する。
発信機100は操作部に非常押釦スイッチ(非常スイッチ)を設けており、火災などの非常時に居住者が非常押釦スイッチを操作すると、非常通報信号(連動信号)を送信する。発信機100から送信された非常通報信号は住警器10−1〜10−6で受信され、受信した住警器で所定の警報動作が行われる。この警報動作としては「ウーウー 発信機が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる警報音を出力する。また警報音に伴う表示(警報表示)としては、例えばLEDを点滅させる。
また、発信機100には発信機灯が設けられており、非常押釦スイッチを操作すると発信機灯が点滅して非常通報が行われていること及び/又は行われたことを操作者に対して報知する。また発信機100にはスピーカも設けられており、非常押釦スイッチの操作音や非常通報イベント信号の送信中および/又は送信完了音などを出力することによっても報知することができる。もちろん、非常通報が行われたことを示す送信完了音に加えて、又は代えて、非常通報を示す上記の如き音を出力しても良い。
更に発信機100には音圧測定試験のための試験指示操作に基づき、特定の住警器又は全ての住警器を一括して宛先に指定した試験指示信号(連動信号)を送信する機能が設けられる。
照明装置200−1〜200−3は、信号を無線により相互に送受信する機能を備え、リモコン装置300の操作により送信される点灯信号、他の照明装置から送信される点灯信号(連動信号)、または住警器10からの火災連動信号を受信してこれに基づき照明を駆動すると共に、必要に応じ受信した点灯信号や火災連動信号を住警器や他の照明装置へ中継送信する。
また照明装置200は、住警器10からの火災連動信号を受信した場合、これに基づき照明を駆動する一方、音響出力等による警報動作を行う。具体的には、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる警報音を出力する。また、警報動作としては照明表示も行うことができる。この警報表示は例えば、火災時以外の警報(報知)動作と異なる動作としても良い。即ち、点灯信号の受信による照明動作は点灯とし、火災連動信号受信による照明動作は点滅としたり、その逆としたりすることができる。
また、点灯信号を受けて駆動する照明動作は、点灯、点滅、明滅の何れであっても良い。以下では、区別する場合を除いて、これらを総称して点灯という。
照明装置200で点灯した照明は、住警器10からの警報停止連動信号又は火災復旧連動信号の受信、リモコン装置300や他の照明装置からの消灯信号(連動信号)、自己の停止スイッチの操作で消灯し、あわせて警報を停止する。
リモコン装置300は点灯操作により点灯信号(制御信号)を照明装置200に送信し、また消灯操作により消灯信号(制御信号)を照明装置200に送信して遠隔的に照明装置200を制御する。この他に調光信号(制御信号)等を送信して調光制御するようにしても良い。更にリモコン装置300には音圧測定試験のための試験指示操作に基づき、特定の住警器又は全ての住警器を一括して宛先に指定した試験指示信号を送信する機能が設けられる。
ここで本願の第1発明は住警器10と発信機100で構成される(両者が連動する)警報システムであり、一方、本願の第2発明は住警器10、照明装置200及びリモコン装置300で構成される(三者が連動する)警報システムであるが、図1の実施形態は、第1発明と第2発明を組み合わせたシステム構成を例にとっている。
図2は本発明の警報システムに設けた住警器の外観を示した説明図であり、図2(A)に正面図を、図2(B)に側面図を示している。
図2において、本実施形態の住警器10の筐体はカバー12と本体14で構成されている。カバー12の中央には、周囲に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部16が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検知するようにしている。
カバー12に設けた複数の開口部の内部には検煙部16を備え、検煙部16の左下側には複数の音響孔(スリット)18が設けられ、この背後にスピーカを内蔵し、スイープ音とメッセージを組み合わせた所定パターンの火災警報音を出力できるようにしている。また音圧測定試験を実行した際には、スピーカから火災警報音の中のスイープ音の部分を試験音として所定時間に亘り連続或いは繰り返し出力するようにしている。
検煙部16の下側には警報停止スイッチ20が設けられている(取付フック15が設けられているほうを上側とする)。警報停止スイッチ20は住警器10の機能の自己点検を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。たとえば、火災警報中に警報停止スイッチ20が操作されると警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ20が操作されると機能点検を実施して結果を報知する。ここで通常状態とは、少なくとも火災警報中でない状態を指す。
警報停止スイッチ20は、透光性部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたプッシュスイッチ(図示せず)とで構成されている。即ち、スイッチカバーを押圧操作すると、これに連携してプッシュスイッチが押されるようになっている。スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、点線で示すように警報等表示を行うLED22が配置されており、LED22が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が警報停止スイッチ20のスイッチカバーの部分を透過してLED22の作動状態が外部から視認できるようにしている。
また本体14の裏側上部には略中央部に挿通孔を有する取付フック15が設けられており、設置する部屋の壁面にビスなどをねじ込み、この取付フック15の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器10を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
なお、火災に伴う熱気流や煙は空間の上方に向かうため、住警器は比較的高所に設置する。本実施形態のように壁面設置する場合も、壁面の高所に設置し、天井面等に設置する場合もある。天井面に設置する場合には別に取付アダプタを使用することもある。住警器はこのように高所に設置されるため、警報停止スイッチ20を操作するため、例えばスイッチカバーに引き紐を設けて垂下させ、引き紐の操作に連携してスイッチカバー、プッシュスイッチが押圧されるようにしたものもある。
図3は本発明の警報システムに設けた無線式の発信機の外観を示した説明図であり、図3(A)に正面図を、図3(B)に側面図を示している。なお、取付フック115が設けられているほうを上側とする。
図3において、本実施形態の発信機100の筐体はカバー112と本体114で構成されている。カバー112の中央には、非常押釦スイッチ116が設けられる。非常押釦スイッチ116は、透光性部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたプッシュスイッチ(図示せず)とで構成されている。
スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、点線で示すように発信機灯として機能するLED118が配置されており、作動光が非常押釦スイッチ116のスイッチカバーを透過してLED118の作動状態が外部から視認できるようにしている。非常押釦スイッチ116を押し込み操作するとこれに連携して内蔵のプッシュスイッチが押され、それに伴いLED118が点滅又は明滅し、非常通報信号の送信完了が確認されると点灯に切り替わり、所定時間後に消灯する。
非常押釦スイッチ116の左下側にはスリット状の音響孔120が複数設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。
また本体114の裏側上部には、略中央部に挿通孔を有する取付フック115が設けられており、設置する部屋の壁面等にビスなどをねじ込み、この取付フック115の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面の手の届く位置に発信機100を所謂壁掛け状に固定設置することができ、また必要に応じて取り外すことで持ち運び可能としている。なお、発信機100の非常押釦スイッチ116に引き紐を設ければ壁面や天井の高所に設置することができる。
更に、発信機100の本体114の裏面側には、音圧測定試験を行う操作部が設けられ、この操作部には、音圧測定試験を行う住警器を指定する宛先指定スイッチと試験指示信号を送信する試験指示スイッチが設けられている(図示省略)。
ここで宛先指定スイッチは、図1に示した住警器10−1〜10−6を個別に宛先指定する機能と、全ての住警器10−1〜10−6を一括して宛先指定する機能をもっている。宛先指定スイッチとして例えばロータリ式のセレクタスイッチを設けて個別の宛先又は全ての宛先を一括選択可能とする。本実施形態で指定する住警器の宛先としては住警器に予め設定されている送信元符号を使用する。
図4は本発明の警報システムに設けた無線連動型の照明装置の外観を示した説明図であり、図4(A)に正面図を、図4(B)に側面図を示している。なお、取付フック215が設けられているほうを上側とする。
図4において、本実施形態の照明装置200の筐体はカバー212と本体214で構成されている。カバー212の中央には、LED照明部216が設けられ、ドーム型の透光性カバーの内部に例えば5個の白色のLED218を配置している。もちろん、LED218は白色以外の色であっても良いし、適宜の数であって良い。この点灯により、照明装置200の設置場所近傍の所定エリアを照明することができる。
LED照明部216の左下側にはスリット状の音響孔219が複数設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。LED照明部216の下側には警報停止スイッチを兼ねた照明停止スイッチ220が設けられている。
照明停止スイッチ220は、透光性部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたプッシュスイッチ(図示せず)とで構成されている。スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、点線で示すように警報表示を行うLED222が配置されており、LED222が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が照明停止スイッチ220のスイッチカバーの部分を透過してLED222の作動状態が外部から視認できるようにしている。LED222は例えば赤色とする。
また本体214の裏側上部には略中央部に挿通孔を有する取付フック215が設けられており、設置する部屋の壁にビスなどをねじ込み、この取付フック215の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に照明装置200を所謂壁掛け状に固定設置することができる。なお、照明装置200の照明停止スイッチ220に引き紐を設ければ壁面や天井の高所に設置することができる。
図5は本願の第1発明に対応した、発信機からの試験指示による住警器の音圧測定試験の様子を示している。図5において、住警器10−1〜10−5(10−6は図示を省略)の内、例えば住警器10−1の音圧測定試験を行う場合には、住警器10−1から1メートル離れた所定の位置に騒音計26を設置する。
続いて発信機100の裏面操作部に設けた宛先指定スイッチにより住警器10−1の宛先を指定した状態で試験指示スイッチを操作すると、グループ符号、送信元符号と共に住警器10−1を宛先に指定する宛先送信元符号及び試験指示を示す連動符号を含む試験指示信号が送信され、住警器10−1で受信されると当該住警器10−1で音圧測定試験(試験鳴動)が実行される。
音圧測定試験の実行は、例えば連動元を示す火災警報音「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」の中のスイープ音「ウーウー」を試験音25として所定時間に亘り連続的に、或いは繰り返し出力する(以下の説明では、「連続」と「繰り返し」を区別せず「連続」という)。この試験音の出力中(間欠的な出力の休止期間を含む一連の出力動作中)に測定員は騒音計26のピーク値を読取り、例えば騒音計26のピーク値として例えば70dB/m以上の測定値が得られれば、正常と判断する。
また住警器10−1〜10−6が設置されていない場所に騒音計26を設置して行う音圧測定試験の場合には、発信機100の裏面操作部に設けた宛先指定スイッチにより全ての住警器10−1〜10−6の宛先を一括して指定した状態で試験スイッチを操作する。
この操作により発信機100からは住警器10−1〜10−6の全てを宛先に一括指定する全宛先送信元符号を含む試験指示信号が送信され、住警器10−1〜10−6で受信されると、全ての住警器から試験音を出力する音圧測定試験(試験鳴動)が実行される。これより住警器10−1〜10−6を設置していない場所に設置している騒音計26のピーク測定値を読取って充分に聞き取り可能な音圧、例えば60dB/m以上の測定値が得られれば適正と判断する。
図6は住警器10−1における音圧測定試験の実行中に、他の住警器10−3で火災が検知された場合の動作を示している(住警器10−6は図示を省略)。住警器10−1の音圧測定試験実行中に住警器10−3で火災が検知されると、住警器10−3は連動元を示す火災警報音27を出力すると共に、火災連動信号を他の住警器10−1,10−2,10−4,10−5,10−6へ送信する。
この火災連動信号を受信した試験実行中の住警器10−1は音圧測定試験を中断して試験音の出力を停止(試験鳴動停止)し、続いて連動元を示す火災警報音が出力される。勿論、他の住警器10−2,10−4,10−5,10−6では連動先を示す火災警報音が出力される。
連動先を示す火災警報音は例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となるが、音圧測定試験を中断した住警器10−1については、試験実行中に火災が発生したことを示すメッセージを含む火災警報音として例えば「ウーウー 試験中に別の火災警報器が作動しました 確認してください」を出力させる。
このように音圧測定試験を中断した住警器10−1からの火災警報音のメッセージ中に試験実行中に火災が発生したことを示すメッセージを含ませることで、試験中断後の火災警報音を音圧測定用の試験音と誤認することを防止し、点検員は別の場所での火災発生を速やかに認識して迅速な初期消火や避難が可能となる。
図7は図1の警報システムに設けた音圧測定試験(試験鳴動)を行う住警器の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
図7において、住警器10はワンチップCPUとして知られたプロセッサ28を備え、プロセッサ28に対してはアンテナ31を備えた無線通信部30、メモリ32、センサ部34、報知部36、操作部38及び電池電源40を設けている。
無線通信部30には送信回路42と受信回路44が設けられ、他の住警器との間で信号を無線により送受信できるようにしている。無線通信部30としては、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
メモリ32には、イベント信号の順番を示す連続番号である連番48、各住警器を特定する住警器識別情報となる送信元符号50、図1のように住宅24に設置した住警器10−1〜10−6で連動警報を行う連動グループを構成するためのグループ符号52が格納されている。
センサ部34には、煙を検出して信号を出力する検煙部16を設けている。なお、センサ部34には検煙部16に代えて、火災による温度を検出するサーミスタ等の温度検出素子や、火災に伴うその他の物理現象変化を検出する各種素子を設けても良い。
報知部36には警報音等を出力する音声増幅器55とスピーカ56が設けられ、また警報表示等を行うLED22が図示しない駆動回路と共に設けられている。スピーカ56は、図示しない音声合成回路部および音声増幅部を介して駆動され、がメモリ32に保持している各種の音声データに基づきメッセージや警報音等を出力する。LED22は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異常その他を表示する。スピーカ56に代えて、ブザー等を用いても良い。またLED22に代え、2色LEDや液晶表示器等を設けても良い。もちろん、LEDと液晶表示器を併設するなどしても良い。
操作部38には警報停止スイッチ20が設けられている。警報停止スイッチ20は、報知部36からスピーカ56により火災や障害の警報音を出力しているとき又はLED22により警報表示を行っているときに警報停止スイッチとして機能する。
また警報停止スイッチ20は、連動元または連動先を示す警報を行っていない通常監視状態において警報停止スイッチ20は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッチ20を操作すると、所定の自己点検動作が実行されて報知部36から点検結果を示す音声メッセージなどが出力される。
住警器10の必要各部に電源を供給する電池電源40は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器10における無線通信部30を含む回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の電池寿命を保証している。
プロセッサ28にはプログラムの実行により実現される機能として、警報処理部60、試験実行部62及び試験中断部64の機能が設けられている。
警報処理部60は、センサ部34に設けた検煙部16の検出信号出力に基づいて火災を検知した場合に、報知部36のスピーカ56から連動元を示す警報音を出力させると共に、LED22を例えば点灯駆動して連動元を示す警報表示を行い、更に、無線通信部30(送信回路42及びアンテナ31)を介して火災連動信号を他の住警器に送信する。
具体的に説明すると、警報処理部60は、センサ部34に設けた検煙部16の煙検出信号に基づき火災を検知した場合に、報知部36のスピーカ56から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」の音声警報音を繰り返し出力させると共に、LED22を点灯させて連動元を示す警報表示制御を行い、更に、火災連動信号を無線通信部30の送信回路42によりアンテナ31から他の住警器に向けて送信させる。
また警報処理部60は、無線通信部30(アンテナ31及び受信回路44)を介して他の住警器の何れかから火災連動信号を受信した場合に、報知部36のスピーカ56から連動先を示す火災警報音として例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」を繰り返し出力させると共にLED22を点滅して連動先を示す警報表示を行う。
また警報処理部60は、無線通信部30(アンテナ31及び受信回路44)を介して発信機100の何れかから非常通報信号(連動信号)を受信した場合に、報知部36のスピーカ56から非常通報を示す警報音として例えば「ウーウー 発信機が作動しました 確認してください」を繰り返し出力させると共にLED22を点滅して警報表示を行う。
また警報処理部60は連動元を示す火災警報音または連動先を示す火災警報音の出力中に警報停止スイッチ20の操作を検知した場合、又は他の住警器からの警報停止を示すイベント信号有効受信有り又は装置イベント信号有効受信有りを検知した場合、スピーカ56からの音声警報音出力とLED22の警報表示による火災警報の出力を停止させる。
また警報処理部60は、各種の故障や障害を検知し、検知した事象に対応する制御を行うが、詳細な説明は省略する。
次に試験実行部62と試験中断部64の機能を説明する。試験実行部62は、発信機100又は照明装置200、或いは照明装置200のリモコン装置300から送信された自己又は自己を含む複数の住警器を宛先に指定した試験指示信号を受信した場合、連動元を示す火災警報音の中の、音圧測定に適したスイープ音「ウーウー」の箇所を試験音とし、報知部36のスピーカ56から音圧測定試験に必要な所定時間、例えば1分間に亘り、連続して出力させる音圧測定試験(試験鳴動)を実行する。
この音圧測定試験の実行に先立ち測定員は図5に示したように、音圧測定試験を行う例えば住警器10−1の1メートル前方の所定位置に騒音計26を予め設置して準備しており、音圧測定試験の実行でスピーカ56から出力された試験音のピーク値を測定し、規定レベルを満たせば正常(つまり適正)と判断することになる。
試験中断部64は、試験実行部62による音圧測定試験の実行中、即ち所定時間に亘るにスイープ音「ウーウー」を試験音として連続出力中に、他の住警器からの火災連動信号を受信した場合、音圧測定試験を中断して試験音出力を停止し、これに続いて警報処理部60は連動先を示す火災警報音をスピーカ56から出力させる。
ここで、音圧測定試験中の火災検知は、試験中の住警器10自身が火災を検知する場合と、他の住警器が火災を検知して送信した火災連動信号を受信する場合があるが、音圧測定試験の実行中はその場所に点検員が居て試験している住警器付近で火災が発生した場合にはその点検員自身が火災発生に気づくことができる。しかし別の場所で火災が発生した場合に、点検員がいる場所の住警器が連動警報出来ないと対処が遅れてしまうことにもなりかねない。このため別の場所での火災発生の報知がより重要であり、試験中断部64は、少なくとも、他の住警器から火災連動信号を受信した場合に、音圧測定試験を中断し、これに続いて警報処理部60は連連動先を示す火災警報音をスピーカ56から出力させる。
ここで、音圧測定試験の実行中に火災連動信号を受信した場合、スイープ音を用いた試験音「ウーウー」の連続出力を中断した後に試験中に異常が発生したことを示すメッセージを含む所定パターンの火災警報音として例えば「ウーウー 試験中に別の警報器が試験中に作動しました 確認してください」を出力させ、試験中に火災が発生したことを明確に知らせるようにする。
図8は図7の住警器の連動警報に使用する連動信号フォーマットを概略的に示した説明図である。図8において、連動信号46は連番48、送信元符号50、グループ符号52及び連動符号54で構成されている。
連番48は連動信号の順番を示す連続番号であり、住警器10、発信機100、照明装置200、リモコン装置300のそれぞれにおいて連動信号を送信する毎にインクリメントする。連番48は住警器10、発信機100、照明装置200、リモコン装置300の各々で非同期に生成している。連番48は住警器10、発信機100、照明装置200の間の無線通信に於いて信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
送信元符号50は住警器識別情報として用いられる例えば26ビットの多ビット符号であり、例えば住警器10、発信機100、照明装置200、リモコン装置300のシリアル番号等を利用している。グループ符号52は例えば8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図1の住警器10−1〜10−6、発信機100、照明装置200−1〜200−3及びリモコン装置300につき例えば同じグループ符号が設定されている。グループ符号を用いることによって、隣接する他グループ内の連動信号を混同処理することを防止している。
連動符号54は、火災、ガス漏れなどの事象検知に伴う連動内容を表す符号であり、図8の実施形態にあっては4ビット符号を使用しており、例えば
0001=火災
0010=ガス漏れ
0011=警報停止(火災警報停止、ガス漏れ警報停止、障害警報停止)
0100=復旧(火災復旧、ガス漏れ復旧、障害復旧)
0101=センサ障害
0110=ローバッテリー障害
としている。ここで、0000は事象検知を伴わない例えば定期通報(定期的な通信確認)に使用する。
図9は図1の警報システムに設けた発信機の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる、また各機能のそれぞれ一部又は全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであってもハードウェアによって実行されるものであっても良い。LED118の駆動回路、スピーカ156の駆動に係る音声合成回路、音声増幅部等は省略している。
図9の発信機100はワンチップCPUとして知られたプロセッサ128を備え、プロセッサ128に対してはアンテナ131を備えた無線通信部130、メモリ132、報知部136、操作部138及び電池電源140を設けている。無線通信部130には送信回路142と受信回路144が設けられ、他の発信機及び住警器との間で各種信号を無線により送受信できるようにしている。電池電源140は必要各部に電源を供給する。
無線通信部130、メモリ132、報知部136及び電池電源140の詳細は図7に示した住警器10の無線通信部30、メモリ32、報知部36及び電池電源40と基本的に同様になる。
操作部138には非常押釦スイッチ116、試験指示スイッチ170及び宛先指定操作部172が設けられている。非常押釦スイッチ116は非常通報スイッチとして機能する。
試験指示スイッチ170は例えば本体114の裏面に配置されたディップスイッチであり、試験指示スイッチ170を操作すると試験指示信号が住警器10に送信され、住警器10から音圧測定のための試験音を出力させる。
宛先指定操作部172は試験指示スイッチ170と同様に本体114の裏面に配置されており、音圧測定試験を行う1又は複数の住警器の宛先指定或いは全ての住警器の一括宛先指定の操作を行う。この宛先指定操作部172の指定操作に基づき、試験スイッチ170の操作により送信する試験指示信号には特定(1又は複数)の住警器の宛先を指定した宛先送信元符号または全ての住警器の一括宛先指定を意味する全宛先送信元符号が含まれる。つまり、住警器10のメモリ32に記録されている送信元符号は、それぞれの住警器のID(アドレス)を意味する。この点は発信機100、照明装置200についても同様となる。
プロセッサ128にはプログラムの実行により実現される機能として発信制御部160及び試験指示部162の機能が設けられている。
発信制御部160は、操作部138の非常押釦スイッチ116が操作されたことによる非常通報指示の入力を検知した場合に非常通報信号を生成し、送信回路142を介してアンテナ131から住警器10、他の発信機及び照明装置200へ送信させる。
また、発信制御部160は、非常押釦スイッチ116の操作による非常通報指示の入力を検知した場合に、発信機灯として機能するLED118を点滅又は明滅駆動し、スイッチ操作が受け付けられて非常通報信号が送信されていること、また送信されたことを報知する。このとき報知部136のスピーカ156から例えば「ピッ」等のスイッチ操作受付音を出力させても良い。
また、発信制御部160は、このようにLED118を点滅又は明滅駆動した状態で、他の発信機から送信され警報器10で中継送信された非常通報信号を受信した場合、非常通報信号が警報器10で有効受信されて警報が出力されたことを示す確認応答信号(ACK)の受信とみなし、LED118の点滅又は明滅を停止して所定時間の点灯に切り替え、通報完了を報知する。
警報器からの信号であることは、非常通報信号に含まれる送信元符号等から判別することができる。また、これが中継された信号であることも、非常通報信号中に特定の符号を設けることで、或いは連番等から直接又は間接的に判別可能とすることができる。
また発信制御部160は、アンテナ131及び受信回路144を介して住警器10の何れかから火災連動信号を受信した場合に、報知部136のスピーカ156から火災警報音として例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を繰り返し出力させると共にLED118を点滅して警報表示を行う。
また、発信制御部160は、各種障害を検出した場合に所定の障害警報を出力する。障害警報処理の詳細は図7の住警器と基本的に同じになる。
試験指示部162は、操作部138に設けた試験指示スイッチ170及び宛先指定操作部172による指示入力を検知した場合、特定(1又は複数)の住警器又は全ての住警器を一括して宛先に指定した試験指示信号を送信する。
図10は図9の発信機から送信する信号のフォーマットを概略的に示した説明図であり、図10(A)に非常通報信号を、図10(B)に特定(1又は複数)の住警器を宛先指定する試験指示信号を、図10(C)に全ての住警器を一括宛先指定する試験指示信号を示している。
図10(A)の非常通報信号146は連番148、送信元符号150、グループ符号152及び非常通報符号154で構成され、非常通報符号154の内容が
0111=非常通報
となっているが、それ以外は図8の連動信号フォーマットと同様となる。
図10(B)は特定住警器を宛先指定する試験指示信号190であり、連番148、送信元符号150及びグループ符号152は図10(A)の非常通報信号146と同様であるが、試験指示符号192が
1000=音圧測定試験
となっており、更に、宛先送信元符号174を付加してしいる。宛先送信元符号174は発信機100に設けた宛先指定操作部172の宛先指定操作により特定の住警器の送信元符号がセットされる。宛先が複数の場合には、宛先送信元符号174も複数付加される。
図10(C)は全ての住警器の一括宛先指定を意味する試験指示信号180であり、連番148、送信元符号150及びグループ符号152は図10(A)の非常通報信号146と同様であるが、試験指示符号192が
1000=音圧測定試験
となっており、更に、全(一括)宛先送信元符号182を付加している。全宛先送信元符号182は発信機100に設けた宛先指定操作部172の全住警器の宛先指定操作により全(一括)宛先指定を意味する所定の共通宛先符号(ブロードキャスト符号)がセットされる。
図11は図1の警報システムに設けた照明装置の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる、また機能の実行は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであってもハードウェアによって実行されるものであっても良い。
図11において、照明装置200はワンチップCPUとして知られたプロセッサ228を備え、プロセッサ228に対してはLED照明部216、アンテナ231を備えた無線通信部230、メモリ232、報知部236、操作部238及び電池電源240を設けている。LED照明部216(LED218)、報知部236のLED222の各駆動回路、スピーカ256の駆動に係る音声合成回路、音声増幅部等は省略している。
無線通信部230、メモリ232、報知部236及び電池電源240の詳細は図7の住警器に設けた無線通信部30、メモリ32、報知部36及び電池電源40と基本的に同様となる。
LED照明部216には図4に示したように例えば5個のLED218が設けられる。
操作部238には照明停止スイッチ220が設けられている。照明停止スイッチ220は、LED照明部216を点灯しているとき(間欠的な駆動の場合は休止時間を含む一連の駆動中。以下同じ。)にのみ照明停止スイッチとして機能し、照明点灯中に照明停止スイッチ220を操作すると照明(LED218)が消灯し、照明点灯と共に報知部236から警報を出力している場合には、照明を消灯すると共に報知部236からの警報出力も停止する。
一方、照明点灯を行っていない通常状態においては、照明停止スイッチ220は点検スイッチとして機能し、この状態で照明停止スイッチ220を操作すると、所定の自己点検動作が実行されて例えば報知部236のスピーカ256から点検結果を示す音声メッセージなどが出力される。
プロセッサ228にはプログラムの実行により実現される機能として照明制御部260の機能が設けられている。
照明制御部260は、リモコン装置300や他の照明装置(200)の何れかからの点灯信号の受信又は住警器からの火災連動信号又は他の照明装置からの点灯信号を受信した場合にLED照明部216に設けている白色のLED218を点灯する。先述の通りLED照明部216の点灯は、LED218を点滅または明滅させても良く、本説明ではこれを総称して「点灯」としている。
照明制御部260は、無線通信部230を介して火災連動信号を受信した場合に、報知部236のスピーカ256から火災を示す警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」を繰り返し出力させる。即ち、連動先として警報を出力する。
照明制御部260は、無線通信部230を介してリモコン装置300や他の照明装置からの点灯信号を受信した場合に、LED照明部216を点灯する。また照明制御部260は、LED照明部216の点灯中に住警器又は他の照明装置から火災復旧連動信号又は警報停止連動信号を受信した場合、リモコン装置300からの消灯信号を受信した場合、或いは自己の照明停止スイッチ220の操作を検知すると、LED照明部216のLED218を消灯する。
また照明制御部260は、各種障害を検知して対応する障害警報を出力制御する。障害処理の詳細は図7の住警器と同様となる。
なお、火災連動信号の受信に基づく火災警報動作は、照明装置200を住警器10と同じ場所に設置する場合には不要であることから、操作部238に設けたディップスイッチ(図示省略)により、立上げ時に火災警報動作の禁止モードを設定し、同じ場所に設置された住警器10と照明装置200で火災警報の音声出力が重複しないようにする。
図12は図1の警報システムに設けたリモコン装置の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる、また機能の実行は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであってもハードウェアによって実行されるものであっても良い。
図12において、リモコン装置300はワンチップCPUとして知られたプロセッサ328を備え、プロセッサ328に対してはアンテナ331を備えた無線通信部330、表示部332、操作部334及び電池電源340を設けている。
無線通信部330には送信回路342が設けられ、照明装置200に対し信号を無線送信できるようにしている。無線通信部330の送信回路342は図7の住警器10に設けた送信回路42と同様である。表示部332にはLEDや液晶表示装置、またそれらの駆動回路などが設けられる。電池電源340は必要各部に電源を供給する。
操作部334には点灯スイッチ335と消灯スイッチ336が設けられ、更に住警器10に対し音圧測定試験を指示するため試験指示スイッチ338と宛先指定操作部339が設けられる。
プロセッサ328にはリモコン制御部360及び試験指示部362の機能が設けられる。リモコン制御部360は点灯スイッチ335の点灯操作を検知した場合、点灯信号(制御信号)を送信し、消灯スイッチ336の消灯操作を検出した場合は消灯信号(制御信号)を送信する。
試験指示部362は、操作部334に設けた試験指示スイッチ338及び宛先指定操作部339による指示入力を検出した場合、特定の1又は複数の住警器、又は全ての住警器を一括して宛先に指定した試験指示信号を送信する。
図13は図12のリモコン装置から送信する信号のフォーマットを概略的に示した説明図であり、図13(A)に照明制御信号(点灯信号或いは消灯信号)を、図13(B)に特定住警器を宛先指定する試験指示信号を、図13(C)に全ての住警器を一括宛先指定する試験指示信号を示している。
図13(A)の照明制御信号346は連番348、送信元符号350、グループ符号352及び制御符号354で構成され、制御符号354の内容が
1001=照明点灯
1010=照明消灯
となっているが、それ以外は図8の連動信号フォーマットと同様になる。
図13(B)は特定住警器を宛先指定する試験指示信号370であり、連番348、送信元符号350及びグループ符号352は図13(A)の照明制御信号346と同じであるが、試験指示符号372が
1000=音圧測定試験
となっており、更に、宛先送信元符号374を付加しており、宛先送信元符号374としてリモコン装置300に設けた宛先指定操作部339の宛先指定操作により特定の住警器の送信元符号がセットされる。宛先が複数ある場合には宛先送信元符号374も複数付すことになる。
図13(C)は全ての住警器を一括宛先指定する試験指示信号380であり、連番348、送信元符号350及びグループ符号352は図13(A)の照明制御信号346と同様であるが、試験指示符号372が
1000=音圧測定試験
となっており、更に、全(一括)宛先送信元符号382を付加しており、全宛先送信元符号382としてリモコン装置300に設けた宛先指定操作部339の全住警器の宛先指定操作により全宛先指定を意味する所定の共通宛先符号(ブロードキャスト符号)がセットされる。
図14及び図15は図7の住警器10における監視処理の例を示したフローチャートである。図14において、住警器10の電池電源40による電源供給が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断、禁止モードの設定の有無を含む各種設定の読み込みを実行し、異常がなければステップS2に進み、火災を監視している。
ステップS1で初期化異常があった場合には、再度ステップS1の処理を実行し、所定回数連続して初期化異常となった場合には以上を報知して処理を停止するが、図示を省略している。この点は後述する図17のステップS31、図18のステップS51、図19のステップS71についても同様である。
センサ部34に設けた検煙部16から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えると火災が検知され、ステップS2で火災検知を判別してステップS3に進み、火災連動信号を他の住警器に無線送信し、ステップS4で報知部36のスピーカ56から音声メッセージやブザー音等による警報音とLED22の例えば点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
続いて、ステップS5でセンサ部34からの煙検出信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧検知の有無を判別しており、火災復旧検知を判別するとステップS6で火災復旧連動信号を他の住警器に送信し、ステップS7でスピーカ56からの警報音とLED22の点灯警報表示とによる連動元を示す火災警報出力を停止する。なお、LED22による警報表示は所定時間経過後に消灯しても良い。
続いてステップS8で警報停止スイッチ20の警報停止指示操作検知の有無を判別し、警報停止操作検知が判別されると、ステップS9に進んで警報停止連動信号を他の住警器に送信し、ステップS10に進んでスピーカ56からの連動元を示す警報音出力を停止し、LED22の点灯による警報表示を消灯する。なお、LED22は所定時間経過後に消灯しても良い。
続いて図15のステップS11に進み、他の住警器から送信または中継送信された火災連動信号受信検知の有無を判別している。他の住警器からの火災家連動信号の受信検知を判別すると、ステップS12に進んで連動先を示す火災警報としてピーカ56から警報音を出力し、LED22の点滅による警報表示を行う。
次にステップS13で他の住警器から送信または中継送信された火災復旧連動信号受信検知の有無を判別しており、火災復旧連動信号の受信検知を判別すると、ステップS14に進んで連動先の警報として行っているスピーカ56からの警報音出力とLED22の点滅による警報表示を停止する。
次にステップS15で他の住警器から送信または中継送信された警報停止連動信号受信検知の有無を判別しており、警報停止連動信号の受信検知を判別すると、ステップS16に進んで警報中の有無を判別し、警報中を判別するとステップS17に進んで連動先としての警報音出力を停止し、警報表示も停止させる。続いてステップS18で音圧測定試験処理を実行する。
図16は図15のステップS18における音圧測定試験処理の詳細を示したフローチャートである。図16において、ステップS21にあっては、発信機100又はリモコン装置300から送信された試験指示信号(連動信号)の受信検知の有無を判別している。ステップS21で試験指示信号の受信検知が判別されると、ステップS22に進んで連動元を示す所定パターンの火災警報音の中のスイープ音「ウーウー」の部分の警報音信号を音声合成回路で生成して連続出力し、試験音として連続出力させる。
続いてステップS23で所定時間経過したか否か判別しており、所定時間経過を判別するまではステップS24で火災発生の有無を判別しており、火災検知を判別することなく所定時間経過を判別すると、ステップS25に進んでスピーカ56から出力しているスイープ警報音による試験音を停止して音圧測定試験を終了させる。
一方、ステップ24で所定時間に亘る試験音の連続出力中、即ち試験中に他の住警器からの火災連動信号の受信検知を判別すると、ステップS25に進んで音圧測定試験を中断してスピーカ56からの試験音の出力を停止し、続いてステップS26で連動先を示す火災警報音の出力と警報表示を行う。
図示を省略しているが、ステップS24では同様に自己の検煙部16からの検出信号に基づく火災検知についても判別しており、ここで火災検知が判別されるとステップS26では連動元として連動信号の送信と警報動作を行う。ここでの警報動作として出力される警報音は、試験中に火災検知された旨を示すメッセ−内容となる。
火災警報音の出力中はステップS27で警報停止の有無を判別しており、警報停止有りを判別するとステップS28に進んで火災警報音と警報表示の停止処理を行う。その後図7のステップS2へ戻ることになる。なお、ステップS27における警報停止検知の判別は、警報停止スイッチ20の操作指示入力の検知、他の住警器からの火災復旧連動信号の受信検知、又は他の住警器から警報停止連動信号の受信のいずれかを判別した場合であり、その詳細は、図14のステップS5〜S11、及び図15のステップS13〜S17に示した内容と同様になる。
またステップS23では所定時間経過を判別して音圧測定試験を終了しているが、発信機100又はリモコン装置300から試験終了信号を送信して終了しても良い。
図17は図9の発信機100における発信機処理の例を示したフローチャートである。図17において、発信機100の電池電源140による電源供給が開始されると、ステップS31で初期化、自己診断を実行し、異常がなければステップS32に進み、非常押釦スイッチ116による非常通報操作検知の有無を判別している。
ステップS32で非常通報操作検知を判別するとステップS33に進み、非常通報信号を送信し、ステップS34でLED118を点滅して非常通報信号の送信が行われたことを報知する。
続いてステップS35において、ステップS33で送信した非常通報信号が住警器10で有効受信されて中継送信されることから、住警器10からの非常通報信号の受信検知の有無を判別しており、受信検知を判別するとステップS36に進み、LED118の点滅を停止して所定時間の点灯に切替えて通報完了を表示し、更にステップS37で非常通報完了を示す報知音をスピーカ156から出力する。点灯に切り替わったLED118は所定時間後に消灯する。
続いてステップS38で非常押釦スイッチ116の長押操作などによる非常通報停止操作検知の有無を判別しており、非常通報停止操作検知を判別するとステップS39に進み、警報停止信号を送信し、住警器10で出力している非常通報に基づく異常発生警報の出力を停止させる。
続いてステップS44で試験指示スイッチ170及び宛先指定操作部172の試験指示操作検知の有無を判別しており、試験指示操作検知を判別するとステップS45に進んで試験指示信号を送信して住警器10に音圧測定試験のための試験音を出力させる。このとき送信する試験指示信号には、宛先指定操作部172の操作に基づく特定住警器の宛先となる宛先送信元符号または全ての住警器の一括宛先指定を意味する全宛先送信元符号が含まれる。
図18は図11の照明装置200における照明制御の例を示したフローチャートである。図18において、照明装置200の電池電源240による電源供給が開始されると、ステップS51で初期化、自己診断を実行し、異常がなければステップS52に進み、住警器10から送信または中継送信された火災連動信号受信検知の有無を判別している。
ステップS52で火災連動信号受信検知を判別するとステップS53に進み、LED照明部216のLED218を点灯すると共に、報知部236のスピーカ256から音声メッセージやブザー音等の警報音とLED222の点滅による警報表示とにより火災警報を出力する。
続いて、ステップS54で火災状態が解消した場合に住警器10から送信または中継送信される火災復旧連動信号受信検知の有無を判別しており、火災復旧連動信号の受信検知を判別するとステップS55でLED照明部216のLED218を消灯すると共に、報知部236のスピーカ256からの音声メッセージやブザー音等の警報音とLED222の点滅による警報表示を停止する。
続いてステップS56で、火災を検出している連動元の住警器10の警報停止スイッチ20の操作に基づいて送信されるか、または中継送信された警報停止連動信号の受信検知の有無を判別しており、警報停止連動信号の受信検知を判別すると、ステップS57でLED照明部216のLED218を消灯すると共に、報知部236のスピーカ256からの警報音とLED222の警報表示を停止する。
続いてステップS58で他の照明装置200から送信または中継送信された点灯信号受信検知の有無を判別し、点灯信号受信検知を判別するとステップS59でLED照明部216のLED218を点灯する。
続いてステップS60で他の照明装置から送信または中継送信された消灯信号受信検知の有無を判別し、消灯信号受信検知を判別するとステップS61でLED照明部216のLED218を消灯する。
続いてステップS62でリモコン装置300から送信された点灯信号受信検知の有無を判別し、点灯信号受信検知を判別するとステップS63でLED照明部216のLED218を点灯する。続いてステップS64で点灯信号を中継送信する。
続いてステップS65でリモコン装置300から送信された消灯信号受信検知の有無を判別し、消灯信号受信検知を判別するとステップS66でLED照明部216のLED218を消灯する。続いてステップS67で点灯信号を中継送信する。
図19は図12のリモコン装置300におけるリモコン制御の例を示したフローチャートである。図19において、リモコン装置300の電池電源340による電源供給が開始されると、ステップS71で初期化、自己診断を実行し、異常がなければステップS72に進み、点灯スイッチ335による点灯操作の検知有無を判別している。
ステップS72で点灯操作検知を判別するとステップS73に進み、点灯信号(制御信号)を送信して照明装置200の照明駆動を行わせる。
続いてステップS74に進み、消灯スイッチ336による消灯操作の検知有無を判別しおり、消灯操作検知を判別するとステップS75に進み、消灯信号(制御信号)を送信して照明装置200の照明駆動を停止させる。
続いてステップS76で試験指示スイッチ338及び宛先指定操作部339による試験指示操作の検知有無を判別しており、試験指示操作の検知有りを判別するとステップS77に進んで試験指示信号(制御信号)を送信して、照明装置200から試験指示信号(連動信号)を送信させ、これを受信した対象住警器10に音圧測定試験のための試験音を出力させる。このとき送信する試験指示信号には、宛先指定操作部339の操作に基づく特定住警器の宛先指定となる宛先送信元符号または全ての住警器の一括宛先指定を意味する全宛先送信元符号が含まれる。
図20は本願の第3発明に対応した照明装置の他の実施形態を示したブロック図であり、照明装置200を発信機100と同様に持ち運び可能にすると共に照明装置200に試験指示スイッチ等の操作部を設け、リモコン装置300は不要にしたことを特徴とする。
これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる、また機能の実行は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであってもハードウェアによって実行されるものであっても良い。
図20において、照明装置200はワンチップCPUとして知られたプロセッサ228を備え、プロセッサ228に対してはLED照明部216、アンテナ231を備えた無線通信部230、メモリ232、報知部236、操作部238及び電池電源240を設けている。LED照明部216(LED218)、報知部236のLED222の各駆動回路、スピーカ256の駆動に係る音声合成回路、音声増幅部等は省略している。
LED照明部216、無線通信部230、メモリ232、報知部236及び電池電源240の詳細は図11の照明装置200と基本的に同様となる。
操作部238には点灯スイッチ264と消灯スイッチ266が設けられ、更に住警器10に対し音圧測定試験を指示するため試験指示スイッチ268と宛先指定操作部270が設けられる。
また、消灯スイッチ266は、LED照明部216を点灯しているときにのみ照明停止スイッチとして機能し、照明点灯中に消灯スイッチ266を操作すると照明(LED218)が消灯し、照明点灯と共に報知部236から警報を出力している場合には、照明を消灯すると共に報知部236からの警報出力も停止する。
一方、照明点灯を行っていない通常状態においては、消灯スイッチ266は点検スイッチとして機能し、この状態で消灯スイッチ266を操作すると、所定の自己点検動作が実行されて例えば報知部236のスピーカ256から点検結果を示す音声メッセージなどが出力される。
プロセッサ228には照明制御部260及び試験指示部262の機能が設けられる。
照明制御部260は、住警器からの火災連動信号を受信した場合、他の照明装置から点灯連動信号を受信した場合、或いは自己の点灯スイッチ264の操作を検知した場合、LED照明部216に設けている白色のLED218を点灯する。
照明制御部260は、無線通信部230を介して火災連動信号を受信した場合に、報知部236のスピーカ256から火災を示す警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」を繰り返し出力させる。即ち、連動先として警報を出力する。
照明制御部260は、LED照明部216の点灯中に住警器から火災復旧連動信号又は警報停止連動信号を受信した場合、他の照明装置から消灯連動信号を受信した場合、或いは自己の消灯スイッチ266の操作を検知した場合、LED照明部216のLED218を消灯する。
また照明制御部260は、各種障害を検知して対応する障害警報を出力制御する。障害処理の詳細は図11の照明装置200と同様となる。
なお、火災連動信号の受信に基づく火災警報動作は、照明装置200を住警器10と同じ場所に設置する場合には不要であることから、操作部238に設けたディップスイッチ(図示省略)により、立上げ時に火災警報動作の禁止モードを設定し、同じ場所に設置された住警器10と照明装置200で火災警報の音声出力が重複しないようにする。
試験指示部262は、操作部238に設けた試験指示スイッチ268及び宛先指定操作部270による指示入力を検出した場合、特定の1又は複数の住警器、又は全ての住警器を一括して宛先に指定した試験指示信号を送信する。
図21は図20の照明装置200における照明制御の例を示したフローチャートである。図21において、ステップS81〜S91の処理は図18のステップS51〜S61と同様である。
続いてステップS92で自己の点灯スイッチ264の点灯操作検知の有無を判別し、点灯操作検知を判別するとステップS93でLED照明部216のLED218を点灯する。続いてステップS94で点灯連動信号を送信する。
続いてステップS95で自己の消灯スイッチ266の消灯操作検知の有無を判別し、消灯操作検知を判別するとステップS96でLED照明部216のLED218を消灯する。続いてステップS97で点灯連動信号を送信する。
続いてステップS98で試験指示スイッチ268及び宛先指定操作部270による試験指示操作の検知有無を判別しており、試験指示操作の検知有りを判別するとステップS99に進んで試験指示信号(連動信号)を送信して、これを受信した対象住警器10に音圧測定試験のための試験音を出力させる。このとき送信する試験指示信号には、宛先指定操作部270の操作に基づく特定住警器の宛先指定となる宛先送信元符号または全ての住警器の一括宛先指定を意味する全宛先送信元符号が含まれる。
なお、上記の実施形態は火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムやそれら各種の警報器を混在させて配置した警報システムについても同様に適用できる。
また、警報器の連携は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。無線通信は場合により(例えばリモコン装置300と照明装置200との通信の場合)光通信であっても良い。
また、上記実施形態で示した設置状態における音圧試験は必ずしも騒音計(音圧計)等の測定器を用いた定量的な試験である必要は無く、人の聴覚により定性的な確認試験として実施するものであって良い。
また、上記実施形態で示した報知部のLEDは、本発明の目的を達成できるものであれば、どのような表示手段を用いても構わない。そして、表示部は警報器と別体に設けられていても良い。
また、上記の実施形態では、電池電源によって動作する住警器(警報器)を例に取ったが、電池電源以外の電源で動作するものにも本発明を適用できる。
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとったが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。例えば各処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入したりすることができる。勿論、その他適宜に変更して良い。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。