JP4812393B2 - 蛍光分子計測システム - Google Patents

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    • G01N21/64Fluorescence; Phosphorescence
    • G01N21/6428Measuring fluorescence of fluorescent products of reactions or of fluorochrome labelled reactive substances, e.g. measuring quenching effects, using measuring "optrodes"

Description

生体から採取されたDNAやRNAまたは蛋白質などの微量な生体物質を化学増幅の過程を経ずに、定量する計測器あるいは医療用検査機器に関する。特に、定量したい生体物質を特異的に蛍光標識し、レーザ励起によって蛍光計測することを計測の原理とする計測器あるいは医療用検査機器に関する。
DNAなどの極微量な生体物質を定量するためにはPCR法(Polymerase Chain Reaction)
などの化学増幅を利用するのが一般的である。これらの化学増幅法を利用する場合、増幅された後の産物を定量することによって増幅前の生体物質の量を推定する。ところが、増幅率にばらつきが必ずあるために、生体物質の定量の推定値は不正確になってしまう。この問題を解決するために、化学増幅を使わずに極微量な生体物質を直接定量することが望まれる。これを実現する方法のひとつが単分子計測と呼ばれる方法である。
ここでの単分子計測とは定量の対象となる生体物質に蛍光標識を結合させ、レーザで励起することによって蛍光標識された分子をカウントする方法を指す(例えば非特許文献1を参照)。非特許文献1では、0.3μLのサンプル溶液中の1000個程度のDNA分子を検出す
ることが可能であるとの記載がある。図1にこの従来法を実現する検出系の構成図を示す。蛍光標識された分子を励起するためのレーザ光はレーザ光源1から出射され、露光時間
を調整するためのシャッター2を通過し、レンズ3で集光され、キャピラリ12に入射される。キャピラリの中には定量することを目的とした生体物質(以下ターゲットと呼ぶ)を含むサンプル溶液が充填されている。いま、ターゲットはキャピラリ12に導入される前に蛍光標識されている。それゆえ、サンプル溶液中にターゲットが含まれていれば、キャピラリに入射された光によって蛍光が発生する。このときサンプル溶液中にターゲットは分散しており、キャピラリ中のレーザが照射された部分(体積:5×10-11L)の領域にあるター
ゲットは点状の発光体として見える。このような発光体を検出するために、レーザ照射領域の像は対物レンズ6によってカメラ7中にあるCCD(Charge Coupled Device)8上に結像させて蛍光画像を得る。取得された画像データにおいて、レーザ照射領域中のバックグラウンドから発光体を識別し、数をカウントすることによって蛍光標識付ターゲット分子を定量する。
次にキャピラリ中をレーザが照射する領域の拡大図を図2に示す。サンプル溶液が充填され、断面が角型のキャピラリ12に、2つのシリンドリカルレンズによってスポットを楕円型に整形したレーザ光13を照射する。蛍光標識されたターゲット14は15の方向に90
mm/sec電気泳動されている。
図1および図2から分かるように電気泳動方向15とレーザ光の入射方向5は垂直である。これは電気泳動された蛍光標識付ターゲット分子の濃度を移動距離別に測定するために必要な構成となっている。このような構成は特許文献2内至特許文献6にも開示されている。また、これらの公知例では、2枚のガラス基板の間にゲルを挿入し、ゲル中の分子を電気泳動によって分子サイズ別に分離する。分子サイズ別の蛍光標識付ターゲット分子濃度を2枚のガラス基板
の間を通過するレーザ光によって励起し、蛍光計測によって分子サイズ別の濃度を定量する。
また、非特許文献1および特許文献2内至特許文献6に開示されている方法では蛍光の計測方向とレーザ光の入射方向が垂直に設定されている。
また、特許文献7内至特許文献9には電気泳動は用いないが、レーザ励起方向と蛍光の計測方向が垂直である構成が公開されている。特に特許文献7には蛍光を測定しようとする蛍光物質あるいは蛍光物質を含む試料は試料セルに充填され、試料セルの一方の端から入射し内部を通過して他方の端から出射する。試料セルはレーザ光の進行方向に沿って長い形状であり、ガラス等の透明材料で形成する。本構成を用い、パルス励起光の出力タイミングに同期した信号に基づいて、蛍光強度の積算値をパルス励起光と略直交する方向から検出し、蛍光寿命を算出することが記載されている。また、特許文献8、特許文献9にも、2枚のガラス板の間にゲルを充填し、レーザ光をガラス板の端からゲル内部に入射することが記載されている。この構成でゲル中に存在する蛍光の濃度を計測する。
さらに、特許文献10には光学測定チップ中にレーザ光を入射し、その蛍光測定の方向と入射レーザ光の方向を異なるようにする構成が開示されている。
一方、特許文献1には、ターゲットを含むサンプル溶液を平面上に保持し、サンプル溶液の裏面または上面からレーザ光で励起することによって、蛍光標識付ターゲット分子からの蛍光を検出するシステムが開示されている。特に、このシステムでは、多くのサンプル溶液中のターゲット濃度を蛍光検出によって定量するために、検出器に対して試料がスキャン(移動)可能となるようにすることが開示されている。
特表2002-528714号公報
特開昭63-021556号公報 特開平07-134101号公報 特開平08-105834号公報 特開平09-043197号公報 特開平09-210910号公報 特開平09-229859号公報 特開平10-513555号公報 特開平10-513556号公報 特開2003-177097号公報 アナリティカル ケミストリ 74巻 19号 2002 p. 5033 (Analytical Chemistry、 Vol. 74、 No. 19、 (2002) p. 5033)
[非特許文献1]に開示された構成は、レーザ光13が固定された状態でも、ターゲット14が動くことによって、サンプル溶液中の計測体積をレーザ照射体積よりも拡大する。しかし、電気泳動を伴うため、計測可能な体積を拡大するために多くに時間を必要とする。例えば、非特許文献1に記された計測体積は10分間に0.29mLしか計測することができない。一般に医療・バイオ計測用途では数十mL以上の体積を計測できることが望ましい。まず、非特許文献1での計測の方式について説明する。本公知例では、図1に示すようにキャピラリ12中の蛍光標識付ターゲット分子14からの蛍光をCCD(Charge Coupled Device)8で
計測する。以下に計測時間に関わる事柄についてもう少し詳細を記す。図1に示すようにシャッター2とCCD(8)に対して同期信号を,信号線10を通して送り、露光時間とフレーム時間を適切に同期させている。フレーム時間とは1つの像を撮影してから次の像を撮影するまでの1サイクルの時間を示し、露光時間とは1フレームの時間中でサンプル溶液中にレーザが照射されている時間を示す。レーザが照射されている露光時間に発した蛍光像はCCD(8)で電気信号に変換し、画像処理を行うことによって撮像を完了する。このように測定時間を短縮するためにはフレーム時間を短縮しなければならない。一方このフレーム時間はレーザ照射領域の幅と蛍光標識付ターゲット分子の電気泳動速度で規定される。図2中のレーザ照射領域の幅17を蛍光標識付ターゲット分子14が電気泳動による横断が終了したとき、次のフレームの撮像が開始できる。すなわち、フレーム時間は電気泳動速度に反比例し、照射領域幅17に比例する。計測体積を拡大するためには上記のように電気泳動速度を早くしてフレーム時間を短くするかレーザ照射体積16すなわち一度に計測できるサンプル溶液体積を拡大する必要がある。
しかし、以下のような理由でフレーム時間を大幅に短縮することはできない。まず、電気泳動速度を上げてフレーム時間を短くすると露光時間が維持されている状況では点状に見えていた蛍光標識ターゲットは流れて棒状に見え、計測できる1ピクセルあたりの蛍光強度が低下するため、計測できなくなってしまう。また、露光時間を短くして、フレーム時間を短くすると、CCD(8)に取り込むことが可能な蛍光量が少なくなってしまい、鮮明な撮像ができなくなってしまう。このとき、蛍光量の低下を防ぐために励起レーザ強度を増せば良いが、十分安価で小型のレーザ光源では強度も制限されている。それゆえ、フレーム時間を大幅に短縮することはできない。また,一度にCCD(8)で取得した画像データを外部に出力するための時間も画像サイズに比例して長くなるためフレーム時間を大幅に短縮することはできない。
また、照射体積すなわち一度に計測できるサンプル溶液体積を増やすために集光レーザスポットの幅17または高さ18を大きくすることはレーザ励起密度を低下させることになり、露光時間一定の条件では像が得られない。また、キャピラリの幅19を拡大する場合、製造上の理由から同時にキャピラリ高さ20を拡大することが避けられない。このとき、キャピラリ中でレーザが照射されない領域がキャピラリ高さ20とレーザスポット高さ18の差に比例して拡大することになる。このことは、計測しない体積が増えてしまうことを意味するため、極微量のターゲットしか含まれていないサンプルを定量する場合、誤差を生む要因になってしまう。
また、多種類の蛍光標識付ターゲット分子を同時に定量することを目的として、サンプル溶液中の多種類のターゲットを相異なる蛍光体で標識し、相異なる発光波長区別して蛍光計測することを行う場合を考える。ことのき、非特許文献1に開示されている方法では電気泳動速度がターゲットによって異なるため、ターゲットによって最適なフレーム時間が異なる。それゆえ、電気泳動速度が遅いターゲットに合わせてフレーム時間を決定しなければならないため計測時間の増加につながるという問題点が存在する。
電気泳動でサンプル中の蛍光標識付ターゲット分子を移動させる構成では、電極を挿入する容器にサンプル溶液を導入するため、多くのサンプル溶液量が必要となってしまう。また、全てのサンプル溶液を計測できないため、サンプル溶液に蛍光標識付ターゲット分子が非常に少数(たとえば50分子程度)しかふくまれていない場合に正確な定量が難しい。また、多数の蛍光標識付ターゲット分子を同時に別の蛍光体で標識して計測する場合には、電気泳動速度の違いのため計測上の課題が生じる。
非特許文献1ではサンプル溶液中の多くの蛍光標識付ターゲット分子の計測のために電気泳動を利用していたが、サンプル溶液またはサンプル溶液保持手段を移動させる構成が特許文献1に公開されている。
この特許文献1に開示されている構成の場合、サンプルへのレーザ照射領域の面積に反比例してレーザ励起密度が低下するため、感度を維持したまま、広い計測領域を確保することが困難である。このようになる理由はレーザのサンプル溶液への入射方向と蛍光の計測方向が一致しており、レーザ照射領域を拡大すると必然的に励起強度密度が低下するからである。実際、特許文献1には実施例1においてレーザ照射領域は100〜10000mm2程度
としている。これ以上レーザ照射領域を拡大すると、SN低減が低減してしまい、一つのターゲットに標識された蛍光体または蛍光体群からの蛍光計測が難しくなる。
特許文献2内至特許文献6においては、電気泳動によって分子サイズごとに分離された蛍光標識付ターゲット分子の濃度を蛍光強度によって計測することができるように構成されている。それゆえ、電気泳動を行っているときにサンプル溶液を保持したセル(ガラス板)をレーザに対して移動されると、分子サイズの情報を正しく取得できない。さらには、電気泳動計測の場合には、蛍光標識付ターゲット分子は単分子ではなく複数の分子であるため、ある程度のレーザ励起密度があればある程度の蛍光発光が生じて蛍光検出に支障はない。しかし、少数の蛍光標識しか用いない単一分子計測では蛍光発光が少ないため、電気泳動計測の場合と同様のレーザ照射構成では、高精度な定量は実現することが難しい。
また、特許文献7においては、開示されている構成の目的は蛍光物質の寿命を測定することであるため、パルスレーザを用い、試料セルの中をレーザを伝播させ、蛍光強度の分布を時間を追って計測している。そのため、試料セルをレーザ光に対して動かすと蛍光体の寿命が正しく測定できなくなってしまう。
また、特許文献8、及び特許文献9に開示されている構成においても、ゲルは電気泳動を行うためのものと記載されており、特許文献2内至特許文献6と同様に2枚のガラス板を電気泳動しながら相対的に移動させることは分離した分子サイズの情報を乱すことになる。
最後に特許文献10にはレーザの照射方向と蛍光の計測方向を垂直にする蛍光計測のための構成が開示されている。しかし、ここで開示されている構成では光学分析用チップ上にレーザ発光素子が設けられており、レーザ光をサンプル測定領域に対して機械的に移動させることは難しい。また,この光学分析用チップと組み合わせて用いられる検出器は蛍光を計測する場合にはその強度と波長を測定するものとされる。単分子計測が可能なように蛍光強度の分布または蛍光分子像を計測するものではない。
以上の通り、単分子計測に際して、一定時間に広範囲のサンプルを高精度に測定することは困難であった。
化学増幅を用いずに計測可能な高感度な蛍光計測、特に単分子計測において一定時間に計測できる体積が少ないという問題を解決する手段を提供する。
レーザの伝播方向にレーザ照射体積を拡大する構成とし、レーザ励起密度を低下させずに計測領域を拡大する。すなわち、図4に示すようにサンプル溶液を保持する試料保持部(以下サンプルセルと略す)の2枚の基板の間にレーザ光を多重反射させ伝播させる。このとき、レーザ光の伝播方向にあるサンプルを同時に励起することができ、この領域にあるターゲットから発する蛍光を一度に撮像することができる。レーザ光は2枚のガラス基板の間をほとんど減衰せずに伝播するため、サンプル溶液中の蛍光標識付ターゲット分子は十分な強度で励起することが可能である。この光照射方式を、以下、横方向入射と呼ぶ。さらに、撮像が終了した時点でサンプルセルを図4の矢印の方向にレーザスポットの幅117分だけ機械的に移動させて、次の撮像を行う。この操作を繰り返し行うことによって計測体積を拡大していく。このように横方向入射とレーザ照射領域の相対的、機械的な移動を行なうことによって、蛍光励起強度を低下させないで計測体積を拡大することができる。
また、上記のような計測方法では、同じ体積のサンプルを計測する場合に、サンプル保持媒体の移動回数が低減できる。これによって、一定時間の計測体積すなわち、スループットを増大させることができる。このように移動回数が低減することができるのは、一回の計測体積拡大によるスループット向上に加えた副次的にスループット向上である。これは、すなわち、レーザ照射領域の移動にも時間が必要でこの移動時間の削減は、計測時間全体からみて計測時間の低減化に有効であることを意味する。特許文献1で開示されている方式でサンプルセルを移動させた場合には、レーザの励起方向と蛍光の計測方向が一致しているため、測定領域を拡大するためにはかならず、励起強度密度を低下させなくてはならない。本発明では,励起用レーザ光はセルの内部を伝播するため、励起強度密度を大きく低下させることなく、測定領域をレーザ伝播方向に拡大することが可能である。このため、特許文献1に記載の構成では同じ励起レーザ強度で比較したときレーザ照射面積が相対的に小さいためサンプルセル移動回数が増え、計測時間が増加することになる。この場合のスループットへの影響は、測定体積をサンプルセルのp回の移動によってp倍に増やしたときに計測に必要な時間は単純にp倍となりp倍だけスループットが低下するだけに留まらない。一回の計測の度にサンプル移動に関わる時間が加わるため、このサンプル移動に関わる余分の時間の全体は移動回数に比例して増加し、さらにスループットを低下させる。
本発明では二枚の基板にサンプル溶液を保持し、これを機械的に移動させることによって、簡易に広範囲の溶液を計測し、スループットを向上させることができる。 本発明による蛍光検出装置は、一例として、第1の基板と第2の基板とを具備し、試料を保持する試料保持部と、前記第1の基板と前記第2の基板との間へ励起光を照射する光照射部と、前記試料保持部の内部で生じる蛍光を検出する検出部と、前記試料保持部を前記検出部に対して相対的、機械的に移動させる移動手段とを有してもよい。
本発明による蛍光検出装置の他の構成例では、前記第1の基板と前記第2の基板とは、各々の向き合う面に各々第1の層と第2の層とを有し、前記第1の層と前記第2の層とは前記試料よりも屈折率が高いものであってもよい。
本発明による蛍光検出装置のさらに他の構成例では、前記第1の基板と前記第2の基板とは、各々の向き合う面に各々第1の誘電体膜と第2の誘電体膜とを有し、前記第1の誘電体膜と前記第2の誘電体膜とは、前記第1の基板及び前記第2の基板よりも屈折率が高いものであってもよい。
化学増幅を用いることなくサンプル溶液中の微量のターゲット分子の定量を短時間で行うことができる。
図3に本発明の基本構成を示す。直線偏光で発振したAr+レーザ光源1からの光を、サンプル溶液を保持したサンプルセル104の内部に照射し、標識付ターゲット分子からの蛍光
をCCD(8)で計測する。まず、シャッタ(2)によって、露光時間を適切に調節し、この変調
されたレーザ光は、セル104の端面でセルの厚さ方向(z軸方向)にスポットサイズが小
さくなり、楕円形になるように2枚の焦点距離の異なる2枚のシリンドリカルレンズを使
用する。1枚目のシリンドリカルレンズ203はセル104の平行方向のレーザ幅117を規定す
る。シリンドリカルレンズ204はセルの厚さ方向のレーザスポット幅118を規定するレンズである。このレンズの焦点距離はシリンドリカルレンズ203の焦点距離より短い。これに
よってセル入射位置でのレーザスポットの形状が楕円形となる。セルの間に入射されたレーザ光は2枚の石英ガラス板131と132の間を多重反射しながら伝播し、上記2枚の石英ガラスの間に保持されたサンプル溶液中のターゲットの蛍光体を励起する。発生した蛍光は対物レンズ6によって集光しCCD(8)上に結像させる。ここでシャッタ(2)への励起レーザ変調信号に同期してCCDに信号線10を通して露光のトリガー信号を送る。CCD(8)内およびCCDカメラ7で処理された蛍光イメージは信号線11を通して制御系9に転送される。またこのとき、制御系9は1フレーム(画像)取り込まれる時間によって信号線10に送る露光のトリ
ガー信号を発生させる。また、同時にフレーム時間に同期させて制御系9からセル用ステ
ージ移動機構121に駆動信号を送りサンプルセル104を図4のスキャン方向にレーザ幅117分だけ移動させる。移動機構はステッピングモータを用いて行い、移動開始時または終了時にサンプル溶液にかかる加速度によってレーザ照射領域にあった蛍光標識付ターゲット分子が照射領域の外まで移動してしまうような大きな加速度がかからないようにステージの動きを制御する。また、蛍光を計測するときにはステージは停止させて蛍光スポットがぼけてしまうことがないようにした。このとき、図5に示すようにサンプル移動時間とレーザ励起を行う露光時間とは重なりがないように駆動信号をつくる。このようにすることによってサンプルセルの移動時間が短縮され、スループットが向上する。
また、対物レンズは蛍光をできるだけ多く取り入れるために倍率の高いレンズを使用している。そのため焦点深度(画像がきれいに得られる溶液厚み)は数mmから数十mmm以下
と小さい。セルの中で計測可能な蛍光標識付ターゲット分子の割合を増やすためにはセルを薄くしなければならない、一方、上記のようにスループットは一度に計測できる面積に比例しているので、基板に平行な方向の入力レーザ幅117は大きくとり、基板の厚さの方向の厚さ118は小さく取った方が好ましい。そのため、入射レーザ光のビーム形状は楕円とした方が望ましい。なお、このビーム形状は、サンプルセル中心部でのビーム(励起光)が鉛直方向の径よりも水平方向の径が大きくなるように制御し、照射効率を高める構成としてもよい。
次にサンプルセル104について説明する。図6に示すように厚さ1mmの第1の基板131と
第2の基板132の間に2つのスペーサ133を形成し、スペーサの厚さ分の溶液を2枚の基板の間に保持する。第1、第2の基板は石英基板を用いる。スペーサの厚みは25mmとし、ポリイミドまたは石英ガラスをドライエッチすることによって形成する。材料としては蛍光を発生しにくい石英の方が望ましい。セル104へのレーザ光の入力部分と出力部分で、保
持されたサンプル溶液が表面張力によって丸くなり、光が散乱されることを避けるために
、ガラスまたはPDMS(ポリジメチルシロキサン)製のカバー(135)を接着する。接着
については、ガラス製の場合には紫外線効果接着剤を使用し、PDMS製の場合にはガラスとの接着作用を利用する。カバーは、ビームの入射方向に沿って、サンプルセルの壁面の少なくとも一部に接するものである。本実施例では、サンプルセルのビームの入射方向における壁面を覆う板状の部材が用いられる。このカバーがない場合はサンプル溶液が表面張力によってサンプルセル端面(135を接着する位置)において凹または凸の形状となり入射レーザ光を散乱してしまう。このようなことが起きず効率よく光がサンプルセル内に入射するようにカバーを設ける。特にPDMSを用いることによって接着剤が基板132と131の間に毛細管現象によって、しみ込んでいき、レーザ光にとっての散乱体を形成する可能性を排除できる。そのため、サンプルセルの作製歩留まりを向上することが可能となる。
次に定量のためのサンプル標識法について説明する。まず、ターゲット分子にモレキュラービーコンプローブをハイブリダイズさせる。モレキュラービーコンプローブが蛍光を発するためには、ターゲット分子にハイブリダイズし、プローブの3’末端と5’末端にそれぞれ標識された蛍光体と消光体の距離が増加する必要がある。消光体が蛍光体に接近している場合には、蛍光エネルギートランスファーにより蛍光体からの蛍光は抑制されているが、蛍光エネルギートランスファーの効率は蛍光体と消光体の距離大きくなるにしたがって減少するからである。具体的には、10-5Mのモレキュラービーコンプローブ溶液を
サンプル溶液に最終濃度を10-7〜10-6Mになるように加え混合する。未反応のモレキュラ
ービーコンプローブは、蛍光エネルギートランスファーにより発光しないため、測定に影響を与えない。ターゲット分子の濃度に応じて蛍光を発するモレキュラービーコンプローブの分子数が増加する。
ターゲットを認識するプローブとしては、モレキュラービーコンプローブの他に、分岐DNAプローブや量子ドットで標識されたプローブや、フィコエリスリンで標識されたプローブなどを利用することができる。
最後に計測手順について説明する。まず、上記の手順によって調製されたサンプル溶液を第1の基板131と第2の基板132の間に導入する。次に、前記第1の基板131と前記第2の
基板132との間へシリンドリカルレンズ203、204でスポット形状を調整した励起光113を基板と実質的に平行な方向で入射させる。ここで、実質的に平行とは、基板に対しての平行と同一視できる範囲の平行性をいう。このとき、モレキュラービーコンプローブから発生する蛍光を対物レンズ6とCCD(8)で計測する。1フレーム(画面)のデータが取得でき、
制御系9に転送が終了したら、サンプルセル104を矢印5あるいは115の方向に検出部に対して相対的、機械的に移動させ、まだ未計測な部分の領域の観測を行う。これらの蛍光の計測とサンプルセル104の相対的移動を繰り返して行う走査によって、広い範囲のサンプル
溶液中のモレキュラービーコンプローブからの蛍光を計測する。
まず、サンプル溶液を保持するサンプルセルについて説明する。図7に示すように2枚
の石英基板131と132の間に2つのスペーサ133を形成し、スペーサの厚さ分の溶液を2枚
の基板の間に保持する。基板については、低屈折率膜を付する場合と同膜を付さない場合とがある。本実施例では同膜を付さない場合について説明する。
図8を使って最適なスペーサ厚さについて説明する。このグラフはスペーサの厚さ、すなわち溶液の厚さを変化させたときであってサンプルセルに入力するレーザ強度が10mWと一定としたときの励起強度密度の平均値を示している。実線は低屈折率薄膜がない本実施例での励起強度密度のスペーサ厚さ依存性を示している。溶液としては純水(屈折率1.33
)を仮定した。スペーサの厚さが40μm以上の場合には、厚さが増えると励起強度密度が
低下する。これは一定強度のレーザを入射したにも関わらすスポットサイズが広がっているためである。一方、スペーサ厚さが20μm以下の場合にも励起強度密度が大きく低下す
る。これは溶液厚さが低下すると、実効的に溶液とガラスの界面に対して厚い角度で反射光の割合が増え、界面での反射率が低下するからである。本実施例では両者の効果の中間の厚さとして25μmを採用する。2枚の基板の間隔として好適なのは励起強度密度が1/2以下にならない25±15μmである。
図6に検出系の構成図を示す。サンプルセル104に発振波長488nmのAr+レーザ光源1からの光を照射し、蛍光を512×512ピクセルの冷却型CCD(8)で計測する。基本的な構成は上記
の発明を実施するための最適な形態と同様である。レーザ光を集光するシリンドリカルレンズ203が水平方向のスポット幅117を決め、その焦点距離は150mmとした。また、レンズ2
04は垂直方向のスポット幅118を決め、その焦点距離は25mmとした。サンプルセル直前の
平均光強度は10mWとした。対物レンズ6の倍率は20倍、開口数(NA)は0.75とした。また
、散乱光を排除するために、励起光波長488nmを中心とするノッチフィルタ141をCCDカメ
ラ7と対物レンズ6の間に挿入した。
次に、サンプルセル104の駆動方法についても上述と同様である。具体的には、露光時
間を10msec、データ転送時間を190msec、サンプル移動時間を150msecとした。図5にタイムチャートを記した。1フレーム時間は露光時間とデータ転送時間で決定され、200msecである。本実施例ではデータ転送時間がサンプル移動時間より短く設定できたため、サンプル移動とデータ転送を同時に実施することによって、セルの移動回数が増加するにともなって増える計測時間の増加を最小限に抑制した。
また、サンプルセル104へのサンプル溶液の導入は毛細管現象を利用する。図7におい
て、領域150にサンプル溶液を滴下すると、毛細管現象によって、サンプル溶液が矢印151の方向へ導入される。このとき、内部の空気を抜くために2箇所以上の開口部が必要である。サンプルセル104が大きく傾いている場合には、サンプル溶液が流れてしまうという
不具合が生じる。このため、サンプルセルを保持するアクチュエータ121はサンプルセル
が実質的に水平を維持するようにした。これは、2枚の基板が実質的に水平であるという
ことである。ここで実質的に水平とは、水平と同一視できる程度の水平度をいう。
図9に本実施例で示した構成で得られた、分子蛍光の像である。サンプルは3.8kbの二
本鎖DNAにインターカレータYOYO-1でラベルした溶液でDNA濃度は10-12M、YOYO-1濃度
は10-9Mとした。
本実施例では、サンプルセルの基板に膜を付する構成を示す。この構成によれば、同じレーザ励起強度に対してはレーザ励起密度が向上できるため、露光時間を短縮することができ、スループット向上も期待できる。
図11にセルの断面構造を示す。図11に示すように2枚の石英基板131と132の間に溶液(試料)が保持されており、シリンドリカルレンズで集光されたレーザビーム113が溶
液中に入射され伝播しながら蛍光標識を励起する。レーザ励起密度を向上するために溶液と石英基板の間に厚さ15 μm程度で溶液より低屈折率の薄膜160を形成する。具体的には
、2枚の基板の各々の向き合う面に各々第1の層と第2の層とが薄膜として形成されてい
る。この低屈折率材料としてはフッ素樹脂が好ましい。本実施例では、アモルファス フ
ルオロポリマー(屈折率1.29)を用いた。低屈折率材料として適用可能な屈折率範囲は溶液の屈折率より0.1%以上小さく、1より大きければよい。屈折率の上限値は溶液の屈折
率に依存している。蛍光標識付ターゲット分子以外の塩や高分子の濃度によって、溶液の屈折率は1.
33〜1.37程度まで変化する。使用する条件における溶液の屈折率の変動が小さい場合、
使用する溶液の屈折率に対して0.1%以上小さい膜を形成し、励起レーザ光の2枚のガラス基板の間の伝播させることができる。0.1%以下の屈折率差の場合はレーザの入射条件が
厳しく現実的でない。屈折率差は大きい方が溶液屈折率変化への安定性が高く、望ましいが、蛍光体の励起に使われる波長領域で1より小さな屈折率を実現するためには光の吸収が伴うため不適当である。実際には1.2〜1.35の屈折率範囲が好適である。図8を用いて
この低屈折率薄膜160の効果を説明する。このグラフはセル中に保持された溶液の厚さに
対してサンプルセルへの入力レーザ強度を10 mWと一定としたときの励起強度密度の平均値を示している。実線は低屈折率薄膜がない場合、点線は低屈折率薄膜がある場合の励起強度密度を示している。溶液としては純水(屈折率1.33)を仮定している。溶液の厚さが薄くなるほど、レーザ励起密度が向上することが分かる。レーザ励起密度が上がると蛍光分子の検出感度が向上する。また、溶液を薄くすることは蛍光以外のバックグランドノイズ(水のラマン散乱や溶液中の分子の散乱などによる散乱)の影響を相対的に小さくすることもできる。なお、本実施例ではサンプルセル中に保持した溶液の厚さ(低屈折率の薄膜たる第1の層と第2の層との間隔)を15μmとした。サンプル溶液の厚さをあまり薄く
しすぎるとレーザ照射体積が小さくなってしまい。スループットが低下するため、厚さを15μm以上とすることが望ましく、15μmとした。しかし、ターゲットの計測感度は薄い方が高いため、用途に応じてスループットと蛍光標識の蛍光強度の兼ね合いから厚さを決定することになる。
また、上記の低屈折率膜160の替わりに誘電体膜(誘電体単層または多層膜)を形成し
、溶液とガラス基板の界面での反射率を向上することもレーザ励起密度向上のために有効である。最も簡単な構成として誘電体(単層)薄膜を反射膜に用いたサンプルセルの断面図を図16に示す。上記低屈折薄膜(図11の160)の換わりに基板の屈折率よりも屈折
率の高い誘電体膜166を形成した。すなわち、2枚の基板の各々の向き合う面に各々第1の誘電体膜と第2の誘電体膜とが薄膜として形成されている。こうすることによって誘電体薄膜166と溶液167との界面で全反射は起きず、かなりの強度の光が反射せずに通過するが
、誘電体薄膜166の屈折率がガラス基板131、132の屈折率より高く設定しているため、誘
電体薄膜166とガラス基板(131または132)との界面で全反射がおきる。これによって溶
液167厚さを比較的薄くして、光が反射するため、より高い励起レーザ密度をえることが
できる。誘電体膜としてSiN(屈折率1.95、厚さ0.4μm)としたときの励起レーザ密度を図1
7中の△のデータで示した。図17から分かるように低屈折率薄膜を用いた場合よりは励
起密度が低いが、ガラスのみを用いた場合よりは励起密度が向上していることが分かる。誘電体薄膜の屈折率範囲は基板であるガラスの屈折率より大きくしなければならないためガラス基板の屈折率が1.45のとき1.45以上の屈折率が必要になる。サンプル溶液の厚さは15μmとして良好なレーザ励起強度を得ることができる。サンプル溶液の厚さ範囲は10〜3
0μm 範囲が最適である。また、上記誘電体膜を多層にすることも可能であることは言う
までもない。この場合、各々の誘電体膜は各々屈折率の異なる複数の層を具備してもよく
、例えば各々が2層からなる場合には、溶液と接する層が基板と接する層よりも屈折率が高いものとしてもよい。多層化の最も簡単な場合は、上記誘電体膜と基板との間に屈折率の良く制御されたクラッド層としてSiO2層(屈折率1.45)を厚さ15μm挿入してもよい。
これをすることよってより安定した全反射が得られる。
また、さらに複雑な場合として、たとえば、図16において166の位置にガラス基板132側から3.6μmのSiN層(屈折率1.95)を形成し、その上に3.7μmのSiO2層(屈折率1.45)を
形成し、その上に溶液が保持されるようにする。また、上側のガラス基板の表面には上下反転した順序で同様の2層を形成する。これによって99%以上の高反射率を確保すること
が可能でレーザ励起密度を向上することができる。上記の例は多層膜として二層より構成した反射膜を示したが、より多数の層を組み合わせて反射膜を形成してもよい。
このように誘電体膜を用いることのメリットは溶液に接触する面を安定にたもち、サンプル溶液への不要な化学物質の混入の可能性を極力排除することが可能であることである。
次に、図10に検出系の構成図を示す。488nmが発振波長のAr+レーザ光源1からの光を
サンプルセル104に照射し、蛍光を512×512ピクセルの冷却型CCD(8)で計測する。基本的な構成は上記の発明を実施するための最適な形態と同様である。レーザ光を集光するシリンドリカルレンズの焦点距離は水平方向のスポット幅117を決めるレンズ203を150mmとして垂直方向のスポット幅118を決めるレンズ204を25mmとした。セル直前の平均光強度は10mWとした。対物レンズ6の倍率は20倍、開口数は0.75とした。また、散乱光を排除するため
に、励起光波長488nmを中心とするノッチフィルタ141をCCDカメラ7と対物レンズ6の間に
挿入した。
次に、サンプルセル104の駆動方法についても上述と同様であり、露光時間を10msec、
データ転送時間を190msec、サンプル移動時間を150msecとした。また、サンプル移動の時にセル104はわずかに傾くことも考えられる。そのため、セル104に対してレーザスポットが垂直方向(図5のy方向)に最適位置からずれる可能性が想定される。このようになるとレーザ励起強度密度が低下するため、正確な定量ができなくなる。これを避けるために
、本実施例ではセルを通過した光の強度をモニタする光パワーメータ(光検出器)140を
配置し、この出力を制御系9に出力するようにした。この制御系は、光パワーメータの出
力に応じてサンプル移動アクチュエータ121に対して位置制御の指令を与える。すなわち
、光パワーメータの出力に応じてz方向(サンプルセルの厚さ方向)の位置を調整するための指令を与える。ここで、z方向とは鉛直方向であってもよい。本実施例では特に、光パワーメータ140の出力が最大になるようにサンプル移動アクチュエータ121でz方向(サンプルセルの厚さ方向)の位置をフィードバック制御した。
本実施例では、サンプル溶液の入出力にサンプル溶液の入出力部分での圧力差によってサンプルの流れをつくり、レーザ照射領域が相対的に移動する実施例である。サンプルセルを図12に示す。図12の上側にはサンプルセル104の上面図、下側には断面図を示し
た。サンプルセル104は2枚の石英基板(第1の基板161と第2の基板162)から構成され
、下側の第2の基板162は多角形の形で窪み163がドライエッチによって形成されている。
この窪みの部分にサンプル溶液を収め、かつサンプル溶液が流れることになる。サンプル溶液は入力ポート164からサンプルセルに入り、出力ポート165から排出される。サンプル溶液の流れは矢印171、172、173に示した。
また、レーザビーム113はシリンドリカルレンズを用いて楕円形に整形され基板161と16
2の間に満たされた溶液中を、多重反射を繰り返しなら伝播する。レーザビーム113はドライエッチングで形成した窪み163の壁面を通過するが、この壁面での光の散乱が十分抑制
されるように、エッチング断面は平坦かつ垂直になるようにエッチング条件を調整する。
本実施例ではレンズ構成を従来とは異なる構成にすることによって、1回の露光での観測領域を増やすことを特徴とする。
本実施例の装置構成を図13に示す。この図に示すように実施例1との構成の違いはCCD(8)とサンプルセル104との間に2枚の対物レンズを挿入している点である。通常、蛍
光を計測するためには対物レンズのNAは大きくなくてはならない。これは、蛍光が等方的に放射されるため、大きなNAの対物レンズを使うことによってより広い角度に放射した蛍光を取り込むためである。しかし、大きなNAの対物レンズを一つだけをつかってCC
Dカメラ7に光を入力すると光学系の倍率が大きくなってしまう。このため、一回の観測
領域が狭まってしまうという問題がある。この問題を解決するために第1の対物レンズ19
0と第2の対物レンズ191を組み合わせる。いま、第1のレンズ190の倍率をM1、開口数をN
A1とし、第2のレンズ191の倍率をM2、開口数をNA2とするとき、NA2 > NA1 × M1が成立するようにする。この条件の下では、2枚のレンズ系の倍率はM = NA1/NA2であるからM < M
1が成立しており、開口数NA1を高く維持したまま、倍率をM1単独よりも低く設定でき、一回の観測領域をおおきくとることができる。これは特に単分子計測に必要な高い感度と広い観測視野を両立させるための構成に関して見出した課題を解決するための構成であり、従来の蛍光顕微鏡等ではこのような課題は生じない。
本実施例もレンズ系の構成を異なる構成にするとによって一度に観測できる領域を拡大することができることを特徴とする。本実施例では実施例4の第1のレンズがサンプル溶液を保持するセル104に一体化し、より広い角度に放射した蛍光を取り込むことが可能で
あり、高い感度を実現することができる。図14にサンプルセルをレーザ入射方向とは垂直方向に切断した断面図を示す。サンプルセルは2枚の基板から構成されており、溶液の下側の基板132の上にポリイミドまたは石英製のスペーサ133を配置し、その上にレンズ付の上面ガラスまたは基板205を接着する。ここで、レンズは上面ガラスまたは基板205に凹凸部を設けることによって設置されてもよい。基板材料は蛍光を発しなければポリマ材料等を用いてもよい。基板205上にCCD(8)上に視野に合わせて周期的にレンズ上の凸形状を
形成し、蛍光標識付分子206からの光を集光し、ノッチフィルタ141と第2のレンズ191を
通してCCD(8)上に結像するようにする。このような構成では基板201条に形成した第1の
レンズは蛍光分子により接近しているため、大きなNAを得ることができる。すなわち、高感度に蛍光を計測することが可能である。絞り
本実施例ではサンプルセル中を励起レーザ光が往復するようにしてレーザ照射体積を拡大する例について記述する。図15に実施例3のサンプルセルに、レーザ光の往復用ミラーが作り込まれたもの上面図を示す。多角形166で囲まれた領域はガラス基板132の表面をエッチングによってへこませた領域を示す。実施例3に対応する図12との相違はレーザ光入射側面と出射側面が山形になっており、矢印175あるいは176のように光が往復して伝播するようにミラーが形成されている点である。このような構成にすることによってレーザ照射領域を拡大することができるが、サンプルセル中のレーザの伝播中の光強度の損失が十分抑制されていなければ、均一な蛍光体の励起ができなくなってしまう。これを実現するために溶液とガラス基板131、132の間に低屈折率薄膜160または誘電体多層膜を挿入
することが望ましい。
スループットを向上する別の蛍光検出装置の構成として第1の基板と第2の基板とを具備し,前記第1と第2の基板の間に試料溶液を保持する試料保持部と,前記試料溶液の前記試料保持部での流れを制御する液体制御部と,前記第1の基板と前記第2の基板の間へ励起光を照射する光照射部と,1次元状に設けられ、前記試料保持部の内部で生じる蛍光を検出するためのセンサとを有する構成とすることもできる。
即ち図4に示した前記サンプルセルの代わりに図19に示すような試料流路部(以下サンプルフローセルと記す)を具備し,2次元CCD素子(8)の換わり1次元状光検出素子であるラインセンサを有し,蛍光標識付ターゲット分子1つ1つからの蛍光に対応する蛍光スポット数をカウントするための蛍光標識付ターゲット分子数計数部を有することを特徴とする蛍光検出装置である。本構成においても,レーザの伝播方向にレーザ照射体積を拡大し、レーザ励起密度を低下させずに計測領域を拡大する構成は具備している。サンプルセルを機械的に移動させるのではなく,サンプル溶液をフローさせ(流し)て,2次元像ではなく,試料流路部中の近似的に(実質的に)1次元領域から生じる蛍光像をラインセンサによって計測することによってサンプル溶液中の蛍光標識付ターゲット分子の分子数を計測する点を特徴とする。このような構成および計測方法を採用することによって,サンプル溶液中の蛍光標識付ターゲット分子の移動速度を蛍光計測感度の低下なしに向上させることができるため,さらなるスループット向上を図ることができる。
以下に高スループット化の要因を記す。サンプルフローセルは機械的に移動させる必要がないため,図5のタイムテーブルに示すようなサンプルセルの移動時間が必要でない。また,ラインセンサによって得られ1次元領域から得られた蛍光像をほぼ連続的に信号線11を通して,制御系9に伝達することができるため,計測時間と実質的に同じ時間を露光時間として割り当てることが可能であり,時間的ロスがない。また,レーザ光は前記ラインセンサで計測領域に対応する実質的に1次元である領域からの蛍光を取得するため,レーザ幅117を狭めてレーザ励起密度を上げることができる。蛍光標識付ターゲット分子からの蛍光強度はレーザ幅117に反比例して増大させることができる。このため,露光時間を短くすることが可能である。これにより,例えば非特許文献1で開示されている方法で,電気泳動速度を増加させた場合に生じうる,点状に見えていた蛍光標識ターゲットは流れて棒状に見え、計測できる1ピクセルあたりの蛍光強度が低下するため、計測できなくなってしまうという問題が改善される。改善の程度は露光時間にほぼ反比例するため,レーザ幅に反比例してスループットを増大させることが可能である。
本構成につき、発明を実施するための最良の形態について説明する。図18に本形態の基本構成を示す。前記実施の形態との相異点は2次元CCD素子(8)ではなくラインセンサ,具体的には他のラインセンサよりも低ノイズである冷却型1次元状CCD素子(24)を用い標識付ターゲット分子からの蛍光を計測する。ここで,ほぼ連続的な露光を実現するために,シャッターは用いずに露光時間のタイミング,および長さの制御は,制御系9から信号線10を通して実行する。また,1次元状CCDカメラ(23)で撮像する線状の領域をAr+レーザ(1)で標識付ターゲット分子(4)を励起するため,励起レーザのビーム形状は,蛍光標識付ターゲット分子の移動方向に平行な方向に引き伸ばす必要はないため,楕円ではなく,円形でよい。それゆえ,Ar+レーザ光は単一のレンズで集光した。さらなるスループット向上のために,励起レーザのスポット形状をサンプルフローセル(105)の厚み方向に長軸が存在する楕円にした方がさらによい。この場合はシリンドリカルレンズを二枚用い,図3の2枚のシリンドリカルレンズ203と204を90°回転させればよい。
図19に示したサンプルフローセル(105)は図4と同様に2枚の石英基板131および132から構成されている。また,サンプルフローセル(105)に入射されたレーザ光は2枚の石英基板131と132の間を多重反射しながら伝播し、上記2枚の石英基板の間を流れるサンプル溶液中の蛍光標識付ターゲット分子の結合している蛍光体を励起する。これによって,照射領域のレーザ伝播方向への拡大が実現できる。発生した蛍光は対物レンズ6によって集光し,1次元状CCD素子(24)上に結像させる。1次元状CCD素子(24)の画素は励起レーザの照射軸の方向に実質的に平行方向に配置し,標識付ターゲット分子(4)の移動方向(172)に対して実質的に垂直に1次元状CCD素子(24)に画素が並ぶようにした。標識付ターゲット分子は一定の流速で試料流路部(163)を流れるようにシリンジおよびシリンジポンプから構成された液体制御部(21)で制御する。このような構成で蛍光標識付ターゲット分子からの蛍光強度分布像を1次元状CCD素子(24)によって時間的なロスなく連続的に取得し,この1次元像を時系列的に並べる処理を行うデータ合成手段によって,2次元蛍光強度分布像(以下2次元蛍光像)を再構成する。得られた2次元蛍光像から蛍光標識付ターゲット分子数を粒子計数部26にてカウントし,サンプルフローセル中を通過したサンプル溶液の体積と計測できた蛍光標識付ターゲット分子の数の比からターゲット分子の濃度を計測する。また,蛍光計測を終了した標識付ターゲット分子はサンプルフローセルを通過し,廃液溜め(22)にて回収する。
サンプルフローセルの構成の詳細を記す。2枚の石英基板131と132の間に流路形成のためのスペーサ133を挿入している。このスペーサも石英製であり,励起レーザ光をサンプル溶液に照射するための窓の役割とサンプル溶液を漏らさないようにする壁の役割を担っている。通常,このスペーサは下側の石英基板からサンプル溶液を流す流路部分163をエッチングで除くことによって制御良く作製することができる。もちろん,スペーサ133を別の部品として作製し,後で2枚の石英基板131および132と接着してもよい。2枚の石英基板のうちの一枚には試料流路部の入り口164および出口165を形成するために,穴を開けている。また,サンプルフローセルの幅119は,例えば非特許文献1の場合と比較して,レーザ照射領域を大幅に拡大する。このために数mm以上に設定している。また,サンプルフローセル(105)の長さ121はサンプルセルとは異なり計測するサンプル体積とは無関係に決定できるため,コストや扱い易さの観点から数cmに設定している。
レーザ励起スポット幅117は100μm幅から20μm幅へ縮小し,レーザ励起密度を5倍向上させ,スループットを5倍向上させることができるようにした。
以下、実施例7と8により、本構成に係る実施例を示す。
本実施例では,サンプルフローセルとラインセンサを用いた蛍光検出装置の構成を図18に示す。Ar+レーザ(1)から出射された光を焦点距離31mmのアクロマティックレンズ(207)によって集光し,スポット径を25μmまでレーザ光を絞る。この状態でサンプルフローセル105にレーザ光を入射させ,図19中の2枚の石英基板131と132の間の試料流路部163の中を伝播させる。この伝播中のレーザ光は試料流路部(163)で標識付ターゲット分子4を励起し,蛍光を発生させる。このとき一般的に基板131と132の屈折率と試料溶液の屈折率の間には比較的大きな差が存在するため,光は試料溶液と石英基板131および132の間を多重反射しながら伝播する。この伝播の状況は実施例1の場合と同様であり,実施例1で説明を記したように試料流路部の厚さは25±15μmにすることによって,励起レーザ強度密度は最大にすることができるので,本実施例でも試料流路部の厚さを25μmとした。さらにこれによって,照射領域のレーザ伝播方向へ数mmまでの拡大が実現できスループットを実現できる。
また,このとき発生した蛍光を倍率20倍,開口数0.75の対物レンズ6によって1次元状CCD素子(24)上に結像させた。使用した1次元状CCD素子(24)はレーザ伝播方向に512ピクセル,これと垂直方向に10ピクセルとした。さらにこの10ピクセルは1ピクセルにCCD素子内でビニングする(蛍光によって発生した10ピクセル分の電荷を1ピクセル分の電荷量としてまとめて,信号線11を通して,データ合成部(25)に転送する)ことによって,1次元状CCD素子(24)の画素数を512×1ピクセルとなるようにして,1次元蛍光像を出力した。標識付ターゲット分子(4)は一定の流速になるようにシリンジおよびシリンジポンプから構成された液体制御部(21)で制御し,試料流路部(163)を通過させ,廃液だめ(22)に至るようにする。
このように流速が一定の状態で,データ合成手段が,時間的なロスなく1次元状CCD素子(24)からの蛍光像データを時系列的に並べることによって2次元蛍光像を再構成する。このようにして得られた2次元蛍光像をターゲット分子数計数部(26)で分子数をカウントし,フローセル中を通過したサンプル溶液の体積との比からターゲット分子の濃度を計測することが可能となる。このとき,計数部(26)でのカウントは,次のようにおこなった。まず,2次元蛍光像の例としては図9に示したような画像がある。画像中では蛍光強度が強いほど,白くなるように表現されているため,画像中の白い点が標識付ターゲット分子に対応する。黒い部分は分子がないバックグラウンドであるが,この領域もレーザが試料溶液に照射されることによって弱く光を発している。蛍光標識付ターゲット分子からの蛍光強度に比べて,その強度が小さいため,画像中では黒く表わされている。ターゲット分子数計測部では,バックグラウンドの蛍光強度を評価し,その差が適切に設定されていた閾値よりも大きい蛍光標識付ターゲット分子像に対応する白いスポットの数を数えることによって蛍光標識付ターゲット分子数の計数を実現している。
サンプルフローセルの構成の詳細を図19に記す。2枚の石英基板131と132の間に流路を形成するために,ドライエッチによって試料流路部163の形状に合わせて基板132に凹みを形成する。この凹みの深さは試料流路部の厚さと同じであり25μmとした。図19中の2枚の2枚の石英基板の間のスペーサ(133)はこのときエッチングされずに残った基板132の周辺部分によって形成されている。
一方,上側の石英基板131には試料流路部への入り口164と出口165を形成するために,貫通穴をあけ,その後2枚の基板を接着した。次にこの2つの貫通穴にガラスキャピラリ(27)を挿入,接着して液体制御部のシリンジからの試料溶液の導入と廃液だめへの排出ができようにした。
サンプルフローセルの幅(119)はレーザ照射領域を拡大するために数mm以上に設定している。また,サンプルフローセルの長さ(121)はサンプルセルとは異なり計測するサンプル体積とは無関係に決定できる。
以上のような装置構成によって,レーザ励起スポット幅117は100μm幅から20μm幅へ縮小し,レーザ励起密度を5倍向上させ,スループットを5倍向上させることができるようにした。
1次元状CCD(24)の駆動は制御系9からトリガ(引き金)信号によって制御した。露光時は19.5msec、データ転送時間は15msecであり,これらの時間に対応する処理は図20に示したように同時に実行される。露光の後,データ転送の準備のために1次元状CCD素子(24)内でのデータ転送が必要であるが,このために必要な時間は0.5msec以下である。それゆえ,測定時間全体の2.5%だけが露光しないロスタイムとなっており,ほぼ連続的な露光を実現している。
本実施例では、サンプルフローセルの基板に膜を付する構成を示す。膜以外の構成については、基本的に図18及び実施例7に示した構成と同様である。この構成によれば、同じレーザ励起強度に対してレーザ励起密度を向上できるため、露光時間を短縮でき、スループット向上が期待できる。特にサンプルフローセルの場合は測定時間中の露光時間以外のロスタイムの割合が小さいため,露光時間の短縮に反比例してスループット向上できるため,サンプルフローセルを構成する基板への膜の付与の効果が高まる。
図21にサンプルフローセルの断面構造図を示す。図21に示すように2枚の石英基板131と132の間にサンプル溶液(試料)が流れており、アクロマティックレンズ(207)で集光したレーザビーム113が溶液中に入射し,伝播しながら蛍光標識を励起する。2枚の石英基板と溶液の界面で全反射にすることによって,溶液中を光が漏れることなく伝播できるようになるため,励起レーザ強度密度を向上させることができり。この全反射を実現するためには溶液より低屈折率の薄膜160を試料流路部163の領域に形成する必要がある。この低屈折率材料としてはフッ素樹脂が好ましい。本実施例では、アモルファス フルオロポリマー(屈折率1.29)を用いた。低屈折率材料として適用可能な屈折率範囲は溶液の屈折率より0.1%以上小さく、1より大きければよい。屈折率の上限値は溶液の屈折率に依存している。標識付ターゲット分子(4)以外の塩や高分子の濃度によって、溶液の屈折率は1.33〜1.37程度まで変化する。使用する条件における溶液の屈折率の変動が小さい場合、使用する溶液の屈折率に対して0.1%以上小さい膜を形成し、励起レーザ光の2枚のガラス基板の間を伝播させることができる。0.1%以下の屈折率差の場合はレーザの入射条件が厳しく現実的でない。屈折率差は大きい方が溶液屈折率変化への安定性が高く、望ましいが、蛍光体の励起に使われる波長領域で1より小さな屈折率を実現するためには光の吸収が伴うため不適当である。実際には1.2〜1.35の屈折率範囲が好適である。図8を用いてこの低屈折率薄膜160の効果を説明する。このグラフはセル中に保持された溶液の厚さに対してサンプルセルへの入力レーザ強度を10 mWと一定としたときの励起強度密度の平均値を示している。実線は低屈折率薄膜がない場合、点線は低屈折率薄膜がある場合の励起強度密度を示している。溶液としては純水(屈折率1.33)を仮定している。溶液の厚さが薄くなるほど、レーザ励起密度が向上することが分かる。レーザ励起密度が上がると蛍光分子の検出感度が向上する。また、溶液を薄くすることは蛍光以外のバックグランドノイズ(水のラマン散乱や溶液中の分子の散乱などによる散乱)の影響を相対的に小さくすることもできる。なお、本実施例ではサンプルセル中に保持した溶液の厚さ(低屈折率の薄膜たる第1の層と第2の層との間隔)を15μmとした。サンプル溶液の厚さをあまり薄くしすぎるとレーザ照射体積が小さくなってしまい。スループットが低下するため、厚さを15μm以上とすることが望ましく、15μmとした。しかし、ターゲットの計測感度は薄い方が高いため、用途に応じてスループットと蛍光標識の蛍光強度の兼ね合いから厚さを決定することになる。
また、上記の低屈折率膜160の替わりに誘電体膜(誘電体単層または多層膜)を形成し
、溶液とガラス基板の界面での反射率を向上することもレーザ励起密度向上のために有効である。最も簡単な構成として誘電体(単層)薄膜を反射膜に用いたサンプルセルの断面図を図22に示す。上記低屈折薄膜(図21の160)の換わりに基板の屈折率よりも屈折
率の高い誘電体膜166を形成した。すなわち、2枚の基板の各々の向き合う面に各々第1の誘電体膜と第2の誘電体膜とが薄膜として形成されている。こうすることによって誘電体薄膜166と溶液167との界面で全反射は起きず、かなりの強度の光が反射せずに通過するが
、誘電体薄膜166の屈折率がガラス基板131、132の屈折率より高く設定しているため、誘
電体薄膜166とガラス基板(131または132)との界面で全反射がおきる。これによって溶
液167厚さを比較的薄くして、光が反射するため、より高い励起レーザ密度をえることが
できる。誘電体膜としてSiN(屈折率1.95、厚さ0.4μm)としたときの励起レーザ密度を図1
7中の△のデータで示した。図17から分かるように低屈折率薄膜を用いた場合よりは励
起密度が低いが、ガラスのみを用いた場合よりは励起密度が向上していることが分かる。誘電体薄膜の屈折率範囲は基板であるガラスの屈折率より大きくしなければならないためガラス基板の屈折率が1.45のとき1.45以上の屈折率が必要になる。サンプル溶液の厚さは15μmとして良好なレーザ励起強度を得ることができる。サンプル溶液の厚さ範囲は10〜3
0μm 範囲が最適である。また、上記誘電体膜を多層にすることも可能であることは言う
までもない。この場合、各々の誘電体膜は各々屈折率の異なる複数の層を具備してもよく
、例えば各々が2層からなる場合には、溶液と接する層が基板と接する層よりも屈折率が高いものとしてもよい。多層化の最も簡単な場合は、上記誘電体膜と基板との間に屈折率の良く制御されたクラッド層としてSiO2層(屈折率1.45)を厚さ15μm挿入してもよい。
これをすることよってより安定した全反射が得られる。
また、さらに複雑な場合として、たとえば、図22において166の位置にガラス基板132側から3.6μmのSiN層(屈折率1.95)を形成し、その上に3.7μmのSiO2層(屈折率1.45)を
形成し、その上に溶液が保持されるようにする。また、上側のガラス基板の表面には上下反転した順序で同様の2層を形成する。これによって99%以上の高反射率を確保すること
が可能でレーザ励起密度を向上することができる。上記の例は多層膜として二層より構成した反射膜を示したが、より多数の層を組み合わせて反射膜を形成してもよい。
このように誘電体膜を用いることのメリットは溶液に接触する面を安定にたもち、サンプル溶液への不要な化学物質の混入の可能性を極力排除することが可能であることである。
また,図21と図22においてサンプルフローセルの入射部分に窓用ガラス板136を設けている。これは石英基板132,131の凸凹をガラスとほぼ同じ屈折率の接着剤を用いてガラス板136を貼り付けることによって,サンプルフローセルへ入射時に前記凸凹による光の散乱が生じて,溶液中まで伝播する光の強度が減数しないようにしている。
本実施例の構成については、本実施例における上記構成の他、実施例2の記載の構成を適宜適用することも可能である。これにより、実施例2と同様の反射の効果を得ることによって、露光時間を短縮でき、スループット向上が期待できるという効果を得ることができる。
次に本実施例の構成で濃度定量を行った結果について記す。試料溶液としては3.8kbの二
本鎖DNAにインターカレータであるYOYO-1で標識した溶液を使用した。DNA濃度を10-14M、10-13M,10-12Mの3種類の溶液を準備し,これらの溶液をサンプルフローセル中に一定速度でフローさせて,標識付ターゲット分子数を計測した。このときのフロー速度はラインセンサの採用によって,励起レーザ強度密度を5倍に向上できているため,スループットは5倍だけ向上することができた。以下にフロー速度が5倍に向上できた理由を記す。
速度が5倍になることによって,標識つきターゲット分子のラインセンサ上での像の大きさは,フローと平行な方向に最大5倍伸びてしまう。それゆえ,仮に励起強度密度が変わらないとすると,蛍光像に対応するバックグラウンド(蛍光像が無いときのラインセンサ出力)の揺らぎは√5倍に増加する。励起強度密度が変わっていないと仮定したから,蛍光強度(シグナル)は変化せず,SN比は1/√5倍に低下する。ところが,ラインセンサの採用によって,励起レーザ密度は5倍だけ向上している。このため,蛍光強度は5倍だけ増加し,バックグラウンドの揺らぎは√5倍だけ増加する。すなわち,ラインセンサの採用によって,励起レーザ密度が5倍増加し,SN比は√5倍だけ増加する。以上のことから,速度を5倍にしたときのSN比の低下量と励起レーザ密度を5倍にしたときのSN比の向上分は同じ量になる。そのため,ラインセンサの採用によって,フロー速度を5倍に上げたとしても,SN比は変化しないことになる。すなわち,ラインセンサの採用によって5倍のフロー速度での計測が可能となる。実際に,上記3種類の濃度のDNA溶液の分子数カウントした結果を図23に示す。ここで図23中の理論直線は励起レーザ照射領域50×10×20μmの体積である0.01nlに対して,計測時間2分間の蛍光画像フレーム数(60000)を掛けた計測全体積(0.06μl)中に存在するはずの分子数を記している。図23から分かるように,ほぼ全数の分子が計測,カウントできている。これは5倍のフロー速度でも,感度が低下せず,全分子がカウントできていることを示している。
図23から本実施例の構成によって,5倍のスループットで濃度が未知のサンプルの分子数を計測し,この値と測定体積から濃度定量ができることが実証できた。
従来法を実現する検出系の構成図。 キャピラリのレーザが照射された領域の拡大図。 本発明の装置基本構成図。 本発明のサンプル保持のためのセル鳥瞰図。 サンプル移動時間のタイムテーブル。 本発明の最良の形態および実施例1における装置構成瞰図。 本発明の最良の形態および実施例1におけるサンプル保持用セルの鳥瞰図。 2枚の基板の間隔(溶液厚さ)と光強度密度の関係。 サンプルセルを用いた蛍光分子像の例。 実施例2における装置構成図。 実施例2におけるサンプル保持用セルの断面図。 実施例3におけるサンプル保持用セルの図。 実施例4におけるサンプル保持用セルの構成図。 実施例5におけるサンプル保持用セルの構成図。 実施例6におけるサンプル保持用セルの上面図。 反射膜として誘電体膜を用いたサンプル保持用セルの断面図。 反射膜として誘電体膜を用いたサンプル保持用セルにおける溶液厚さと光強度密度の関係。 サンプルフローセルおよびラインセンサを用いた本発明の最良の形態および実施例7における蛍光検出装置構成図 サンプルフローセルおよびラインセンサを用いた本発明の最良の形態および実施例7のおけるサンプルフローセルの鳥瞰図 サンプルフローセルおよびラインセンサを用いた本発明の最良の形態および実施例7における露光時間のタイムテーブル 実施例8における低屈折率薄膜を用いたサンプルフローセルの断面図 実施例8における誘電体薄膜を用いたサンプルフローセルの断面図 分子数カウントと濃度の関係の測定結果を示すグラフ
符号の説明
1 Ar+レーザ
2 露光時間を決定するシャッター
3 従来例におけるレーザ集光用レンズ
4 本発明における蛍光標識ターゲット
5 レーザ光源1出たレーザ光
6 対物レンズ
7 CCDカメラ
8 CCD(Charge Coupled Device)
9 制御コンピュータ
10 同期信号線
11 画像データ転送用信号線
12 キャピラリ
13 従来例におけるレーザビーム
14 従来例における蛍光標識ターゲット
15 蛍光標識ターゲットの電気泳動方向
16 従来例におけるレーザ照射体積
17 レーザ照射領域の幅
18 レーザ照射領域の高さ
19 キャピラリの幅
20 キャピラリの高さ
21 液体制御部
22 廃液溜め
23 1次元状CCDカメラ
24 1次元状CCD素子
26 蛍光標識付ターゲット分子をカウントする粒子数計数部
27 サンプルフローセルへ試料溶液を送るガラスキャピラリ
28 条件(1),(2),(3),(4)のいずれかを満たしたCCD光検出素子
29 28のCCD光検出素子を含むカメラ
104 サンプル溶液を保持したセル
105 2枚の基板によるサンプルフローセル
106 サンプルフローセル
113 レーザスポット
115 サンプルセルの相対的移動方向
116 レーザ照射領域
117 レーザスポット幅
118 レーザスポット厚さ
119 セルのレーザ伝播方向の幅
120 セルのレーザ伝播方向に対して垂直方向の幅
120 2枚のガラス基板の間隔(溶液厚さ)
121 セル用ステージ移動機構
131 セルを構成するガラス基板(上側)
132 セルを構成するガラス基板(下側)
133 2枚のガラスの間隔を決定するスペーサ
135 レーザ入射・出射部光散乱防止板
136 フローセルにおける レーザ入射部光散乱防止板
137 フローセル
140 出力レーザ強度モニタ
141 ノッチフィルタ
150 サンプル溶液滴下領域
151 サンプル溶液浸透方向
160 光伝播用低屈折率薄膜
161 流路つきセルを構成するガラス基板(上側)
162 流路つきセルを構成するガラス基板(下側)
163 サンプルフローセルにおける試料流路部
164 サンプル流路入り口
165 サンプル流路出口
166 試料流路部中のサンプル溶液
167 誘電体膜(SiN)
168 サンプル溶液
171 サンプルの流れの方向(入り口付近)
172 サンプルの流れの方向(レーザ照射領域付近)
173 サンプルの流れの方向(出口付近)
174 レーザ照射方向
175 実施例6におけるレーザ光伝播の軌跡
176 実施例6におけるレーザ光伝播の軌跡
180 エッチングで形成したサンプルセル
190 対物レンズ(第1レンズ)
191 対物レンズ(第2レンズ)
203 1枚目のシリンドリカルレンズ
204 2枚目のシリンドリカルレンズ
205 上側ガラス基板に形成した対物レンズ
206 蛍光標識付サンプル
207 レーザ集光用アクロマティックレンズ。

Claims (7)

  1. 第1の基板と第2の基板とを具備し,前記第1と第2の基板の間に試料溶液を保持する試料保持部と,
    前記第1の基板と前記第2の基板との間であって前記第1の基板と前記第2の基板に実質的に平行に、かつ前記試料溶液の流れの方向と実質的に垂直の方向へ励起光を照射する光照射部と,
    前記試料保持部の内部で生じる蛍光を検出する検出部と,
    前記試料保持部を前記検出部に対して相対的移動させる移動手段とを有することを特徴とする蛍光検出装置。
  2. 前記第1の基板と前記第2の基板とは,各々の向き合う面に各々第1の層と第2の層とを有し,前記第1の層と前記第2の層とは前記試料よりも屈折率が低いことを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
  3. 前記第1の基板と前記第2の基板とは,各々の向き合う面に各々第1の誘電体膜と第2の誘電体膜とを有し,前記第1の誘電体膜と前記第2の誘電体膜とは,前記第1の基板及び前記第2の基板よりも屈折率が高いことを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
  4. 前記第1の基板及び前記第2の基板が水平に設置されることを特徴とする請求項1内至請求項3に記載の蛍光検出装置。
  5. 前記第1の基板と前記第2の基板とは実質的に平行に設置されることを特徴とする請求項1内至請求項3に記載の蛍光検出装置。
  6. 前記試料保持部は、試料導入口と試料導出口を有することを特徴とする請求項1記載の蛍光検出装置。
  7. 前記移動手段は、前記試料保持部を前記検出部に対して機械的に移動させることを特徴とする請求項1記載の蛍光検出装置。
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