JP4808785B2 - インスリン組成物および組成物の製造方法 - Google Patents

インスリン組成物および組成物の製造方法 Download PDF

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Description

〔発明の分野〕
本発明は、遷延性の作用特性と高い亜鉛含有量を有するアシル化インスリンの製薬学的組成物に関する。さらに、本発明は、遷延性の作用特性と高い亜鉛含有量を有するアシル化インスリンの製薬学的組成物を製造するための方法、および糖尿病の治療のための組成物を製造する方法に関する。
〔発明の背景〕
現在、1型糖尿病および二型糖尿病の双方の糖尿病の治療は、いわゆる強化インスリン療法への信頼が高まっている。この療法によると、基礎インスリン要求性をカバーするための持続型インスリンの一または二回の毎日の注射を、食事と関連するインスリン要求性をカバーするための、即効型インスリンのボーラス注射により補充して含む多様な毎日のインスリン注射により、患者を治療する。
持続型インスリン組成物は、当技術分野において周知である。したがって、持続型インスリン組成物の主な型には、インスリン結晶または非晶質インスリンの注射可能な水性懸濁液が含まれる。これらの組成物では、使用されるインスリン化合物は、典型的には、プロタミンインスリン、亜鉛インスリンまたはプロタミン亜鉛インスリンである。
ある欠点がインスリン懸濁液の使用に関連する。例えば、正確な投与を確保するために、該懸濁液の限定量がバイアルから引き出されるまたはカートリッジから排出される前に、インスリンの粒子は、穏やかな振盪により均質に懸濁されなくてはならない。また、塊形成または凝固を避けるために、インスリン懸濁液の貯蔵は、インスリン溶液に比較してより狭い範囲で温度を保たなくてはならない。
プロタミンは非免疫性であると依然は考えられていたが、現在では、プロタミンはヒトにおいて免疫性であり、且つ薬剤目的におけるそれらの使用は抗体の形成を引き起こすことが明らかとなっている。また、プロタミン−インスリン複合体がそれ自身免疫性であることがであるという証拠も見つかっている。従って、ある患者には、プロタミンを含有する持続型インスリン組成物の使用をさけなくてはならない。
もう1つの種類の持続型インスリン組成物は、その溶液を注射した際にpH値が上昇することから、インスリンが沈殿するであろう生理学的なpHよりも低いpH値を有する溶液である。これらの溶液の欠点は、注射した組織に形成された沈殿の粒径分布、したがって、薬物の放出特性が、幾らか予測不能な様式で、注射部位の血流および他のパラメーターに依存することである。更なる欠点は、インスリンの固体粒子が注射部位の組織の炎症の原因となる局所的な刺激物として作用することである。
インスリンは、膵臓のランゲルハンス島で生産される51アミノ酸のペプチドである。モノマーとして働き、その第一の機能は、膜貫通受容体に結合し、活性化することにより、グルコース分子の脂肪および筋肉組織の細胞膜を横切った輸送を促進することである。
インスリンの特性は、ヘキサマーへと会合することができ、その形態でそのホルモンは生合成および貯蔵の間の化学および物理的な分解から保護されるということである。インスリンについて研究されたX線結晶からは、ヘキサマーは、三褶曲軸の回転により関連する三つのダイマーからなることが示されている。これらのダイマーは、その三褶曲軸上に位置する核にある二つの亜鉛イオンとの相互作用を介して、密接に会合してる。
ヒトインスリンが高濃度製薬学的製剤の形態で皮下組織に注射されるとき、それは自己会合しており、モノマーへの解離は比較的緩やかである。インスリンのヘキサマーおよびダイマーは、モノマーより毛細血管壁を貫通するのが遅い。
亜鉛およびフェノール性添加物は、通常、貯蔵の間の分解に対する予防としての、ヘキサマー形成を促進するために、治療的インスリン製剤に用いられる。しかしながら、この形態では、注射されたインスリンの作用は、皮下組織を介してヘキサマーが拡散し、ダイマーおよびモノマー解離する間、遅延することになる。
インスリン製剤は、大抵、インスリンを、酸性条件下で小体積の水に溶解することにより調製される。亜鉛は、その後、製剤に添加され、続いて中和され、フェノールおよびm−クレゾールのような保存料が添加される。これらのインスリンの製薬学的製剤は、ヘキサマーのインスリン毎に約2、3もしくは4の亜鉛原子として提供される。
国際公開第2005/012347号は、国際公開第95/07931号に開示されるアシル化インスリンと比較して追加の負電荷を含んでなるアシル化インスリン誘導体の別の群を開示する。これらのアシル化インスリンの製薬学的製剤は、ヘキサマーのインスリン毎に約2、3もしくは4の亜鉛原子として提供される。
国際公開第2003/094956号は、モノマーのインスリンと可溶性アシル化インスリンアナログを混合することにより調製される安定インスリン製剤を開示する。製剤は、ヘキサマーのインスリン毎に約2.3から約4.5のZn2+を含む。この発明のアシル化インスリンアナログはインスリンデテミル(detemir)である。
国際公開第2003/094951号から、即効作用および持続作用の双方を有する安定可溶性インスリン製剤を製剤化することは公知である。製剤は、ヘキサマーのインスリン毎に約2.3から約4.5のZn2+の範囲の亜鉛含有量を有する。この発明のアシル化インスリンアナログはインスリンデテミル(detemir)である。
国際公開第99/21888号は、6分子のインスリン誘導体毎に最大5の亜鉛原子を含むヒトインスリン誘導体の凝集に関する。
ヒトインスリンは、三つの第一級アミノ基を有する:A鎖およびB鎖のN末端基、およびLysB29のε−アミノ基。これらの基の一または複数で置換された幾つかのインスリン誘導体が、先行技術中で知られている。したがって、米国特許第3528960号(Eli Lilly)は、インスリン分子のうちの1、2または3の第一級アミノ基がカルボキシアロイル(aroyl)基を有するN−カルボキシアロイル(aroyl)インスリンに関する。
欧州特許第894095号は、B鎖のN末端および/または位置B28、B29またはB30のLysのε−アミノ基が、Wが長鎖炭化水素基であり得る式−CO−W−COOHの置換を有するこれらのインスリン誘導体を開示している。これらのインスリン誘導体は、作用の持続性を有し、生理学的pH値で可溶性である。
国際公開第95/07931号は、脂溶性(liphophilic)の側鎖が、親インスリンのB鎖のN末端アミノ酸残基のα−アミノ基もしくはB鎖に存在するLys残基のε−アミノ基の何れか一方に結合している持続性インスリン誘導体を開示する。
インスリンデテミル(detemir)の遅い吸収のメカニズムは、Havelundらにより研究されている(The mechanism of protraction of insulin detemir、a long-acting acylated analog of human insulin., Pharmaceutical Research, 21(2004)1498-1504)。インスリン製剤は、ヘキサマーのインスリン毎に2の亜鉛原子、続いてグリセロール、フェノール、m−クレゾールおよびリン酸ナトリウムを添加することにより調製される。
Whittinghamら(Crystallographic and solution studies of N-Lithocholyl insulin: a new generation of prolonged-acting human insulin, Biochemistry 2004, 43, 5987-5995)では、アシル化インスリンアナログの製剤が調製されている。そのインスリン製剤は、ヘキサマーのインスリン毎に2−2.5の亜鉛原子、続いてグリセロールおよびフェノールを添加することにより調製される。インスリンの構造は、サイズ排除カラムクロマトグラフィーで測定される。
本発明は、先行技術の課題を解決するアシル化インスリンの製薬学的組成物に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、および6分子のアシル化インスリン毎に4より多い亜鉛原子を含んでなるアシル化インスリンを含む可溶性製薬学的組成物に関する。
亜鉛含有量は、6分子のアシル化インスリン毎に最大約12の亜鉛原子であってよい。亜鉛含有量の上限は、インスリンの沈殿を起こし、溶液を懸濁液にする亜鉛含有量である。
本発明のある態様では、製薬学的組成物は、6分子のアシル化インスリン毎に約4.3から約12の亜鉛原子、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約4.5から約12の亜鉛原子を含む。本発明の更なる態様では、製薬学的組成物は、6分子のアシル化インスリン毎に約5から約11.4の亜鉛原子、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約5.5から約10の亜鉛原子を含む。更なる態様では、製薬学的組成物は、6分子のアシル化インスリン毎に約6から約10.5の亜鉛原子、もしくは、6分子のアシル化インスリン毎に約6.5から約10の亜鉛原子を含むか、あるいは、製薬学的組成物は、6分子のアシル化インスリン毎に約7から約9の亜鉛原子を含む。更なる態様では、製薬学的組成物は、亜鉛濃度の約1/3から3倍のクエン酸塩を含む。
本発明のインスリン分子は、互いに相互作用して、亜鉛を含んでなる複合体を形成する。これらのインスリン−亜鉛複合体は、製薬学的組成部中に、ヘキサマー、ドデカマーもしくはドデカマーより高分子量の複合体として存在し得る。全ての種類のインスリンが亜鉛と複合体を形成する、例えば、ヒトインスリン、アシル化インスリン(インスリン誘導体)およびインスリンアナログ。
本発明のある態様では、少なくとも85%のアシル化インスリンが、アシル化インスリンドデカマー複合体もしくはアシル化インスリンドデカマーより高分子量の複合体として存在する。
本発明のある態様では、少なくとも90、92、95、96、97、98、99もしくは99.5%のアシル化インスリンが、アシル化インスリンドデカマー複合体もしくはアシル化インスリンドデカマーより高分子量の複合体として存在する。
本発明のある態様では、製薬学的組成物は界面活性剤を含む。界面活性剤は、製薬学的組成物の重量に基づいて0.0005−0.01%の量で存在し得る。ある態様では、界面活性剤は、製薬学的組成物の重量に基づいて0.0005−0.007%の量で存在し得る。界面活性剤の例としては、polysorbate20が挙げられ、それは組成物の重量に基づいて0.001−0.003%の量で存在し得る。別の例としては、poloxamer188が挙げられ、それは組成物の重量に基づいて0.002−0.006%の量で存在し得る。
インスリン分子は、インスリン分子の様々な位置でアシル化されてよい。ある態様では、インスリンは、親インスリン分子のB鎖中の位置のLys残基のε−アミノ基、特にヒトインスリン分子のB29リジン基のε−アミノ基においてアシル化される。しかしながら、本発明の他の態様によると、アシル化は、インスリン分子の別の位置で起きてもよく、例えば、B29がリジンから別のアミノ酸残基へと改変されたとすれば、位置B1のα−アミノ基もしくはインスリン分子中の天然アミノ酸残基がリジン残基に置換された位置で起きてもよい。
したがって、ある態様では、アシル化インスリンは、位置B1のα−アミノ基もしくはインスリン分子のAまたはB鎖中のリジン残基の遊離ε−アミノ基のどちらかにおいてアシル化される。
ある態様では、インスリンは、インスリン分子の位置B29のリジン残基の遊離ε−アミノ基においてアシル化される。
アシル基は、脂溶性(liphophilic)基であり、典型的には、少なくとも一つの遊離カルボン酸基もしくは中性pHで負に荷電する基を含み、約6から約32の炭素原子を有する脂肪酸部分であろう。より典型的には、脂肪酸部分は、6から24、8から20、12から20、12−16、10−16、10−20、14−18もしくは14−16の炭素原子を有するであろう。
ある態様では、製薬学的組成物は、少なくとも一つの遊離カルボン酸基もしくは中性pHで負に荷電する基を含む。ある態様では、製薬学的組成物は、4から32の炭素原子を有する二カルボン酸性脂肪酸から誘導されるアシル基を含む。
更なる態様では、脂肪酸部分は、約6から約32、6から24、8から20、12から20、12−16、10−16、10−20、14−18もしくは14−16の炭素原子を有する二カルボン酸性脂肪酸から誘導される。
ある態様では、製薬学的組成物は、アミド結合を介するリンカー基を介して、インスリンと結合したアシル基を含む。
アシル基は、問題の遊離アミノ基と直接結合していてよい。しかしながら、アシル基は、インスリン分子中の遊離アミノ基と、問題のアシル基とを一緒に連結するリンカーにより、アミド結合を介して結合していてもよい。
アシル化インスリンは、典型的には、ヒトインスリンと比較して、少なくとも一つ、もしくは二つの追加の負の正味荷電を有し、より典型的には、二つの追加の負の荷電を有するであろう。追加の負の荷電は、脂肪酸中の遊離カルボン酸基、あるいは、少なくとも一つが遊離カルボン酸もしくは中性pHで負に荷電する基を含む一または複数のアミノ酸残基を含み得るリンカー基によりもたらされ得る。更なる態様では、アシル基は、二カルボン酸性脂肪酸から誘導される。
ある態様では、製薬学的組成物は、インスリンが、親インスリン部分のB鎖のN末端アミノ酸残基のα−アミノ基もしくは親インスリン部分のB鎖中のLys残基のε−アミノ基の何れか一方とアミド結合を介して結合している側鎖であって、少なくとも一つの遊離カルボン酸基もしくは中性pHで負に荷電する基と;炭素鎖中に約4から約32の炭素原子を有する脂肪酸部分と;側鎖中の個々の構成成分をアミド結合を介して一緒に連結する一または複数のリンカーと;を含んでなる側鎖を有するインスリンを含む。
ある態様では、インスリン分子は、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と結合している側鎖であって、一般式:
−W−X−Y−Z
[上式中、
Wは、
・そのカルボン酸基のうちの一つと共に、親のインスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と一緒になってアミド基を形成する側鎖中のカルボン酸基を有するα−アミノ酸残基;
・アミドカルボニル結合を介して一緒に連結されている2、3または4のα−アミノ酸残基からなる鎖であって、
アミド結合−を介した鎖−は親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と連結しており、
Wのアミノ酸残基、Wが側鎖中にカルボン酸基を有するアミノ酸残基を少なくとも一つ有するように、中性側鎖を有するアミノ酸残基および側鎖中にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択される鎖;もしくは、
Xから親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基までの共有結合
であり;
Xは、
・−O−;
・−CH(COOH)O−;
・−CO−N(CHCOOH)CH O−;
・−CO−N(CHCOOH)CHCON(CHCOOH)CH O−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CHCH O−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CHCHCON(CHCHCOOH)CHCH O−;
・−CO −NHCH(COOH)(CHNHO−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CH O−;もしくは
・−CO−N(CHCOOH)CHCH O−であって、
a)Wがアミノ酸残基もしくはアミノ酸残基の鎖であるとき、下線の炭素からの結合を介して、W中のアミノ基とアミド結合を形成するか、あるいは、
b)Wが共有結合であるとき、下線のカルボニル炭素からの結合を介して、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基とアミド結合を形成し;
Yは、
・mが6から32の範囲の整数である−(CH−;
・1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に10から32の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖
であり;かつ、
は、
・−COOH;
・−CO−Asp;
・−CO−Glu;
・−CO−Gly;
・−CO−Sar;
・−CH(COOH)
・−N(CHCOOH)
・−SOH;もしくは
・−PO
であるが、
ただし、Wが共有結合であってXが−CO−であるならば、Zは−COOHとは異なる]
の側鎖を有するもの、およびそのZn 2+ 錯体である。
ある態様では、B30アミノ酸残基は除去されており、アシル化インスリンはdesB30インスリンである。
ある態様では、Wは4から10の炭素原子を有するα−アミノ酸残基であり、更なる態様では、Wは、α−Asp、β−Asp、α−Glu、γ−Glu、α−hGluおよびδ−hGluからなる群から選択される。
ある態様では、Xは、−CO−である。
ある態様では、Zは、−COOHである。
側鎖−W−X−Y−Zの置換基Yは、mが6から32、8から20、12から20、もしくは12−16の範囲の整数である式−(CH−の基であってよい。
ある態様では、Yは、1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に6から32、10から32、12から20、もしくは12−16の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖である。
ある態様では、Yは、式−(CH(CH−(vおよびwの合計が6から30、10から20、もしくは12−16の範囲になるように、vおよびwは整数であるか、あるいは、それらのうちの一つは0である)の二価の炭化水素鎖である。
更なる態様では、Wは、α−Asp、β−Asp、α−Glu、およびγ−Gluからなる群から選択され;Xは、−CO−もしくは−CH(COOH)COであり;Yは、mが12−18の範囲の整数である−(CH−であり、かつ、Zは、−COOHもしくは−CH(COOH)である。
アシル化インスリン化合物の非限定的な例としては、 εB29 −(N α −(HOOC(CH 14 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 15 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 17 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 18 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−γ−Glu−N−(γ−Glu))desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Asp−OC(CH 16 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Glu−OC(CH 14 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Glu−OC(CH 14 CO−)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Asp−OC(CH 16 CO−)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−α−Glu−N−(β−Asp))desB30ヒトインスリン;N εB29 −(Nα−(Gly−OC(CH 13 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Sar−OC(CH 13 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 13 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;(N εB29 −(N α −(HOOC(CH 13 CO)−β−Asp)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 13 CO)−α−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−γ−D−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 14 CO)−β−D−Asp)desB30ヒトインスリンN εB29 −(N α −(HOOC(CH 14 CO)−β−D−Asp)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N−HOOC(CH 16 CO−β−D−Asp)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N−HOOC(CH 14 CO−IDA)desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 16 CO)−N−(カルボキシエチル)−Gly]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシエチル)−Gly]desB30ヒトインスリン;およびN εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシメチル)−β−Ala]desB30ヒトインスリンが挙げられる。
ある態様では、側鎖は、少なくとも一つの芳香族基もしくは少なくとも一つの二官能性PEG基を含んでよい。以下、略語「PEG」は、ポリエチレングリコールに対して用いる。
本発明のある態様では、本発明の組成物に用いられるアシル化インスリンは、式
Figure 0004808785
[上式中、
Insは、B鎖のN末端アミノ酸残基のα−アミノ基もしくはインスリン部分のB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基を介して、アミド結合を介して側鎖のCO−基と結合している親インスリン部分であり;
は、
・nが1、2、3、4、5もしくは6である−(CH
・Rが、水素もしくは−(CH−COOH;−(CH−SOH;−(CH−PO;−(CH−O−SO;−(CH−O−PO;1又2の−(CH−O−COOH基で置換されたアリーレン;−(CH−テトラゾリルであるNR
{上式中、pは1から6の範囲の整数である};
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−(CR−NR−CO−;
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−((CRq1−NR−CO)2−4−;もしくは、
・結合
であり;
は、−COOH、−SOH、および−POおよびテトラゾリルからなる群から選択される一または二の基で置換されていてもよいアリーレンもしくはヘテロアリーレンであるか、あるいはWは結合であり;
mは0、1、2、3、4、5もしくは6であり;
は、
・−O−;

Figure 0004808785
{Rは上記のように定義される};もしくは
・結合
であり;
は、
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、結合もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−(CR−NR−CO−
・Rが上記のように定義されるNR;
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−((CRq1−NR−CO)2−4−;もしくは
・結合
であり;
は、
・rが4から22の整数である−(CH−;
・1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に4から22の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖;もしくは
・式
−(CH−Q−(Cv1−Q−(CH−Q10−(Cv2−Q11−(CH−Q12−(Cv3−Q13−(CH
{Q−Q13は、互いに独立して、O;Sもしくは結合であってよく;s、w、tおよびzは、互いに独立して、s、w、tおよびzの合計が4から22の範囲になるように、0もしくは1から10の整数であり、かつ、v、v、およびvは、互いに独立して、0もしくは1であってよいが、ただし、Wが結合であるならば、Qは式−(CHv4(CHW1 (vおよびwの合計が6から22の範囲になるように、vおよびwは整数であるか、あるいは、それらのうちの一つは0である)の二価の炭化水素鎖ではない}
の二価の炭化水素鎖
であり;かつ、
は、
−COOH;
−CO−Asp;
−CO−Glu;
−CO−Gly;
−CO−Sar;
−CH(COOH)
−N(CHCOOH)
−SO
−PO
−O−SOH;
−O−PO
−テトラゾリルもしくは
が、−COOH、−SOH、および−POおよびテトラゾリルから選択される一または二の基で置換されているアリーレンもしくはヘテロアリーレンである−O−W
であるが;
ただし、Wが結合であり、かつv、vおよびvが全て0であり、かつ が全て結合であれば、ZはO−Wである]
を有するもの、およびその任意のZn 2+ 錯体である。
本発明のある態様では、Wはフェニレンである。ある態様では、Wは、窒素、酸素または硫黄を含んでなる5−7員環ヘテロ環系である。ある態様では、Wは、少なくとも一つの酸素を含んでなる5員環ヘテロ環系である。
本発明のある態様では、Qは、rが4から22、8から20、12から20、もしくは14−18の範囲の整数である−(CH−である。ある態様では、Q、Q、Q12およびQ13は、全て結合であり、vは1であり、vおよびvは0である。ある態様では、Q10およびQ11は酸素である。
本発明のある態様では、XおよびYは結合であり、Xは、
Figure 0004808785
[上式中、Rは、pが1−4である−(CH−COOHである]
である。
ある態様では、Zは、−COOHである。
本発明のある態様では、製薬学的組成物のアシル化インスリンは、
εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 13 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 15 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 16 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシメチル)−C CO]desB30ヒトインスリン、およびN εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −(フラニレン)CO]desB30ヒトインスリン、N εB29 −{4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシ−フェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリル}desB30ヒトインスリン
からなる群から選択される。
本発明のある態様では、製薬学的組成物中に存在するアシル化インスリンは、式
Figure 0004808785
[上式中、
Insは、B鎖のN末端アミノ酸残基のα−アミノ基もしくはインスリン部分のB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基を介して、アミド結合を介して側鎖のCO−基と結合している親インスリン部分であり;
それぞれのnは独立して、0、1、2、3、4、5もしくは6であり;
、Q、Q、およびQは、互いに独立して、
・sが1−20である(CHCHO)−;(CHCHCHO)−;(CHCHCHCHO)−;(CHCHOCHCHCHCHO)−もしくは(CHCHCHOCHCHCHCHO)−;
・rが4から22の整数である−(CH−;もしくは、1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に4から22の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖;
・tが1から6の整数である−(CH−もしくは−(CHOCH−;
・RおよびRが、互いに独立して、H、−COOH、(CHCOOHであってよく、かつ、RおよびRが、それぞれの炭素において異なっていてよく、かつ、qが1−6である−(CR−;
・RおよびRが、互いに独立して、H、−COOHであってよく、かつ、RおよびRが、それぞれの炭素において異なっていてよく、かつ、qが1−6である−((CRq1−(NHCO−(CRq1−NHCO)1−2−((CRq1もしくは−((CRq1−(CONH−(CRq1−CONH)1−2−((CRq1−)−、−((CRq1−(NHCO−(CRq1−CONH)1−2−((CRq1もしくは−((CRq1−(CONH−(CRq1−NHCO)−((CRq1;もしくは
・結合
であってよいが;
ただし、Q−Qは異なっており;
、XおよびXは、独立して、
・O;
・結合;もしくは

Figure 0004808785
{上式中、
Rは、水素もしくはそれぞれのpが、残りのp'と独立して、1から6の範囲の整数である−(CH −COOH、−(CH−SOH、−(CH−PO、−(CH−O−SOH;−(CH−O−PO;もしくは−(CH−テトラゾール−5−イルである}
であり;かつ
Zは、
−COOH;
−CO−Asp;
−CO−Glu;
−CO−Gly;
−CO−Sar;
−CH(COOH)2;
−N(CHCOOH)
−SO
−OSO
−OPO3H
−POもしくは
−テトラゾール−5−イル
である]
を有するもの、およびその任意のZn 2+ 錯体である。
本発明のある態様では、sは、2−12、2−4もしくは2−3の範囲である。ある態様では、sは好ましくは1である。
本発明のある態様では、Zは、−COOHである。
本発明のある態様では、製薬学的組成物のアシル化インスリンは、
εB29 −(3−[2−{2−(2−[ω−カルボキシ−ペンタデカノイル−γ−グルタミル−(2−アミノ−エトキシ)]−エトキシ)−エトキシ}−エトキシ]−プロピノイル(propinoyl))desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−{2−(2−[ω−カルボキシ−ヘプタデカノイル−γ−グルタミル−(2−アミノ−エトキシ)]−エトキシ)−エトキシ}−エトキシ]−プロピノイル(propinoyl))desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−プロピオニル−γ−グルタミルdesB30ヒトインスリン、N εB29 −(ω−[2−(2−{2−[2−(2−カルボキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチルカルバモイル]−ヘプタデカノイル−α−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(ω−[2−(2−{2−[2−(2−カルボキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチルカルバモイル]−ヘプタデカノイル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−プロピオニル−γ−グルタミルdesB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{2−[2−(3−[7−カルボキシヘプタノイルアミノ]プロパ−オキシ)エトキシ]−エトキシ}プロピルカルバモイル)プロピオニル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(7−カルボキシヘプタノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)−プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{2−[2−(3−[9−カルボキシノナノイルアミノ]プロパ−オキシ)エトキシ]エトキシ}−プロピルカルバモイル)プロピオニル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(9−カルボキシノナノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(9−カルボキシノナノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシ}−プロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(2−[3−(2−(2−{2−(7−カルボキシヘプタノイルアミノ)エトキシ}エトキシ)−エチルカルバモイル]プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル))desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−プロポイオノイル(propionoyl)−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−プロポイオノイル(propionoyl)−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−プロポイオノイル(propionoyl)−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エチルカルバモイル)−プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{2−[2−(3−[ω−カルボキシペンタデカノイルアミノ]プロパ−オキシ)エトキシ]−エトキシ}プロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(ω−カルボキシウンデカノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシプロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(ω−カルボキシトリデカノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシプロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(ω−カルボキシウンデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(ω−カルボキシトリデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−ガンマ−γ−D−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(7−カルボキシヘプタノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(9−カルボキシノナノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル(propioniyl)−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシウンデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシトリデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン
からなる群から選択される。
親インスリン分子は、ヒトインスリンもしくはそのアナログである。ヒトインスリン非限定的なアナログとしては、desB30アナログ;位置B30のアミノ酸残基がLysであり、位置B29のアミノ酸残基は、Cys、Met、ArgおよびLys以外の任意のコードされ得るアミノ酸であるインスリンアナログ;位置A21のアミノ酸残基がAsnであるインスリンアナログおよび位置B3のアミノ酸残基がLysであり、位置B29のアミノ酸残基がGluであるインスリンアナログが挙げられる。
親インスリンアナログの別の群では、位置B28のアミノ酸残基はAspである。親インスリンアナログのこの群の具体的な例としては、欧州特許第214826号に開示されたAspB28ヒトインスリンが挙げられる。
親インスリンアナログの別の群では、位置B28のアミノ酸残基はLysであり、位置B29のアミノ酸残基はProである。親インスリンアナログのこの群の具体的な例としては、LysB28ProB29ヒトインスリンが挙げられる。
親インスリンアナログの別の群では、位置B30のアミノ酸残基はLysであり、位置B29のアミノ酸残基は、Cys、Met、ArgおよびLys以外の任意のコードされ得るアミノ酸である。例としては、位置B29のアミノ酸残基がThrであり、位置B30のアミノ酸残基がLysであるインスリンアナログが上げられる。親インスリンアナログのこの群の具体的な例としては、ThrB29LysB30ヒトインスリンが挙げられる。
親インスリンアナログの別の群では、位置B3のアミノ酸残基はLysであり、位置B29のアミノ酸残基はGluである。インスリンアナログのこの群の具体的な例としては、LysB3GluB29ヒトインスリンが挙げられる。
本発明に係る製薬学的組成物は、治療の必要のある患者における1型糖尿病、2型糖尿病および高血糖を引き起こす他の状態の治療のための、アシル化インスリンの治療的有効量を製薬学的に許容される担体と共に含むであろう。
本発明の更なる態様では、治療の必要のある患者における1型糖尿病、2型糖尿病および高血糖を引き起こす他の状態の治療のための、上記定義のアシル化インスリン誘導体の治療的有効量を、インスリンまたは作用が急速に発現するインスリンアナログと混合して、製薬学的に許容される担体および/または添加物と共に含む製薬学的組成物が提供される。
このように、製薬学的組成物は、二つのインスリン構成成分の混合物を含んでいてもよい:遅延性のインスリン作用を有するもの、基礎インスリン、および作用が急速に発現する別のもの、ボーラスインスリン。そのような混合物の例としては、国際公開2005/012347号に開示されるLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−GludesB30ヒトインスリンに対応するNεB29−(Nα−(HOOC(CH14CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリンと混合した、インスリンアスパルト、AspB28ヒトインスリンが挙げられる。そのような混合物の別の例としては、LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−GludesB30ヒトインスリンと混合した、Lispro、LysB28ProB29ヒトインスリンが挙げられる。そのような混合物の第三の例としては、LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−GludesB30ヒトインスリンと混合した、グルリシン、LysB3GluB29−ヒトインスリンが挙げられる。
本発明のある態様では、少なくとも85%の即効型インスリンが、即効型インスリンヘキサマーもしくは即効型インスリンヘキサマーより低分子量の複合体として存在する。
本発明のある態様では、少なくとも90、92、95、96、97、98、99、995%の即効型インスリンが、即効型インスリンヘキサマーもしくは即効型インスリンヘキサマーより低分子量の複合体として存在する。
アシル化インスリン誘導体と即効型インスリンアナログとは、約90%/10%;約75%/25%、約70%/30% 約50%/50%、約25%/75%、約30%/70%もしくは約10%/90%のモル比で混合することができる。
ある態様では、本発明の製薬学的組成物は、約6.5から約8.5のpHを有するであろう。別の態様では、pHは約7.0から約8.2であるか、pHは約7.2から約8.0もしくは約7.4から約8.0であるか、あるいは、pHは、約7.4から約7.8である。
本発明は、さらに、6分子のアシル化インスリン毎に約4より多い亜鉛原子を組成物に添加する、アシル化インスリンを含む製薬学的組成物を製造するための方法を含む。
本発明の更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約4.3より多い亜鉛原子を組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約4.5より多い亜鉛原子を組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約5より多い亜鉛原子を組成物に添加する。更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約5.5より多い亜鉛原子、もしくは、6分子のアシル化インスリン毎に約6.5より多い亜鉛原子、もしくは、6分子のアシル化インスリン毎に約7.0より多い亜鉛原子、もしくは、6分子のアシル化インスリン毎に約7.5より多い亜鉛原子を組成物に添加する。
本発明のある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に最大約12の亜鉛原子を組成物に添加することを含む。
本発明のある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に約4.3から約12の亜鉛原子を組成物に添加することを含む。
本発明の更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約4.5から約12の亜鉛原子を組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約5から約11.4の亜鉛原子を組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約5.5から約10の亜鉛原子を組成物に添加する。
更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約6から約10.5の亜鉛原子、もしくは、6分子のアシル化インスリン毎に約6.5から約10の亜鉛原子、もしくは、6分子のアシル化インスリン毎に約7から約9の亜鉛原子を組成物に添加する。
本発明のある態様では、本方法は、保存料の添加前に、亜鉛を組成物に添加することを含む。本発明の更なる態様では、保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数は、6分子のアシル化インスリン毎に1より多い亜鉛原子であるか、あるいは、保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数は、6分子のアシル化インスリン毎に2より多い亜鉛原子であるか、あるいは、保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数は、6分子のアシル化インスリン毎に3より多い亜鉛原子であるか、あるいは、保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数は、6分子のアシル化インスリン毎に4より多い亜鉛原子であるか、あるいは、保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数は、6分子のアシル化インスリン毎に5より多い亜鉛原子である。
本発明の更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約4.5から約12の亜鉛原子を保存料の添加前に組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約5から約11.4の亜鉛原子を保存料の添加前に組成物に添加するか、あるいは、さらにより好ましくは、6分子のアシル化インスリン毎に約5.5から約10の亜鉛原子を保存料の添加前に組成物に添加する。更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約6から約10.5の亜鉛原子、もしくは、6分子のアシル化インスリン毎に約6.5から約10の亜鉛原子、もしくは、6分子のアシル化インスリン毎に約7から約9の亜鉛原子を保存料の添加前に組成物に添加する。
本発明のある態様では、本方法は、保存料の添加後に、亜鉛を組成物に添加することを含む。本発明のある態様では、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも0.5の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加する。
本発明の更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約2より多い亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約3より多い亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約4より多い亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加する。
本発明の更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約0.5から約12、約1から約11.4、約1.5から約11、約2から約10.5、約3から約10、もしくは約4から約9の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加する。
本発明の更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約4.5から約12の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約5から約11.4の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約5.5から約10の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加する。
更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約6から約10.5、もしくは6分子のアシル化インスリン毎に約6.5から約10もしくは6分子のアシル化インスリン毎に約7から約9の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加する。
本発明のある態様では、本方法は、保存料の添加前に亜鉛の一部を添加し、保存料の添加後に亜鉛の一部を添加することを含む。
ある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも0.5の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加後に添加することを含む。ある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも0.5の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくは11の亜鉛原子を保存料の添加後に添加することを含む。
ある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加後に添加すること、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2または3の亜鉛原子を保存料の添加後に添加すること、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に最大約11の亜鉛原子を保存料の添加後に添加することを含む。ある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも4、5、6、7、8、9、10もしくは11の亜鉛原子を保存料の添加後に添加すること含む。
ある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加後に添加すること、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2または3の亜鉛原子を保存料の添加後に添加すること、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に最大約10の亜鉛原子を保存料の添加後に添加することを含む。ある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも4、5、6、7、8、9もしくは10の亜鉛原子を保存料の添加後に添加すること含む。
ある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加後に添加すること、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2または3の亜鉛原子を保存料の添加後に添加すること、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に最大約9の亜鉛原子を保存料の添加後に添加することを含む。
本発明のある態様では、保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子であり、保存料の添加後に添加する亜鉛原子の数は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子である。ある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも4、5、6、7、8もしくは9の亜鉛原子を保存料の添加後に添加することを含む。
本発明のある態様では、添加する保存料は、フェノールおよび/またはm−クレゾールである。
本発明のある態様では、本方法は、一工程で、製薬学的組成物に亜鉛原子の総量を添加することを含む。
本発明のある態様では、本方法は、二以上の工程で、製薬学的組成物に亜鉛原子を添加することを含む。例えば、亜鉛は、それぞれの工程が最大1Zn/6insのうちの少量の添加を含む1、2、3、4または5工程で、組成物に添加されてよい。亜鉛は、それぞれの工程が2Zn/6ins、3Zn/6ins、4Zn/6ins、5Zn/6insもしくは6Zn/6insのうちの少量の添加を含む1、2、3、4または5工程で、組成物に添加されてよい。
本発明のある態様では、本方法は、製薬学的組成物に界面活性剤を添加することを含む。界面活性剤は、製薬学的組成物の重量に基づいて0.0005−0.01%の量で製薬学的組成部中に混合し得る。ある態様では、界面活性剤は、組成物の重量に基づいて0.0005−0.007%の量で製薬学的組成物中に混合し得る。界面活性剤の例としては、polysorbate20が挙げられ、それは組成物の重量に基づいて0.001−0.003%の量で製薬学的組成物中に混合し得る。別の例としては、poloxamer188が挙げられ、それは組成物の重量に基づいて0.002−0.006%の量で製薬学的組成物中に混合し得る。
本発明の更なる態様では、本方法は、インスリンが、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と結合している側鎖であって、一般式:
−W−X−Y−Z
[上式中、
Wは、
・そのカルボン酸基のうちの一つと共に、親のインスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と一緒になってアミド基を形成する側鎖中カルボン酸基を有するα−アミノ酸残基;
・アミドカルボニル結合を介して一緒に連結されている2、3または4のα−アミノ酸残基からなる鎖であって、
アミド結合−を介した鎖−は親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と連結しており、
Wのアミノ酸残基は、Wが側鎖中にカルボン酸基を有するアミノ酸残基を少なくとも一つ有するように、中性側鎖を有するアミノ酸残基および側鎖中にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択される鎖;もしくは、
Xから親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基までの共有結合
であり;
Xは、
・−O−;
・−CH(COOH)O−;
・−CO−N(CHCOOH)CH O−;
・−CO−N(CHCOOH)CHCON(CHCOOH)CH O−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CHCH O−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CHCHCON(CHCHCOOH)CHCH O−;
・−CO −NHCH(COOH)(CHNHO−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CH O−;もしくは
・−CO−N(CHCOOH)CHCH O−であって、
a)Wがアミノ酸残基もしくはアミノ酸残基の鎖であるとき、下線の炭素からの結合を介して、W中のアミノ基とアミド結合を形成するか、あるいは、
b)Wが共有結合であるとき、下線のカルボニル炭素からの結合を介して、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基とアミド結合を形成し;
Yは、
・mが6から32の範囲の整数である−(CH−;
・1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に10から32の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖
であり;かつ、
は、
・−COOH;
・−CO−Asp;
・−CO−Glu;
・−CO−Gly;
・−CO−Sar;
・−CH(COOH)
・−N(CHCOOH)
・−SOH;もしくは
・−PO
であるが、
ただし、Wが共有結合であってXが−CO−であるならば、Zは−COOHとは異なる]
の側鎖を有するアシル化インスリンを含む。
本発明のある態様では、アシル化インスリンは、 εB29 −(N α −(HOOC(CH 14 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 15 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 17 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 18 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−γ−Glu−N−(γ−Glu))desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Asp−OC(CH 16 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Glu−OC(CH 14 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Glu−OC(CH 14 CO−)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Asp−OC(CH 16 CO−)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−α−Glu−N−(β−Asp))desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Gly−OC(CH 13 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Sar−OC(CH 13 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 13 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;(N εB29 −(N α −(HOOC(CH 13 CO)−β−Asp)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 13 CO)−α−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(Nα−(HOOC(CH 16 CO)−γ−D−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 14 CO)−β−D−Asp)desB30ヒトインスリンN εB29 −(N α −(HOOC(CH 14 CO)−β−D−Asp)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N−HOOC(CH 16 CO−β−D−Asp)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N−HOOC(CH 14 CO−IDA)desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 16 CO)−N−(カルボキシエチル)−Gly]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシエチル)−Gly]desB30ヒトインスリン;およびN εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシメチル)−β−Ala]desB30ヒトインスリンからなる群から選択されるもの、およびそのZn 2+ 錯体である。
本発明のある態様では、製薬学的組成物を調整するための方法に用いられるアシル化インスリンは、式
Figure 0004808785
[上式中、
Insは、B鎖のN末端アミノ酸残基のα−アミノ基もしくはインスリン部分のB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基を介して、アミド結合を介して側鎖のCO−基と結合している親インスリン部分であり;
は、
・nが1、2、3、4、5もしくは6である−(CH
・Rが、水素もしくは−(CH−COOH;−(CH−SOH;−(CH−PO;−(CH−O−SO;−(CH−O−PO;1又2の−(CH−O−COOH基で置換されたアリーレン;−(CH−テトラゾリルであるNR
{上式中、pは1から6の範囲の整数である};
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−(CR−NR−CO−;
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−((CRq1−NR−CO)2−4−;もしくは、
・結合
であり;
は、−COOH、−SOH、および−POおよびテトラゾリルからなる群から選択される一または二の基で置換されていてもよいアリーレンもしくはヘテロアリーレンであるか、あるいはWは結合であり;
mは0、1、2、3、4、5もしくは6であり;
は、
・−O−;

Figure 0004808785
{Rは上記のように定義される};もしくは
・結合
であり;
は、
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、結合もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−(CR−NR−CO−
・Rが上記のように定義されるNR;
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−((CRq1−NR−CO)2−4−;もしくは
・結合
であり;
は、
・rが4から22の整数である−(CH−;
・1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に4から22の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖;もしくは
・式
−(CH−Q−(Cv1−Q−(CH−Q10−(Cv2−Q11−(CH−Q12−(Cv3−Q13−(CH
{Q−Q13は、互いに独立して、O;Sもしくは結合であってよく;s、w、tおよびzは、互いに独立して、s、w、tおよびzの合計が4から22の範囲になるように、0もしくは1から10の整数であり、かつ、v、v、およびvは、互いに独立して、0もしくは1であってよいが、ただし、Wが結合であるならば、Qは式−(CHv4(CHW1 (vおよびwの合計が6から22の範囲になるように、vおよびwは整数であるか、あるいは、それらのうちの一つは0である)の二価の炭化水素鎖ではない}
の二価の炭化水素鎖
であり;かつ、
は、
−COOH;
−CO−Asp;
−CO−Glu;
−CO−Gly;
−CO−Sar;
−CH(COOH)
−N(CHCOOH)
−SO
−PO
O−SOH;
O−PO
−テトラゾリルもしくは
が、−COOH、−SOH、および−POおよびテトラゾリルから選択される一または二の基で置換されているアリーレンもしくはヘテロアリーレンである−O−W
であるが;
ただし、Wが結合であり、かつv、vおよびvが全て0であり、かつQ13が全て結合であれば、ZはO−Wである]
を有するもの、およびその任意のZn 2+ 錯体である
本発明のある態様では、Wはフェニレンである。ある態様では、Wは、窒素、酸素または硫黄を含んでなる5−7員環ヘテロ環系である。ある態様では、Wは、少なくとも一つの酸素を含んでなる5員環ヘテロ環系である。
本発明のある態様では、Qは、rが4から22、8から20、12から20、もしくは14−18の範囲の整数である−(CH−である。ある態様では、Q、Q、Q12およびQ13は、全て結合であり、vは1であり、vおよびvは0である。ある態様では、Q10およびQ11は酸素である。
本発明のある態様では、XおよびYは結合であり、Xは、
Figure 0004808785
[上式中、Rは、pが1−4である−(CH−COOHである]
である。
ある態様では、Zは、−COOHである。
本発明のある態様では、本方法で用いられるアシル化インスリンは、
εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 13 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 15 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 16 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシメチル)−C CO]desB30ヒトインスリン、およびN εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −(フラニレン)CO]desB30ヒトインスリン、N εB29 −{4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシ−フェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリル}desB30ヒトインスリン
からなる群から選択される。
本発明のある態様では、本方法で用いられるアシル化インスリンは、式
Figure 0004808785
[上式中、
Insは、B鎖のN末端アミノ酸残基のα−アミノ基もしくはインスリン部分のB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基を介して、アミド結合を介して側鎖のCO−基と結合している親インスリン部分であり;
それぞれのnは独立して、0、1、2、3、4、5もしくは6であり;
、Q、Q、およびQは、互いに独立して、
・sが1−20である(CHCHO)−;(CHCHCHO)−;(CHCHCHCHO)−;(CHCHOCHCHCHCHO)−もしくは(CHCHCHOCHCHCHCHO)−;
・rが4から22の整数である−(CH−;もしくは、1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に4から22の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖;
・tが1から6の整数である−(CH−もしくは−(CHOCH−;
・RおよびRが、互いに独立して、H、−COOH、(CHCOOHであってよく、かつ、RおよびRが、それぞれの炭素において異なっていてよく、かつ、qが1−6である−(CR−;
・RおよびRが、互いに独立して、H、−COOHであってよく、かつ、RおよびRが、それぞれの炭素において異なっていてよく、かつ、qが1−6である−((CRq1−(NHCO−(CRq1−NHCO)1−2−((CRq1もしくは−((CRq1−(CONH−(CRq1−CONH)1−2−((CRq1−)−、−((CRq1−(NHCO−(CRq1−CONH)1−2−((CRq1もしくは−((CRq1−(CONH−(CRq1−NHCO)−((CRq1;もしくは
・結合
であってよいが;
ただし、Q−Qは異なっており;
、XおよびXは、独立して、
・O;
・結合;もしくは

Figure 0004808785
{上式中、
Rは、水素もしくはそれぞれのpが、残りのp'と独立して、1から6の範囲の整数である−(CH −COOH、−(CH−SOH、−(CH−PO、−(CH−O−SOH;−(CH−O−PO;もしくは−(CH−テトラゾール−5−イルである}
であり;かつ
Zは、
−COOH;
−CO−Asp;
−CO−Glu;
−CO−Gly;
−CO−Sar;
−CH(COOH)2;
−N(CHCOOH)
−SO
−OSO
−OPO3H
−POもしくは
−テトラゾール−5−イル
である]
を有するもの、およびその任意のZn 2+ 錯体である
本発明のある態様では、sは、2−12、2−4もしくは2−3の範囲の整数である。ある態様では、sは好ましくは1である。
本発明のある態様では、Zは、−COOHである。
本発明のある態様では、製薬学的組成物を調整するための方法で用いられるアシル化インスリンは、 εB29 −(3−[2−{2−(2−[ω−カルボキシ−ペンタデカノイル−γ−グルタミル−(2−アミノ−エトキシ)]エトキシ)−エトキシ}−エトキシ]−プロピノイル(propinoyl))desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−{2−(2−[ω−カルボキシ−ヘプタデカノイル−γ−グルタミル−(2−アミノ−エトキシ)]−エトキシ)−エトキシ}−エトキシ]−プロピノイル(propinoyl))desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−プロピオニル−γ−グルタミルdesB30ヒトインスリン、N εB29 −(ω−[2−(2−{2−[2−(2−カルボキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチルカルバモイル]−ヘプタデカノイル−α−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(ω−[2−(2−{2−[2−(2−カルボキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチルカルバモイル]−ヘプタデカノイル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−プロピオニル−γ−グルタミルdesB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{2−[2−(3−[7−カルボキシヘプタノイルアミノ]プロパ−オキシ)エトキシ]−エトキシ}プロピルカルバモイル)プロピオニル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(7−カルボキシヘプタノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)−プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{2−[2−(3−[9−カルボキシノナノイルアミノ]プロパ−オキシ)エトキシ]エトキシ}−プロピルカルバモイル)プロピオニル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(9−カルボキシノナノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(9−カルボキシノナノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシ}−プロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(2−[3−(2−(2−{2−(7−カルボキシヘプタノイルアミノ)エトキシ}エトキシ)−エチルカルバモイル]プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル))desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−プロポイオノイル(propionoyl)−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−プロポイオノイル(propionoyl)−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−プロポイオノイル(propionoyl)−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エチルカルバモイル)−プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{2−[2−(3−[ω−カルボキシペンタデカノイルアミノ]プロパ−オキシ)エトキシ]−エトキシ}プロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(ω−カルボキシウンデカノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシプロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(ω−カルボキシトリデカノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシプロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(ω−カルボキシウンデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(ω−カルボキシトリデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−ガンマ−γ−D−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(7−カルボキシヘプタノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(9−カルボキシノナノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル(propioniyl)−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシウンデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシトリデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリンからなる群から選択される。
本発明のある態様では、本方法は、即効型インスリンを組成物に添加することを含む。即効型インスリンは、AspB28ヒトインスリン、LysB28ProB29ヒトインスリンおよびLysB3GluB29−ヒトインスリンもしくはそれらの混合物である。
本発明のある態様では、アシル化インスリンを含む製薬学的組成物は、糖尿病の治療のために用いられる。
本発明のある態様では、アシル化インスリンを含む製薬学的組成物は、糖尿病の治療のための医薬の製造のために用いられる。
ある態様では、本発明は、製薬学的に許容される担体および/または製薬学的に許容される添加物を有する本発明の製薬学的組成物に関し、その組成物は、治療を必要とする患者における1型糖尿病、2型糖尿病および高血糖を引き起こす他の状態の治療のために提供され得る。
本発明のある態様では、治療の必要のある患者において、1型糖尿病、2型糖尿病および高血糖を引き起こす他の状態を治療するための方法であって、製薬学的に許容される担体および/または添加物を含む製薬学的組成物の治療的有効量を患者に投与することを含む方法が提供される
本発明のある態様では、1型糖尿病、2型糖尿病および高血糖を引き起こす他の状態の治療において用いるための製薬学的組成物の製造のための方法が提供される。
本発明のある態様では、治療の必要のある患者において、1型糖尿病、2型糖尿病および高血糖を引き起こす他の状態を治療するための製薬学的組成物が提供される。
本発明のある態様では、治療の必要のある患者において、1型糖尿病、2型糖尿病および高血糖を引き起こす他の状態を治療するための方法であって、本発明に係る製薬学的組成物の治療的有効量を患者に投与することを含む方法が提供される。
本発明のある態様では、1型糖尿病、2型糖尿病および高血糖を引き起こす他の状態の治療において用いるための製薬学的組成物の製造のための方法が提供される。
本明細書で定義されるアシル化インスリンを含む製薬学的組成物は、OADもしくはGLP−1と同時または連続して投与してよい。ファクターは、双方の化合物を含む単回投与形態、あるいは、アシル化インスリンを含む製薬学的組成物と、第二単位投与形態としてのOADを含む製薬学的組成物を含む製薬学的組成物の製剤を含む部分キット形態で提供されてよい。
第一または第二または第三などの単位投与がこの明細書の至るところで記述されるとき、これは投与の好ましい順序を示すものではなく、単に便宜上の目的のためになされるものである。
アシル化インスリンおよびOADまたはGLP−1の製剤を含む製薬学的組成物の製剤を「同時に」投与するとは、単回投与形態での化合物の投与、もしくは、第一の薬剤の投与に続く、15分、10、5または2分以下の時間間隔での第二の薬剤の投与を意味する。どちらのファクターが最初に投与されてもよい。
「連続的に」投与するとは、第一の薬剤の投与に続く、15分以上の時間間隔での第二の薬剤の投与を意味する。二つの単位投与形態のどちらが最初に投与されてもよい。好ましくは、双方の製品は、同じ静脈経路を通して注射する。
本発明の更なる態様では、アシル化インスリンを含む製薬学的組成物は、一日一回、OADまたはGLP−1と共に、同時または連続して投与される。より好ましい態様では、アシル化インスリンを含む製薬学的組成物は、さらに、即効型インスリンを含み、OADまたはGLP−1と共に一日一回投与される。本発明のある態様では、アシル化インスリンを含む製薬学的組成物は、独立型の集中治療で一日五回まで与えられ得る。さらにより好ましい態様では、製薬学的組成物は、さらに即効型インスリンを含み、集中治療は、一日五回まで与えられる独立型の治療であり得る。
本発明は、以下の項に要約されるであろう:
1.
アシル化インスリンを含み、6分子のアシル化インスリン毎に4より多い亜鉛原子をさらに含む可溶性製薬学的組成物。
2.
6分子のアシル化インスリン毎に最大約12の亜鉛原子を含む項1に記載の製薬学的組成物。
3.
6分子のアシル化インスリン毎に約4.3から約12の亜鉛原子を含む項1または2に記載の製薬学的組成物。
4.
6分子のアシル化インスリン毎に約4.5から約12の亜鉛原子を含む項1ないし3の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
5.
少なくとも85%のアシル化インスリンが、アシル化インスリンドデカマー複合体もしくはアシル化インスリンドデカマーより高分子量の複合体として存在する項1ないし4の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
6.
少なくとも92%のアシル化インスリンが、アシル化インスリンドデカマー複合体もしくはアシル化インスリンドデカマーより高分子量の複合体として存在する項1ないし5の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
7.
少なくとも95%のアシル化インスリンが、アシル化インスリンドデカマー複合体もしくはアシル化インスリンドデカマーより高分子量の複合体として存在する項1ないし6の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
8.
少なくとも97%のアシル化インスリンが、アシル化インスリンドデカマー複合体もしくはアシル化インスリンドデカマーより高分子量の複合体として存在する項1ないし7の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
9.
組成物が界面活性剤を含む項1ないし8の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
10.
アシル化インスリンが、親インスリン部分のB鎖中のLys残基のε−アミノ基でアシル化されたインスリンである項1ないし9の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
11.
アシル基が、少なくとも一つの遊離カルボン酸基もしくは中性pHで負に荷電する基を含んでなる項1ないし10の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
12.
アシル基が、4から32の炭素原子を有する二カルボン酸性脂肪酸から誘導される項1または10−11の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
13.
アシル基が、アミド結合を介したリンカー基を介して、インスリン分子と結合している項1または10−12の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
14.
リンカー基が、少なくとも一つの遊離カルボキシル基もしくは中性pHで負に荷電する基を含んでなる項1または13に記載の製薬学的組成物。
15.
インスリン分子が、親インスリン部分のB鎖のN末端アミノ酸残基のα−アミノ基もしくはB鎖中のLys残基のε−アミノ基の何れか一方とアミド結合を介して結合している側鎖であって、少なくとも一つの遊離カルボン酸基もしくは中性pHで負に荷電する基を含んでなる側鎖と、炭素鎖に約4から約32の炭素原子を有する脂肪酸部分と;あり得る、側鎖中の個々の構成成分をアミド結合を介して一緒に連結する一または複数のリンカーとを有する項1ないし14の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
16.
側鎖が少なくとも一つの芳香族基を含んでなる項1−15に記載の製薬学的組成物。
17.
側鎖が少なくとも一つの二官能性PEG基を含んでなる項1−15に記載の製薬学的組成物。
18.
インスリン分子が、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と結合している側鎖であって、一般式:
−W−X−Y−Z
[上式中、
Wは、
・そのカルボン酸基のうちの一つと共に、親のインスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と一緒になってアミド基を形成する側鎖中カルボン酸基を有するα−アミノ酸残基;
・アミドカルボニル結合を介して一緒に連結されている2、3または4のα−アミノ酸残基からなる鎖であって、
アミド結合−を介した鎖−は親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と連結しており、
Wのアミノ酸残基は、Wが側鎖中にカルボン酸基を有するアミノ酸残基を少なくとも一つ有するように、中性側鎖を有するアミノ酸残基および側鎖中にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択される鎖;もしくは、
Xから親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基までの共有結合
であり;
Xは、
・−O−;
・−CH(COOH)O−;
・−CO−N(CHCOOH)CH O−;
・−CO−N(CHCOOH)CHCON(CHCOOH)CH O−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CHCH O−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CHCHCON(CHCHCOOH)CHCH O−;
・−CO −NHCH(COOH)(CHNHO−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CH O−;もしくは
・−CO−N(CHCOOH)CHCH O−であって、
a)Wがアミノ酸残基もしくはアミノ酸残基の鎖であるとき、下線の炭素からの結合を介して、W中のアミノ基とアミド結合を形成するか、あるいは、
b)Wが共有結合であるとき、下線のカルボニル炭素からの結合を介して、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基とアミド結合を形成し;
Yは、
・mが6から32の範囲の整数である−(CH−;
・1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に10から32の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖
であり;かつ、
は、
・−COOH;
・−CO−Asp;
・−CO−Glu;
・−CO−Gly;
・−CO−Sar;
・−CH(COOH)
・−N(CHCOOH)
・−SOH;もしくは
・−PO
であるが、
ただし、Wが共有結合であってXが−CO−であるならば、Zは−COOHとは異なる]
の側鎖を有するもの、およびそのZn 2+ 錯体である、項1−15の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
19.
が−COOHである項1−15および18の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
20.
アシル化インスリンが、 εB29 −(N α −(HOOC(CH 14 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 15 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 17 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 18 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−γ−Glu−N−(γ−Glu))desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Asp−OC(CH 16 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Glu−OC(CH 14 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Glu−OC(CH 14 CO−)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Asp−OC(CH 16 CO−)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−α−Glu−N−(β−Asp))desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Gly−OC(CH 13 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Sar−OC(CH 13 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 13 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;(N εB29 −(N α −(HOOC(CH 13 CO)−β−Asp)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 13 CO)−α−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−γ−D−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 14 CO)−β−D−Asp)desB30ヒトインスリンN εB29 −(N α −(HOOC(CH 14 CO)−β−D−Asp)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N−HOOC(CH 16 CO−β−D−Asp)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N−HOOC(CH 14 CO−IDA)desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 16 CO)−N−(カルボキシエチル)−Gly]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシエチル)−Gly]desB30ヒトインスリン;およびN εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシメチル)−β−Ala]desB30ヒトインスリンからなる群から選択される項1−15および18−19の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
21.
アシル化インスリンが、式
Figure 0004808785
[上式中、
Insは、B鎖のN末端アミノ酸残基のα−アミノ基もしくはインスリン部分のB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基を介して、アミド結合を介して側鎖のCO−基と結合している親インスリン部分であり;
は、
・nが1、2、3、4、5もしくは6である−(CH
・Rが、水素もしくは−(CH−COOH;−(CH−SOH;−(CH−PO;−(CH−O−SO;−(CH−O−PO;1又2の−(CH−O−COOH基で置換されたアリーレン;−(CH−テトラゾリルであるNR
{上式中、pは1から6の範囲の整数である};
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−(CR−NR−CO−;
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−((CRq1−NR−CO)2−4−;もしくは、
・結合
であり;
は、−COOH、−SOH、および−POおよびテトラゾリルからなる群から選択される一または二の基で置換されていてもよいアリーレンもしくはヘテロアリーレンであるか、あるいはWは結合であり;
mは0、1、2、3、4、5もしくは6であり;
は、
・−O−;

Figure 0004808785
{Rは上記のように定義される};もしくは
・結合
であり;
は、
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、結合もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−(CR−NR−CO−
・Rが上記のように定義されるNR;
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−((CRq1−NR−CO)2−4−;もしくは
・結合
であり;
は、
・rが4から22の整数である−(CH−;
・1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に4から22の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖;もしくは
・式
−(CH−Q−(Cv1−Q−(CH−Q10−(Cv2−Q11−(CH−Q12−(Cv3−Q13−(CH
{Q−Q13は、互いに独立して、O;Sもしくは結合であってよく;s、w、tおよびzは、互いに独立して、s、w、tおよびzの合計が4から22の範囲になるように、0もしくは1から10の整数であり、かつ、v、v、およびvは、互いに独立して、0もしくは1であってよいが、ただし、Wが結合であるならば、Qは式−(CHv4(CHW1 (vおよびwの合計が6から22の範囲になるように、vおよびwは整数であるか、あるいは、それらのうちの一つは0である)の二価の炭化水素鎖ではない}
の二価の炭化水素鎖
であり;かつ、
は、
−COOH;
−CO−Asp;
−CO−Glu;
−CO−Gly;
−CO−Sar;
−CH(COOH)
−N(CHCOOH)
−SO
−PO
−O−SOH;
−O−PO
−テトラゾリルもしくは
が、−COOH、−SOH、および−POおよびテトラゾリルから選択される一または二の基で置換されているアリーレンもしくはヘテロアリーレンである−O−W
であるが;
ただし、Wが結合であり、かつv、vおよびvが全て0であり、かつQ13が全て結合であれば、ZはO−Wである]
を有するもの、およびその任意のZn 2+ 錯体である、項1−16に記載の製薬学的組成物。
22.
がフェニレンである項1または21に記載の製薬学的組成物。
23.
が、窒素、酸素または硫黄を含んでなる5−7員環ヘテロ環系である項1または21に記載の製薬学的組成物。
24.
が、少なくとも一つの酸素を含んでなる5−7員環ヘテロ環系である項1、21および23に記載の製薬学的組成物。
25.
本発明のある態様では、Qは、rが4から22、8から20、12から20、もしくは14−18の範囲の整数である−(CH−である項21−24に記載の製薬学的組成物。
26.
、Q、Q12およびQ13は、全て結合であり、vは1であり、vおよびvは0である項21−24に記載の製薬学的組成物。
27.
10およびQ11は酸素である項26に記載の製薬学的組成物。
28.
およびYは結合であり、Xは、
Figure 0004808785
[上式中、Rは、pが1−4である−(CH−COOHである]
である項21−27に記載の製薬学的組成物。
29.
は、−COOHである項21−28に記載の製薬学的組成物。
30.
アシル化インスリンが、式
Figure 0004808785
[上式中、
Insは、B鎖のN末端アミノ酸残基のα−アミノ基もしくはインスリン部分のB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基を介して、アミド結合を介して側鎖のCO−基と結合している親インスリン部分であり;
それぞれのnは独立して、0、1、2、3、4、5もしくは6であり;
、Q、Q、およびQは、互いに独立して、
・sが1−20である(CHCHO)−;(CHCHCHO)−;(CHCHCHCHO)−;(CHCHOCHCHCHCHO)−もしくは(CHCHCHOCHCHCHCHO)−;
・rが4から22の整数である−(CH−;もしくは、1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に4から22の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖;
・tが1から6の整数である−(CH−もしくは−(CHOCH−;
・RおよびRが、互いに独立して、H、−COOH、(CHCOOHであってよく、かつ、RおよびRが、それぞれの炭素において異なっていてよく、かつ、qが1−6である−(CR−;
・RおよびRが、互いに独立して、H、−COOHであってよく、かつ、RおよびRが、それぞれの炭素において異なっていてよく、かつ、qが1−6である−((CRq1−(NHCO−(CRq1−NHCO)1−2−((CRq1もしくは−((CRq1−(CONH−(CRq1−CONH)1−2−((CRq1−)−、−((CRq1−(NHCO−(CRq1−CONH)1−2−((CRq1もしくは−((CRq1−(CONH−(CRq1−NHCO)−((CRq1;もしくは
・結合
であってよいが;
ただし、Q−Qは異なっており;
、XおよびXは、独立して、
・O;
・結合;もしくは

Figure 0004808785
{上式中、
Rは、水素もしくはそれぞれのpが、残りのp'と独立して、1から6の範囲の整数である−(CH −COOH、−(CH−SOH、−(CH−PO、−(CH−O−SOH;−(CH−O−PO;もしくは−(CH−テトラゾール−5−イルである}
であり;かつ
Zは、
−COOH;
−CO−Asp;
−CO−Glu;
−CO−Gly;
−CO−Sar;
−CH(COOH)2;
−N(CHCOOH)
−SO
−OSO
−OPO3H
−POもしくは
−テトラゾール−5−イル
である]
を有するもの、およびその任意のZn 2+ 錯体である、項1−15および17の製薬学的組成物。
31.
sが、2−12、2−4もしくは2−3の範囲の整数である項1または30に記載の製薬学的組成物。
32.
sが好ましくは1である項1または30に記載の製薬学的組成物。
33.
Zが−COOHである項30−32に記載の製薬学的組成物。
34.
親インスリンがdesB30ヒトインスリンアナログである項1ないし33の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
35.
親インスリンが、ヒトインスリン;desB1ヒトインスリン;desB30ヒトインスリン;GlyA21ヒトインスリン;GlyA21desB30ヒトインスリン;AspB28ヒトインスリン;ブタインスリン;LysB28ProB29ヒトインスリン;GlyA21ArgB31ArgB32ヒトインスリン;およびLysB3GluB29ヒトインスリンもしくはAspB28desB30ヒトインスリンからなる群から選択される項1ないし34の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
36.
アシル化インスリンが、
εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 13 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 15 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 16 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシメチル)−C CO]desB30ヒトインスリン、およびN εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −(フラニレン)CO]desB30ヒトインスリン、N εB29 −{4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシ−フェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリル}desB30ヒトインスリン
からなる群から選択される項1−16、21−29および34−35に記載の製薬学的組成物。
37.
アシル化インスリンが、 εB29 −(3−[2−{2−(2−[ω−カルボキシ−ペンタデカノイル−γ−グルタミル−(2−アミノ−エトキシ)]−エトキシ)−エトキシ}−エトキシ]−プロピノイル(propinoyl))desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−{2−(2−[ω−カルボキシ−ヘプタデカノイル−γ−グルタミル−(2−アミノ−エトキシ)]−エトキシ)−エトキシ}−エトキシ]−プロピノイル(propinoyl))desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−プロピオニル−γ−グルタミルdesB30ヒトインスリン、N εB29 −(ω−[2−(2−{2−[2−(2−カルボキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチルカルバモイル]−ヘプタデカノイル−α−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(ω−[2−(2−{2−[2−(2−カルボキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチルカルバモイル]−ヘプタデカノイル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−プロピオニル−γ−グルタミルdesB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{2−[2−(3−[7−カルボキシヘプタノイルアミノ]プロパ−オキシ)エトキシ]−エトキシ}プロピルカルバモイル)プロピオニル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(7−カルボキシヘプタノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)−プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{2−[2−(3−[9−カルボキシノナノイルアミノ]プロパ−オキシ)エトキシ]エトキシ}−プロピルカルバモイル)プロピオニル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(9−カルボキシノナノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(9−カルボキシノナノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシ}−プロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(2−[3−(2−(2−{2−(7−カルボキシヘプタノイルアミノ)エトキシ}エトキシ)−エチルカルバモイル]プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル))desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−プロポイオノイル(propionoyl)−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−プロポイオノイル(propionoyl)−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−プロポイオノイル(propionoyl)−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エチルカルバモイル)−プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{2−[2−(3−[ω−カルボキシペンタデカノイルアミノ]プロパ−オキシ)エトキシ]−エトキシ}プロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(ω−カルボキシウンデカノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシプロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(ω−カルボキシトリデカノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシプロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(ω−カルボキシウンデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(ω−カルボキシトリデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−ガンマ−γ−D−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(7−カルボキシヘプタノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(9−カルボキシノナノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル(propioniyl)−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシウンデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシトリデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリンからなる群から選択される項1−15、17および30−35に記載の製薬学的組成物。
38.
約6.5から8.5のpHを有する項1−37の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
39.
即効型インスリンをさらに含む項1−38の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
40.
少なくとも85%の即効型インスリンが、即効型インスリンヘキサマーもしくは即効型インスリンヘキサマーより低分子量の複合体として存在する項1および39に記載の製薬学的組成物。
41.
少なくとも92%の即効型インスリンが、即効型インスリンヘキサマーもしくは即効型インスリンヘキサマーより低分子量の複合体として存在する項1および39−40に記載の製薬学的組成物。
42.
少なくとも95%の即効型インスリンが、即効型インスリンヘキサマーもしくは即効型インスリンヘキサマーより低分子量の複合体として存在する項1および39−41に記載の製薬学的組成物。
43.
少なくとも97%の即効型インスリンが、即効型インスリンヘキサマーもしくは即効型インスリンヘキサマーより低分子量の複合体として存在する項1および39−42に記載の製薬学的組成物。
44.
少なくとも99%の即効型インスリンが、即効型インスリンヘキサマーもしくは即効型インスリンヘキサマーより低分子量の複合体として存在する項1および39−43に記載の製薬学的組成物。
45.
即効型インスリンが、AspB28ヒトインスリン、LysB3GluB29ヒトインスリンおよび/またはLysB28ProB29ヒトインスリンである項39−44に記載の製薬学的組成物。
46.
6分子のアシル化インスリン毎に約4より多い亜鉛原子を組成物に添加する、アシル化インスリンを含む製薬学的組成物を製造するための方法。
47.
6分子のアシル化インスリン毎に最大約12の亜鉛原子を組成物に添加する項46に記載の方法。
48.
6分子のアシル化インスリン毎に約4.3から約12の亜鉛原子を組成物に添加する項46−47の何れか一項に記載の方法。
49.
保存料の添加前に、亜鉛を組成物に添加する項46−48に記載の方法。
50.
6分子のアシル化インスリン毎に1より多い亜鉛原子を保存料の添加前に組成物に添加する項46−49の何れか一項に記載の方法。
51.
6分子のアシル化インスリン毎に2より多い亜鉛原子を保存料の添加前に組成物に添加する項46−50の何れか一項に記載の方法。
52.
6分子のアシル化インスリン毎に3より多い亜鉛原子を保存料の添加前に組成物に添加する項46−51の何れか一項に記載の方法。
53.
6分子のアシル化インスリン毎に4より多い亜鉛原子を保存料の添加前に組成物に添加する項46−52の何れか一項に記載の方法。
54.
6分子のアシル化インスリン毎に5より多い亜鉛原子を保存料の添加前に組成物に添加する項46−53の何れか一項に記載の方法。
55.
保存料の添加後に、亜鉛を組成物に添加する項46−48に記載の方法。
56.
6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも0.5の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加する項46−48および55に記載の方法。
57.
6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加する項46−48および55−56の何れか一項に記載の方法。
58.
保存料の添加前に亜鉛の一部を添加し、保存料の添加後に亜鉛の一部を添加する項46ないし57の何れか一項に記載の方法。
59.
保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子であり、保存料の添加に添加する亜鉛原子の数は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子である項46ないし58の何れか一項に記載の方法。
60.
保存料がフェノールおよび/またはm−クレゾールである項46ないし59の何れか一項に記載の方法。
61.
界面活性剤を製薬学的組成物と混合する項46ないし60の何れか一項に記載の方法。
62.
アシル化インスリンが、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と結合している側鎖であって、一般式:
−W−X−Y−Z
[上式中、
Wは、
・そのカルボン酸基のうちの一つと共に、親のインスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と一緒になってアミド基を形成する側鎖中カルボン酸基を有するα−アミノ酸残基;
・アミドカルボニル結合を介して一緒に連結されている2、3または4のα−アミノ酸残基からなる鎖であって、
アミド結合−を介した鎖−は親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と連結しており、
Wのアミノ酸残基は、Wが側鎖中にカルボン酸基を有するアミノ酸残基を少なくとも一つ有するように、中性側鎖を有するアミノ酸残基および側鎖中にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択される鎖;もしくは、
Xから親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基までの共有結合
であり;
Xは、
・−O−;
・−CH(COOH)O−;
・−CO−N(CHCOOH)CH O−;
・−CO−N(CHCOOH)CHCON(CHCOOH)CH O−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CHCH O−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CHCHCON(CHCHCOOH)CHCH O−;
・−CO −NHCH(COOH)(CHNHO−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CH O−;もしくは
・−CO−N(CHCOOH)CHCH O−であって、
a)Wがアミノ酸残基もしくはアミノ酸残基の鎖であるとき、下線の炭素からの結合を介して、W中のアミノ基とアミド結合を形成するか、あるいは、
b)Wが共有結合であるとき、下線のカルボニル炭素からの結合を介して、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基とアミド結合を形成し;
Yは、
・mが6から32の範囲の整数である−(CH−;
・1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に10から32の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖
であり;かつ、
は、
・−COOH;
・−CO−Asp;
・−CO−Glu;
・−CO−Gly;
・−CO−Sar;
・−CH(COOH)
・−N(CHCOOH)
・−SOH;もしくは
・−PO
であるが、
ただし、Wが共有結合であってXが−CO−であるならば、Zは−COOHとは異なる]
の側鎖を有するもの、およびそのZn 2+ 錯体である、項46ないし61の何れか一項に記載の方法。
63.
アシル化インスリンが、 εB29 −(N α −(HOOC(CH 14 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 15 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 17 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 18 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−γ−Glu−N−(γ−Glu))desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Asp−OC(CH 16 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Glu−OC(CH 14 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Glu−OC(CH 14 CO−)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Asp−OC(CH 16 CO−)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−α−Glu−N−(β−Asp))desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Gly−OC(CH 13 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(Sar−OC(CH 13 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 13 CO)−γ−Glu)desB30ヒトインスリン;(N εB29 −(N α −(HOOC(CH 13 CO)−β−Asp)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 13 CO)−α−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 16 CO)−γ−D−Glu)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N α −(HOOC(CH 14 CO)−β−D−Asp)desB30ヒトインスリン N εB29 −(N α −(HOOC(CH 14 CO)−β−D−Asp)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N−HOOC(CH 16 CO−β−D−Asp)desB30ヒトインスリン;N εB29 −(N−HOOC(CH 14 CO−IDA)desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 16 CO)−N−(カルボキシエチル)−Gly]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシエチル)−Gly]desB30ヒトインスリン;およびN εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシメチル)−β−Ala]desB30ヒトインスリンからなる群から選択される項46ないし62の何れか一項に記載の方法。
64.
アシル化インスリンが、式
Figure 0004808785
[上式中、
Insは、B鎖のN末端アミノ酸残基のα−アミノ基もしくはインスリン部分のB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基を介して、アミド結合を介して側鎖のCO−基と結合している親インスリン部分であり;
は、
・nが1、2、3、4、5もしくは6である−(CH
・Rが、水素もしくは−(CH−COOH;−(CH−SOH;−(CH−PO;−(CH−O−SO;−(CH−O−PO;1又2の−(CH−O−COOH基で置換されたアリーレン;−(CH−テトラゾリルであるNR
{上式中、pは1から6の範囲の整数である};
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−(CR−NR−CO−;
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−((CRq1−NR−CO)2−4−;もしくは、
・結合
であり;
は、−COOH、−SOH、および−POおよびテトラゾリルからなる群から選択される一または二の基で置換されていてもよいアリーレンもしくはヘテロアリーレンであるか、あるいはWは結合であり;
mは0、1、2、3、4、5もしくは6であり;
は、
・−O−;

Figure 0004808785
{Rは上記のように定義される};もしくは
・結合
であり;
は、
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、結合もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−(CR−NR−CO−
・Rが上記のように定義されるNR;
・RおよびRは、互いに独立し、それぞれのqの値からも独立して、H、−COOH、もしくはOHであってよく、qは1−6であり、Rは上記のように定義される−((CRq1−NR−CO)2−4−;もしくは
・結合
であり;
は、
・rが4から22の整数である−(CH−;
・1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に4から22の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖;もしくは
・式
−(CH−Q−(Cv1−Q−(CH−Q10−(Cv2−Q11−(CH−Q12−(Cv3−Q13−(CH
{Q−Q13は、互いに独立して、O;Sもしくは結合であってよく;s、w、tおよびzは、互いに独立して、s、w、tおよびzの合計が4から22の範囲になるように、0もしくは1から10の整数であり、かつ、v、v、およびvは、互いに独立して、0もしくは1であってよいが、ただし、Wが結合であるならば、Qは式−(CHv4(CHW1 (vおよびwの合計が6から22の範囲になるように、vおよびwは整数であるか、あるいは、それらのうちの一つは0である)の二価の炭化水素鎖ではない}
の二価の炭化水素鎖
であり;かつ、
は、
−COOH;
−CO−Asp;
−CO−Glu;
−CO−Gly;
−CO−Sar;
−CH(COOH)
−N(CHCOOH)
−SO
−PO
O−SOH;
O−PO
−テトラゾリルもしくは
が、−COOH、−SOH、および−POおよびテトラゾリルから選択される一または二の基で置換されているアリーレンもしくはヘテロアリーレンである−O−W
であるが;
ただし、Wが結合であり、かつv、vおよびvが全て0であり、かつQ13が全て結合であれば、ZはO−Wである]
を有するもの、およびその任意のZn 2+ 錯体である、項46ないし61の何れか一項に記載の方法。
65.
がフェニレンである項46および64に記載の方法。
66.
が、窒素、酸素または硫黄を含んでなる5−7員環ヘテロ環系である項46および64に記載の方法。
67.
が、少なくとも一つの酸素を含んでなる5員環ヘテロ環系である項66に記載の方法。
68.
本発明のある態様では、Qは、rが4から22、8から20、12から20、もしくは14−18の範囲の整数である−(CH−である項46および64−67に記載の方法。
69.
、Q、Q12およびQ13は、全て結合であり、vは1であり、vおよびvは0である項46および64−68に記載の方法。
70.
10およびQ11は酸素である項69に記載の方法。
71.
およびYは結合であり、Xは、
Figure 0004808785
[上式中、Rは、pが1−4である−(CH−COOHである]
である項64に記載の方法。
72.
が−COOHである項64−71に記載の方法。
73.
アシル化インスリンが、式
Figure 0004808785
[上式中、
Insは、B鎖のN末端アミノ酸残基のα−アミノ基もしくはインスリン部分のB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基を介して、アミド結合を介して側鎖のCO−基と結合している親インスリン部分であり;
それぞれのnは独立して、0、1、2、3、4、5もしくは6であり;
、Q、Q、およびQは、互いに独立して、
・sが1−20である(CHCHO)−;(CHCHCHO)−;(CHCHCHCHO)−;(CHCHOCHCHCHCHO)−もしくは(CHCHCHOCHCHCHCHO)−;
・rが4から22の整数である−(CH−;もしくは、1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に4から22の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖;
・tが1から6の整数である−(CH−もしくは−(CHOCH−;
・RおよびRが、互いに独立して、H、−COOH、(CHCOOHであってよく、かつ、RおよびRが、それぞれの炭素において異なっていてよく、かつ、qが1−6である−(CR−;
・RおよびRが、互いに独立して、H、−COOHであってよく、かつ、RおよびRが、それぞれの炭素において異なっていてよく、かつ、qが1−6である−((CRq1−(NHCO−(CRq1−NHCO)1−2−((CRq1もしくは−((CRq1−(CONH−(CRq1−CONH)1−2−((CRq1−)−、−((CRq1−(NHCO−(CRq1−CONH)1−2−((CRq1もしくは−((CRq1−(CONH−(CRq1−NHCO)−((CRq1;もしくは
・結合
であってよいが;
ただし、Q−Qは異なっており;
、XおよびXは、独立して、
・O;
・結合;もしくは

Figure 0004808785
{上式中、
Rは、水素もしくはそれぞれのpが、残りのp'と独立して、1から6の範囲の整数である−(CH −COOH、−(CH−SOH、−(CH−PO、−(CH−O−SOH;−(CH−O−PO;もしくは−(CH−テトラゾール−5−イルである}
であり;かつ
Zは、
−COOH;
−CO−Asp;
−CO−Glu;
−CO−Gly;
−CO−Sar;
−CH(COOH)2;
−N(CHCOOH)
−SO
−OSO
−OPO3H
−POもしくは
−テトラゾール−5−イル
である]
を有するもの、およびその任意のZn 2+ 錯体である、項46−61に記載の方法。
74.
sが、2−12、2−4もしくは2−3の範囲である項73に記載の方法。
75.
sが好ましくは1である項73に記載の方法。
76.
Zが−COOHである項73−75に記載の方法。
77.
親インスリンがdesB30ヒトインスリンアナログである項46ないし76の何れか一項に記載の方法。
78.
親インスリンが、ヒトインスリン;desB1ヒトインスリン;desB30ヒトインスリン;GlyA21ヒトインスリン;GlyA21desB30ヒトインスリン;AspB28ヒトインスリン;ブタインスリン;LysB28 ProB29ヒトインスリン;GlyA21 ArgB31 ArgB32ヒトインスリン;およびLysB3 GluB29ヒトインスリンもしくはAspB28 desB30ヒトインスリンからなる群から選択される項46ないし77の何れか一項に記載の方法。
79.
アシル化インスリンが、
εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 13 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 15 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 16 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −C CO]desB30ヒトインスリン;N εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシメチル)−C CO]desB30ヒトインスリン、およびN εB29 −[N−(HOOC(CH 14 CO)−N−(カルボキシエチル)−CH −(フラニレン)CO]desB30ヒトインスリン、N εB29 −{4−カルボキシ−4−[10−(4−カルボキシ−フェノキシ)−デカノイルアミノ]−ブチリル}desB30ヒトインスリン
からなる群から選択される項46−61、64−72または77−78に記載の方法。
80.
アシル化インスリンが、 εB29 −(3−[2−{2−(2−[ω−カルボキシ−ペンタデカノイル−γ−グルタミル−(2−アミノ−エトキシ)]−エトキシ)−エトキシ}−エトキシ]−プロピノイル(propinoyl))desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−{2−(2−[ω−カルボキシ−ヘプタデカノイル−γ−グルタミル−(2−アミノ−エトキシ)]−エトキシ)−エトキシ}−エトキシ]−プロピノイル(propinoyl))desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−プロピオニル−γ−グルタミルdesB30ヒトインスリン、N εB29 −(ω−[2−(2−{2−[2−(2−カルボキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチルカルバモイル]−ヘプタデカノイル−α−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(ω−[2−(2−{2−[2−(2−カルボキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチルカルバモイル]−ヘプタデカノイル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ヘプタデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−プロピオニル−γ−グルタミルdesB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{2−[2−(3−[7−カルボキシヘプタノイルアミノ]プロパ−オキシ)エトキシ]−エトキシ}プロピルカルバモイル)プロピオニル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(7−カルボキシヘプタノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)−プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{2−[2−(3−[9−カルボキシノナノイルアミノ]プロパ−オキシ)エトキシ]エトキシ}−プロピルカルバモイル)プロピオニル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(9−カルボキシノナノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(9−カルボキシノナノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシ}−プロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(2−[3−(2−(2−{2−(7−カルボキシヘプタノイルアミノ)エトキシ}エトキシ)−エチルカルバモイル]プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル))desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−プロポイオノイル(propionoyl)−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−プロポイオノイル(propionoyl)−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−トリデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−プロポイオノイル(propionoyl)−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エチルカルバモイル)−プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{2−[2−(3−[ω−カルボキシペンタデカノイルアミノ]プロパ−オキシ)エトキシ]−エトキシ}プロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(ω−カルボキシウンデカノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシプロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(3−{4−[3−(ω−カルボキシトリデカノイルアミノ)プロパ−オキシ]ブトキシプロピルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(ω−カルボキシウンデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −(3−(2−{2−[2−(ω−カルボキシトリデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エチルカルバモイル)プロピオニル−γ−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−ガンマ−γ−D−グルタミル)desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(7−カルボキシヘプタノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(9−カルボキシノナノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル(propioniyl)−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシウンデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリン、N εB29 −{3−[2−(2−{2−[2−(ω−カルボキシトリデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル−γ−グルタミル}desB30ヒトインスリンからなる群から選択される項46−61または73−78の何れか一項に記載の方法。
81.
即効型インスリンを組成物と混合する項46ないし80の何れか一項に記載の方法。
82.
即効型インスリンが、AspB28ヒトインスリン、LysB3GluB29ヒトインスリンおよび/またはLysB28ProB29ヒトインスリンである項46および80に記載の方法。
83.
糖尿病の治療のための医薬の製造のための、項1−45の何れか一項に記載の組成物の使用。
84.
項1−45に記載の製薬学的組成物の治療的有効量を製薬学的に許容される担体と共に含む、治療の必要がある患者における糖尿病の治療のための製薬学的組成物。
85.
項1−45に記載の製薬学的組成物の治療的有効量を製薬学的に許容される担体と共に患者に投与することを含む、治療の必要がある患者における糖尿病の治療方法。
86.
糖尿病の肺性治療のための、項85に記載の方法。
87.
1型糖尿病、2型糖尿病および高血糖を引き起こす他の状態の治療において使用するための製薬学的組成物の製造のための、項1−45に記載の組成物の使用。
88.
実施例に記載される組成物。
本発明の別の態様は、以下に要約される。
91.
アシル化インスリンを含み、6分子のアシル化インスリン毎に4より多い亜鉛原子をさらに含む可溶性製薬学的組成物。
92.
アシル化インスリンを含み、6分子のアシル化インスリン毎に5より多い亜鉛原子をさらに含む項91に記載の可溶性製薬学的組成物。
93.
6分子のアシル化インスリン毎に最大約14の亜鉛原子を含む項91−92に記載の製薬学的組成物。
94.
6分子のアシル化インスリン毎に約5から約14の亜鉛原子を含む項91−93に記載の製薬学的組成物。
95.
6分子のアシル化インスリン毎に約5から約13の亜鉛原子を含む項91−94の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
96.
6分子のアシル化インスリン毎に約5から約12の亜鉛原子を含む項91−95の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
97.
6分子のアシル化インスリン毎に約5.3から約12の亜鉛原子を含む項91−96の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
98.
6分子のアシル化インスリン毎に約5.5から約11.4の亜鉛原子を含む項91−97の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
99.
6分子のアシル化インスリン毎に約5.5から約10の亜鉛原子を含む項91−98の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
100.
アシル化インスリンが、LysB29(Nε−テトラデカノイル)desB30ヒトインスリンもしくはLysB29Nε−リトコロイル(lithocholoyl)−γ−Glu desB30ヒトインスリンである項91−99の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
101.
アシル化インスリンが、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と結合している側鎖であって、一般式:
−W−X−Y−Z
[上式中、
Wは、
・そのカルボン酸基のうちの一つと共に、親のインスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と一緒になってアミド基を形成する側鎖中カルボン酸基を有するα−アミノ酸残基;
・アミドカルボニル結合を介して一緒に連結されている2、3または4のα−アミノ酸残基からなる鎖であって、
アミド結合−を介した鎖−は親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と連結しており、
Wのアミノ酸残基は、Wが側鎖中にカルボン酸基を有するアミノ酸残基を少なくとも一つ有するように、中性側鎖を有するアミノ酸残基および側鎖中にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択される鎖;もしくは、
Xから親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基までの共有結合
であり;
Xは、
・−O−;
・−CH(COOH)O−;
・−CO−N(CHCOOH)CH O−;
・−CO−N(CHCOOH)CHCON(CHCOOH)CH O−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CHCH O−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CHCHCON(CHCHCOOH)CHCH O−;
・−CO −NHCH(COOH)(CHNHO−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CH O−;もしくは
・−CO−N(CHCOOH)CHCH O−であって、
a)Wがアミノ酸残基もしくはアミノ酸残基の鎖であるとき、下線の炭素からの結合を介して、W中のアミノ基とアミド結合を形成するか、あるいは、
b)Wが共有結合であるとき、下線のカルボニル炭素からの結合を介して、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基とアミド結合を形成し;
Yは、
・mが6から32の範囲の整数である−(CH−;
・1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に10から32の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖
であり;かつ、
Zは、
・−COOH;
・−CO−Asp;
・−CO−Glu;
・−CO−Gly;
・−CO−Sar;
・−CH(COOH)
・−N(CHCOOH)
・−SOH;もしくは
・−PO
である]
の側鎖を有さない項91−100の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
101.
アシル化インスリンがLysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンではない0項91−101の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
102.
約6.5から8.5のpHを有する項91ないし101の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
103.
即効型インスリンをさらに含む項91ないし102の何れか一項に記載の製薬学的組成物。
104.
即効型インスリンが、AspB28ヒトインスリンおよび/またはLysB28ProB29ヒトインスリンである項103に記載の製薬学的組成物。
109.
6分子のアシル化インスリン毎に約4より多い亜鉛原子を組成物に添加する、アシル化インスリンを含む製薬学的組成物を製造するための方法。
本発明の更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約4.3より多い亜鉛原子を組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約4.5より多い亜鉛原子を組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約5より多い亜鉛原子を組成物に添加する。
110.
6分子のアシル化インスリン毎に最大約14の亜鉛原子を組成物に添加する項109に記載の方法。
111.
6分子のアシル化インスリン毎に約4.3から約14の亜鉛原子を組成物に添加する項109−110の何れか一項に記載の方法。
本発明の更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約4.5から約12の亜鉛原子を組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約5から約11.4の亜鉛原子を組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約5.5から約10の亜鉛原子を組成物に添加する。
112.
保存料の添加前に、亜鉛を組成物に添加する項109−111に記載の方法。
113.
保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数が、6分子のアシル化インスリン毎に1より多い亜鉛原子である項109−112の何れか一項に記載の方法。
114.
保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数が、6分子のアシル化インスリン毎に2より多い亜鉛原子である項109−113の何れか一項に記載の方法。
115.
保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数が、6分子のアシル化インスリン毎に3より多い亜鉛原子である項109−114の何れか一項に記載の方法。
116.
保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数が、6分子のアシル化インスリン毎に4より多い亜鉛原子である項109−115の何れか一項に記載の方法。
117.
保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数が、6分子のアシル化インスリン毎に5より多い亜鉛原子である項109−116の何れか一項に記載の方法。
本発明の更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約4.5から約12の亜鉛原子を保存料の添加前に組成物に添加するか、あるいは、より好ましくは、6分子のアシル化インスリン毎に約5から約11.4の亜鉛原子を保存料の添加前に組成物に添加するか、あるいは、さらにより好ましくは6分子のアシル化インスリン毎に約5.5から約10の亜鉛原子を保存料の添加前に組成物に添加する。
118.
保存料の添加後に、亜鉛を組成物に添加する項109−111の何れか一項に記載の方法。
119.
6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも0.5の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加する項118に記載の方法。
120.
6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加する項118−119に記載の方法。
本発明の更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約2より多い亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約3より多い亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に約4より多い亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加する。
本発明の更なる態様では、6分子のアシル化インスリン毎に約4.5から約12の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加するか、あるいは、より好ましくは、6分子のアシル化インスリン毎に約5から約11.4の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加するか、あるいは、さらにより好ましくは、6分子のアシル化インスリン毎に約5.5から約10の亜鉛原子を保存料の添加後に組成物に添加する。
121.
保存料の添加前に亜鉛の一部を添加し、保存料の添加後に亜鉛の一部を添加する項109−120の何れか一項に記載の方法。
ある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加後に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2−3の亜鉛原子を保存料の添加後に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に最大約11の亜鉛原子を保存料の添加後に添加することを含む。
ある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加後に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2−3の亜鉛原子を保存料の添加後に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に最大約10の亜鉛原子を保存料の添加後に添加することを含む。
ある態様では、本方法は、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも1の亜鉛原子を保存料の添加後に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも2−3の亜鉛原子を保存料の添加後に添加するか、あるいは、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子を保存料の添加前に添加し、6分子のアシル化インスリン毎に最大約9の亜鉛原子を保存料の添加後に添加することを含む。
122.
保存料の添加前に添加する亜鉛原子の数が、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子であり、保存料の添加後に添加する亜鉛原子の数が、6分子のアシル化インスリン毎に少なくとも3の亜鉛原子である項121の何れか一項に記載の方法。
123.
保存料がフェノールおよび/またはm−クレゾールである項112−122の何れか一項に記載の方法。
124.
アシル化インスリンが、LysB29(Nε−テトラデカノイル)desB30ヒトインスリンもしくはLysB29ε−リトコロイル(lithocholoyl)−γ−Glu desB30ヒトインスリンである項109−123の何れか一項に記載の方法。
125.
アシル化インスリンが、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と結合している側鎖であって、一般式:
−W−X−Y−Z
[上式中、
Wは、
・そのカルボン酸基のうちの一つと共に、親のインスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と一緒になってアミド基を形成する側鎖中カルボン酸基を有するα−アミノ酸残基;
・アミドカルボニル結合を介して一緒に連結されている2、3または4のα−アミノ酸残基からなる鎖であって、
アミド結合−を介した鎖−は親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と連結しており、
Wのアミノ酸残基は、Wが側鎖中にカルボン酸基を有するアミノ酸残基を少なくとも一つ有するように、中性側鎖を有するアミノ酸残基および側鎖中にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択される鎖;もしくは、
Xから親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基までの共有結合
であり;
Xは、
・−O−;
・−CH(COOH)O−;
・−CO−N(CHCOOH)CH O−;
・−CO−N(CHCOOH)CHCON(CHCOOH)CH O−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CHCH O−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CHCHCON(CHCHCOOH)CHCH O−;
・−CO −NHCH(COOH)(CHNHO−;
・−CO−N(CHCHCOOH)CH O−;もしくは
・−CO−N(CHCOOH)CHCH O−であって、
a)Wがアミノ酸残基もしくはアミノ酸残基の鎖であるとき、下線の炭素からの結合を介して、W中のアミノ基とアミド結合を形成するか、あるいは、
b)Wが共有結合であるとき、下線のカルボニル炭素からの結合を介して、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基とアミド結合を形成し;
Yは、
・mが6から32の範囲の整数である−(CH−;
・1、2もしくは3の−CH=CH−基と、鎖中に10から32の範囲の合計数の炭素原子を与えるのに十分な数の−CH−基とを含んでなる二価の炭化水素鎖
であり;かつ、
Zは、
・−COOH;
・−CO−Asp;
・−CO−Glu;
・−CO−Gly;
・−CO−Sar;
・−CH(COOH)
・−N(CHCOOH)
・−SOH;もしくは
・−PO
である]
の側鎖を有さない項109−124の何れか一項に記載の方法。
126.
アシル化インスリンがLysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンではない項125の何れか一項に記載の方法。
127.
即効型インスリンを組成物に添加する項109−126の何れか一項に記載の方法。
128.
即効型インスリンが、AspB28ヒトインスリンおよび/またはLysB28ProB29ヒトインスリンである項127に記載の方法。
129.
糖尿病の治療のための医薬のの製造のための、項91−104の何れか一項に記載の組成物の使用。
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、通常水準(6分子のアシル化インスリン毎に2から4の亜鉛原子)を超える亜鉛含有量の増加が、あるアシル化インスリン誘導体、特にアシル化インスリンLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−GludesB30ヒトインスリンの中および高分子量インスリン複合体を増加させるという驚くべき知見に基づいたものである
本発明によれば、所望の度合いの会合を有するインスリンを含むインスリン製剤を設計することができる。
さらに、アシル化インスリンを即効型インスリンアナログと混合するとき、鈍化が起きることなく、真の二相性特性が得られる。したがって、本発明によると、即効型インスリンアナログと遷延性アシル化インスリンの混合物であって、即効型インスリンとアシル化インスリンの注射部位からの消失速度は、別個の組成物で注射するときと同様である可溶性組成物が提供される。二相性製薬学的組成物としてのインスリンを投与することにより、注射の回数は減少し、より利便性が高く、安全な治療となる。
本発明は、さらに、インスリン製剤を調製するときに、保存料の添加後に亜鉛を加えることができるという驚くべき知見に基づいたものである。亜鉛は、典型的には、酢酸亜鉛、塩化亜鉛またはクエン酸亜鉛をインスリン製剤に添加することにより提供される。
本発明によれば、本発明のアシル化インスリン組成物は、吸入により送達され、その急速な吸収を成し得る。吸入による投与は、薬物動態学的に、インスリンの皮下投与に比較し得る結果となり得る。本発明のアシル化インスリン組成物の吸入は、循環インスリンレベルの急速な上昇と、それに続く急速な血中グルコースレベルの降下につながる。異なる吸入装置が、典型的には、類似の粒子サイズおよび類似の肺付着レベルで比較すると、類似の薬物動態学を与える。
本発明によれば、本発明のアシル化インスリン組成物は、それらの迅速な吸収を達成するために吸入法によって送達してもよい。吸入法による投与は、インスリン類の皮下投与と同等の薬物動態を生じ得る。本発明のアシル化インスリン組成物の吸入は、循環インスリンレベルの迅速な上昇、続く血糖値の迅速な落下を引き起こす。異なる吸入装置でも、同様の粒径および同様の肺沈着レベルを比較すると、典型的には同様の薬物動態を提供する。
本発明によれば、本発明のアシル化インスリン組成物は、は、吸入法による治療剤の投与のための、当技術分野において既知の種々の吸入装置のいずれにより送達してもよいこれらの装置には、定用量吸入器、ネブライザー、乾燥粉末発生装置、噴霧器、その他を含む。好ましくは、本発明のアシル化インスリン組成物は、乾燥粉末吸入器または噴霧器により送達される。本発明のアシル化インスリン組成物を投与するための吸入装置には、いくつかの望ましい特色がある。例えば、吸入装置による送達は、信頼でき、再現性があり、かつ正確であることが都合よい。吸入装置は、小粒子、例えば約10μm未満、例えば快適に呼吸できるためには、約1〜5μmを送達すべきである。本発明の実施に適した市販の吸入装置の幾つかの具体例としては、Turbohaler(商標)(Astra)、Rotahaler(登録商標)(Glaxo)、Diskus(登録商標)(Glaxo)、Spiros(商標)吸入器(Dura)、Inhale Therapeuticsによって市場に出されている装置、AERx(商標)(Aradigm)、Ultraventネブライザー(Mallinckrodt)、Acorn II(登録商標)ネブライザー(Marquest Medical Products)、Ventolin(登録商標)定用量吸入器(Glaxo)、Spinhaler(登録商標)粉末吸入器(Fisons)、C−haler(登録商標)(Microdrug)、E−flex(登録商標)(Microdrug)等が挙げられる。
当業者であれば認識するであろうとおり、本発明のアシル化インスリン組成物の製剤、送達される製剤の量および単一用量の投与の期間は、使用される吸入装置のタイプに依存する。ネブライザーなどの幾つかのエアロゾル送達系については、投与の頻度および系が活性化される延べ時間は主に、エアロゾル内のインスリンコンジュゲートの濃度に依存する。例えば、投与の期間が短いほど、ネブライザー溶液において高濃度のインスリンコンジュゲートを使用することができる。定用量吸入器などの装置では、より高いエアロゾル濃度を生じさせることができ、所望の量のインスリンコンジュゲートを送達するために、操作をより短い期間にすることができる。粉末吸入器などの装置は、所与の装入量の薬剤が装置から放出されるまで、活性薬剤を送達する。この種の吸入器では、所与の量の粉末中の本発明のインスリン誘導体の量により、単独投与で送達される用量を決定する。
吸入装置によって送達される製剤中の本発明のインスリン誘導体の粒径は、インスリンが肺内、より好ましくは下気道または肺胞でこれを作る能力に関して重要である。好ましくは、本発明のアシル化インスリン組成物は、また、送達されたインスリンコンジュゲートの少なくとも約10%、好ましくは約10から約20%もしくはそれ以上が肺に沈着するように製剤される。約2μm〜約3μmの粒径で、口呼吸しているヒトのための肺沈着の最高効率が得られることが知られている。粒径が上記の約5μMを上回るとき、肺沈着は大きく減少する。約1μmを下回る粒径では、肺沈着の減少を引き起こし、治療的に有効な十分量の粒子を送達することが困難になる。したがって、吸入によって送達されるアシル化インスリン組成物の粒子は、好ましくは約10μM未満、より好ましくは約1μMから約5μMの範囲の粒径を有する。インスリン誘導体の製剤は、選ばれた吸入装置において所望の粒径を生じるように選択される。
乾燥粉末としての投与する上で有利には、本発明のアシル化インスリン組成物は、約10μM未満、好ましくは約1から約5μmの粒径をもつ粒状形態で調製される。好ましい粒径は、患者の肺の肺胞に送達するために有効である。好ましくは、乾燥粉末は、大多数の粒子が所望の範囲のサイズを有するように製造された粒子で主に構成される。有利には、乾燥粉末の少なくとも約50%は、約10μm未満の直径を有する粒子でできている。このような製剤は、インスリンコンジュゲートとその他の所望の成分とを含む溶液の噴霧乾燥、粉砕または臨界点凝縮によって達成することができる。また、本発明に有用な粒子を作製するために適したその他の方法は、当該技術分野において既知である。
粒子は、通常、乾燥粉末製剤から容器内に分離し、次いで担体気流を経て患者の肺に輸送される。典型的には、現在の乾燥粉末吸入器では、固体を分解する力は、単に患者の吸入のみによって提供される。吸入器のもう一つのタイプでは、患者の吸入によって発生する気流が、粒子の塊をほぐす羽根車モーターを活性化する。
乾燥粉末吸入器からの投与のための本発明のアシル化インスリン組成物の製剤は、典型的にはアシル化インスリンを含む微細に分割された乾燥粉末を含むが、粉末には、増量剤、担体、賦形剤、別の添加物等も含むことができる。添加物には、例えば特定の粉末吸入器からの送達のために必要とされる粉末を希釈するために、製剤のプロセシングを容易にするために、製剤に有利な粉体物性を提供するために、吸入装置からの粉末の分散を促進するために、製剤を安定化するために(例えば、抗酸化剤または緩衝剤)、製剤に味を提供するために、その他のためにインスリンコンジュゲートの乾燥粉末製剤で含めることができる。添加物は、患者の気道に悪影響を与えないことが都合よい。アシル化インスリンは、分子レベルで添加物と混合することができ、または固体製剤には、添加物の粒子と混合し、またはコーティングしたインスリンコンジュゲートの粒子を含めることができる。典型的な添加物には、一糖、二糖および多糖;例えば乳糖、グルコース、ラフィノース、メレチトース、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、ショ糖、マンニトール、デンプンまたはこれらの組み合わせなどの糖アルコールおよびその他のポリオール;ソルビトール、ジホスファチジルコリンまたはレシチンなどの界面活性物質;その他を含む。典型的には、増量剤などの添加物は、上記した目的のために有効な量で、たいてい製剤の約50%〜約90重量%で存在する。また、インスリンアナログタンパク質などのタンパク質製剤のための、当該技術分野において既知の付加的な薬剤も、製剤に含めることができる。
本発明のアシル化インスリン組成物を含むスプレーは、圧力下でノズルを介してインスリンコンジュゲートの懸濁液または溶液を圧力をかけることによって産生することができる。ノズルサイズおよび配置、加圧力、および液体の流加速度は、所望出力および粒径を達成するように選ぶことができる。エレクトロスプレーは、例えばキャピラリーまたはノズルフィードと組み合わせた電場によって産生することができる。有利には、噴霧器によって送達されるインスリンコンジュゲートの粒子は、約10μm未満、好ましくは約1μmから約5μmの範囲の粒径を有する。
噴霧器の用途に適した本発明のアシル化インスリン組成物の製剤は、典型的には溶液1mlあたり約1mg〜約20mgのインスリンコンジュゲートの濃度で水溶液中にインスリン誘導体を含む。製剤には、例えば、賦形剤、緩衝剤、等張剤、保存料、界面活性物質および好ましくは、亜鉛などの薬剤を含むことができる。製剤は、緩衝液、還元剤、バルクタンパク質または炭水化物などのインスリン誘導体の安定化のための賦形剤または薬剤を含むこともできる。インスリンコンジュゲートを製剤化するのに有用なバルクタンパク質には、アルブミン、プロタミン等が含まれる。インスリンコンジュゲートを製剤化するのに有用な典型的な炭水化物には、ショ糖、マンニトール、乳糖、トレハロース、グルコース等が含まれる。また、インスリン誘導体製剤は、界面活性剤を含むことができ、エアロゾルを形成する際に溶液の微粒化によって生じる表面で誘導されるインスリンコンジュゲートの凝集を減少させ、または防止することができる。例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびアルコール、並びにポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの種々の一般的な界面活性物質を使用することができる。量は、一般に製剤の約0.001〜約4重量%の間の範囲である。
本発明の製薬学的組成物は、治療を必要とする患者に対して非経口的に投与してもよい。非経口的な投与は、シリンジ、任意にペン様シリンジもしくは簡便な投薬機器を用いて、皮下、筋肉内、または静脈内注射により行ってもよい。あるいは、非経口的な投与は、注入ポンプを用いて行うことができる。
本発明のある態様は、製薬学的に許容される担体および/または製薬学的に許容される添加物と一緒になった本発明の製薬学的組成物に関し、それは、治療を必要とする患者における1型糖尿病、2型糖尿病もしくは高血糖を引き起こす他の状態の経肺治療のために提供され得る。
本発明のある態様では、治療を必要とする患者における1型糖尿病、2型糖尿病もしくは高血糖を引き起こす他の状態の治療に用いるための製薬学的組成物の製造のための方法が提供され、その組成物は、経肺で用いられ、製薬学的に許容される担体および/または製薬学的に許容される添加物と一緒になった本発明の製薬学的組成物の治療的有効量を含む。
アシル化インスリン誘導体の注射用組成物は、所望の最終産物を得るのに適切な成分を溶解および混合することに関する製薬産業の通常の技法を用いて調製することができる。したがって、ある手順によれば、インスリン誘導体を、調製される組成物の最終体積よりも幾分少ない量の水中に溶解する。等張剤、保存料もしくは、保存の混合物、酢酸塩、クエン酸塩もしくは塩酸塩としての亜鉛またはその混合物、およびバッファーを必要に応じて添加することができ、さらに、界面活性剤を添加してもよく、そして、溶液のpH値が−必要ならば−必要に応じて、例えば、塩酸のような酸、もしくは、例えば、水酸化ナトリウム水溶液のような塩基を用いて調整する。最終的に、溶液の体積を、水を用いて、成分の所望の濃度が得られるように調整する。
バッファーは、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、ADA(N−[2−アセタミド]−2−イミノ二酢酸)、ACES(N−[2−アセタミド]−2−アミノエタンスルホン酸)、BES(N,N−bis[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸)、bicine(N,N−bis−[2−ヒドロキシエチル]グリシン)、BIS−TRIS(bis[2−ヒドロキシエチル]イミノtris[ヒドロキシメチル]−メタン)、DIPSO(3[N,N−bis(2−ヒドロキシエチル]アミン]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、エチレンジアミンジヒドロクロリド、グリシルグリシン、HEPES(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−エタンスルホン酸])、HEPPSO(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−ヒドロキシプロパンスルホン酸])、イミダゾール、MOBS(4−[N−モリホリノ]ブタンスルホン酸)、MOPS(3−[N−モリホリノ]プロパンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン−N,N’−bis[2−エタンスルホン酸])、TAPSO(3−[N−tris(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、THAM(tris[ヒドロキシメチル]−アミノメタン)、TES(N−tris[ヒドロキシメチル]メチル−2−アミノエタンスルホン酸、tricine(N−tris[ヒドロキシメチル]メチルグリシン)、アジピン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、および/またはそれらの塩、および/またはそれらの混合物からなる群から選択してもよい。
本発明の更なる態様では、製剤は、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、2−フェノキシエタノール、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、2−フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、およびブロノポール、安息香酸、イミドウレア、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、クロロフェネシン(3−(4−クロロフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール)もしくはそれらの混合物からなる群から選択され得る製薬学的に許容される保存料をさらに含む。本発明の更なる態様では、保存料は、0.1mg/mlから20mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様では、保存料は、0.1mg/mlから5mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様では、保存料は、5mg/mlから10mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様では、保存料は、10mg/mlから20mg/mlの濃度で存在する。これらの具体的な保存料のそれぞれ一つは、本発明の代替的な態様を構成する。製薬学的組成物における保存料の使用は、当業者には周知のことである。簡便には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19 th edition, 1995を参照のこと。
本発明の更なる態様では、製剤は、塩(例えば、塩化ナトリウム)、糖もしくは糖アルコール、アミノ酸(例えば、l−グリシン、l−ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール)ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)、もしくはそれらの混合物を、さらに含む。フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルスターチおよびカルボキシメチルセルロース−Naを含む、例えば、一糖、二糖もしくは多糖のような任意の糖、あるいは水溶性グルカン類を用いてもよい。ある態様では、糖添加物はスクロースである。糖アルコールは、少なくとも一つの−OH基を有するC4−C8炭化水素として定義され、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、およびアラビトールを含む。ある態様では、糖アルコール添加物は、マンニトールである。上述の糖および糖アルコールは、別個にあるいは組み合わせて用いられ得る。糖および糖アルコールが液体組成物に可溶性で、かつ本発明の方法を用いて達成される安定化効果に悪影響を与えない限り、用いられる量に制限は課されない。ある態様では、糖および糖アルコールの濃度は、約1mg/mlから約150mg/mlである。本発明の更なる態様では、等張剤は、約1mg/mlから約50mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様では、等張剤は、約1mg/mlから約7mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様では、等張剤は、約8mg/mlから約24mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる態様では、等張剤は、約25mg/mlから約50mg/mlの濃度で存在する。これらの具体的な等張剤のそれぞれ一つは、本発明の代替的な態様を構成する。製薬学的組成物における等張剤の使用は、当業者には周知のことである。簡便には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19 th edition, 1995を参照のこと。
本発明の更なる態様では、特に、インスリン誘導体を、インスリンアスパルトのような即効型インスリンと混合する際には、製剤は、フィブリル化を防止するために界面活性剤を含む。例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類およびアルコール類、およびポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類のような、種々の一般的な界面活性剤を用いることができる。量は一般的に、製剤の約0.001から約0.1重量%の範囲であろう。
典型的な等張剤は、塩化ナトリウム、マンニトール、ジメチルスルホン、1,2プロパンジオール、およびグリセロールであり、典型的な保存料は、フェノール、m−クレゾール、メチルp−ヒドロキシ安息香酸およびベンジルアルコールである。
適するバッファーの例としては、酢酸ナトリウム、グリシルグリシン、HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)、tris−ヒドロキシメチル−アミノメタン、エチレンジアミンジヒドロクロリド、およびリン酸ナトリウムが挙げられる。
本発明の組成物は、インスリンに感受性の状態の治療に用いることができる。したがって、それらは、1型糖尿病、2型糖尿病および、例えば重傷者および大きな手術を受けた人に時々見られるような高血糖の治療に用いることができる。任意の患者についての最適な投与レベルは、具体的なアシル化インスリンもしくはアシル化インスリンと用いられる即効型インスリンとの混合物の効率、年齢、体重、生理的活動、および患者の常食、他の薬物との有り得る組み合わせ、および治療されるべき状態の重篤さを含む種々の因子に依存する。本発明のインスリン誘導体の1日投与量は、既知のインスリン組成物と同様に、個々の患者それぞれについて、当業者により決定されることが推奨される。
本発明の組成物に含まれるアシル化インスリンもしくはインスリンアナログを調製するための出発産物は、周知のペプチド合成により、もしくは適する形質転換微生物中での周知の組み換え生産により、生産することができる。したがって、インスリン出発産物は、ポリペプチドをコードするDNAを含み、適切な栄養培地でペプチドの発現が許容される条件下でポリペプチドを発現することのできる宿主細胞、を培養し、その後、生じたペプチドを培養物から回収することを含む。
細胞を培養するために用いる培地は、適切な補助物質を含有する最少培地または混合培地などの、宿主細胞を生育するために適する任意の一般的な培地であってよい。適切な培地は、市販の供給元から入手可能であるかまたは公開された製法(例えばAmerican Type Culture Collectionのカタログにおいて)に従って調製してもよい。細胞によって生産されるペプチドは、対象のペプチドの種類に応じて、遠心または濾過によって培地から宿主細胞を分離すること、硫酸ナトリウムなどの塩によって上清または濾過液のタンパク質性成分を沈殿する、例えばイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィーなどの種々のクロマトグラフィーの手順による精製、を含む一般的な手順によって培養培地から回収してもよい
インスリンポリペプチドをコードするDNA配列はゲノム起源または、cDNA起源のものでよく、例えばゲノムもしくはcDNAのライブラリを調製して、標準的な技法に従って合成オリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイゼーションによってポリペプチドのすべてまたは一部をコードするするDNA配列に関してスクリーニングすることによって得られ得る(例えば、Sambrook, J, Fritsch, EF and Maniatis, T, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989を参照のこと)。また、ポリペプチドをコードするDNA配列は、確立された標準的な方法、例えばBeaucage and Caruthers, Tetrahedron Letters 22 (1981), 1859 - 1869によって記述されるホスホアミダイト法またはMatthes等, EMBO Journal 3 (1984), 801 - 805によって記述される方法によって合成して調製されてもよい。また、例えば、米国特許第4683202号またはSaiki et al., Science 239 (1988), 487 - 491に記載のように、DNA配列は、特定のプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応によって調製されてもよい。
DNA配列は、簡便には、組換えDNA手順の対象となり得る任意のベクターに挿入してよく、ベクターの選択は導入すべき宿主細胞によることが多いであろう。したがって、ベクターは自己複製するベクター、すなわち染色体外の独立体として存在すし、その複製が染色体複製から独立しているベクター、例えばプラスミドであってよい。あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入される場合、宿主細胞ゲノムに組み込まれ、組み込まれている染色体(一または複数)と共に複製されるものであってもよい。
好ましくは、ベクターは、例えばプロモーターのような、ペプチドをコードするDNA配列がDNAの転写に必要な付加的なセグメントに作用可能に連結されている発現ベクターである。プロモーターは、選択した宿主細胞において転写活性を示す任意のDNA配列であってよく、宿主細胞に同種なまたは異種なタンパク質をコードする遺伝子由来でよい。種々の宿主細胞における本発明のペプチドをコードするDNAの転写を管理するのに適切なプロモーターの例は、当技術分野で周知であり、例えば、Sambrook, et al., Molecular Cloning: a laboratory manual, second edition 1989が参照される。
また、ペプチドをコードするDNA配列は、必要ならば、適切なターミネーター、ポリアデニル化シグナル、転写促進因子配列および翻訳促進因子配列に作用可能に連結されてよい。さらに、本発明の組み換えベクターは、問題の宿主細胞においてベクターが複製することを可能にするDNA配列を更に含んでもよい。
ベクターはまた、選択可能なマーカー、例えば、遺伝子産物が、薬剤、例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、ハイグロマイシンもしくはメトトレキサートに対する耐性を与えるか、もしくは宿主細胞における欠損を補完する遺伝子を含んでよい。
宿主細胞の分泌経路にインスリンペプチドを導くために、分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列またはプレ配列としも知られる)は、組換えベクターに提供されてよい。分泌シグナル配列は、正しい読み取り枠においてペプチドをコードするDNA配列に連結される。分泌シグナル配列は、一般的に、ペプチドをコードするDNA配列の5’位に位置する。分泌シグナル配列は、そのペプチドに通常相関したものであってもよいし、あるいは他の分泌タンパク質をコードする遺伝子由来でもよい。
本ペプチド、プロモーターおよび任意的にターミネーターおよび/または分泌性シグナル配列それぞれをコードするDNA配列をライゲートし、複製のために必要な情報を含む適切なベクターにこれらを挿入するために使用される手順は、当業者にとって周知である(例えば、Sambrook et al.、上記参照のこと)。
DNA配列または組換えベクターが導入される宿主細胞は、本ペプチドを産生することができる任意の細胞であってよく、細菌、酵母、真菌類および高等真核細胞が含まれる。当該技術分野において周知かつ使用される適切な宿主細胞の例には、これらに限定されないが、大腸菌(E.coli)、酵母(Saccharomyces cerevisiae)または哺乳動物BHKまたはCHO細胞株が含まれる。
〔定義〕
ここで用いられる場合、「有効量」という用語は、治療しない場合と比較して患者に対して効果のある治療のために十分な投与量を意味する。
「製薬学的組成物」という用語は、ここで用いられる場合、活性化合物またはそれらの塩を、バッファー、保存料、および張度調節剤のような製薬学的な賦形剤と共に含んでなる生成物を意味し、前記製薬学的組成物は、ヒトに投与することによって疾患または障害の重症度を治療、予防、または軽減するのに有用である。それ故、製薬学的組成物は、製薬学的製剤としても当技術分野において既知である。再構成されるための製薬学的組成物のpHは、室温において、所定の再構成液体中の再構成により製造された再構成組成物について計測されるpH値である。
「製薬学的に許容される」という用語は、ここで用いられる場合、通常の製薬学的な適用に適している、すなわち、患者等において有害事象が生じないことを意味する。
「バッファー(緩衝剤、緩衝液)」という用語は、ここで用いられる場合、化学反応により生じ得るような、時間にわたって組成物のpHが変化する傾向を低下させる、製薬学的組成物中での化学化合物を意味する。バッファーには、リン酸ナトリウム、TRIS、グリシルグリシンおよびクエン酸ナトリウムのような化学物質が含まれる。
「保存料」という用語は、ここで用いられる場合、微生物活性(増殖および代謝)を妨げるためまたは遅延させるために製薬学的組成物に添加される化学物質を称する。製薬学的に許容されるな保存料の例は、フェノール、m−クレゾール、ならびにフェノールおよびm−クレゾールの混合物である。
「等張剤」という用語は、ここで用いられる場合、製薬学的組成物の浸透圧をヒトの血漿の浸透圧により近づけるように調節するのに役立つ製薬学的組成物中の化学物質を称する。等張化剤には、NaCl、グリセロール、マンニトール等が含まれる。
「安定化剤」という用語は、ここで用いられる場合、ペプチドを安定化するため、すなわちそのような組成物の貯蔵寿命および/または有効期間を増大させるための、ペプチド含有製薬学的組成物に加える化学物質を称する。製薬学的製剤中に用いられる安定化剤の例としては、L−グリシン、L−ヒスチジン、アルギニン、ポリエチレングリコール、およびカルボキシメチルセルロースが挙げられる。さらに、フェノール類、亜鉛イオン類および塩化ナトリウムも、安定化剤として作用し得る。
「界面活性剤」という用語は、ここで用いられる場合、インスリン、インスリンアナログおよびインスリン誘導体を境界面から離れさせるように、空気に対する接触面および疎水性表面を装飾するように機能する、製薬学的組成物中の化学物質を称する。例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類およびアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類のような、種々の標準的な界面活性剤を用いることができる。例としては、ポリソルベート20(polysorbate20)が挙げられる。
「疾患の治療」という用語は、ここで用いられる場合、病気、状態もしくは疾患を進行させた患者の管理および世話を意味する。治療の目的は、病気、状態もしくは疾患を治すことである。治療には、病気、状態もしくは疾患と関連した症状もしくは合併症を緩和することと同様に、病気、状態もしくは疾患を終結させるもしくは制御するための、活性化合物の投与が含まれる。
「疾患の予防」という用語は、ここで用いられる場合、病気の臨床的発現より前の、病気を進行させる危険性についての、管理および世話として定義される。予防の目的は、病気、状態もしくは疾患の進行を防ぐことであり、症状および合併症の発現を予防するもしくは遅延させるため、および、関連した病気、状態もしくは疾患の進行を予防もしくは遅延させるための、活性化合物の投与が含まれる。
「ヒトインスリン」という用語は、ここで用いられる場合、その構造および性質が周知であるヒトホルモンを意味する。ヒトインスリンは、システイン残基間をジスルフィド架橋により結合された2つのポリペプチド鎖、すなわちA鎖およびB鎖を有する。A鎖は21アミノ酸ペプチドであり、B鎖は30アミノ酸ペプチドであり、2つの鎖は3つのジスルフィド架橋により結合されている:1つ目は、A鎖の位置6および位置11のシステインの間、2つ目は、A鎖の位置7のシステインとB鎖の位置7のシステインの間、3つ目は、A鎖の位置20のシステインとB鎖の位置19のシステインの間である。
「基礎インスリン」という用語は、ここで用いられる場合、糖尿病の標準的なモデルにおいて15時間より長い時間作用を有し、夜の間と、食事と食事の間のインスリン要求をカバーするのに適したインスリンペプチドの製剤を意味する。好ましくは、基礎インスリンは、少なくとも20時間の時間作用を有する。好ましくは、基礎インスリンは、少なくとも10時間の時間作用を有する。好ましくは、基礎インスリンは、15から48時間の時間作用を有する。好ましくは、基礎インスリンは、NPHインスリンもしくはNε B29 −テトラデカノイルdesB30ヒトインスリンの市販の製薬学的組成物について観察されるのと類似の時間作用を有する。
「ボーラスインスリン」、「食事関連インスリン」もしくは「即効型インスリン」という用語は、ここで用いられる場合、即効性であり、食中、食後のインスリン要求をカバーするのに適したインスリンペプチドを意味する。
「二相性インスリン」という用語は、ここで用いられる場合、「ボーラスインスリン」および「基礎インスリン」の混合物を含む製薬学的組成物を意味する。
「desB30」または「B(1−29)」とは、B30アミノ酸残基を欠くインスリンB鎖もしくはそのアナログを意味する。「A(1−21)」は天然インスリンA鎖もしくはそのアナログを意味する。Cペプチドとそのアミノ酸配列は、三文字のアミノ酸コードで示されている。desB30、desB29ヒトインスリンとは、B29およびB30を欠くヒトインスリンである。
「B1」、「A1」等とは、それぞれインスリンのB鎖の位置1(N末端から数えて)のアミノ酸残基およびインスリンのA鎖の位置1(N末端から数えて)のアミノ酸残基を意味する。特定の位置にあるアミノ酸残基は、例えば、位置B1のアミノ酸残基がフェニルアラニン残基であることを意味する、Phe B1 のようにして表し得る。
「インスリン類似体」は、ここで用いられる場合、天然発生型インスリンに、形式上由来し得る分子構造を有するポリペプチド、例えば、天然発生型インスリン中の少なくとも一のアミノ酸残基の欠失および/または置換、および/または、少なくとも一のアミノ酸残基の付加によるヒトインスリンのそれ、を意味する。
付加および/または置換されるアミノ酸残基は、コード可能なアミノ酸残基または他の天然発生型の残基または純粋な合成アミノ酸残基の何れであってもよい。インスリンアナログは、B鎖の位置28が天然のPro残基からAsp、LysまたはIleに修飾され得るものでもよい。別の態様では、位置B29のLysはProへと修飾されてもよい。ある態様では、B30はLysであってよく、B29は、Cy、Met、ArgおよびLys以外の任意のコード可能なアミノ酸であり得る。
また、位置A21のAsnは、Ala、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Met、Ser、Thr、Trp、TyrまたはVal、特にGly、Ala、SerまたはThr、そして特にGlyへと修飾されてよい。さらに、位置B3のAsnはLysまたはAspに修飾されてよい。インスリンアナログの更なる例は、desB30ヒトインスリン;desB30ヒトインスリンアナログ;PheB1が欠失しているインスリンアナログ;A鎖および/またはB鎖がN末端伸展を有するインスリンアナログおよびA鎖および/またはB鎖がC末端伸展を有するインスリンアナログである。このように、一つか二つのArgは、位置B1もしくは位置B30に拭かされてよい。
ある態様では、インスリンアナログは、天然ペプチドと比較して6つ未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。別の態様では、アナログは、天然ペプチドと比較して5つ未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。別の態様では、アナログは、天然ペプチドと比較して4つ未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。別の態様では、アナログは、天然ペプチドと比較して3つ未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。別の態様では、アナログは、天然ペプチドと比較して2つ未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。別の態様では、アナログは、天然ペプチドと比較して1つのみの修飾(置換、欠失、付加)を含む。
「インスリン類似体」は、ここで用いられる場合、例えばインスリン骨格の一または複数の位置に側鎖が導入されることにより、もしくはインスリン中のアミノ酸残基の基を酸化または還元することにより、もしくは遊離のカルボン酸をエステル基に変換することまたは遊離のアミノ基またはヒドロキシ基をアシル化することにより、化学的に修飾された天然発生型インスリンまたはインスリンアナログを意味する。
「アシル化インスリン」は、ここで用いられる場合、遊離のアミノ基またはヒドロキシ基をアシル化することにより、化学的に修飾された天然発生型インスリン、例えば、ヒトインスリンのそれ、インスリン分子、インスリン誘導体もしくはインスリンアナログを意味する。
「非鈍化」という用語は、ここで用いられる場合、一製剤中に処方される場合に、速効型インスリンとアシル化インスリンの双方が、別々の製剤として速効型インスリンとアシル化インスリンとを投与する場合の作用プロファイルと、同一もしくは実質的に同一の作用プロファイルを有していることを意味する。
「OAD」もしくは「OAD(s)」という用語は、ここで用いられる場合、傾向の抗糖尿病薬もしくは複数の抗糖尿病薬を意味する。OAD(s)の非限定的なリストとしては、スルホニルウレア(SU)、ビアグナイド類、例えば、メルホルミン(Melformin)もしくはチアゾリジンジオン類(TZD)を挙げ得る。
「コード可能なアミノ酸」もしくは「コード可能なアミノ酸残基」という表現は、ヌクレオチドのトリプレット(「コドン」)によりコードされ得るアミノ酸もしくはアミノ酸残基を示すために用いられる。
hGluはホモグルタミン酸である。
α−Aspは、−HNCH(CO−)CH COOHのL体である。
β−Aspは、−HNCH(COOH)CH CO−のL体である。
α−Gluは、−HNCH(CO−)CH CH COOHのL体である。
γ−Gluは、 −HNCH(COOH)CH CH CO−のL体である。
α−hGluは、−HNCH(CO−)CH CH CH COOHのL体である。
δ−hGluは、−HNCH(COOH)CH CH CH CO−のL体である。
β−Alaは、−NH−CH −CH −COOHである。
Sarは、サルコシン(N−メチルグリシン)である。
「側鎖にカルボン酸基を有するアミノ酸残基」という表現は、Asp、GluおよびhGluのようなアミノ酸残基を示す。アミノ酸は、L−もしくはD−の何れの配置も取り得る。何も特記されていなければ、アミノ酸残基はL配置であると解される。
「中性側鎖を有するアミノ酸残基」という表現は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Pro、Ser、Thr、Cys、Met、Tyr、AsnおよびGlnのようなアミノ酸残基を示す。
本発明に係るインスリン誘導体が「生理学的pH値で可溶性である」と記載されている場合は、インスリン誘導体が生理学的pH値で十分に溶解する注射可能なインスリン組成物を調製するのに使用可能であることを意味する。このような好ましい溶解度は、インスリン誘導体単独の固有の特性、またはインスリン誘導体と、ビヒクルに含まれる一または複数の成分との好ましい相互作用の結果の何れかに拠り得る。
「高分子インスリン」もしくは「hmw」という表現は、ヒトインスリン複合体、インスリンアナログ、もしくはインスリン誘導体の分子量が、ヒト血清アルブミンより高いか、インスリンアナログもしくはインスリン誘導体の12量複合体より高いか、または約72kダルトンより高いことを意味する。
「中間分子量インスリン」もしくは「mmw」という表現は、ヒトインスリン複合体、インスリンアナログ、もしくはインスリン誘導体の分子量が、ほぼインスリン6量体から24〜80kダルトンのインスリン12量体までであることを意味する。
「低分子量インスリン」もしくは「lmw」なる表現は、ヒトインスリン、インスリンアナログもしくはインスリン誘導体の分子量が、24kダルトン未満であることを意味する。
「正味荷電」という表現は、分子の全体の荷電を意味する。pH7.4で、ヒトインスリンは、約−3の負の正味荷電を有するか、あるいは、六量体を形成した際には、インスリン単量体当たり、約−2.5の負の正味荷電を有する。
以下の略語が、明細書および実施例で使用される:
hGlu ホモグルタミン酸
Sar: サルコシン(N−メチル−グリシン)
S.c. 皮下
アシルins アシル化インスリン
Ins インスリン
各文献が、出典明示により個々にかつ具体的に援用されるように記載され、その全内容がここに記載されているかと同程度に、ここに引用された、刊行物、特許出願および特許を含む全ての文献は、出典明示によりその全内容がここに援用される(法律により許容される最大範囲)。
全ての表題および副題は、ここでは便宜的に使用され、決して本発明を限定するものと解すべきではない。
ここに提供される任意かつ全ての例、または例示的な言語(例えば「例えば、等」)の使用は、単に本発明をより明らかにすることを意図しており、特に請求項に記載がない限り、本発明の範囲に限定をもたらすものではない。明細書中の如何なる語句も請求項に記載していない要素が本発明の実施に必須であることを示しているものと解すべきではない。
ここでの特許文献の引用および援用は単に便宜上なされているものに過ぎず、そのような特許文献の有効性、特許性、および/または権利行使性についての見解を反映させるものではない。
この発明は、適用される法律に容認される場合、ここに付加される請求項に列挙された主題事項の全ての修正点および等価物を含む。
〔実施例〕
実施例1
A:インスリンアスパルト600μM、3Zn/6インスリン、1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾール、7mMのtrisヒドロキシメチルアミノメタン、10mMのNaCl、pH7.5および8mlの体積:
31mgのインスリンアスパルトを2mlの水に懸濁し、30μLの1NのHClを加えて、溶液を得た。その後、240μLの10mMのZn(AcO) を加え、続いて、3200μLの4%グリセロール、400μLの0.32Mフェノール、800μLのm−クレゾール、560μLの0.1Mtrisヒドロキシメチルアミノメタン、160μLの0.5MのNaClを加え、その後、1NのNaOHによりpHを調整し、最終的に、水で体積を8mlまで調整した。溶液を0.22μmの滅菌フィルターを通して濾過した。
B:LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン1200μM、3Zn/6ins、1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾール、7mMのtrisヒドロキシメチルアミノメタン、10mMのNaCl、pH7.5および7mlの体積:
58mgのLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンを2mlの水に懸濁し、溶解し、続いて、420μLの10mMのZn(AcO) 、2800μLの4%グリセロール、350μLの0.32Mフェノール、700μLのm−クレゾール、490μLの0.1Mtrisヒドロキシメチルアミノメタン、140μLの0.5MのNaClを加え、最終的に1NのNaOHの添加によりpH7.5に調整し、水を加え、7mlを得た。溶液を0.22μmの滅菌フィルターを通して濾過した。
C:インスリンアスパルト600μM、4Zn/6ins、1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾール、7mMのtrisヒドロキシメチルアミノメタン、10mMのNaCl、pH7.5および15mlの体積:
製剤は、製剤Aと同様に調製した。
D:LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン1200μM、4Zn/6ins、1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾール、7mMのtrisヒドロキシメチルアミノメタン、10mMのNaCl、pH7.5および20mlの体積: 製剤は、製剤Bと同様に調製した。
E:インスリンアスパルト600μM、6Zn/6ins、1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾール、7mMのtrisヒドロキシメチルアミノメタン、10mMのNaCl、pH7.5:
製剤は、製剤Cと同様に調製し、最終的に、1ml当たり20μLの10mMのZn(AcO) を加え、pHを7.5に調整した。
F:LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン1200μM、6Zn/6ins、1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾール、7mMのtrisヒドロキシメチルアミノメタン、10mMのNaCl、pH7.5:
製剤は、製剤Dと同様に調製し、最終的に、1ml当たり40μLの10mMのZn(AcO) を加え、pHを7.5に調整した。
G:インスリンアスパルト600μM、8Zn/6ins、1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾール、7mMのtrisヒドロキシメチルアミノメタン、10mMのNaCl、pH7.5:
製剤は、製剤Cと同様に調製し、最終的に、1ml当たり40μLの10mMのZn(AcO) を加え、pHを7.5に調整した。
H:LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン1200μM、8Zn/6ins、1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾール、7mMのtrisヒドロキシメチルアミノメタン、10mMのNaCl、pH7.5:
製剤は、製剤Dと同様に調製し、最終的に、1ml当たり80μLの10mMのZn(AcO) を加え、pHを7.5に調整した。
媒質:1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾール、7mMのtrisヒドロキシメチルアミノメタン、10mMのNaCl、pH7.5。
LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン600μMおよび3、4、6、および8で変化するZn/6アシル−insの製剤を、上記の製剤B、D、F、およびHを同量の媒質で希釈することにより得た。サイズ排除カラムクロマトグラフィーにより、140mMのNaCl、10mMのtrisヒドロキシメチルアミノメタン pH7.4、および0.01%NaN 、37℃および0.25ml/minで溶出したSuperose6HRカラム上での高分子量インスリンの形成能力について、製剤を試験した。高分子量排除限界から開始し、単量体ピークの最後で終わるように、4分毎に、計14フラクションとなるように、フラクションを集めた。インスリンアナログのフラクション濃度を、逆相クロマトグラフィーで定量し、発色性亜鉛キレート剤terpy添加後のpH2.5での偏位で亜鉛濃度をを定量した(図3、4、5および6)。アルブミンより大きなサイズを有するLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンの相対的な量(フラクション[1−8])は、それぞれ、3、4、6、および8Zn/6インスリンについて、67.4、88.9、98.0、および97.9%と測定された。さらに、高分子量フラクションでは、亜鉛濃度は、LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンにより、特に高分子量フラクションにおいて、フォローされた。
3および6で変化する亜鉛/インスリンのインスリンアスパルト600μM(AおよびE)からなる製剤は、単量体として溶出され(フラクション[12−13])、添加した亜鉛の少しの部分しかフォローしなかった、図面1−2を参照のこと。
インスリンアナログおよびアシル化インスリンの混合
インスリン180μMアスパルトおよび420μMのLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンおよび3、6、および8Zn/6インスリンで変化する亜鉛濃度からなる製剤を、上記ストック溶液AからHおよび上記媒質を同様に混合することにより得た。亜鉛/6アシル化インスリンの濃度を計算した例としては、3Zn/6インスリンを有するアスパルト180μM、および3Zn/6アシル−insを有するLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン420μMの混合が、4.3Zn/6アシル化インスリン[(180×3+420×3)/420=4.3Zn/アシル−ins]となることが挙げられる。サイズ排除カラムクロマトグラフィーにより、Superose6HRカラム上での高分子量インスリンの形成能力について、製剤を試験し、インスリンアナログと亜鉛の双方を定量するために、フラクションを同様に集めた。図面8から理解できるように、4.3Zn/6アシル−インスリンの製剤に相当する、3Zn/6インスリンと混合したアナログは、高分子量フラクション[1−8]で、主に、LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン(72.5%のLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン)および亜鉛を示したが、フラクション[9−14]の残りの平均として、インスリンアスパルトおよびLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンの等価量が計測される形で、インスリンアスパルトも示した(図8)。6Zn/6insからなるインスリンアスパルトおよびLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンの残りは、それぞれ図2および図5に示される。アスパルト180μM+LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン420μMに対し、6Zn/6ins(図2および図5)の二つの薬剤を混合し、8.6Zn/6アシル−insに相当するものは、高分子量および低分子量のインスリンアスパルトにおいて、LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンの完全に区別されるフラクションを示した(図10)。インスリンアスパルトおよびLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンの等量を12 Zn/6アシル−insに混合したものも、同様に、区別されるフラクションを示した(図12)。さらに、個々の製剤における8Zn/6insまでの亜鉛の濃度の増加は、LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンについては、図6中に、アスパルト180μM+LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン420μMの混合物につちえは、図11に示されている。
図面から明確であるように、亜鉛の量の増加は、驚くべきことに、製薬学的処方におけるインスリンアスパルトおよびLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンの分離を引き起こし、そのアナログ間の有意な鈍化を示さなかった。
亜鉛の量の増加は、アナログが現実的な鈍化を示さないように、製薬学的処方におけるインスリンアスパルトおよびLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンの分離を引き起こした。
実施例2
2A:フェノールおよびm−クレゾールの前に添加した3Zn/6アシル化インスリン
LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン600μM、3Zn/6インスリン、1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾール、20mMのNaCl、7mMのリン酸塩、pH7.5、1.5μCiの 125 I−Tyr A14 −LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンのトレーサー、および2mlの体積。
1.2mgのLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンを400μLの水に溶解し、3μCiの 125 I−Tyr A14 −LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン トレーサーを加え、続いて、800μLの4%グリセロールを加え、10−15分間減圧遠心処理して、トレーサー溶液に含まれる添加エタノールを除去した。60μLの10mMのZn(AcO) を加え、続いて、2分間隔で100μLの0.32Mフェノール、200μLの0.16Mのm−クレゾール、80μLの0.5MのNaCl、および140μLの0.1Mリン酸ナトリウムを加え、pHをpH7.5mMに調整し、合計の体積を2mlに調整した。溶液は、0.22μmの滅菌フィルターを通じて濾過し、ブタでの皮下注射の後の消失実験に用いられた。製剤例2Aから2Dのクロスオーバー研究でのアッセイ下で記載されるように、T 50% ±SEM(h)は、9.6±0.7hと決定された。
2B:フェノールおよびm−クレゾールの前に添加した3Zn/6アシル化インスリンおよび後に添加した3Zn/6アシル化インスリン
LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン600μM、1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾールの前に添加した3Zn/6アシル化インスリンおよび後に添加した3Zn/6アシル化インスリン、20mMのNaCl、7mMのリン酸塩、pH7.5、1.5μCiヨウ素−I 125 −Tyr A14 −LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン トレーサー、2mlの体積。
2.2mgのLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンを400μLの水に溶解し、3μCiの 125 I−Tyr A14 −LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン トレーサーを加え、続いて、800μLの4%グリセロールを加え、10−15分間減圧遠心処理して、トレーサー溶液に含まれる添加エタノールを除去した。60μLの10mMのZn(AcO) を加え、続いて、2分間隔で100μLの0.32Mフェノール、200μLの0.16Mのm−クレゾール、80μLの0.5MのNaCl、および140μLの0.1Mリン酸ナトリウムを加え、pHをpH7.5mMに調整し、合計の体積を2mlに調整した。溶液は、0.22μmの滅菌フィルターを通じて濾過し、ブタでの皮下注射の後の消失実験に用いられた。製剤例2Aから2Dのクロスオーバー研究でのアッセイ下で記載されるように、T 50% ±SEMは、11.9±1.0hと決定された。
2C:バッファーを含まず、フェノールおよびm−クレゾールの前に添加した3Zn/6アシル化インスリンおよび後に添加した3Zn/6アシル化インスリン
LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン600μM、1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾールの前に添加した3Zn/6アシル化インスリンおよび後に添加した3Zn/6アシル化インスリン、20mMのNaCl、pH7.5、1.5μCiの 125 I−Tyr A14 −LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン トレーサー、および2mlの体積。
8.2mgのLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンを400μLの水に溶解し、3μCiの 125 I−Tyr A14 −LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン トレーサーを加え、続いて、800μLの4%グリセロールを加え、10−15分間減圧遠心処理して、トレーサー溶液に含まれる添加エタノールを除去した。60μLの10mMのZn(AcO) を加え、続いて、2分間隔で100μLの0.32Mフェノール、200μLの0.16Mのm−クレゾール、80μLの0.5MのNaClを加え、pHをpH7.5mMに調整し、合計の体積を2mlに調整した。溶液は、0.22μmの滅菌フィルターを通じて濾過し、ブタでの皮下注射の後の消失実験に用いられた。製剤例2Aから2Dのクロスオーバー研究でのアッセイ下で記載されるように、T 50% ±SEMは、14.4±2.4hと決定された。
2D:バッファーを含まず、フェノールおよびm−クレゾールの後に添加した6Zn/6アシル化インスリン
LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン600μM、1.6%グリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾールの後に加えた6Zn/6アシル化インスリン、20mMのNaCl、7mMのリン酸塩、pH7.5、1.5μCiの 125 I−Tyr A14 −LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン トレーサー、および2mlの体積。
8.2mgのLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンを400μLの水に溶解し、3μCiの 125 I−Tyr A14 −LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンを加え、続いて、800μLの4%グリセロールを加え、10−15分間減圧遠心処理して、トレーサー溶液に含まれる添加エタノールを除去した。100μLの0.32Mフェノールを加え、続いて、2分間隔で、200μLの0.16Mのm−クレゾール、120μLの10mMのZn(AcO) 、80μLの0.5MのNaClを加え、pHをpH7.5mMに調整し、合計の体積を2mlに調整した。溶液は、0.22μmの滅菌フィルターを通じて濾過し、ブタでの皮下注射の後の消失実験に用いられた。製剤例2Aから2Dのクロスオーバー研究でのアッセイ下で記載されるように、T 50% ±SEMは、13.5±1.7hと決定された。
実施例3
LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンの結晶化による単離
LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンは、6molのインスリン当たり2−6molの亜鉛の亜鉛含有量および過剰のフェノール様分子(好ましくは、フェノール)を有するヘキサマー(六量体)として結晶化され得る。沈殿化剤として、イオン性の塩が用いられ、NaClが好ましい。さらに、結晶化は、少量の有機溶媒(エタノール)により促進され得る。
タンパク質溶液の調製(溶液A):
1.5mgの凍結乾燥LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンを、4mlの0.02 mol/l trisヒドロキシメチルアミノメタンバッファー(HClを用いてpH7.0に調整)に懸濁した。
1.8mlのこのLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン溶液に対し、0.010mol/lのZn(OAc) を含有する水溶液を69.5μlと、2mol/lのフェノールを含有するエタノール溶液18μlを添加する。
沈殿化剤溶液の調製(溶液B):
5mlの0.1Mtrisヒドロキシメチルアミノメタン含有溶液(HClを用いてpH7.5に調整)に対し、1.75gNaClおよび1mlのエタノールを加え、終体積を10mlに調整する。
結晶化:
等量(典型的には、500μl)の溶液AおよびBをガラスバイアル中で混合する。室温で12時間経過の後に、再結晶化は完全となり、生じた結晶は、濾過もしくは遠心分離により単離することができる。
実施例4
製剤:
B29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30インスリン(600μMまで)を水に懸濁し、水酸化ナトリウムの添加により溶解し、以下の順で以下のものを添加した:グリセロール1.6%、フェノールおよび16mMのm−クレゾール16mM、酢酸亜鉛0から6Zn/6ins、塩化ナトリウム10mM、リン酸塩7mM、pH7.5、および体積調整のための水。
SEC法:
場合によっては2mMのフェノールを加えた、37℃、pH7.3の等張の10mMのtris緩衝生理食塩水を用いた、20μLの注入体積、0.05ml/minの流量、130minのランタイムでの、Superose6PCカラム(0.32×30cm)上でのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)による分析。青色デキストラン(≫5MDa、K AV 0.0)、Tyroglobulin(チログロブリン)(669kDa、K AV 0.28)、Ferritin(フェリチン)(440kDa、K AV 0.39)、Ovalbumin(オバルブミン)(44.5kDa、K AV 0.56)、Ribonuclease(リボヌクレアーゼ)(13.7kDa、K AV 0.69)という第一基準およびAlbumin(アルブミン)(66kDa、K AV 0.53)、Co(III)インスリン−ヘキサマー(35kDa、K AV 0.61)、および単量体インスリンX2(6kDa、K AV 0.73)という第二基準。青色デキストランの保持時間は、17.9min(t )およびカラムなしでは0.74min(t )であり、かつ、アルブミン(HSA)の保持時間は、約34.1minであった。
AV =(t−t )/(V/f+t −t
t:保持時間(min)
:青色デキストランの保持時間(排除限界)
:カラム無しでの青色デキストランの保持時間(空隙容量)
:総カラム容量(mL)
f:流量(mL/min)
データフォーマット:
AV ピーク1 x.xx
面積ピーク1(%) xxx
AV ピーク2 x.xx
面積ピーク2(%) xxx
AV 面積ピーク1は、アルブミンより大きな自己会合に対応するK AV <0.46に対する合計面積の相対的面積%として、K AV =0からK AV =0.46(32min)で計測される。K AV ピーク1については、約0.56(アルブミンサイズ)の積分値のカットは、アルブミンサイズとインスリンヘキサマーサイズの中間である。
ピークフラクションの特異的検出を用いた、持続型インスリン誘導体および即効型インスリンアスパルトの混合物に対するSEC法:
インスリンアスパルト(3Zn/6ins)および遷延作用型インスリン誘導体の50:50の混和性は、SECからのフラクションを集め、即効型および遷延作用型のインスリンの高分子量フラクション(ピーク1)および低分子量フラクション(ピーク2)における存在をHPLCにより定量化することにより計測する。フラクションカットは、上述した以下の積分値カットである。
溶出液にフェノールの無いSEC法では、ピーク1は、アルブミンより大きな会合形態をを含有し、ピーク2は、インスリンのジヘキサマー、ヘキサマー、ダイマーおよびモノマー携帯を含有する。
溶出液に2mMのフェノールを含むSEC法では、ピーク1は、インスリンのジヘキサマーおよび他のより大きな携帯を含有し、ピーク2は、インスリンのヘキサマー、ダイマーおよびモノマー形態を含有する。
双方のアナログに対してインスリンアスパルトを参照物質として用い、4.5min線形、5minの急な初期状態、7minのランタイム、0.5ml/minの流量、14μLの注入体積および276nmでのUV検出で、A:0.2M硫酸ナトリウム、0.04Mリン酸ナトリウム、10%アセトニトリル、pH7.2およびB:30℃の70%アセトニトリルを用い、19−34%Bの勾配溶出した、ZorbaxEclipseXDB−C182.1×15mm(1.8μm)上でのHPLC逆相クロマトグラフィーによる、インスリン誘導体およびインスリンアスパルトの特異的な検出。
データフォーマット:
インスリン誘導体ピーク1面積(%) xxx
インスリンアスパルトピーク2面積(%) xxx
結果:
Figure 0004808785
Figure 0004808785
Figure 0004808785
Figure 0004808785
結論: 体温で生理食塩水溶出液を用いたSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)は、フェノール性保存料が存在しない場合は、皮下組織への注射の後のインスリン自己会合のモデルとして用いられる。溶出液SECにフェノールを含ませることにより、製薬学的製剤中および注射直後のインスリン自己会合の状態を評価することができる。
B29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30インスリン600μMは、一例として、0から6Zn/6insと段階的に増加する亜鉛濃度で製剤化され、亜鉛濃度が5Zn/6insの際には、SEC法によれば、超高分子量への自己会合が示され、かつ90%より多くがヒトアルブミン以上の自己会合が示された。SEC溶出液にフェノールを含ませると、二つの鋭いピークが、インスリンジヘキサマーサイズおよびインスリンモノマーサイズに観察され、4Zn/6insの際には、95%より多くがジヘキサマーサイズだった。
全ての製剤を、インスリンアスパルト(3Zn/6ins)と、等濃度および等体積で混合し、集めたピークの内容を具体的に解析した。4Zn/6insの際には、B29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30インスリンの95%より多くが、超高分子量で見出され、アスパルトの95%より多くがモノマーサイズで見出された。溶出液にフェノールを含ませると、二つのピークが、インスリンジヘキサマーサイズおよびインスリンモノマーサイズに観察され、4Zn/6insの際には、持続型インスリンの95%より多くが、モノマーおよびヘキサマーサイズの中間のインスリンアスパルトの95%より多くから離れたジヘキサマーサイズだった。
持続型アナログ製剤がモノマー形態の5%未満を含む場合、等モル製剤混合物の非鈍化が観察された。
実施例5.
B29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30インスリンと、インスリンアスパルトとの混和性:ブタにおける正常血糖クランプ研究
製剤
B29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30インスリン(ins.誘導体)(1200μMまで)を水に懸濁し、溶解し、グリセロール1.6%、および16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾールを加えた。亜鉛添加の前に、水酸化ナトリウムによりpHを7.5に調整し、最大1Zn/6insから3Zn/6insまで(ad I)、5.62Zn/6insまで(ad II)、および6Zn/6insまで(III)の少量ずつ酢酸亜鉛を添加した。その後、塩化ナトリウムを10mMまで加え、水酸化ナトリウムによりpHを7.5に調整し、水により体積を調整した。
インスリンアスパルト(600μMまで)を水に懸濁し、pHを約2.5までの塩酸、3Zn/6insまでの酢酸亜鉛、1.6%までのグリセロール、16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾール、10mMまでの塩化ナトリウムを加え、pHを7.5に調整し、および終体積まで水を加えた(IV)。
最終的に、インスリンアスパルト(IV)は、B29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30インスリンと、1:8のモル関係かつ合計の亜鉛濃度が3.38Zn/6ins.誘導体(I)(lowZnmix)および6Zn/6ins.誘導体(II)(highZnmix)となるように混合した。
動物実験
メスのブタ(N=8、中間体重80kg)を研究の18時間前に絶食させた。インスリンアスパルトおよびB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30インスリンの混合の効果を調べるために、それぞれのブタに、lowZnmix(I)もしくhighZnmix(II)もしくは二つのアナログ(IIIおよびIV)の何れかを順不同で与え、同一のブタに別々に投与した。投与量は、0.9nmol/kgのインスリンアスパルトおよび7.2nmol/kgのB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30インスリンであった。ブタは、20%グルコース溶液の注入により、個々の空腹時血糖値における正常血糖を保たせた。血漿グルコース濃度の変化に応じて、グルコース注入速度の調整が実験的に行なわれた。血液試料は、免疫反応性のインスリンの特異的ELISA血漿分析のために、0−24hで集められ、その薬理学的特性は、図13および図14に示される。
結論
二つの混合処方における双方のインスリン構成成分の鈍化の程度を調べた。インスリンアスパルトおよびインスリン454の双方の顕著な鈍化は、混合物中に低亜鉛濃度の場合(3.38Zn/6ins.誘導体)に観察された。しかしながら、亜鉛濃度が6亜鉛/6ins.誘導体まで増加した場合は、薬理学的特性の鈍化は観察されなかった(非鈍化が観察された)。グルコース注入速度は、個々のインスリンアナログの薬理学的特性の合計とよく匹敵した。
実施例6
亜鉛バッファーとしてのクエン酸塩
B29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−GludesB30インスリン(ins.誘導体)(600μMまで)を水に懸濁し、溶解し、グリセロール1.6%、およびフェノール16mMおよびm−クレゾール16mMを加える。pHを水酸化ナトリウムで7.5に調整し、クエン酸塩を、酢酸亜鉛に関してそれぞれ0.6、1.8および6mMの6亜鉛/6インスリン誘導体の三つの製剤に添加した。その後、塩化ナトリウムを10mMまで加え、リン酸ナトリウム(pH7.5)を5mMまで加え、続いてpHを水酸化ナトリウムで7.5または7.8まで調整し、体積を水で調整する。
2mMフェノールを含む溶出液を用いた実施例4に記載のSEC法により、5℃保存と比較して、37℃2週間保存後で、製剤について研究した。3、5および6Zn/6ins.誘導体でクエン酸塩を有しない対照製剤も含めた。
インスリンアスパルト(3Zn/6ins)と、持続性インスリン誘導体との30:70の混和性を、SECからの分画を集め、HPLCにより即効性および持続性のインスリンを、高分子量画分(ピーク1)および低分子量画分(ピーク2)で定量化することにより測定した。画分カットと定量化は、実施例4に従った。
結果:
Figure 0004808785
Figure 0004808785
Figure 0004808785
結論:
2mMフェノールを含むSEC生理食塩水溶出液を用いると、持続型インスリン誘導体は、主に、ジヘキサマー形態(および、より多く会合した形態)に相当するアルブミンのサイズで会合しており、モノマー形態でのインスリン誘導体の量は、3から5および6Zn/6ins.誘導体へと増加する亜鉛濃度で減少する。6Zn/6ins.誘導体の亜鉛濃度まで1、3もしくは10クエン酸塩当量を添加すると、3Zn/ins.誘導体での対照と比較して、モノマーインスリン誘導体の含有量が減少した。自己会合様式は、37℃で2週間の貯蔵の後も変化しなかった。
クエン酸塩無しで製剤化されたインスリンアスパルト(3Zn/6ins)と、本実施例の上記系に示すように製剤化された持続性インスリン誘導体との30:70の混和性を、5℃および37℃2週間保存後について、表に示す。3つのレベルでのクエン酸塩と6Zn/6insとを含むインスリン誘導体製剤は、37℃2週間保存の後も、インスリンアスパルトと混合可能であることが示され、インスリンアスパルトは、3Zn/6insにおける通常のレベルの亜鉛の高分子量画分に、部分的に含まれた。
実施例7
クエン酸亜鉛を加える。
B29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−GludesB30インスリン(ins.誘導体)(600μMまで)を水に懸濁し、溶解し、グリセロール1.6%、およびフェノール16mMおよびm−クレゾール16mMを加える。pHを水酸化ナトリウムで7.5に調整し、クエン酸亜鉛を0.6mMの亜鉛イオンになるまで添加する。その後、塩化ナトリウムを10mMまで加え、リン酸ナトリウム(pH7.5)を5mMまで加え、続いてpHを7.5まで調整し、体積を水で調整する。
実施例8
界面活性剤添加し、即効性アナログと混合する。
B29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−GludesB30インスリン(ins.誘導体)(600μMまで)を水に懸濁し、溶解し、グリセロール1.6%、および16mMのフェノールおよび16mMのm−クレゾールを加える。pHを水酸化ナトリウムで7.5に調整し、酢酸亜鉛で6亜鉛/6インスリン誘導体にする(任意によって、クエン酸塩としての亜鉛)。その後、塩化ナトリウムを10mMまで加え、界面活性剤、例えばpoloxamer188またはpolysorbate20を約0.002%まで加え、リン酸ナトリウム(pH7.5)を5mMまで加え、続いてpHを7.5まで調整し、体積を水で調整する。インスリンアスパルト(AspB28ヒトインスリン)もしくはインスリンLisPro(LysB28ProB29ヒトインスリン)もしくはインスリングルリシン(LysB3GluB29ヒトインスリン)(全て600μM)を、実施例7または実施例8により製剤化されるB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30インスリンと、約3/7から約7/3のモル比で混合する。
実施例9
表3は、6のインスリン毎に2もしくは6のZn(II)を有する実施例4に記載されるようにして測定されたSECを示す。
表に記述される化合物の調製については、国際公開第2006/082204号および国際公開第2006/082205号を参照のこと。
Figure 0004808785
実施例10
1,16−ヘキサデカン二酸 モノベンジルエステルの調製
ヘキサデカン二酸(20.0g、69.8mmol)、n−オクタンおよびDowex(登録商標)を懸濁させ、過熱還流する。6時間後、追加のギ酸ベンジル(22.0g、162mmol)を加える。加熱を50時間続ける。反応混合液を80℃で濾過する。濾液を20℃まで冷却し、沈殿を濾過により集める。粗生成物(20.2g)をジクロロメタン(220ml)に20℃で4時間懸濁させる。懸濁液を濾過し、濾液を排出させて20−30℃で乾燥させる。結果として生じる固体(13.9g)を2−プロパノール(140ml)から再結晶する。
生成物を濾過により単離し、30−40℃で減圧下、一定重量まで乾燥させる。収量10.2g(39%)の白色物質。
L−2−(15−ベンジルオキシカルボニル−ペンタデカノイルアミノ)−ペンタン二酸 5−ベンジルエステル 1−(2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル)エステルの調製
1,16−ヘキサデカン二酸 モノベンジルエステル(20.0g、53.1mmol)を、35−40℃でアセトンに溶解する。N−ヒドロキシスクシンイミド(6.42g/55.8mmol)を加える。結果として生じる溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(12.1g/58.4mmol)を加える。反応混合液を35℃で3−4時間攪拌する。結果として生じた懸濁液に、トリエチルアミン(7.40ml、53.1mmol)og L−グルタミン酸α−ベンジルエステル(12.6g/53.1mmol)を加える。反応混合液を35−40℃で8−16時間攪拌する。反応混合液を20−25℃まで冷却する。メタンスルホン酸(3.45mlの/53.1mmol)およびDCC(12.1g/53.1mmol)を加える。反応混合液を20−25℃で8−16時間攪拌する。反応混合液を濾過し、濾液を排出させて乾燥させる。残留物を、水(100ml)およびトルエン(200ml)で分画する。トルエン相を水の蒸留により乾燥させた。シリカゲル(20g)を残留物に加える。懸濁液を20−25℃で30分間攪拌し、濾過する。濾液の体積を、減圧下のエバポレーションにより約100−120mlまで減少させた。N−ヘプタン(150ml)を、15−30分間にわたって加える。結果として生じる懸濁液を2時間攪拌する。生成物を濾過により単離し、20−25℃で減圧下、一定重量まで乾燥させる。収量21g(58%)の白色物質。
L−2−(15−カルボキシ−ペンタデカノイルアミノ)−ペンタン二酸 5−(2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル)エステル(PC2414)の調製
L−2−(15−ベンジルオキシカルボニル−ペンタデカノイルアミノ)−ペンタン二酸 5−ベンジルエステル 1−(2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル)エステル(5.0g、7.3mmol)を、トリフルオロ酢酸(95μl)を含むアセトン(95ml)に溶解する。パラジウム炭素、10%(0.50g)を加える。30−35℃で攪拌しながら水素を加える。水素の消費が停止したとき、反応混合液を濾過する。濾液を20℃に冷却し、n−ヘプタン(140ml)を15−30分間にわたって加える。結果として生じる懸濁液を2−3時間で0−5℃に冷却する。生成物を濾過により単離し、20−25℃で減圧下、一定重量まで乾燥させる。収量3g(84%)の白色物質。
生成物は、アセトン−d6を溶媒として用いてプロトンNMR(Bruker600MHz)により分析した。
1DスペクトルからのプロトンNMR帰属(内標準は、δ0.0ppmのTMS)
Figure 0004808785
Figure 0004808785
PC2414を用いたヒトインスリンdesB30の位置B29のリジンのε−アミノ基アシル化
4gのdesB30ヒトインスリンを64gの精製水に懸濁する。1.85mlのトリエチルアミン(TEA)を加えて、desB30ヒトインスリンを溶解させ、pHを11.4−12.0まで上げる。溶液を2−5℃まで冷却する。
448mgのPC2414を、10−15%の硫酸で安定化した3.5gのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に加える。
desB30ヒトインスリン溶液を攪拌し、PC2414溶液を、温度を低く保ちながら20分間にわたって加える。
PC2414の添加後、反応混合液を、Tris−ヒドロキシメチルアミノメタン(20mmol/kg)、酢酸アンモニウム(30mmol/kg)、エタノール42,5%w/w、残部精製水、pH7,5からなる2.5重量の溶液で希釈する。
希釈後、かき混ぜながら、緩やかに1M酢酸を加えることにより、pHを7.5に調整する。
HPLCによる分析により、14,22%の残留desB30ヒトインスリンを有する72,11%のLysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−グルタミル)des(B30)ヒトインスリンの形成が示される。
分析HPLC法:
オクチルジメチルシリル置換シリカを充填された、約100 Åの孔サイズと約3.5μmの粒径を有する150X4.6mm内径のカラムを、40℃で1ml/分の流速で、1:7.8%(w/w)を含むNaOH水溶液でpH5.9に調整された20mMのNaHPO.HOおよび100mmolのNaSOバッファー、および2:42,8%w/wのアセトニトリルを含むアセトニトリル溶媒からなり、25%(w/w)アセトニトリルとなるように調整した混合液を用いて、平衡化する。
LysB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−グルタミル)des(B30)ヒトインスリンは、約20分後にカラムから溶出した。desB30ヒトインスリンは約6分後にカラムから溶出した。
アッセイ(II)
ヒトインスリンに対する本発明のインスリン誘導体の効力
実験日の体重が238-383 gであったSDオスラットを、固定(clamp)実験に用いた。ラットは、制御された環境条件下で、餌に自由に接近でき、固定実験の前一晩(3pmから)絶食した。
〔実験プロトコール〕
外科手術の前に少なくとも1週間の間、動物施設でラットを馴養した。固定実験の前に、約1週間、タイゴン(Tygon)カテーテルをハロタン麻酔下で、頚静脈(注入用)および頚動脈(血液採取用)に挿入し、首部背面で外面化して固定した。術後のラットにストレプトシリン(Streptocilin vet.)(Boehringer Ingelheim; 0.15 ml/rat, i.m.)を与え、回復期間の間、動物ケアユニット(25 ℃)に置いた。鎮痛のために、アノルフィン(Anorphin)(0.06 mg/rat, s.c.)を、麻酔の間投与し、リマディル(Rimadyl)(1.5 mg/kg, s.c.)を、麻酔から完全に回復した後(2-3 h)に投与し、2日間、日に一度投与した。
用いた固定技術は(1)から適用させた。実験日の7 amに、一晩絶食させた(前日の3 pmから)ラットの体重を量り、サンプリングシリンジおよび注入システム(Harvard 22 Basic pumps, Harvard, and Perfectum Hypodermic glass syringe, Aldrich)に接続し、次いで、個々の固定ケージに置き、ここで、実験開始前約45分安静にさせた。ラットは、全実験期間中、それらの通常の土台(beddin)上で自由に動くことができ、飲料水に自由に接近できた。血漿グルコースレベルが10分間隔で測定される基礎期間30分の後、試験されるインスリン誘導体およびヒトインスリン(ラット当たりの一つの投与レベル、投与レベル当たり n = 6〜7)を一定速度で300分、注入(i.v.)した。血漿グルコースレベルは、10分の間隔で終始測定し、20%グルコース水溶液の注入は正常血糖を維持するために、これに従って調節された。再懸濁した赤血球のサンプルは、各ラットからプールし、頚動脈カテーテルを介して約1/2 ml容量で戻された。
各実験日において、試験される個々のインスリン誘導体およびヒトインスリン溶液の溶液サンプルを、固定実験の前および終了時に採取し、該ペプチドの濃度をHPLCで確かめた。ラットインスリンおよびC-ペプチド並びに試験されるインスリン誘導体およびヒトインスリンの血漿濃度を、実験の前および終了時の関連する時点で測定した。ラットは、ペントバルビタールを過剰投与して実験終了時に殺した。
アッセイ(III)
ブタにおける、本発明のインスリン誘導体のT50%の測定
50%は、外部γ−カウンターで測定したとき、試験されるインスリンのA14Tyr[125I]標識化誘導体の注入量の50%が注入部位から消失する時間である。
実験動物ケアの原則に従い、薬物動態学的研究および薬力学的研究のために、特異的病原体の無いLYYD、非糖尿病メスブタ、Danish Landrace、YorkshireおよびDurocの交雑育種を用いた(Holmenlund、Haarloev、Denmark)。ブタには意識があり、4−5月齢で体重70−95kgであった。動物は実験の前に、一晩18時間絶食させた。
125Iを有するTyrA14で標識したインスリン誘導体の処方された製剤を、前述のようにブタに皮下注射した(Ribel, U., Jorgensen, K, Brange, J, and Henriksen, U. The pig as a model for subcutaneous insulin absorption in man. Serrano-Rios, M and Lefebvre, P. J. 891-896. 1985. Amsterdam; New York; Oxford, Elsevier Science Publishers. 1985 (Conference Proceeding))。
実験の開始において、60nmolの投与量の本発明に係るインスリン誘導体(試験化合物)と、60nmolの投与量インスリンデテミル(detemir)(何れもTyrA14125I標識されている)を、それぞれのブタの首の二つの異なる位置で注射した。
皮下注射の部位からの放射性標識の消失は、従来の外部ガンマ計測法(Ribel, U. Subcutaneous absorption of insulin analogues. Berger, M. and Gries, F. A. 70-77 (1993). Stuttgart; New York, Georg Thime Verlag (Conference Proceeding))の改変を用いてモニターした。この改変法により、コードレスの携帯型デバイスを用いて、数日間、皮下貯蔵物からの放射能活性の消失を連続的に測定することができる(Scancys Laboratorieteknik, Varlose, DK-3500, Denmark)。測定は、1分間隔で行い、計測値はバックグラウンド活性で補正した。
全ての図は、LysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリンおよび/またはインスリンアスパルトの製剤の、37℃で生理食塩水により溶出されたSuperose6HRでのサイズ排除クロマトグラフィーの結果を上図に、高分子量画分から低分子量画分またはインスリンモノマー画分までをカバーするそれぞれ14画分の内容を下図に示したものである。
図中、以下の略語が用いられる:
アスパルト: インスリンアスパルト
Zn/6Ins: 6分子のインスリン当たりの亜鉛原子
Zn/アシル−ins: 6分子のアシル化インスリン当たりの亜鉛原子
アシル−ins アシル化インスリン
6分子のインスリンアスパルト毎に3の亜鉛原子を有するインスリンアスパルト600μM 6分子のインスリンアスパルト毎に6の亜鉛原子を有するインスリンアスパルト600μM 6分子のアシル化インスリン毎に3の亜鉛原子を有するLysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン600μM 6分子のアシル化インスリン毎に4の亜鉛原子を有するLysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン600μM 6分子のアシル化インスリン毎に6の亜鉛原子を有するLysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン600μM 6分子のアシル化インスリン毎に8の亜鉛原子を有するLysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン600μM 6分子のアシル化インスリン毎に3,6の亜鉛原子の総亜鉛含有量を有するインスリンアスパルト180μMとLysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン840μMとの混合物 6分子のアシル化インスリン毎に4.3の亜鉛原子の総亜鉛含有量を有するインスリンアスパルト180μMとLysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン420μMとの混合物 6分子のアシル化インスリン毎に4.5の亜鉛原子の総亜鉛含有量を有するインスリンアスパルト300μMとLysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン600μMとの混合物 6分子のアシル化インスリン毎に8.6の亜鉛原子の総亜鉛含有量を有するインスリンアスパルト180μMとLysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン420μMとの混合物 6分子のアシル化インスリン毎に11.4の亜鉛原子の総亜鉛含有量を有するインスリンアスパルト180μMとLysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン420μMとの混合物 6分子のアシル化インスリン毎に12の亜鉛原子の総亜鉛含有量を有するインスリンアスパルト300μMとLysB29ε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30ヒトインスリン300μMとの混合物 別々に提供されたインスリンアスパルト(IV、破線、N=8)、およびB29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Gluインスリンと混合して提供されたインスリンアスパルトの低亜鉛濃度(I、3.38Zn/6ins誘導体、実線、N=8)および高亜鉛濃度(II、6Zn/6ins誘導体、点線、N=7)の血漿特性 別々に提供された29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30インスリン(III、破線、N=8)、およびインスリンアスパルトと混合して提供された29Nε−ヘキサデカンジオイル−γ−Glu desB30インスリンの低亜鉛濃度(I、3.38Zn/6ins誘導体、実線、N=8)および高亜鉛濃度(II、6Zn/6ins誘導体、点線、N=7)の血漿特性

Claims (14)

  1. アシル化インスリン、即効型インスリン、および6分子のアシル化インスリン毎に6以上最大12の亜鉛原子を含む、治療の必要がある患者における糖尿病の治療のための可溶性製薬学的組成物であって、
    該アシル化インスリンは、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と結合している側鎖であって、一般式:
    −W−X−Y−Z
    [上式中、
    Wは、
    α−Asp、β−Asp、α−Glu、γ−Glu、α−hGluおよびδ−hGluからなる群から選択される側鎖中にカルボン酸基を有するα−アミノ酸残基であって、そのカルボン酸基のうちの一つと共に、親のインスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基またはB鎖のN末端のアミノ酸残基のα−アミノ基と一緒になってアミド基を形成するα−アミノ酸残基であり;
    Xは、
    ・−O−;
    であり;
    Yは、
    ・mが6から32の範囲の整数である−(CH−;
    であり;かつ、
    は、
    ・−COOH;
    である]
    の側鎖を有するインスリン分子を含んでなる、製薬学的組成物。
  2. 親インスリンがdesB30ヒトインスリンアナログである請求項1に記載の製薬学的組成物。
  3. 即効型インスリンがAspB28ヒトインスリン、LysB3GluB29ヒトインスリンおよび/またはLysB28ProB29ヒトインスリンである請求項1または2に記載の製薬学的組成物。
  4. アシル化インスリン、即効型インスリン、および亜鉛原子を含み、6分子のアシル化インスリン毎に6以上最大12の亜鉛原子が添加された、治療の必要がある患者における糖尿病の治療のための製薬学的組成物を製造するための方法であって、
    該アシル化インスリンは、親インスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基と結合している側鎖であって、一般式:
    −W−X−Y−Z
    [上式中、
    Wは、
    α−Asp、β−Asp、α−Glu、γ−Glu、α−hGluおよびδ−hGluからなる群から選択される側鎖中にカルボン酸基を有するα−アミノ酸残基であって、そのカルボン酸基のうちの一つと共に、親のインスリンのB鎖中に存在するLys残基のε−アミノ基またはB鎖のN末端のアミノ酸残基のα−アミノ基と一緒になってアミド基を形成するα−アミノ酸残基であり;
    Xは、
    ・−O−;
    であり;
    Yは、
    ・mが6から32の範囲の整数である−(CH−;
    であり;
    は、
    ・−COOH;
    である]
    の側鎖を有し;
    該方法は、
    i) 水相を提供し、
    ii) 該アシル化インスリンを添加し、
    iii) アシル化インスリン6分子当たり6以上最大12の亜鉛原子を添加し、
    iv) 任意でさらに賦形剤を添加する
    工程を含む方法。
  5. 保存料の添加後に、亜鉛を組成物に添加する、請求項4に記載の方法。
  6. 保存料の添加前に亜鉛の一部を添加し、保存料の添加後に亜鉛の一部を添加する、請求項4または5に記載の方法。
  7. 保存料がフェノールおよび/またはm−クレゾールである、請求項5または6に記載の方法。
  8. 界面活性剤を製薬学的組成物と混合する、請求項4−7の何れか一項に記載の方法。
  9. 親インスリンがdesB30ヒトインスリンアナログである請求項4−8の何れか一項に記載の方法。
  10. 即効型インスリンがAspB28ヒトインスリン、LysB3GluB29ヒトインスリンおよび/またはLysB28ProB29ヒトインスリンである請求項4−9の何れか一項に記載の方法。
  11. 糖尿病の治療のための医薬の製造のための、請求項1−3の何れか一項に記載の組成物の使用。
  12. 請求項1−3の何れか一項に記載の製薬学的組成物の治療的有効量を製薬学的に許容される担体と共に含む、治療の必要がある患者における糖尿病の治療のための製薬学的組成物。
  13. 請求項1−3の何れか一項に記載の製薬学的組成物の治療的有効量を製薬学的に許容される担体と共に含む、治療の必要がある患者における糖尿病の治療のための医薬。
  14. 1型糖尿病または2型糖尿病の治療において使用するための製薬学的組成物の製造のための、請求項1−3の何れか一項に記載の組成物の使用。
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