JP4806103B2 - 締結部材および締結構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ねじ構造を有する締結部材および締結構造に関する。
従来、ボルトやナットなどのねじ構造を有する締結部材が広く使用されている。実際にボルトをナットに締めこむことを可能にするためには、ボルトの外径および有効径、ナットの内径および有効径について、寸法上の公差を設ける必要がある。その一方で、公差により緩みが生じる可能性がある。従来、この緩みの発生を防止するために種々の工夫がなされている。
特許文献1,2には、ねじ山の圧力側フランク面のフランク角を基準山形のフランク角よりも小さくし、ねじ山の遊び側フランク面のフランク角を基準山形のフランク角よりも大きくしたねじ山を一部に備える雄ねじ構造が開示されている。
特許文献3に開示されている締結部材は、ねじ山の山頂にねじの軸線に垂直方向のスリットを備えると共に、広く形成された谷底を備える。
また、ねじ山の一部に樹脂被膜層を形成することにより緩み止めを行う方法もある。
また、本発明に関連する従来技術として、特許文献4に開示されている緊締ねじがある。
実開昭53−88664号公報 特開平8−177839号公報 特開平11−51033号公報 特開2006−57801号公報
特許文献1の締結部材を雌ねじに螺合すると、雄ねじの圧力側フランク面が雌ねじのフランク面を積極的に押圧するが、雄ねじのねじ山の弾性変形を促す構成を有していないため、雄ねじのねじ山と雌ねじのねじ山との間に大きな摩擦力が得られず、高い緩み止め効果を奏さない。
特許文献2の構成では、雄ねじのねじ山角度を例えば50°とし、雄ねじのフランク面と雌ねじのフランク面との間に隙間部分を発生させて、弾性変形を許容しているが、このような隙間部分ではねじ山が十分に弾性変形することができず、改良の余地がある。
特許文献3の構成では、締結時にねじ山頂部のスリットが設けられるねじ山頂部でフランクが弾性変形してスプリングバックするが、スリットの大きさ(深さ)の程度しかスプリングバックしないため、大きな摩擦力は得られず、十分な緩み止め効果を発揮しない。
また、ねじ山の一部に樹脂被膜層を形成することにより緩み止めを行う方法では、ねじの再使用時に樹脂被膜層を再度形成しなければならず、手間がかかる。さらに、雄ねじと雌ねじを接触させることにより、摩擦力で緩みを止める方法では、摩擦トルク(プリベリングトルク)が発生するためにトルク管理が難しいことに加え、相応の力で締め付けなければならないため作業性が悪い。
また、従来の構成では、座面のへたりにより微少滑り(いわゆる「初期緩み」)が生じる。この初期緩みを放置すると、被締結物が滑りを起こして、ボルトに過度の応力集中が生じ、ボルトが破断するおそれがある。このような初期緩みの発生を防止することは困難であり、増し締めにより対処するしかなかった。
また、雄ねじや雌ねじに溶融亜鉛メッキを施す場合、メッキの厚みで雄ねじと雌ねじが嵌合しなくなるのを防ぐために、雌ねじを通常よりも大きく切る(すなわち、「オーバータップ」させる)必要がある。
通常、オーバータップは、M10ねじの場合、約0.40mm〜約0.80mm設ける。このようなオーバータップを、特許文献1,2の雄ねじ構造に適用すると、雄ねじのフランク面と雌ねじのフランク面との隙間が大きくなり、雄ねじのフランク面と雌ねじのフランク面との摩擦力が大幅に低下したり、摩擦力が得られなくなる。そのため、特許文献1,2の雄ねじ構造に対して、緩み止め効果を維持しつつ溶融亜鉛メッキのような厚みの大きいメッキを施すことは非常に困難である。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、以下の目的の少なくとも一つを有するものである。
(1)高い緩み止め効果を奏する締結部材または締結構造を提供する。
(2)通常のボルトと同じように締付けができることによりトルク管理を容易にし、再使用が容易な締結部材または締結構造を提供する。
(3)締結部材の第1ねじ山にかかる荷重負担を均一にし、応力集中を防ぐことにより、疲労強度を向上させる締結部材または締結構造を提供する。
(4)初期緩みの発生が防止される締結部材または締結構造を提供する。
(5)緩み止め効果を維持しつつ厚みの大きいメッキを施すことが可能な締結部材または締結構造を提供する。
本発明は以上の目的の少なくとも一つを達成するために、以下に示す締結部材を提供する。
すなわち、本発明は、ねじ構造を有し、ねじ山頂側の上部と、ねじ谷底側の下部とを備える締結部材であって、上部に形成された圧力側フランク面が、基準山形の圧力側フランク面よりも座面側に設けられ、前記下部の少なくとも一方の側面が、対応するフランク面の延長線よりも内側に設けられた締結部材とする。
本発明の締結部材は、ねじ山頂側の上部に形成された圧力側フランク面が基準山形の圧力側フランク面よりも座面側に設けられているため、相手側締結部材に締結すると、圧力側フランク面が相手側締結部材により押圧される。
締結部材のねじ山の下部はその側面が対応するフランク面より内側に存在し、下部の側面は内側に抉られた形状となるので、当該押圧によってねじ山の下部が弾性変形して、相手側締結部材の圧力側フランク面に対する反力(スプリングバック)がねじ山全体に生じる。
これにより、締結部材の圧力側フランク面と相手側締結部材の圧力側フランク面との摩擦力が増加して、高い緩み止め効果を発揮する。
また、締結部材の圧力側フランク面が相手側締結部材により押圧されて、ねじ山の下部が弾性変形するため、ねじ山全体が相手側締結部材に沿って起き上がってくることとなる。
これにより、オーバータップが設けられていても、締結部材の圧力側フランク面と相手側締結部材の圧力側フランク面とが必ず接触するため、締結部材と相手側締結部材との隙間の大きさに関係なく、ねじ山に相手側締結部材に対する反力(スプリングバック)が生じて、緩み止めの効力を発揮する。
従って、本発明の締結部材の相手側締結部材にオーバータップを設けても緩み止め効果が低下せず、本発明の締結部材に対して緩み止め効果を維持しつつ厚みの大きいメッキを施すことができる。
さらに、本発明の締結部材は、ねじ山の反力(スプリングバック)により、締結部材の座面においても摩擦力が増加する。
これにより、座面のへたりによる初期緩みが防止され、初期緩みに起因する締結部材の破断が防止されて信頼性が向上する。また、初期緩みに対する増し締めを行う必要がないため作業性が向上する。
また、本発明の締結部材を締結状態から非締結状態に戻せば、ねじ山全体が締結前の状態(圧力側フランク面が基準山形の圧力側フランク面よりも座面側に位置する状態)に戻る。
これにより、特別な処理を要することなく、本発明の締結部材を繰り返し使用することができる。
また、本発明の締結部材は締結時にねじ山の下部が弾性変形するため、相手側締結部材に傷を付けにくく、繰り返し使用しても緩み止めの効果が低下しない。
本発明の実施例1のねじ山10を備えたボルト1の非締結状態における正面図。 図1において破線で示す部分Aにおける軸線5を含む断面拡大図。 実施例1のボルト1と、その相手側締結部材であるナット8とを締結した状態におけるねじ山10を示す断面図。 本発明の実施例2のねじ山1aを備えたボルト1の非締結状態における軸線5を含む要部断面図。 本発明の実施例3のねじ山101を備えたボルト100の非締結状態における軸線5を含む要部断面図。 実施例3のボルト100とナット8とを締結した状態におけるねじ山101を示す断面図。 実施例3のボルト100の製造方法を説明するための要部断面図。 図8(A)は、本発明の実施例4のねじ山200を備えたボルト1の非締結状態における軸線5を含む要部断面図。図8(B)は、実施例4のねじ山200における圧力側の側面215の断面拡大図。 本発明の実施例5のねじ山200’を備えたボルト1の非締結状態における軸線5を含む要部断面図。 図10(A)は、本発明の実施例6のねじ山310を備えたボルト300の非締結状態における要部断面図。図10(B)は、実施例6のボルト300とナット8とを締結した状態におけるねじ山310を示す断面図。 図11(A)は、本発明の実施例7のねじ山410を備えたボルト400の非締結状態における要部断面図。図11(B)は、実施例7のボルト400とナット8とを締結した状態におけるねじ山410を示す断面図。 図12(A)は、本発明の実施例8のねじ山510を備えたボルト500の非締結状態における要部断面図。図12(B)は、実施例8のボルト500とナット8とを締結した状態におけるねじ山510を示す断面図。 図13(A)は、実施例9のねじ山610を備えたボルト1の非締結状態における要部断面図。図13(B)は、実施例9のボルト1とナット8とを締結した状態におけるねじ山610を示す断面図。 図14(A)は、実施例10のねじ山710を備えたボルト1の非締結状態における要部断面図。図14(B)は、実施例10のボルト1とナット8とを締結した状態におけるねじ山710を示す断面図。 図15は、試験品(JIS規格品、実施例5、実施例9)のボルトについて締め付けた後に緩むまでの時間を測定した振動試験の試験結果を示す図表。
以下、本発明の各局面について詳細に説明する。
[第1,第6,第7の局面]
第1の局面の締結部材はねじ構造を有し、ねじ山頂側の上部とねじ谷底側の下部とを備える。
本明細書でいう「ねじ構造」とは、円柱状の本体部において、その側面に先端部へ向かって螺旋状に形成されたねじ山とねじ谷を有する構造を指す。
また、「上部」とは、基準山形の有効径を規定する仮想円筒よりもねじ山頂側を指す。「下部」とは、仮想円筒よりもねじ谷底側を指す。「有効径」とは、基準山形における軸線の方向に計ったねじ溝の幅とねじ山の幅とが等しくなるような仮想的な円筒の直径であり、「有効径を規定する仮想円筒」とは前記仮想的な円筒を指す。
ねじ山の上部は、基準山形の有効径を規定する仮想円筒よりもねじ山頂部側の領域であるため、圧力側フランク面が十分確保されている。
これにより、上部に形成された圧力側フランク面において、相手側締結部材との接触面積を確保できる。
第6の局面は、上部のねじ山の角度が基準山形のねじ山の角度と略同一である。第6の局面によれば、締結状態において、ねじ山が弾性変形しても遊び側フランク面が相手側締結部材のフランク面に接さないので、締め込み時に必要以上の力を要せずに高い緩み止め効果を発揮する。
尚、本明細書でいう「基準山形」とは、例えば、JIS規格で規定される理論上のねじ山形状であって、ねじ山の角度が60°かつ両フランク角が30°でフランク面が軸線に垂直対称に設けられるねじ山形状、または、ウィットねじのねじ山形状に準じたねじ山形状であって、ねじ山の角度が55°かつ両フランク角が27.5°であり、フランク面が軸線に垂直対称に設けられるねじ山形状を指す。従って、雄ねじのねじ山の角度は例えば約60°または約55°となる。
第1の局面において、圧力側フランク面は、基準山形の圧力側フランク面よりも座面側に設けられる。
圧力側フランク面の形状は通常平面形状であるが、これに限定されず、座面側に向かって湾曲するR面形状であってもよい。
圧力側フランク面のフランク角は、基準山形のフランク角よりも小さくすることが好ましい。
これにより、締結する際に、締結部材の座面に被締結部材が届くまでは容易に締結部材をねじ込むことができると共に、締め付け始めるとねじ山が徐々に弾性変形し、スプリングバック効果により緩み止め効果を発揮する。
さらに、締結部材を締め込むにつれて、圧力側フランク面と相手側締結部材のフランク面との接触面積が徐々に増すため、ねじ山が弾性変形し易く、スプリングバック効果が確実に得られるため緩みにくくなる。
尚、「フランク角」とは、軸に垂直な線とフランク面とのなす角を指す。
第7の局面は、上部のねじ山の角度が60°であって、圧力側フランク面のフランク角が0°より大きく30°より小さい。
第7の局面によれば、スプリングバック効果が得られやすく、緩み止め効果をさらに高めることができる。
尚、圧力側フランク面のフランク角は、約18°〜約26°とすることが好ましい。
遊び側フランク面のフランク角は、圧力側フランク面のフランク角を考慮して決定できる。例えば、遊び側フランク面のフランク角は基準山形のフランク角よりも大きくすることができ、基準山形のねじ山角度から座面側のフランク角を差し引いたものを遊び側フランク面のフランク角とすることができる。遊び側フランク面のフランク角は、30°より大きく60°未満、好ましくは約34°〜約42°にすればよい。
第1の局面において、下部の少なくとも一方の側面は、対応するフランク面の延長線よりも内側に位置する。
そのため、フランク面の延長線に沿って下部の側面を設けた場合に比べて、下部が肉薄に形成されることになる。これにより、下部における弾性変形が許容され、ねじ山全体を撓ませることができる。
[第2の局面]
第2の局面は、第1の局面において、締結部材の軸線を含む断面にて、下部の少なくとも一方の側面の形状が、対応するフランク面の延長線から内側に向かって湾曲する曲面形状、または、対応するフランク面の延長線から内側に配置された平面形状と当該延長線から内側に向かって湾曲する曲面形状とを組み合わせた形状である。
下部の側面の形状を、対応するフランク面の延長線から内側に向かって湾曲する曲面とした場合、その曲面の形状は、一定の曲率半径を有するR面形状、または、異なる曲率半径を有する複数の曲面を組み合わせた複合R面形状にすればよい。
また、下部の側面の形状を、対応するフランク面の延長線から内側に配置された平面形状と当該延長線から内側に向かって湾曲する曲面形状とを組み合わせた形状とした場合、当該平面形状は締結部材の軸方向に垂直な面とし、当該曲面形状を前記のR面形状または複合R面形状にすればよい。
そして、曲面形状である下部の側面の下縁と、谷底(隣接するねじ山の側面との連結部)とが円滑に連続し、谷部分の全体が曲面形状となることが好ましい。
第2の局面によれば、下部が十分に肉薄となるので、締結状態において下部が弾性変形してねじ山全体が撓むため、締結部材に締結された相手側締結部材への反力(スプリングバック)が増すことから、摩擦力も増大して高い緩み止め効果を奏する。
このとき、ねじ山の下部に曲面形状が形成されているため、ねじ山の下部は塑性変形(もしくはクラックの形成)し難くなる。一般的に、締結部材に強い締結力がかかった場合、その谷底若しくはその近傍に応力が集中しやすく、当該部分において塑性変形(又はクラック形成)が生じやすい。
そこで、第2の局面のように、ねじ山の下部に曲面形状を設けると、応力が分散されるので、下部の降伏を避けつつねじ山がより大きく弾性変形可能となり、その結果、ねじ山の反力(スプリングバック)も大きくなる。換言すれば、下部が塑性変形し難くなるので、ねじ山をより確実に弾性変形させられることとなる。
[第3の局面]
第3の局面は、第1の局面または第2の局面において、遊び側フランク面の下端が、基準山形の有効径を示す仮想円筒よりもねじ山頂部側に位置し、下部における遊び側の側面が遊び側フランク面の延長線よりも内側に設けられると共に、下部における遊び側の側面が遊び側フランク面の下端から連続して形成されている。
尚、「遊び側フランク面の下端から連続して形成されている」とは、ねじ山の上部における遊び側先端(すなわち、遊び側フランク面の下端)から直接、下部における遊び側の側面が形成されていることを指し、遊び側フランク面と遊び側の側面とが、遊び側フランク面の下端で接するように形成されていることをいう。
第3の局面によれば、下部における遊び側の側面の広範囲が抉られて下部が一層肉薄となるため、ねじ山が遊び側に弾性変形し易くなるため、ねじ山が遊び側に撓んで反力(スプリングバック)がより大きくなり、高い緩み止め効果を奏する。
[第4の局面]
第4の局面は、第1の局面または第2の局面において、圧力側フランク面の下端が、遊び側フランク面の下端よりもねじ山頂部側に位置し、圧力側の側面が、圧力側フランク面の延長線よりも内側に設けられると共に、圧力側フランク面の下端から連続して形成され、下部における遊び側の側面が、遊び側フランク面の延長線よりも内側に設けられると共に、遊び側フランク面の下端から連続して形成されている。
第4の局面によれば、下部における圧力側の側面が遊び側の側面よりも広範囲に抉られるため、下部における圧力側の側面が一層薄肉となり、下部における遊び側の側面は圧力側よりも厚肉となる。
このような形状によれば、締結状態においてねじ山は座面側から圧力を受けるが、ねじ山の撓みは小さく抑制される。その結果、ねじ山の圧力側フランク面へ応力が集中し、圧力側フランク面の形成材料が圧力側フランク面に沿って弾性変形して、ここに高い摩擦力が生じるため、高い緩み止め効果を奏する。
[第5の局面]
第5の局面は、第4の局面において、圧力側フランク面の下端が、基準山形の有効径を示す仮想円筒よりもねじ山頂部側に位置し、遊び側フランク面の下端が、仮想円筒よりもねじ谷底側に位置する。
第5の局面によれば、第4の局面の作用・効果をより確実に得られる。
[第8の局面]
第8の局面は、第1の局面または第2の局面において、上部のねじ山の角度が基準山形のねじ山の角度より大きく、圧力側フランク面のフランク角が基準山形のねじ山の圧力側フランク面のフランク角と略同一である。
第8の局面では、締結部材を相手側締結部材に締め込むと、相手側締結部材の圧力側フランク面が締結部材の圧力側フランク面を押圧する。ここで、締結部材の圧力側フランク面のフランク角が基準山形のねじ山の圧力側フランク面のフランク角と略同一であることから、締結部材の圧力側フランク面は相手側締結部材の圧力側フランク面と平行になっている。
そのため、第8の局面によれば、締結部材の圧力側フランク面の略全面が相手側締結部材の圧力側フランク面に押し付けられ、ここに安定した強い押圧力が生じることから、両圧力側フランク面に強い摩擦力が得られ、高い緩み止め効果を奏する。
[第9の局面]
第9の局面は、第1〜第8の局面の締結部材と、その締結部材に締結される相手側締結部材とを備え、締結部材を相手側締結部材に締結したとき、相手側締結部材の圧力側フランク面が締結部材の圧力側フランク面を押圧することにより、締結部材の下部が弾性変形し、締結部材の圧力側フランク面と相手側締結部材の圧力側フランク面との摩擦力が増加する。
第9の局面によれば、締結部材の圧力側フランク面と相手側締結部材の圧力側フランク面との摩擦力が増加することにより、高い緩み止め効果を奏する。
尚、相手側締結部材の種類は特に限定されず、例えば、ユニファイねじ、ウィットねじなど、公知の規格に準じたねじ構造を有するものを採用すればよい。
[第10の局面]
第10の局面は、第9の局面において、締結部材を相手側締結部材に締結したとき、締結部材のねじ山頂部が相手側締結部材のねじ谷底に当接する。
第10の局面によれば、締結部材を相手側締結部材に締め込むと、締結部材の座面に力が加わるまでは少ない抵抗で締め付けることができるが、座面締め付けでトルクが大きくなるにつれて、締結部材の圧力側フランク面が相手側締結部材の圧力側フランクに押圧されることにより、締結部材のねじ山が遊び側に起き上がる。これにより、締結部材のねじ山が圧力側にスプリングバックして、締結部材の圧力側フランク面と相手側締結部材の圧力側フランク面との摩擦力が増加する。
さらに、第10の局面によれば、締結部材のねじ山が遊び側に起き上がることにより、ねじ外径が大きくなり、締結部材のねじ山頂部が相手側締結部材のねじ谷底に当接し、ねじ山頂部がねじ谷底によって拘束される。この拘束力が、締結部材の圧力側フランク面と相手側締結部材の圧力側フランク面との摩擦力に加わることにより、締結部材の半径方向の緩みが防止され、全体として一層高い緩み止め効果を奏する。
第10の局面において、JIS規格やISO規格に準じた相手側締結部材を使用する場合、締結部材のねじ山の外径はJIS規格またはISO規格の外径(すなわち、基準山形のねじ山の外径)よりも大きくなる。従って、締結部材のねじ山頂は基準山形のねじ山のねじ山頂よりも高くなる。また、締結部材のねじ山のピッチは相手側締結部材のねじ谷のピッチと同一であるため、締結部材のねじ山の角度は基準山形のねじ山の角度よりも小さくなる。
ところで、相手側締結部材のねじ谷の谷径を小さくすることで、締結時に締結部材のねじ山頂が相手側締結部材のねじ谷底に当接するようにしてもよい。
[第11の局面]
第11の局面は、第9の局面において、締結部材を相手側締結部材に締結したとき、締結部材の遊び側フランク面が相手側締結部材の遊び側フランク面に当接する。
第11の局面によれば、締結部材を相手側締結部材に締め込むと、締結部材の座面に力が加わるまでは少ない抵抗で締め付けることができるが、座面締め付けでトルクが大きくなるにつれて、ねじ山が起き上がり、締結部材の遊び側フランク面が相手側締結部材の遊び側フランク面に当接して押し付けられ、ここに強い摩擦力が生じて、この摩擦力が圧力側フランク面の摩擦力に加わることにより、全体として一層高い緩み止め効果を奏する。
第11の局面は、締結部材の遊び側フランク面に膨出部を設けることによって実現できる。膨出部を設ければ、締結状態において相手側締結部材の遊び側フランク面との間の摩擦力をより増強できる。
膨出部の形状は、相手側締結部材の遊び側フランク面と平行にする。これにより、膨出部と相手側締結部材の遊び側フランク面との干渉を避けると共に、膨出部が相手側締結部材の遊び側フランク面に押し付けられ、強い摩擦力が得られる。
そして、膨出部は、遊び側フランク面の下端からねじ山頂部へ向かって徐々に膨らむように形成にする。これにより、座面締め付けにより、ねじ山はその遊び側フランク面のねじ山頂部側が相手側締結部材の遊び側フランク面に向かうように起き上がるため、膨出部を相手側締結部材の遊び側フランク面に一層強く押し付けることができる。
[第12の局面]
第12の局面は、第11の局面において、締結部材のねじ山頂部の近傍を、圧力側フランク面に向かって下降傾斜するように切り取った切り取り面が形成されている。
第12の局面によれば、締結部材を相手側締結部材に締め込むと、座面締め付けでトルクが大きくなるにつれて、締結部材の圧力側フランク面が相手側締結部材の圧力側フランク面に押圧される。
このとき、締結部材の圧力側フランク面において、相手側締結部材の圧力側フランク面に最初に当接するのは、ねじ山頂部となる切り取り面の上端近傍ではなく、圧力側フランク面の上端となる。
これにより、締結部材を相手側締結部材に締め付けるにつれて、締結部材の圧力側フランク面が上端側から下端側へ向けて徐々に相手側締結部材の圧力側フランク面に当接して押圧され、締結部材のねじ山が遊び側へ起き上がることにより、締結部材のねじ山頂部が相手側締結部材の遊び側フランク面側へ移動し、締結部材の遊び側フランク面が相手側締結部材の遊び側フランク面に当接することになる。
その結果、締結部材のねじ山は、圧力側フランク面と遊び側フランク面の両方で摩擦力が得られ、さらなる緩み止め効果を奏する。
ところで、本発明の締結部材の製造方法は特に限定されず、平ダイス式、丸ダイス式、プラネタリダイス式、ロータリーダイス式等の転造、切削、鋳造、鍛造、射出成形など公知の方法を採用すればよい。
転造を採用する場合は、一工程でねじ山を形成してもよく、二工程でねじ山を形成してもよい。二工程でねじ山を形成する場合、例えば、基準山形よりも内側となるように下部の側面を付形し、上部形成用凸条部を形成する第1のステップと、上部形成用凸条部を変形して、圧力側フランク面の一部が基準山形の圧力側フランク面よりも座面側に位置するように圧力側フランク面を付形する第2のステップとを設ければよい。
以下、本発明を具体化した各実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。尚、各実施例において、同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、同一内容の箇所については重複説明を省略してある。
また、各実施例を適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組み合わせた実施例の作用・効果を合わせもたせたり、相乗効果を得ることができる。
図1は、実施例1のねじ山10を備えたボルト1の非締結状態における正面図である。
締結部材であるボルト1は雄ねじ構造を有し、頭部2、円筒部3、ねじ部4を備える。頭部2の裏面には座面20が形成されている。ねじ部4には、ねじ山10が形成されている。
図2は、図1において破線で示す部分Aにおける軸線5を含む断面拡大図である。
符号6の破線は基準山形の有効径を規定する仮想円筒を示し、符号7の破線は基準山形を示す。基準山形7はJIS規格に準じた形状であって、ねじ山10の角度θ1は60°、圧力側フランク面73のフランク角および遊び側フランク面74のフランク角はいずれも30°である。符号75,76で示す破線はねじの軸方向に垂直な仮想線を示す。
ねじ山10は、仮想円筒6よりもねじ山頂部10a側の上部11と、仮想円筒6よりも谷底10b,10c側の下部12とを有する。
上部11は、圧力側フランク面13と遊び側フランク面14とを備える。
圧力側フランク面13は、基準山形7の谷底71を通る仮想線13aに沿って形成されており、仮想線13aと仮想線75とのなす角度βは約22°である。
遊び側フランク面14は、基準山形7の谷底72を通る仮想線14aに沿って形成されており、仮想線14aと仮想線76とのなす角度γは約38°である。
仮想線13aと仮想線14aとのなす角度αは約60°である。
ねじ山10において、角度αは上部11のねじ山の角度に、角度βは圧力側フランク面13のフランク角に、角度γは遊び側フランク面14のフランク角にそれぞれ相当する。
ねじ山10のピッチは、基準山形7のねじ山と同一である。
実施例1のねじ山10は、基準山形7の谷底71,72を基点として、基準山形7のねじ山の角度θ1(=α)を維持したまま、基準山形7を座面20側(圧力側)に傾斜させた形状となっている。
別な見方をすれば、基準山形7ではその山頂部は谷底71,72の中央の半径方向外方に位置するが、実施例1のねじ山では基準山形7の谷底71,72を基点として、その山頂部10aが座面20に近い谷部71側へシフトしている。
下部12は、座面側(圧力側)の側面15とねじ先端側(遊び側)の側面16を備える。
側面15は、圧力側フランク面13の延長線に相当する仮想線13aから内側に湾曲して形成されている。側面15は、隣接するねじ山(図示せず)の遊び側の側面と連続したR面形状であって、その底部が谷底10bとなる。
側面16は、遊び側フランク面14の延長線に相当する仮想線14aから内側に湾曲して形成されている。側面16は、隣接するねじ山(図示せず)のねじ先端側の側面と連続したR面形状であって、その底部が谷底10cとなる。
図3は、実施例1のボルト1と、その相手側締結部材であるナット8とを締結した状態におけるねじ山10を示す断面図である。
ナット8はJIS規格に準じた雌ねじ構造を有する相手側締結部材であって、ナット8の谷底80の角度θ2は60°である。
ボルト1をナット8に締め込むと、ナット8の圧力側フランク面81がねじ山10の圧力側フランク面13を押圧する。
下部12の両側面15,16は内側に向かう大きなR面形状であって、下部12は、基準山形7に比して、内側に抉られて肉薄となっている。
これにより、ナット8の圧力側フランク面81による押圧に応じて、ねじ山10全体が弾性変形する。
その結果、図3に示すように、ねじ山10は破線で示した未締結状態から、ねじ山10全体がナット8の圧力側フランク面81に沿って起き上がって、実線で示した締結状態となる。
これにより、ねじ山10がナット8の圧力側フランク面81に対する反力(スプリングバック)が生じて、ねじ山10の圧力側フランク面13とナット8の圧力側フランク面81との間の摩擦力が増加し、高い緩み止め効果を奏する。
また、オーバータップが設けられていても、ねじ山10の圧力側フランク面13とナット8の圧力側フランク面81とが必ず接触するため、圧力側フランク面13,81の隙間の大きさに関係なく、ねじ山10にナット8の圧力側フランク面81に対する反力(スプリングバック)が生じて、緩み止めの効力を発揮する。
従って、ナット8にオーバータップを設けても緩み止め効果が低下しないため、ボルト1やナット8に溶融亜鉛メッキを有効に施すことができる。
ねじ山10の上部11は、基準山形7の有効径を規定する仮想円筒6よりもねじ山頂部10a側の領域であるため、圧力側フランク面13が十分確保されている。
これにより、図3に示すように、締結状態において、ねじ山10の圧力側フランク面13とナット8の圧力側フランク面81との接触面積が確保され、高い摩擦力が得られる。
さらに、ねじ山10の角度αはナット8の谷底80の角度と略同一の60°であるため、ナット8のねじ谷にねじ山10全体が弾性変形するための空間が確保されると共に、締結状態において、ねじ山10の圧力側フランク面13の略全面がナット8の圧力側フランク面81に当接するため、一層高い摩擦力が得られ、高い緩み止め効果を奏する。
図2に示すように、非締結状態では、ねじ山10の圧力側フランク面13のフランク角βは約22°であり、ねじ山10の遊び側フランク面14のフランク角γは約38°である。
これらのフランク角はJIS規格の基準とは異なるが、いずれもボルト1とナット8との隙間の範囲内である。そのため、座面締め付け力が生じるまでは、ボルト1とナット8との間の摩擦トルクが小さく、ストレス無くねじ込みができる。
その後、さらにねじ込みすると、座面締め付け力が生じて、前記のようにねじ山10の弾性変形による高い緩み止め効果を奏する。
このように、実施例1のねじ山10を備えたボルト1は、ナット8へのねじ込みの容易さ及び緩み止めという、相反する作用効果を奏するものである。
また、ボルト1のねじ山10にかかる荷重は、ねじ山10自体が弾性変形するため、ナット8の複数のねじ谷の側面に接する他のねじ山10に分散される。これにより、ナット8と接するボルト1のねじ山10の内、最も座面側に位置するねじ山10(第1ねじ山)への荷重の集中が緩和され、ボルト1の疲労強度が向上する。
さらに、ねじ山10の反力(スプリングバック)により、座面20(図1参照)においても摩擦力が増加する。これにより、座面20のへたりによる初期緩みが防止され、初期緩みに起因するボルト1の破断が防止されて信頼性が向上する。また、初期緩みに対する増し締めを行う必要がないため作業性も向上する。
そして、図3に示す締結状態では、ボルト1のねじ山10の形成材料が弾性変形するが、図2に示す非締結状態に戻せば、ねじ山10の下部12の弾性力により元の状態、すなわち、圧力側フランク面13が基準山形7の圧力側フランク面73よりも座面側に位置した状態に戻る。
これにより、ねじ山10に特別な処理を要することなく、繰り返し使用することができる。また、締結状態において、ねじ山10の下部12が弾性変形するため、ナット8の圧力側フランク面81に傷を付けにくく、繰り返し使用しても緩み止めの効果が低下しない。
尚、実施例1は右ねじのボルト1に適用したものであるが、左ねじのボルトに適用することも可能であり、左ねじに適用した場合でも右ねじに適用した場合と同様の作用・効果が得られる。
図4は、実施例2のねじ山1aを備えたボルト1の非締結状態における軸線5を含む要部断面図である。
ねじ山1aの圧力側フランク面13bの下端13cは、仮想円筒6よりも下側(軸線5側)に位置する。すなわち、圧力側フランク面13bは、上部11から下部12にわたって形成されている。
ねじ山1aにおける下部12の圧力側には、圧力側フランク面13bの下端13cから谷底10bに連続して、仮想線13aよりも内側に湾曲するR面形状の側面15aが形成されている。
すなわち、側面15aは、ねじ山1aにおける下部12にのみ形成されている。
ねじ山1aの遊び側フランク面14bの下端14cは、仮想円筒6よりも上側(ねじ山頂部10a側)に位置する。すなわち、遊び側フランク面14bは、上部11にのみ形成されている。
ねじ山1aにおける上部11から下部12にわたる遊び側には、遊び側フランク面14bの下端14cから谷底10cに連続して、仮想線14aよりも内側に湾曲するR面形状の側面16aが形成されている。
すなわち、側面16aは、ねじ山1aにおける上部11から下部12にわたって形成されている。
このように、実施例2のねじ山1aでは、実施例1のねじ山10に比べて(図2参照)、隣接するねじ山の間の谷底が座面側に位置した形状となっている。
実施例2のねじ山1aによれば、実施例1のねじ山10と同様の作用・効果が得られる。
そして、実施例2のねじ山1aでは、下部12の圧力側の側面15aが、実施例1のねじ山10の側面15よりも小さく抉られている。
これにより、実施例2のねじ山1aの圧力側フランク面13bは、実施例1のねじ山10の圧力側フランク面13に比べて広く形成されていることになる。
その結果、実施例2のねじ山1aを備えるボルトをナットに締結した状態では、ナットのフランク面との接触面積が大きくなって摩擦力が一層増加し、緩み止め効果がさらに向上する。
また、実施例2のねじ山1aでは、下部12の遊び側の側面16aが、実施例1のねじ山10の側面16よりも大きく抉られているため、下部12においてねじ山1aが遊び側に弾性変形することが許容される。
これにより、実施例2のねじ山1aが遊び側に撓んで反力(スプリングバック)がより大きくなり、緩み止め効果がさらに向上する。
尚、実施例2の側面15a,16aの形状は、実施例1の側面15,16と同様に、R面形状の他、複合R面形状や、R面形状と平面形状とを組み合わせた形状とすることができる。
図5は、実施例3のねじ山101を備えたボルト100の非締結状態における軸線5を含む要部断面図である。
実施例3のねじ山101は、仮想円筒6よりもねじ山頂部102側の上部110と、仮想円筒6よりも谷底側の下部120からなる。
上部110は圧力側フランク面130と、遊び側フランク面140を備える。
ねじ山101の角度aは約60°であり、圧力側フランク面130のフランク角bは約22°であり、遊び側フランク面140のフランク角cは約38°である。
ねじ山頂部102は基準山形7の圧力側フランク面73よりも座面側に位置している。圧力側フランク面130の下端131は、圧力側フランク面73の内側に位置している。遊び側フランク面140の下端141は、基準山形7の遊び側フランク面74の外側、すなわち、ねじ先端側に位置している。
ねじ山101の下部120は圧力側において、圧力側フランク面130の下端131からねじ山101の内側に抉られており、下部120の側面150は圧力側フランク面130の延長線130aよりも内側に位置している。
ねじ山101の下部120は遊び側において、遊び側フランク面140の下端141からねじ山101の内側に抉られており、下部120の側面160は遊び側フランク面140の延長線140aよりも内側に位置している。
側面150,160の断面形状は、隣接するねじ山(図示せず)に連続する複合R面形状となっている。
図6は、実施例3のボルト100とナット8とを締結した状態におけるねじ山101を示す断面図である。
ボルト100をナット8に締め込むと、ナット8の圧力側フランク面81がねじ山101の圧力側フランク面130を押圧する。
ねじ山101の下部120は、基準山形7に比して内側に抉られて肉薄となっており、圧力側フランク面81による押圧に応じてねじ山101全体が弾性変形する。
その結果、図6に示すように、ねじ山101は破線で示した未締結状態から、ねじ山101全体がナット8の圧力側フランク面81に沿って起き上がって、実線で示した状態となる。
これにより、実施例3のねじ山101においても、実施例1のねじ山10と同様の反力(スプリングバック)が生じて、高い緩み止め効果を奏する。
尚、ねじ山頂部102および遊び側フランク面140の下端141は基準山形7の外側に位置するが、いずれもボルト100とナット8との隙間の範囲内であるため、若干のひっかかりが生じることがあるが、座面締め付け力が生じるまではボルト100とナット8との間の摩擦トルクが小さく、ストレス無くねじ込みができる。
図7は、実施例3のボルト100の製造方法を説明するための要部断面図である。
ボルト100は、第1ステップと第2ステップの二工程で製造される。
まず、ボルト粗材170の円筒部(図7(a)参照)に対して、転造によりねじ山101の下部120の側面150、160を付形し、上部形成用凸条部180を第1の転造ダイスを用いて形成する(第1ステップ、図7(b)参照)。
上部形成用凸条部180の形状は縦断面において、ボルト100の軸方向(図7では紙面左右方向)に垂直な軸103を対称軸とする左右対称の矩形である。
さらに、縦断面において上部形成用凸条部180の幅w1とねじ山101の幅w2の長さの比は、w1:w2=1:4である。
尚、上部形成用凸条部180の幅wとねじ山710の幅w2の長さの比はこれに限定されるものではなく、例えば、w1:w2=1:2〜6とすることができる。
上部形成用凸条部180は、縦断面において軸103がねじ山101の下部120の中心軸に一致するように下部120の上に形成されている。
次いで、上部形成用凸条部180に対して第2の転造ダイスを用いて上部110を形成する。
第2の転造ダイスは、ねじ山頂部102を基準山形7のねじ山頂部よりも座面側に形成して、ねじ山頂部102に60°の角度を付形すると共に、圧力側フランク面130のフランク角bに約22°の角度を、遊び側フランク面140のフランク角cに約38°の角度を付形する(第2ステップ、図7(c))。
これにより、ねじ山101の圧力側フランク面130の一部(すなわち、ねじ山頂部102の圧力側)が基準山形7の圧力側フランク面73よりも座面側に位置することになる。
このように、二工程を経てボルト100のねじ山101を形成することにより、上部110と下部120とをより高精度に形成することができる。
図8(A)は、実施例4のねじ山200を備えたボルト1の非締結状態における軸線5を含む要部断面図である。
ねじ山200における圧力側フランク面213bは仮想線13aに沿って形成されている。
圧力側フランク面213bの下端213cは、仮想円筒6よりもねじ山頂部10a側に位置する。
ねじ山200における下部12の圧力側の側面215は、圧力側フランク面213bの下端213cから谷底10bにわたって仮想線13aよりも内側に湾曲する形状であって、R面形状と平面形状とを組み合わせた形状となっている。
図8(B)は、実施例4のねじ山200において、下部12の圧力側の側面215の断面拡大図である。
下部12の圧力側の側面215は、平面215aとR面215bとからなる。
平面215aはねじの軸方向に垂直な仮想線75に平行な面であって、下端213cから下部12の高さの2/3の位置(符号215c)まで、谷底10bに向かって形成されている。
R面215bは、曲率半径0.4mmの円周面であって、符号215cで示す位置から平面215aに連続して谷底10bまで形成されている。
実施例4のねじ山200において、遊び側フランク面214bは仮想線14aに沿って形成されている。
遊び側フランク面214bの下端214cは、仮想円筒6よりも軸線5側に位置する。下部12の遊び側の側面216は、圧力側の側面215と同様に、遊び側フランク面214bの下端214cから谷底10cにわたって仮想線14aよりも内側に湾曲する形状であって、R面形状と平面形状とを組み合わせた形状となっている。
実施例4のねじ山200では、圧力側フランク面213bの下端213cは、遊び側フランク面214bの下端214cよりもねじ山頂部10a側に位置することになる。
実施例4のねじ山200を備えたボルト1によれば、下部12の圧力側の側面215が下部12の遊び側の側面216よりも広範囲に抉られ、下部12の圧力側の側面215が一層薄肉となり、遊び側の側面216は圧力側よりも厚肉となる。
これにより、締結状態においてねじ山200全体が遊び側に撓むと共に、圧力側により強くスプリングバックするため、さらに高い緩み止め効果を奏する。
図9は、実施例5のねじ山200’を備えたボルト1の非締結状態における軸線5を含む要部断面図である。
実施例5のねじ山200’では、実施例4のねじ山200に比べて(図8(A)参照)、ねじ山200’における下部12の遊び側には内側に湾曲して抉られた部分が設けられておらず、遊び側フランク面214’が延長して下部12の遊び側の側面216’を形成しており、遊び側フランク面214’と遊び側の側面216’とが面一になっている。
実施例5のねじ山200’において、その他の形状は実施例4のねじ山200と同一である。
実施例5のねじ山200’によれば、締結状態において座面締め付けによりトルクが高くなると、圧力側フランク面213bがナットの圧力側フランク面に押圧されて遊び側へ撓む力が生じるが、ねじ山200’における下部12の遊び側の側面216’が内側に湾曲して抉られておらず平面形状であるため、ねじ山200’が遊び側へ撓むことが抑制される。
このことにより、経年変化によるねじ山200’の弾性変形量の低下を防ぎ、ナットの圧力側フランク面に対する反力(スプリングバック)を保ち続けることが可能となる。
実施例5のねじ山200’における上部11から下部12にわたる圧力側には、圧力側フランク面213bの下端213cから谷底10bに連続して、仮想線13aよりも内側に湾曲するR面形状の側面215が形成されている。
ねじ山200’の圧力側の側面215が内側に湾曲して抉られているため、座面締め付けによりトルクが高くなると、ねじ山200’がナットの圧力側フランク面に押し付けられ、ねじ山200’の上部11の圧力側がナットの圧力側フランク面に沿うように弾性変形して、ここに高い摩擦力が生じることになる。
すなわち、圧力側の側面215の内側に湾曲して抉られた部分により、ねじ山200’は上部11の圧力側の弾性変形が許容されることになる。この弾性変形は、第1ねじ山から第2ねじ山、第3ねじ山へと順に発生し、その結果、ボルトとナットの螺合部分全体で高い緩み止め効果が得られ、第1ねじ山への応力集中が分散されるため疲労強度が向上する。
尚、圧力側フランク面213bの下端213c(圧力側の側面215の上端)は、締結状態においてナットの圧力側フランク面上に位置することが好ましい。
その理由は、締結状態において、ねじ山200’の圧力側フランク面213bとナットの圧力側フランク面との接合面積が確保されて十分な摩擦力が得られると共に、下部12の圧力側の側面215の弾性変形が十分許容されるからである。
また、圧力側の側面215のR面形状の曲率半径を大きくし、圧力側の側面215がさらに大きく湾曲して抉れた形状にすることにより、ねじ山200’の上部11がより弾性変形し易くなるため、ねじ山200’の上部11の圧力側フランク面213bとナットの圧力側フランク面との間に生じる摩擦力を高めることが可能になることから、上記効果を高めることができる。
図10(A)は、実施例6のねじ山310を備えたボルト300の非締結状態における要部断面図である。
実施例6のねじ山310の角度α’は約58°であり、破線で示す実施例1のねじ山10(図2参照)の角度α(=60°)よりも若干小さい。ねじ山310のピッチはJIS規格に準ずる。
そのため、実施例6のねじ山310のねじ山頂部311は、実施例1のねじ山10のねじ山頂部10aよりも高くなり、実施例6のボルト300の外径はJIS規格よりも大きくなっている。
実施例6のねじ山310において、その他の形状は実施例1のねじ山10と同一であり、ねじ山310の下部12における圧力側の側面315および遊び側の側面316は、それぞれのフランク面の延長線に相当する仮想線から内側に湾曲して形成されている。
図10(B)は、実施例6のボルト300とナット8とを締結した状態におけるねじ山310を示す断面図である。
ナット8は、JIS規格やISO規格に準じたナットである。ボルト300をナット8に締め込むと、ボルト300の座面に力が加わるまでは少ない抵抗で締め付けることができるが、座面締め付けでトルクが大きくなるにつれて、圧力側フランク面313がナット8の圧力側フランク面81に押圧されることにより、ねじ山310が遊び側に起き上がる。
これにより、ねじ山310が圧力側にスプリングバックして、ボルト300の圧力側フランク面313とナット8の圧力側フランク面81との摩擦力が増加する。
さらに、ねじ山310が遊び側に起き上がることにより、ねじ外径が大きくなり、ボルト300のねじ山頂部311がナット8の谷底801に当接し、ねじ山頂部311が谷底801によって拘束される。この拘束力が圧力側フランク面313と圧力側フランク面81との摩擦力に加わることにより、ボルト300の半径方向の緩みが防止され、全体として一層高い緩み止め効果を奏することになる。
このとき、座面締め付けのトルクが低い場合や、ボルトが弾性変形の起こりにくい材質からなる場合には、ねじ山310の起き上がりが少なくなり、圧力側フランク面313とナット8の圧力側フランク面81との摩擦力が小さくなることがある。
しかし、実施例6のボルト300によれば、圧力側フランク面313とナット8の圧力側フランク面81との摩擦力に加えて、ボルト300のねじ山頂部311が谷底801によって拘束されてボルト300の半径方向の緩みが防止されるため、十分な緩み止め効果が得られる。
図11(A)は、実施例7のねじ山410を備えたボルト400の非締結状態における要部断面図である。
実施例7のねじ山410は、実施例1のねじ山10における遊び側フランク面14(図2参照)に膨出部414を設けた形状である。
膨出部414の表面414bは、仮想線414’に沿って形成されている。
ねじの軸方向に垂直な仮想線77と仮想線414’との成す角度θ4は約30°であり、圧力側フランク面413の延長線と仮想線414’との成す角度θ3は54°である。
実施例7のねじ山410のねじ山頂部411は、実施例1のねじ山10のねじ山頂部10a(図2参照)と同一の高さとなるように形成されている。
そして、膨出部414は遊び側フランク面の下端414cからねじ山頂部411側へ向かって徐々に膨らむように形成され、ねじ山頂部411と膨出部414の表面414bとは緩やかに連続している。
実施例7のねじ山410において、その他の形状は実施例1のねじ山10と同一であり、ねじ山410の下部12における圧力側の側面415および遊び側の側面416は、それぞれのフランク面の延長線に相当する仮想線から内側に湾曲して形成されている。
図11(B)は、実施例7のボルト400とナット8とを締結した状態におけるねじ山410を示す断面図である。
ボルト400をナット8に締め込むと、座面締め付けでトルクが大きくなるにつれて、ねじ山410が遊び側に起き上がって圧力側にスプリングバックし、圧力側フランク面413とナット8の圧力側フランク面81との摩擦力が増加する。
さらに、ねじ山410が遊び側へ起き上がることにより、ねじ山410の遊び側に設けられた膨出部414がナット8の遊び側フランク面82に近づいて、膨出部414の表面414bがナット8の遊び側フランク面82に押し付けられることになる。
その結果、ねじ山410は、圧力側フランク面413と、膨出部414の表面414bとの両方で摩擦力が得られ、さらなる緩み止め効果を奏する。
さらに、膨出部414の表面414bの角度θ4は約30°であるため、ボルト400の座面に力が加わって座面締め付けによりねじ山410が起き上がるまでは、膨出部414の表面414bはナット8の遊び側フランク面82と平行になっている。
これにより、座面締め付けまでの状態において、膨出部414の表面414bとナット8の遊び側フランク面82との干渉が防止されるため、締め込みが容易となる。
また、膨出部414は遊び側フランク面の下端414cからねじ山頂部411側へ向かって徐々に膨らむように形成されているため、膨出部414をねじ山頂部411側から遊び側フランク面の下端414cへ向かって徐々に膨らむように形成した場合に比べて、座面締め付けによるねじ山410の起き上がりにより、膨出部414がナット8の遊び側フランク面82に一層強く押し付けられることになり、高い摩擦力が生じて、さらなる緩み止め効果を奏する。
図12(A)は、実施例8のねじ山510を備えたボルト500の非締結状態における要部断面図である。
実施例8のねじ山510は、実施例7のねじ山410の膨出部414(図11参照)と同様に、実施例1のねじ山10における遊び側フランク面14(図2参照)に膨出部514を設けた形状である。
但し、実施例8のねじ山510は、実施例7のねじ山410のねじ山頂部411の近傍を圧力側フランク面513に向かって下降傾斜する仮想線511’に沿って切り取った形状になっている。
仮想線511’は、破線で示す実施例1のねじ山10の圧力側フランク面13(図2参照)の中央部近傍を通り、仮想円筒6に平行な仮想線と仮想線511’とのなす角度θ5は45°である。
仮想線511’に沿って形成された切り取り面511は圧力側(ボルト500の座面側)に面した平面であり、切り取り面511の上端511aがねじ山510のねじ山頂部となる。
また、切り取り面511の下端511bは、破線で示す実施例1のねじ山10の圧力側フランク面13の中央部近傍に位置する。
そして、膨出部514は遊び側フランク面の下端514cから切り取り面511の上端511a側へ向かって徐々に膨らむように形成され、切り取り面511の上端511aと膨出部514の表面514bとは緩やかに連続している。
また、ねじ山510の下部12における圧力側の側面515および遊び側の側面516は、それぞれのフランク面の延長線に相当する仮想線から内側に湾曲して形成されている。
図12(B)は、実施例8のボルト500とナット8とを締結した状態におけるねじ山510を示す断面図である。
ボルト500をナット8に締め込むと、座面締め付けでトルクが大きくなるにつれて、圧力側フランク面513がナット8の圧力側フランク面81に押圧される。
このとき、圧力側フランク面513において、ナット8の圧力側フランク面81に最初に当接するのは、ねじ山510のねじ山頂部(切り取り面511の上端511a)近傍ではなく、圧力側フランク面513の上端となる。
これにより、ボルト500をナット8に締め付けるにつれて、圧力側フランク面513が上端側から下端側へ向けて徐々にナット8の圧力側フランク面81に当接して押圧され、ねじ山510が遊び側へ起き上がることにより、ねじ山510のねじ山頂部がナット8の遊び側フランク面82側へ移動し、膨出部514の表面514bがナット8の遊び側フランク面82に当接することになる。
その結果、ねじ山510は、圧力側フランク面513と、膨出部514の表面514bとの両方で摩擦力が得られ、さらなる緩み止め効果を奏する。
図13(A)は、実施例9のねじ山610を備えたボルト1の非締結状態における要部断面図である。
実施例9のねじ山610は、実施例5のねじ山200’(図9参照)と同様に、ねじ山610における下部12の遊び側には内側に湾曲して抉られた部分が設けられておらず、遊び側フランク面214’が延長して下部12の遊び側の側面216’を形成しており、遊び側フランク面214’と遊び側の側面216’とが面一になっている。
そして、実施例9のねじ山610は、実施例5のねじ山200’における圧力側フランク面213bのフランク角を大きくした形状になっている。
図9に示すように、実施例5のねじ山200’の圧力側フランク面213bは、仮想線13aに沿って形成されており、圧力側フランク面213bのフランク角βは、実施例1のねじ山10(図2参照)と同じく、約22°である。
また、ねじ山200’の遊び側フランク面214’は、仮想線14aに沿って形成されており、遊び側フランク面214’のフランク角γは、ねじ山10と同じく、約38°である。
そして、ねじ山200’の上部11のねじ山の角度αは、ねじ山10と同じく、約60°である。
それに対して、実施例9のねじ山610の圧力側フランク面613は、仮想線13aの角度β(=約22°)に角度θ7(=約8°)を加えて成る仮想線613aに沿って形成されており、圧力側フランク面613のフランク角θ8(=β+θ7)は約30°である。
また、ねじ山610の遊び側フランク面214’は、仮想線14aに沿って形成されており、遊び側フランク面214’のフランク角γは、ねじ山10,200’と同じく、約38°である。
そして、ねじ山610の上部11のねじ山の角度α+θ7は約68°である。
このように、実施例9のねじ山610における上部11のねじ山の角度α+θ7(=約68°)は、基準山形7(図2参照)における上部11のねじ山の角度α(=60°)より角度θ7(=約8°)だけ大きい。
そして、ねじ山610の圧力側フランク面613のフランク角θ8(=30°)は、基準山形7のねじ山(図2参照)の角度θ1(=60°)の1/2であり、基準山形7のねじ山の圧力側フランク面73のフランク角と同一である。
尚、各角度β,γ,θ7はそれぞれ実験的に最適値を求めて設定すればよい。また、フランク角θ8は、基準山形7のねじ山の圧力側フランク面73のフランク角と略同一にすればよい。
実施例9のねじ山610の下部12における圧力側の側面615は、実施例4のねじ山200における下部12の圧力側の側面215(図8(B)参照)と同様に、圧力側フランク面613の下端613cから谷底10bにわたって仮想線613aよりも内側に湾曲する形状であって、R面形状と平面形状とを組み合わせた形状となっている。
図13(B)は、実施例9のボルト1とナット8とを締結した状態におけるねじ山610を示す断面図である。
ボルト1をナット8に締め込むと、ナット8の圧力側フランク面81がねじ山610の圧力側フランク面613を押圧する。
ここで、ねじ山610の圧力側フランク面613のフランク角θ8は、基準山形7のねじ山の圧力側フランク面613のフランク角と略同一であることから、圧力側フランク面613はナット8の圧力側フランク面81と平行になっている。
そのため、ねじ山610の圧力側フランク面613の略全面がナット8の圧力側フランク面81に押し付けられ、ここに安定した強い押圧力が生じることから、両圧力側フランク面613,81に強い摩擦力が得られる。
そして、実施例9においても実施例5と同様に、ねじ山610の圧力側の側面615が内側に湾曲して抉られているため、座面締め付けによりトルクが高くなり、ねじ山610の圧力側フランク面613とナット8の圧力側フランク面81との押圧力が大きくなると、ねじ山610の上部11の圧力側が弾性変形して、両圧力側フランク面613,81に強い摩擦力が得られ、より大きな反力(スプリングバック)が発生するため、さらなる緩み止め効果を奏する。
図14(A)は、実施例10のねじ山710を備えたボルト1の非締結状態における要部断面図である。
図14(B)は、実施例10のボルト1とナット8とを締結した状態におけるねじ山710を示す断面図である。
実施例10のねじ山710において、実施例9のねじ山610(図13参照)と異なるのは、下部12における遊び側の側面716が、遊び側フランク面214’の延長線に相当する仮想線14aから内側に湾曲して形成されている点だけである。
そのため、実施例10によれば、下部12における遊び側の側面が仮想線14aから内側に湾曲して形成されている他の実施例における遊び側の側面(実施例1の側面16(図2参照)、実施例2の側面16a(図4参照)、実施例4の側面216(図8参照)、実施例6の側面316(図10参照)、実施例7の側面416(図11参照)、実施例8の側面516(図12参照))に係るものと同様の作用・効果が得られる。
図15は、試験品(JIS規格品、実施例5、実施例9)のボルトについて締め付けた後に緩むまでの時間を測定した振動試験の試験結果を示す図表である。
この振動試験は、2010年1月27日に財団法人 日本品質保証機構 関西試験センターにて実施したものである。
試験品は、M12×60の六角ボルトと六角ナットであり、強度区分4.8T,8.8Tの炭素鋼を材質とし、三価クロメートめっきをかけたものである。
ボルトとナットの締付トルクは70N・mに設定して試験した。
尚、通常の使用時には、強度区分4.8Tの炭素鋼をボルトの材質とする場合の締付トルクは約40〜50N・mであり、強度区分8.8Tの炭素鋼をボルトの材質とする場合の締付トルクは約70〜80N・mである。
試験方法は、試験品(供試体)を高速ねじ弛み試験機に取り付け、所定の振動条件(振動数:1780rpm、加振台ストローク:11mm、インパクトストローク:19mm、振動方向:ボルト軸直角方向)にて試験を実施し、10分間緩まなかった時は戻しトルクを測定した。
尚、試験品を高速ねじ弛み試験機に取り付ける際には、振動バーレルとワッシャとをボルトとナットの間に挟み込んでおき、振動バーレルを加振台により加振させた。
そして、緩みの判定は、試験品のボルト,ナット,ワッシャの合マークがずれ、ワッシャが手で回せるようになったときに緩んだと判定した。
図15に示すように、従来のJIS規格品では、強度区分が大きいほど緩むまでの時間は長くなるものの、強度区分8.8Tでも25秒という短時間で緩んだ。
それに対して、実施例5(図9参照)のボルト1では、強度区分4.8Tでも2分9秒まで緩まず、強度区分8.8Tでは9分58秒まで緩まず、JIS規格品よりもはるかに高い緩み止め効果を奏することがわかる。
そして、実施例9(図13参照)のボルト1では、強度区分4.8Tでも4分4秒まで緩まず、強度区分8.8Tでは10分間緩まず、実施例9の方が実施例5よりも優れていることがわかる。
本発明は、上記実施形態(局面)および上記各実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
そして、上記各実施例は雄ねじ構造を有した締結部材に適用したものであるが、本発明は、雌ねじ構造を有した締結部材に適用することも可能であり、雌ねじ構造に適用した場合でも雄ねじ構造に適用した場合と同様の作用・効果が得られる。
本発明の締結部材または締結構造は、車輌や様々な装置、建築物等における締結部材または締結構造として広く利用することができる。
1,100,300,400,500…ボルト(締結部材)
10,1a,101,200,210’,310,410,510,610,710…ねじ山
10a,102,211’311,411,511…ねじ山頂部
10b,10c…谷底
11,110…上部
12,120…下部
13,13b,130,213,213b,313,413,513,613…圧力側フランク面
14,14b,140,214,214b,214’,314,414b,514b…遊び側フランク面
13a,14a,75,76,130a,511’,613a…仮想線
15,16,15a,16a,150,160,215,216,216’,315,316,415,416,515,516,615,716…側面
414,514…膨出部
511…切り取り面
6…仮想円筒
7…基準山形
73…基準山形7の圧力側フランク面
74…基準山形7の遊び側フランク面
8…ナット(相手側締結部材)
80…ナット8の谷底
81…ナット8の圧力側フランク面
82…ナット8の遊び側フランク面


Claims (16)

  1. ねじ構造を有し、ねじ山頂部側の上部と、ねじ谷底側の下部とを備える締結部材であって、
    前記山頂部及び前記上部に形成された圧力側フランク面が、基準山形の圧力側フランク面よりも座面側に設けられ、
    前記下部の少なくとも一方の側面が、前記上部において対応するフランク面の延長線よりも内側に設けられ、該側面前記対応するフランク面の下端から軸方向に垂直な仮想平面上若しくはそれより外側に、かつ円滑に連続して形成されている締結部材。
  2. 請求項1に記載の締結部材において、
    前記締結部材の軸線を含む断面にて、前記下部の少なくとも一方の側面の形状は、前記対応するフランク面の延長線から内側に向かって湾曲する曲面形状、または、前記対応するフランク面の延長線から内側に配置された平面形状と当該延長線から内側に向かって湾曲する曲面形状とを組み合わせた形状である締結部材。
  3. 請求項1に記載の締結部材において、
    前記締結部材の軸線を含む断面にて、前記下部の少なくとも一方の側面の形状は、前記対応するフランク面の延長線から内側に配置された平面形状と当該延長線から内側に向かって湾曲する曲面形状とを組み合わせた形状であり、前記平面形状は前記締結部材の軸方向に垂直な面とする締結部材。
  4. 請求項1、2又は3に記載の締結部材において、
    遊び側フランク面の下端が、前記基準山形の有効径を示す仮想円筒よりも前記ねじ山頂部側に位置し、
    前記下部における遊び側の側面が前記遊び側フランク面の延長線よりも内側に設けられると共に、前記下部における遊び側の側面が前記遊び側フランク面の下端から連続して形成されている締結部材。
  5. 請求項1、2又は3に記載の締結部材において、
    前記圧力側フランク面の下端が、前記遊び側フランク面の下端よりも前記ねじ山頂部側に位置し、
    前記圧力側の側面が、前記圧力側フランク面の延長線よりも内側に設けられると共に、前記圧力側フランク面の下端から連続して形成され、
    前記下部における遊び側の側面が、前記遊び側フランク面の延長線よりも内側に設けられると共に、前記遊び側フランク面の下端から連続して形成されている締結部材。
  6. 請求項5に記載の締結部材において、
    前記圧力側フランク面の下端が、前記基準山形の有効径を示す仮想円筒よりも前記ねじ山頂部側に位置し、
    前記遊び側フランク面の下端が、前記仮想円筒よりも前記ねじ谷底側に位置する締結部材。
  7. 請求項1、2、3、4、5、又は6に記載の締結部材において、
    前記上部のねじ山の角度が前記基準山形のねじ山の角度と略同一である締結部材。
  8. 請求項1に記載の締結部材において、
    前記上部のねじ山の角度が、前記基準山形のねじ山の角度より大きく、
    前記圧力側フランク面のフランク角が、前記基準山形のフランク角と略同一である締結部材。
  9. 請求項8に記載の締結部材において、
    前記圧力側フランク面の下端が、前記遊び側フランク面の下端よりも前記ねじ山頂部側に位置し、
    前記圧力側の側面が、前記圧力側フランク面の延長線よりも内側に設けられると共に、前記圧力側フランク面の下端から連続して形成され、
    前記下部における遊び側の側面が、前記遊び側フランク面の延長線よりも内側に設けられると共に、前記遊び側フランク面の下端から連続して形成されている締結部材。
  10. 請求項9に記載の締結部材において、
    前記圧力側フランク面の下端が、前記基準山形の有効径を示す仮想円筒よりも前記ねじ山頂部側に位置し、
    前記遊び側フランク面の下端が、前記仮想円筒よりも前記ねじ谷底側に位置する締結部材。
  11. ねじ構造を有し、ねじ山頂部側の上部と、ねじ谷底側の下部とを備える締結部材であって、
    前記ねじ構造の山頂部及び圧力側フランク面は、基準山形の一対の谷底を基点として、前記基準山形の山頂部及び圧力側フランク面より座面側へシフトしており、
    前記ねじ構造の圧力側フランク面は前記基準山形の圧力側フランク面と平行であり、
    前記下部の少なくとも圧力側の側面が、前記上部において対応するフランク面の延長線よりも内側に設けられ、該側面前記対応するフランク面の下端から軸方向に垂直な仮想平面上若しくはそれより外側に、かつ円滑に連続して形成されている締結部材。
  12. 請求項11に記載の締結部材において、
    前記締結部材の軸線を含む断面にて、前記下部の圧力側の側面の形状は、前記対応するフランク面の延長線から内側に配置された平面形状と当該延長線から内側に向かって湾曲する曲面形状とを組み合わせた形状であり、前記平面形状は前記締結部材の軸方向に垂直な面とする締結部材。
  13. 請求項1、2及び請求項8〜12の何れかに記載の締結部材と、
    その締結部材に締結される相手側締結部材とを備え、
    前記締結部材を前記相手側締結部材に締結したとき、前記相手側締結部材の圧力側フランク面が前記締結部材の前記圧力側フランク面を押圧することにより、ねじ山全体が撓むため、前記締結部材の圧力側フランク面と前記相手側締結部材の圧力側フランク面との摩擦力が増加する締結構造。
  14. 請求項13に記載の締結構造において、
    前記締結部材を前記相手側締結部材に締結したとき、前記締結部材のねじ山頂部が前記相手側締結部材のねじ谷底に当接する締結構造。
  15. 請求項13に記載の締結構造において、
    前記締結部材を前記相手側締結部材に締結したとき、前記締結部材の遊び側フランク面が前記相手側締結部材の遊び側フランク面に当接する締結構造。
  16. 請求項13に記載の締結構造において、
    前記締結部材のねじ山頂部の近傍を、圧力側フランク面に向かって下降傾斜するように切り取った切り取り面が形成されている締結構造。
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