JP7397495B2 - 耐疲労・耐緩み防止機能を備えたボルト構造およびボルト構造を適用したネジ締結体 - Google Patents
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しかし、特許文献2に記載の雄ネジは、「耐緩み」には効果があるが、雄ネジのネジ山間の谷底に生起される荷重が引張応力であるため、「耐疲労」には効果がない。
(1)このようなボルトは、一般的に、引張応力を受けるナット端部に位置するボルトのネジ山の付け根部において、ネジ山の弾性変形により大きな引張残留応力が発生するため、締結後の繰返し応力によって疲労破壊が発生する虞がある。
さらに(2)このようなボルトは、完全ネジ山でないネジ山を有する、いわゆる「耐疲労ボルト」(特許第4701253号、特許第4977178号)には、非完全ネジ部近傍においてボルトのネジ山とナットのネジ山の摺接面積が少ないため、適用しても十分な効果を発揮することができない虞がある。
これにより、物の締結に使用するボルトの数を減少し、さらに、ボルトを締結するための孔の加工や、当該孔へのボルトの締結作業の工数を削減しつつ、メンテナンス・フリー等による大幅なコスト低減に寄与することができる。
[表1]は、ボルトの疲労強度が低下する要因とその対策および効果についてまとめたものである。疲労強度が低下する要因としては、(1)ボルトの各ネジ山に生起される荷重が不均一であること、(2)ボルトの各ネジ山間の谷底に引張り応力が集中すること、(3)ボルトの各ネジ山に曲げ応力が集中すること、(4)片当り、の4つを挙げることができる。
従って、ボルトとナットの両者に同一の荷重が生起された場合、谷底の径が小さいボルト側に発生する応力がナットと比較して大きくなるため、破損しやすい。また、一般的に物体が破損する場合、圧縮応力により破損することは少なく、破損するのは引張り応力によるものである。
一方、ボルトとナットのネジ山同士が摺接する個所に加わる力は、ボルトもナットも等しいため、谷の径の円周長が大きいナットの方が単位円周長当たりに受ける力が小さく壊れにくくなる。
更には、本発明に係る耐破壊用ネジ締結体は、第1の態様に記載のボルトに耐疲労ボルトの構造を適用して使用するものである。
また、不完全ネジ部への応力集中がなくなるため、ボルトの雄ネジ部に生起されるネジ山の応力集中係数をほとんど1に等しくできる。その結果、従来のボルトと比較して((1)ボルトの各ネジ山に生起される荷重が不均一であること、(2)ボルトの各ネジ山間の谷底に引張り応力が集中すること、(3)ボルトの各ネジ山に曲げ応力が集中すること、(4)片当り)の減少が期待できる。さらに、雌ネジのネジ山の先端部分を雄ネジのネジ山の根元部分に摺接させることにより、ボルト軸線の方向に反発力が発生し、この力がネジ締結体の緩み防止に効果を発揮する。さらに、ボルトのナットと摺接する端面に圧縮応力を付与せしめるため、その後の繰返し応力に対し壊れにくくなる。
また、耐疲労・耐緩み防止機能を備えたボルト構造は、適切な使用条件のもとで、ほとんど緩むおそれがないため、疲労限の向上分だけボルトには大きな変動荷重を付加させることができる。
一方、設計上ボルトの本数を減らすことができない場合、ボルトの外径を細くすることができ、ボルトの外径を従来の1/√2の寸法に小径化することができる。これによって、穴あけ加工、ボルト締結の作業量の低下、軽量化、さらには、安全・安心およびメンテナンス・フリーのネジ締結体の確保、および繰返し使用が可能であるなどのメリットがある。
ボルトの雄ネジ部のネジ山をその先端方向へ2~10°傾けているために、ネジ山に傾斜角度を有していないナットと螺合させた場合、ナットのネジ山の先端部がボルトのネジ山間に形成された谷底近傍に接触しながら締め付けられる。
その後、さらにナットを締め付けると、ナットのネジ山がボルトの谷底近傍の接触部分を基点としてボルトのネジ山の傾斜角度に近づくように弾性変形し、ボルトのネジ山とナットのネジ山との接触面積が増大する。その結果、ボルトのネジ山全体でナットのネジ山全体と摺接することとなり、摺接時の摩擦力が緩み防止力として機能する。したがって、この時の力は、ボルトの危険断面と呼ばれているナットの端面部では、ボルト頭部方向への力となっているため、危険断面のネジ谷底の応力は、圧縮応力が発生する。このような圧縮応力は、締結時に作用する繰返し荷重に対して、有利に働くため、本発明は、耐緩み性を付与せしめるだけでなく、疲労強度向上においても、有用となることが期待できる。
まず、最初にボルト・ナットにおける疲労破壊の要因及び対策等について、概要を説明する。
ここで、「従来のボルト」及び「従来のナット」とは、従来から一般に使用されているメートルネジ(JIS B 0205)のボルト及びナットを指すものとする。「従来のネジ」も同様とする。
この傾向は、ネジ山数の多寡に関係なく同様の傾向を示しており、例えば、ネジ山数が10の時も同様の傾向を示している。
そうすると、ボルト1のネジ山10b1は左側のフランク11が図3において右側に押圧されているためにネジ山10b1の左側の谷底13には引張応力が生起されて「+」となり、ネジ山10b1の右側の谷底13はその逆の圧縮応力が生起されて「-」となる。
ネジ山10b1とネジ山10b2の間に位置する2番目の谷底13には、-σ12、+σ22、+σ32・・・+σv2、ネジ山10b2とネジ山10b3の間に位置する3番目の谷底13には、-σ13、-σ23、+σ33・・・+σv3の応力が作用する。
以下同様にして、引張応力の「+」と圧縮応力の「-」がキャンセルし合って、ネジ山10biの符号iが大きくなればなるほど、谷底13にかかる応力σmiは小さくなっていく。
次に、従来のボルト・ナットの締結体における疲労破壊の要因について、図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、煩雑さを避けるためにネジ山「10bi、20ni」の符号の表記は、特に必要のない限り省略する。
同様に、ナット2の雌ネジ20のネジ山の角度φnもフランク角φ1とφ2との和である。そして、従来のネジ山の角度φb、φnは、この和の角度(φ1+φ2)であり、いずれも60°である。
以上のように、雄ネジ10と雌ネジ20のそれぞれのフランク角は30°で等しいため、両者は上下対称であり、理論上は、雄ネジ10のフランク11bとナット2の雌ネジ20のフランク22a、及びフランク11aとフランク22bは、全面で摺接する。
すなわち、ボルト1の雄ネジ10のフランク11bの先端部分Xは、力F2=Fcosφ1と力F1=Fsinφの成分を有する力Fで、押圧される。
なお、φ=30°であるから、cosφ=(√3/2)、sinφ=(1/2)となるが、以下では、cosφ、sinφで表記する。
すなわち、フランク22aの根元部分は、フランク11bの先端部分Xから、力f2=fcosφと、力f1=fsinφの成分を有する反作用による力fを受ける。
なお、作用反作用の法則により、力F1と力f1、及び力F2と力f2とはそれぞれ大きさが同じで、力の向きが180°反対である。
しかし、雄ネジ10は、塑性変形でない限り、その形状を維持するために、雄ネジ10の内部では引張力F1に抗する内部応力が発生する。
したがって、摺接個所の先端部分Xにおける雄ネジ10の内部応力σ1は、先端部分Xにおける力Fが加えられる部分の断面積をS1とすると、σ1=F1/S1となる。
そして、摺接する個所である先端部分Xにおけるネジ山の断面積S1は、ネジ山の谷底13における断面積に比べて小さい。したがって、先端部分Xにおける内部応力σ1は、雄ネジ10の谷底13に生起される内部応力σよりも大きくなる。
一方、雄ネジ10の谷底13から先端部分Xまでは長さが長いため、曲げようとする力F2を受けると、雄ネジ10のネジ山の伸張量及び圧縮量も大きくなる。したがって、曲げ応力は大きくなり疲労強度に大きく影響する。
すなわち、フランク11bの直線部分における谷底13側の終端である変曲点をGとし、先端部分Xと変曲点Gとの長さをL1とすると、力F2は、変曲点Gを支点としてフランク11bを時計回りの方向に回転させようとする力である。したがって、フランク11bには、L1×F2からなる力のモーメントが発生する。
したがって、前記4つの要因のいずれか又はその全てについて対策を講じることがボルト1の疲労強度を改善することにつながる。
次に、第1の発明に係るボルト1を使用することで従来のネジ締結体における疲労破壊の要因対策について図面を用いて詳説する。
図6は、ボルト1の断面図である。図6において、実線は、本発明に係るボルトのネジ山を示し、また、二点鎖線は従来のボルトのネジ山の形状を示している。
図7における二点鎖線は、従来のボルト1を示している。従来のボルト1の雄ネジ10のネジ山の角度(フランク角度)は、ネジ山のフランク11a、11bを上方に延長した交点Eとなす角度であり、前述の通り60°である。また、フランク11a、11bのフランク角φ、φは、点Eと雄ネジ10のピッチLpを二等分する点Hを結ぶ垂線Lと、それぞれのフランク11a、11bとがなす角度である。フランク角φ、φは、角度が相等しいため、ネジ山の角度の1/2となり、前述の通り30°である。なお、図中符号Lは、ボルト1の軸線9と直交する。
この傾きの角度θは、雄ネジ10のネジ山のフランク11a、11bを上方に延長した交点Fと雄ネジ10のピッチLpを二等分する点Jとを結ぶ直線を垂線Mと、前述の垂線Lとのなす角度である。
この傾きの角度θを2~10°とした理由について以下に説明する。先述のように、従来のネジ山のフランク角φは60°であり、垂線Lとフランク11aとがなすフランク角φはその半分の30°である。
そうすると、ナット2のフランク角度が60°でありフランク22aと垂線Lとのなす角度が30°であるため、垂線Lと垂線Mとがなす角度θを30°とするとネジ山が入らなくなる。そこで、上限値をその1/3の10°とした。また、当該傾きの角度θを0°にしたのでは従来のボルト1の構造と変わらないため、雌ネジ20のフランク22bの先端部とボルト1のフランク11aの谷底13近傍との接触面積が変わらずに摩擦力を生じにくい。そこで、下限値を2°とした。この数値は図面を描いて幾何学的手法を用いて決定したものであり、この範囲内であれば所期の目的を達成することが可能である。
ボルト1の雄ネジ10のフランク11aの根元部分Yは、本図に示すように、ナット2の雌ネジ20のフランク22bの先端部分と摺接する。そして、フランク11aの根元部分Yには、力Fが作用する。すなわち、ナット2の雌ネジ20のフランク22aは、ボルト1の雄ネジ10のフランク11bを力Fで押圧する。この力Fは、前記フランク11bの垂直方向の成分であるF2=Fcosφと、フランク11bに沿った方向の成分であるF1=Fsinφに分解することができる。
すなわち、ボルト1の雄ネジ10のフランク11bの根元部分Yは、力F2=Fcosφと力F1=Fsinφの成分を有する力Fで押圧される。
すなわち、ナット2の雌ネジ20のフランク22aの先端部分は、ボルト1の雄ネジ10のフランク11bの根元部分Yから、力f2=fcosφと、力f1=fsinφの成分を有する反作用による力fを受ける。
なお、作用反作用の法則により、力F1とf1及び力F2とf2は、それぞれ大きさが同じで、力の向きが180°反対である。
しかし、当該ネジ山が伸張する塑性変形をしない限り、その形状を維持するために、ネジ山の内部では当該引張力F1に対する内部応力が発生する。
したがって、摺接する個所である根元部分Yにおける内部応力σ2は、根元部分Yの断面積をS2とすると、σ2=F1/S2となる。
そして、摺接個所の根元部分Yにおける力F1が加えられる部分のネジ山の断面積S2は、ネジ山の先端部分Xにおける断面積S1と比較してはるかに大きい。したがって、根元部分Yにおける内部応力σ2は、内部応力σ1よりもはるかに小さくなる。
したがって、長さL1が長くなれば雄ネジ10の根元部分Yに加わる力のモーメントの大きさも大きくなり、その結果、雄ネジ10の引張応力及び曲げ応力も大きくなる。
したがって、根元部分Yと変曲点Gとの長さL1における伸張量及び圧縮量は小さく、力のモーメントにより発生する曲げ応力の値は小さくなる。
よって、当該曲げ応力が疲労強度に与える影響は小さい。
そして、締結後は局部的な塑性変形によりボルト1とナット2のフランク11b、22aがフランク22aの塑性変形により全体で摺接する構造となるため摺接面積が拡大して摩擦力が増大し、緩みにくくすることができる。
以上のとおり、第1の発明によれば、ボルトの疲労強度を支配する4つの要因のうち、(2)から(4)の3つの要因について対策を実施することができる。
次に、第2の発明について図面により説明する。
本発明は、第1の発明をさらに上回る特性を備えたものである。すなわち、第2の発明に係る耐疲労・耐緩み防止機能を備えたボルト構造100は、雄ネジ10と雌ネジ20の螺合によるネジ締結体において、図10に示すように、第1の発明に係るボルト1に「耐疲労ボルト」の特性を付加して従来のナット2と螺合させて使用することを特徴とするものである。
したがって、第2の発明は、前記(2)から(4)の要因を対策済みの第1の発明に係るボルト1に各雄ネジ10に生起される荷重分担を均一化する構成を併用する構成であるため、ボルト1の危険断面であるナット2の雌ネジ20の端面において疲労強度を支配する(1)から(4)の4つの要因全てに対し、対策を講じていることになる。すなわち、(1)ボルト1の各雄ネジ10に生起される荷重分担を均一化し、(2)ボルト1の各雄ネジ10間の谷底13に引張り応力が集中することを緩和し、(3)ボルト1の各雄ネジ10に曲げ応力が集中することを緩和し、(4)片当りを減少することができる。
また、耐疲労・耐緩み防止機能を備えたボルト構造100は、適切な使用条件のもとでは、ほとんど緩むおそれがないため、疲労限の向上分だけボルト1には大きな変動荷重を付加させることができる。
また、ボルト1、ナット2の使用本数を減らすことができることは、締結部の重量軽減にもつなげることができる。
このように構成することにより、部分的に片当りが発生していても、締結使用時に軟らかいナット2のネジ山が変形して、片当りを緩和する。
2 ナット
3 ボルト頭部
3a 座面
4 雄ネジ部
4a テーパー部
5 ボルト円筒部
6 不完全ネジ除去部
7 ワッシャ又は/及びバネ座金
8 被締結物
9 軸線
10 雄ネジ
10b 雄ネジのネジ山
11 雄ネジのフランク
13 谷底
20 雌ネジ
20n 雌ネジのネジ山
22 雌ネジのフランク
23 谷底
24 雌ネジ部
100 耐疲労・耐緩み防止機能を備えたボルト構造
θ 傾きの角度
φ、φ1、φ2 フランク角
φb、φn ネジ山の角度
Lp ピッチ
L、M 直線
G 変曲点
Claims (3)
- 耐疲労・緩み防止機能を備えたボルト構造において、
ボルトの軸線の先端側にネジ山を有する雄ネジ部を備え、
雄ネジ部全体の雄ネジのネジ山を軸線の直角断面に対してボルトの先端側に2~10°傾けたことを特徴とするボルト構造。 - ボルト軸線の先端側に形成された雄ネジと、
前記雄ネジのボルト頭部側又はボルト円筒部側のネジ山の頂部の一部が除去され前記ボルト頭部側又は前記ボルト円筒部側に向かって漸次ネジ山外径が縮径したテーパー部と、前記テーパー部の最小径部から前記ボルト頭部側又は前記ボルト円筒部側に向かって緩やかな円弧状に形成された不完全ネジ除去部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のボルト構造。 - 前記請求項2に記載されたボルトと、ナットと、を螺合させて使用するネジ締結体において、ボルトの雄ネジをナットの雌ネジよりも硬い材料で構成したことを特徴とするネジ締結体。
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