JP7411864B1 - ねじ及びこれを用いた締結システム - Google Patents

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JP7411864B1 JP2023003669A JP2023003669A JP7411864B1 JP 7411864 B1 JP7411864 B1 JP 7411864B1 JP 2023003669 A JP2023003669 A JP 2023003669A JP 2023003669 A JP2023003669 A JP 2023003669A JP 7411864 B1 JP7411864 B1 JP 7411864B1
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Abstract

【要約】【課題】ねじの緩み止め機構をねじ自体が備え、ナットを使用しなくとも緩む可能性が極めて小さいねじを提供すること。【解決手段】先端側の第1雄ねじ部11と、前記第1雄ねじ部の軸と同軸に配設させられ、前記第1雄ねじ部のねじ山と同一の形状及び同一のピッチのねじ山を備える第2雄ねじ部12と、前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とを連結する連結ロッド13とを有するねじであって、第2雄ねじ部には連結ロッドが挿入される凹所が設けられ、連結ロッドは第1雄ねじ部の第2雄ねじ部側の端面から突出し、第2雄ねじ部と連結ロッドとは接合手段によって結合している。前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とは、前記軸の周りに所定の角度位相がずれている。これにより、ねじを被締結体にねじ込むだけで、ねじ自体に緩み止め作用が発生する。【選択図】図1

Description

この発明は、ねじ及びこれを用いた締結システムに関する。
ねじの発明は古くはギリシャ時代にまでさかのぼるともいわれており、今日ではねじは
あらゆる用途で大量に使用されている。その多くはボルトやナット、木ねじなどによる締
結用途である。また、ねじは各種の機械の運動や位置決めなどでも欠かせないものとなっ
ている。
広範囲にわたる産業分野で使用されるねじは、物と物とを締結する機能物品として重宝
なものであるが、種々の原因で締結力が低下するねじの緩みという根本的課題を抱えてい
る。このねじの緩み対策として数多くの試みがなされてきた。
ねじは、締結直後が最も締結力が高く、特に繰り返しの振動等によって次第にねじが緩
んでしまうことが問題となっている。
図11に示す緩み止めナット201は、ボルトの先端に螺合させ、ボルトの緩みを防止
するもので、上ナット203と下ナット202の2つの部品から構成されている。凹部2
07に凸部206を嵌め合わせ、ねじ穴204とねじ穴205にボルトが螺入している。
ボルトのねじ軸210の中心軸Oと上ナット203の軸Pとがaだけずれているので、側
面203を締めつけ工具220で回して締め付けると、ねじ穴205が雄ねじのねじ山を
横方向に押圧し、ボルトとナットとが緩みにくくなる。
図12に示すボルトとナットの組み合わせでも、ボルト1本に対して2個のナットを用
いている。両雄ねじ体301には、右ねじ320と左ねじ330とが刻設されている。こ
の両雄ねじ体301に、右回転らせん条383が切られた右雌ねじナット380と左回転
らせん条393が切られた左雌ねじナット390が配設されており、右雌ねじナット38
0と左雌ねじナット390とは密着している。例えば、両雄ねじ体301に対して右雌ね
じナット380が緩んで右方向に移動しようとすると、左雌ねじナット390が立ちふさ
がっているので右雌ねじナット380は緩んで右方向に移動することができない。右雌ね
じナット380が緩む方向に振動が加わったとしても左雌ねじナット390には左回転ら
せん条393が切られているので、左雌ねじナット390は右方向に動くことはない。
図13に示すボルト410は、ボルト自身に緩み止め機能を付与したものである。ボル
ト本体411の軸部413には雄ねじ部414が刻設され、スリット基部489とスリッ
ト幅481のスリット480が形成され、軸孔415と凹部416が形成され、下部には
円錐台形状空間417が空けられている。円錐台形状空間417には拡径部材431が配
され、さらに当りピース421が上方向に押し入れられている。この構造によって、スリ
ット480がある雄ねじ部414が横方向に拡がって雌ねじを押圧することでねじの緩み
を防止しようとしている。
特開2002-195236号公報 国際公開公報WO2009/104767号公報 特開2017-75689号公報
図11及び図13に示す緩み止め機構は、いずれもねじの軸方向に対して横方向の力を
加えて緩みに抵抗するもので、図12に示す緩み止め機構は、軸方向に緩みに対する壁を
作って緩みに抵抗するものである。
ねじの緩みの原因となる外力は、ねじを実際に使用する場面においては、無限のケース
の力が存在し、軸方向や横方向に押圧するのみでは緩みの可能性を極めて低減することは
できない。ねじが緩む現象は、右ねじの場合は左回転の原因となる力を受けることで、左
ねじの場合は右回転の原因となる力を受けることで生じる。無限のケースの外力によって
、ねじが緩む方向に回転力がねじに加わったとしても、その回転を阻止する力をねじ自体
が有しないとねじの緩みの根本的な解決とはならない。
また、図11及び図12に示す緩み止め機構は、ナットによるものであり、ナットを使
用しない場合が好ましい場合もある。例えば、ナットを使用するスペースがない場合や、
できるだけ重量を減らしたい航空機やロケットなどに使用する場合などである。
本発明の目的は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ねじの緩み止め
機構をねじ自体が備え、ナットを使用しなくとも緩む可能性が極めて小さいねじを提供す
ることである。
上記課題を解決するためになされた本発明(1)は、先端側の第1雄ねじ部と、前記第
1雄ねじ部の軸と同軸に配設させられ、前記第1雄ねじ部のねじ山と同一の形状及び同一
のピッチのねじ山を備える第2雄ねじ部と、前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とを連
結する連結ロッドとを有する。前記第2雄ねじ部には前記連結ロッドが挿入される凹所が
設けられ、前記連結ロッドは前記第1雄ねじ部の前記第2雄ねじ部側の端面から突出し、
前記第2雄ねじ部と前記連結ロッドとは接合手段によって結合している。前記第1雄ねじ
部と前記第2雄ねじ部とは、前記軸の周りに所定の角度位相がずれている。
本発明(1)によるねじにおいては、第1雄ねじ部と第2雄ねじ部とは、軸の周りに所
定の角度位相がずれているので、ねじを雌ねじに螺入していくと、第2雄ねじ部を雌ねじ
にねじ込もうとしても位相がずれているので、第2雄ねじ部を雌ねじに螺入することがで
きない。さらに力を加えて螺入すると、締結ロッドが捩じれて、締結ロッドと連結されて
いる第2ねじ部もねじれて、第1ねじ部と位相が一致するようになる。位相が一致すると
、第2ねじ部も雌ねじに螺入することができ、最終締結位置にまでねじをねじ込むことが
できる。
ねじを最終締結位置にまでねじ込んでねじ込む力を加えなくすると、捩じられた締結ロ
ッドは、捩じられた方向と反対方向に戻ろうとする。締結ロッドが反対方向に戻ろうとす
ると、第1ねじ部はねじ込む方向にトルクがかり、第2ねじ部はねじが緩む方向にトルク
がかかり、第1ねじ部と第2ねじ部とは離れる方向に捩じられる。その結果、第1雄ねじ
部のフランクは雌ねじを先端側に押圧し、第2ねじ部のフランクは頭部側に雌ねじを押圧
する。第1雄ねじ部と第2雄ねじ部は連結ロッドに接続されているので、第1雄ねじ部と
第2雄ねじ部とは動きようがなく、どのような外力がかかったとしてもねじが緩む可能性
が極めて小さくなる。詳しくは、図5及び図6で説明する。
また、第2雄ねじ部には連結ロッドが挿入される凹所が設けられ、連結ロッドは第1雄
ねじ部の第2雄ねじ部側の端面から突出し、第2雄ねじ部と連結ロッドとは接合手段によ
って結合しているので、連結ロッドの長さを長くすることが可能であり、連結ロッドがね
じり易くなるので、本発明のねじの使用が簡便になる。
本発明(2)は、先端側の第1雄ねじ部と、前記第1雄ねじ部の軸と同軸に配設させら
れ、前記第1雄ねじ部のねじ山と同一の形状及び同一のピッチのねじ山を備える第2雄ね
じ部と、前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とを連結する連結ロッドとを有する。前記
第1雄ねじ部には前記連結ロッドが挿入される凹所が設けられ、前記連結ロッドは前記第
2雄ねじ部の前記第1雄ねじ部側の端面から突出し、前記第1雄ねじ部と前記連結ロッド
とは接合手段によって結合している。前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とは、前記軸
の周りに所定の角度位相がずれている
本発明(2)では、本発明(1)と同じく、どのような外力がかかったとしてもねじが
緩む可能性が極めて小さくなる。また、連結ロッドの長さを長くすることが可能であり、
連結ロッドがねじり易くなるので、本発明のねじの使用が簡便になる。
本発明(3)は、先端側の第1雄ねじ部と、前記第1雄ねじ部の軸と同軸に配設させら
れ、前記第1雄ねじ部のねじ山と同一の形状及び同一のピッチのねじ山を備える第2雄ね
じ部と、前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とを連結する連結ロッドとを有する。前記
第1雄ねじ部、前記第2雄ねじ部及び前記連結ロッドは別体であり、前記第1雄ねじ部に
は前記連結ロッドが挿入される第1凹所が形成されて第1接合手段で結合させられ、前記
第2雄ねじ部には前記連結ロッドが挿入される第2凹所が形成されて第2接合手段で結合
させられている。前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とは、前記軸の周りに所定の角度
位相がずれている
本発明(4)では、本発明(1)と同じく、どのような外力がかかったとしてもねじが
緩む可能性が極めて小さくなる。また、第1雄ねじ部、第2雄ねじ部及び連結ロッドは別
体であるので、製造するパーツが増えるが、第1凹所と第2凹所を貫通孔とすることで、
製造が簡便になる。
本発明(4)は、前記第1雄ねじ部の前記第2雄ねじ部側端面と、前記第2雄ねじ部の
前記第1雄ねじ部側端面とが接触している本発明(1)のねじである。
本発明(4)では、第1雄ねじ部の第2雄ねじ部側端面と、第2雄ねじ部の第1雄ねじ
部側端面とが接触しているので、第2雄ねじ部を螺入する際に螺入しやすくなる。
本発明(5)は、前記第1雄ねじ部の前記第2雄ねじ部側端面と、前記第2雄ねじ部の
前記第1雄ねじ部側端面とが接触している本発明(2)のねじである。
本発明(5)では、第1雄ねじ部の第2雄ねじ部側端面と、第2雄ねじ部の第1雄ねじ
部側端面とが接触しているので、第2雄ねじ部を螺入する際に螺入しやすくなる。
本発明(6)は、本発明(1)~(5)のいずれか1つのねじと、前記ねじと共に締結
に用いられる雌ねじが刻設されたナットとを有する締結システムであって、前記第1雄ね
じ部の前記第2雄ねじ部側の端面と、前記第2雄ねじ部の前記第1雄ねじ部側の端面とが
、前記雌ねじ内に配されていることを特徴とする締結システム。
本発明(6)では、本発明(1)~(5)のいずれか1つのねじと、前記ねじと共に締
結に用いられる雌ねじが刻設されたナットとを有する締結システムであって、前記第1雄
ねじ部の前記第2雄ねじ部側の端面と、前記第2雄ねじ部の前記第1雄ねじ部側の端面と
が、前記雌ねじ内に配されているので、ナットの締結効果と、ボルトの緩み止め効果が相
乗的に効くので、さらに緩み止め効果が上がる。
本発明によれば、緩み止め機構をねじ自体が備え、ナットを使用しなくとも緩む可能性
が極めて小さいねじを提供することができる。
本発明のねじに係る実施形態1の部分断面図である。 実施形態1のねじを被締結体に螺入する第1段階を示す部分断面図である。 実施形態1のねじを被締結体に螺入する第2段階を示す部分断面図である。 実施形態1のねじを被締結体に螺入する第3段階である最終段階を示す部分断面図である。 実施形態1のねじを被締結体に螺入する第1段階と第3段階の状態の力のかかる状態を示す模式図である。 実施形態1のねじを被締結体に螺入する際の連結ロッドが捩じられる状態と雌ねじと雄ねじの噛み合う状態を示す模式図である。 実施形態1~5のねじを示す断面図である。 実施形態7のねじを被締結体に螺入する第1段階を示す部分断面図である。 実施形態8のねじの斜視図である。 実施形態9のねじ(ボルト)とナットを組み合わせた部分断面図である。 特許文献1に記載の従来技術のボルトとナットの締結状態を示す部分断面図である。 特許文献2に記載の従来技術のボルトとナットの締結状態を示す部分断面図である 特許文献3に記載の従来技術のボルトを示す部分断面図である
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、
本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限す
ることを意図するものではない。
図1は、本発明のねじに係る実施形態1の部分断面図であり、ねじ10は、頭部14、
第2雄ねじ部12、第1雄ねじ部11を備えている。第2雄ねじ部12は、外面にねじ山
12aが刻設され、凹所16(貫通孔)があけられている。第1雄ねじ部11の外面にね
じ山11aが刻設されている。ねじ山12aとねじ山11aとは同形状であり、第1雄ね
じ部11のピッチP11と第2雄ねじ部12のピッチP12も同じである。
凹所16には、第1雄ねじ部11から上方に突出した連結ロッド13が嵌入し、連結ロ
ッド13の上端が頭部14に溶接部15で接続されている。頭部14と第2雄ねじ部12
とは一体なので、連結ロッド13は第1雄ねじ部11と第2雄ねじ部12と一体となって
いる。第1雄ねじ部11の上端と第2雄ねじ部12の下端のねじ形状は不連続となってい
る。これは、第1雄ねじ部11と第2雄ねじ部12とがねじ10の軸の周りに所定の角度
位相がずれているためである。図1では、わかりやすくするためにずれた位相角度を18
0°としている。
図2は、実施形態1のねじ10を被締結体である板1と板2に螺入する第1段階を示し
、板1には貫通孔1aがあけられ、板2には雌ねじ2aが刻設されている。雌ねじ2aに
ねじ10を螺入すると第2雄ねじ部12の下端で、ねじ山12aの位相がずれているので
螺入出来なくなる。
図3は、ねじ10を板2にさらに螺入するための第2段階を示しており、頭部14を捩
じってトルクをかけると連結ロッド13が捩じれ、それに伴って第2雄ねじ部12が捩じ
れて、第2雄ねじ部12のねじ山12aが回転し徐々にずれた位相が小さくなり、図3で
は位相が一致した状態を示している。この状態になると第1雄ねじ部11と第2雄ねじ部
12とは共に雌ねじ2aに螺入されていく。
図4は、ねじ10が板1と板2とを締結した第3段階である最終段階を示しており、必
要なトルクをかけ終わった状態で、頭部14にかけるトルクを無くした状態を示している

図5は、第1段階と第3段階の状態の力のかかる様子を示す模式図であり、図5(1)
は、第1段階で頭部14にトルクを加え始めた状態を示している。第1雄ねじ部11は回
転することができず、連結ロッド13にはトルクT13がかかって捩じられ、第2雄ねじ
部12にはトルクT12がかかって捩じられる。
図5(2)では、締結が完了して頭部14にかけるトルクを無くすると、ねじ10には
捩じられた連結ロッド13と第2雄ねじ部12とが戻ろうとする。連結ロッド13には逆
回転のT13Bのトルクが、第2雄ねじ部12にも逆回転のT12Bのトルクが発生する

連結ロッド13の先端側はトルクT13Bと逆向きのT13Fのトルクが発生し、第1
雄ねじ部11にもT13Fのトルクと同じ向きのトルクT12が発生する。その結果第2
雄ねじ部12には上向きの力F12が発生し、第1雄ねじ部11には下向きの力F11
発生する。連結ロッド13は、図に示すように上下に引っ張られる。
図5(3)は、ねじ10の螺入が完了をしたが、頭部14にトルクがかけられている状
態を示し、図5(4)は、頭部14にかけられたトルクが零となった瞬間の状態を示して
いる。連結ロッド13にかけられた捩じり歪を解消するために連結ロッド13は戻ろうと
するので、図5(2)に示すように第1雄ねじ部11と第2雄ねじ部12が離れようとす
る。その結果第1雄ねじ部11と第2雄ねじ部12との間にはギャップGが発生する。
図5(5)は、図5(4)の点線で囲まれた範囲の拡大図である。第1雄ねじ部11の
フランクは雌ねじ2aを下方向に押圧し、第2雄ねじ部12のフランクは雌ねじ2aを上
方向に押圧する。これらの逆向きの力は、第1雄ねじ部11の回転と、第2雄ねじ部12
の第1雄ねじ部11の回転とは逆の回転から生じるもので、ねじの長い歴史の中で回転に
よって緩みを止めるというメカニズムを有するねじは本発明が初めてである。
図6は、図5で説明した内容をさらに詳しく説明をするもので、従来のねじと本願発明
のねじの違いを示している。図6(1)は、頭部14にまだトルクがかけられていない状
態で、連結ロッド13にも歪は生じていない。先端側がA-B側で、頭部14側がC-D
側である。
図6(2)は、連結ロッド13のC-Dが180°捩じられた状態を示し、ずれたねじ
山の位相差(ねじ山11aとねじ山12aの位相差)が零となった状態で、図6(2)の
捻じれの歪が残っている状態を示している。この歪エネルギーは連結ロッド13に残存し
ている。図6(3)では、頭部14にかけるトルクを零としたときの状態で、連結ロッド
13は、歪を解消するためにDは矢印の方向に向かおうとし、Bも矢印の方向に向かおう
とする。
図6(4)は、従来のねじにねじりトルクをかけ、雌ねじ502aに雄ねじ511aを
右から左に向けて螺入しているところを示している。雄ねじ511aのフランクが雌ねじ
502aの斜面を矢印方向に押圧している。ここで、ねじりトルクをかけるのをやめると
、図6(5)のように雄ねじ502aは反発力でねじが緩む方向(右方向)に移動しよう
とする。
一方、本願発明では、図6(6)に示す右から左に向けて螺入している状態でトルクを
かけるのをやめると、図6(3)に示す連結ロッド13の戻ろうとする力によって、第1
雄ねじ部11のねじ山11aは左方向に動こうとするが、すでに雌ねじ2aと接触してい
るので先端側に螺入する方向に動き、第2雄ねじ部12のねじ山12aは、図6(3)の
右側の矢印方向に回転をし、雌ねじ2aの斜面にぶつかるまで右方向に回転移動する。こ
の状態で、第1雄ねじ部11と第2雄ねじ部12とは連結ロッド13で結合しているので
、ねじを緩めようとする外力が加わってもねじが緩む可能性が極めて小さくなる。
図7は、実施形態1~5のねじを示す断面図である。図7(1)は実施形態1の断面図
で、第1雄ねじ部11と第2雄ねじ部12とは溶接部15によって結合している。また、
第1雄ねじ部11と第2雄ねじ部12の端面は接している。図7(2)は、図7(1)の
変形例で、ねじ20では、溶接部15の代わりに止めピン25によって第1雄ねじ部11
と第2雄ねじ部12とは結合している。
図7(3)は実施形態2のねじ30を示し、図7(1)と類似の形態であるが、第1雄
ねじ部11と第2雄ねじ部12の端面は接しておらず離れている。図7(4)は、図7(
3)の変形で、ねじ40では、溶接部15の代わりに止めピン25によって第1雄ねじ部
51と第2雄ねじ部52とが結合している。
図7(5)は実施形態3を示す断面図である。ねじ50は、頭部54と第2雄ねじ部5
2と第1雄ねじ部51とを備えている。第2雄ねじ部52の外面にはねじ山52aが刻設
され、下端面からは連結ロッド53が下方に突出し、凹所(貫通孔)56に嵌入させられ
、下端が溶接部55で溶接されて、第1雄ねじ部51と結合している。第1雄ねじ部51
の外面にはねじ山51aが刻設されている。図7(6)は図7(5)の変形例のねじ60
で、溶接部55の代わりに止めピン65によって第1雄ねじ部51と第2雄ねじ部52と
は結合している。
図7(7)は実施形態4のねじ70を示し、図7(5)と類似の形態であるが、第1雄
ねじ部51と第2雄ねじ部52の端面は接しておらず離れている。図7(8)は、図7(
7)の変形で、ねじ80では、溶接部55の代わりに止めピン65によって第1雄ねじ部
51と第2雄ねじ部52とが結合している。
図7(9)は実施形態5を示す断面図である。ねじ100の頭部104と第2雄ねじ部
102とは一体で凹所(貫通孔)106があけられ、第2雄ねじ部102の外面にはねじ
山102aが刻設されている。第1雄ねじ部101にも凹所(貫通孔)106’があけら
れ、貫通孔106と貫通孔106’内に連結ロッド103が配設され、溶接部105と溶
接部105’によって、第1雄ねじ部101と第2雄ねじ部102とは連結ロッド103
と結合して一体化している。この実施形態5では、3パーツとはなるが、製造工程を簡略
化できる。連結ロッド103の捩じりの程度を調整するには、連結ロッド103の長さを
調整すればよいので、溶接部105の代わりに止めピンを用いることも好ましい。
図8は、実施形態7のねじ110を被締結体である板3と板4に螺入する第1段階を示
す部分断面図である。ねじ110は、頭部114、第2雄ねじ部112及び第1雄ねじ部
111を有している。板3には貫通孔3aがあけられ、板4には雌ねじ4aが刻設されて
いる。第2雄ねじ部112には貫通孔112bがあけられている。第1雄ねじ部111の
上端面からは連結ロッド113が上方に突出し、連結ロッド113には貫通孔111bが
あけられている。第2雄ねじ部112の外面には雄ねじ112aが刻設され、第1雄ねじ
部111の外面にはねじ山111aが刻設されている。連結ロッド113の上端面と貫通
孔112bの内周面とは溶接部115で溶接されている。このような構造にすることによ
って、頭部114の上から板4の下まで貫通する空間ができるので、この空間に物を挿通
させることもできる。
図9は、実施形態8のねじの斜視図を示しているが、基本構造は、図7(2)に示す実
施形態1の変形例と同じである。ねじ120は、頭部124、第2雄ねじ部122、第1
雄ねじ部121を有している。頭部124には六角レンチと係合する六角穴124aが形
成されている。第2雄ねじ部122の外面にはねじ山122aが形成され、連結ロッド1
23が挿入される凹所(貫通孔)126があけられている。第1雄ねじ部121の外面に
はねじ山121aが刻設され、上面からは連結ロッド123が上方に突出している。連結
ロッド123と第2雄ねじ部122とは止めピン125で結合されている。この実施形態
では、第1雄ねじ部121の長さが第2雄ねじ部122の長さよりも大幅に短くなってい
る。例えば、図10示すナットを用いる場合は、このような形態が好ましい。
図10は、実施形態9のねじ(ボルト)とナットを組み合わせて、被締結体の板5と板
6を締結しているところを示す部分断面図である。ねじ(ボルト)130は、頭部134
、第2雄ねじ部132、第1雄ねじ部131を有している。被締結体の板5には貫通孔5
aが形成され、板6には雌ねじ6aが形成されている。第2雄ねじ部132の外面にはね
じ山132aが刻設されている。第1雄ねじ部131の外面にはねじ山131aが刻設さ
れている。第1雄ねじ部131の上面から連結ロッド133が上方に突出し、止めピン1
35で結合させられている。
ねじ山131a、132aと螺合する雌ねじ141が切られたナット140がねじ13
0と螺合して板6の下面と接触して配設されている。第1雄ねじ部131の上端面と第2
雄ねじ部132の下端面は接触してナット140の有効ねじ内に位置している。このよう
な構造によって、図5及び図6で説明した内容でねじ130は振動によって緩むことが大
幅に軽減される。
連結ロッドの長さと直径、第1雄ねじ部及び第2雄ねじ部の形状は、ねじの雄ねじのね
じ山、板やナットに刻設された雌ねじとの間のクリやランスや、締結力をどの程度にする
か及びねじの材質等を考慮して力学的計算によって導出することができる。
本発明のねじは、従来の、例えば、ボルト等のねじと比べて構造が比較的複雑ではある
が、種々の製造方法によってコスト低減化を図ることができる。機械加工、転造加工、鋳
造加工等を組み合わせる方法や3次元プリンターを利用する方法も考えられる。
例えば、図7(10)のねじ100は、3パーツであるが、第1雄ねじ部101と第2
雄ねじ部102とを一体で切削加工をし、位相のずれ分をカットして切り離し、貫通孔1
06,106’に連結ロッド103を挿入して上端と下端を溶接すれば完成する。
以上説明したように、本発明のねじは、ねじの緩み止め機構をねじ自体が備え、ナット
を使用しなくとも緩む可能性が極めて小さいねじを提供することができる。
1、2、3、4、5、6 板
1a、3a、5a 貫通孔
2a、4a、6a 雌ねじ
10、20、30、40、50、60、70、80、100、110 ねじ
120、130 ねじ
11、51、101、111、121、131 第1雄ねじ部
11a、51a、101a、111a、121a、131a ねじ山(雄ねじ)
12、52、102、112、122、132 第2雄ねじ部
12a、52a、102a、112a、122a、132a ねじ山(雄ねじ)
13、53、103、123、133 連結ロッド
14、54、104、114、124、134 頭部
15、55、115 溶接部(接合手段)
16、106、106’、126 凹所
25、65、125、135 止めピン(接合手段)
105 溶接部(第1接合手段)
105’ 溶接部(第2接合手段)
111b、112b 貫通孔
124a 六角穴
140 ナット
141 雌ねじ
G ギャップ
11、P12 ピッチ

Claims (6)

  1. 先端側の第1雄ねじ部と、
    前記第1雄ねじ部の軸と同軸に配設させられ、前記第1雄ねじ部のねじ山と同一の形状
    及び同一のピッチのねじ山を備える第2雄ねじ部と、
    前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とを連結する連結ロッドとを有するねじであって

    前記第2雄ねじ部には前記連結ロッドが挿入される凹所が設けられ、前記連結ロッドは
    前記第1雄ねじ部の前記第2雄ねじ部側の端面から突出し、前記第2雄ねじ部と前記連結
    ロッドとは接合手段によって結合しており、
    前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とは、前記軸の周りに所定の角度位相がずれてい
    るねじ。
  2. 先端側の第1雄ねじ部と、
    前記第1雄ねじ部の軸と同軸に配設させられ、前記第1雄ねじ部のねじ山と同一の形状
    及び同一のピッチのねじ山を備える第2雄ねじ部と、
    前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とを連結する連結ロッドとを有するねじであって

    前記第1雄ねじ部には前記連結ロッドが挿入される凹所が設けられ、前記連結ロッドは
    前記第2雄ねじ部の前記第1雄ねじ部側の端面から突出し、前記第1雄ねじ部と前記連結
    ロッドとは接合手段によって結合しており、
    前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とは、前記軸の周りに所定の角度位相がずれてい
    ねじ。
  3. 先端側の第1雄ねじ部と、
    前記第1雄ねじ部の軸と同軸に配設させられ、前記第1雄ねじ部のねじ山と同一の形状
    及び同一のピッチのねじ山を備える第2雄ねじ部と、
    前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とを連結する連結ロッドとを有するねじであって

    前記第1雄ねじ部、前記第2雄ねじ部及び前記連結ロッドは別体であり、前記第1雄ね
    じ部には前記連結ロッドが挿入される第1凹所が形成されて第1接合手段で結合させられ
    、前記第2雄ねじ部には前記連結ロッドが挿入される第2凹所が形成されて第2接合手段
    で結合させられており、
    前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部とは、前記軸の周りに所定の角度位相がずれてい
    ねじ。
  4. 前記第1雄ねじ部の前記第2雄ねじ部側端面と、前記第2雄ねじ部の前記第1雄ねじ部
    側端面とが接触して境界面を備える請求項1に記載のねじ。
  5. 前記第1雄ねじ部の前記第2雄ねじ部側端面と、前記第2雄ねじ部の前記第1雄ねじ部
    側端面とが接触している請求項2に記載のねじ。
  6. 請求項1~5に記載のいずれか1つのねじと、前記ねじと共に締結に用いられる雌ねじ
    が刻設されたナットとを有する締結システムであって、
    前記第1雄ねじ部の前記第2雄ねじ部側の端面と、前記第2雄ねじ部の前記第1雄ねじ
    側の端面とが、前記雌ねじ内に配されていることを特徴とする締結システム。
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