JP2018040376A - 締結具 - Google Patents
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Abstract
【課題】何ら締結作業性を変えることなく、螺合した締め付けナットと緩み止めナットとを一体化させ、締め付けナットの緩みを確実に防止し得る締結具を提供すること。【解決手段】ボルト1の軸部3を本体軸部3aとその先端側に存在する細径軸部3bとし、本体軸部に雄ネジ4aを設け、細径軸部に前記本体軸部に設けられた雄ネジよりピッチの狭い雄ネジ4bを設けると共に、前記本体軸部に設けた雄ネジに螺合する雌ネジ7を締め付けナット5に設け、前記細径軸部に設けた雄ネジに螺合する雌ネジ8を緩み止めナット6に設けることにより、本体軸部に締め付けナットを螺合させ、細径軸部に緩み止めナットを螺合させるようにした締結具であって、上記締め付けナットと上記緩み止めナットとの間に、表面10a及び裏面10bに、それぞれ当接する前記締め付けナットと緩み止めナットの表面を掘り起こす突起11を設けた座金10を介在させた締結具とした。【選択図】図12
Description
本発明は、締結具に関するもので、特にボルト、ナットそして座金とからなる締結具に関するものである。
従来から、締結具として、一本のボルトに二つのナットを螺合した緩み止め構造、いわゆるダブルナット式とした緩み止め構造を有する締結具が存在する。これは、ボルトに螺合した締め付けナットに続いて緩み止めナットを螺合して締め付け、振動等によって締め付けナットが緩む方向に回転するのを、緩み止めナットによって阻止するものである。
この緩み止め構造は、締め付けナットと緩み止めナットの双方に同一ピッチの雌ネジを形成し、それと同一ピッチの雄ネジを軸部に形成したボルトに螺合し、締め付けた両ナット間に生じる摩擦力によって、締め付けナットの緩みを防止するものである。
従来のこうした構造に係る締結具は、締め付けナットの緩みをある程度防止することができるものの、大きな振動が長時間加わると、締め付けナットと緩み止めナットがいわゆる供回りを起こし、ボルトから両ナットが緩んでしまうといった問題があった。
そこで、本件出願人等は、先に振動などによりナットが供回りを起こすことがなく、有効にナットの緩みを防止し得る締結具を考案し、実用新案登録出願を行った(特許文献1)。
この実用新案登録出願を行った締結具は、ボルトの軸部を本体軸部とその先端側に存在する細径軸部とし、前記本体軸部に並目ネジの雄ネジを形成し、前記細径軸部に細目ネジの雄ネジを形成すると共に、前記並目ネジに螺合する雌ネジを締め付けナットに形成し、前記細目ネジに螺合する雌ネジを緩み止めナットに形成することにより、前記本体軸部に締め付けナットを螺合させ、前記細径軸部に緩み止めナットを螺合させるようにした、ボルトとナットとからなる締結具である。
この実用新案登録出願を行った締結具は、ボルトの軸部を本体軸部とその先端側に存在する細径軸部とし、前記本体軸部に並目ネジの雄ネジを形成し、前記細径軸部に細目ネジの雄ネジを形成すると共に、前記並目ネジに螺合する雌ネジを締め付けナットに形成し、前記細目ネジに螺合する雌ネジを緩み止めナットに形成することにより、前記本体軸部に締め付けナットを螺合させ、前記細径軸部に緩み止めナットを螺合させるようにした、ボルトとナットとからなる締結具である。
上記したボルトとナットとからなる締結具によれば、締め付けナットと緩み止めナットのピッチが異なるので、両ナットが供回りを起こすことがなく、よって締め付けナットの緩みを効果的に防止することができるものであった。
一方、特許文献2,3には、2つのナットを用いたダブルナット式のボルトとナットとからなる締結具において、そのナット同士の当接面に、それぞれ鋸刃状等の凹凸部を予め形成し、両ナットを一体化させ、ボルトからの緩みを防止する技術が開示されている。
しかしながら、上記した特許文献1に開示された締結具は、ナット間の摩擦力により締め付けナットと緩み止めナットとが独立して動くことができず、一体となって動く状態である場合には、両ナットはピッチが異なるために供回りすることはできず、有効に締め付けナットの緩みを防止できるものではあったが、何らかの要因で細目ネジに螺合した緩み止めナットが先に独立して緩んでしまった場合には、その後はもはや両ナットを一体として供回りさせるナット間の摩擦力は働かず、それぞれのナットが独立して緩んでしまうことが起こり得ることから、締め付けナットの緩み、及びそのボルトからの脱落が懸念されるものであった。
また、特許文献2,3に開示されたナット同士の当接面に、それぞれ鋸刃状等の凹凸部を予め形成しておく技術にあっては、通常のナットを使用することはできず、凹凸部を有する特殊なナットを製作する必要があり、コスト高となっていた。また特許文献2の〔0004〕段にも記載されているように、副ナットの主ナットへの締め付け時に、過度の荷重がかかった状態で両凹凸部が擦り合わされるため、係合手段である凹凸部が損傷してしまい、その結果、主ナットと副ナットとの当接面が噛合されにくく、主ナットの緩みを効果的に防止することができないことが生じていた。
本発明は、上述した先行技術が有する種々の課題に鑑み成されたものであって、その目的は、何ら締結作業性を変えることなく、螺合した締め付けナットと緩み止めナットとを一体化させ、締め付けナットの緩み、しいては締結具の緩み確実に防止し得るボルト、ナットそして座金とからなる締結具を提供することにある。
上記した目的を達成するため、本発明は、次の(1)〜(5)に記載の締結具とした。
(1)ボルトの軸部を本体軸部とその先端側に存在する細径軸部とし、前記本体軸部に雄ネジを設け、前記細径軸部に前記本体軸部に設けられた雄ネジよりピッチの狭い雄ネジを設けると共に、前記本体軸部に設けた雄ネジに螺合する雌ネジを締め付けナットに設け、前記細径軸部に設けた雄ネジに螺合する雌ネジを緩み止めナットに設けることにより、前記本体軸部に締め付けナットを螺合させ、前記細径軸部に緩み止めナットを螺合させるようにした締結具であって、上記締め付けナットと上記緩み止めナットとの間に、表面及び裏面に、それぞれ当接する前記締め付けナットと緩み止めナットの表面を掘り起こす突起を設けた座金を介在させたことを特徴とする、締結具。
(2)上記座金に設けられた突起が、表面と裏面の同一位置に形成されていることを特徴とする、上記(1)に記載の締結具。
(3)上記座金に設けられた突起が、当接する締め付けナットと緩み止めナットの表面に食い込む楔突起と、前記楔突起の後方に設けられた押圧突起とからなることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の締結具。
(4)上記楔突起及び押圧突起が、座金の表面及び裏面に、それぞれ等間隔を開けて複数組形成されていることを特徴とする、上記(3)に記載の締結具。
(5)上記座金の中心穴周囲が、傾斜部に形成されていることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の締結具。
(1)ボルトの軸部を本体軸部とその先端側に存在する細径軸部とし、前記本体軸部に雄ネジを設け、前記細径軸部に前記本体軸部に設けられた雄ネジよりピッチの狭い雄ネジを設けると共に、前記本体軸部に設けた雄ネジに螺合する雌ネジを締め付けナットに設け、前記細径軸部に設けた雄ネジに螺合する雌ネジを緩み止めナットに設けることにより、前記本体軸部に締め付けナットを螺合させ、前記細径軸部に緩み止めナットを螺合させるようにした締結具であって、上記締め付けナットと上記緩み止めナットとの間に、表面及び裏面に、それぞれ当接する前記締め付けナットと緩み止めナットの表面を掘り起こす突起を設けた座金を介在させたことを特徴とする、締結具。
(2)上記座金に設けられた突起が、表面と裏面の同一位置に形成されていることを特徴とする、上記(1)に記載の締結具。
(3)上記座金に設けられた突起が、当接する締め付けナットと緩み止めナットの表面に食い込む楔突起と、前記楔突起の後方に設けられた押圧突起とからなることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の締結具。
(4)上記楔突起及び押圧突起が、座金の表面及び裏面に、それぞれ等間隔を開けて複数組形成されていることを特徴とする、上記(3)に記載の締結具。
(5)上記座金の中心穴周囲が、傾斜部に形成されていることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の締結具。
上記した本発明に係る締結具によれば、締め付けナットと緩み止めナットとの間に、表面及び裏面にそれぞれ当接する前記ナットの表面を掘り起こす突起を設けた座金を介在させたので、締め付けにより両ナットは座金を介して一体となり、独立して回ることができない状態となる。一方、本発明が対象としている締結具は、本体軸部に設けた雄ネジに螺合する締め付けナットと、細径軸部に設けた前記本体軸部の雄ネジよりピッチの狭い雄ネジに螺合する緩み止めナットとからなるものであるので、両ナットの回転による進度が異なり、締め付けナットと緩み止めナットとは供回りを起こすことができない状態のものである。上記した本発明の締結具の両作用、即ち、突起を有する座金により締め付けナットと緩み止めナットとを一体化させる作用と、ピッチ差を設けて締め付けナットと緩み止めナットとの供回りを阻止する作用とが相俟って、ナットの緩みを確実に防止し得る締結具となる。
以下、上記した本発明に係る締結具の実施形態を、図面を示して詳細に説明する。
本発明において使用するボルト1は、図1に示したように、頭部2と、軸部3とを有する。頭部2は、略六角柱の形状をなし、スパナ、六角レンチなどの工具により締め付けるのに適した形状とされている。また、軸部3は、本体軸部3aと、その先端側に存在する細径軸部3bとから構成され、前記本体軸部3a及び細径軸部3bには、それぞれ並目の雄ネジ4a、4bが形成されている。ここで、細径軸部3bは本体軸部3aより軸径が小さいため、両者にともに並目の雄ネジを形成した場合にも、細径軸部側の雄ネジ4bは本体軸部側の雄ネジ4aより狭いピッチのものとなる。なお、本体軸部3aに並目ネジの雄ネジを形成し、細径軸部3bに細目ネジの雄ネジを形成した場合には、そのピッチ差がより大きなものとなるため、それでもよい。
上記細径軸部3bは、上記本体軸部3aの軸径の60〜90%の軸径に形成されていることが好ましく、70〜85%の軸径に形成されていることが更に好ましい。これは、60%に満たない細い細径軸部を形成した場合には、該細径軸部の強度が弱くなると共に、該細径軸部に形成された雄ネジ4bに螺合する緩み止めナットと、本体軸部に形成された雄ネジ4aに螺合する締め付けナットとの十分な当接面を確保することが困難となるために好ましくない。逆に90%を超える細径軸部を形成した場合には、本体軸部に形成された雄ネジ4aへの締め付けナットの挿入・螺合に際して、該細径軸部に形成されたピッチの異なる雄ネジ4bが邪魔となるおそれがあるために好ましくない。
また、上記細径軸部3bに形成された雄ネジ4bのピッチは、本体軸部3aに形成された雄ネジ4aのピッチの50〜80%に形成されていることが好ましく、55〜75%に形成されていることが更に好ましい。これは、50%に満たない狭いピッチの雄ネジ4bを細径軸部3bに形成した場合には、該雄ネジ4bに螺合する緩み止めナットの進度が遅く、締結作業上好ましくない。一方、80%を超え、本体軸部3aに形成された雄ネジ4aのピッチとさほど差のない雄ネジを細径軸部3bに形成した場合には、締め付けナットと緩み止めナットが供回りを起こすおそれがあるために好ましくない。
なお、本体軸部3aに形成する雄ネジ4aは、本体軸部の全長に亘り形成されている必要は必ずしもなく、図示したように本体軸部3aの上方のみに形成されていてもよい。
本発明において使用する締め付けナット5及び緩み止めナット6は、上記ボルト1の本体軸部3a及び細径軸部3bに形成された雄ネジ4a,4bが共に並目のネジである場合には、通常のナットをそのまま用いることができる。また、ボルト1に形成した雄ネジ4a,4bを特殊なピッチのネジとした場合には、それぞれの雄ネジ4a,4bに合う雌ネジ7,8をそれぞれ形成された締め付けナット5及び緩み止めナット6を用いることとなるが、いずれにしても、特殊な外形のものに加工する必要はない。なお、締め付けナット5及び緩み止めナット6の外形寸法は、図2、図3に示したように、略六角柱の形状をなし、スパナ、六角レンチなどの工具により締め付けるのに適した形状とされていると共に、同一の外形寸法のものであることが、締め付け時の作業性の観点から好ましい。また、締め付けナット5及び緩み止めナット6の硬度は、後記する座金10の突起11によって変形し易いよう、柔らかい材質、例えば20HRC以下の硬度のもので作製されていることが好ましい。
本発明において使用する座金10は、図4〜図11に示したように、その表面10a及び裏面10bに、それぞれ当接する上記締め付けナット5及び緩み止めナット6の表面を掘り起こす突起11を設けたものである。
上記突起11は、当接するナットの表面に食い込む楔突起12と、前記楔突起12の後方に設けられた押圧突起13とからなる。これらの楔突起12と押圧突起13とは、1個ずつで1組の突起11をなし、図示した実施形態においては、座金10の表面10a及び裏面10bに、それぞれ等間隔(120度)を開けて3組が表裏の同一位置に形成されている。
上記楔突起12は、三角錐を倒した形状をなし、当接するナットの表面に食い込むと共に、その周囲に肉を盛り上げる作用を果たす。また、押圧突起13は、半球状に形成されており、前記楔突起12によって盛り上げられた肉を押し込み、楔突起12と押圧突起13との間に膨出部30を形成する作用を果たす。これらの楔突起12及び押圧突起13は、高周波焼入れ等にてその硬度が上げられていることが好ましいく、その硬度は40HRCを超えるものであることが好ましい。
また、座金10の中心穴14の周囲は、傾斜部15に形成されている。この傾斜部15は、座金を貫通するボルトの軸方向に突出し、当接する緩み止めナット6の面取り部に沿う形状とされている(図10、図15参照)。
上記したボルト1、締め付けナット5及び緩み止めナット6、更には上記座金10を使用し、被締結物を締結するに際しては、従来と同様に行えばよい。
即ち、図12に示したように、先ず締結すべき部材20,21のそれぞれに形成された貫通孔22,23に、ボルト1の軸部3を挿入する。この際、必要に応じて通常の座金24を挿入したボルトの軸部3に嵌め込む。
即ち、図12に示したように、先ず締結すべき部材20,21のそれぞれに形成された貫通孔22,23に、ボルト1の軸部3を挿入する。この際、必要に応じて通常の座金24を挿入したボルトの軸部3に嵌め込む。
続いて、図13に示したように、ボルト1の本体軸部3aに形成された雄ネジ4aに、締め付けナット5を挿入・螺合し、強く締め付けることにより部材20,21を締結する。この際、ボルト1の先端部に存在するピッチの狭い雄ネジ4bは、径が細い細径軸部3bに形成されているため、締め付けナット5を本体軸部3aの雄ネジ4aに螺合させる場合に、何ら邪魔となることがない。また、本体軸部3aに形成された雄ネジ4aは、何ら欠損部分がないものであるために変形し難く、締め付けナット5を強く締め付けることが可能となる。
続いて、図14に示したように、座金10を介在させた状態で、ボルト1の細径軸部3bに形成された雄ネジ4bに、緩み止めナット6を挿入・螺合し、先に螺合した締め付けナット5の上面に座金10の裏面10bを、該緩み止めナット6の下面に座金10の表面10aをそれぞれ強く圧接させる。これにより、座金10の下面10bに形成された突起11によって、締め付けナット5の上面に座金10と係合する膨出部30が、座金10の上面10aに形成された突起11によって、緩み止めナット6の下面に座金10と係合する膨出部30がそれぞれ形成される(図16参照)。
上記座金10に形成された突起11(楔突起12、押圧突起12)による膨出部30の形成のメカニズムは、次の通りである。
締め付けナット5と緩み止めナット6との間に介在させられた座金10は、該座金10の中心穴14の周囲が当接する緩み止めナット6の面取り部に沿う傾斜部15に形成されていることからセンタリングが図られ、所定の位置に配置された状態となる。この状態で、緩み止めナット6を強く締め付けると、座金10の表面10a及び裏面10bにそれぞれ形成された突起11は、当接するそれぞれのナット5,6の表面に強く圧接されることとなる。この際、突起11は、座金10の表裏の同一位置に形成されているため、座金10は曲がることなく、ナット6の締め付け力は突起11の圧接に効率的に利用される。突起11は、当接するナット5,6の表面に食い込むと共に、その周囲に肉を盛り上げる作用を果たす楔突起12と、楔突起12によって盛り上げられた肉を押し込む作用を果たす押圧突起13とからなるため、楔突起12と押圧突起13との間に膨出部30が形成される。
締め付けナット5と緩み止めナット6との間に介在させられた座金10は、該座金10の中心穴14の周囲が当接する緩み止めナット6の面取り部に沿う傾斜部15に形成されていることからセンタリングが図られ、所定の位置に配置された状態となる。この状態で、緩み止めナット6を強く締め付けると、座金10の表面10a及び裏面10bにそれぞれ形成された突起11は、当接するそれぞれのナット5,6の表面に強く圧接されることとなる。この際、突起11は、座金10の表裏の同一位置に形成されているため、座金10は曲がることなく、ナット6の締め付け力は突起11の圧接に効率的に利用される。突起11は、当接するナット5,6の表面に食い込むと共に、その周囲に肉を盛り上げる作用を果たす楔突起12と、楔突起12によって盛り上げられた肉を押し込む作用を果たす押圧突起13とからなるため、楔突起12と押圧突起13との間に膨出部30が形成される。
そして、緩み止めナット6の締め付け後においては、上記両ナット5,6に形成された膨出部30と座金10の突起11とが噛み合い、両ナットの相対的な回転を阻止する係合手段となり、締め付けナット5と緩み止めナット6とは座金10を介して一体となり、独立して回ることができない状態となる。一方、ボルト1の本体軸部3aに形成された雄ネジ4aに螺合させた締め付けナット5と、ボルト1の細径軸部3bの雄ネジ4bに螺合させた緩み止めナット6とは、回転による進度が異なり、締め付けナット5と緩み止めナット6とは供回りを起こすことができない状態となる。上記した両作用、即ち、座金10に設けられた突起11により形成された膨出部30からなる係合手段により締め付けナット5と緩み止めナット6とを座金10を介して一体化させる作用、及びピッチ差を設けて締め付けナット5と緩み止めナット8との供回りを阻止する作用が相俟って、両ナット5,6のボルト1からの緩みを確実に防止することができる締結具となる。
以上、本発明に係るボルト、ナットそして座金とからなる締結具の一実施形態を説明したが、本発明は、何ら既述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
例えば、上記実施形態においては、ボルトとして、頭部2が略六角柱の所謂六角ボルトを示したが、六角穴付きボルト、アイボルト、蝶ボルト、スタッドボルトなどであってもよい。また、上記実施形態においては、突起11を座金10の表面10a及び裏面10bに、それぞれ等間隔(120度)を開けて3組形成したものにつき説明したが、2組以上形成されていれば、十分に機能するものである。
以上、説明した本発明に係る締結具は、振動が加えられる環境下において使用される部品の締結、例えば、自動車、船舶、航空機、さらにはモータを搭載した洗濯機等の家電製品の部品の締結に、広く利用することができるものである。
1 ボルト
2 頭部
3 軸部
3a 本体軸部
3b 細径軸部
4a 雄ネジ
4b 雄ネジ
5 締め付けナット
6 緩み止めナット
7 雌ネジ
8 雌ネジ
10 座金
10a 表面
10b 裏面
11 突起
12 楔突起
13 押圧突起
14 中心穴
15 傾斜部
20,21 締結部材
22,23 貫通孔
24 座金
30 膨出部
2 頭部
3 軸部
3a 本体軸部
3b 細径軸部
4a 雄ネジ
4b 雄ネジ
5 締め付けナット
6 緩み止めナット
7 雌ネジ
8 雌ネジ
10 座金
10a 表面
10b 裏面
11 突起
12 楔突起
13 押圧突起
14 中心穴
15 傾斜部
20,21 締結部材
22,23 貫通孔
24 座金
30 膨出部
Claims (5)
- ボルトの軸部を本体軸部とその先端側に存在する細径軸部とし、前記本体軸部に雄ネジを設け、前記細径軸部に前記本体軸部に設けられた雄ネジよりピッチの狭い雄ネジを設けると共に、前記本体軸部に設けた雄ネジに螺合する雌ネジを締め付けナットに設け、前記細径軸部に設けた雄ネジに螺合する雌ネジを緩み止めナットに設けることにより、前記本体軸部に締め付けナットを螺合させ、前記細径軸部に緩み止めナットを螺合させるようにした締結具であって、上記締め付けナットと上記緩み止めナットとの間に、表面及び裏面に、それぞれ当接する前記締め付けナットと緩み止めナットの表面を掘り起こす突起を設けた座金を介在させたことを特徴とする、締結具。
- 上記座金に設けられた突起が、表面と裏面の同一位置に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の締結具。
- 上記座金に設けられた突起が、当接する締め付けナットと緩み止めナットの表面に食い込む楔突起と、前記楔突起の後方に設けられた押圧突起とからなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の締結具。
- 上記楔突起及び押圧突起が、座金の表面及び裏面に、それぞれ等間隔を開けて複数組形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の締結具。
- 上記座金の中心穴周囲が、傾斜部に形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の締結具。
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