JP7171980B2 - 弛緩防止ナット - Google Patents

弛緩防止ナット Download PDF

Info

Publication number
JP7171980B2
JP7171980B2 JP2020559580A JP2020559580A JP7171980B2 JP 7171980 B2 JP7171980 B2 JP 7171980B2 JP 2020559580 A JP2020559580 A JP 2020559580A JP 2020559580 A JP2020559580 A JP 2020559580A JP 7171980 B2 JP7171980 B2 JP 7171980B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nut
bolt
peripheral surface
screw
loosening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020559580A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021106409A1 (ja
Inventor
康雅 正司
Original Assignee
合同会社Ysコーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 合同会社Ysコーポレーション filed Critical 合同会社Ysコーポレーション
Priority to JP2021084775A priority Critical patent/JP2021165587A/ja
Publication of JPWO2021106409A1 publication Critical patent/JPWO2021106409A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7171980B2 publication Critical patent/JP7171980B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16BDEVICES FOR FASTENING OR SECURING CONSTRUCTIONAL ELEMENTS OR MACHINE PARTS TOGETHER, e.g. NAILS, BOLTS, CIRCLIPS, CLAMPS, CLIPS OR WEDGES; JOINTS OR JOINTING
    • F16B39/00Locking of screws, bolts or nuts
    • F16B39/02Locking of screws, bolts or nuts in which the locking takes place after screwing down
    • F16B39/12Locking of screws, bolts or nuts in which the locking takes place after screwing down by means of locknuts

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Connection Of Plates (AREA)
  • Bolts, Nuts, And Washers (AREA)

Description

本発明は、ボルト及びナットを用いて被締結部材が固定され、弛緩することがないネジ締結体を形成するための、ボルトとナットが同一軸心線を有するダブルナット式弛緩防止ナットに関する。
輸送機械、運搬機械、化学機械、精密機械、及び、工作機械等の各種産業機械、並びに、工場、橋梁、鉄塔、タンク等の各種建造物において、無数の接合・固定部があり、その目的に応じて、ネジ締結、溶接、ロウ付け、圧入、及び、接着等の方法が適用される。
この中で、ネジ締結は、その他の接合・固定方法と異なり、被締結部材に作用反作用としての圧縮力が働くことによって接合・固定するものであり、ネジ締結体の接合・固定部の内外から大きな力が加えられても、ボルト及びネジは破壊されることがなく、緩むこともない(非特許文献1)。
しかし、作業ミス及び設計ミス等によるネジ締結のトラブルとして、数多くの緩みと疲労破壊が報告されている(非特許文献1)。
また、ボルト及びナットを用いたネジ締結は、ネジ締結体の軸直角方向に振動及び回転等による荷重が付加されると、ボルト及びナットのネジ山の形状が、ボルト軸方向に対し傾いた楔形になっているため、ボルト及びナットのネジ山のフランク接触面が相対的に滑り、ナットが緩む方向に回転すること、逆に、その荷重が削除されると、ナットは戻りきらず、ボルトは滑って元の位置に戻ることが解析され、この荷重の負荷・削除が繰り返されるとネジ締結が緩むという問題も指摘されている(非特許文献2)。
特に、ネジ締結体の軸直角方向への振動及び回転等によるネジ締結に掛かる荷重の正逆の付加及び削除に基づくネジの緩みは、ネジ締結体の本質的な問題であり、各種産業機械及び各種建造物のネジ締結体の定期的なメンテナンスが必要であることを意味している。そして、この膨大な数のネジ締結体の定期的なメンテナンスには、莫大な労力及び費用が掛かり、業務の中断による莫大な損失を伴うため、可能な限り少なくすることが、古くより望まれている。
例えば、古くは、第一ナットの凸部と第二ナット凹部とを偏心嵌合させることによって緩みを止めるダブルナットが開発され、現在も広く用いられている(特許文献1~3)。その緩み止めダブルナットの機構を、特許文献3を引用して説明する。
図1は、特許文献3から引用した、第一ナットの凸部と第二ナットの凹部とを偏心嵌合させることにより緩み止め効果を発揮する、緩み止めダブルナットの装着過程を示す断面模式図である。この緩み止めダブルナット1は、ネジ孔2-1、3-1が、それぞれ、貫通状に形成された第一ナット2と第二ナット3とからなる。第一ナット2には、ネジ孔2-1の周りに軸方向外方に従って縮径するテーパ状の外周面2-3を有する凸部2-2が形成され、この凸部2-2の外周面23はネジ孔2-1に対して微小量偏心されている。一方、第二ナット3には、第一ナット2の凸部2-2が嵌合する凹部3-2が形成され、凹部3-2の内周面3-3はネジ孔2-1と同心状に形成されている。このように、第一ナット2の凸部2-2の外周面2-3軸心Pと第二ナット3のネジ孔2-1軸心Oとは偏心量dだけ凸部2-2と凹部3-2とが偏心されていることによって、第一ナット2及び第二ナット3を締め付けた際には、両ナット2、3がそれぞれネジ孔軸心に対して径方向にずれ込み、ネジ軸4に大きな径方向の応力が作用し、この応力により緩み止め効果を発揮するものである。特に、この緩み止め効果は、大きな径方向の応力によって、ネジ軸4の複数のネジ山と第一ナット2のネジ孔2-1の複数のネジ山とが密着してネジ山の複数のフランク同士の螺接面が生成されることに起因しているものと考えられる。
しかしながら、このような偏心嵌合させる緩み止めダブルナットにも、偏心したナットを用いることに由来する改良すべき課題が内在していると考えられる報告がある(例えば、特許文献3~8)。
偏心嵌合させる緩み止めダブルナットは、特許文献3~5に記載されているように、ネジ締結体を形成するためのボルトの軸心から偏心した外径の凸部を有するナットと、そのボルトと同一の軸心である内径の凹部を有するナットを嵌合させるため、次のような課題を内在している。図1を用いて説明する。
一般的な雄ネジと雌ネジの有効径と同様に、ネジ軸4と第一ナット2及び第二ナット3のネジ孔2-1との間には、両者を螺合可能となるように、ネジ孔2-1の径はネジ軸4の径よりも若干大きく形成されているので、両者の間には微小な隙間が存在する。この微小な隙間が存在することにより、第二ナット3を締め付けず、第一ナット2だけを締め付けた状態では、第一ナット2のメネジ上面とネジ軸4のオネジ下面とが圧接され、メネジ下面とネジ軸4のオネジ上面との間には隙間が形成される。この状態で第二ナット3を締め付けていくと、凸部2-2と凹部3-2とが偏心されているので、第一ナット2はネジ孔2-1に対する凸部2-2の偏心方向の反対側、すなわち、第一ナット2の凸部2-2の外周面軸心Pから見て第二ナット3のネジ孔軸心Oの方向、のオネジとメネジの接触面には微小な隙間が生じる。逆に、ネジ孔2-1に対する凸部2-2の偏心方向側、すなわち、第二ナット3のネジ孔軸心Oから見て第一ナット2の凸部2-2の外周面軸心Pの方向、のオネジとメネジの接触面においては楔を打ち込むように作用し、接触面は密着して隙間を生じることはない。その結果、凸部2-2の偏心方向側の下方近傍での第一ナット2と被締結体5との接触面の面圧は増大するが、その反対側の接触面の面圧は逆に減少する。この現象は、偏心嵌合する緩み止めナット固有のものであると考えられる。
また、ネジ孔2-1はそれぞれ凸部2-2の外周面2-3又は凹部3-2の内周面3-3より径方向内側にあり、凸部2-2がネジ孔2-1に対して偏心しているため、凸部2-2の肉厚は周方向に不均一となっており、凸部22のネジ孔2-1に対する偏心方向に凸部2-2の肉厚は徐々に厚くなり、偏心方向とは反対側の周方向で凸部2-2の肉厚は徐々に薄くなっている。これも、偏心嵌合する緩み止めナットの力学的強度が最も肉厚の薄い部分に依存してしまうという課題を示唆するものである。
ただし、このような現象があったとしても、第一ナット2と被締結体5との接触面の面圧が不均一であっても、ネジ軸4に軸方向の応力と径方向への応力が作用し、緩み止め効果を奏することが記載されている。
一方では、上記課題に対し、第二ナット3がネジ軸4に対して僅かに偏心した状態で締結され、第一ナット2が被締結体5から浮いた状態となっても偏心嵌合による大きな緩み止め作用が維持されるように、第一ナット2の凸部2-2と第二ナット3の凹部3-2とを嵌合させた状態で両ナット2、3を一緒にネジ軸4に対して螺着し、第一ナット2の下面を被締結体5に当接させた後、まず、第一ナット2を所定の締め付けトルクで締結し、その後、第二ナット3を所定の締め付けトルクで締結するという施工法による解決手段が提案されている(特許文献4)。
しかし、このような施工法によれば、施工手順が煩雑であり、数多くのナットを施工する必要がある場合には、工期の長期化や施工コストの高騰を招くという課題が生じることになる。
また、図1の偏心嵌合する緩み止めナットを用いたネジ締結体において、ネジ軸4の軸方向への熱膨張、並びに、振動及び変形が生じると、第一ナット2が被締結体5から遊離するという現象が発生することが記載されている(特許文献3~5)。このような第一ナット2の被締結体5からの遊離は、第一ナット2下面に作用していた偏荷重が消失すると共に、第一ナット2がネジ軸4に対して傾くことが許容され、第二ナット3を更に締め込む余裕が生じてしまうため、第一ナット2がネジ軸4に生じさせていた径方向の応力が大きく減少し、一般のダブルナットと大差ない、又は、一般のダブルナットを適正に締結した場合よりも緩み止め作用が低減するという課題生じる。
そこで、熱膨張によって生じる上記遊離の課題の解決手段として、第一ナット2のネジ孔2-1内周面のうち、ネジ孔2-1に対する第一ナット2の凸部2-2の偏心方向の反対側、すなわち、第一ナット2の凸部2-2の外周面軸心Pから見て第二ナット3のネジ孔軸心Oの方向のネジ孔2-1に、樹脂又は軟質金属を被覆することが記載されている(特許文献3)。
この解決手段は、第二ナット3を締結していない状態でも、全周に亘ってネジ軸4と第一ナットのネジ孔2-1内周面との間の隙間を解消し、第二ナット3を締結する際に、第一ナット2の位置ずれが生じず、第二ナット3の締結完了時において第一ナット2と被締結体5との接触圧は全周に亘り均一化されため、ネジ軸4が軸方向に熱膨張して第一ナット2が被締結体5から離反したとしても、第一ナット2と第二ナットの間におけるネジ軸4に作用する軸方向応力、及び、径方向応力の低下を防止できるという効果を奏するものである。
更に、振動及び変形によって生じる上記遊離の課題に対して、次のように二つの解決手段が記載されている。
第一の解決手段は、第一ナット2のネジ孔2-1の上部側部位の周方向の一部のネジ山が他の部位と比較して径方向内方に膨出させるものである(特許文献4)。
この解決手段により、ネジ軸4に第一ナット2を螺着する際は、手作業で第一ナット2を所定の締結完了位置まで迅速に締結することができ、膨出させた周方向一部がネジ軸4に当接することによって第一ナット2が周方向一部側に引き寄せられてネジ軸4に対して僅かに偏心した状態で締結されるという効果を奏する。従って、第二ナット3をネジ軸4に締結し、両ナット2、3の凸部2-2と凹部3-2とを嵌合させると、両ナットがネジ軸4に対して偏心された状態で締結され、両ナット2、3及びネジ軸4に大きな水平力が作用するので、第一ナット2が被締結体5から遊離しても、この水平力が解除されることなく、緩み止め作用が維持されるという効果が記載されている。しかし、この解決手段では、緩み止め防止効果を奏するが、ボルトを締めるトルクの制御が困難であり、ボルトに負荷される張力を規定したネジ締結を実現できない可能性がある。
第二の解決手段は、第一ナット2の凸部2-2の外周面2-3の所定箇所に突起部を設けるものであり、突起部は、ナット構成材料によって圧造等により一体成形することができる(特許文献5)。
この解決手段により、突起部が第二ナット3の凹部3-2の内周面3-3に係合することによって両ナットを相対的に偏心させることができるので、第一ナット2の締結によって突起部に大きな押圧力が作用すると、突起部の先端部が径方向内方に押圧変形され、第二ナット3がネジ軸4に対して同心状に締結されていても、第二ナット2の下面と第一ナットの上面との隙間がない状態まで第二ナットを締結可能となるという効果を奏する。従って、第一ナットが被締結体5から遊離しても、第二ナット3によって第一ナット2を保持することが可能となり、緩み止め作用が維持される。
更に、偏心嵌合する緩み止めナット固有の課題として、図1に示す、凸部2-2の外周面2-3が偏心した第一ナット2の生産性の課題が記載されている(特許文献6)。
従来、上記偏心凸部2-2を有する第一ナット2を製造する方法としては、偏心凸部2-2を第一ナット本体(六角ナット部)と共に一体成形する圧造加工法や、偏心凸部2-2を刻設する切削加工法が知られている。しかし、圧造加工法は、金属材料が、凸部2-2では偏心方向に偏って流動し、六角ナット部では周方向に偏りなく流動する必要があるという矛盾する解決困難な課題がある。一方、切削加工法は、圧造加工後に切削工程が必要となり、製造工程数の多く、切削に時間を要するという課題がある。特に、切削加工法においては、偏心凸部2-2を有する第一ナット2を製造するため、特殊な旋削加工装置及び旋削加工方法が開示されている(特許文献7及び8)。
そこで、この生産性の課題を解決する、偏心を利用した緩み止めナットとして、ネジ孔を有する下ナットと、ネジ孔を有する上ナットと、これら上下ナットの間に配置される中間リングとを備え、下ナットに中間リングが外嵌する外周面を有する凸部がネジ孔と同心状に設けられるか、又は、上ナットに中間リングが内嵌する内周面を有する凹部がネジ孔と同心状に設けられかのいずれかであって、中間リングの外周面と内周面とが互いに偏心されている緩み止め特殊ダブルナットで、中間リングが、凸部及び凹部に対してこれらの軸心回りに相対回転自在にそれぞれが嵌合する緩み止め特殊ダブルナットが提案された(特許文献6)。
この解決手段により、偏心した中間リングの外周面と内周面とが、上下ナットの凸部と凹部との間に嵌合することによって、従来の偏心凸部を有する第一ナットとボルトの軸心の凹部を有する第二ナットとの偏心嵌合による緩み止め効果と同等の性能を有するが、偏肉部位と六角ナット部がないため、圧造加工法による寸法精度の高い上下ナット及び中間リングの製造が容易に行える。
しかしながら、従来の偏心凸部を有する第一ナットとボルトの軸心の凹部を有する第二ナットとの偏心嵌合による緩み止めナットは、その構造に起因する固有の課題を有していることに変わりなく、その改良された偏心嵌合する緩み止めナットは、構造的に複雑化しており、生産性が低くなるばかりか、偏心嵌合による緩み止め機構から逸脱した緩め止めナットに変質しており、偏心嵌合する緩み止めナットの限界が示唆されている。
そのため、ボルト及びナットを用いたネジ締結体を形成するための、偏心嵌合を活用しない緩み止めナット、例えば、次に示すような三種の緩み止めナットを検討した(特許文献9~11)。
特許文献9に開示されている緩み止めナットは、引用した図2及び3に示すように、上部ナット6と下部締付ナット7からなるダブルナットである。上部ナット6は、上部ナット部6-1の下部に円環部6-2が一体形成され、円環部6-2の外周を下方に縮径する雄テーパ6-3と、上部ナット部6-1と円環部6-2の筒状内部に連続した内ネジ6-4が刻設されると共に、円環部6-2の上方部に水平方向の割り溝6-5と、水平方向の割り溝6-5に連通する縦割り溝6-6が設けられることによりバネ性を有する弾発突子6-7が形成されている。一方、下部締付ナット7は、その上方内周部に形成した凹部7-1の外周が、上部ナット6の雄テーパ6-3を縮圧させるような雌テーパ7-2となっているものである。
このような構成のダブルナットよれば、被締結部材にボルト8を取り付け、下部締付ナット7を締結し、その上部より上部ナット6を螺合すると、下部締付ナット7の上方内周部に形成した凹部7-1の雌テーパ7-2に、上部ナット6の外周に縮径状に形成された雄テーパ6-3が圧入されると同時に上部ナット部6-1の下部に一体形成された円環部6-2に形成された水平方向の割り溝6-5に連通する縦割り溝6-6からなるバネ性の弾発突子6-7が縮径し、ボルト8を強固に抱着すると共に、この弾発突子6-7のバネ作用によって、ボルト8とナット6、7とのネジ締結体の緩み止めを確実なものとすることができると記載されている。
しかしながら、本発明者によれば、円環部6-2に形成された水平方向の割り溝6-5に連通する縦割り溝6-6からなるバネ性の弾発突子6-7は、下部締付ナット7に形成された凹部7-1の外周の雌テーパ7-2で縮圧され、上部ナット6の内ネジ6-4の円周方向に縮径することになるが、円周方向への縮径であるため、ボルト8の雄ネジと上部ナットの内ネジ6-4の雌ネジとの円周方向の線接触となり、下部締付ナット7に形成された凹部7-1の外周の雌テーパ72の縮圧による弾発端子6-7が円周方向に縮径し、上部ナット6の内ネジ6-4の下部締付けナット7方向の最下端のネジ山のフランクとボルト8の雄ネジのネジ山のフランクとが密着することになり、これら一つのフランク同士が密着すると同時に両者の摩擦力が急激に上昇し、弾発端子6-7の円周方向の縮径は、それ以上不可能であることが確認されている。従って、多くともボルト8と上部ナット6のネジ山の一つのフランク同士の螺接面の密着でしかネジ締結体の緩み止めを防止することができず、偏心嵌合のようなボルト及びナットの複数のフランク同士の螺接面の密着による緩み止めのような効果を期待することはできないと考えられる。
特許文献10では、楔構造、ダブルナット構造、食い込み構造、及び、締結・ロック構造によって、ボルト・ナットの緩み止め防止を図ると共に、視認による保守管理を容易に行なうことができる緩み止めロック装置が開示されている。
この緩み止めロック装置は、基本的には、二つの形態がある。第一の形態は、上ナット、下ナット、及び、締結体で構成され、上ナットには、突き当て面にナットネジ孔と連続するネジ孔、放射状の複数のスリット、及び、先端外周角部を有する突き当て凸部が形成され、下ナットには、突き当て面に上ナットの突き当て凸部と当接するテーパ透孔受け部が下ナットネジ孔と同心状に形成され、締結体には、中央部に係止突部を有するカプラー状の角筒体を形成されており、上ナットと下ナットが締結ボルトに螺合してスパナ角位置が同位置にある締結状態において、締結体が上ナットと下ナットの中間隙間位置に遊嵌されて留められるダブルナット状況下の締結体である。第二の形態は、締結体を除く上記緩み止めロック装置において、下ナットが、上記テーパ透孔受け部に放射状に設けられた溝を備えており、上ナットと下ナットが締結ボルトに螺合する締結状態において上ナットの突き当て凸部の先端外周角部が下ナットのテーパ透孔受け部の放射状に複数設けられた溝に食い込んで係止するダブルナット状況下の締結体である。
図4には、前者のボルト・ナットの緩み止めを防止する緩み止めロック装置の緩み止めに係る各部品及び各部の作用状態を説明する断面模式図を引用し、記載されているその作用状態の説明を次に示す。まず、被締結体14を締結ボルト13と下ナット10で任意の締め付け軸力で締結する。次いで、上ナット9が、締結ボルト13に螺合され、締結ボルト13に螺合された上ナット9の突き当て凸部9-1の先端外周角部9-4が、下ナット10のテーパ透孔受け部10-1に突き当たるまで螺合されると、締結ボルト13と上ナット9のねじ部の軸方向Jのピッチ隙間が一方に片寄せられる。更に、上ナット9が螺合されると、上ナット9の突き当て凸部9-1の先端外周角部9-4が締結ボルト13の直角軸方向Gに撓んで端部8から徐々に且つ、均等に全周囲に亘って締め付けられる。また、この時点において、上ナット9の突き当て凸部9-1の先端外周角部9-4と下ナット10のテーパ透孔受け部13は線接触状態であるため、小さい締め付け力で上ナット9及び下ナット10を回転させ、上ナット9と下ナット10のスパナ角を容易に位置合わせることができる。そして、上ナット9と下ナット10のスパナ角を合わせた後、カプラー型の締結体11を上ナット9と下ナット10の中間隙間位置12に遊嵌させ、係止突部11-1によって留めることによって締結する。
このような作用状態から、特許文献9と同様の課題が抽出される。すなわち、この場合も、上ナット9の螺合を進めると、上ナット9の突き当て凸部9-1の先端外周角部9-4と下ナット10のテーパ透孔受け部13とは、これらの円周上で線接触するため、スリットが形成された突き当て凸部9-1の端部9-2が直角軸方向Gに撓んで、上ナット9の突き当て凸部9-1の最先端のネジ山の一つのフランクとボルト13のネジ山の一つのフランクとが密着することになり、両者の摩擦力が急激に上昇して、それ以上螺合を進めることが困難になる。従って、多くとも突き当て凸部9-1の最先端のネジ山とボルト13のネジ山の一つのフランク同士で形成される螺接面の密着でしかネジ締結体の緩み止めを防止することができず、偏心嵌合のようなボルト及びナットの複数のフランク同士の螺接面の密着による緩み止めのような効果を期待することはできないと考えられる。そのため、カプラー型の締結体11を必要としているものと推測される。
第二の形態も、図5に示すように、第一の形態と同様の状態が生起するため、上ナット9の突き当て凸部9-1の先端外周角部9-4が下ナット10のテーパ透孔受け部13の放射状に複数設けられた溝10-2に食い込ませ、不足する緩み止めの効果を補っているものと考えられる。
最後に、特許文献11は、右ネジと左ネジを刻設したクロス雄ネジを設け、右ネジを刻設した右ネジナットと左ネジを刻設した左ネジナットを設けて、クロス雄ネジに双方のナットを重ねて締め込み、一方のナットに設けた傾斜押圧部と他方のナットに設けた垂直押圧部とが相互に線状押圧接触することにより両ナットを相互に固定し、クロス雄ネジに対する両ナットの緩みを防止するように構成したナットの緩み防止機構を開示している。
このナットの緩み防止機構には、ネジ締結体を形成するための、微細かつ精度よく加工される特殊なクロス雄ネジを必要とするため、汎用性に乏しいナットの緩み止め方法であるという課題を有している。しかし、ナットの緩み止め効果という視点に立った場合にも、特許文献9及び10と同様の本質的な課題を有している。
図6は、右ネジと左ネジを刻設したクロス雄ネジに、右ネジを刻設した右ネジナット15と左ネジを刻設した左ネジナット18を重ねて締め込み、左ネジナット18に設けた傾斜押圧部20と右ネジナット15に設けた垂直押圧部17とが相互に線状押圧接触することにより両ナットが相互に固定され、クロス雄ネジに対する両ナットの緩みを防止する機構を示す要部拡大断面模式図を、特許文献11から引用したものである。
この図から明らかなように、左ネジナット18に設けた傾斜押圧部20と右ネジナット15に設けた垂直押圧部17とが相互に線状押圧接触するため、垂直押圧部17の傾斜押圧部20側の先端面が両ナットの軸心方向に押圧され、右ネジナット15の垂直押圧部17の傾斜押圧部20側先端のネジ山とクロス雄ネジのネジ山とが密着することになり、両者の摩擦力が急激に上昇して、それ以上螺合を進めることが困難になる。従って、多くとも右ネジナット15のネジ山とボルト13のネジ山の一つのフランク同士の螺接面の密着でしかネジ締結体の緩み止めを防止することができず、偏心嵌合のような複数のフランク同士の螺接面の密着による緩み止めのような効果を期待することはできないと考えられる。
このように、偏心嵌合を利用しないナット緩み止めには、線状押圧接触に起因する課題が存在し、この課題を未だ克服できていない。
実全昭57-184308号公報 特公平3-526号公報 特開平11-6516号公報 特許第6437313号公報 特許第6427022号公報 特許第6427010号公報 特許第4638776号公報 特許第4638777号公報 特開平8-14241号公報 特開2009-275727号公報 実用新案登録第3168087号公報
米谷俊一,コンポーネント技術特集「ねじ締結と摩擦係数」,[on line],YMAHA MOTOR TECHNICAL REVIEW,2004.07.06,[令和2年9月22日検索],インターネット<https://global.yamaha-motor.com/jp/profile/technical/publish/ pdf/browse/38ts_03.pdf> 正司康雅、澤俊行、「軸直角荷重のねじ緩みのメカニズムに関する研究」,[on line],PVP2005-71333,ASME 2005 PVP,COMPUTER TECHNOLOGY, [令和2年9月22日検索],インターネット<https://pdfs.semanticscholar.org/da76/ 84d80ff799131eec03159d509e55f028d273.pdf>
ボルト及びナットを用いて被締結部材が固定され、弛緩することがないネジ締結体を形成するための偏心嵌合による弛緩防止ダブルナットは、同一軸心線のネジ孔を備えた二つのナットから構成され、一方が凹部を、他方が凸部を有し、凹部の内周又は凸部外周のいずれか一方が偏心しており、これらを締め付けた際に、両ナットがそれぞれネジ孔軸心に対して径方向にずれ込み、ボルトに大きな径方向の応力が作用し、ボルトの複数のネジ山と凸部を有するナットの複数のネジ山とが密着してネジ山の複数のフランクの螺接面が生成されることによって、ネジ締結体の弛緩防止効果を発現する、有効な弛緩防止ダブルナットの一つである。
しかしながら、このような偏心嵌合させる弛緩ダブルナットには、偏心嵌合に基づいて、ナットの凹部又は凸部の偏心方向と反対側に、ボルトのネジ山と凸部を有するナットのネジ山の接触面には微小な隙間が生じ、被締結部材と凸部を有するナットの接触面の面圧が低くなるという現象が生起するため、ボルトの軸心線方向の、熱膨張、並びに、力学的振動及び変形によって、ナット締結体の弛緩防止効果が低下するという偏心嵌合固有の問題がある。
また、偏心嵌合させる弛緩ダブルナットには、ナットの凹部又は凸部が、ボルトの軸心に対して偏心しているため、凹部又は凸部の肉厚は周方向に不均一となっており、偏心嵌合する弛緩防止ナットの力学的強度が最も肉厚の薄い部分に依存するという問題も内在している。
更に、偏心嵌合させる凹部及び凸部を備えたナットを圧造加工法により製造する場合には、ナットの偏心に基づく、ナットの各部の金属材料の流動性を制御することが困難であるという問題を有している。また、切削加工法により製造する場合には、圧造加工後に切削工程が必要となり、製造工程数の多く、切削に時間を要するだけでなく、特殊な旋削加工装置及び旋削加工方法が必要であるという問題がある。
一方、偏心嵌合を利用しない弛緩防止ダブルナットは、ボルトと両ナットの円周上における線状接触後の線状押圧によるため、ナットの螺合を進めると、ボルトとナットのネジ山の一つのフランク同士の螺接面の摩擦力が急激に上昇して、それ以上螺合を進めることが困難になり、多くともボルトとナットのネジ山の一つのフランク同士で形成される螺接面の密着でしかネジ締結体の弛緩を防止することができないという問題がある。
本発明は、このような従来の弛緩防止ダブルナットの問題を解決し、ボルトとナットのネジ山の複数のフランク同士の螺接面による、強固なネジ締結体を形成でき、ボルトの軸心線方向の熱膨張、振動、及び、力学的変形に対しても強固なネジ結合体を維持することが可能な弛緩防止ナットを提供することを目的とする。また、本発明の弛緩防止ナットは、同一軸心線のダブルナットであり、均一な力学的強度を備え、圧造加工法及び切削加工法等に対応可能な加工適性を有する、汎用性の広い形体の弛緩防止ナットを提供することを目的とする。
本発明者は、同一軸心線のダブルナットの接触する位置を制御することによって押圧されて縮径するナットのネジ山と、ボルトのネジ山とのフランクを複数密着させることができ、極めて強固なネジ締結体を形成可能であることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、ボルト及びナットを用いて被締結部材が固定されるネジ締結体を形成するための、第一のナットと第二のナットから構成されるダブルナット式弛緩防止ナットであって、第一のナットは、ボルトと同一の軸心線のネジ孔、被締結部材と着接する装着部、ボルトに螺嵌するための第一締付け部、及び、ボルトのネジ山のフランクと第一のナットのネジ山のフランクとが間隙のない螺接面を複数生成する縮径部が形成されてボルトと同一の軸心線の外周面を有するボルト拘束部を備え、第二のナットは、ボルトと同一の軸心線のネジ、ボルトに螺嵌するための第二締付け部、及び、第一のナットのボルト拘束部を押圧してボルトのネジ山のフランクと前記第一のナットのネジ山のフランクとが間隙のない螺接面を複数生成するボルトと同一軸心線の内周面を有する圧接部を備えていることを特徴とするダブルナット式弛緩防止ナットである。
特に、ボルトのネジ山のフランクと第一のナットのネジ山のフランクとの間隙のない螺接面は、縮径部によって、少なくとも2つ以上生成されることが好ましく、3つ以上であることがより好ましく、4つ以上であることがより更に好ましい。これらは、必ずしも連続している必要がなく、これらが不連続であっても問題がない。ネジ締結体の弛緩防止のため、フランクの数の下限値は存在するが、その上限値に制限はなく、第一及び第二のナットの形態及び強度、並びに、ネジ締結体の仕様等によって設計することが可能である。
これは、第二のナットの圧接部で押圧される第一のナットのボルト拘束部のネジ孔の複数のネジ山が、ボルト及びナットの同一軸心線方向へ縮径してその軸心線方向に均一な応力をボルトに掛かり、ボルトのネジ山のフランクと第一のナットのネジ孔のネジ山のフランクとが間隙のない螺接面が生成するので、接触するネジ山のフランクの数が大きい程大きな摩擦力が発現し、強固なネジ締結体を作ることができるからである。また、間隙のない螺接面が不連続の場合、極めて微小な空隙がボルトとネットとの間に密閉され、熱が加わった場合に膨張するので、ネジ締結体の弛緩に対する影響はない。
しかも、本発明のダブルナット式弛緩防止ナットは、第一のナットのネジ孔の円筒面(ネジの有効径、谷径、又は、外径とする円柱面を意味する。以下同様。)がボルト及びナットの同一軸心線方向へ均一に撓んで縮径することによって、ボルト及びナットの軸心線方向へ均一な応力が円周線状ではなく円筒面状でボルトに負荷されるため、ボルトの軸心線方向の熱膨張、振動、及び、力学的変形に対しても強固なネジ結合体を維持することが可能である。
また、本発明の弛緩防止ナットは、同一軸心線のダブルナットであり、均一な力学的強度を備え、圧造加工法及び切削加工法等に対応可能な加工適性を有する、汎用性の広い形体を備えている。
このように、第一のナットのネジ孔の円筒面がボルト及びナットの同一軸心線方向へ均一に撓んで縮径することによって、ボルト及びナットの軸心線方向へ均一な応力が円周線状ではなく円筒面状でボルトに負荷されるためには、第一のナットのボルト拘束部外周面と、第二のナットの圧接部内周面の先端部との接触する位置が、第一のナットのボルト拘束部の先端から軸心線方向において、ボルトの少なくとも0.50ピッチ以上の位置であることが好ましく、0.75ピッチ以上であることがより好ましく、1.00ピッチ以上であることがより更に好ましい。ネジ締結体の弛緩防止のため、第一のナットのボルト拘束部外周面と、第二のナットの圧接部内周面の先端部との接触する位置についても、その下限値は存在するが、その上限値は、第一及び第二のナットの形態及び強度、並びに、ネジ締結体の仕様等によって設計することが可能である。
0.50ピッチ以上であることは、ボルトのネジ山のフランクと第一のナットのネジ孔のネジ山のフランクが連続して複数密着するための必要最低限の条件であり、0.75ピッチ以上であることは、ボルトのネジ山のフランクと第一のナットのネジ孔のネジ山のフランクが連続して3つ以上密着するための条件であり、1.00ピッチ以上であることは、ボルトのネジ山のフランクと第一のナットのネジ孔のネジ山のフランクが連続して4つ以上密着するための条件である。
第一のナットのボルト拘束部に形成される縮径部は、第一のナットのネジ孔の円筒面がボルト及びナットの同一軸心線方向へ均一に撓んで縮径することができれば、特に限定されないが、第一のナットのボルト拘束部にボルト及びナットの軸心線方向に凹設された複数の溝とすることができる。
また、第一のナットのボルト拘束部に形成される縮径部は、第一のナットのボルト拘束部にボルト及びナットの軸心線方向に貫設された複数のスリットとすることもできる。スリットである方が、第一のナットのネジ孔の円筒面がボルト及びナットの同一軸心線方向へ均一に撓んで縮径し易くより好ましい。
更に、第一のナットのボルト拘束部に形成される縮径部は、第一のナットのボルト拘束部にボルト及びナットの軸心線方向に貫設された複数のスリットと反対の形状である空間であってもよい。ここで、スリットは、第一のナット拘束部の体積よりも体積が小さい縮径部と定義できるが、空間とは、このようなスリットの体積が第一のナットのボルト拘束部のそれを50%超える体積とした縮径部と定義できる。
上記溝、スリット、及び、柱の数は限定されるものではないが、ボルト及びナットの軸心線を対称の中心とする位置に複数形成されればよく、いずれも3つ以上であることが好ましく、4つ以上であることがより好ましく、6つ以上であることがより更に好ましい。ただし、溝、スリット、及び、柱の数、大きさ、及び、形状は、ネジ締結体の弛緩防止効果及び第一のナットのボルト拘束部の力学的強度に悪影響を及ぼさない範囲であれば、限定されるものではなく、材質、ボルト、及び、ナットの形状等によって設計することが可能である。
一方、本発明の弛緩防止ナットの第一のナット及び第二のナットの形状も、第一のナットのネジ孔の円筒面がボルト及びナットの同一軸心線方向へ均一に撓んで縮径することによって、ボルト及びナットの軸心線方向へ均一な応力が円周線状ではなく円筒面状でボルトに負荷され、第一のナットのネジ孔の円筒面がボルト及びナットの同一軸心線方向へ均一に撓んで縮径することができれば特に限定されるものではないが、第一のナットのボルト拘束部外周面の形状が凸状であり、第二のナットの圧接部内周面の形状が凹状であり、ボルト拘束部が圧接部に嵌挿可能であって、圧接部内周面の先端部が、ボルト拘束部の先端部から所定の位置のボルト拘束部外周面と接触して押圧することできる形状であることが好ましい。なお、ボルト拘束部の先端部から所定の位置のボルト拘束部外周面とは、第一のナットのボルト拘束部の被締結部材と着接する装着部方向の所定の位置の円周部分を意味するが、上述したように、少なくとも、第一のナットのボルト拘束部の先端面から軸心線方向において、上述したように、ボルトの少なくとも0.50ピッチ以上の位置であることが好ましく、0.75ピッチ以上であることがより好ましく、1.00ピッチ以上であることがより更に好ましい。
そして、ボルト拘束部外周面の凸状のより具体的な形状は、第一のナットのボルト拘束部と第二のナットの圧接部との接触が、上述したように、圧接部内周面の先端部が、ボルト拘束部の先端部から所定の位置のボルト拘束部外周面と接触して押圧するという条件をより満足でき、ネジ締結体を形成するためのナットのボルトへの螺嵌を容易に行うと共に、接触するボルト拘束部外周面と圧接部内周面との摩耗を低減するためには、ボルト及びナットの同一軸心線を有する、被締結部材と着接する装着部側を底面とする略円錐台状側面の凸状、被締結部材と着接する装着部側を底面とする略多角台状側面の凸状、及び、ボルト及びナットと同一軸心線の膨脹部を有する略柱状側面の凸状等であることが好ましい。
第二のナットの圧接部内周面の凹状のより具体的な形状も、第一のナットのボルト拘束部と第二のナットの圧接部との接触が、上述したように、圧接部内周面の先端部が、ボルト拘束部の先端部から所定の位置のボルト拘束部外周面と接触して押圧するという条件をより満足でき、ネジ締結体を形成するためのナットのボルトへの螺嵌を容易に行うと共に、接触するボルト拘束部外周面と圧接部内周面との摩耗を低減するためには、ボルト及びナットと同一軸心線を有する、略円柱状側面の凹状、圧接部内周面の先端部側を底面とする略円錐台状側面の凹状、圧接部内周面の先端部側を上面とする略円錐台状側面の凹状、略多角柱状側面の凹状、圧接部内周面の先端部側を底面とする略多角錐台状側面の凹状、及び、圧接部内周面の先端部側を上面とする略多角錐台状側面の凹状等であることが好ましい。
以上の第一のナットのボルト拘束部外周面の形状と第二のナットの圧接部内周面の形状とは、どのような組み合わせでも、ボルト拘束部と圧接部とを嵌合することができるので汎用性の高い第一のナットと第二のナットで構成される弛緩防止ナットである。
中でも、上記応力の伝達、ナットの螺嵌、及び、摩耗の観点から、避けることが望ましい。ボルト拘束部及び圧接部の水平面の、ボルト拘束部外周面の形状と圧接部内周面の形状が、円形状と多角形状の組合せ及び円形状の組合せが好ましく、円形状同士の組合せがより好ましい。
同様の観点から、圧接部内周面の先端部がボルト拘束部の先端部から所定の位置のボルト拘束部外周面と接触して押圧する際の圧接部からボルト拘束部へのボルト及びナットの同一軸心線方向の応力の伝達、及び、ボルトへのナットの螺嵌を行い易くすると共に、接触するボルト拘束部外周面と圧接部内周面との摩耗を低減するためには、ボルト及びナットの軸心線を含むその軸心線方向の第二のナットの圧接部の断面において、少なくとも圧接部内周面の先端部の形状を略円弧状又は面取り形状とすることが好ましい。
更に、ボルト拘束部及び圧接部の位置関係及び形状等以外にも、上記本発明の弛緩防止ナットを用い、より安定したネジ締結体を形成するための方法がある。それは、第一のナットの装着部の被締結部材側にフランジを備えることである。このフランジによって、第一のナットの装着部と被締結部材との接触面積が大きくなり、第一のナットを被締結部材に安定して螺入することができ、摩擦力を高めることができるので、弛緩防止効果高めることができる。
本発明の弛緩防止ナットによれば、従来の偏心嵌合を利用した弛緩防止ダブルナットの偏心嵌合に由来する問題を解決すると共に、偏心嵌合を利用しない弛緩防止ダブルナットの線状押圧に由来する問題を解決し、ボルトとナットの複数のネジ山のフランクの螺接面による、強固なネジ締結体を形成でき、ボルトの軸心線方向の熱膨張、振動、及び、力学的変形に対しても強固なネジ結合体を維持することが可能な弛緩防止ナットを実現することができる。また、本発明の弛緩防止ナットは、同一軸心線のダブルナットであり、均一な力学的強度を備え、圧造加工法及び切削加工法等に対応可能な加工適性を有する、汎用性の広い形体の弛緩防止ナットを提供することができる。
特許文献3から引用した、第一のナットの凸部と第二のナットの凹部とを偏心嵌合させることにより緩み止め効果を発揮する、緩み止めダブルナットの装着過程を示す断面模式図である。 特許文献9から引用した、ダブルナットの雄テーパを備えた上部ナットと雌テーパを備えた下部ナットとの密嵌合による楔効果がボルトに作用する、緩み止めナットの使用状態を示す要部拡大模式図である。 特許文献9から引用した、T字型の割り溝を用いて弾発突子が形成されている上部ナットの正面模式図(a)及び平面模式図(b)である。 特許文献10から引用した、上ナット、下ナット、及び、締結体で構成され、楔構造、ダブルナット構造、及び、締結・ロック構造によって、ボルト・ナットの緩み止めを防止する緩み止めロック装置の緩み止めに係る各部品及び各部の作用状態を示す断面模式図である。 特許文献10から引用した、上ナット、及び、溝を有する下ナットで構成され、楔構造、ダブルナット構造、及び、食い込み構造によって、ボルト・ナットの緩み止めを防止する緩み止めロック装置の緩み止めに係る各部品及び各部の作用状態を示す断面模式図である。 特許文献11から引用した、右ネジと左ネジを刻設したクロス雄ネジに、右ネジを刻設した右ネジナットと左ネジを刻設した左ネジナットを重ねて締め込み、一方のナットに設けた傾斜押圧部と他方のナットに設けた垂直押圧部とが相互に線状押圧接触することによりナットが相互に固定され、クロス雄ネジに対する各ナットの緩みを防止するナットの緩み防止機構の使用状態における、要部拡大断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、第一のナットと第二のナットから構成されるダブルナット式弛緩防止ナットであって、ボルトと同一の軸心線のネジ孔、被締結部材と着接する装着部、ボルトに螺嵌するための第一締付け部、及び、ボルトのネジ山のフランクとそのネジ孔のネジ山のフランクとが間隙のない螺接面を複数生成する縮径部が形成され、ボルトと同一の軸心線の外周面を有するボルト拘束部を備えた第一のナットと、ボルトと同一の軸心線のネジ、ボルトに螺嵌するための第二締付け部、及び、ボルト拘束部を押圧してボルトのネジ山のフランクと第一のナットのネジ孔のネジ山のフランクとが間隙のない螺接面を複数生成する、ボルトと同一軸心線の内周面を有する圧接部を備えた第二のナットが、ネジ締結体を形成するための被締結部材に挿入されたボルトに螺入され、弛緩が防止されるネジ締結体を形成する直前の状態を示す断面模式図である。 図7に示すネジ締結体において、本発明の一実施形態に係る、ボルト拘束部の縮径部が、ボルト拘束部に貫設されたスリットであり、ボルト拘束部外周面が円錐台側面の凸状である第一のナットの平面模式図(a)と断面模式図(b)である。 図7に示すネジ締結体において、本発明の一実施形態に係る、圧接部内周面が円柱側面の凹状である第二のナットの平面模式図(a)と断面模式図(b)である。 図7に示した弛緩が防止されるネジ締結体を形成する直前の状態を示す断面模式図(a)と図10(a)の状態から更に第二のナットが螺入され、ネジ締結体を形成した直後の状態を示す断面模式図(b)で、本発明の弛緩防止ナットが、ネジ締結体の弛緩を防止する機構を説明するための断面模式図である。 図7に示すネジ締結体において、本発明の一実施形態に係る、ボルト拘束部の縮径部が、ボルト拘束部外周面に凹設された溝であり、ボルト拘束部外周面が円錐台側面の凸状である第一ナットの平面模式図(a)と断面模式図(b)である。 図7に示すネジ締結体において、本発明の一実施形態に係る、ボルト拘束部の縮径部が、ボルト拘束部を柱の形状に立設するための空間であり、ボルト拘束部が柱状であって、ボルト拘束部外周面が円錐台側面の凸状である第一ナットの平面模式図(a)と断面模式図(b)である。 図7に示すネジ締結体において、本発明の一実施形態に係る、ボルト拘束部の縮径部が、ボルト拘束部に貫設されたスリットであり、ボルト拘束部外周面が十二角錐台側面の凸状である第一ナットの平面模式図(a)と断面模式図(b)である。 図7に示すネジ締結体において、本発明の一実施形態に係る、圧接部内周面が十二角柱側面の凹状である第二のナットの平面模式図(a)と断面模式図(b)である。 図7に示すネジ締結体において、本発明の一実施形態に係る、圧接部内周面が円柱側面の凹状であり、ボルト及びナットの同一軸心線を含むボルト及びナットの同一軸心線方向における圧接部の先端部断面形状が略円弧状である第二のナットの平面模式図(a)と断面模式図(b)である。 図7に示すネジ締結体において、本発明の一実施形態に係る、ボルト拘束部の縮径部が、ボルト拘束部に貫設されたスリットであり、ボルト拘束部外周面が円錐台側面の凸状である第の一ナットと、圧接部内周面が、圧接部内周面の先端部側を上面とする円錐台状側面の凹状である第二のナットとを組み合わせたダブルナットの断面模式図である。 図7に示すネジ締結体において、本発明の一実施形態に係る、ボルト拘束部の縮径部が、ボルト拘束部に貫設されたスリットであり、ボルト拘束部外周面が、ボルトと同一軸心線の膨脹部を有する円柱状側面の凸状である第一のナットと、圧接部内周面が円柱側面の凹状である第二のナットとを組み合わせたダブルナットの断面模式図である。
以下、実施形態を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
図7~9に、本発明の一実施形態に係る、第一のナット30と第二のナット31から構成されるダブルナット式弛緩防止ナットを用いて形成される直前のネジ締結体の状態及びその弛緩防止ナットの構成を示している。
図7に示すように、第一のナット30と第二のナット31から構成されるダブルナット式弛緩防止ナットは、ボルト33と同一の軸心線Qのネジ孔30-3、被締結部材35と着接する被締結部材装着部30-2、ボルト33に螺嵌するための第一締付け部30-21、及び、ボルト33のネジ山のフランク34-31とそのネジ孔30-3のネジ山のフランク34-32とが間隙のない螺接面を複数生成する縮径部30-13が形成され、ボルト33と同一の軸心線Qの円錐台側面状のボルト拘束部外周面30-111を有するボルト拘束部30-1を備えた第一のナット30と、ボルト33と同一の軸心線Qのネジ31-3、ボルト33に螺嵌するための第二締付け部31-13、及び、ボルト拘束部30-1を押圧してボルト33のネジ山のフランク34-31と第一のナット30のネジ孔30-3のネジ山のフランク34-32とが間隙のない螺接面を複数生成する、ボルト33と同一軸心線Qの円柱側面状の圧接部内周面31-111を有する圧接部31-1を備えた第二のナット31から構成されている。そして、図7は、ネジ締結体を形成するための被締結部材35に挿入されたボルト33に第一のナット30が被締結部材35と接触するまで螺入され、次いで、第二のナット31が第一のナット30の上方から螺入された後、両者が嵌合され、弛緩が防止されるネジ締結体を形成する直前の状態を示している断面模式図である。
図8は、本発明の一実施形態に係る、図7で使用された第一のナット30の典型的な形状の一例を示す平面模式図(a)及び断面模式図(b)である。図から明らかなように、この第一のナット30は、ボルト拘束部30-1の縮径部が、ボルト拘束部30-1に貫設されたスリット30-131であり、ボルト拘束部30-1の形状が、円錐台の凸状で、ボルト拘束部外周面は円錐台側面状のボルト拘束部外周面30-111である。
図9は、本発明の一実施形態に係る、図7で使用された第二のナット31の典型的な形状の一例を示す平面模式図(a)及び断面模式図(b)である。図から明らかなように、この第二のナット31は、圧接部31-1の圧接部内周面が円柱側面状の圧接部内周面31-111である。
図7~9に示すように、第一のナット30が被締結部材35と接触するまでボルト33に螺入された後、第二のナット31のボルト33への螺入を進めると、第一のナット30のボルト拘束部30-1の円錐台側面状のボルト拘束部外周面30-111と第二のナット31の圧接部31-1の平坦な先端面31-121との接点32を通る水平面Iの円周II上で、ボルト拘束部30-1が圧接部31-1に押圧される。ここでは、この接点32は、第一のナット30のボルト拘束部30-1の上底先端面30-12からボルト及びナットの同一軸心線Qの被締結部材35方向に、ボルト33及びネジ孔30-3のネジ山の約4ピッチの位置となるように設計されている。
そして、図7~9に示された、本発明の一実施形態に係る、第一のナット30と第二のナット31から構成されるダブルナット式弛緩防止ナットが、ネジ締結体の弛緩を防止できる機構を図10に示す断面模式図を用いて説明する。
図10(a)は、第一のナット30が被締結部材35と接触するまでボルト33に螺入された後、第二のナット31のボルト33への螺入を進め、ネジ締結体を形成する直前の状態を示す断面模式図であり、図10(b)は、図10(a)の状態から更に第二のナット31が螺入され、ネジ締結体を形成した直後の状態を示す断面模式図である。
第一のナット30が被締結部材35と接触するまでボルト33に螺入された後、第二のナット31のボルト33への螺入を進め、第一のナット30のボルト拘束部30-1と第二のナット31の圧接部31-1とが、接点32を通る水平面Iの円周上で、ボルト拘束部30-1が圧接部31-1に押圧されると、接点32が、第一のナット30のボルト拘束部30-1の上底先端面30-12からボルト及びナットの同一軸心線Qの被締結部材35方向に、ボルト33及びネジ孔30-3のネジ山の約4ピッチの位置にあるため、第一のナット30のネジ孔30-3の円筒面がボルト及びナットの同一軸心線Qの方向Lに撓んで縮径する。従って、ボルト33のネジ山のフランク34-31(図7参照)と第一のナット30のネジ孔30-3のネジ山のフランク34-32(図8参照)との螺接面36の内、ボルト拘束部30-1の上底先端面30-12から約8つが完全に密着した状態になることによって、ネジ締結体形成前の螺接面36-1に存在した間隙が消失し、ネジ締結体形成後の螺接面36-2が生成され、弛緩しないネジ締結体が形成される。このようなネジ締結は、複数のネジ山のフランクの螺接面に欠陥なく、間隙が消失するため、フランク間の相対移動が不可能になるので、ネジ締結体は、ボルト及びナットの同一軸心線Qの方向の、熱膨張、振動、及び、力学的変形等によっても弛緩することがない(非特許文献2)。
ここで、図面を用いた説明を分かり易くするため、接点32が、第一のナット30のボルト拘束部30-1の上底先端面30-12からボルト及びナットの同一軸心線Qの被締結部材35方向に、ボルト33及びネジ孔30-3のネジ山の約4ピッチの位置として、ボルト33のネジ山のフランク34-31(図7参照)と第一のナット30のネジ孔30-3のネジ山のフランク34-32(図8参照)との螺接面36の約8つが完全に密着した状態である一例を用いた。しかし、上記接点32は、少なくとも0.50ピッチ以上の位置であればよく、上記螺接面36は、少なくとも2つが完全に密着した状態であればよい。
図7~10に示すように、本発明の一実施形態に係る、典型的な第一のナット30と第二のナット31から構成されるダブルナット式弛緩防止ナットは、理想的なネジ締結体を形成することができるが、第一のナット30及び第二のナット31の形状は、種々変形して使用することができる。以下、その代表例の一部を図11~15に示す。
図11は、図7に示すネジ締結体における第一のナット30の変形例で、縮径部に特徴がある。その平面模式図を(a)に、その断面模式図を(b)に示す。
第一のナット30のボルト拘束部30-1の縮径部が、ボルト拘束部30-1の円錐台側面状のボルト拘束部外周面30-111に凹設された角柱状溝30-132であることを特徴としている。このような第一のナット30によっても、図10に示したネジ締結体と同様の弛緩防止機構であり、優れた弛緩防止機能を発揮する。ここでは、角柱状の溝が円錐台側面状のボルト拘束部外周面30-111側に形成されているが、第一ナットのネジ孔30-3側に形成されてもよい。そして、形状及び数は限定されず、ボルト拘束部30-1の体積よりも溝の体積の方が大きくても構わない。
更に、図12に示すように、第一のナットのボルト拘束部に形成される縮径部は、第一のナットのボルト拘束部30-1を柱の形状に立設するような、ボルト及びナットの軸心線方向に貫設された空間30-133であってもよい。このような空間30-133によって形成される柱の形状をした第一のナットのボルト拘束部30-1がボルトを拘束し、図10に示すように、複数のネジ山のフランクの螺接面36-1の間隙が消失した螺接面36-2を生成するため、フランク間の相対移動が不可能になりネジ締結体の弛緩を防止することができる。
図13も、図7に示すネジ締結体における第一のナット30の変形例で、ボルト拘束部30-1の外周面に特徴がある。その平面模式図を(a)に、その断面模式図を(b)を示す。
第一のナット30のボルト拘束部30-1の縮径部が、ボルト拘束部30-1のボルト拘束部外周面に貫設されたスリット30-131であり、ボルト拘束部外周面が、十二角錐台側面状のボルト拘束部外周面30-112であることに特徴を有する。このような第一のナット30を用いると、ボルト拘束部30-1の十二角錐台側面状のボルト拘束部外周面30-112と圧接部31-1の先端面31-12との接点32を通る水平面Iは円周IIを描き、図10に示したネジ締結体と比較して、接点32が減少するが、同様の弛緩防止機構で、弛緩防止機能を発揮することができる。特にこの場合、図示していないが、スリットを十二角錐台の頂点の位置に形成することが好ましい。なお、ここでは、多角形の一例として十二角形を用いて説明したが、多角形であれば限定されるものではない。
図14は、図7に示すネジ締結体における第二のナット31の変形例で、圧接部31-1の圧接部内周面に特徴がある。その平面模式図を(a)に、その断面模式図を(b)に示す。
第二のナット31の圧接部31-1の圧接部内周面が、十二角柱側面状の圧接部内周面31-112であることに特徴がある。このような第二のナット31と、図8に示すボルト拘束部30-1を有する第一のナット30との組合せにおいても、ボルト拘束部30-1の円錐台側面状のボルト拘束部外周面30-111と圧接部31-1の先端面31-12との接点32を通る水平面Iは円周IIを描き、接点32が減少するが、同様の弛緩防止機構で、弛緩防止機能を発揮することができる。なお、ここでも、多角形の一例として十二角形を用いて説明したが、多角形であれば限定されるものではない。
図15は、図7に示すネジ締結体における第二のナット31の変形例で、圧接部31-1の先端面に特徴がある。その平面模式図を(a)に、その断面模式図を(b)に示す。
図7、9、及び、13に示す第二のナット31の圧接部先端面は、いずれも平坦な圧接部平坦面31-121であったが、圧接部先端面の摩耗を低減させるために、圧接部先端面をその先端部断面が略円弧状の圧接部先端面31-122とした。このような圧接部先端面の形状とすることによって、本発明の弛緩防止ナットの、弛緩防止機能を低下させることなく、反復使用回数を向上させることができる。また、ここには、略円弧状の圧接部先端面を一例として説明したが、その他、圧接部先端面の内側に曲率を有している形状及び圧接部先端面の内側に面取りされた形状等、第一のナットのボルト拘束部外周面との接触抵抗が削減される形状であれば限定されるものではない。
図16は、図7に示すネジ締結体における第二のナット31の変形例で、図7のボルト33を省略し、図7の第一のナット30と組み合わせた断面模式図である。圧接部内周面が、圧接部31-1の先端部側を上面とする円錐台側面状の圧接部内周面31-113であることを特徴としており、円柱側面状の圧接部内周面31-111よりも第一のナット30のボルト拘束部30-1のネジ孔30-3の円筒面が、ボルト及びナットの同一軸心線Qの方向へ撓んで縮径する押圧が働き易くなるという効果がある。
図示していないが、図16の変形例としては、第一のナットのボルト拘束部外周面が円錐台側面状であれば、第二のナットの圧接部内周面が圧接部の先端部側を底面とする円錐台側面状であって、第二のナットの円錐台側面と鉛直線との成す角が、第一のナットの円錐台側面と鉛直線との成す角よりも小さい円錐台側面状であってもよい。
図17は、図7に示すネジ締結体における、第一のナット30のボルト拘束部外周面及び第二のナット31の圧接部先端面の変形例で、図7のボルト33を省略した断面模式図である。第一のナット30は、ボルト拘束部30-1のボルト拘束部外周面が、ボルト及びナットと同一軸心線Qを中心とする膨脹部30-15を有する円柱側面状のボルト拘束部外周面30-113であることを特徴としている。一方、第二のナット31は、圧接部31-1の圧接部内周面が円柱側面状の圧接部内周面31-111であるが、圧接部31-1の先端面を、その先端部断面の一部を略円弧状とした圧接部先端面31-123であることに特徴がある。このような組み合わせは、ボルト拘束部30-1と圧接部31-1の接触面が共に略円弧状であるため、図14で示した第一のナット30と第二のナット31との組合せ以上に摩耗の低減を図ることが可能になり、反復使用回数を顕著に向上させることができる。
以上、本発明の弛緩防止ナットは、従来のネジに使用されている素材を利用できることは言うまでもない。普通鋼炭素鋼クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、ニッケルクロム鋼、マンガン銅鋼、マンガンクロム鋼、ステンレス鋼、及び、コルテン鋼等の合金鋼材、並びに、プラスチック黄銅、リン青銅、銅、アルミニウム、チタン、モネル、ハステロイ、インコネイル、及び、カーペンター等の非鉄材等を使用することができる。
特に、輸送機械、運搬機械、化学機械、精密機械、及び、工作機械等の各種産業機械、並びに、工場、橋梁、鉄塔、タンク等の各種建造物における軽量化においては、プラスチック材の中でも、エンジニアプラスチック、及び、無機/有機複合材を使用することが好ましい。特に、ガラスファイバー、カーボンファイバー、及び、セルロースナノファイバーを用いて強化された無機/有機複合材料が、熱的、化学的、力学的特性という観点から好ましい。
本発明の弛緩防止ナットは、輸送機械、運搬機械、化学機械、精密機械、及び、工作機械等の各種産業機械、並びに、工場、橋梁、鉄塔、タンク等の各種建造物における無数の接合・固定部のネジ締結体に利用できることは言うまでもない。更に、本発明の弛緩防止ナットの根本的なネジ締結機構は、第一のナット及び第二のナットを改造することによって、適用できる接合・固定部の範囲を飛躍的に拡大でき、産業上の利用可能性は極めて高いと考えられる。
1 緩み止めダブルナット
2 第一ナット
2-1 第一ナットのネジ孔
2-2 凸部
2-3 凸部の外周面
3 第二ナット
3-1 第二ナットのネジ孔
3-2 凹部
3-3 凹部の内周面
4 ネジ軸
4-1 ネジ山
5 被締結体
O 第二ナットのネジ孔軸心
P 凸部の外周面軸心
d 偏心量
6 上部ナット
6-1 上部ナット部
6-2 円環部
6-3 雄テーパ
6-4 内ネジ
6-5 水平方向の割り溝
6-6 縦割り溝
6-7 弾発突子
7 下部締付ナット
7-1 凹部
7-2 雌テーパ
8 ボルト
9 上ナット
9-1 突き当て凸部
9-2 端部
9-3 ネジ孔
9-4 先端外周角部
10 下ナット
10-1 テーパ透孔受け部
10-2 溝
11 締結体
11-1 係止突部
12 中間隙間位置
13 締結ボルト
14 被締結物
J 軸方向
K 軸直角方向
15 右ネジナット
16 環状段部
17 垂直押圧部
18 左ネジナット
19 環状凸部
20 傾斜押圧部
30 第一のナット
30-1 ボルト拘束部
30-11 ボルト拘束部外周面
30-111 円錐台側面状のボルト拘束部外周面
30-112 十二角錐台側面状のボルト拘束部外周面
30-113 膨脹部を備えた円柱側面状のボルト拘束部外周面
30-12 ボルト拘束部上底先端面
30-13 縮径部
30-131 スリット
30-132 角柱状溝
30-133 柱形成空間
30-14 ボルト拘束部下底外周部
30-15 ボルト拘束部膨脹部
30-2 被締結部材装着部
30-21 第一締付け部
30-3 第一ナットのネジ孔
31 第二のナット
31-1 圧接部
31-11 圧接部内周面
31-111 円柱側面状の圧接部内周面
31-112 十二角柱側面状の圧接部内周面
31-113 円錐台側面状の圧接部内周面
31-12 圧接部先端面
31-121 平坦な圧接部先端面
31-122 ボルト及びナットの同一軸心線方向のボルト及びナットの同一軸心線を通る断面が円弧状の圧接部先端面
31-123 ボルト及びナットの同一軸心線方向のボルト及びナットの同一軸心線を通る断面の一部が円弧状の圧接部先端面
31-13 第二締付け部
31-3 第二ナットのネジ孔
32 ボルト拘束部と圧接部との接点
33 ボルト
34 ネジ山
34-11 ボルトのネジ山の頂き
34-12 ナットのネジ山の頂き
34-21 ボルトのネジ溝
34-22 ナットのネジ溝
34-31 ボルトのネジ山のフランク
34-32 ナットのネジ山のフランク
35 被締結部材
36 ボルト拘束部のネジ山のフランクとボルトのネジ山のフランクとの螺接面
36-1 ネジ締結体形成前の螺接面
36-2 ネジ締結体形成後の螺接面
Q ボルト及びナットの同一軸心線
L 第一のナットのネジ孔の円筒面の縮径方向
I ボルト拘束部と圧接部との接点を通る水平面
II ボルト拘束部と圧接部との接点を通る水平面I上の円周

Claims (12)

  1. ボルト及びナットを用いて被締結部材が固定されるネジ締結体を形成するための、第一のナットと第二のナットから構成されるダブルナット式弛緩防止ナットであって、
    前記第一ナットは、普通鋼、炭素鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、ニッケルクロム鋼、マンガン銅鋼、マンガンクロム鋼、ステンレス鋼、コルテン鋼、モネル、ハステロイ、インコネイル、及び、カーペンターの中から選択されるいずれかの素材であり、前記ボルトと同一の軸心線のネジ孔、前記被締結部材と着接する装着部、前記ボルトに螺嵌するための第一締付け部、及び、前記ボルトのネジ山のフランクと前記第一のナットの前記ネジ孔のネジ山のフランクとが間隙のない螺接面を複数生成する縮径部が形成されて前記ボルトと同一の軸心線の外周面を有する凸状のボルト拘束部を備え、
    前記第二のナットは、普通鋼、炭素鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、ニッケルクロム鋼、マンガン銅鋼、マンガンクロム鋼、ステンレス鋼、コルテン鋼、モネル、ハステロイ、インコネイル、及び、カーペンターの中から選択されるいずれかの素材であり、前記ボルトと同一の軸心線のネジ孔、前記ボルトに螺嵌するための第二締付け部、及び、前記ボルト拘束部を押圧して前記ボルトのネジ山のフランクと前記第一のナットの前記ネジ孔のネジ山のフランクとが間隙のない螺接面を複数生成する前記ボルトと同一軸心線の内周面を有する凹状の圧接部を備え、
    前記縮径部が、前記ボルト拘束部が前記軸心線方向に変形するように、前記ボルト拘束部の前記外周面の所定の間隔の2本の法線を鉛直方向に通る面を備え、前記第二ナット側にのみ開口部がある前記軸心線方向の長さが等しい前記ネジ山のスリットであり、前記軸心線を線対称又は点対称の中心として3つ以上形成され、前記スリットの体積が前記ボルト拘束部の50%未満であり、
    前記間隙のない螺接面を少なくとも2つ以上生成するために、前記ボルト拘束部の前記外周面と、前記圧接部の前記内周面の先端部とが接触する接点の軸心線方向の位置が、前記ボルト拘束部の先端部から前記軸心線の前記装着部方向の前記ボルトの0.50ピッチ~4.00ピッチ間の前記ボルト拘束部の基端部側にあり、
    前記ボルト拘束部の前記外周面と前記圧接部の前記内周面とは前記接点の前記軸心線方向の位置以外の軸心線方向位置においては互いに離隔していることを特徴とするダブルナット式弛緩防止ナット。
  2. 前記ボルト拘束部の前記外周面の形状が、前記装着部側を底面とする略円錐台状側面の凸状であることを特徴とする請求項1に記載のダブルナット式弛緩防止ナット。
  3. 前記ボルト拘束部の前記外周面の形状が、前記装着部側を底面とする略多角錐台状側面の凸状であることを特徴とする請求項1に記載のダブルナット式弛緩防止ナット。
  4. 前記ボルト拘束部の前記外周面の形状が、前記ボルトと同一軸心線の膨脹部を有する略柱状側面の凸状であることを特徴とする請求項1~3に記載のダブルナット式弛緩防止ナット。
  5. 前記圧接部の前記内周面の形状が、略円柱状側面の凹状であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のダブルナット式弛緩防止ナット。
  6. 前記圧接部の前記内周面の形状が、前記圧接部の前記内周面の前記先端部側を底面とする略円錐台状側面の凹状であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のダブルナット式弛緩防止ナット。
  7. 前記圧接部の前記内周面の形状が、前記圧接部の前記内周面の前記先端部側を上面とする略円錐台状側面の凹状であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のダブルナット式弛緩防止ナット。
  8. 前記圧接部の前記内周面の形状が、略多角柱状側面の凹状であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のダブルナット式弛緩防止ナット。
  9. 前記圧接部の前記内周面の形状が、前記圧接部の前記内周面の前記先端部側を底面とする略多角錐台状側面の凹状であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のダブルナット式弛緩防止ナット。
  10. 前記圧接部の前記内周面の形状が、前記圧接部の前記内周面の前記先端部側を上面とする略多角錐台状側面の凹状であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のダブルナット式弛緩防止ナット。
  11. 前記ボルト及びナットの同一軸心線を含む前記ボルト及びナットの同一軸心線方向の前記第二のナットの前記圧接部の断面において、少なくとも前記圧接部の前記内周面の前記先端部の形状が略円弧状又は面取り状であることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のダブルナット式弛緩防止ナット。
  12. 前記第一のナットの前記装着部の前記被締結部材側にフランジが備えられていることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のダブルナット式弛緩防止ナット。
JP2020559580A 2019-11-30 2020-10-14 弛緩防止ナット Active JP7171980B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021084775A JP2021165587A (ja) 2019-11-30 2021-05-19 弛緩防止ナット

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JPPCT/JP2019/046927 2019-11-30
PCT/JP2019/046927 WO2021106228A1 (ja) 2019-11-30 2019-11-30 緩み止めナット
PCT/JP2020/038786 WO2021106409A1 (ja) 2019-11-30 2020-10-14 弛緩防止ナット

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021084775A Division JP2021165587A (ja) 2019-11-30 2021-05-19 弛緩防止ナット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021106409A1 JPWO2021106409A1 (ja) 2021-06-03
JP7171980B2 true JP7171980B2 (ja) 2022-11-16

Family

ID=76128828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020559580A Active JP7171980B2 (ja) 2019-11-30 2020-10-14 弛緩防止ナット

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7171980B2 (ja)
CN (1) CN115023557B (ja)
WO (2) WO2021106228A1 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6415513B2 (ja) 2006-08-22 2018-10-31 アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド 高可用性データを提供するためのシステム及び方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0814241A (ja) * 1994-07-01 1996-01-16 Shirakawa Neji Seisakusho:Kk 緩み止めナット
AU2002255291A1 (en) * 2002-05-01 2003-11-17 Fusao Yamada Locking fastener
JP2008038947A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Katsuhiro Ouchi ネジのロック機構
JP2009275727A (ja) * 2008-05-12 2009-11-26 Tetsuo Murayama 緩み止めロック装置
JP3168087U (ja) * 2011-03-07 2011-06-02 理研興業株式会社 ナットの緩み防止機構
JP2013185704A (ja) * 2012-03-05 2013-09-19 Tanaka Masae ロックナット
JP5360848B1 (ja) * 2012-12-27 2013-12-04 芳隆 秋野 ナットの緩み止め装置
JP5540275B1 (ja) * 2013-07-03 2014-07-02 有限会社Sgg研究所 緩み止めナットセットとその生産方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6415513B2 (ja) 2006-08-22 2018-10-31 アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド 高可用性データを提供するためのシステム及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN115023557B (zh) 2023-10-03
JPWO2021106409A1 (ja) 2021-06-03
CN115023557A (zh) 2022-09-06
WO2021106228A1 (ja) 2021-06-03
WO2021106409A1 (ja) 2021-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6698316B1 (en) Asymmetrical fastening system
JPWO2007144946A1 (ja) 固定具
JP2021165587A (ja) 弛緩防止ナット
JP7171980B2 (ja) 弛緩防止ナット
EP3382215B1 (en) Method for tightening a thread joint
JP2011033047A (ja) ロックナットおよびその締結構造
US7011481B2 (en) Securing nut including a nut body and straining ring
US20170292806A1 (en) Multiple Flange Crush Washer
JP2009161938A (ja) ねじ締め機構及びこのねじ締め機構を用いた建築用仮組金具
JP4286090B2 (ja) パイプの継手構造およびこれを用いたパイプの連結構造
WO2019082984A1 (ja) ブラインドボルト
JP2009275528A (ja) 軸継手及びこれを備えるポンプ装置
JP2007155105A (ja) 緩み止め付きナット及び緩み止め付きボルト
WO2016111313A1 (ja) 緩み止め機能を有するボルト
JP6684312B2 (ja) ゆるみ防止金属製雄ねじ
KR101766584B1 (ko) 쐐기 나사산을 이용한 체결구 및 쐐기 나사산
JP3018706U (ja) 弛み止めナット
JP2021156330A (ja) ブラインドファスナー
JP5599018B2 (ja) 緊結構造
JP7538545B2 (ja) ナット構造体
JP7411864B1 (ja) ねじ及びこれを用いた締結システム
JP7196358B1 (ja) グラウトレス化ネジ節ソケット継手
JP2004003585A (ja) 緩み止めボルト及びその製造方法
JP2023175593A (ja) 緩み止めナット
EP3884175B1 (en) Arrangement for securing a nut

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201020

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201020

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210205

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210413

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210519

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210519

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210528

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210601

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20210702

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20210706

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210727

C30 Protocol of an oral hearing

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C30

Effective date: 20211015

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20211102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211207

C27B Notice of submission of publications, etc. [third party observations]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C2714

Effective date: 20211228

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20220308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220315

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220426

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220531

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20220621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220624

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20220830

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20220927

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20220927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220927

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7171980

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150