JP4797172B2 - ねじ - Google Patents
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Description
本発明は、各種機械や構造物、器具等で部材間の締結に用いられるおねじとめねじとの組合わせからなるねじに関し、特に、可動であったり外部から振動を受けたりする部材の接合部に使用しても緩みや疲労破壊等を生じにくいねじに関する。
ねじは、螺旋状のねじ山を有して螺合するおねじとめねじとの組合わせにより構成されており、一般的に用いられる三角ねじの場合、ねじ面同士の摩擦力が大きく、強力な締付けが行える一方、一度締付けたものでも簡単な工具で容易に緩めて分解できるといった優れた特長を有している。ただし、強力に締付けたねじにおいても、長期にわたる締結使用中に、ねじに対し外力がその大きさを変動させつつ加わる場合は、おねじ又はめねじが緩み方向に回転する等してねじに緩みが生じ、この緩みが一旦発生すると、その部分を再度締直さない限り、その後の繰返しの外力によってねじに過大な応力が加わり、結果的にねじの破壊に至るという問題があった。
こうしたねじの緩みを防止するために、従来から様々な緩み止め方法や緩み止め構造が提案されてきたが、このうち最も構造が簡略なものとして、おねじとめねじにわずかなピッチの差を与えたタイプのねじが提案されている。このような従来のねじの例として、特開昭57−47016号公報、特開平8−135643号公報に記載されるものがある。
このような従来のねじは、おねじとめねじについてねじ込める程度の範囲でピッチを異ならせた状態とされており、具体的には、おねじのピッチよりもめねじのピッチがわずかに大きくなるように、又は逆の関係になるように形成される構成である。おねじとめねじを螺合させると、ピッチの相違により締付けに抵抗が生じるが、螺合可能な範囲であるため、工具を用いて強制的にねじ込みが行え、十分螺合させた状態では、おねじとめねじの圧接で強固な緩み止め効果を得られることとなる。
特開昭57−47016号公報
特開平8−135643号公報
従来のねじは前記各特許文献に示される構成となっており、めねじとおねじにピッチ寸法差を与えて緩み止め機能を発揮させられるものの、一般に、緩みは繰返し応力が加わるねじに発生するため、ねじには緩み防止機能と同時に、耐疲労性を備えておく必要があり、上記従来のねじのような単なる緩み防止機能のみ有するものでは、耐疲労性の点で十分とは言えず、実用性に乏しいという課題を有していた。
また、ピッチの異なるおねじとめねじを螺合させる場合、仮に同じ硬さ同士であれば、螺合時にかじり付き等でおねじ側に傷が付きやすく、締結使用中にこのおねじに付いた傷を起点とした疲労破壊が発生する危険性がある。さらに、ある期間締結使用した後に、締結状態にあるねじを工具で緩めて分解しようとする際、かじり付きにより緩まない場合があり、緩み方向へ無理に回す状態となって作業途中でおねじをねじ切る事態も起りやすいという課題を有していた。加えて、螺合状態にあるおねじとめねじの実際に接触している面積が小さくなる、いわゆる片当りの状態が、おねじとめねじが同じ硬さ同士の場合には顕著となり、耐疲労性が低下する危険性も高いという課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、おねじとめねじとの螺合関係を適切に与え、簡略且つ低コストで緩み防止性能を発揮できると共に、耐疲労性にも優れるねじを提供することを目的とする。
本発明に係るねじは、螺合状態での緩み止めのために、螺合させるおねじとめねじとの間に螺合可能な範囲でピッチ差を設定されるねじにおいて、当該ねじは、外部から繰返しの変動応力が加わるものであり、前記おねじとめねじのピッチ差は、両者のねじ山の弾性変形により締付けに対応できる範囲であり、且つ、前記おねじ及びめねじの螺合する範囲の一部又は全部で、めねじのピッチpiが、おねじのピッチpbに対し、螺合するねじ山数をnとして、0.03≦(pi−pb)n/pb≦0.3を満たす状態でより大きく形成され、また、前記おねじが、前記めねじの硬さ又は引張り強さを上回る硬さ又は引張り強さを備える所定の材質で形成され、めねじ側とおねじ側との硬度差又は引張り強さの差は、めねじ側がおねじ側に対し20〜40%程度小さくなり、且つ、前記おねじのピッチp b 、めねじのピッチp i 、おねじのビッカース硬さHv b 、及びめねじのビッカース硬さHv i の関係が、(p i −p b )n/p b =α(Hv b −Hv i )/Hv b (ただし、0.1≦α≦1)を満たすものである。
このように本発明によれば、おねじとめねじのピッチ差を、螺合部位におけるピッチ差合計のおねじピッチに対する割合が3〜30%となるように設定しつつ、めねじのピッチをおねじのピッチより大きくし、螺合状態でおねじのねじ山の間隔を広げようとする力とこれに対する抵抗力に基づくおねじとめねじ間の摩擦力を適度に生じさせ、螺合、締付けを可能としつつ緩み方向への大きな抵抗を付与することにより、ねじに外部から変動応力が加わっても確実に緩み止め性能が得られ、長期の締結使用期間中における外力による緩みの発生を抑えられ、緩みに伴うトラブルを防止できる。また、ねじの疲労破壊の一番の原因である繰返しの変動応力が加わる場合でも、おねじのピッチがめねじのピッチよりも小さいことから、おねじのねじ谷底に生じる応力が圧縮力となり、通常引張り力としておねじに作用する外部応力が加わると、圧縮と引張りの各応力が大部分相殺されることとなり、外部応力の影響を大幅に抑えられ、耐疲労性も大きく向上して、繰返し応力が加わるねじに強く求められる耐弛緩性と耐疲労性の両方を兼ね備えることができる。
また、おねじがめねじより硬さ大、又は引張り強さ大とされ、めねじをおねじに対しより軟質とすることにより、ピッチの異なるおねじとめねじを螺合させた場合に、より破壊が発生しやすいおねじ側に傷が付くことはなく、締結使用中におねじの傷を起点とする疲労破壊の発生を抑えられると共に、めねじ側の材質が軟らかいことで螺合時のかじり付きが起りにくく、使用後にねじを緩めて分解する際も確実に緩めて分解できる。さらに、ピッチ差による両ねじ山の弾性変形で緩みに対する抵抗を得るだけでなく、より軟質であるめねじ側の一部塑性変形も利用できることとなり、緩み防止性能を高められると共に、螺合状態での接触面積を確保でき、ねじの実際に接触している面積が小さくなる片当りを緩和させられ、疲労特性を向上させることができる。
さらに、おねじとめねじの各ピッチの関係を所定範囲に規定することに加え、おねじとめねじのピッチと各硬さとの関係を所定の範囲に規定し、おねじとめねじのピッチ差に適合させておねじとめねじ間に材質の差異を与えることにより、ピッチ差に伴うねじ山の変形をおねじより所定割合で軟質としためねじ側に吸収させ、変形を無理のない程度にとどめられることとなり、適切な締結強度を確保しつつ、緩みや疲労破壊の生じない実用性に優れるねじとすることができる。
10 ボルト
11 ねじ部
20 ナット
pb、pi ピッチ
11 ねじ部
20 ナット
pb、pi ピッチ
以下、本発明の一実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係るねじをなすボルトとナットの螺合状態説明図、図2は図1におけるボルトとナットの各内部で発生する応力の説明図である。
前記各図において本実施の形態に係るねじは、ねじ部11に所定のピッチpbでねじ山を形成される前記おねじとしてのボルト10と、このボルト10より大きな所定ピッチpiでねじ山を形成されてなる前記めねじとしてのナット20とを備える構成である。前記ナット20のピッチpiは、ボルト10のピッチpbに対し、螺合するねじ山数をnとして、下式
0.03≦(pi−pb)n/pb≦0.3
を満たすものとなっている。
前記各図において本実施の形態に係るねじは、ねじ部11に所定のピッチpbでねじ山を形成される前記おねじとしてのボルト10と、このボルト10より大きな所定ピッチpiでねじ山を形成されてなる前記めねじとしてのナット20とを備える構成である。前記ナット20のピッチpiは、ボルト10のピッチpbに対し、螺合するねじ山数をnとして、下式
0.03≦(pi−pb)n/pb≦0.3
を満たすものとなっている。
また、前記ボルト10とナット20の各材質については、おねじであるボルト10のビッカース硬さHvb又は引張り強さσBbを、めねじであるナット20のビッカース硬さHvi又は引張り強さσBiよりも大きくするような材質の組合わせを用いる。
ここで、めねじ側とおねじ側との硬度差または引張り強さの差は、めねじ側がおねじ側に対し20〜40%程度小さいことが望ましいが、ピッチ差と硬さの差との間には、硬さの差が大きくなるとピッチ差も大きく許容できるなど、一定の関係があり、両者の関係は以下のような式で表される。
(pi−pb)n/pb=α(Hvb−Hvi)/Hvb
ここで、αは、ねじの種類および材質によって決まる定数であり、αは0.1〜1の範囲となる。
ここで、めねじ側とおねじ側との硬度差または引張り強さの差は、めねじ側がおねじ側に対し20〜40%程度小さいことが望ましいが、ピッチ差と硬さの差との間には、硬さの差が大きくなるとピッチ差も大きく許容できるなど、一定の関係があり、両者の関係は以下のような式で表される。
(pi−pb)n/pb=α(Hvb−Hvi)/Hvb
ここで、αは、ねじの種類および材質によって決まる定数であり、αは0.1〜1の範囲となる。
次に、本実施の形態に係るねじの螺合状態について説明する。ボルト10に対しナット20を螺合させる際、両者のピッチが異なるので、抵抗が発生するものの、ピッチ差は小さく、両者のねじ山の弾性変形により対応できる範囲であるので、簡単な工具を使用すれば、容易に締付けを進めることができる。
一般にボルトとナットとのピッチが異なるものを螺合させようとした場合、両者のピッチ差によってはねじ山間でかじり付きが発生する危険性があるが、ねじをなすボルト10とナット20に適切なピッチ差を与えると共に、ナット20の材質をより軟質材にしていることで、ナット20のめねじ山の方が変形を吸収する状態となり、無理なかじり付きを防止できる。
一般にボルトとナットとのピッチが異なるものを螺合させようとした場合、両者のピッチ差によってはねじ山間でかじり付きが発生する危険性があるが、ねじをなすボルト10とナット20に適切なピッチ差を与えると共に、ナット20の材質をより軟質材にしていることで、ナット20のめねじ山の方が変形を吸収する状態となり、無理なかじり付きを防止できる。
最終的に所定位置での締付けを完了したナット20の内部では、めねじ山側から見れば、おねじ山のピッチをめねじ山のピッチに近づけようとする力、すなわち、ナット20の内部でその厚さ方向の中心部を境にして、おねじ山を押し広げようとする力(図2中、白抜き矢印で示す)が働く状態となっている。一方、ボルト10のおねじ山側から見ると、おねじ山を広げる変形に対する抵抗が発生し、結果的にこの抵抗がおねじ山とめねじ山との間に大きな摩擦力となって、ねじ全体に緩みにくい状態を与える。このため、ねじに変動応力が加わっても、緩みは発生しない。
通常のボルトとナットの組合わせでは、締結使用中におけるボルトのねじ谷底では引張応力が発生する一方、ナット側では圧縮応力が発生する。ねじ谷底径は、ボルト側よりもナット側の方が大きいことから、一般にボルト側から破壊が発生しやすい。さらに、ボルトが疲労破壊する場合には、一般に、引張応力によって、螺合するナット端面側から破壊が起こる。
本実施の形態に係るねじでは、ボルト10のピッチpbがナット20のピッチpiよりも小さいため、ナット20の押付け力に伴って、ボルト10のナット端面側におけるねじ谷底(図2中、A部)の応力が圧縮となり、締結状態のボルト10に加わる引張力Fbにより引張りの変動応力が生じても、ボルト10における疲労破壊の起点となりやすいナット端面側でこの圧縮応力と引張応力とが打消し合う状態を得られ、これにより変動応力に対する抵抗を高められる。これに加えて、めねじ山側をより軟質材にしていることで、めねじ山とおねじ山との接触面積を確保して片当りを緩和できることとなり、総合的にねじの耐疲労特性を向上させた状態が得られる。
このように、本実施の形態に係るねじにおいては、ボルト10とナット20のピッチ差を適切に設定してナット20のピッチをボルト10のピッチより大きくしていることから、螺合状態でピッチ差に基づいてボルト10とナット20間の摩擦力を適度に生じさせ、緩み方向への大きな抵抗を付与できることとなり、確実に緩み止め性能が得られる。また、ねじの疲労破壊の一番の原因である繰返しの変動応力が加わる場合でも、ボルト10のピッチがナット20のピッチよりも小さい分、ボルト10に作用する外部応力が相殺される上、ナット20をボルト10に対しより軟質としており、ナット20側での変形で螺合状態での接触面積を確保して片当りを緩和させられ、耐疲労性も大きく向上して、繰返し応力が加わるねじに強く求められる耐弛緩性と耐疲労性の両方を兼ね備えることができる。
なお、前記実施の形態に係るねじは、おねじとめねじの構造をボルト10とナット20の組合せに適用する構成としているが、これに限らず、ナット20を使用せず直接締結対象物の一方にボルトを螺合させる埋込みボルトや、両ねじの植込みボルト(スタッドボルト)等にも適用でき、前記実施形態同様に耐弛緩性と耐疲労性の両方を向上させられる。
本発明に係るねじの構造を適用したボルト及びナットの組合わせについて、締結状態で疲労試験を実施し、ねじの疲労強度及び耐弛緩性に関して得られた評価結果を説明する。
試験対象は、本発明のねじの構造を適用したM16ボルトと同ナットの組合わせである。前記ボルトは、材料がSCM435、引張強さσBは950MPa、ボルトのピッチpbは2.003mmとなっている。また、ナットは、材質がSCM435、引張強さσBは760MPa(上記ボルトと鋼種は同じではあるが、焼き戻し温度を変えることで、引張強さを変えている)、ナットのピッチpiは2.013mmとなっている。
試験対象は、本発明のねじの構造を適用したM16ボルトと同ナットの組合わせである。前記ボルトは、材料がSCM435、引張強さσBは950MPa、ボルトのピッチpbは2.003mmとなっている。また、ナットは、材質がSCM435、引張強さσBは760MPa(上記ボルトと鋼種は同じではあるが、焼き戻し温度を変えることで、引張強さを変えている)、ナットのピッチpiは2.013mmとなっている。
ここで、ボルトのピッチpbに対するナットのピッチpiの関係をあらわす一つの値である、螺合部位におけるピッチ差合計のおねじピッチに対する割合は、螺合するねじ山数n=8の場合、
(pi−pb)n/pb=(2.013−2.003)・8/2.003
=0.03994
より、下式
0.03≦(pi−pb)n/pb≦0.3
を満たすこととなり、ボルトとナットのピッチ差が適切に与えられていることがわかる。
(pi−pb)n/pb=(2.013−2.003)・8/2.003
=0.03994
より、下式
0.03≦(pi−pb)n/pb≦0.3
を満たすこととなり、ボルトとナットのピッチ差が適切に与えられていることがわかる。
また、ピッチ差と硬さの差を規定する式は、下式
(pi−pb)n/pb=α(Hvb−Hvi)/Hvb (α=0.1〜1)
であり、螺合するねじ山数n=8の場合、左辺=(2.013−2.003)×8/2.013=0.0399 となり、右辺=α・(317-253)/317=0.200αとなる。αは0.1995であり、上記範囲に含まれていることがわかる。
(pi−pb)n/pb=α(Hvb−Hvi)/Hvb (α=0.1〜1)
であり、螺合するねじ山数n=8の場合、左辺=(2.013−2.003)×8/2.013=0.0399 となり、右辺=α・(317-253)/317=0.200αとなる。αは0.1995であり、上記範囲に含まれていることがわかる。
これらボルトおよびナットを治具に締結し、トルクレンチを用いて実環境と同じ程度と考えられる締付トルク15N-mを加えた後、疲労試験を行い、ねじ締結体の疲労強度評価および同時に耐弛緩性評価を行った。疲労試験機は、島津サーボパルサー(EHF10)であり、試験は平均応力230MPa、繰返し速度は10Hzとして行い、2×106回繰返し時間強度を、ねじの疲労限と定義した。
試験の結果、ねじの疲労限として得られた強度値は110MPaとなり、一般的な二重ねじボルトの場合における疲労限を示す強度値(100MPa)よりも若干高い結果となっている。なお、多くの緩み止め機能付ねじに用いられているねじ部機械加工ボルトの疲労限は、強度値50MPaであり、転造加工により得られる本発明に係るねじの方がより優れた疲労限を示すことがわかる。また、変動応力が繰返し加わった上記試験を経たねじにおいて、緩みは認められなかったことから、耐弛緩性にも優れていることは明らかである。
以上により、本発明に係るねじは、おねじとめねじのピッチ及び硬さの差を適切な範囲で与える構成とすることで、締結状態において繰返し変動応力が加わるような状況でも、緩みや疲労破壊等を発生させず確実に締付けた状態を維持することができ、極めて優れた耐弛緩性並びに耐疲労性を備えていることが確認できた。
本発明のねじは、おねじとめねじとの螺合関係を適切に与えることで、簡略且つ低コストで緩み防止性能を発揮できると共に、耐疲労性にも優れており、耐弛緩性と耐疲労性の両方を兼ね備えるねじとして繰返し応力が加わる箇所にも適用でき、産業上極めて有用である。
Claims (1)
- 螺合状態での緩み止めのために、螺合させるおねじとめねじとの間に螺合可能な範囲でピッチ差を設定されるねじにおいて、
当該ねじは、外部から繰返しの変動応力が加わるものであり、
前記おねじとめねじのピッチ差は、両者のねじ山の弾性変形により締付けに対応できる範囲であり、且つ、
前記おねじ及びめねじの螺合する範囲の一部又は全部で、めねじのピッチpiが、おねじのピッチpbに対し、螺合するねじ山数をnとして、下式
0.03≦(pi−pb)n/pb≦0.3
を満たす状態でより大きく形成され、
また、前記おねじが、前記めねじの硬さ又は引張り強さを上回る硬さ又は引張り強さを備える所定の材質で形成され、めねじ側とおねじ側との硬度差又は引張り強さの差は、めねじ側がおねじ側に対し20〜40%程度小さくなり、且つ、
前記おねじのピッチp b 、めねじのピッチp i 、おねじのビッカース硬さHv b 、及びめねじのビッカース硬さHv i の関係が、下式
(p i −p b )n/p b =α(Hv b −Hv i )/Hv b (ただし、0.1≦α≦1)
を満たすことを
特徴とするねじ。
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- 2005-03-23 WO PCT/JP2005/005256 patent/WO2006100766A1/ja not_active Application Discontinuation
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