図1は、本発明の位置検出装置が適用されるエレベータの一例を示した概念図である。図1のエレベータでは、綱車103に架けられた主ロープ104の両端にかご101及び釣合い重り102がそれぞれ連結されており、電動機105の動力で綱車103が回転することにより、かご101が、釣合い重り102と釣り合った状態で昇降路R内を上下に移動する。又、昇降路R内には、かご101をガイドするガイドレール106(図2参照)が設けられている。尚、本実施形態では、昇降路Rは、かご101が移動する経路として規定されているが、昇降路Rには、釣合い重り102が移動する経路が含まれていてもよい。又、昇降路Rには、釣合い重り102をガイドするガイドレール(不図示)等が設けられていてもよい。
そして、エレベータの制御は制御部108で実行される。具体的には、電動機105の回転に応じてロータリエンコーダ109がパルスを出力し、制御部108は、出力されるパルスをカウントし、得られるカウント値に基づいて、かご101の位置や速度を制御する。更に、制御部108は、本発明の位置検出装置が出力する検出結果に基づいて、かご101の動作を制御する。
尚、本発明の位置検出装置は、図1に示されたエレベータに限らず、種々のエレベータに適用することができる。例えば、かご101に動力を伝える手段として主ロープ104を用いたものに限らず、電磁力等でかご101に動力を伝えるもの等、種々のエレベータに、本発明の位置検出装置を適用することができる。又、鉛直方向にかご101が移動するものに限らず、水平方向にかご101が移動するエレベータにも、本発明の位置検出装置を適用することができる。この場合、特許請求の範囲に記載の昇降路は、水平方向に移動するかご101の経路に相当することになる。
以下、本発明に係る位置検出装置の実施形態について、具体的に説明する。
[1]第1実施形態
[1−1]位置検出装置の構成
図2は、第1実施形態に係る位置検出装置を概念的に示した斜視図である。図2に示される様に、位置検出装置は、第1被検知部11と、第2被検知部12と、一対の第1検知部21A及び21Bと、第2検知部22と、を備える。
第1被検知部11及び第2被検知部12は、昇降路R内に設置される2種類の被検知部であって、昇降路R内を移動するかご101の移動方向D1において異なる箇所に配される。本実施形態では、第1被検知部11は、昇降路R内においてかご101が停止する停止階(図1参照)に配され、第2被検知部12は、昇降路R内においてかご101が停止しない不停止ゾーン(図1参照)に配される。
より具体的には、第1被検知部11は、磁性体から形成されたプレートであり、支持部材201を介してガイドレール106に固定される。又、第2被検知部12は、非磁性体から形成されたプレートであり、支持部材202を介してガイドレール106に固定される。更に、第1被検知部11及び第2被検知部12は何れも、移動方向D1に延びた一本の仮想直線L1上に配される。
尚、第2被検知部12は、不停止ゾーンであれば、階床が存在している箇所に限らず、階床がない箇所に設けられてもよい。又、第1被検知部11及び第2被検知部12の各々は、昇降路R内の一箇所に設置される場合に限らず、移動方向D1において異なる複数箇所に設けられてもよい。例えば、複数の停止階の全てに第1被検知部11を設置することが好ましい。更に、不停止ゾーン内には、複数箇所に第2被検知部12を設けることができる。
第1検知部21A及び21Bは、かご101に設置される検知部であり、移動方向D1において互いに離間して配される(図2参照)。具体的には、第1検知部21A及び21Bは、かご101が移動する過程で第1被検知部11及び第2被検知部12の何れとも近接する位置に配される。即ち、第1検知部21A及び21Bは、上述した仮想直線L1に近接した位置に配される。
第1検知部21A及び21Bは何れも、第1被検知部11及び第2被検知部12を検知することが可能である。本実施形態では、第1検知部21A及び21Bは何れも、近接センサである透過型の光学センサである。光学センサは、互いに対向配置された投光部及び受光部(不図示)を有し、投光部から受光部へ向かう光が遮断されたとき、それらの間に存在する遮光体を検知する。そして、第1検知部21A及び21Bは何れも、第1被検知部11(又は、第2被検知部12)に近接したときに投光部と受光部との間に第1被検知部11(又は、第2被検知部12)が位置する様に配される。
尚、第1検知部21A及び21Bは、反射型の光学センサであってもよい。又、第1検知部21A及び21Bには、第1被検知部11及び第2被検知部12の何れをも検知することができるものであれば、光学センサに限定されない種々のセンサを用いることができる。更に、第1検知部21A及び21Bには、近接センサに限らず、リミットスイッチ等の接触式センサが用いられてもよい。
第2検知部22は、かご101に設置される検知部であり、移動方向D1において一対の第1検知部21A及び21Bの間に配される(図2参照)。具体的には、第2検知部22は、第1検知部21A及び21Bと同様、かご101が移動する過程で第1被検知部11及び第2被検知部12の何れとも近接する位置に配される。即ち、第2検知部22は、上述した仮想直線L1に近接した位置に配される。
第2検知部22は、第1被検知部11を検知することが可能である一方で、第2被検知部12を検知しない。本実施形態では、第2検知部22は、近接センサである磁気センサである。磁気センサは、コの字状のコア(不図示)を有し、当該コアの両端間に生じる磁界の変化を検知することで、その両端間に磁性体が存在するか否かを検知する。そして、第2検知部22は、第1被検知部11(又は、第2被検知部12)に近接したときにコアの両端間に第1被検知部11(又は、第2被検知部12)が位置する様に配される。
上述した様に、本実施形態では、磁性体から形成されたプレートが第1被検知部11に用いられ、非磁性体から形成されたプレートが第2被検知部12に用いられる。よって、磁気センサである第2検知部22は、第1被検知部11に近接したときには当該第1被検知部11を検知し、その一方で、第2被検知部12に近接したときには当該第2被検知部12を検知しない。
尚、第2検知部22には、外部磁界の作用で開閉するリードスイッチを用いることができる。この場合、第2被検知部12には、リードスイッチに作用させる外部磁界を生じる永久磁石が用いられる。又、第2検知部22には、第1被検知部11と第2被検知部12とを区別して検知することができるものであれば、磁気センサに限定されない種々のセンサを用いることができる。
エレベータには、移動方向D1におけるかご101の位置を表す区間として、様々な区間が設定されている。本実施形態では、所定区間S0a及びS0bが設定されると共に、所定区間S0a内に第1特定区間S1a及び第2特定区間S2aが設定され、所定区間S0b内に特定区間S2bが設定されている(図3及び図4参照)。
所定区間S0aは、第1被検知部11の設置箇所に設定された区間であり、後述する様に、第1検知部21A及び21Bの少なくとも何れか一方が第1被検知部11を検知する区間である。従って、所定区間S0aの長さは、第1被検知部11である磁性体のプレートの長さ(移動方向D1における長さ)で規定される。本実施形態では、所定区間S0aは、停止階において、その階床に近づいたことを表す区間である。
所定区間S0bは、第2被検知部12の設置箇所に設定された区間であり、後述する様に、第1検知部21A及び21Bの少なくとも何れか一方が第2被検知部12を検知する区間である。従って、所定区間S0bの長さは、第2被検知部12である非磁性体のプレートの長さ(移動方向D1における長さ)で規定される。本実施形態では、所定区間S0bは、不停止ゾーンにおいて、第2被検知部12の設置箇所に近づいたことを表す区間である。尚、所定区間S0bは、所定区間S0aと長さが同じであってもよいし、所定区間S0aと長さが異なっていてもよい。即ち、第1被検知部11及び第2被検知部12は、プレートの長さが同じものであってもよいし、プレートの長さが異なるものであってもよい。
第1特定区間S1aは、第1被検知部11の設置箇所において、所定区間S0a内に設けられた区間である。本実施形態では、第1特定区間S1aは、停止階において、かご101の床面と停止階の床面とが一致しているとは認めることができないものの、かごドアに連動させて乗場ドアを開くことのできる区間(かご101のドア開閉可能区間)である。このドア開閉可能区間では、非常時において、かごドアに連動させて乗場ドアを開くことにより、かご101外への搭乗者の脱出が可能となり、かご101内に搭乗者が閉じ込められることを防止することができる。尚、第1特定区間S1aは、所定区間S0a内に設けられた区間であれば、かご101のドア開閉可能区間に限らず、エレベータをどのように制御するのか(即ち、制御方法の態様)に応じて適宜変更することができる。
第2特定区間S2aは、第1被検知部11の設置箇所において、第1特定区間S1a内に設けられた区間である。本実施形態では、第2特定区間S2aは、停止階において、かご101の床面と停止階の床面とが一致していると認めることのできる区間である。より具体的には、第2特定区間S2aは、かご101の床面と停止階の床面と間に段差が殆ど生じない区間(かご101の停止位置となる着床区間)である。尚、第2特定区間S2aは、第1特定区間S1a内の区間であれば、かご101の着床区間に限らず、エレベータをどのように制御するのか(即ち、制御方法の態様)に応じて適宜変更することができる。
これらの区間に対して、第1被検知部11、第2被検知部12、一対の第1検知部21A及び21B、並びに第2検知部22は、以下の様な検知が可能となる様に配される。
図3は、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)における各種検知部の検知状態を、かご101の位置及び各種区間との関係で示した図である。図3に示される様に、かご101の位置が所定区間S0a内であるとき、第1検知部21A及び21Bのうちの少なくとも何れか一方が、第1被検知部11を検知して(即ち、オン状態となって)検知信号を出力する。又、かご101の位置が第1特定区間S1a内であるとき、第1検知部21A及び21Bのうちの少なくとも何れか一方と第2検知部22とが、第1被検知部11を検知して(即ち、オン状態となって)検知信号を出力する。更に、かご101の位置が第2特定区間S2a内であるとき、第1検知部21A及び21B並びに第2検知部22の何れもが、第1被検知部11を検知して(即ち、オン状態となって)検知信号を出力する。
これにより、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)における次の様な検知が可能となる。先ず、かご101が降下する場合(図3において、かご101の位置が左から右へ移動する場合)について説明する。かご101が降下しながら、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)に近づき、かご101の位置が所定区間S0a(具体的には、所定区間S0aの上端位置(図3では左端位置))に到達したとき、第1検知部21Aがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21B及び第2検知部22は何れもオフ状態のままである。そして、かご101が更に降下し、かご101の位置が第1特定区間S1a(具体的には、第1特定区間S1aの上端位置(図3では左端位置))に到達したとき、第1検知部21Aに加えて第2検知部22がオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21Bは未だオフ状態のままである。その後、かご101が更に降下し、かご101の位置が第2特定区間S2a(具体的には、第2特定区間S2aの上端位置(図3では左端位置))に到達したとき、第1検知部21A及び第2検知部22に加えて第1検知部21Bがオン状態となって検知信号を出力する。
次に、かご101が上昇する場合(図3において、かご101の位置が右から左へ移動する場合)について説明する。かご101が上昇しながら、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)に近づき、かご101の位置が所定区間S0a(具体的には、所定区間S0aの下端位置(図3では右端位置))に到達したとき、第1検知部21Bがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21A及び第2検知部22は何れもオフ状態のままである。そして、かご101が更に上昇し、かご101の位置が第1特定区間S1a(具体的には、第1特定区間S1aの下端位置(図3では右端位置))に到達したとき、第1検知部21Bに加えて第2検知部22がオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21Aは未だオフ状態のままである。その後、かご101が更に上昇し、かご101の位置が第2特定区間S2a(具体的には、第2特定区間S2aの下端位置(図3では右端位置))に到達したとき、第1検知部21B及び第2検知部22に加えて第1検知部21Aがオン状態となって検知信号を出力する。
図4は、第2被検知部12の設置箇所(本実施形態では、不停止ゾーン)における各種検知部の検知状態を、かご101の位置及び各種区間との関係で示した図である。図4に示される様に、かご101の位置が所定区間S0b内であるとき、第1検知部21A及び21Bのうちの少なくとも何れか一方が第2被検知部12を検知する一方で、当該所定区間S0b内では、第2検知部22は第2被検知部12を検知しない。
これにより、第2被検知部12の設置箇所(本実施形態では、不停止ゾーン)における次の様な検知が可能になる。先ず、かご101が降下する場合(図4において、かご101の位置が左から右へ移動する場合)について説明する。かご101が降下しながら、第2被検知部12の設置箇所に近づき、かご101の位置が所定区間S0b(具体的には、所定区間S0bの上端位置(図4では左端位置))に到達したとき、第1検知部21Aがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21B及び第2検知部22はオフ状態のままである。そして、第2被検知部12の設置箇所では、かご101が更に降下し、第2検知部22が第2被検知部12に近接した場合であっても、第2検知部22はオフ状態のままである。
その後、かご101が更に降下し、かご101の位置が特定区間S2b(具体的には、特定区間S2bの上端位置(図4では左端位置))に到達したとき、第1検知部21Aに加えて第1検知部21Bがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第2検知部22はオフ状態のままである。
次に、かご101が上昇する場合(図3において、かご101の位置が右から左へ移動する場合)について説明する。かご101が上昇しながら、第2被検知部12の設置箇所に近づき、かご101の位置が所定区間S0b(具体的には、所定区間S0bの下端位置(図4では右端位置))に到達したとき、第1検知部21Bがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21B及び第2検知部22はオフ状態のままである。そして、第2被検知部12の設置箇所では、かご101が更に上昇し、第2検知部22が第2被検知部12に近接した場合であっても、第2検知部22はオフ状態のままである。
その後、かご101が更に上昇し、かご101の位置が特定区間S2b(具体的には、特定区間S2bの下端位置(図4では右端位置))に到達したとき、第1検知部21Bに加えて第1検知部21Aがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第2検知部22はオフ状態のままである。
この様に、本実施形態の位置検出装置によれば、昇降路R内における2種類の異なる箇所に被検知部が1つずつ設けられた簡易な構成(本実施形態では、停止階に第1被検知部11、不停止ゾーンに第2被検知部12が設けられた構成)であるにも拘わらず、当該2種類の異なる箇所を区別して検出することが可能になる。
即ち、第2被検知部12の設置箇所(本実施形態では、不停止ゾーン)では、第1検知部21A及び21Bが検知信号を出力する一方で、第2検知部22が検知信号を出力しないので、そのことを以て、第2被検知部12の設置箇所にかご101が到達したことを認識することができる。一方、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)では、第1検知部21A及び21Bが検知信号を出力すると共に、第2検知部22が検知信号を出力するので、そのことを以て、第1被検知部11の設置箇所にかご101が到達したことを認識することができる。
又、2種類の異なる箇所において、第1検知部21A及び21Bによる第1被検知部11及び第2被検知部12の共通検知が可能になる。具体的には、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)及び第2被検知部12の設置箇所(本実施形態では、不停止ゾーン)の何れにおいても、第1検知部21A及び21Bの各々が検知信号を出力するので、そのことを以て、第1被検知部11の設置箇所又は第2被検知部12の設定箇所に到達したことを認識することができる。より具体的には、所定区間S0a又はS0bに到達したことの認識を可能にする共通検知や、第2特定区間S2a又は特定区間S2bに到達したことの認識を可能にする共通検知が可能になる。
従って、本実施形態の位置検出装置によれば、第1検知部21A及び21Bによる第1被検知部11及び第2被検知部12の共通検知と、第2検知部22による第1被検知部11と第2被検知部12との判別と、が可能になる。よって、第1検知部21A及び21Bの検知信号に基づいて、第1被検知部11及び第2被検知部12のそれぞれの設定箇所(本実施形態では、停止階と不停止ゾーン)において、共通の制御(例えば、後述する補正処理等)を実行することができる。又、第2検知部22の検知信号に基づいて、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)では、かご101に対する停止処理やかごドア等の開閉処理等の制御を実行することができる。一方、第2被検知部12の設置箇所(本実施形態では、不停止ゾーン)では、第2検知部22からは検知信号が出力されることがないため、当該検知信号が制御部108に入力されることがない。従って、第2被検知部12の設置箇所では、第1被検知部11の設定箇所で実行されるべき制御(かご101に対する停止処理やかごドア等の開閉処理等)が誤って実行されてしまうことがない。
[1−2]エレベータの制御
上述した様に、位置検出装置により、昇降路R内における2種類の異なる箇所(本実施形態では、停止階と不停止ゾーン)を区別して検出することが可能になることで、次の様なエレベータの制御が実現される。即ち、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)及び第2被検知部12の設置箇所(本実施形態では、不停止ゾーン)の何れにおいても、パルスのカウント値に対する補正処理を行いつつ、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)でのみ、かご101に対する停止処理等を行うことが可能になる。
以下、エレベータの制御を、第1被検知部11の設置箇所での制御(本実施形態では、停止階での制御)と、第2被検知部12の設置箇所での制御(本実施形態では、不停止ゾーンでの制御)と、に分けて、それぞれについて具体的に説明する。
<停止階での制御>
図5は、停止階でのエレベータの制御を示したフローチャートである。尚、図5では、かご101の降下時におけるエレベータの制御が示されている。かご101が降下しながら停止階に近づくと、制御部108は、第1検知部21Aが検知信号を出力したか否かを判断する(図5のステップS11)。そして、制御部108は、第1検知部21Aが検知信号を出力したと判断したとき、パルスのカウント値に対する補正処理を実行する(図5のステップS12)。
カウント値に対する補正処理では、制御部108は、第1検知部21Aの検知位置(第1検知部21Aがオフ状態からオン状態に切り替わる位置。降下時には、所定区間S0aの上端位置)でのカウント値を強制的に初期値に置き換える。そして、第1検知部21Aの検知位置からかご101が移動したとき、制御部108は、パルスのカウントを初期値から開始する。ここで、初期値は、エレベータ運行の初期段階において、かご101を降下させたときに得られる第1検知部21Aの検知位置でのカウント値であり、当該検知位置に対応付けられた状態で記憶部110(図1参照)に記憶されている。
この様な補正処理によれば、特にかご101の降下時における主ロープ104の伸縮が原因となって、カウント値から得られるかご101の位置が実際の位置からずれるという問題に対し、そのずれが大きくなる前に補正されることになる。よって、かご101の位置を高い精度で制御することが可能になる。尚、補正処理では、カウント値を初期値に置き換える補正に限らず、かご101の制御に用いられる制御値(カウント値に限定されない種々の制御値)を補正する処理が実行されてもよい。
その後、制御部108は、第1検知部21Aに加えて第2検知部22が検知信号を出力したか否かを判断する(図5のステップS13)。そして、制御部108は、第2検知部22が検知信号を出力したと判断したとき(第2検知部22がオフ状態からオン状態に切り替わったとき。降下時には、かご101が第1特定区間S1aの上端位置に到達したとき)、例えば、かごドアを、乗場ドアとの係合が可能な状態へ移行させる等、必要に応じて何らかの処理を実行することができる。
その後、制御部108は、第1検知部21A及び第2検知部22に加えて第1検知部21Bが検知信号を出力したか否かを判断する(図5のステップS14)。そして、制御部108は、第1検知部21Bが検知信号を出力したと判断したとき、かご101に対する停止処理を実行する(図5のステップS15)。
かご101に対する停止処理では、制御部108は、第1検知部21Bの検知位置(第1検知部21Bがオフ状態からオン状態に切り替わる位置。降下時には、第2特定区間S2aの上端位置)において、電動機105に停止動作を開始させる。これにより、制御部108は、かご101を第2特定区間S2a内の位置に停止させる。かご101に対する停止処理が第2特定区間S2aで実行されることにより、かご101を、停止階における停止位置へ精度良く導くことができる。尚、停止処理では、かご101の停止後、電動機105にブレーキを掛けることが好ましい。これにより、例えば停電時において、かご101の停止状態を電動機105の出力トルクで維持することが困難になった場合であっても、かご101の停止状態をブレーキで維持することができる。
その後、制御部108は、かごドア及び乗場ドアの開閉処理等を実行する。具体的には、制御部108は、ドア駆動用モータを通じてかごドアを開閉させる。乗場ドアは、かごドアが全閉状態から開き始めたときに当該かごドアと係合し、これにより、かごドアに従動して開閉することになる。
かご101の上昇時における停止階でのエレベータの制御は、図5に示されるフローチャート及び上記説明において、第1検知部21Aと第1検知部21Bとを入れ替えたもので説明される。そして、上昇時には、制御部108は、所定区間S0aの下端位置(第1検知部21Bの検知位置)で補正処理を実行し、第1特定区間S1aの下端位置(第2検知部22の検知位置)で必要に応じて何らかの処理を実行し、第2特定区間S2aの下端位置(第1検知部21Aの検知位置)で停止処理を実行する。
又、上昇時の補正処理に用いられる初期値は、下降時の補正処理に用いられる初期値と異なる。具体的には、上昇時の補正処理に用いられる初期値は、エレベータ運行の初期段階において、かご101を上昇させたときに得られる第1検知部21Bの検知位置でのカウント値であり、当該検知位置に対応付けられた状態で記憶部110(図1参照)に記憶されている。
停止階での補正処理は、降下時において、所定区間S0aの下端位置(第1検知部21Bがオン状態からオフ状態に切り替わる位置。即ち、かご101が所定区間S0aから離脱する位置)でのカウント値を強制的に初期値に置き換えてもよい。この場合、制御部108は、第1検知部21Bが検知信号の出力を止めたとき、パルスのカウント値に対する補正処理を実行する。又、上昇時において、所定区間S0aの上端位置(第1検知部21Aがオン状態からオフ状態に切り替わる位置。即ち、かご101が所定区間S0aから離脱する位置)でのカウント値を強制的に初期値に置き換えてもよい。この場合、制御部108は、第1検知部21Aが検知信号の出力を止めたとき、パルスのカウント値に対する補正処理を実行する。
更に、停止階での補正処理は、所定区間S0aの上端位置又は下端位置で実行される場合に限らず、第1特定区間S1aの上端位置又は下端位置で実行されてもよいし、第2特定区間S2aの上端位置又は下端位置で実行されてもよい。ここでは、後者の場合について具体的に説明する。降下時において、かご101の位置が第2特定区間S2aの上端位置(図3では左端位置)に到達したとき、第1検知部21A及び第2検知部22に加えて第1検知部21Bがオン状態となって検知信号を出力する。このときに、制御部108は、パルスのカウント値に対する補正処理を実行する。又、上昇時において、かご101の位置が第2特定区間S2aの下端位置(図3では右端位置)に到達したとき、第1検知部21B及び第2検知部22に加えて第1検知部21Aがオン状態となって検知信号を出力する。このときに、制御部108は、パルスのカウント値に対する補正処理を実行する。
但し、停止階での補正処理は、所定区間S0aの上端位置又は下端位置、又は第2特定区間S2aの上端位置又は下端位置で実行されることが好ましい。なぜなら、補正処理を行うか否かの判断基準を、後述する不停止ゾーンでの補正処理と共通化させることができるからである。
<不停止ゾーンでの制御>
図6は、不停止ゾーンでのエレベータの制御を示したフローチャートである。尚、図6では、かご101の降下時におけるエレベータの制御が示されている。かご101が降下しながら第2被検知部12の設置箇所に近づくと、制御部108は、第1検知部21Aが検知信号を出力したか否かを判断する(図6のステップS21)。そして、制御部108は、第1検知部21Aが検知信号を出力したと判断したとき、パルスのカウント値に対する補正処理を実行する(図5のステップS22)。尚、不停止ゾーンでの補正処理は、上述した停止階での補正処理と同様に実行される。そして、不停止ゾーンでの制御は、補正処理の実行後に終了する。
この様に、停止階だけでなく、不停止ゾーンでも補正処理が実行されることにより、カウント値のずれが、大きくなる前に補正されることになる。よって、不停止ゾーン通過後の停止階での補正時において、かご101の位置や速度等が急激に変化することが防止され、その結果として、エレベータの乗り心地や着床精度が維持される。
又、不停止ゾーンでは、第2検知部22は検知信号を出力することがない。従って、不停止ゾーンでは、第2検知部22の検知信号が制御部108に入力されることがない。よって、制御部108は、停止階で実行すべき停止処理等を、不停止ゾーンにおいて誤って実行してしまうことがない。
かご101の上昇時における不停止ゾーンでのエレベータの制御は、図6に示されるフローチャート及び上記説明において、第1検知部21Aを第1検知部21Bに読み替えたもので説明される。よって、具体的な説明については省略する。
不停止ゾーンでの補正処理は、降下時において、所定区間S0bの下端位置(第1検知部21Bがオン状態からオフ状態に切り替わる位置。即ち、かご101が所定区間S0bから離脱する位置)でのカウント値を強制的に初期値に置き換えてもよく、又、上昇時において、所定区間S0bの上端位置(第1検知部21Aがオン状態からオフ状態に切り替わる位置。即ち、かご101が所定区間S0bから離脱する位置)でのカウント値を強制的に初期値に置き換えてもよい。
更に、不停止ゾーンでの補正処理は、所定区間S0bの上端位置又は下端位置で実行される場合に限らず、特定区間S2bの上端位置又は下端位置で実行されてもよい。具体的には次の通りである。降下時において、かご101の位置が特定区間S2bの上端位置(図4では左端位置)に到達したとき、第1検知部21Aに加えて第1検知部21Bがオン状態となって検知信号を出力する。このときに、制御部108は、パルスのカウント値に対する補正処理を実行する。又、上昇時において、かご101の位置が特定区間S2bの下端位置(図4では右端位置)に到達したとき、第1検知部21Bに加えて第1検知部21Aがオン状態となって検知信号を出力する。このときに、制御部108は、パルスのカウント値に対する補正処理を実行する。
尚、補正処理を行うか否かの判断基準を、停止階での補正処理と不停止ゾーンでの補正処理とで共通化させることが好ましい。具体的には、停止階において、所定区間S0aの上端位置又は下端位置で補正処理が実行される場合、不停止ゾーンでは、所定区間S0bの上端位置又は下端位置で補正処理を実行することが好ましい。この場合、第1検知部21A及び21Bの何れか一方が検知信号を出力したか否かを、共通の判断基準とすることができる。一方、停止階において、第2特定区間S2aの上端位置又は下端位置で補正処理が実行される場合、不停止ゾーンでは、特定区間S2bの上端位置又は下端位置で補正処理を実行することが好ましい。この場合、第1検知部21A及び21Bの何れもが検知信号を出力したか否かを、共通の判断基準とすることができる。
[2]第2実施形態
[2−1]位置検出装置の構成
図7は、第2実施形態に係る位置検出装置を概念的に示した斜視図である。図7に示される様に、位置検出装置において、第2検知部22は、一対の第1検知部21A及び21Bの間に対を成して2つ設けられてもよい。本実施形態では、その一対の第2検知部22を第2検知部22A及び22Bと称す。
具体的には、一対の第2検知部22A及び22Bは、かご101の移動方向D1において互いに離間して配される。より具体的には、第2検知部22A及び22Bは、第1検知部21A及び21Bと同様、かご101が移動する過程で第1被検知部11及び第2被検知部12の何れとも近接する位置に配される。即ち、第2検知部22A及び22Bは、第1被検知部11及び第2被検知部12が配される仮想直線L1に近接した位置に配される。
本実施形態において、エレベータには、移動方向D1におけるかご101の位置を表す区間として、第3特定区間S3aが更に設定されている(図8参照)。ここで、第3特定区間S3aは、第1被検知部11の設置箇所において、第1特定区間S1a内に設けられた区間であって且つ第2特定区間S2aを含んだ区間である。本実施形態では、第3特定区間S3aは、停止階において、かご101の位置が第2特定区間S2aから外れていた場合に、かごドアを開いた状態で、かご101を、その位置が第2特定区間S2a内となる様に移動させることのできる区間(即ち、かご101に対する位置調整区間)である。尚、第3特定区間S3aは、第1特定区間S1a内であって第2特定区間S2aを含んだ区間であれば、かご101に対する位置調整区間に限らず、エレベータをどのように制御するのか(即ち、制御方法の態様)に応じて適宜変更することができる。
そして、本実施形態では、第1被検知部11、第2被検知部12、一対の第1検知部21A及び21B、並びに一対の第2検知部22A及び22Bは、以下の様な検知が可能となる様に配される。
図8は、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)における各種検知部の検知状態を、かご101の位置及び各種区間との関係で示した図である。図8に示される様に、かご101の位置が所定区間S0a内であるとき、第1検知部21A及び21Bのうちの少なくとも何れか一方が、第1被検知部11を検知して(即ち、オン状態となって)検知信号を出力する。又、かご101の位置が第1特定区間S1a内であるとき、第1検知部21A及び21Bのうちの少なくとも何れか一方と、第2検知部22A及び22Bのうちの少なくとも何れか一方と、が第1被検知部11を検知して(即ち、オン状態となって)検知信号を出力する。
かご101の位置が第3特定区間S3a内であるとき、第1検知部21A及び21Bのうちの少なくとも何れか一方と第2検知部22A及び22Bとが、第1被検知部11を検知して(即ち、オン状態となって)検知信号を出力する。更に、かご101の位置が第2特定区間S2a内であるとき、第1検知部21A及び21B並びに第2検知部22A及び22Bの何れもが、第1被検知部11を検知して(即ち、オン状態となって)検知信号を出力する。
これにより、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)における次の様な検知が可能となる。先ず、かご101が降下する場合(図8において、かご101の位置が左から右へ移動する場合)について説明する。かご101が降下しながら、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)に近づき、かご101の位置が所定区間S0a(具体的には、所定区間S0aの上端位置(図8では左端位置))に到達したとき、第1検知部21Aがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21B並びに第2検知部22A及び22Bはオフ状態のままである。そして、かご101が更に降下し、かご101の位置が第1特定区間S1a(具体的には、第1特定区間S1aの上端位置(図8では左端位置))に到達したとき、第1検知部21Aに加えて第2検知部22Aがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21B及び第2検知部22Bは未だオフ状態のままである。
その後、かご101が更に降下し、かご101の位置が第3特定区間S3a(具体的には、第3特定区間S3aの上端位置(図8では左端位置))に到達したとき、第1検知部21A及び第2検知部22Aに加えて第2検知部22Bがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21Bは未だオフ状態のままである。そして、かご101が更に降下し、かご101の位置が第2特定区間S2a(具体的には、第2特定区間S2aの上端位置(図8では左端位置))に到達したとき、第1検知部21A並びに第2検知部22A及び22Bに加えて第1検知部21Bがオン状態となって検知信号を出力する。
次に、かご101が上昇する場合(図8において、かご101の位置が右から左へ移動する場合)について説明する。かご101が上昇しながら、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)に近づき、かご101の位置が所定区間S0a(具体的には、所定区間S0aの下端位置(図8では右端位置))に到達したとき、第1検知部21Bがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21A並びに第2検知部22A及び22Bはオフ状態のままである。そして、かご101が更に上昇し、かご101の位置が第1特定区間S1a(具体的には、第1特定区間S1aの下端位置(図8では右端位置))に到達したとき、第1検知部21Bに加えて第2検知部22Bがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21A及び第2検知部22Aは未だオフ状態のままである。
その後、かご101が更に上昇し、かご101の位置が第3特定区間S3a(具体的には、第3特定区間S3aの下端位置(図8では右端位置))に到達したとき、第1検知部21B及び第2検知部22Bに加えて第2検知部22Aがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21Aは未だオフ状態のままである。そして、かご101の位置が第2特定区間S2a(具体的には、第2特定区間S2aの下端位置(図8では右端位置))に到達したとき、第1検知部21B並びに第2検知部22A及び22Bに加えて第1検知部21Aがオン状態となって検知信号を出力する。
図9は、第2被検知部12の設置箇所(本実施形態では、不停止ゾーン)における各種検知部の検知状態を、かご101の位置及び各種区間との関係で示した図である。図9に示される様に、かご101の位置が所定区間S0b内であるとき、第1検知部21A及び21Bのうちの少なくとも何れか一方が第2被検知部12を検知する一方で、当該所定区間S0b内では、第2検知部22A及び22Bは何れも第2被検知部12を検知しない。
これにより、第2被検知部12の設置箇所(本実施形態では、不停止ゾーン)における次の様な検知が可能になる。先ず、かご101が降下する場合(図9において、かご101の位置が左から右へ移動する場合)について説明する。かご101が降下しながら、第2被検知部12の設置箇所に近づき、かご101の位置が所定区間S0b(具体的には、所定区間S0bの上端位置(図9では左端位置))に到達したとき、第1検知部21Aがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21B並びに第2検知部22A及び22Bはオフ状態のままである。そして、第2被検知部12の設置箇所では、かご101が更に降下し、第2検知部22A及び22Bが第2被検知部12に近接した場合であっても、第2検知部22A及び22Bは何れもオフ状態のままである。
その後、かご101が更に降下し、かご101の位置が特定区間S2b(具体的には、特定区間S2bの上端位置(図9では左端位置))に到達したとき、第1検知部21Aに加えて第1検知部21Bがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第2検知部22A及び22Bは何れもオフ状態のままである。
次に、かご101が上昇する場合(図9において、かご101の位置が右から左へ移動する場合)について説明する。かご101が上昇しながら、第2被検知部12の設置箇所に近づき、かご101の位置が所定区間S0b(具体的には、所定区間S0bの下端位置(図9では右端位置))に到達したとき、第1検知部21Bがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第1検知部21B並びに第2検知部22A及び22Bはオフ状態のままである。そして、第2被検知部12の設置箇所では、かご101が更に上昇し、第2検知部22A及び22Bが第2被検知部12に近接した場合であっても、第2検知部22A及び22Bは何れもオフ状態のままである。
その後、かご101が更に上昇し、かご101の位置が特定区間S2b(具体的には、特定区間S2bの下端位置(図9では右端位置))に到達したとき、第1検知部21Bに加えて第1検知部21Aがオン状態となって検知信号を出力する。このとき、第2検知部22A及び22Bは何れもオフ状態のままである。
この様に、本実施形態の位置検出装置によれば、第1実施形態と同様、昇降路R内における2種類の異なる箇所に被検知部が1つずつ設けられた簡易な構成(本実施形態では、停止階に第1被検知部11、不停止ゾーンに第2被検知部12が設けられた構成)であるにも拘わらず、当該2種類の異なる箇所を区別して検出することが可能になる。
より具体的には、2種類の異なる箇所において、第1検知部21A及び21Bによる第1被検知部11及び第2被検知部12の共通検知と、第2検知部22A及び22Bによる第1被検知部11と第2被検知部12との判別と、が可能になる。
[2−2]エレベータの制御
図10は、第2実施形態における停止階でのエレベータの制御を示したフローチャートである。尚、不停止ゾーンでのエレベータの制御については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図10では、かご101の降下時におけるエレベータの制御が示されている。図10に示される様に、かご101が降下しながら停止階に近づくと、制御部108は、第1検知部21Aが検知信号を出力したか否かを判断する(図10のステップS31)。そして、制御部108は、第1検知部21Aが検知信号を出力したと判断したとき、パルスのカウント値に対する補正処理を実行する(図10のステップS32)。尚、補正処理の具体的な内容、及び補正処理を実行する位置の変形例は、第1実施形態で説明した通りである。
その後、制御部108は、第1検知部21Aに加えて第2検知部22Aが検知信号を出力したか否かを判断する(図10のステップS33)。そして、制御部108は、第2検知部22Aが検知信号を出力したと判断したとき、例えば、かごドアを、乗場ドアとの係合が可能な状態へ移行させる等、必要に応じて何らかの処理を実行することができる。
次に、制御部108は、第1検知部21A及び第2検知部22Aに加えて第2検知部22Bが検知信号を出力したか否かを判断する(図10のステップS34)。そして、制御部108は、第2検知部22Bが検知信号を出力したと判断したとき(第2検知部22Bがオフ状態からオン状態に切り替わったとき。降下時には、かご101が第3特定区間S3aの上端位置に到達したとき)、必要に応じて何らかの処理を実行することができる。
その後、制御部108は、第1検知部21A並びに第2検知部22A及び22Bに加えて第1検知部21Bが検知信号を出力したか否かを判断する(図10のステップS35)。そして、制御部108は、第1検知部21Bが検知信号を出力したと判断したとき、かご101に対する停止処理を実行する(図10のステップS36)。尚、停止処理の具体的な内容は、第1実施形態で説明した通りである。
かご101の上昇時における停止階でのエレベータの制御は、図10に示されるフローチャート及び上記説明において、第1検知部21Aと第1検知部21Bとを入れ替え、且つ第2検知部22Aと第2検知部22Bとを入れ替えたもので説明される。そして、上昇時には、制御部108は、所定区間S0aの下端位置(第1検知部21Bの検知位置)で補正処理を実行し、第1特定区間S1aの下端位置(第2検知部22Bの検知位置)で必要に応じて何らかの処理を実行し、第3特定区間S3aの下端位置(第2検知部22Aの検知位置)で必要に応じて何らかの処理を実行し、第2特定区間S2aの下端位置(第1検知部21Aの検知位置)で停止処理を実行する。
この様な第2実施形態の位置検出装置によれば、第3特定区間S3aが更に設けられることにより、第1被検知部11の設置箇所(本実施形態では、停止階)において様々な制御が可能になる。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、第1被検知部11及び第2被検知部12は、停止階と不停止ゾーンとに分けられた異なる箇所にそれぞれ設けられる場合に限らず、昇降路R内における様々な2種類の異なる箇所にそれぞれ設けられてもよい。