JP4803692B2 - 液晶表示パネルの点灯検査方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネルおよびその点灯検査方法に関し、さらに詳しく言えば、端子部に形成されている各リード端子にプローブピンを同時に接触させて点灯電圧を印加する際のリード端子とプローブピン間の位置ずれ検出技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
どの製品でも同じく組み立て後に最終的な性能検査が行われるが、液晶表示パネルの場合には点灯検査がそれに該当する。液晶表示パネルの点灯検査は、端子部に形成されているリード端子にチェックユニットのプローブピンを接触させて所定の点灯電圧を印加し、その点灯状態によって透明電極の断線もしくは短絡の有無を検査する。
【0003】
この点灯検査には、リード端子とプローブピンとの正確な位置合わせが要求される。例えば、TFT液晶表示パネルにおいては、位置ずれによりリード端子を間違えて電圧をかけると、その電圧印加のタイミングによってはTFTが破壊されることがある。そのため多くの場合、オートアライメント機構を有する検査装置が用いられている。
【0004】
この検査装置によると、液晶表示パネルに設けられているアライメントマークをCCDカメラにて撮像し、その撮像信号を画像処理ユニットで処理して液晶表示パネルのリード端子位置を特定する。そして、その位置データに基づいてプローブピンもしくはパネルのいずれかを移動させて、リード端子とプローブピンとを位置合わせする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のオートアライメント機構を有する検査装置を含めて従来の検査装置は、位置合わせ後において、最終的に位置合わせ状態を確認する手段を備えていないため、信頼性に欠ける嫌いがあった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、リード端子に点灯電圧を印加するに先だって、リード端子とプローブピンの位置合わせ状態を、実際にプローブピンを接触させた状態で確実に検出することができる信頼性の高い液晶表示パネルの点灯検査方法を提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、端子部に所定のピッチで配列された複数本のリード端子を含むリード端子群を備えている液晶表示パネルを検査対象とし、上記リード端子の各々に電圧プローブピンを接触させてチェックユニットより上記液晶表示パネルに所定の点灯電圧を印加してその点灯状態を検査する液晶表示パネルの点灯検査方法において、上記端子部に、ピッチが上記リード端子群内の最小端子ピッチと同一、かつ、端子幅が上記リード端子群内の最小端子幅と同一であって、互いに導通するパターンとして形成されたずれ検出用の一対のダミー端子を上記リード端子群の両側に上記最小端子ピッチの整数倍の距離を置いて配置するとともに、上記電圧プローブピンを保持するプローブヘッド側に、上記ダミー端子を介して導通チェック電流を流す各一対の電流プローブピンを設け、
上記電圧プローブピンおよび上記電流プローブピンのすべてを上記端子部に接触させたのち、上記電流プローブピン間のみに導通チェック電流を流し、その導通・非導通により、上記電圧プローブピンと上記リード端子との間の位置ずれの有無を検出し、上記電流プローブピン間が導通で位置ずれがない場合には、上記電流プローブピンを上記ダミー端子に接触させた状態のまま、上記電圧プローブピンから上記リード端子の各々に上記点灯電圧を印加することを特徴としている。
【0008】
本発明において、ずれ検出用の一対のダミー端子は導通していれば、その導通箇所はどこでもよいが、電流プローブピンの配設位置精度を考慮してリード端子と同じく短冊状であることが好ましく、また誤判定をなくすためには、互いに導通するU字状(もしくは逆U字状)パターンがよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1に液晶表示パネル1の端子部10の構成を示し、図2に端子部10と点灯検査装置であるチェックユニット20との相対位置関係を示す。
【0011】
端子部10には、複数本のリード端子11を含むリード端子群12が設けられており、各リード端子11は、液晶表示パネル1内の図示しない透明電極に接続されている。各リード端子11は、透明電極と同じくITO(インジウム・錫酸化物)よりなり、短冊状パターンとして形成されている。
【0012】
この実施形態において、各リード端子11の端子間ピッチおよび端子幅はともに同一とされているが、そのいずれか一方もしくは双方が異なっている場合も、本発明の検査対象に含まれる。
【0013】
リード端子群12の両側には、ずれ検出部14,14が設けられている。このずれ検出部14,14は同一構成であるため、その一方について説明すると、ずれ検出部14は、一対のダミー端子141,141を備えている。
【0014】
ダミー端子141,141は、リード端子11と同じくITOにより短冊状に形成されているとともに、短絡パターン142にて互いに導通されている。この実施形態において、短絡パターン142は、ダミー端子141,141の各一端側に配置されている。これにより、ずれ検出部14は全体してU字状パターンを呈している。
【0015】
短絡パターン142は、端子部10の基端部側(パネル表示部側)に配置され、かつ、その線幅W2は基端部から0.5mm以下であることが好ましい。なお、変形例の一つとして、短絡パターン142をダミー端子141,141の中央に配置して、ずれ検出部14をH字状パターンとしてもよい。
【0016】
ダミー端子141,141の端子幅W1は、リード端子11の端子幅と同一幅である。なお、リード端子群12に異なる端子幅のリード端子が含まれる場合には、その中の最小端子幅と同一とされる。
【0017】
また、ダミー端子141,141間のピッチP1は、リード端子11,11間のピッチと同一である。なお、リード端子群12に異なるピッチのリード端子が含まれる場合には、その中の最小端子ピッチと同一とされる。
【0018】
ずれ検出部14とリード端子群12との間の距離Lも、本発明にとって重要な要素である。すなわち、この距離Lは、リード端子11,11間のピッチ(リード端子群12に異なるピッチのリード端子が含まれる場合には、その中の最小端子ピッチ)の整数倍に設定される。
【0019】
なお、整数倍であることを条件として、リード端子群12に対する図1の右側ずれ検出部14と左側ずれ検出部14の各距離Lを異ならせてもよい。例えば、図1の右側ずれ検出部14の距離Lを端子間ピッチの2倍とし、左側ずれ検出部14の距離Lを端子間ピッチの3倍としてもよい。
【0020】
図2を参照して、チェックユニット20は、測定部21とプローブヘッド22とを備えている。プローブヘッド22は、図示しない駆動手段により端子部10に対して接近・離反するように動かされる。
【0021】
プローブヘッド22には、各リード端子11に対応して配置された点灯電圧印加用の電圧プローブ23と、ずれ検出部14に対応して配置され、その各ダミー端子141,141を介して導通チェック電流を流す各一対の電流プローブピン24a,24b;24c,24dとが設けられている。
【0022】
この実施形態において、測定部21は、導通チェック用の電源である電池25を有し、この電池25の例えば正極側には、対をなす内のそれぞれ一方の電流プローブピン24aと電流プローブピン24dとがスイッチ26を介して接続されている。
【0023】
対をなすそれぞれ他方の電流プローブピン24bと電流プローブピン24cは、アンド回路27の入力側に接続され、アンド回路27の出力側は図示しない判定部に接続されている。なお、電圧プローブ23に対する点灯電圧制御回路は本発明の要旨でないため、その図示を省略している。
【0024】
次に、本発明の動作について説明する。例えば、液晶表示パネル10が図示しない位置合わせ用のX−Y移動テーブルに載置され、オートアライメント機構などにより位置合わせが終了すると、本発明の点灯検査が行われる。
【0025】
まず、プローブヘッド22を下降させてすべてのプローブピン23,24を端子部10に接触させる。そして、電圧プローブピン23から各リード端子11に点灯電圧を印加する前に、スイッチ26をオンして電流プローブピン24aと電流プローブピン24dとに電圧を加える。
【0026】
このとき、電流プローブピン24a,24b;24c,24dの各々が、ずれ検出部14のダミー端子141,141に接触していれば、電流プローブピン24a,24b間および電流プローブピン24c,24d間に電流が流れ、アンド回路27の各入力側「H」となるため、アンド回路27の出力が「H」となる。
【0027】
これにより、判定部にて位置ずれ「なし(OK)」と判定され、次のステップとして電圧プローブピン23から各リード端子11に点灯電圧が印加される。スイッチ26をオンしても、アンド回路27の出力が「L」のままであると、判定部にて位置ずれ「あり(NG)」と判定され、例えばブザーなどにより警告が発せられる。
【0028】
このように、本発明によれば、点灯電圧を印加する前に位置ずれの有無を実際のプローブの接触状態で確認できるため、信頼性の高い点灯検査を行うことができる。特に、TFTパネルの場合、間違った電圧印加によるTFTの破壊を防止できるので好適である。
【0029】
なお、本明細書において、点灯電圧を印加するプローブピンを電圧プローブピン、導通チェック用のプローブピンを電流プローブピンとしているが、これは説明の都合上のものであって、実際には同じプローブピンが用いられている。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、端子部に複数本のリード端子を含むリード端子群を備えている液晶表示パネルを点灯検査するにあたって、端子部にピッチがリード端子群内の最小端子ピッチと同一、かつ、端子幅がリード端子群内の最小端子幅と同一であって、互いに導通している一対のずれ検出用のダミー端子をリード端子群の両側に最小端子ピッチの整数倍の距離を置いて配置するとともに、プローブヘッド側にダミー端子を介して導通チェック電流を流す各一対の電流プローブピンを設け、リード端子の各々に点灯電圧を印加する前に、電流プローブピン間に導通チェック電流を流し、その導通・非導通により、位置ずれの有無を検出するようにしたことにより、信頼性の高い液晶表示パネルの点灯検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示パネルの端子部を示した要部平面図。
【図2】上記液晶表示パネルとチェックユニットの相対位置関係を示す説明図。
【符号の説明】
1 液晶表示パネル
10 端子部
11 リード端子
12 リード端子群
14 ずれ検出部
141 ダミー端子
142 短絡パターン
20 チェックユニット
21 測定部
22 プローブヘッド
23 電圧プローブピン
24a〜24d 電流プローブピン
Claims (2)
- 端子部に所定のピッチで配列された複数本のリード端子を含むリード端子群を備えている液晶表示パネルを検査対象とし、上記リード端子の各々に電圧プローブピンを接触させてチェックユニットより上記液晶表示パネルに所定の点灯電圧を印加してその点灯状態を検査する液晶表示パネルの点灯検査方法において、
上記端子部に、ピッチが上記リード端子群内の最小端子ピッチと同一、かつ、端子幅が上記リード端子群内の最小端子幅と同一であって、互いに導通するパターンとして形成されたずれ検出用の一対のダミー端子を上記リード端子群の両側に上記最小端子ピッチの整数倍の距離を置いて配置するとともに、
上記電圧プローブピンを保持するプローブヘッド側に、上記ダミー端子を介して導通チェック電流を流す各一対の電流プローブピンを設け、
上記電圧プローブピンおよび上記電流プローブピンのすべてを上記端子部に接触させたのち、上記電流プローブピン間のみに導通チェック電流を流し、その導通・非導通により、上記電圧プローブピンと上記リード端子との間の位置ずれの有無を検出し、
上記電流プローブピン間が導通で位置ずれがない場合には、上記電流プローブピンを上記ダミー端子に接触させた状態のまま、上記電圧プローブピンから上記リード端子の各々に上記点灯電圧を印加することを特徴とする液晶表示パネルの点灯検査方法。 - 上記一対のダミー端子が、互いに導通するU字状パターンとして形成されている請求項1に記載の液晶表示パネルの点灯検査方法。
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