JP4798947B2 - 燃料電池セル及びセルスタック並びに燃料電池 - Google Patents

燃料電池セル及びセルスタック並びに燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池セル及びセルスタック並びに燃料電池に関し、特に、ガス流路を有する支持基板の一方側主面に固体電解質、電極、他方側主面にインターコネクタを設けてなる燃料電池セル及びセルスタック並びに燃料電池に関する。
次世代エネルギーとして、近年、燃料電池セルのスタックを収納容器内に収容した燃料電池が種々提案されている。
セルスタックを構成する燃料電池セルは、従来、支持体を兼ねる空気極支持体の一方側面にインターコネクタを形成し、このインターコネクタの両端部に端部が重畳する固体電解質を、空気極支持体のインターコネクタ形成位置以外に形成し、さらに固体電解質の表面に燃料極を形成して構成されており、インターコネクタの端部と固体電解質の端部との重畳部が、一方側面に形成されている(特許文献1参照)。
このような燃料電池セルでは、固体電解質の両端部とインターコネクタの両端部が重畳しているため、空気極支持体内の空気とセル外部の燃料ガスとを確実に封止でき、固体電解質とインターコネクタとの界面から、空気及び燃料ガスの漏れを抑制できる。
セルスタックは、上記複数の燃料電池セルを所定間隔を置いて配設して構成され、燃料ガスがスタック間に供給され、空気が燃料電池セルの空気極支持体のガス流路に供給されて発電する。
特開昭63−261678号公報
しかしながら、従来の燃料電池セルでは、燃料電池セル間に燃料ガスが供給されるものの、燃料ガスを、燃料極を介して固体電解質へ供給する量が未だ低く、発電に利用される燃料ガスの利用率が低いという問題があった。このため、燃料電池セルの発電性能が未だ低いという問題があった。
本発明は、ガス漏出を防止できるとともに、高出力で高効率な燃料電池セル及びセルスタック並びに燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、固体電解質の両端部とインターコネクタの両端部とを重畳させ、これらの重畳部を外方に突出させることにより、セルスタックを構成した際に、一方の燃料電池セルと他方の燃料電池セル間にガスが供給されると、一方の燃料電池セルの重畳部により、対向配置された燃料電池セルの電極へガスを強制的に供給でき、固体電解質へのガス供給量を向上できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の燃料電池セルは、ガス流路を有する扁平状の支持基板の一方側主面設けられた内側電極,固体電解質および外側電極前記支持基板の他方側主面設けられたインターコネクタ備え、前記固体電解質の両端部が、前記支持基板の前記一方側主面から側面を介して前記他方側主面まで延設され、前記インターコネクタの両端部とそれぞれ重畳し2つの重畳部を形成しており、前記外側電極が前記支持基板の一方側主面上のみに配置されているとともに、前記支持基板の他方側主面上において、前記2つの重畳部が外方に突出して、該2つの重畳部の間に、外側電極へ供給するガスが供給される凹部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、ガス流路を有するとともに内側電極を兼ねる扁平状の支持基板の一方側主面上に設けられた固体電解質および外側電極と、前記支持基板の他方側主面上に設けられたインターコネクタとを備え、前記固体電解質の両端部が、前記支持基板の前記一方側主面上から側面を介して前記他方側主面上まで延設されて、前記インターコネクタの両端部とそれぞれ重畳して、2つの重畳部を形成しており、前記外側電極が前記支持基板の一方側主面上のみに配置されているとともに、前記支持基板の他方側主面上において、前記2つの重畳部が外方に突出して、該2つの重畳部の間に、外側電極へ供給するガスが供給される凹部が形成されていることを特徴とする。
このような複数の燃料電池セルは、主面が対向するように所定間隔をおいて整列してセルスタックが構成される。
このような燃料電池セルでは、固体電解質の両端部とインターコネクタの両端部が重畳しているため、この緻密な固体電解質とインターコネクタにより、燃料電池セルの内外を確実に封止でき、支持基板のガス通路を通るガスがセル外側へ漏れること、及びセル外部を通るガスのセル内部への侵入を防止できる。
また、従来の燃料電池セルでは、固体電解質の両端部とインターコネクタの両端部を重畳させるため、空気極支持体内の空気とセル外部の燃料ガスとを封止できるものの、燃料極が重畳部が形成された面にまで形成されており、燃料極表面と重畳部面がほぼ同一であり、重畳部によるガスの強制的供給という機能がないため、ガス利用率が低かったが、本発明の燃料電池セルでは、インターコネクタと固体電解質との重畳部が外方に突出していることにより、セルスタックを構成した際に、燃料電池セル間に向けて供給されたガスを、一方の燃料電池セルの重畳部により、対向配置された燃料電池セルの電極へ強制的に、かつガス流を乱して供給でき、電極を介して固体電解質へ供給されるガス量を向上でき、発電に利用されるガスの利用率を高め、燃料電池セルの発電性能を向上できる。
本発明の燃料電池セルは、固体電解質の端部上にインターコネクタの端部が積層されていることを特徴とする。さらに、インターコネクタ上にP型半導体が形成されていることを特徴とする。
このような燃料電池セルでは、重畳部間のインターコネクタが凹状になるため、この部分にスクリーン印刷等の手法によりP型半導体を容易に形成することができる。P型半導体は前記外側電極と同じ材料からなることを特徴とする。
本発明のセルスタックは、前記燃料電池セルを、隣り合う一方の燃料電池セルの前記外側電極と隣り合う他方の燃料電池セルの前記インターコネクタとが対向するように所定間隔をおいて整列してなることを特徴とする。本発明の燃料電池は、セルスタックを、複数収納容器内に収容するとともに、セルスタックの隣接する前記燃料電池セルの間にガスが供給されることを特徴とする。このような燃料電池では、上記したように、重畳部からのガス漏出を防止できるとともに、高出力で高効率な燃料電池セルを提供できるため、信頼性の高い優れたい性能の燃料電池を提供できる。
本発明の燃料電池セルは、緻密な固体電解質とインターコネクタにより、燃料電池セルの内外を確実に封止でき、支持基板のガス通路を通るガスがセル外側へ漏れること、及びセル外部を通るガスのセル内部への侵入を防止できるとともに、セルスタックを構成した際に、燃料電池セル間に向けて供給されたガスを、一方の燃料電池セルの重畳部により、対向配置された燃料電池セルの電極へ強制的に、かつガス流を乱して供給でき、電極を介して固体電解質へ供給されるガス量を向上でき、発電に利用されるガスの利用率を高め、燃料電池セルの発電性能を向上できる。
本発明の燃料電池セルを図1に基づき説明する。図1において、燃料電池セル30は板状でかつ柱状であり、その内部には断面が扁平状の支持基板31を備えている。支持基板31の内部には、適当な間隔で複数の燃料ガス通路31aが貫通して形成されており、燃料電池セル30は、この支持基板31上に各種の部材が設けられた構造を有している。
即ち、燃料電池セル30は、支持基板31の一方側主面に、燃料極32、固体電解質33、酸素極34を形成し、他方側主面にインターコネクタ35を形成して構成されており、固体電解質33の両端部が一方側主面から側面を介して他方側主面まで延設され、インターコネクタ35の両端部とそれぞれ重畳しており、これらの重畳部A、Bが外方に突出している。
固体電解質33の両端部とインターコネクタ35の両端部とが重畳しているため、セル内外を有効に封止でき、セル内部の燃料ガスが外部に漏出したり、セル外部の酸素含有ガスがセル内部に漏出することを防止できる。
重畳部A,Bは、固体電解質33の端部上にインターコネクタ35の端部を積層して構成され、燃料電池セル30に軸長方向に、かつ平行に形成されている。重畳部A,B間の外面は凹とされ、この重畳部A,B間の中央部に位置する凹面には、P型半導体36が形成されている。重畳部A,Bの端部は、研磨等により面取りすることもできる。この場合は、酸素含有ガスを対向するセルに向けてガス流れをより滑らかに変えることができる。
また、支持基板31とインターコネクタ35の間には接合層37が形成され、固体電解質33と酸素極34との間には拡散防止層38が形成されている。
支持基板31は、図1に示したように、平坦状の主面と両側面の弧状部とからなっている。主面の両面は互いにほぼ平行に形成されており、主面の一方の面と両側の弧状部を覆うように燃料極層32が形成されており、さらに、この燃料極層32を覆うように、緻密質な固体電解質33が積層されており、この固体電解質層33の上には、燃料極層32と対面するように、主面の一方の表面に酸素極34が積層されている。また、燃料極層32及び固体電極層33が積層されていない他方の主面には、インターコネクタ35が形成されている。図1から明らかな通り、燃料極32及び固体電解質33は、インターコネクタ35の両サイドにまで延びており、支持基板31の表面が外部に露出しないように構成されている。
上記のような構造の燃料電池セルでは、燃料極32の酸素極34と対面している部分が燃料極として作動して発電する。即ち、酸素極34の外側に空気等の酸素含有ガスを流し、且つ支持基板31内のガス通路31a内に燃料ガス(水素)を流し、所定の作動温度まで加熱することにより、酸素極34で下記式(1)の電極反応を生じ、また燃料極32の燃料極となる部分では例えば下記式(2)の電極反応を生じることによって発電する。
酸素極: 1/2O+2e → O2− (固体電解質) …(1)
燃料極: O2− (固体電解質)+ H → HO+2e…(2)
かかる発電によって生成した電流は、支持基板31に取り付けられているインターコネクタ35を介して集電される。
(支持基板31)
上記のような構造を有する本発明の燃料電池セル30において、支持基板31は、燃料ガスを燃料極まで透過させるためにガス透過性であること、及びインターコネクタ35を介しての集電を行うために導電性であることが要求されるが、このような要求を満たすと同時に、同時焼成により生じる不都合を回避するために、Ni金属成分とY、Ybなどの希土類酸化物とから支持基板31を構成する。
Ni金属成分は、支持基板31に導電性を付与するためのものであり、Ni金属単体であってもよいし、またNi金属酸化物、Ni金属の合金もしくは合金酸化物であってもよい。本発明では、安価であること及び燃料ガス中で安定であることからNi及び/またはNiOを使用しているが、鉄族金属成分また鉄族金属酸化物、鉄族金属の合金もしくは合金酸化物の何れをも使用することができる。
また希土類酸化物成分は、支持基板31の熱膨張係数を、固体電解質層33を形成している安定化ジルコニアと近似させるために使用されるものであり、高い導電率を維持し且つ固体電解質層33等への拡散を防止するために、特に安価であるという点で、Y,Ybを使用している。固体電解質層33等への拡散を防止することができるのであれば、Y,Lu,Yb,Tm,Er,Ho,Dy,Gd,Sm,Prからなる群より選ばれた少なくとも1種の希土類元素を含む酸化物の何れをも使用することができる。
本発明においては、特に支持基板31の熱膨張係数を安定化ジルコニアと近似させるという点で、上述した鉄族成分は、支持基板31中に35〜65体積%の量で含まれ、希土類酸化物は、支持基板31中に35〜65体積%の量で含まれていることが好適である。
上記のような鉄族金属成分と希土類酸化物とから構成される支持基板31は、燃料ガス透過性を有していることが必要であるため、通常、開気孔率が30%以上、特に35乃至50%の範囲にあることが好適である。また、支持基板31の導電率は、300S/cm以上、特に440S/cm以上であることが好ましい。
(燃料極層32)
本発明において、燃料極層32は、前述した式(2)の電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrOと、Ni及び/またはNiOとから形成される。この希土類元素が固溶しているZrO(安定化ジルコニア)としては、以下に述べる固体電解質層33の形成に使用されているものと同様のものを用いるのがよい。
燃料極層32中の安定化ジルコニア含量は、35乃至65体積%の範囲にあるのが好ましく、またNi或いはNiO含量は、65乃至35体積%であるのがよい。さらに、この燃料極層32の開気孔率は、15%以上、特に20乃至40%の範囲にあるのがよく、その厚みは、1〜30μmであることが望ましい。例えば、燃料極層32の厚みがあまり薄いと、性能が低下するおそれがあり、またあまり厚いと、固体電解質層33と燃料極層32との間で熱膨張差による剥離等を生じるおそれがある。
また、図1の例では、燃料極層32は、インターコネクタ35の両サイドにまで延びているが、酸素極34に対面する位置に存在して燃料極が形成されていればよいため、例えば酸素極34が設けられている側の主面にのみ燃料極32が形成されていてもよい。さらには、支持基板31の全周にわたって燃料極32を形成することも可能である。
(固体電解質層33)
この燃料極32上に設けられている固体電解質33は、一般に3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrO(通常、安定化ジルコニア)と呼ばれる緻密質なセラミックスから形成されている。希土類元素としては、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを例示することができるが、安価であるという点からY、Yb、Scが望ましい。
この固体電解質層33を形成する安定化ジルコニアセラミックスは、ガス透過を防止するという点から、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、特に95%以上の緻密質であることが望ましく、且つその厚みが10〜100μmであることが望ましい。
(酸素極34)
酸素極34は、所謂ABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成される。かかるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaを有するLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物の少なくとも1種が好適であり、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaFeO系酸化物が特に好適である。尚、上記ペロブスカイト型酸化物においては、AサイトにLaと共にSrなどが存在していてもよいし、さらにBサイトには、FeとともにCoやMnが存在していてもよい。
また、酸素極34は、ガス透過性を有していなければならず、従って、酸素極34を形成する導電性セラミックス(ペロブスカイト型酸化物)は、開気孔率が20%以上、特に30乃至50%の範囲にあることが望ましい。
このような酸素極34の厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが望ましい。
酸素極34は、支持基板31の一方側主面にのみ形成されているが、弧状部にまで形成されていても良い。また、重畳部A、Bが酸素極34よりも突出するようであれば、酸素極34が他側主面にまで形成されていても良いが、支持基板31内の電流経路、製造上の観点から、酸素極34は一方側主面にのみ形成することが望ましい。
(インターコネクタ35)
上記の酸素極34に対面する位置において、支持基板31上に接合層37を介して設けられているインターコネクタ35は、導電性セラミックスからなるが、燃料ガス(水素)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、かかる導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)が使用される。また、支持基板31の内部を通る燃料ガス及び支持基板31の外部を通る酸素含有ガスのリークを防止するため、かかる導電性セラミックスは緻密質でなければならず、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好適である。
かかるインターコネクタ35は、ガスのリーク防止と電気抵抗という点から、10〜200μmであることが望ましい。即ち、この範囲よりも厚みが薄いと、ガスのリークを生じやすく、またこの範囲よりも厚みが大きいと、電気抵抗が大きく、電位降下により集電機能が低下してしまうおそれがあるからである。
(P型半導体36)
インターコネクタ35の外面(上面)には、P型半導体36を設けることが好ましい。即ち、この燃料電池セルから組み立てられるセルスタック(図2)では、インターコネクタ35には、導電性の集電部材(図示せず)が接続されるが、集電部材をインターコネクタ35に直接接続すると、非オーム接触により、電位降下が大きくなってしまい、集電性能が低下してしまう。
しかるに、集電部材を、P型半導体36を介してインターコネクタ35に接続させることにより、両者の接触がオーム接触となり、電位降下を少なくし、集電性能の低下を有効に回避することが可能となり、例えば、一方の燃料電池セル30の酸素極34からの電流を、他方の燃料電池セル30の支持基板31に効率良く伝達できる。このようなP型半導体としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物を例示することができる。
具体的には、インターコネクタ35を構成するLaCrO系酸化物よりも電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを使用することができる。このようなP型半導体36の厚みは、一般に、30乃至100μmの範囲にあることが好ましい。P型半導体としては、酸素極材料から形成することが望ましい。
(接合層37)
接合層37は支持基板31とインターコネクタ35を接着させる層であり、Ni金属及び/又はNi金属の酸化物と希土類で安定化したジルコニアからなり、接合層37中の安定化ジルコニア含量は、35乃至45体積%の範囲にあるのが好ましく、またNi或いはNiO含量は、65乃至55体積%であるのがよい。燃料極層32の熱膨張係数より接合層37の熱膨張係数の方が大きくすることで、インターコネクタ35と接合層37との熱膨張差を小さくすることができるため、インターコネクタ35のクラック発生、インターコネクタ35の支持基板31からの剥離を抑えることができるからである。
(拡散防止層38)
固体電解質33と、酸素極34との間に拡散防止層38を有する。拡散防止層38は、(CeO1−x(SmO1.5(0<x≦0.3)の一般式で表わされるSmが固溶したCeOからなる複合酸化物であることが好ましい。特に、電気抵抗を低減するという点から、一般式中のxが、0.1≦x≦0.2で表される組成のSmが固溶したCeOからなることが望ましい。さらに、これに拡散を遮断または抑制する効果を高くするために、他の希土類元素の酸化物を含有するものであっても良い。
また、拡散防止層38はSmが固溶したCeOの凝集度を5〜35に調整していることが好ましい。これにより、焼成収縮を制御でき、固体電解質33の剥離やクラック発生を防止することができる。特に、発電性能が低下を防止できるという点で、凝集度を5〜15に調整することが望ましい。
(燃料電池セルの製造)
以上のような構造を有する燃料電池セルは、以下のようにして製造される。先ず、La、Ce、Pr、Ndの元素を除く希土類元素酸化物粉末とNi及び/又はNiO粉末を混合し、この混合粉末に、有機バインダーと、溶媒とを混合した支持基板材料を押出成形して支持基板成形体を作製する。
次に、Ni及び/又はNiO粉末と希土類元素が固溶したZrO粉末と有機バインダーと溶媒とを混合し、燃料側電極成形体となるスラリーを作製する。
次に、前記支持基板成形体の一方側主面に燃料側電極となるスラリーをメッシュ製版を用いて2〜10μm厚みになるように塗布し、80〜150℃の温度で乾燥する。
次に、希土類元素が固溶したZrO粉末と、有機バインダーと、溶媒を混合した固体電解質材料を用いてシート状の固体電解質成形体を作製する。次に、前記固体電解質成形体の一方側に前記燃料側電極となるスラリーを塗布し、前記支持基板成形体の一方側主面に形成された燃料側電極となる塗布膜に、固体電解質成形体の燃料側電極となる塗布膜が当接するように、かつ、固体電解質成形体の両端面が、他方側主面で所定間隔をおいて離間するように覆い巻き付け、80〜150℃の温度で乾燥する。
次に、ランタン−クロム系酸化物粉末と、有機バインダーと、溶媒を混合したインターコネクタ材料を用いてシート状のインターコネクタ成形体を作製する。
次に、Ni及び/又はNiO粉末、希土類元素が固溶したZrO粉末、有機バインダー、溶媒を混合した中間膜成形体となるスラリーを作製し、前記インターコネクタ成形体の片方の面に塗布する。
次に、このシート状のインターコネクタ成形体にスラリーを塗布した面が、露出した支持基板成形体に当接するように、かつ、インターコネクタ成形体の両端部が固体電解質成形体の両端部に当接するように積層する。
これにより、支持基板成形体の一方側主面に、燃料側電極成形体、固体電解質成形体を順次積層するとともに、他方側主面に中間膜成形体、インターコネクタ成形体が積層され、インターコネクタ成形体の両端部が固体電解質成形体の両端部に積層された積層成形体を作製する。なお、各成形体はドクターブレードによるシート成形や印刷、スラリーディップ、スプレーによる吹き付けなどにより作製することができ、または、これらの組み合わせにより作製してもよい。
次に、積層成形体を脱脂処理し、酸素含有雰囲気中で1300〜1600℃で同時焼成する。
次に、P型半導体である遷移金属ペロブスカイト型酸化物粉末と、溶媒とを混合し、ペーストを作製し、前記積層体をこのペースト中に浸漬し、固体電解質33、インターコネクタ35の表面に酸素側電極成形体、P型半導体成形体をディッピングにより形成するか、または、スクリーン印刷したり、直接スプレー塗布し、1000〜1300℃で焼き付けることにより、本発明の燃料電池セル30を作製できる。インターコネクタの両端部と固体電解質の両端部の重畳部は外部に突出しており、その間には凹部が形成されているため、その凹部にディッピング、スクリーン印刷することにより容易に形成できる。
なお、燃料電池セル30は、酸素含有雰囲気での焼成により、支持基板31、燃料側電極32、接合層37中のNi成分が、NiOとなっているため、その後、支持基板31側から還元性の燃料ガスを流し、NiOを800〜1000℃で還元処理する。また、この還元処理は発電時に行ってもよい。
セルスタックは、図2に示すように、複数の燃料電池セル30を、その主面が対向するように所定間隔を置いて配置されており、一方の燃料電池セル30と他方の燃料電池セル30との間に、金属フェルト及び/又は金属板からなる集電部材(図示せず)を介在させ、一方の燃料電池セル30の支持基板31を、該支持基板31に設けられた接合層37、インターコネクタ35、P型半導体36、集電部材を介して他方の燃料電池セル30の酸素側電極34に電気的に直列接続して構成されている。
集電部材は、耐熱性、耐酸化性、電気伝導性という点から、Pt、Ag、Ni基合金、Fe−Cr鋼合金の少なくとも一種からなることが望ましい。
本発明の燃料電池は、図2のセルスタックを、収納容器内に複数整列収納して構成されており、複数のセルスタック間には酸素含有ガス供給管22が設けられている。この収納容器には、外部から水素等の燃料ガス及び空気等の酸素含有ガスを燃料電池セル30に導入する導入管が設けられており、燃料電池セル30が所定温度に加熱されることにより発電し、使用された燃料ガス、酸素含有ガスは混合されて燃焼され、収納容器外に排出される。
図3は、本発明の他の形態を示すもので、この形態では、インターコネクタ35の端部上に固体電解質33の端部が積層され、外部に突出する重畳部A,Bを形成している。このような燃料電池セルでも、重畳部A,Bが外部に突出しており、その間には凹部が形成されている。従って、図1に示す燃料電池セルと同様の作用効果を得ることができる。さらに、この図3の場合には、セルスタック間からの酸素含有ガスを、重畳部A,Bにより滑らかに対向するセルの酸素極に供給できるため、より望ましい。
なお、本発明は上記形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、内側電極を酸素極から形成してもよい。
また、支持基板と内側電極を同じ組成で形成してもよく、例えば、NiとYを固溶したZrOを用いてもよい。この場合には、支持基板と内側電極とが、支持体を兼ねる内側電極に置き換えられることになる。
本発明の燃料電池セルを示すもので、(a)は断面図、(b)は断面斜視図。 セルスタックを示す説明図。 本発明の他の燃料電池セルを示すもので、(a)は断面図、(b)は断面斜視図。
符号の説明
22・・・酸素含有ガス供給管
30・・・燃料電池セル
31・・・支持基板
31a・・・ガス流路
32・・・燃料側電極
33・・・固体電解質
34・・・酸素極
35・・・インターコネクタ
36・・・P型半導体
A、B・・・重畳部

Claims (7)

  1. ガス流路を有する扁平状の支持基板の一方側主面設けられた内側電極,固体電解質および外側電極前記支持基板の他方側主面設けられたインターコネクタ備え、前記固体電解質の両端部が、前記支持基板の前記一方側主面から側面を介して前記他方側主面まで延設され、前記インターコネクタの両端部とそれぞれ重畳し2つの重畳部を形成しており、前記外側電極が前記支持基板の一方側主面上のみに配置されているとともに、前記支持基板の他方側主面上において、前記2つの重畳部が外方に突出して、該2つの重畳部の間に、ガスが供給される凹部が形成されていることを特徴とする燃料電池セル。
  2. ガス流路を有するとともに内側電極を兼ねる扁平状の支持基板の一方側主面上に設けられた固体電解質および外側電極と、前記支持基板の他方側主面上に設けられたインターコネクタとを備え、前記固体電解質の両端部が、前記支持基板の前記一方側主面上から側面を介して前記他方側主面上まで延設されて、前記インターコネクタの両端部とそれぞれ重畳して、2つの重畳部を形成しており、前記外側電極が前記支持基板の一方側主面上のみに配置されているとともに、前記支持基板の他方側主面上において、前記2つの重畳部が外方に突出して、該2つの重畳部の間に、ガスが供給される凹部が形成されていることを特徴とする燃料電池セル。
  3. 前記固体電解質の端部上に前記インターコネクタの端部が積層されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池セル。
  4. 前記インターコネクタ上にP型半導体が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
  5. 前記P型半導体が前記外側電極と同じ材料からなることを特徴とする請求項4記載の燃料電池セル。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれかに記載の燃料電池セルを、隣り合う一方の燃料電池セルの前記外側電極と隣り合う他方の燃料電池セルの前記インターコネクタとが対向するように所定間隔をおいて整列してなることを特徴とするセルスタック。
  7. 請求項6記載のセルスタックを、複数収納容器内に収容するとともに、前記セルスタックの隣接する前記燃料電池セルの間にガスが供給されることを特徴とする燃料電池。
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