JP2012014850A - 横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック、横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルおよび燃料電池 - Google Patents

横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック、横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルおよび燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】余剰の反応ガスの燃焼によってセルスタックの第1の反応ガス排出側の端部にクラック等が発生しにくいセルスタック、バンドルおよび燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料電池セルスタック1aは、長手方向に沿って第1の反応ガスを流すためのガス流路を内部に備え、両端部に第1の反応ガス導入口及び排出口5aを有してなる電気絶縁性の多孔質支持体2上に、固体電解質層3bの一方側に内側電極層が他方側に外側電極層3cが積層されてなる燃料電池セルが、前記多孔質支持体の長手方向に沿って複数個配置されてなり、前記多孔質支持体を介して前記内側電極層に供給される前記第1の反応ガスと前記外側電極層に供給される第2の反応ガスとで発電を行なうとともに、前記多孔質支持体の端部で発電に使用されなかった前記第1の反応ガスと前記第2の反応ガスとを燃焼させる構成であって、前記多孔質支持体の端部に金属製の筒状部材4の一端部が装着される。
【選択図】図1

Description

本発明は、横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック(以下、単にセルスタックという場合がある。)、横縞型固体酸化物形燃料電池バンドル(以下、単にバンドルという場合がある。)および燃料電池に関する。
近年、エネルギー変換段数を少なくし、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する高い発電効率を有する発電方法として、燃料電池が注目されている。とりわけ、固体酸化物形燃料電池は、発電温度が600℃〜1000℃と高く、燃料電池内の内部抵抗が小さいため、燃料電池の中で最も発電効率が高く、さらに発電に使用されなかった余剰の反応ガス(以下、単に余剰の反応ガスという場合がある。)を利用してガスタービンによるさらなる発電、あるいはコージェネレーション用の熱源として用いることができ、化学エネルギーを高い変換効率で電気エネルギーに変換できる特性を有する。特に横縞型固体酸化物形燃料電池は、少ないセルスタックの本数で高い電圧を得られる。
従来のセルスタックは、長手方向に沿って第1の反応ガスを流すためのガス流路を内部に備え、一端側にガス流路のガス導入口を有し、他端側にガス流路のガス排出口を有してなる電気絶縁性の多孔質支持体上に、内側電極層、固体電解質層および外側電極層が順次積層された多層構造の燃料電池セルが多孔質支持体の長手方向に沿って複数個配列された発電領域と多孔質支持体の他端側に燃料電池セルが配列されない非発電領域とが形成され、隣接する燃料電池セルを、インターコネクタを介して電気的に直列に接続して構成されている。
このようなセルスタックでは、第1の反応ガスをガス導入口から供給し、第2の反応ガスをセルスタックの表面に曝すことで発電し、余剰の反応ガスはガス排出口付近の雰囲気中で燃焼させ、熱源として用いられる。
しかしながら、この燃焼により生じる熱応力により、セルスタックのガス排出側の端部(以下、単に他端部という場合がある。)付近においてクラックや割れ等が発生する場合があった。
特許文献1には、非発電領域の多孔質支持体の長手方向の長さを延長させたセルスタックが開示されている。
特許文献2には、セルスタックの非発電領域の多孔質支持体上に固体電解質が設けられるとともに、ガス流路のガス流通量を抑制するガス排出抑制孔が形成された蓋状部材を具備するセルスタックが開示されている。
特許文献3には、セルスタックから排出された第1の反応ガスとセルスタックの表面に曝された第2の反応ガスが合流するセルスタックの第1の反応ガス排出側端部の外周面及び/又は第1の反応ガス排出側端部の内周面に、環状部材を装着したセルスタックからなる燃料電池が開示されている。
特開2006−172952号公報 特開平11−162499号公報 特開2005−346988号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載のような燃料電池では、余剰の反応ガスの燃焼に伴って、セルスタックの他端部にクラック等が発生することを抑制するのに充分でなく、当該他端部が破壊されやすいという問題がある。
そこで、本発明は、余剰の反応ガスを燃焼させる場合において、セルスタックの他端部にクラック等が発生しにくいセルスタック、バンドルおよび燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、多孔質支持体の他端部に金属製の筒状部材の一端部を装着することで、セルスタックの他端部と余剰の反応ガスの燃焼域との距離を長くすることができ、余剰の反応ガスを燃焼させる場合において、セルスタックの他端部にクラック等が発生しにくいセルスタックを提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)長手方向に沿って第1の反応ガスを流すためのガス流路を内部に備え、一端側に前記ガス流路の第1の反応ガス導入口を有し、他端側に前記ガス流路の第1の反応ガス排出口を有してなる電気絶縁性の多孔質支持体上に、固体電解質層の一方側に内側電極層が積層され、前記固体電解質層の他方側に外側電極層が積層されてなる燃料電池セルが、前記多孔質支持体の長手方向に沿って複数個配置されてなり、前記燃料電池セルが、前記多孔質支持体を介して前記内側電極層に供給される前記第1の反応ガスと、前記外側電極層に供給される第2の反応ガスとで発電を行なうとともに、前記多孔質支持体の他端側で、前記燃料電池セルの発電に使用されなかった前記第1の反応ガスと前記第2の反応ガスとを燃焼させる構成の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックであって、前記多孔質支持体の他端部に金属製の筒状部材の一端部が装着されていることを特徴とする横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック。
(2)前記筒状部材の一端部が、前記多孔質支持体の他端部に外挿されている前記(1)に記載の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック。
(3)前記多孔質支持体が1つまたは複数の前記ガス流路を有するとともに、前記筒状部材が、これらのガス流路の第1の反応ガス排出口を囲むように前記多孔質支持体に装着されていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック。
(4)前記筒状部材の他端部における少なくとも内面が、低熱伝導材によりコーティングされていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック。
(5)前記筒状部材には、冷却用フィンが設けられていることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック。
(6)前記内側電極層が燃料極層であり、前記外側電極層が空気極層であって、前記第1の反応ガスが燃料ガスであるとともに、前記第2の反応ガスが酸素含有ガスであることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックの一端側を、前記ガス流路に前記反応ガスを供給するためのガスマニホールドに固定してなる横縞型固体酸化物形燃料電池バンドル。
(8)前記(7)に記載の横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルを収納容器に複数収納してなることを特徴とする燃料電池。
本発明によれば、セルスタックの他端部にクラック等が発生しにくいセルスタックを提供することができる。さらに、本発明のセルスタックを用いた長期信頼性の高いバンドルおよび燃料電池を提供することができる。
本発明の第1の実施形態にかかるセルスタックを示す斜面図である。 本発明の第1の実施形態にかかるセルスタックを示す断面図である。 (a),(b)は本発明の筒状部材の他の例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかるセルスタックにおける多孔質支持体成形体を示す縦断面図である。 (a)〜(h)は、本発明の第1の実施形態にかかるセルスタックの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の第2の実施形態にかかるセルスタックを示す断面図である。 本発明の第3の実施形態にかかるセルスタックを示す斜面図である。 本発明の第4の実施形態にかかるセルスタックを示す斜面図である。 本発明のバンドルの一実施形態を示す概略図である。
以下、本発明のセルスタック、バンドルおよび燃料電池の本実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
(セルスタック)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるセルスタック1aを示す斜面図である。図2は、本発明の第1の実施形態にかかるセルスタック1aを示す断面図である。
図1、図2に示すセルスタック1aは、多孔質支持体2の表面および裏面に長手方向に沿って所定の間隔で燃料電池セル3が複数個配置された横縞型固体酸化物形燃料電池と呼ばれるもので、多孔質支持体2の他端部に筒状部材4の一端部が装着されている。
以下、セルスタック1aを構成する各部材の材質等を詳しく説明する。
(多孔質支持体2)
多孔質支持体2の形状は、特に限定されないが、セルスタックの発電性能を高める観点から、扁平な板状であるのが好ましく、長手方向に沿って第1の反応ガスを流すためのガス流路5を内部に備え、一端側にガス流路5の第1の反応ガス導入口(以下、導入口という場合がある。)を有し、他端側にガス流路5の第1の反応ガス排出口5a(以下、排出口5aという場合がある。)を有してなる。
ガス流路5の形状は、特に限定されず、例えば、円状の穴、星形のような穴、スリット状の穴、不規則形状の穴などが挙げられる。
ガス流路5の本数は、複数本あるのが好ましく、3〜20本、好ましくは6〜17本であるのが好ましい。このように、多孔質支持体2の内部にガス流路5を複数形成することにより、多孔質支持体2の内部に大きなガス流路を1本形成する場合に比べて、多孔質支持体2を扁平板状とすることができ、セルスタック1aの体積当たりの燃料電池セル3の面積を増加し発電量を大きくすることができる。よって、例えば、必要とする発電量を得るためにバンドル20を構成する際に(図5参照)、セルスタック1aの本数を減らすことができる。
ガス流路5を複数本備える多孔質支持体2のガス流路5の配置は、特に限定されず、多孔質支持体2の幅方向に並列に規則的に形成されても、不規則に形成されてもよい。
また、多孔質支持体2の第1の反応ガス排出側の端面の外周の角部は、他端部に熱応力が集中するのを緩和する観点から、C面形状、R面形状などの面取り加工が施されているのが好ましい。(図示せず)。
(多孔質支持体2の材質)
多孔質支持体2は、電気絶縁性である必要があり、例えば、MgOと、Ni若しくはNi酸化物(NiO)(以下、Ni等という場合がある。)と、希土類元素酸化物とから形成されている。なお、希土類元素酸化物を構成する希土類元素としては、例えばY、Lb、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Prなどであり、希土類元素酸化物としては、例えばY23やYb23などが挙げられ、特にY23が好ましい。MgOは70〜80体積%、希土類元素酸化物は10〜20体積%、Ni等(NiOは発電時には、通常水素ガスにより還元されてNiとして存在する。)は、NiO換算で10〜25体積%、特に15〜20体積%の範囲で多孔質支持体2中に含有し、総量として100体積%となるように含有されるのがよい。
多孔質支持体2は、燃料電池セル3間の電気的ショートを防ぐために電気絶縁性であることが必要であり、通常は105Ω・cm以上の抵抗率を有することが望ましい。Ni等の含量が前記範囲を超えると、電気抵抗値が低下し易い。なお、多孔質支持体2は、ガス流路5内のガスを燃料電池セル3側へ導入できなければならないため、多孔質であり、その開気孔率は25%以上で、特に30〜40%の範囲にあるのが好ましい。
(燃料電池セル3)
図2に示すそれぞれの燃料電池セル3は、多孔質支持体2上に、内側電極層3a、固体電解質層3b、外側電極層3cがこの順に積層されて構成されている。隣接する燃料電池セル3は、隣接する一方の燃料電池セル3の内側電極層3a上に積層されたインターコネクタ3dと隣接する他方の燃料電池セル3の外側電極層3c上に積層されたセル接続部材3eとを介して、隣接する一方の燃料電池セル3の内側電極層3aと隣接する他方の燃料電池セル3の外側電極層3cとが電気的に直列に接続される。また、多孔質支持体2の他端側における表面および裏面に配置された燃料電池セル3同士は、Ag−Pd等の貴金属等からなる折り返し部材3fにより電気的に直列に接続されている。
燃料電池セル3は、内側電極層3aを燃料極層とし、外側電極層3cを空気極層とすることができる。この場合、後述する第1の反応ガスが燃料ガスであるとともに、後述する第2の反応ガスが酸素含有ガスである。
また、燃料電池セル3は、内側電極層3aを空気極層とし、外側電極層3cを燃料極層とすることもできる。この場合、後述する第1の反応ガスが酸素含有ガスであるとともに、後述する第2の反応ガスが燃料ガスである。なお、以下の説明において、内側電極層3aを燃料極層とし、外側電極層3cを空気極層とした構成からなるタイプのセルスタックを用いて説明する。
多孔質支持体2のガス流路5内に水素を含む燃料ガスを流し、かつ空気極層を空気等の酸素を含む酸素含有ガスに曝すことにより、燃料極層および空気極層間で下記式(i)および(ii)に示す電極反応が生じ、両極間に電位差が発生し、発電するようになっている。
Figure 2012014850
(固体電解質層3b)
固体電解質層3bは、前記式(i)の電極反応で生じた酸素イオンを燃料極層へ導電させるもので、酸素イオン導電性が高く、電子導電性が低い性質である必要があり、酸素イオン導電率の大きな酸化物から形成される。例えば、固体電解質層3bは、希土類元素またはその酸化物を固溶させたZrO2からなる安定化ZrO2を含む緻密質なセラミックスから形成される。
ここで、固溶させる希土類元素またはその酸化物としては、例えばSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなど、または、これらの酸化物などが挙げられ、好ましくは、Y、Yb、または、これらの酸化物が挙げられる。また、固体電解質層3bは、8モル%のYが固溶している安定化ZrO2(8mol% Yttria Stabilized Zirconia、以下、「8YSZ」という。)と熱膨張係数がほぼ等しいランタンガレート系(LaGaO3系)固体電解質層を用いることもできる。また、固体電解質層3bは、例えば、厚さが10〜100μmであり、例えば、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、好ましくは、95%以上の範囲に設定される。
また、固体電解質層3bは、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有すると同時に、燃料ガス(第1の反応ガス)または酸素含有ガス(第2の反応ガス)のリーク(ガス透過)を防止するためにガス遮断性を有する。
(燃料極層の材質)
燃料極層は、前記式(ii)の電極反応を生じさせるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニア)と、Ni等とからなる。この希土類元素が固溶した安定化ジルコニアとしては、固体電解質層3bの材料を用いることができる。
燃料極層中の安定化ジルコニア含有量は、35〜65体積%、好ましくは45〜55体積%の範囲にあることが好ましく、またNi等の含有量は、良好な発電性能を発揮させるため、NiO換算で65〜35体積%、好ましくは45〜55体積%の範囲にあるのがよい。
燃料極層の開気孔率は、15%以上、特に20〜40%の範囲にあるのがよい。
さらに、固体電解質層3bとの熱膨張差に起因して発生する熱応力を吸収し、燃料極層の割れや剥離などを防止する観点から、燃料極層の厚みは、5〜230μmの範囲にあることが望ましい。
また、燃料極層は、固体電解質層3b側の活性燃料極層と、多孔質支持体2側(内側電極層3aが燃料極層である場合)またはセルスタック2の外側(外側電極層3cが燃料極層である場合)の集電燃料極層との二層構造で構成することもできる。
活性燃料極層は上記した燃料極層の材質と同様であってもよく、集電燃料極層も同様に燃料極層と同様の材料で構成することができる。なお、活性燃料極層と集電燃料極層とでは、Ni等を異なる含有量とすることができる。
この場合において、後述するインターコネクタ3dは、集電燃料極層上の一端側に配置し、活性燃料極層はインターコネクタ3dと間隔をあけて集電燃料極層上に配置することが好ましい。
また、活性燃料極層の厚みは、固体電解質層3bとの熱膨張差に起因して発生する熱応力を吸収し、燃料極層の割れや剥離などを防止する観点から、5〜30μmの範囲にあることが好ましい。
(集電燃料極層)
集電燃料極層に含有されるNi等は、NiO換算で30〜60体積%、好ましくは45〜55体積%であり、希土類元素酸化物の含有量は、40〜70体積%、好ましくは45〜55体積%の範囲で希土類元素酸化物中に含有されているのがよい。集電燃料極層は、電流の流れを損なわないように、導電性であることが必要であり、通常、400S/cm以上の導電率を有していることが望ましい。良好な電気伝導度を有するという点から、Ni等の含量は30体積%以上が望ましい。
また、この集電燃料極層の厚みは、電気伝導度を向上するという点から、80〜200μmであることが望ましい。
以上のように、燃料極層を固体電解質層3b側の活性燃料極層と、多孔質支持体2側(燃料極層が内側電極層3aのセルスタック)またはセルスタック2の外側(燃料極層が外側電極層3cのセルスタック)の集電燃料極層との二層とした構造であれば、多孔質支持体2側の集電燃料極層のNiO換算でのNi等の含有量を30〜60体積%の範囲内で調整することにより、セルスタック1aの作製時、加熱時、冷却時において両者の熱膨張差に起因して発生する熱応力を小さくすることができるため、燃料極層の割れや剥離などを抑制することができる。このため、第1の反応ガスを流して発電を行う場合においても、多孔質支持体2との熱膨張係数の整合性は安定に維持され、熱膨張差による割れを有効に回避することができる。
(空気極層の材質)
空気極層は、前記式(i)の電極反応を生じさせるものであり、導電性セラミックスから形成される。導電性セラミックスとしては、例えば、ABO3型のペロブスカイト型酸化物が挙げられ、このようなペロブスカイト型酸化物としては、例えば、遷移金属型ペロブスカイト型酸化物、好ましくは、LaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物など、特にAサイトにLaを有する遷移金属型ペロブスカイト型酸化物を挙げることができる。さらに好ましくは、600〜1000℃程度の比較的低温での電気伝導性が高いという観点から、LaCoO3系酸化物が挙げられる。
前記したペロブスカイト型酸化物において、AサイトにLaおよびSrが共存してもよく、また、BサイトにFe、CoおよびMnが共存してもよい。
空気極層の開気孔率は、例えば、20%以上、好ましくは、30〜50%の範囲に設定される。開気孔率が前記した範囲内にあれば、空気極層が良好なガス透過性を有することができる。
空気極層の厚さは、例えば、10〜100μmの範囲に設定され、該範囲内にあれば、空気極層が良好な発電性能を有することができる。
(インターコネクタ3d)
インターコネクタ3dは、第1の反応ガス及び第2の反応ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有している導電性セラミックスから形成される。導電性セラミックスとしては、例えば、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)などが挙げられる。
導電性セラミックスは、多孔質支持体2内のガス流路5を通る第1の反応ガスと外側電極層3cの外部を通る第2の反応ガスとのリークを防止するため、緻密質でなければならず、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度(アルキメデス法)を有していることが好適である。なお、インターコネクタ3dの端面と、固体電解質層3bの端面との間には、適当な接合層(例えばY23)を介在させることにより、シール性を向上させることもできる。
また、インターコネクタ3dとしては、金属層と、ガラスの入った金属ガラス層との二層構造としてもよい。金属層は、例えば、AgとNiの合金からなり、金属ガラス層は、Agとガラスからなる。金属ガラス層により、多孔質支持体2内のガス流路5を通る第1の反応ガスのセルスタックの外側へのリーク、および外側電極層3cの外部を通る第2の反応ガスのセルスタックの内側へのリークを有効に防止することができる。
(セル接続部材3e)
セル接続部材3eは多孔質とされている。セル接続部材3eとしては、LaCoO3系等の導電性セラミック(例えば空気極層材料)、Ag−Pd等の貴金属から構成された多孔質とすることができる。
外側電極層3cが空気極層であり、空気極層へのセル接続部材3eの材料の塗布量が少ない場合には、セル接続部材3eの材料が空気極層の気孔中に浸入し、層としては形成されない。特に、Ag−Pd等の貴金属はコスト低減のため塗布量が少ないため、空気極層は、空気極層材料とAg−Pd等の集電材料が混在して構成され、セル接続部材3eは形成されない。
一方、外側電極層3cが空気極層であり、空気極層へのLaCoO3系等の導電性セラミックの塗布量が多い場合には、空気極層上にセル接続部材3eが形成される。なお、外側電極層3cが空気極層である場合に、空気極層がセル接続部材3eを兼ねるものとしてもよい。この場合、一方の燃料電池セル3の燃料極層上に設けられたインターコネクタ3dに隣接する他方の燃料電池セル3の空気極層が接続されることで、隣り合う燃料電池セル3を電気的に直列に接続することができる。さらに、空気極層とインターコネクタ3dとが電気的に接続されている場合であっても、空気極層上にセル接続部材3eを設けることもできる。この場合、一方の燃料電池セル3内を流れる電流を、効率よく他方の燃料電池セル3に供給することができる。
本発明のセルスタック1aは、セルスタック1aの温度(特に固体電解質層3bの温度)を600℃以上とし、燃料電池セル3が、多孔質支持体2を介して内側電極層3aに供給される第1の反応ガスと、外側電極層3cに供給される第2の反応ガスとで発電を行なうことができる。すなわち、ガス流路5に第1の反応ガスを流し(第1の反応ガスの流れを矢印6で示す。)、セルスタック1aの外面に第2の反応ガスに曝すことで効率よく発電することができる。さらに、複数本のセルスタック1aを用いて後述するバンドル20を構成し、該バンドル20を用いて後述する燃料電池を構成することで、連続的に高い発電をすることができる。
さらに、多孔質支持体2の他端側で、燃料電池セル3の発電に使用されなかった第1の反応ガスと第2の反応ガスとを燃焼させる。すなわち、図2に示すように、排出口5aから排出された余剰の第1の反応ガスおよびセルスタック1aの表面に曝された後の余剰の第2の反応ガスは、混合されて、点火手段(図示せず)によって点火され、燃焼域8を形成する。燃焼で得られる熱エネルギーは、例えば、セルスタック1aに供給される第1の反応ガスおよび第2の反応ガスのガス温度を高めるのに利用され、バンドル20の温度を発電に適した温度に維持するだけでなく、燃料電池から排出される排ガスを用いて水と熱交換して給湯するコージェネレーションシステムとするほか、ガスタービン、水蒸気タービンの併用による複合(コンバインド)サイクル発電などのさらなる発電をすることができる。
セルスタック1aの一端側から他端側にかけて多孔質支持体2上に、燃料電池セル3が、多孔質支持体2の表面および裏面に長手方向に沿って所定の間隔で複数個配置されるが、セルスタック1aの他端側では、燃料電池セル3は他端部から所定の距離だけ離隔して配置され、非発電領域2bを形成している。
(筒状部材4)
セルスタック1aは、図2に示すように、多孔質支持体2の他端部に金属製の筒状部材4が装着されている。すなわち、筒状部材4は、一端部の内面に形成された段部4bによって、多孔質支持体2の他端上に載置されている。
筒状部材4の一端部が多孔質支持体2の他端部に装着されていることで、燃焼域8をセルスタック1aの他端部から離すことができる。そのため、セルスタック1aは、燃焼域8からの熱の影響を受けにくく、セルスタック1aの他端部の破壊を防ぐことができ、さらに、第2の反応ガスが排出口5aからガス流路5へ流れ込む逆流を抑制することができるので、長期安定性の高いセルスタック1aとすることができる。
なお、筒状部材4の装着方法は、前述した載置する装着方法に限られず、筒状部材4と固体電解質層3bとが接着された装着方法、例えば、セルスタック1aの嵌合口と同じか、それよりもやや小さな嵌合口を有する筒状部材4の一端をセルスタック1aに圧入し接合する方法、セルスタック1aの嵌合口より大きな嵌合口を有する筒状部材4の一端をセルスタック1aに挿入し筒状部材4を外周面から圧着して接合する方法などが挙げられる。
また、筒状部材4の内面は、前述した段部4bを有している形状に限られず、筒状部材4の内面に段部4bを有さないストレート形状などであってもよく、かかる場合の筒状部材4と固体電解質層3bとの装着方法としては、特に限定されず、その形状に合わせて適宜採用すればよい。
筒状部材4の材質は、燃焼域8の温度よりも高い融点を有し、成形加工性に優れた金属であれば、特に限定されず、例えば、鉄、アルミニウム、モリブデンなどの金属単体、またはFe、Cr、Niの何れかを含有するステンレス鋼等が挙げられる。
筒状部材4の形状は、特に限定されず、例えば、長手方向に対して傾斜を有さないストレート型、ダイバージェント型、コンバージェント型、コンバージェント・ダイバージェント型などが挙げられる。
これら形状であっても、さらに、筒状部材4を、ガス流路5の第1の反応ガス排出口5aを囲むように多孔質支持体2に装着するのが好ましい。言い換えれば、筒状部材4の内壁(中空部の壁)が各ガス流路5よりも外側に位置するようにして装着するのが好ましい。このように、装着することで、筒状部材4によってガス排出口5aが塞がれず、圧力損失が生じないので、発電効率の低下を抑制することができる。
なお、筒状部材4は上記の形状に限られるものではない。図3は筒状部材の他の例を示すものであり、図3(a)は上端にスリット状の孔を有する蓋10aを備える筒状部材10を示している。このようなスリット状の通気孔10bを有する蓋10aを備えることで、第2の反応ガスが通気孔10bから流れ込む逆流を抑制することができるとともに、第1の反応ガスが通気孔10bから排出される際の流速を早めて燃焼域8を筒状部材10よりさらに遠ざけることができる。
また図3(b)は筒状部材の他の例を示すものであり、筒状部材11の内部に、多孔質支持体2に設けられた各ガス流路5と対応する大きさの通気孔11bを有する蓋11aを備えている。このような筒状部材11においても、通気孔11bから排出される際の流速を早めて燃焼域8を筒状部材11よりさらに遠ざけることができる。それにより、長期安定性の向上したセルスタック1aとすることができる。また通気孔11bの形状は、特に限定されず、例えば、円状の穴、スリット状の穴、不規則形状の穴、多孔質状などが挙げられる。
筒状部材4のうちセルスタック1aから突出した筒部4aの長手方向の長さは、セルスタック1aの他端部の破壊を効果的に防ぎ、かつセルスタック1aの大型化を防ぐ目的で、多孔質支持体2の最も他端側に配置された燃料電池セルから筒状部材4の他端までの距離が20mm以上、好ましくは30〜50mmとなる長さとすることができる。なお、筒部4aの長手方向の長さは、多孔質支持体2の長さにあわせて適宜変更することができ、例えば多孔質支持体2の最も他端側に配置された燃料電池セルから筒状部材4の他端までの距離が、多孔質支持体2の長手方向の長さに対して1〜30%程度の長さとなるようにすることができる。
なお、筒状部材4の幅方向の長さは、筒状部材4の形状などによって適宜調整すればよい。
(低熱伝導コーティング層)
筒状部材4の少なくとも筒部4aの内面におけるガス排出口およびその近傍に、低熱伝導材によりコーティングされた低熱伝導コーティング層が設けられているのが好ましい。
低熱伝導コーティング層を設けることで、燃焼時に筒状部材4からセルスタック1aへの熱伝導が少なくなり、セルスタック1aの他端部の破壊を抑制でき、さらに長期安定性の高いセルスタック1aとすることができる。
低熱伝導材としては、燃焼域8の温度よりも高い融点を有し、低熱伝導性であれば特に限定されず、例えば、ジルコニア、ガラス(例えば珪酸ガラスやシリカ−アルミナ系ガラス等)等が挙げられる。
低熱伝導コーティング層は、例えば、筒状部材4の筒部4aの内面におけるガス排出口およびその近傍のみに設けられていても、筒部4aの内面の全域のみに設けられていてもよく、好ましくは筒状部材4の筒部4aの内面および外面におけるガス排出口およびその近傍並びに筒状部材4の端面に設けられているのがよく、さらに好ましくは筒状部材4aの全域に設けられているのがよい。
低熱伝導コーティング層の厚みは、用いる低熱伝導材によって適宜調整すればよいが、筒状部材の厚みに対して0.001〜1倍であるのがよい。
低熱伝導コーティング層の形成方法は、例えば、珪酸ガラスやシリカ−アルミナ系ガラスと、ジルコニアと、溶媒等とを含有する溶液(スラリー)を筒状部材4の所定の部位に塗布し、その後、スラリーを塗布した筒状部4を800〜1000℃、1〜3時間焼き付ける方法などが挙げられる。
なお、塗布量は目的とする厚みとなるように適宜設定することができる。
(冷却用フィン7)
筒状部材4には、冷却用フィン7を設けることができる。冷却用フィン7が設けられることで、余剰の第1の反応ガスおよび余剰の第2の反応ガスとの燃焼に伴う燃焼熱の影響によって得た筒状部材4の熱を散逸させ、セルスタック1aの他端部の破壊を抑制でき、さらに長期安定性の高いセルスタック1aとすることができる。
冷却用フィン7の材質は、燃焼域8の温度よりも高い融点を有し、高熱伝導性を有していれば特に限定されず、筒状部材4の材質と同様であってもよく、他に、アルミ、モリブデンなどが挙げられる。
冷却用フィン7の形状は、特に限定されないが、熱を散逸させやすい大きな表面積を確保できる形状であるのが筒状部材4の熱を散逸させる観点から好ましく、例えば、四角柱、円柱などのピン状、長方形状、波状、鋸歯状、中空状などの板状などが挙げられる。
冷却用フィン7の配置は、筒状部材4の表面(外面および/または内面)上であれば特に限定されず、筒状部材4の全域、筒状部材4に積層された低熱伝導コーティング層上のみ、筒状部材4の内面上のみに設けられてもよい。なお、余剰の第1の反応ガスおよび余剰の第2の反応ガスとの燃焼に伴う燃焼熱の影響によって得た筒状部材4の熱を散逸させるにあたり、特には筒状部材4の外面に設けることが好ましい。
冷却用フィン7の形状、寸法、本数、配置等は、冷却用フィン7の材質や求める発電量等の状況に応じて適宜調整すればよい。
(セルスタック製造方法)
次に、セルスタック1aにおける内側電極層3aを燃料極層(集電燃料極層および活性燃料極層)とし、外側電極層3cを空気極層としたセルスタックの製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。図4は、本発明の第1の実施形態にかかるセルスタック1aにおける多孔質支持体成形体12を示す縦断面図である。図5(a)〜(h)は、本発明の第1の実施形態にかかるセルスタック1aの製造方法を示す工程図である。
まず、図4に示すように、多孔質支持体成形体12を作製する。
多孔質支持体成形体12の材料としては、平均粒径(D50)(以下、単に「平均粒径」と言う。)が0.1〜10.0μmのMgO粉末に、必要により熱膨張係数調整用または接合強度向上用として、Ni粉末、NiO粉末、Y23粉末、または、希土類元素安定化ジルコニア粉末(YSZ)などを、熱膨張係数が固体電解質層3bの熱膨張係数とほぼ一致するように所定の比率で配合して混合する。この混合粉末を、ポアー剤と、セルロース系有機バインダーと、水とからなる溶媒と混合し、押し出し成形して、内部にガス流路15を有する中空の板状形状で、扁平状の多孔質支持体成形体12を作製し、これを乾燥後、900℃〜1200℃、2〜4時間で仮焼処理する。ガス流路15の直径は、押し出し成形時に調整する。
第1の反応ガス排出側である多孔質支持体成形体12の端面の外周の角部に面取り加工(例えば、C面取り加工、R面取り加工等)を施す場合は、リューターや、サンドペーパー、あるいは治具や、平面研削機などを用いて加工することができる。
次に、内側電極層3c(集電燃料極層および活性燃料極層)、インターコネクタ3dおよび固体電解質層3cの各成形体を作製する。
まず、例えばNiO粉末、Ni粉末と、YSZ粉末とを混合し、これにポアー剤を添加し、アクリル系バインダーとトルエンとを混合して活性燃料極層成形体13a用のペーストを作製する。同様にして、例えばLaCrO3系酸化物の粉末を用いてインターコネクタ13d用のペーストを作製する。
次に、例えばNiO粉末、Ni粉末と、Y23などの希土類元素酸化物とを混合し、これにポアー剤を添加し、アクリル系バインダーとトルエンとを混合してスラリーとし、ドクターブレード法にてスラリーを塗布して乾燥し、所定の寸法で厚み80〜200μmの集電燃料極層用テープ(グリーンシート)13fを作製する。
この集電燃料極層用テープ13f上に、図5(a)に示すように、活性燃料極層成形体13a用、インターコネクタ13d用の各ペーストを順次積層して乾燥し、活性燃料極層成形体13a、インターコネクタ13dを形成する。
次に、図5(b)に示すように、集電燃料極層用テープ13fにおいて、絶縁部を形成する複数の箇所を打ち抜き、活性燃料極層成形体13aおよびインターコネクタ13dが積層された集電燃料極層用テープ13fを作製する。
その後、図5(c)に示すように、活性燃料極層成形体13a、インターコネクタ13dが形成された集電燃料極層用テープ13fを、多孔質支持体成形体12の第1の反応ガス排出側の端部から20〜25mm空けて、隣接間隔1.0〜20mm空けて複数枚を仮焼した多孔質支持体成形体12の表面に貼り付ける。この工程を繰り返し行い、多孔質支持体成形体12の表面に、活性燃料極層成形体13aおよびインターコネクタ13dがそれぞれ印刷積層された集電燃料極層用テープ13fを横縞状に複数貼り付ける。
次に、この状態で多孔質支持体成形体12を乾燥し、その後、900〜1300℃の温度範囲で2〜4時間仮焼する。次に、図5(d)に示すように、インターコネクタ13dの表層部に、マスキングテープ16を貼り付ける。
次に、この積層体に、固体電解質層成形体13bを充填する。
この積層体に、8YSZにアクリル系バインダーとトルエンを加えてスラリーとした固体電解質層成形体13b用溶液に浸漬し、固体電解質層成形体13b用溶液から取り出す。これにより、図5(e)に示すように、積層体の全面に固体電解質層成形体13bの層が塗布されるとともに、図5(c)で打ち抜いた空間にも固体電解質層成形体13bが充填される。
なお、多孔質支持体成形体12の第1の反応ガス排出側の一端部(非発電領域2bの一端部)には、筒状部材4を設けるために、多孔質支持体成形体12の第1の反応ガス排出側の他端から所定距離空けて固体電解質層成形体13bを設けることもできる。
この状態で、600〜1000℃、2〜4時間仮焼する。
仮焼を終えた時点で、図5(f)に示すように、マスキングテープ16およびマスキングテープ16上の不要な固体電解質層成形体13bを除去する。次に、多孔質支持体成形体12上に集電燃料極層用テープ13f、活性燃料極層成形体13a、インターコネクタ13dおよび固体電解質層成形体13bが積層された状態で、1450〜1500℃、2〜4時間の条件で焼成を行う。
次に、例えば、ランタンコバルタイト(LaCoO3)と溶媒とを混合したスラリーを活性燃料極層成形体13aに対向する固体電解質層成形体13b上に印刷し、図5(g)に示すように、厚み10〜100μmの空気極層成形体13cを形成する。そして、形成した空気極層成形体13cを950〜1150℃、2〜5時間の条件で熱処理して焼き付ける。
次に、ランタンコバルタイト(LaCoO3)と有機バインダーとを混合したスラリーを、セル接続部材13eを形成したい部分に印刷し、900〜1150℃、2〜5時間焼き付ける(図5(h)参照)。
最後に、空気極層成形体13c等が積層された多孔質支持体成形体12の固体電解質層成形体13bが設けられていない部位に、筒状部材4を載置する。
なお、燃料電池セル3を構成する各層の積層方法については、テープ積層、ペースト印刷、ディップコートおよびスプレー吹付けのいずれの積層法を用いてもよい。好ましくは、積層時の乾燥工程が短時間であり、かつ工程の短時間化の観点から、ディップコートにより各層を積層するのが好ましい。
以上のような製造方法により、内側電極層3aを燃料極層(集電燃料極層および活性燃料極層)とし、外側電極層3cを空気極層としたセルスタック1aを容易に作製することができる。
<第2の実施形態>
図6は、本発明の第2の実施形態にかかるセルスタック1bを示す断面図である。
このセルスタック1bは、図6に示すように、固体電解質層3bが積層されていない多孔質支持体2の他端部上に、筒状部材4の一端部を装着したものである。その他は前述のセルスタック1aと同じである。
筒状部材4と多孔質支持体2との装着方法としては、特に限定されないが、多孔質支持体2の嵌合口より大きな嵌合口を有する筒状部材4の一端を多孔質支持体2にそのまま差込んで固体電解質層3b上に載置する方法、多孔質支持体2の嵌合口と同じか、それよりもやや小さな嵌合口を有する筒状部材4の一端を多孔質支持体2に圧入し接合する方法、多孔質支持体2の嵌合口より大きな嵌合口を有する筒状部材4の一端を多孔質支持体2に挿入し筒状部材4を外周面から圧着して接合する方法などが挙げられる。
また、セルスタック1bのように、筒状部材4の一端部を多孔質支持体2上に装着する場合は、筒状部材4と固体電解質層3bとの接触面4cの隙間から第1の反応ガスおよび/または第2の反応ガスのリークを防ぐために、筒状部材4と多孔質支持体2との装着の際に、接触面4cに、ガラス・Agガラスなどを塗布して、筒状部材4と多孔質支持体2とを装着するのが好ましい。
<第3の実施形態>
図7は、本発明の第3の実施形態にかかるセルスタック1cを示す斜面図である。
セルスタック1cは、図7に示すように、筒状部材4の外面上に、複数の板状の冷却用フィン7を設けた他は第1の実施形態にかかるセルスタック1aと同じである。
<第4の実施形態>
なお、セルスタック1dは、図8に示すように、筒状部材4の外面上に、複数の板状の冷却用フィン7をセルスタック1dの長手方向に対して直交する方向に平行に並設してもよい。
(バンドル20)
図9は、本発明のバンドルの一実施形態を示す概略図である。すなわち、セルスタック1aの一端側を、ガス流路12に燃料ガスを供給するためのガスマニホールド21上に、セルスタック1aを面平行となるように、等間隔で複数本配列し、これら各セルスタック1aの間に、櫛歯状のスタック間接続部材22を配置してなるバンドル20の一例を示している。
バンドル20を形成することで、配列されたすべてのセルスタック1aをスタック間接続部材22を用いて電気的に直列に接続でき、効率よく所望の発電量を得ることができる。なお、セルスタック1aの本数は、所望の発電量に応じて適宜調整すればよい。
バンドル20において、各セルスタック1aは、ガスマニホールド21に、例えば、絶縁性の接着剤(例えばガラス等)などにより固定されている。なお、ガスマニホールド21は、耐熱性を有する材質で作製すればよく、例えばケイ素、鉄、酸化チタン、酸化アルミニウムなどからなる金属や耐熱性を有するセラミックス等の材質から作製することができる。
(燃料電池)
本発明の燃料電池は、上述したようなバンドル20を収納容器内に複数収納することにより構成される。それにより、長期信頼性の向上した燃料電池とすることができる。
1a、1b、1c、1d セルスタック
2 多孔質支持体
2b 非発電領域
3 燃料電池セル
3a 内側電極層
3b 固体電解質層
3c 外側電極層
3d インターコネクタ
3e セル接続部材
3f 折り返し部材
4 筒状部材
4a 筒部
4b 段部
4c 接触面
5 ガス流路
5a 第1の反応ガス排出口
7 冷却用フィン
8 燃焼域
10 筒状部材
10a 蓋
10b スリット状の通気孔
11 筒状部材
11a 蓋
11b 通気孔
12 多孔質支持体成形体
13a 内側電極層成形体
13b 固体電解質層成形体
13c 外側電極層成形体
13d セル接続部材成形体
13e インターコネクタ
13f 集電燃料極層用テープ
15 ガス流路
16 マスキングテープ
20 バンドル
21 ガスマニホールド
22 スタック間接続部材

Claims (8)

  1. 長手方向に沿って第1の反応ガスを流すためのガス流路を内部に備え、一端側に前記ガス流路の第1の反応ガス導入口を有し、他端側に前記ガス流路の第1の反応ガス排出口を有してなる電気絶縁性の多孔質支持体上に、固体電解質層の一方側に内側電極層が積層され、前記固体電解質層の他方側に外側電極層が積層されてなる燃料電池セルが、前記多孔質支持体の長手方向に沿って複数個配置されてなり、前記燃料電池セルが、前記多孔質支持体を介して前記内側電極層に供給される前記第1の反応ガスと、前記外側電極層に供給される第2の反応ガスとで発電を行なうとともに、前記多孔質支持体の他端側で、前記燃料電池セルの発電に使用されなかった前記第1の反応ガスと前記第2の反応ガスとを燃焼させる構成の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックであって、
    前記多孔質支持体の他端部に金属製の筒状部材の一端部が装着されていることを特徴とする横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  2. 前記筒状部材の一端部が、前記多孔質支持体の他端部に外挿されている請求項1に記載の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  3. 前記多孔質支持体が1つまたは複数の前記ガス流路を有するとともに、前記筒状部材が、これらのガス流路の第1の反応ガス排出口を囲むように前記多孔質支持体に装着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  4. 前記筒状部材の他端部における少なくとも内面が、低熱伝導材によりコーティングされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  5. 前記筒状部材には、冷却用フィンが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  6. 前記内側電極層が燃料極層であり、前記外側電極層が空気極層であって、前記第1の反応ガスが燃料ガスであるとともに、前記第2の反応ガスが酸素含有ガスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタック。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックの一端側を、前記ガス流路に前記反応ガスを供給するためのガスマニホールドに固定してなる横縞型固体酸化物形燃料電池バンドル。
  8. 請求項7に記載の横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルを収納容器に複数収納してなることを特徴とする燃料電池。
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