JP4925574B2 - 燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents
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Description
また本発明の燃料電池セルは、細長基板状であり、内部を長さ方向に沿って貫通するガス流路が設けられた、導電性を有し、かつ内側電極を兼ねる支持基板の一方側面上に、固体電解質層、外側電極が順に設けられ、前記支持基板の前記一方側面と対向する他方側面にランタンクロマイト系の材料からなるインターコネクタが設けられてなる燃料電池セルであって、前記支持基板の一方側面にランタンクロマイト系の材料からなるインターコネクタ材料層を有することを特徴とする。
ンターコネクタ材料層が複数の外側電極の間に離間して支持基板の幅方向に設けられていることが望ましい。
燃料極: O2− (固体電解質)+ H2 → H2O+2e− …(2)
かかる発電によって生成した電流は、支持基板31に取り付けられているインターコネクタ35を介して集電される。
上記のような構造を有する燃料電池セル30において、支持基板31は、燃料ガスを燃料極層32まで透過させるためにガス透過性であること、及びインターコネクタ35を介しての集電を行うために導電性であること、同時焼成時の熱膨張差による固体電解質などのクラックや剥離がないことが要求されるが、このような要求を満たすと同時に、還元・酸化サイクルにおける支持基板31の体積膨張に起因した固体電解質などのクラックを抑制する目的で、触媒活性金属及びその酸化物のいずれかと、触媒金属及びその酸化物との反応物を生成しない無機骨材、例えば、金属酸化物である固体電解質層又は少なくとも一種の希土類元素を含有する希土類元素酸化物とを含有せしめて構成する。
本発明において、燃料極層32は、前述した式(2)の電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrO2と、Ni及び/またはNiOとから形成される。この希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニア)としては、以下に述べる固体電解質層33の形成に使用されているものと同様のものを用いるのがよい。
この燃料極層32上に設けられている固体電解質層33は、一般に3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrO2(通常、安定化ジルコニア)と呼ばれる緻密質なセラミックスから形成されている。希土類元素としては、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを例示することができるが、安価であるという点からY、Ybが望ましい。
酸素極層34は、所謂ABO3型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成される。かかるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaを有するLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物の少なくとも1種が好適であり、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaFeO3系酸化物が特に好適である。尚、上記ペロブスカイト型酸化物においては、AサイトにLaと共にSrなどが存在していてもよいし、さらにBサイトには、FeとともにCoやMnが存在していてもよい。
上記の酸素極層34に対面する位置において、支持基板31上に設けられているインターコネクタ35は、導電性セラミックスからなるが、燃料ガス(水素)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、かかる導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)を使用できる。ランタンクロマイト系酸化物としては、(La,Sr)CrO3、Laの一部をSrで置換したもの、Crの一部をMgで置換したもの、La(Cr,Mg)O3を使用できる。
以上のような構造を有する燃料電池セルは、以下のようにして製造される。先ず、Ni等の鉄族金属或いはその酸化物粉末と、例えばY2O3粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合して坏土を調製し、この坏土を用いての押出成形により、支持基板成形体を作製し、これを乾燥する。
セルスタックは、図3に示すように、上述した燃料電池セル30が複数集合して、上下に隣接する一方の燃料電池セル30と他方の燃料電池セル30との間に、金属フェルト及び/又は金属板からなる集電部材40を介在させ、両者を互いに直列に接続することにより構成されている。即ち、一方の燃料電池セル30の支持基板31は、インターコネクタ35、P型半導体層39、集電部材40を介して、他方の燃料電池セル30の酸素極層34に電気的に接続されている。また、このようなセルスタックは、図3に示すように、サイドバイサイドに配置されており、隣接するセルスタック同士は、導電部材42によって直列に接続されている。尚、図3では、燃料電池セルは簡略化して記載している。
31a・・・燃料ガス通路
32・・・燃料極層
33・・・固体電解質層
34・・・酸素極層
35・・・インターコネクタ
36・・・インターコネクタ材料層
40・・・集電部材
Claims (12)
- 細長基板状であり、内部を長さ方向に沿って貫通するガス流路が設けられた、導電性を有する支持基板の一方側面上に、内側電極、固体電解質層、外側電極が順に設けられ、前記支持基板の前記一方側面と対向する他方側面にランタンクロマイト系の材料からなるインターコネクタが設けられてなる燃料電池セルであって、前記支持基板の一方側面にランタンクロマイト系の材料からなるインターコネクタ材料層を有することを特徴とする燃料電池セル。
- 細長基板状であり、内部を長さ方向に沿って貫通するガス流路が設けられた、導電性を有し、かつ内側電極を兼ねる支持基板の一方側面上に、固体電解質層、外側電極が順に設けられ、前記支持基板の前記一方側面と対向する他方側面にランタンクロマイト系の材料からなるインターコネクタが設けられてなる燃料電池セルであって、前記支持基板の一方側面にランタンクロマイト系の材料からなるインターコネクタ材料層を有することを特徴とする燃料電池セル。
- 前記インターコネクタ材料層は、前記インターコネクタと対向して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池セル。
- 前記インターコネクタ材料層及び前記インターコネクタが、前記ガス流路の形成方向に連続して形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 前記インターコネクタ材料層が前記外側電極の両側に離間して設けられていることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池セル。
- 前記外側電極が前記支持基板の長さ方向に複数に分割されており、前記インターコネクタ材料層が複数の前記外側電極の間に離間して前記支持基板の幅方向に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 前記外側電極が前記支持基板の長さ方向に複数に分割されており、前記インターコネクタ材料層が複数の前記外側電極の間に離間して前記支持基板の幅方向に設けられているとともに、前記支持基板の長さ方向に沿って前記外側電極の両側にも離間して設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 前記インターコネクタ材料層は絶縁層により被覆されていることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 前記インターコネクタ材料層の厚みは、前記インターコネクタよりも厚いことを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 前記インターコネクタの厚みが100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 前記内側電極層が燃料極層であり、前記外側電極層が酸素極層であることを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 請求項1乃至11のうちいずれかに記載の燃料電池セルを収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池。
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