JP5036163B2 - 燃料電池セル及びセルスタック並びに燃料電池 - Google Patents
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Description
方の主面上であって、前記発電素子と対向する位置にインターコネクタが形成されているとともに、前記発電素子が設けられる位置の前記支持体の外面に凹溝が設けられ、該凹溝と前記内側電極との間の空間がガス通路とされていることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池セルは、前記支持体は導電性であることを特徴とする。このような燃料電池セルでは、発電素子の内側電極とインターコネクタ間の電気抵抗を小さくすることができ、集電特性を向上し発電性能を向上できる。
燃料極: O2− (固体電解質)+ H2 → H2O+2e− …(2)
かかる発電によって生成した電流は、支持基板31に取り付けられているインターコネクタ35を介して集電される。
上記のような構造を有する燃料電池セル30において、支持基板31は、インターコネクタ35を介しての集電を行うために導電性とされ、同時焼成時の熱膨張差による固体電解質などのクラックや剥離がないことが要求されるが、このような要求を満たすと同時に、還元・酸化サイクルにおける支持基板31の体積膨張に起因した固体電解質などのクラックを抑制する目的で、触媒活性金属及びその酸化物のいずれかと、触媒金属及びその酸化物との反応物を生成しない無機骨材、例えば、金属酸化物である固体電解質又は少なくとも一種の希土類元素を含有する希土類元素酸化物とを含有せしめて構成する。
本発明において、燃料極層32は、前述した式(2)の電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrO2と、Ni及び/またはNiOとから形成される。この希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニア)としては、以下に述べる固体電解質層33の形成に使用されているものと同様のものを用いるのがよい。
この燃料極層32上に設けられている固体電解質層33は、一般に3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrO2(通常、安定化ジルコニア)と呼ばれる緻密質なセラミックスから形成されている。希土類元素としては、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを例示することができるが、安価であるという点からY、Ybが望ましい。
酸素極層34は、所謂ABO3型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成される。かかるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaを有するLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物の少なくとも1種が好適であり、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaFeO3系酸化物が特に好適である。尚、上記ペロブスカイト型酸化物においては、AサイトにLaと共にSrなどが存在していてもよいし、さらにBサイトには、FeとともにCoやMnが存在していてもよい。
上記の酸素極層34に対面する位置において、支持基板31上に設けられているインターコネクタ35は、導電性セラミックスからなるが、燃料ガス(水素)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、かかる導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)が使用される。また、燃料ガス通路31aを通る燃料ガス及び支持基板31の外部を通る酸素含有ガスのリークを防止するため、かかる導電性セラミックスは緻密質でなければならず、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好適である。
以上のような構造を有する燃料電池セルは、以下のようにして製造される。先ず、Ni等の鉄族金属或いはその酸化物粉末と、例えばY2O3粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合して坏土を調製し、この坏土を用いての押出成形により、支持基板成形体を作製し、これを乾燥する。支持基板の凹溝は、押出成形時に形成することができる。
セルスタックは、図3に示すように、上述した燃料電池セル30が複数集合して、上下に隣接する一方の燃料電池セル30と他方の燃料電池セル30との間に、金属フェルト及び/又は金属板からなる集電部材40を介在させ、両者を互いに直列に接続することにより構成されている。複数の燃料電池セル30が集電部材40を介して積層された状態で、図4(a)(b)に示すように、下端部が固定板61に固定され、この固定板61が上面が開口した筐体状のマニホールド本体63の上蓋として、マニホールド本体63に接合され、マニホールド65上に複数の燃料電池セル30が立設したセルスタックが構成されており、マニホールド65内の燃料ガスが燃料電池セル30のガス通路31aを通過するように構成されている。
31a・・・燃料ガス通路
32・・・燃料極層(内側電極)
33・・・固体電解質
34・・・酸素極層(外側電極)
35・・・インターコネクタ
40・・・集電部材
45・・・発電素子
47・・・凹溝
51・・・ビアホール導体
65・・・マニホールド
Claims (5)
- 平坦な両側の主面を有する基板状であって、鉄族金属成分及びその酸化物のいずれかを含んでなり、緻密質な支持体の一方の主面上に、内側電極、固体電解質及び外側電極がこの順で配置された発電素子が設けられており、前記支持体の他方の主面上であって、前記発電素子と対向する位置にインターコネクタが形成されているとともに、前記発電素子が設けられる位置の前記支持体の外面に凹溝が設けられ、該凹溝と前記内側電極との間の空間がガス通路とされていることを特徴とする燃料電池セル。
- 平坦な両側の主面を有する基板状であって、鉄族金属成分及びその酸化物のいずれかを含んでなる多孔質な支持体の一方の主面上に、内側電極、固体電解質及び外側電極がこの順で配置された発電素子が設けられており、前記支持体の他方の主面上であって、前記発電素子と対向する位置にインターコネクタが形成されており、前記支持体の前記発電素子が設けられる位置以外の部分が緻密質層により被覆されているとともに、前記発電素子が設けられる位置の前記支持体の外面に凹溝が設けられ、該凹溝と前記内側電極との間の空間がガス通路とされていることを特徴とする燃料電池セル。
- 前記支持体は導電性であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池セル。
- 請求項1乃至3のうちいずれかに記載の燃料電池セルを複数ガスマニホールドに立設してなり、該ガスマニホールド内のガスが前記燃料電池セルのガス通路を通過するとともに、前記複数の燃料電池セルが電気的に直列に接続されていることを特徴とするセルスタック。
- 請求項4記載のセルスタックを収納容器内に収容してなることを特徴とする燃料電池。
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