JP5132879B2 - 横縞型燃料電池セルおよび燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、横縞型燃料電池セルおよび燃料電池に関する。
近年、次世代エネルギーとして、燃料電池セルを複数接続されてなるセルスタックを、収納容器に収容した燃料電池が種々提案されている。このような燃料電池セルとしては、固体高分子形燃料電池セル、リン酸形燃料電池セル、溶融炭酸塩形燃料電池セル、固体電解質形燃料電池セルなど、各種のものが知られている。とりわけ、固体電解質形燃料電池セルは、発電効率が高く、また、作動温度が700℃〜1000℃と高いため、その排熱を利用ができるなどの利点を有しており、研究開発が推し進められている。
図12は、従来の固体電解質形燃料電池セルの一部を示す拡大縦断面である。この固体電解質形燃料電池セルは、横縞型といって、多孔質絶縁体である円筒状の支持体1の表面に、燃料極層3a、固体電解質3bおよび空気極層3cが順次積層された多層構造の発電素子3を、支持体1の軸長方向に所定間隔をおいて複数形成することにより構成されている。互いに隣接する発電素子3は、それぞれ素子間接続部材4(「インターコネクタ」ともいう。)により電気的に直列に接続されている。すなわち、一方の発電素子3の燃料極層3aと他方の発電素子3の空気極層3cとが、素子間接続部材4により接続されている。
また、支持体1の内部にはガス流路7が形成されている。
前記横縞型燃料電池セルにおいて、固体電解質3bの酸素イオン伝導性が600℃以上で高くなるため、このような温度で空気極層3cに酸素を含むガスを流し、燃料極層3aに水素を含むガスを流すことにより、空気極層3cと燃料極層3aとの酸素濃度差が高くなり、空気極層3cと燃料極層3aとの間で電位差が発生する。
この電位差により、酸素イオンは、空気極層3cから固体電解質3bを通じて燃料極層3aへ移動する。移動した酸素イオンが、燃料極層3aで水素と結合して水となり、同時に燃料極層3aで電子が発生する。
すなわち、空気極層3cでは、下記式(1)の電極反応を生じ、燃料極層3aでは、下記式(2)の電極反応を生じる。
空気極層3c: 1/2O2+2e- →O2- ・・(1)
燃料極層3a: O2-+H2 → H2O+2e- ・・(2)
そして、燃料極層3aと空気極層3cとを電気的に接続することにより、燃料極層3aから空気極層3cへの電子の移動が起こり、両極間で起電力が生じる。
このように、固体電解質形型燃料電池セルでは、酸素と水素を供給することにより、前記の反応を連続して起こし、起電力を生じさせて発電する(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−003932号公報
しかし、従来の横縞型燃料電池セルにおいては、未だ発電性能が低いという問題があった。この点について、本発明者らは、鋭意検討した結果、一方の発電素子3で発電した電流は、一方の発電素子3の燃料極層3a、素子間接続部材4を介して他方の発電素子3の空気極層3cに流れるが、燃料極層3aは、水素を固体電解質へ供給するために多孔質であるため、発電素子間の燃料極層の抵抗が未だ大きく、発電性能が低いということがわかった。
本発明は、複数の発電素子間の抵抗を小さくし、発電性能を向上することができる横縞型燃料電池セルおよび燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、発電素子間を高導電率層を介して接続することにより、発電素子間における抵抗が小さくなり、発電性能が高まることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明における横縞型燃料電池セルは、以下の構成を有する。
(1)ガス流路を内部に備えた電気絶縁性の多孔質支持体に、内側電極、固体電解質および外側電極が順次積層された多層構造を有する発電素子を複数備え、前記多孔質支持体上に、一方の発電素子の内側電極と、該内側電極よりも高い電子導電率を有する第1の高導電率層とが接合して並置されており、該第1の高導電率層と素子間接続部材とが接合されているとともに、該素子間接続部材が前記一方の発電素子と隣接する他方の発電素子の外側電極と接合されて、前記一方の発電素子と前記他方の発電素子とが電気的に直列に接続されていることを特徴とする横縞型燃料電池セル。
(2)前記内側電極の前記多孔質支持体側に導電体層と、該導電体層よりも高い電子導電率を有する第2の高導電率層とが接合して並置されており、該第2の高導電率層上に前記第1の高導電率層が配置されていることを特徴とする(1)に記載の横縞型燃料電池セル。
)前記第1の高導電率層は、内側電極材料より形成され、前記内側電極よりも緻密質であることを特徴とする(1)または(2)に記載の横縞型燃料電池セル。
)前記第1の高導電率層は、内側電極材料より形成され、前記内側電極よりもNi量が多いことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の横縞型燃料電池セル。
)前記多孔質支持体が、中空の板状形状を有している(1)〜()のいずれかに記載の横縞型燃料電池セル。
本発明の燃料電池は、上記の横縞型燃料電池セルが、収納容器内に複数収納されてなるものである。
本発明の横縞型燃料電池セルは、上記(1)によれば、発電素子面積が削減されることなく、発電素子間を高導電率層を介して接続するため、発電素子間における抵抗が小さくなり、発電性能を高めることができる。
上記(2)によれば、導電体層を設けることにより、発電させるのに必要な燃料極層と、発生した電流を流すための導電体層を別個に設けるため、それぞれの機能に適した組織や構造の選択幅が大きくなり、機能設計の自由度が高まり、また、導電体層が、該導電体層よりも高い電子導電率を有する高導電率層を介して素子間接続部材に電気的に接続されることにより、高い電子導電率をもった層が厚くなるため、燃料極層だけに高導電率層を有する場合よりもさらに素子間における抵抗が小さくなり、発電性能を向上できる。
さらに、上記()および()によれば、高導電率層は、内側電極よりも緻密質であり、また、内側電極よりもNi量が多いため、内側電極よりも高い電子導電率を得ることができ、発電素子間における抵抗が小さくなり、発電性能を高めることができる。
また、上記()によれば、前記多孔質支持体が、中空の板状形状を有することにより、発電素子におけるガスとの接触面積が増加し、体積あたりの発電量を大きくすることができる。
本発明の燃料電池によれば、発電性能の向上した燃料電池セルを複数用いることにより、少数の燃料電池セルで高い発電量を得ることができる。
次に、本発明の横縞型燃料電池セルの一実施形態について、図1から図4を参照して、説明する。
図1は、横縞型燃料電池セルの一実施形態であって、その一部を拡大して示す縦断面図であり、図2は、その横断面図であり、図3は平面図である。尚、この図3では、後述する第1集電層の記載は省略した。
図1〜図3において、横縞型燃料電池セルは、多孔質支持体11表面に、水平方向に延びる、発電素子13を備えている。横縞型燃料電池セルにおいて、発電素子13は、支持体11の軸長方向に隣接して複数形成されている。
図1および図2に示すように、発電素子13は、内側電極としての燃料極層13a、固体電解質13b、および、外側電極としての空気極層13cが、多孔質支持体11表面に順次積層する積層構造を有している。
固体電解質13bと空気極層13cとの間には反応防止層20が形成されており、燃料極層13aは、多孔質支持体11表面に、拡散防止層11a、導電体層23を介して、この導電体層23表面に形成されている。
本発明の横縞型燃料電池セルは、前記した発電素子の内側電極としての燃料極層13aが、該燃料極層よりも高い電子導電率を有する第1の高導電率層33とが接合して並置されており、該第1の高導電率層33と素子間接続部材17とが接合されているとともに、該素子間接続部材17が前記一方の発電素子13と隣接する他方の発電素子の外側電極と接合されて、前記一方の発電素子13と前記他方の発電素子とが電気的に直列に接続された横縞型燃料電池セルである。素子間接続部材17は、第1集電層14と第2集電層16とから構成されている。
(多孔質支持体)
多孔質支持体11は中空板状であり、その内部には、複数のガス流路12が、隔壁51(図2参照)で隔てられて軸長方向に延びるようにして貫通して設けられている。前記ガス流路の数は、発電性能および構造強度の点から、例えば2〜14個が好ましく、6〜10個であるのがより好ましい。
多孔質支持体11が中空板状形状を有することにより、横縞型燃料電池セルの体積当たりの発電素子13の面積を増加し、横縞型燃料電池セル体積当たりの発電量を大きくすることができる。そのため、必要とする発電量を得るための横縞型燃料電池セルの個数を低減することができ、横縞型燃料電池セル間の接続箇所を低減することができる。その結果、構造が簡易になり、組み立てが簡単になるとともに、横縞型燃料電池セルの信頼性を向上することができる。
このようなガス流路12内に水素などを含む燃料ガスを流して多孔質支持体11を還元雰囲気に曝し、かつ、空気極層13cの表面に空気などの酸素含有ガスを流して空気極層13cを酸化雰囲気に曝すことにより、燃料極層13aおよび空気極層13cで、前記で説明した式(1)および式(2)で示す電極反応が生じ、両極間に電位差が発生し、発電することができる。
また、隣接する発電素子13同士は、素子間接続部材17により電気的に接続されている。すなわち、一方の発電素子13の燃料極層13aと隣接する他方の発電素子13の空気極層13cとが素子間接続部材17により、支持体11の軸長方向において、直列に接続された構造となっている。
このように発電素子13は、素子間接続部材17により直列に接続されているため、横縞型燃料電池セル当りの発電電圧を高くすることができる。そのため、高い電圧を少ないセル数で得ることができる。
また、図2において、多孔質支持体11の長径寸法L(両端の弧状部m間の距離に相当)は、例えば、15〜80mm、その短径寸法W(2つの平坦部n間の距離に相当)は、例えば、2〜4mmの範囲である。
また、多孔質支持体11は、その開気孔率が、例えば、25%以上、好ましくは、30〜45%の範囲に設定される。これにより、ガス流路12内の燃料ガスを、燃料極層13aの表面まで導入することができる。
(燃料極層)
燃料極層13aは、多孔質の導電性サーメットから形成されている。多孔質の導電性サーメットは、例えば、希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニア)と、Niおよび/またはNi酸化物(NiOなど)とからなっている。また、希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニア)としては、後述する固体電解質13bの材料と同様のものを用いることもできる。
燃料極層13aにおいて、安定化ジルコニアの配合割合は、燃料極層13aの総量に対して、35〜65体積%の範囲が好ましく、Niおよび/またはNi酸化物の配合割合は、燃料極層13aの総量に対して、35〜65体積%の範囲が好ましい。また、燃料極層13aは、その開気孔率が、例えば、15%以上、好ましくは、20〜40%の範囲であり、厚さが、良好な集電性能を発揮させるため、例えば、1〜100μmの範囲である。
(固体電解質)
固体電解質13bは、希土類またはその酸化物を固溶させたZrO2からなる安定化ZrO2からなる緻密質なセラミックスで構成されている。
ここで、固溶させる希土類元素またはその酸化物としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなど、または、これらの酸化物などが挙げられ、好ましくは、Y、Yb、または、これらの酸化物が挙げられる。また、固体電解質13bは、8モル%のYが固溶している安定化ZrO2(8mol% Yttoria Stabilized Zirconia、以下、「8YSZ」という。)と熱膨張係数がほぼ等しいランタンガレート系(LaGaO3系)固体電解質を挙げることもできる。 また、固体電解質13bは、例えば、厚さが10〜100μmであり、例えば、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、好ましくは、95%以上の範囲に設定される。
このような固体電解質13bは、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有すると同時に、燃料ガスまたは酸素含有ガスのリーク(ガス透過)を防止するためにガス遮断性を有している。
(空気極層)
空気極層13cは、導電性セラミックスから形成されている。導電性セラミックスとしては、例えば、ABO3型のペロブスカイト型酸化物が挙げられ、このようなペロブスカイト型酸化物としては、例えば、遷移金属型ペロブスカイト酸化物、好ましくは、LaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物など、特にAサイトにLaを有する遷移金属型ペロブスカイト酸化物を挙げることができる。さらに好ましくは、600〜1000℃程度の比較的低温での電気伝導性が高いという観点から、LaCoO3系酸化物が挙げられる。
また、前記したペロブスカイト型酸化物において、AサイトにLaおよびSrが共存してもよく、また、BサイトにFe、CoおよびMnが共存してもよい。
このような空気極層13cは、前記した式(1)の電極反応を生ずることができる。
また、空気極層13cは、その開気孔率が、例えば、20%以上、好ましくは、30〜50%の範囲に設定される。開気孔率が前記した範囲内にあれば、空気極層13cが良好なガス透過性を有することができる。
また、空気極層13cは、その厚さが、例えば、30〜100μmの範囲に設定される。前記した範囲内にあれば、空気極層13cが良好な集電性を有することができる。
(導電体層)
導電体層23は、主に発電した電流を第1集電層14に流すための機能を有するもので、多孔質の導電性サーメットから形成されている。この多孔質の導電性サーメットは、例えば、Niと希土類元素酸化物から構成されている。希土類元素酸化物としては、特にY23、Yb23が望ましい。
(素子間接続部材)
素子間接続部材17は、一方の発電素子13の燃料極層13aと隣接する他方の発電素子13の空気極層13cとを電気的に接続するものであり、第1集電層14と第2集電層16とから構成され、これらは電気的に接続されている。
第1集電層14は、例えばAg−Pdから構成されており、多孔質層とされている。また、第2集電層16は、金属層16aと、ガラスの入った金属ガラス層16bとの二層構造からなる。金属層16aは、例えば、AgとNiの合金からなり、金属ガラス層16bは、Agとガラスからなる。金属ガラス層16bにより、多孔質支持体11内のガス流路12を通る燃料ガスの第1集電層14へのリーク、および空気極層13cの外部を通る酸素含有ガスの金属層16aへのリークを有効に防止することができる。
なお、前記した実施形態において、多孔質支持体11の表面に形成される発電素子13で、内側電極が燃料極層13aであって、外側電極が空気極層13cである多層構造を有しているが、両電極の位置関係を逆としてもよい。すなわち、多孔質支持体の表面に、空気極層、固体電解質、燃料極層を順次積層された発電素子を形成することもできる。この場合、多孔質支持体のガス流路内には、空気などの酸素含有ガスが流され、外側電極としての燃料極層の表面には、水素などの燃料ガスが流される。
(横縞型燃料電池セル)
本発明の横縞型燃料電池セルは、一方の発電素子13の燃料極層13aが、該燃料極層13aよりも高い電子導電率を有する第1の高導電率層33を介して、素子間接続部材17の第2集電層16に接続されている。即ち、発電が行われるのは、固体電解質13bを空気極層13cと燃料極層13aで挟持した3層が重畳した部分(図1におけるyで示す部分)であり、前記燃料極層13aに、第1の高導電率層33が前記重畳部に含まれない位置で接続して形成され、該第1の高導電率層33は第2集電層16の金属層16aに接続されている。これにより、重畳部yで発電した電流は、燃料極層13aから第1の高導電率層33を介して、金属層16a、金属ガラス層16b、第1集電層14に流れ、隣接する他方の発電素子13の空気極層13cに流れることになる。従って、従来、重畳部yから燃料極層13aが延設され、この燃料極層13aが直接素子間接続部材17に接続されていたが、本発明では、重畳部yと素子間接続部材17との間が、燃料極層13aよりも高い電子導電率を有する第1の高導電率層33とされ、これにより接続されているため、各発電素子13で発電した電流を、従来よりも効率良く直列接続することができ、発電性能を向上することができる。
前記第1の高導電率層33は、燃料極層13aと同一材料により形成され、この燃料極層13aよりも緻密質とすることにより、または燃料極層13aよりもNi又はNiO量を多くすることにより、燃料極層13aよりも高導電率とすることができる。
また、前記第1の高導電率層33は、前記重畳部yに含まれない部分で形成されていればよく、好ましくは、前記重畳部yの境界位置から隣接する他の発電素子13の素子間接続部材17(第2集電層16が対向する部分)まで設ける。言い換えれば、従来の燃料極層のうち、重畳部y以外の燃料極層の部分が第1の高導電率層33とされ、この第1の高導電率層33が第2集電層16の金属層16aの下面まで延設されている。これにより発電面積を最大とできるとともに、発電素子間の接続抵抗を最小限とすることができる。
また、本発明の横縞型燃料電池セルでは、前記燃料極層13aの多孔質支持体11側に、多孔質の導電体層23が設けられている。この導電体層23を設けることにより、発電させるのに必要な活性な燃料極層13aと、発生した電流を流すための導電体層23とを別個に設けることができ、それぞれの機能に適した組織や構造の選択幅が大きくなり、機能設計の自由度が高まって、発電性能を向上できる。
さらに、前記導電体層23は、図4に示すように、第1の高導電率層33が重畳する導電体層23の部分が、導電体層23よりも高い電子導電率を有する第2の高導電率層35とされ、この第2の高導電率層35を介して前記素子間接続部材17に電気的に接続されている。このため、高い電子導電率をもった層が厚くなるため、燃料極層13aだけに第1の高導電率層33を有する場合よりもさらに素子間における抵抗が小さくなり、発電性能を向上できる。
本発明の横縞型燃料電池セルでは、前記導電体層23の多孔質支持体11側に拡散防止層11aを設けることができる。この拡散防止層11aは、多孔質支持体11から発電素子13への元素拡散を抑制するためのものであり、絶縁層形成による性能低下を防止することができる。この拡散防止層11aは、好ましくは、Laが固溶したCeO2、またはCeが固溶したLa23、あるいはそれらの混合体、若しくはNiOとYSZの混合体から形成することができる。
また、本発明の横縞型燃料電池セルでは、前記空気極層13cの固体電解質13b側に反応防止層20を設けることができる。該反応防止層20を、空気極層13cと固体電解質13bとの間に介在させることにより、空気極層13cから固体電解質13bへの元素拡散を遮断することができ、併せてO2ガスのイオン化反応を促進させうる触媒的作用も持合わせている。これにより絶縁層形成による性能低下を防止することができる。この反応防止層20は、イオン伝導性や電子伝導性材料(例えばCe酸化物)から形成することができる。
本発明の横縞型燃料電池セルでは、また、前記第1の高導電率層33は、第2集電層16を介して第1集電層14と接続することができる。前記第2集電層16は、Ag/Niからなる金属層16aおよびAgとガラスからなる金属ガラス層16bの2層構造を有するのが好ましく、金属層16aが前記第1の高導電率層33と、金属ガラス層16bが前記第1集電層14と接続するのが好ましい。第1の高導電率層33は、金属層16aおよび金属ガラス層16bの2層からなる第2集電層16を介して第1集電層14と接続しているため、素子間における抵抗が小さくなり、発電性能を向上できる。
次に、前記した横縞型燃料電池セルを用いて組み立てられるセルスタックについて、図5を参照して説明する。
図5は、前記した横縞型燃料電池セルを複数(2個)組み合わせたセルスタックの端部の接続構造を拡大して示す縦断面図である。
図5に示すように、横縞型燃料電池セルは、集電部材19を介して互いに電気的に接続されている。
すなわち、セルスタックの端部において、一方の横縞型燃料電池セルの端部にセル接続材15が設けられ、一方の横縞型燃料電池セルの燃料極層13aと導通している。また、セル接続材15は、他方の横縞型燃料電池セルの端部において、集電部材19を介して、他方の横縞型燃料電池セルの空気極層13cと導通している。
このように、セルスタックは、前記した横縞型燃料電池セルが、集電部材19を介して互いに電気的に接続されていれば、横縞型燃料電池セルを密に配置することができるため、発電量当たりのセルスタックの体積を小さくすることができる。そのため、小型で、熱効率の高いセルスタックを提供することができる。
セル接続材15は、前記した電極を電気的に接続するものであれば特に制限されず、例えば、第1集電層14と同様の材料から形成される。
集電部材19は、他方の横縞型燃料電池セルの空気極層13cと導通し、前記した一方のセル接続材15と他方の空気極層13cとを電気的に接続するものであれば特に制限されず、例えば、耐熱性金属、導電性セラミックスなどから形成される。
また、集電部材19と、セル接続材15および空気極層13cとの接続部に、AgやPtなどの貴金属を含有するペーストなどの導電性接着剤を塗布することにより、集電部材19の接続信頼性を向上させることもできる。なお、燃料極層13aが、外部電極として形成されている場合には、集電部材19としては、好ましくは、Niフェルトなどから形成することができる。また、導電性接着剤としては、経済的な観点から、好ましくは、Ni金属を含有するペーストが挙げられる。
また、図5に示すように、複数の横縞型燃料電池セルを接続する場合には、一方の横縞型燃料電池セルの発電素子13と、他方の横縞型燃料電池セルの発電素子13とが、軸長方向において、ずれて形成されて接続されていてもよい。
図6は、前記した横縞型燃料電池セルを複数(3個)組み合わせたセルスタックを示す縦断面図である。ただし、図6では、燃料極層13aおよび空気極層13cを含めて簡略化して示す。
一方の横縞型燃料電池セルの端部のセル接続材15と、他方の横縞型燃料電池セルの端部の空気極層13cとの間に、集電部材19を介在させ、一方の横縞型燃料電池セルの多孔質支持体11表面に形成された燃料極層13aを、セル接続材15、集電部材19を介して、他方の横縞型燃料電池セルの空気極層13cに、電気的に接続されている。なお、前記集電部材19と接続しているセル接続材15は、該セル接続材15が多孔質支持体11を介して対向する一方のセル接続材15と電気的に接続されている。また、同様に、前記集電部材19と接続している空気極層13cも、該空気極層13cが多孔質支持体11を介して対向する一方の空気極層13cと電気的に接続されている。これにより、一方の多孔質支持体11の両面の各発電素子で発生した電流を集電することができ、この集電された電流を隣接する他の多孔質支持体11の両面の各発電素子へ送ることができる。
図6において、集電部材19としては、例えば、金属フェルトおよび/または耐熱金属板、無機材料などが挙げられ、耐熱性、耐酸化性、電気伝導性という点から、好ましくは、Pt、Ag、Ni合金およびFe−Cr鋼合金の少なくとも一種からなる。
また、図6において、21は、セルスタックで発生した電力を、セルスタック外に取り出すための導電部材である。また、このようなセルスタックを複数接続する場合には、導電部材21は複数のセルスタックを電気的に接続することもできる。
本発明の燃料電池の一実施形態は、図6に示すセルスタックが、収納容器内に収容されて構成されている。
このように燃料電池は、セルスタックが、収納容器内に収容され構成されていれば、横縞型燃料電池セルを密に配置することができるため、発電量当たりの燃料電池の体積を小さくすることができる。そのため、小型で、熱効率の高い燃料電池を提供することができる。
この収納容器には、外部から水素などの燃料ガス、および、空気などの酸素含有ガスを、横縞型燃料電池セルに導入する導入管が設けられており、横縞型燃料電池セルが所定温度に加熱されることにより発電し、使用された燃料ガス、酸素含有ガスは、収納容器外に排出される。このような燃料電池では、容易に電圧を高めることができるとともに、発電素子13間のショートや、熱による多孔質支持体11の構造の変化を抑制することもができる。
(製造方法)
次に、前記した横縞型燃料電池セルの製造方法について、図7および図8を参照して、説明する。
まず、支持体成形体11を作製する。支持体成形体11の材料として、体積基準での平均粒径(D50)(以下、単に「平均粒径」という。)が0.1〜10.0μmのMgO粉末に、必要により熱膨張係数調整用または接合強度向上用として、Ni粉末、NiO粉末、Y23粉末、または、希土類元素安定化ジルコニア粉末(YSZ)などを所定の比率で配合して混合し、混合後の熱膨張係数が固体電解質13bのそれとほぼ一致するように調整する。この混合粉末を、ポアー剤と、セルロース系有機バインダーと、水とからなる溶媒と混合し、押し出し成形して、図7に示すように、内部にガス流路12を有する中空の板状形状で、扁平状の支持体成形体11を作製し、これを乾燥後、900℃〜1100℃にて仮焼処理する。この支持体成形体11の表面に、拡散防止層11aを塗布して乾燥する。
次いで、燃料極層、導電層および固体電解質を作製する。まず、例えば、NiO粉末、Ni粉末と、YSZ粉末とを混合し、これにポアー剤を添加し、アクリル系バインダーとトルエンとを混合してスラリーとし、ドクターブレード法にてスラリーを塗布して乾燥し、厚さ50〜60μmの燃料極層テープ13aを作製する。また、燃料極層テープ13aよりも、NiO粉末、Ni粉末添加量を増加させ、燃料極層テープ13aと同様にして、厚さ50〜60μmの高導電率層テープ33を作成する。
次に、図8(a)に示すように、これらの燃料極層テープ13aと高導電率層テープ33の端部同士を当接させ、一枚のテープとする。
また、燃料極層テープ13aと同様にして、例えば、NiO粉末、Ni粉末と、Y23などの希土類元素酸化物とを混合し、これにポアー剤を添加し、アクリル系バインダーとトルエンとを混合してスラリーとし、ドクターブレード法にてスラリーを塗布して乾燥し、厚さ50〜60μmの導電層テープ23を作成する。この導電層テープ23に前記燃料極層テープ13aと高導電率層テープ33とからなるテープを貼り付ける(図8(b))。当該張り合わせたテープを発電素子13の形状にあわせて切断し、絶縁体を形成する部分を打ち抜く(図8(c))。
その後、図8(d)に示すように、燃料極層テープ13aおよびこれと当接された高導電率層テープ33からなるテープが貼り付けられた導電体層テープ23を、前記仮焼した支持体成形体11に、横縞状に貼り付ける。これを繰り返し行い、支持体成形体11の表面に複数の導電体層テープ23を貼り付ける。なお、このとき一方の導電体層テープ23と、他方の導電体層テープ23とは、幅3〜20mmの間隔をあけて配置する。次に、この導電体層テープ23を貼り付けた状態で乾燥し、その後、900〜1100℃の温度範囲で仮焼する(図8(d))。燃料極層13aおよび/または第1の高導電率層33の集電層16を形成したい部分に、マスキングテープ21を貼り付ける(図8(e))。
次に、この積層体を、8YSZにアクリル系バインダーとトルエンを加えてスラリーとした固体電解質溶液に漬けて、固体電解質溶液から取り出す。このディップにより、全面に固体電解質13bの層が塗布されるとともに、前記図8(c)で打ち抜いた空間にも絶縁体である固体電解質13bが充填される。
この状態で、1150〜1200℃、2〜4時間仮焼する。この仮焼中に、マスキングテープ21とその上に塗布された固体電解質13bの層を除去することができる(図8(f))。
次に、空気極層の形成部分に反応防止層20を塗布して1450〜1500℃、2〜5時間仮焼する(図8(g))。この反応防止層20の上から、ランタンコバルタイト(LaCoO3)とイソプロピルアルコールとを混合したスラリーを印刷し、厚さ10〜100μmの空気極層13cを形成する。そして、950〜1150℃、2〜5時間焼き付ける(図8(h))。
そして、第2集電層16を形成したい部分にAg/Niからなる金属層16aのシートを貼り付け、さらにAgとガラスを含む金属ガラス層16bのシートを貼り付けて(図8(i))、その後、1000〜1200℃で熱処理を行う。
最後に、第1集電層14、セル間接続部材15を所定位置に塗布して、横縞型燃料電池セルを得ることができる。
なお、前記した各層の積層方法については、テープ積層、ペースト印刷、ディップ、および、スプレー吹きつけのいずれの積層法を用いてもよい。好ましくは、積層時の乾燥工程が短時間であり、工程の短時間化の観点から、ディップにより各層を積層する。
また、横縞型燃料電池セルは、酸素含有雰囲気での焼成により、例えば、多孔質支持体11や燃料極層13aのNi成分がNiOとなっているため、その後、還元処理により還元され、または、発電中に還元雰囲気に曝されて還元される。
さらに、燃料極層13aを第2集電層16が形成される部分まで形成した後、Niを含有するペーストを燃料極層13aに塗布し、Ni含有量の多い第1の高導電率層33を形成しても良い。この場合には、第1の高導電率層33を容易に形成することができる。
(他の実施形態)
上記した実施形態の他に、図9および10に示す横縞型燃料電池セルを用いてもよい。すなわち、前記した図12に示す従来型横縞型燃料電池セルにおいて、一方の発電素子3の燃料極層3aと他方の発電素子3の空気極層3cとが、前記燃料極層3aよりも高い電子導電率を有する第1の高導電率層33を介して素子間接続部材4により接続された横縞型燃料電池セルである(図9、10)。言い換えれば、図1の横縞型燃料電池セルの導電層23を有しないタイプである。この横縞型燃料電池セルにおいても上記の形態と同様に、発電素子間における抵抗が小さくなり、発電性能が高まる。
なお、前記他の実施形態に係る横縞型燃料電池セルは、導電層の形成を除いて上記した実施形態の横縞型燃料電池セルと同様にして製造することができる。
(さらに他の実施形態)
本発明では、図11に示すように、発電素子13の燃料極層13aに、電流の流れ方向に複数条の高導電率層53を形成し、この高導電率層53を、第2集電層16の金属層16aに接続することもできる。言い換えれば、重畳部yの燃料極層13aに高導電率層53を形成し、この高導電率層53を第2集電層16の下面まで直線状に延設し、金属層16aに接続することもできる。
高導電率層53は、燃料極層13aを複数に分割し、その間に形成することができる。また、燃料極層13aを作製し、この燃料極層13aに、Niを含有するペーストを直線状に塗布し、燃料極層13aにNi含有量の多い直線状の高導電率層53を形成することもできる。
この場合においても発電素子間の抵抗を小さくでき、発電性能を向上できる。また、高導電率層53を燃料極層13aのみならず、導電層23にも形成することにより、さらに発電素子間抵抗を小さくできる。さらにまた、燃料極層13aには高導電率層53を形成せず、導電層23にのみ高導電率層を形成することもできる。この場合には、発電部分に高導電率層による影響を無くすことができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明の横縞型燃料電池セルをさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(支持体の作製)
平均粒径0.1〜10μmのMgO粉末と、平均粒径0.1〜5μmのNiO粉末と、平均粒径0.8μmのY23粉末とを、モル比が74:17:9となるように配合して混合した。これらの混合物100質量%に、平均粒径30μmのポアー剤15質量%と、PVAからなる有機バインダー15質量%と、水25質量%とからなる溶媒とを配合して混合し、支持体材料を得た。得られた支持体材料を、押出成形して、内部にガス流路を円柱形状で有し、横断面が扁平状の支持体成形体を作製し、これを乾燥した後、1050℃で仮焼して支持体成形体を作製した。
(燃料極層および導電体層の作製)
平均粒径0.5μmのNiO粉末と、平均粒径0.5μmの8YSZ粉末とを、Ni粉末と8YSZ粉末との重量比が48:52となるように配合して混合した。この混合物100質量%に、ポアー剤20質量%と、アクリル系バインダー30質量%と、トルエン40質量%とを混合したスラリーをドクターブレード法にて塗布して乾燥し、厚さ約10μmの燃料極層テープを作製した(表1に示す試料No.1)。
次に、平均粒径0.5μmのNiO粉末と、平均粒径0.5μmの8YSZ粉末とを用いて、表1に示すようにその重量比が48:52となる混合粉末を作製し、該混合粉末100質量%にポアー剤10質量%、アクリル系バインダー30質量%、可塑剤15質量%を配合して、焼成後の開気孔率が20%となる試料No.2の高導電率層テープを、前記した燃料極層テープと同様にして作製した。試料No.3〜5の高導電率層テープは、表1に示す重量比の前記2種類の混合粉末に、ポアー剤(試料No.3は5質量%、試料No.4および5は20質量%)、アクリル系バインダー30質量%、可塑剤15質量%を配合して、前記した燃料極層テープと同様にして作製した。

Figure 0005132879

次に、前記の得られた燃料極層テープと高導電率層テープの端部同士を当接させ、一枚のテープとした(図8(a)参照)。
また、平均粒径0.5μmのNiO粉末と、平均粒径0.5μmのY23粉末とを、Ni粉末とY23粉末との重量比が48:52となるように配合して混合した。この混合物100質量%に、ポアー剤10質量%と、アクリル系バインダー30質量%と、トルエン100質量%とを混合したスラリーをドクターブレード法にて塗布して乾燥し、厚さ50μmの導電体層テープを作製した。得られた導電体層テープに前記燃料極層テープ(試料No.1)と前記燃料極層テープと高導電率層テープとからなるテープ(試料No.2〜5)とをそれぞれ貼り付けた(図8(b)参照)。当該張り合わせたテープを発電素子の形状にあわせて切断し、絶縁体を形成する部分を打ち抜いた(図8(c)参照)。
次に、前記で得られた導電体層テープを、前記仮焼した支持体成形体に横縞状に幅4mmの間隔をあけて7個配置して貼り付けた。この導電体層テープを貼り付けた状態で、支持体形成体11を乾燥し、その後、1050℃の温度で仮焼した(図8(d)参照)。
(固体電解質の作製)
平均粒径0.5μmの8YSZ粉末100質量%に、アクリル系バインダー300質量%とトルエン200質量%とを混合してスラリーとした固体電解質溶液を作製した。この固体電解質溶液に前記で得られた支持体形成体を浸漬した後、取り出した。このディップにより、前記支持体形成体の全面に固体電解質の層を塗布した。この状態で、800℃、1時間仮焼して固体電解質を形成した(図8(e)参照)。
(空気極層の作製)
ランタンコバルタイト(LaCoO3)100質量%とイソプロピルアルコール200質量%とを混合したスラリーを、前記で得られた固体電解質上に印刷し、1050℃で、2時間焼き付けて、厚さ20μmの空気極層を形成した(図8(h)参照)。
(第2集電層の作製)
第2集電層16を形成する部分にAg/Niからなる金属層14aのテープを貼り付け、さらにAgとガラスからなる金属ガラス層14bのテープを貼り付け(図8(i))、その後、乾燥し、マスキングテープを除去した後、1100℃で処理を行い、横縞型燃料電池セルを得た。
(評価試験および評価方法)
次に、試料No.1〜5のそれぞれを用いて作製した横縞型燃料電池セルを用い、ガスリーク試験と発電出力密度の評価を行った。
(ガスリーク試験)
耐熱性試験後の横縞型燃料電池セルにおいて、各ガス流路の一方の端部を封止し、次いで、他方の端部からガス流路に、Heガスを2気圧で導入しながら、横縞型燃料電池セルを水中に浸して、泡の発生(ガスリーク)の有無を目視により観察した。結果を表2に示す。
Figure 0005132879

(抵抗測定試験)
発電素子と第2集電層を接続する表1の試料No.1〜5の高導電率層の抵抗を抵抗測定器にて測定した。測定は、燃料極還元雰囲気中750℃にて行った。その結果を表1に示す。
(発電評価)
横縞型燃料電池セルの内部に還元ガスとして水素ガス、外部に酸化ガスとして空気を導入し、発電温度700℃、燃料利用率85%、電流密度0.2A/cm2の条件下で発電出力密度の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005132879

表2の結果から、ガスリーク試験による泡の発生は、いずれの本発明品(試料No.2〜5)においても確認できず、このことから本発明にかかる燃料極層および高導電率層の種類によって内部にピンホール、クラック等の発生が無いことが示唆できる。
また、表1の抵抗値の結果から、高導電率層を形成することにより、従来の高導電率層を形成しない試料No.1よりも抵抗値が低下し、発電素子間の抵抗が小さくなることが判る。従って、表3に示す出力密度でも、本発明品は比較試料(No.1)よりも高い発電出力密度が発現し、このことから高い導電性能を有していることが確認できた。
本発明の一実施形態にかかる横縞型燃料電池セルの一部を拡大して示す縦断面図である。 図1の横断面図である。 図1の平面図である。 図1の横縞型燃料電池セルの実施形態の一部を拡大して示す縦断面図である。 図1の横縞型燃料電池セルの端部接続構造を拡大して示す縦断面図である。 図1の横縞型燃料電池セルのセルスタックを示す縦断面図である。 図1の横縞型燃料電池セルの支持体の製造工程を示す縦断面図である。 図1の横縞型燃料電池セルの発電素子の製造工程を示す縦断面図である。 本発明の横縞型燃料電池セルの他の実施形態の一部を拡大して示す縦断面図である。 図9の横縞型燃料電池セルの横断面図である。 本発明の横縞型燃料電池セルのさらに他の実施形態の平面図である。 従来の横縞型燃料電池セルの一実施形態の一部を拡大して示す縦断面図である。
符号の説明
11 多孔質支持体
12 ガス流路
13 発電素子
13a 燃料極層
13b 固体電解質
13c 空気極層
14 素子間接続部材(第1集電層)
19 集電部材
23 導電体層
33 第1の高導電率層
35 第2の高導電率層

Claims (6)

  1. ガス流路を内部に備えた電気絶縁性の多孔質支持体に、内側電極、固体電解質および外側電極が順次積層された多層構造を有する発電素子を複数備え、
    前記多孔質支持体上に、一方の発電素子の内側電極内側電極よりも高い電子導電率を有する第1の高導電率層とが接合して並置されており、該第1の高導電率層と素子間接続部材とが接合されているとともに、該素子間接続部材が前記一方の発電素子と隣接する他方の発電素子の外側電極と接合されて、前記一方の発電素子と前記他方の発電素子とが電気的に直列に接続されていることを特徴とする横縞型燃料電池セル。
  2. 前記内側電極の前記多孔質支持体側に導電体層と、該導電体層よりも高い電子導電率を有する第2の高導電率層とが接合して並置されており、該第2の高導電率層上に前記第1の高導電率層が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の横縞型燃料電池セル。
  3. 前記第1の高導電率層は、内側電極材料より形成され、前記内側電極よりも緻密質であることを特徴とする請求項1または2に記載の横縞型燃料電池セル。
  4. 前記第1の高導電率層は、内側電極材料より形成され、前記内側電極よりもNi量が多いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の横縞型燃料電池セル。
  5. 前記多孔質支持体が、中空の板状形状を有している請求項1〜のいずれかに記載の横縞型燃料電池セル。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の横縞型燃料電池セルを収納容器内に複数収納されてなる燃料電池。
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