JP4748971B2 - 燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents
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Description
のガス流路と、前記支持基板の一方主面上に設けられた燃料極層と、前記燃料極層を覆うようにして設けられた固体電解質層と、前記固体電解質層上に設けられた酸素極と、前記支持基板の他方主面上に設けられており、かつ前記燃料極層および前記酸素極の電極反応によって生じた電流を集電するインターコネクタと、を備え、前記インターコネクタは、LaCrO 3 系からなり、前記インターコネクタは、複数に分割された分割インターコネクタから構成されており、前記燃料ガスの入口側の前記ガス流路に対応する前記分割インターコネクタの形成面積は、前記燃料ガスの出口側の前記ガス流路に対応する前記分割インターコネクタの形成面積よりも小さい。
うな燃料電池セルでは、長さが長いため、セルを長さ方向に見た場合に、インターコネクタ側を背にして弓なりに反り易くなるため、本発明を有効に用いることができる。また、燃料電池セルの厚みが8mm以下であることが好ましい。このような燃料電池セルでは、厚み、即ち、対向する主面間の距離が薄いため、長さ方向や幅方向に反り易くなるため、本発明を有効に用いることができる。さらに、燃料電池セルの幅が20mm以上であることが好ましい。このような燃料電池セルでは、セルの幅方向に反り易くなるため、即ち、燃料電池セルを幅方向に見た場合に、インターコネクタ側を背にして三日月状に反り易くなるため、本発明を有効に用いることができる。
燃料極: O2− (固体電解質)+ H2 → H2O+2e− …(2)
かかる発電によって生成した電流は、支持基板31に取り付けられているインターコネクタ35を介して集電される。
上記のような構造を有する燃料電池セル30において、支持基板31は、燃料ガスを燃料極まで透過させるためにガス透過性であること、及びインターコネクタ35を介しての集電を行うために導電性であること、同時焼成時の熱膨張差による固体電解質などのクラックや剥離がないことが要求されるが、このような要求を満たすと同時に、還元・酸化サイクルにおける支持基板31の体積膨張に起因した固体電解質などのクラックを抑制する目的で、触媒活性金属及びその酸化物のいずれかと、触媒金属及びその酸化物との反応物を生成しない無機骨材、例えば、金属酸化物である固体電解質又は少なくとも一種の希土類元素を含有する希土類元素酸化物とを含有せしめて構成する。
本発明において、燃料極層32は、前述した式(2)の電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrO2と、Ni及び/またはNiOとから形成される。この希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニア)としては、以下に述べる固体電解質層33の形成に使用されているものと同様のものを用いるのがよい。
この燃料極層32上に設けられている固体電解質層33は、一般に3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrO2(通常、安定化ジルコニア)と呼ばれる緻密質なセラミックスから形成されている。希土類元素としては、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを例示することができるが、安価であるという点からY、Ybが望ましい。
酸素極34は、所謂ABO3型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成される。かかるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaを有するLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物の少なくとも1種が好適であり、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaFeO3系酸化物が特に好適である。尚、上記ペロブスカイト型酸化物においては、AサイトにLaと共にSrなどが存在していてもよいし、さらにBサイトには、FeとともにCoやMnが存在していてもよい。
上記の酸素極34に対面する位置において、支持基板31上に設けられているインターコネクタ35(分割インターコネクタ35a)は、導電性セラミックスからなるが、燃料ガス(水素)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、かかる導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)が使用される。また、支持基板31の内部を通る燃料ガス及び支持基板31の外部を通る酸素含有ガスのリークを防止するため、かかる導電性セラミックスは緻密質でなければならず、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好適である。
以上のような構造を有する燃料電池セルは、以下のようにして製造される。先ず、Ni等の鉄族金属或いはその酸化物粉末と、例えばY2O3粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合して坏土を調製し、この坏土を用いての押出成形により、支持基板成形体を作製し、これを乾燥する。
セルスタックは、図3に示すように、上述した燃料電池セル30が複数集合して、上下に隣接する一方の燃料電池セル30と他方の燃料電池セル30との間に、金属フェルト及び/又は金属板からなる集電部材40を介在させ、両者を互いに直列に接続することにより構成されている。即ち、一方の燃料電池セル30の支持基板31は、インターコネクタ35、P型半導体層39、集電部材40を介して、他方の燃料電池セル30の酸素極34に電気的に接続されている。また、このようなセルスタックは、図3に示すように、サイドバイサイドに配置されており、隣接するセルスタック同士は、導電部材42によって直列に接続されている。
31a・・・燃料ガス通路
32・・・燃料極層
33・・・固体電解質
34・・・酸素極層
35・・・インターコネクタ
35a・・・分割インターコネクタ
40・・・集電部材
Claims (5)
- 一方主面、および該一方主面の反対側に位置する他方主面を有した支持基板と、
前記支持基板の内部に設けられており、かつ燃料ガスが移動するためのガス流路と、
前記支持基板の一方主面上に設けられた燃料極層と、
前記燃料極層を覆うようにして設けられた固体電解質層と、
前記固体電解質層上に設けられた酸素極と、
前記支持基板の他方主面上に設けられており、かつ前記燃料極層および前記酸素極の電極反応によって生じた電流を集電するインターコネクタと、を備え、
前記インターコネクタは、LaCrO 3 系からなり、
前記インターコネクタは、複数に分割された分割インターコネクタから構成されており、
前記燃料ガスの入口側の前記ガス流路に対応する前記分割インターコネクタの形成面積は、前記燃料ガスの出口側の前記ガス流路に対応する前記分割インターコネクタの形成面積よりも小さい、燃料電池セル。 - 前記支持基板は、導電性を有している、請求項1に記載の燃料電池セル。
- 前記分割インターコネクタ間には緻密質材料が充填されている、請求項1または2に記載の燃料電池セル。
- 前記緻密質材料は、固体電解質材料である、請求項3に記載の燃料電池セル。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池セルを収納容器内に収納してなる、燃料電池。
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