JP2006140097A - 燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持基板内部に軸長方向にガス流路を有し、かつ支持基板の一方側主面にガス流路形成方向に連続して設けられた固体電解質層を有するとともに、支持基板の他方側主面に設けられたインターコネクタ35を有する燃料電池セルであって、インターコネクタ35が、ガス流路形成方向に複数に分割された分割インターコネクタ35aから構成されている。
【選択図】図4
Description
燃料極: O2− (固体電解質)+ H2 → H2O+2e− …(2)
かかる発電によって生成した電流は、支持基板31に取り付けられているインターコネクタ35を介して集電される。
上記のような構造を有する燃料電池セル30において、支持基板31は、燃料ガスを燃料極まで透過させるためにガス透過性であること、及びインターコネクタ35を介しての集電を行うために導電性であること、同時焼成時の熱膨張差による固体電解質などのクラックや剥離がないことが要求されるが、このような要求を満たすと同時に、還元・酸化サイクルにおける支持基板31の体積膨張に起因した固体電解質などのクラックを抑制する目的で、触媒活性金属及びその酸化物のいずれかと、触媒金属及びその酸化物との反応物を生成しない無機骨材、例えば、金属酸化物である固体電解質又は少なくとも一種の希土類元素を含有する希土類元素酸化物とを含有せしめて構成する。
本発明において、燃料極層32は、前述した式(2)の電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrO2と、Ni及び/またはNiOとから形成される。この希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニア)としては、以下に述べる固体電解質層33の形成に使用されているものと同様のものを用いるのがよい。
この燃料極層32上に設けられている固体電解質層33は、一般に3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrO2(通常、安定化ジルコニア)と呼ばれる緻密質なセラミックスから形成されている。希土類元素としては、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを例示することができるが、安価であるという点からY、Ybが望ましい。
酸素極34は、所謂ABO3型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成される。かかるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaを有するLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物の少なくとも1種が好適であり、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaFeO3系酸化物が特に好適である。尚、上記ペロブスカイト型酸化物においては、AサイトにLaと共にSrなどが存在していてもよいし、さらにBサイトには、FeとともにCoやMnが存在していてもよい。
上記の酸素極34に対面する位置において、支持基板31上に設けられているインターコネクタ35(分割インターコネクタ35a)は、導電性セラミックスからなるが、燃料ガス(水素)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、かかる導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)が使用される。また、支持基板31の内部を通る燃料ガス及び支持基板31の外部を通る酸素含有ガスのリークを防止するため、かかる導電性セラミックスは緻密質でなければならず、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好適である。
以上のような構造を有する燃料電池セルは、以下のようにして製造される。先ず、Ni等の鉄族金属或いはその酸化物粉末と、例えばY2O3粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合して坏土を調製し、この坏土を用いての押出成形により、支持基板成形体を作製し、これを乾燥する。
セルスタックは、図3に示すように、上述した燃料電池セル30が複数集合して、上下に隣接する一方の燃料電池セル30と他方の燃料電池セル30との間に、金属フェルト及び/又は金属板からなる集電部材40を介在させ、両者を互いに直列に接続することにより構成されている。即ち、一方の燃料電池セル30の支持基板31は、インターコネクタ35、P型半導体層39、集電部材40を介して、他方の燃料電池セル30の酸素極34に電気的に接続されている。また、このようなセルスタックは、図3に示すように、サイドバイサイドに配置されており、隣接するセルスタック同士は、導電部材42によって直列に接続されている。
31a・・・燃料ガス通路
32・・・燃料極層
33・・・固体電解質
34・・・酸素極層
35・・・インターコネクタ
35a・・・分割インターコネクタ
40・・・集電部材
Claims (11)
- 一方側面に連続して設けられた固体電解質層が、前記一方側面と対向する他方側面にインターコネクタが設けられた燃料電池セルであって、前記インターコネクタが、複数に分割された分割インターコネクタから構成されていることを特徴とする燃料電池セル。
- 支持基板内部に軸長方向にガス流路を有し、かつ前記支持基板の一方側主面にガス流路形成方向に連続して設けられた固体電解質層を有するとともに、前記支持基板の他方側主面に設けられたインターコネクタを有する燃料電池セルであって、前記インターコネクタが、ガス流路形成方向に複数に分割された分割インターコネクタから構成されていることを特徴とする燃料電池セル。
- 支持基板内部に軸長方向にガス流路を有し、かつ前記支持基板の一方側主面にガス流路形成方向に連続して設けられた固体電解質層を有するとともに、前記支持基板の他方側主面に設けられたインターコネクタを有する中空平板型燃料電池セルであって、前記インターコネクタが、前記ガス流路とほぼ直交する方向に複数に分割された分割インターコネクタから構成されていることを特徴とする燃料電池セル。
- 支持基板が導電性を有するとともに、該導電性支持基板の一方側主面に電極層を介して固体電解質層が形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の燃料電池セル。
- 導電性支持基板の一方側主面に形成された電極層は燃料極層であることを特徴とする請求項4記載の燃料電池セル。
- 支持基板が電極として機能するとともに、該支持基板の一方側主面に固体電解質層が形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の燃料電池セル。
- インターコネクタが、ガス流路形成方向に複数に分割された分割インターコネクタから構成されており、ガス流路形成方向の一方側端の分割インターコネクタの面積が、他方側端の分割インターコネクタの面積よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 分割インターコネクタ間には緻密質材料が充填されていることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 分割インターコネクタ間の緻密質材料は、固体電解質材料であることを特徴とする請求項8記載の燃料電池セル。
- 請求項1乃至9のうちいずれかに記載の燃料電池セルを収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池。
- ガス流路へのガス入口側における分割インターコネクタの面積が、出口側の分割インターコネクタの面積よりも小さいことを特徴とする請求項10記載の燃料電池。
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