JP2006127973A - 燃料電池セル - Google Patents
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Abstract
【課題】 燃料ガス通路を内部に備えた導電性支持体上に、燃料極層と固体電解質層と酸素極層とからなる発電部が形成されている燃料電池セルにおいて、燃料ガスの流れ方向下流側での燃料枯れの問題が有効に抑制され、燃料枯れによるセル破損が有効に防止された固体電解質形の燃料電池セルを提供する。
【解決手段】 高さ方向に延びている燃料ガス通路を内部に有する柱状の導電性支持体を有し、該導電性支持体の側面に、燃料極層と固体電解質層と酸素極層とからなる発電部が形成されている燃料電池セルにおいて、前記固体電解質層は、前記燃料ガス通路に供給される燃料ガスの流れ方向上流側に位置する端部での厚みよりも下流側に位置する端部での厚みが厚くなるように、燃料ガスの流れ方向に沿って厚みが連続的もしくは段階的に変化していることを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】 高さ方向に延びている燃料ガス通路を内部に有する柱状の導電性支持体を有し、該導電性支持体の側面に、燃料極層と固体電解質層と酸素極層とからなる発電部が形成されている燃料電池セルにおいて、前記固体電解質層は、前記燃料ガス通路に供給される燃料ガスの流れ方向上流側に位置する端部での厚みよりも下流側に位置する端部での厚みが厚くなるように、燃料ガスの流れ方向に沿って厚みが連続的もしくは段階的に変化していることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、燃料ガス通路を内部に備えた柱状の導電性支持体もしくは燃料極体の側面に、固体電解質層及び酸素極層が積層されて発電部が形成されている固体電解質形の燃料電池セルに関するものである。
次世代エネルギーとして、近年、燃料電池のスタックを収納容器内に収容した燃料電池組立体が種々提案されている。このような燃料電池には、固体高分子形、リン酸形、溶融炭酸塩形、固体電解質形など、各種のものが知られているが、中でも固体電解質形の燃料電池は、作動温度が800〜1000℃と高いものの、発電効率が高く、また排熱利用ができるなどの利点を有しており、その研究開発が推し進められている。
固体電解質形の燃料電池は、固体電解質層の一方の面に、燃料極を設け、他方の面に酸素極(空気極)を設けた基本構造を有している。このような固体電解質形燃料電池セルにおいては、一般に、固体電解質の酸素イオン伝導性は600℃程度から高くなるため、600℃以上の温度域で、酸素極側に酸素を含むガスを、燃料極側に水素を含むガスを各々供給することで、酸素極と燃料極間の酸素濃度差に基づき、両極間で電位差が発生する。
酸素極から固体電解質を通じて燃料極へ移動した酸素イオンは、燃料極で水素イオンと結合して水となる。このとき、同時に電子の移動が起こる。従って、燃料電池では、酸素を含むガスと水素を含むガスとを供給することで、以上の反応を連続して起こし、発電する。即ち、酸素極及び燃料極で、それぞれ、下記式で表される電極反応を生じることによって発電する。
酸素極: 1/2O2+2e− →O2−(固体電解質)
燃料極: O2−(固体電解質)+H2 → H2O+2e−
酸素極: 1/2O2+2e− →O2−(固体電解質)
燃料極: O2−(固体電解質)+H2 → H2O+2e−
通常、使用される固体電解質形燃料電池セルでは、例えば、上記のようなセル構造(即ち発電部)を、内部にガス通路を備えた多孔質の導電性支持体上に形成し、導電性支持体内部のガス通路に燃料ガス(水素ガス)を流すことにより、導電性支持体を介して燃料極表面に水素を供給すると同時に、酸素極の外面に空気等の酸素含有ガスを流すことにより、酸素極表面に酸素を供給し、これにより、各電極で上記のような電極反応を生じせしめ、発電した電流を、導電性支持体に設けられているインターコネクタにより取り出すようになっている(例えば特許文献1参照)。このような構造の燃料電池は、その複数を集電部材により互いに直列に接続してセルスタックとし、このようなセルスタックを複数、適当な収容容器内に収容し、各セルスタックを導電部材により接続することにより、燃料電池組立体として使用される。
特開平2004−146334号公報
しかしながら、従来の燃料電池セルでは、導電性支持体のガス通路に燃料ガスを流し、燃料利用率が高い条件で燃料電池セルによる発電を行っていくと、燃料ガス通路内のガスの流れ方向上流側(ガス導入側)ではガス中の水素濃度は高いが、この流れ方向に沿って順次水素が消費されていくため、ガスの流れ方向下流側(ガス排出側)ではガス中の水素濃度が薄くなり、燃料枯れが発生し易くなるという問題があった。即ち、導電性支持体や燃料極層には、導電性成分として金属成分が含まれており、燃料ガス中の水素の還元作用によって、発電に使用する酸素によるこれら金属成分の酸化が防止されている。しかるに、上記のように、燃料ガスの排出ガス側で燃料枯れ(水素濃度の低下)が生じると、上記金属成分の酸化を抑制することができず、ガス排出側では酸化による体積膨張などが生じてしまい、この結果、セルの破損を生じてしまう。
また、発電部を保持している導電性支持体は、柱状であり、その高さ方向にガス通路が延びていると共に、高さ方向に垂直な横断面形状は、互いに平行なフラットな面の両端部に弧状部を有するものとなっている。横断面形状が矩形状であると、コーナー部での破損などを生じ易くなるためである。しかるに、ガス通路を流される燃料ガスのリークを防止するために、この導電性支持体の弧状部には、緻密で厚い固体電解質層が形成されており、この弧状部において固体電解質層の導電性支持体からの剥離を生じ易いという問題もある。
従って本発明の目的は、燃料ガス通路を内部に備えた導電性の柱状体の側面に固体電解質層及び酸素極層が積層されて発電部が形成されている燃料電池セルにおいて、燃料ガスの流れ方向下流側での燃料枯れの問題が有効に抑制され、燃料枯れによるセル破損が有効に防止された固体電解質形の燃料電池セルを提供することにある。
本発明の他の目的は、導電性の柱状体の弧状部での固体電解質層の剥離が有効に防止された燃料電池セルを提供することにある。
本発明の他の目的は、導電性の柱状体の弧状部での固体電解質層の剥離が有効に防止された燃料電池セルを提供することにある。
本発明によれば、高さ方向に延びている燃料ガス通路を内部に有する柱状の導電性支持体を有し、該導電性支持体の側面に、燃料極層と固体電解質層と酸素極層とからなる発電部が形成されている燃料電池セルにおいて、
前記固体電解質層は、前記高さ方向における一方側の端部での厚みよりも他方側の端部での厚みが厚くなるように、前記高さ方向に沿って厚みが連続的もしくは段階的に変化していることを特徴とする燃料電池セルが提供される。
本発明によれば、また、高さ方向に延びている燃料ガス通路を内部に有する柱状の燃料極体を有し、該導電性支持体の側面に、固体電解質層と酸素極層とが形成されて発電部が構成されている燃料電池セルにおいて、
前記固体電解質層は、前記高さ方向における一方側の端部での厚みよりも他方側の端部での厚みが厚くなるように、前記高さ方向に沿って厚みが連続的もしくは段階的に変化していることを特徴とする燃料電池セルが提供される。
本発明によれば、さらに、燃料電池セルの複数が直列に接続されてなるセルスタックが収納容器内に収納されてなり、各燃料電池セルは、前記固体電解質層の厚みの薄い側の端部が、燃料ガス通路に供給される燃料ガスの流れ方向の上流側に位置し、且つ固体電解質層の厚みの厚い側の端部が下流側に位置するように配置されていることを特徴とする燃料電池が提供される。
前記固体電解質層は、前記高さ方向における一方側の端部での厚みよりも他方側の端部での厚みが厚くなるように、前記高さ方向に沿って厚みが連続的もしくは段階的に変化していることを特徴とする燃料電池セルが提供される。
本発明によれば、また、高さ方向に延びている燃料ガス通路を内部に有する柱状の燃料極体を有し、該導電性支持体の側面に、固体電解質層と酸素極層とが形成されて発電部が構成されている燃料電池セルにおいて、
前記固体電解質層は、前記高さ方向における一方側の端部での厚みよりも他方側の端部での厚みが厚くなるように、前記高さ方向に沿って厚みが連続的もしくは段階的に変化していることを特徴とする燃料電池セルが提供される。
本発明によれば、さらに、燃料電池セルの複数が直列に接続されてなるセルスタックが収納容器内に収納されてなり、各燃料電池セルは、前記固体電解質層の厚みの薄い側の端部が、燃料ガス通路に供給される燃料ガスの流れ方向の上流側に位置し、且つ固体電解質層の厚みの厚い側の端部が下流側に位置するように配置されていることを特徴とする燃料電池が提供される。
本発明においては、
(1)前記固体電解質層は、前記他方側の端部での厚みが50μm以下であること、
(2)前記固体電解質層は、前記他方側の端部での厚みと一方側の端部での厚みとの差が5μm以上であること、
(3)前記固体電解質層は、前記一方側の端部での厚みが10μm以上であること、
(4)前記導電性支持体もしくは燃料極体は、その高さ方向に垂直な横断面が、互いに平行なフラットな面の両端に弧状部を有する形状となっており、該弧状部の曲率半径Rが5mm以下であること、
が好ましい。
(1)前記固体電解質層は、前記他方側の端部での厚みが50μm以下であること、
(2)前記固体電解質層は、前記他方側の端部での厚みと一方側の端部での厚みとの差が5μm以上であること、
(3)前記固体電解質層は、前記一方側の端部での厚みが10μm以上であること、
(4)前記導電性支持体もしくは燃料極体は、その高さ方向に垂直な横断面が、互いに平行なフラットな面の両端に弧状部を有する形状となっており、該弧状部の曲率半径Rが5mm以下であること、
が好ましい。
本発明の燃料電池セルでは、固体電解質層に厚みの勾配が形成されており、固体電解質層が積層される柱状の導電性支持体或いは燃料極体の高さ方向に関して、固体電解質層の一方側端部の厚みが薄く、他方側端部での厚みが厚くなるように厚みの勾配が固体電解質層に形成されている。従って、このような燃料電池セルは、燃料ガスの流れ方向に対して、厚みの薄い固体電解質層端部側が上流側(燃料ガス導入側)に位置し、厚みの厚い固体電解質層端部側が下流側(燃料ガス排出側)となるように配置することができる。即ち、このように配置される燃料電池セルにおいては、燃料ガスの導入側では、固体電解質層の厚みが薄く、その抵抗が低いため、燃料ガスの消費量(水素消費量)が多いが、燃料側ガスの排出側では、固体電解質層の厚みが厚く形成されているため、その抵抗が大きく、燃料ガスの消費量(水素消費量)が少なくなる。即ち、燃料ガスの導入側での燃料ガス中の水素濃度は低下するが、燃料ガスの排出側では、水素ガスの消費量が少なくなるため、この領域での燃料ガス中の水素濃度の低下が有効に抑制され、燃料枯れを有効に回避することができ、燃料枯れによるセルの破損を有効に防止できることとなる。例えば、固体電解質層の厚みが均一に形成されていると、水素濃度が低下している燃料ガス排出側においても、燃料ガス導入側と同様に、多量の水素が消費されてしまうため、燃料枯れが発生し、燃料枯れによる(即ち金属成分の酸化による)セルの破損が発生してしまうのである。
また、本発明においては、燃料ガスの流れ方向に対して下流側となるように配置される固体電解質層の他方側端部(厚みの薄い側の端部)は、その厚みを50μm以下とすることが、適度な発電能力を確保する上で好ましく、また、他方側の端部(燃料ガスの流れ方向下流側に配置される)での厚みと一方側の端部(上流側に配置される)での厚みとの差が5μm以上となるように固体電解質層の厚みを調整することが、燃料ガス排出側での燃料ガス中の水素濃度の著しい低下を回避する上で好ましく、さらに、固体電解質層の他方側の端部(燃料ガスの流れ方向上流側に配置される)での固体電解質層の厚みを10μm以上とすることが、燃料ガス導入側での水素消費を有効に抑制し、燃料ガス排出側での水素濃度を燃料枯れによるセル破損が生じない程度に保持することができる上で好ましい。
さらに、前記柱状の導電性支持体もしくは燃料極体の高さ方向に垂直な横断面は、互いに平行なフラットな面の両端に弧状部を有する形状を有しているが、この弧状部の曲率半径Rを5mm以下とすることにより、該弧状部での固体電解質層の導電性支持基体もしくは燃料極体からの剥離を防止し、燃料電池セルからの燃料ガスの漏れを防ぐことができる。
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の燃料電池セルの好適例の横断面図であり、
図2は、図1の燃料電池セルの斜視図であり、
図3は、図1の燃料電池セルの縦断面(図2のX−X断面)の例を示す図であり、
図4は、本発明の燃料電池セルを用いて形成されたセルスタックを示す概略横断面図である。
図2は、図1の燃料電池セルの斜視図であり、
図3は、図1の燃料電池セルの縦断面(図2のX−X断面)の例を示す図であり、
図4は、本発明の燃料電池セルを用いて形成されたセルスタックを示す概略横断面図である。
図1及び図2を参照して、全体として1で示す本発明の燃料電池セルは、柱状形状を有しており、その横断面が扁平状で、全体的にみて楕円形状(平板棒状)の横断面を有する柱状の導電性支持体2を備えている。導電性支持体2の内部には、適当な間隔で複数の燃料ガス通路2aが高さ方向(軸方向)に貫通して形成されており、この導電性支持体2の側面に、以下に述べるセル構造(発電部)が形成されており、このような燃料電池セル1の複数を、図4に示すように、集電部材20により互いに直列に接続することにより、セルスタックが形成される。
図1から明らかな通り、導電性支持体2は、平坦部Aと平坦部Aの両端に形成された弧状部Bとを有する横断面形状を有している。平坦部Aの両面は互いにほぼ平行に形成されており、平坦部Aの一方の面上に、燃料極層5が設けられており、この燃料極層5を覆うように緻密質な固体電解質層7が積層されている。また、固体電解質層7の上には、燃料極層5と対面するように、平坦部Aの一方の表面に酸素極層9が、この順に積層されている。さらに、支持体2の平坦部Aの他方の表面には、インターコネクタ13が形成されている。図1から明らかな通り、固体電解質層7は、インターコネクタ13の両サイドにまで延びており、支持体2の表面が外部に露出しないように構成されている。
上記のような構造の燃料電池セル1では、固体電解質層7を間に挟んで燃料極層5と酸素極層9とが対面する部分が発電部となる。即ち、酸素極層9の外側に空気等の酸素含有ガスを流し、且つ支持体2内のガス通路2aに燃料ガス(例えば都市ガスなどの天然ガスを改質して得られる水素含有ガス)を流し、所定の作動温度まで加熱することにより、酸素極層9及び燃料極層5で前述した電極反応を生じることによって発電する。かかる発電によって生成した電流は、支持体2に取り付けられているインターコネクタ13を介して集電される。
(支持体2)
本発明の燃料電池セル1において、支持体2は、燃料ガスを燃料極層5まで透過させるためにガス透過性であること、及びインターコネクタ13を介しての集電を行うために導電性であることが要求されるが、このような要求を満たすと同時に、同時焼成により生じる不都合を回避するために、鉄属金属成分と特定の希土類酸化物とから支持体2を構成するのがよい。
本発明の燃料電池セル1において、支持体2は、燃料ガスを燃料極層5まで透過させるためにガス透過性であること、及びインターコネクタ13を介しての集電を行うために導電性であることが要求されるが、このような要求を満たすと同時に、同時焼成により生じる不都合を回避するために、鉄属金属成分と特定の希土類酸化物とから支持体2を構成するのがよい。
鉄族金属成分は、支持体2に導電性を付与するためのものであり、鉄族金属単体であってもよいし、また鉄族金属酸化物、鉄族金属の合金もしくは合金酸化物であってもよい。鉄族金属には、Fe,Ni,Co,Ruがあり、本発明では、何れをも使用することができるが、安価であること及び燃料ガス中で安定であることからNi及び/またはNiOを鉄族成分として含有していることが好ましい。
また希土類酸化物成分は、支持体2の熱膨張係数を、固体電解質層7の熱膨張係数と近似させるために使用されるものであり、高い導電率を維持し且つ固体電解質層7等への元素拡散を防止するために、Y,Lu,Yb,Tm,Er,Ho,Dy,Gd,Sm,Prからなる群より選ばれた少なくとも1種の希土類元素を含む希土類酸化物が、上記鉄族成分と組合せで使用することが好適である。かかる希土類酸化物としては、Y2O3、Lu2O3、Yb2O3、Tm2O3、Er2O3、Ho2O3、Dy2O3、Gd2O3、Sm2O3、Pr2O3を例示することができ、特に安価であるという点で、Y2O3、Yb2O3が好適である。
これらの希土類酸化物は、焼成時や発電中において、鉄族金属やその酸化物との固溶、反応をほとんど生じることがなく、しかも、支持体2中の鉄族金属或いはその酸化物、及び上記希土類酸化物は、何れも拡散しにくい。従って、支持体2と固体電解質層7とが同時焼成された場合においても、希土類元素の固体電解質層7への拡散が有効に抑制され、固体電解質層7のイオン伝導度等への悪影響を回避することができる。
本発明においては、特に支持体2の熱膨張係数を固体電解質層7の熱膨張係数に近似させるという点で、上記の鉄族成分は、支持体2中に35〜70体積%の量で含まれ、上記の希土類酸化物は、支持体2中に30〜65体積%の量で含まれていることが好適である。尚、支持体2中には、要求される特性が損なわれない限りの範囲で他の金属成分や酸化物成分を含有していてもよい。
上記のような鉄族金属成分と希土類酸化物とから構成される支持体2は、燃料ガス透過性を有していることが必要であるため、通常、開気孔率が30%以上、特に35乃至50%の範囲にあることが好適である。また、支持体2の導電率は、300S/cm以上、特に440S/cm以上であることが好ましい。
また、支持体2の平坦部Aの長さは、通常、15〜35mmであり、支持体2の高さは、用途に応じて適宜設定されるが、一般家庭での発電用に使用される場合には、通常、100乃至150mm程度の高さに設定される。さらに、平坦部Aの両端には、コーナー部での欠けを防止し、さらには機械的強度を高めるために弧状部Bが形成されるが、後述する固体電解質層7の剥離を防止するためには、弧状部Bの曲率半径を5mm以下、好ましくは1乃至5mm、さらに好ましくは1乃至4mmの範囲とするのがよい。このように曲率半径を小さくすることにより、平坦部Aから弧状部Bの境界部が滑らかになり、固体電解質層7の剥離を有効に防止する上で有利となる。また、このような曲率半径とするために、この支持体2の厚み(2つの平坦部Aの間隔)は2〜10mmの範囲にあることが望ましい。
(燃料極層5)
本発明において、燃料極層5は、電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質のサーメットから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrO2或いはCeO2と、Ni及び/またはNiOとから形成される。
本発明において、燃料極層5は、電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質のサーメットから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrO2或いはCeO2と、Ni及び/またはNiOとから形成される。
燃料極層5中の上記ZrO2或いはCeO2含量は、35乃至65体積%の範囲にあるのが好ましく、またNi或いはNiO含量は、65乃至35体積%であるのがよい。さらに、この燃料極層5の開気孔率は、15%以上、特に20乃至40%の範囲にあるのがよく、その厚みは、性能低下及び熱膨張差による剥離等を防止するため、1〜30μmであることが望ましい。
また、ZrO2或いはCeO2中に固溶している希土類元素としては、支持体2で使用する希土類酸化物に関して示したものと同様のものを例示することができるが、セルの分極値を低くするという点で、ZrO2に対してはYが3乃至10モル%程度、CeO2に対してはSmが5〜20モル%程度固溶しているものが好ましい。
さらに、この燃料極層5は、少なくとも酸素極層9に対面する位置に存在していればよい。即ち、図1の例では、支持体2の一方側の平坦部Aから他方の平坦部Aまで延びており、インターコネクタ13の両端まで延びているが、一方側の平坦部Aにのみ形成されていてもよいし、更には支持体2の全周にわたって燃料極層5を形成することも可能である。
尚、図示されていないが、必要により、上記の燃料極層5上に拡散抑制層を設け、このような拡散抑制層を燃料極層5と固体電解質層7との間に介在させることもできる。この拡散抑制層は、燃料極層5や支持体2からの固体電解質層7への元素拡散を抑制し、絶縁層形成による性能低下を回避するためのものであり、Laが固溶したCeO2、又はCeが固溶したLa2O3、あるいはそれらの混合体(これらを元素拡散防止用複合酸化物と呼ぶ)から形成される。さらに、元素拡散を遮断または抑制する効果を高めるために、他の希土類元素の酸化物が、この反応防止層に含有されていてもよい。この希土類元素としては、Sc,Y,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを例示することができる。
また、このような拡散抑制層は、固体電解質層7と共に、インターコネクタ13の両端部まで延びていることが好ましい。これにより、支持体2や燃料極層5から固体電解質層7への元素拡散を確実に防止することができるからである。
(固体電解質層7)
固体電解質層7は、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有すると同時に、燃料ガスと空気等の酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有していることが必要である。従って、この層7の形成に用いる固体電解質としては、このような特性を備えている緻密質なセラミックス、例えば、3〜15モル%の希土類元素が固溶した安定化ZrO2を用いるのが好ましい。この安定化ZrO2中の希土類元素としては、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Td,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを例示することができるが、安価であるという点で、Y,Ybが好適である。
固体電解質層7は、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有すると同時に、燃料ガスと空気等の酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有していることが必要である。従って、この層7の形成に用いる固体電解質としては、このような特性を備えている緻密質なセラミックス、例えば、3〜15モル%の希土類元素が固溶した安定化ZrO2を用いるのが好ましい。この安定化ZrO2中の希土類元素としては、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Td,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを例示することができるが、安価であるという点で、Y,Ybが好適である。
さらには、LaとGaを含むペロブスカイト型ランタンガレート系複合酸化物も固体電解質として使用することができる。この複合酸化物は、高い酸素イオン伝導性を有するものであり、これを固体電解質として使用することにより、高い発電効率を得ることができる。このランタンガレート系複合酸化物は、AサイトにLaおよびSr、BサイトにGaおよびMgを有するものであり、例えば下記一般式:
(La1−xSrx)(Ga1−yMgy)O3
式中、xは、0<x<0.3の数であり、
yは、0<y<0.3の数である、
で表される組成を有していることが望ましい。このような組成の複合酸化物を固体電解質として使用することによっても、高い発電性能を発揮させることができる。
(La1−xSrx)(Ga1−yMgy)O3
式中、xは、0<x<0.3の数であり、
yは、0<y<0.3の数である、
で表される組成を有していることが望ましい。このような組成の複合酸化物を固体電解質として使用することによっても、高い発電性能を発揮させることができる。
このような固体電解質層7は、ガス透過を防止するという点から相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、特に95%以上であることが望ましい。
また、本発明の燃料電池セルにおいては、図3の縦断面図に示されているように(図3において、下側がガス導入側であり、上側がガス排出側である)、固体電解質層7のガス導入側の端部(燃料ガスの流れ方向上流側端部)7aの厚みが薄く、ガス排出側の端部(燃料ガスの流れ方向下流側端部)7bの厚みが厚くなるように、厚みに勾配が形成されていることが重要である。
既に述べたように、導電性支持体2のガス通路2aに水素を含む燃料ガスを流すことにより発電が行われるが、このガス導入側から順次水素ガスが消費されていくため、この流れ方向に沿って燃料ガス中の水素ガス濃度は低下していく。従って、発電効率を高めるように、前述したイオン伝導性等の特性に優れた固体電解質材料を使用するほど、水素ガスの消費量が増大していく。このため、固体電解質層7の厚みが全体として均一に設定されていると、ガス排出側では、燃料ガス中の水素濃度が著しく低下してしまい、燃料枯れの問題を生じてしまう。即ち、導電性支持体2や燃料極層5には、導電性を付与するために、Ni等の導体成分が含まれており、通常の状態では、これらは燃料ガス中の水素により還元されるため、金属単体の状態で存在している。例えば、NiO等の酸化物を用いて導電性支持体2や燃料極層5を作製したときにも、これらは発電或いは発電前の前処理による燃料ガスの導入時に水素によって還元され、Ni等の金属単体の状態で存在している。しかるに、上記のように燃料枯れ(水素濃度の著しい低下)を生じると、これらの導体成分が酸化されてしまうこととなる。このことから理解されるように、ガス導入側では、水素の還元作用により導体成分が金属単体の状態で存在しているが、ガス排出側では、導体成分の酸化が進行し、導体成分の体積がガス導入側に比して増大してしまい、この結果、セルの破損を招いてしまうのである。
しかるに本発明によれば、ガス導入側の端部7aでの厚みが薄く、ガス排出側の端部7bでの厚みが厚くなるように、固体電解質層7の厚みに勾配を形成することにより、上記のような燃料枯れに起因するセルの破損を有効に防止することができる。即ち、本発明では、燃料ガスの導入側では、固体電解質層7の厚みが薄く、その抵抗が低いため、燃料ガスの消費量(水素消費量)が多いが、燃料側ガスの排出側では、固体電解質層7の厚みが厚く形成されているため、その抵抗が大きく、燃料ガスの消費量(水素消費量)が少なくなる。従って、燃料ガス導入側から排出側に流れるにしたがって燃料ガス中の水素濃度は低下するが、燃料ガスの排出側では、水素ガスの消費量が少なくなり、この結果、ガス排出側での燃料ガス中の水素濃度の低下が抑制され、この領域での水素ガスを適当な範囲に保持することができ、燃料枯れを回避し、燃料枯れによるセルの破損を有効に防止できるのである。
本発明において、上記のような固体電解質層7の厚みの勾配は、例えば図3(a)で示されているように連続的にテーパー状に固体電解質層7の厚みをガス排出側に向かって厚く形成してもよいし、図3(b)で示されるように、ガス排出側に向かって段階的に厚みが厚くなるように固体電解質層7を形成することもできる。
また、図3(a)のように、テーパー状で固体電解質層7の厚みに勾配を持たせる場合には、セルスタックとしたときの接合性を考慮して、固体電解質層7上に形成される酸素極層9の外面が、支持体2の平坦部Aと平行となるように形成すること、即ち、ガス導入側において酸素極層9の厚みが厚く、ガス排出側において、酸素極層9の厚みが薄くなるように、酸素極層9もテーパー状に形成することもできる。
さらに、図3(b)のように、段階的に固体電解質層7の厚みに勾配を持たせる場合、酸素極層9の厚みを均一に設定し、酸素極層9の外面に段差が形成されるようにしてもよいし、酸素極層9の厚みを段階的に変化させ、酸素極層9の外面が、支持体2の平坦部Aと平行となるようにすることも可能である。また、図3(b)において、厚みは3段階で変化しているが、それよりも多段で厚みに変化を持たせることもできるし、2段階で厚みを変化させることもできる。
本発明においては、上記のように固体電解質層7の厚みに勾配が形成されるが、特にガス排出側端部7bでの固体電解質層の厚みを50μm以下、特に25μm以下とすることが、適度な発電能力を確保する上で好ましい。即ち、この厚みが過度に厚いと、この領域での固体電解質層7の抵抗が大きくなってしまい、ガス排出側での発電効率が大きく低下してしまい、出力低下を生じてしまうからである。
また、上記のような固体電解質層7の厚み勾配は、ガス導入側端部7aでの厚みとガス排出側端部での厚みとの差が5μm以上となるようなものであることが、燃料枯れを有効に抑制する上で好ましい。この勾配があまり小さいと、ガス排出側での燃料ガス中の水素濃度の低下が大きくなり、燃料枯れ防止効果が希薄となるからである。
さらに、ガス導入側端部7aでの固体電解質層の厚みを10μm以上とすることが好ましい。この厚みが、あまり薄いと、燃料ガスのリークを生じてしまうおそれがあるからである。
(酸素極層9)
固体電解質層7に形成される酸素極層9は、前述した電極反応を生じせしめるものであり、図1に示されているように、固体電解質層7を間に挟んで、前述した燃料極層5と対面するような位置に配置されている。即ち、少なくとも支持体2の一方の平坦部A上に位置する部分に配置される。
固体電解質層7に形成される酸素極層9は、前述した電極反応を生じせしめるものであり、図1に示されているように、固体電解質層7を間に挟んで、前述した燃料極層5と対面するような位置に配置されている。即ち、少なくとも支持体2の一方の平坦部A上に位置する部分に配置される。
かかる酸素極層9は、所謂ABO3型のペロブスカイト型酸化物の焼結体粒子からなる。このようなペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属型ペロブスカイト酸化物、特にAサイトにLaを有するLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物の少なくとも一種が好適であり、600〜1000℃程度の比較的低温での電気伝導性が高く、酸素イオンに対して優れた表面拡散機能と体積拡散機能とを示すという点から、(La,Sr)(Co,Fe)O3系酸化物(以下、La−Sr−Co系複合酸化物と呼ぶことがある)、例えば下記一般式:
LaySr1−yCoZFe1−ZO3
式中、yは、0.5≦y≦0.7の数であり、
zは、0.2≦z≦0.8の数である、
で表される組成を有する複合酸化物が特に好適である。
LaySr1−yCoZFe1−ZO3
式中、yは、0.5≦y≦0.7の数であり、
zは、0.2≦z≦0.8の数である、
で表される組成を有する複合酸化物が特に好適である。
また、このような酸素極層9は、ガス透過性を有していなければならず、従って、上記の導電性セラミックス(ペロブスカイト型酸化物)は、開気孔率が20%以上、特に30乃至50%の範囲にあることが望ましい。また、酸素極層9の厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが望ましい。
また、上記の酸素極層9は、固体電解質層7上に形成してもよいが、固体電解質層7上に反応防止層(図示せず)を設け、このような反応防止層を介して酸素極層9を固体電解質層7に積層することもできる。このような反応防止層は、酸素極層9から固体電解質層7への元素拡散を遮断するためのものであり、元素拡散防止機能を有する酸化物の焼結体から形成される。このような反応防止層用酸化物としては、例えば、構成元素としてCeを含有する酸化物を例示することができ、特にCeO2に希土類元素酸化物が固溶したCe系複合酸化物が高い元素拡散遮断性に加えて、酸素イオン導電性及び電子伝導性に優れているという点で、好適に使用される。また、かかる希土類元素酸化物としては、前述した種々の希土類元素の酸化物であってよいが、特にSm酸化物であることが好ましい。例えば、CeO2にSm2O3が固溶した複合酸化物であって、特に下記一般式:
(CeO2)1−x(SmO3/2)x
式中、xは、0<x≦0.3、特に0.1≦x≦0.2の数である、
で表される組成を有するCe系複合酸化物が、高い元素拡散遮断性に加えて、酸素イオン導電性及び電子伝導性に優れているという点で、反応防止層形成用材料として最も好適である。即ち、上記一般式のモル組成を満足するようなCe系複合酸化物(SDC複合酸化物)を用いて反応防止層を形成することにより、固体電解質層7との界面での電極反応を阻害させたり或いは電極間抵抗を増大することなく、酸素極層9から固体電解質層7への元素拡散を有効に遮断することが可能となる。このような反応防止層は、所定の元素拡散遮断機能を示し且つ電極反応を阻害しないため、一般に、相対密度が80%以上の比較的緻密な焼結体で形成され、且つその厚みは、3乃至10μm程度であるのがよい。
(CeO2)1−x(SmO3/2)x
式中、xは、0<x≦0.3、特に0.1≦x≦0.2の数である、
で表される組成を有するCe系複合酸化物が、高い元素拡散遮断性に加えて、酸素イオン導電性及び電子伝導性に優れているという点で、反応防止層形成用材料として最も好適である。即ち、上記一般式のモル組成を満足するようなCe系複合酸化物(SDC複合酸化物)を用いて反応防止層を形成することにより、固体電解質層7との界面での電極反応を阻害させたり或いは電極間抵抗を増大することなく、酸素極層9から固体電解質層7への元素拡散を有効に遮断することが可能となる。このような反応防止層は、所定の元素拡散遮断機能を示し且つ電極反応を阻害しないため、一般に、相対密度が80%以上の比較的緻密な焼結体で形成され、且つその厚みは、3乃至10μm程度であるのがよい。
(インターコネクタ13)
上記の酸素極層9に対面する位置において、支持体2上の平坦部Aに設けられているインターコネクタ13は、導電性セラミックスからなるが、燃料ガス(水素)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、かかる導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)が使用される。また、支持体2の内部を通る燃料ガス及び支持体2の外部を通る酸素含有ガスのリークを防止するため、かかる導電性セラミックスは緻密質でなければならず、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好適である。
上記の酸素極層9に対面する位置において、支持体2上の平坦部Aに設けられているインターコネクタ13は、導電性セラミックスからなるが、燃料ガス(水素)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、かかる導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)が使用される。また、支持体2の内部を通る燃料ガス及び支持体2の外部を通る酸素含有ガスのリークを防止するため、かかる導電性セラミックスは緻密質でなければならず、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好適である。
かかるインターコネクタ13の厚みは、ガスのリーク防止と電気抵抗という点から、10〜200μmであることが望ましい。即ち、この範囲よりも厚みが薄いと、ガスのリークを生じやすく、またこの範囲よりも厚みが大きいと、電気抵抗が大きく、電位降下により集電機能が低下してしまうおそれがあるからである。
また、このインターコネクタ13は、支持体2の他方の平坦部A上に直接設けることもできるが、例えば、Y2O3などからなる接合層(図1,2において15で示す)を介して支持体2上に形成することもできる。また、先に述べたように、燃料極層5を支持体2の全周にわたって設けた場合には、このインターコネクタ13は、燃料極層5を間に挟んで支持体2上に形成されることとなる。
さらに、インターコネクタ13の外面(上面)には、P型半導体層17を設けることが好ましい。即ち、この燃料電池セルから組み立てられるセルスタック(図4参照)では、インターコネクタ13には、導電性の集電部材20が接続されるが、集電部材20を直接インターコネクタ13に直接接続すると、非オーム接触により、電位降下が大きくなってしまい、集電性能が低下してしまう。しかるに、集電部材20を、P型半導体層17を介してインターコネクタ13に接続させることにより、両者の接触がオーム接触となり、電位降下を少なくし、集電性能の低下を有効に回避することが可能となり、例えば、一方の燃料電池セル1aの酸素極層9からの電流を、他方の燃料電池セル1bの支持体2に効率良く伝達できる。
上記のようなP型半導体としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物を例示することができる。
具体的には、インターコネクタ13を構成するLaCrO3系酸化物よりも電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを使用することができる。このようなP型半導体層15の厚みは、一般に、30乃至100μmの範囲にあることが好ましい。
具体的には、インターコネクタ13を構成するLaCrO3系酸化物よりも電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを使用することができる。このようなP型半導体層15の厚みは、一般に、30乃至100μmの範囲にあることが好ましい。
上述した構造の本発明の燃料電池セルは、柱状の導電性支持体2を燃料極体に置き換えることができる。即ち、燃料極層5を形成する材料を用いて上記の導電性支持体2に相当する支持体を形成することもでき、この場合には、燃料極体が燃料極層として機能するため、このような柱状の燃料極体の側面に、燃料極層5を介在させることなく、上述した厚み分布を有する固体電解質層7を形成し、さらにその上に、必要により反応防止層を介して酸素極層9が形成されることとなる。
(燃料電池セルの製造)
上述した構造を有する燃料電池セルは、固体電解質層7の厚みに勾配を形成することを除けば、それ自体公知の方法で製造することができるが、特に以下に述べる同時焼成法を利用することが好適である。(以下の製造方法は、図1〜3に示した構造の燃料電池セルを例にとって説明したものである。)
上述した構造を有する燃料電池セルは、固体電解質層7の厚みに勾配を形成することを除けば、それ自体公知の方法で製造することができるが、特に以下に述べる同時焼成法を利用することが好適である。(以下の製造方法は、図1〜3に示した構造の燃料電池セルを例にとって説明したものである。)
例えば、前述した導電性支持体2を形成するための混合粉末(即ち、鉄族金属もしくはその酸化物粉末と希土類酸化物粉末との混合粉末)に、有機バインダーと、溶媒、及び必要によりメチルセルロース等の分散剤とを混合してスラリーを調製し、このスラリーを押出成形して、ガス通過孔を有する柱状の導電性支持体用成形体を作製し、これを乾燥、脱脂する。乾燥条件は、80℃〜150℃の温度範囲で、2時間以上乾燥することが望ましい。さらに、乾燥後に、800〜1100℃の温度域で仮焼する。
また、上記導電性支持体用成形体を作製するにあたって、用いる混合粉末は、鉄族金属もしくは鉄族金属酸化物の粉末(以下、導体粉末と呼ぶ)と希土類酸化物粉末とを所定の体積比で混合したものであるが、特に希土類酸化物粉末としては、平均粒径が0.3〜1.0μmの微細粉末と平均粒径が2.5〜4.5μmの粗粉末とを併用することが好ましく、例えば、上記混合粉末中の導体粉末含量を35〜65体積%とし、希土類酸化物の微細粉末含量を1.5〜13体積%とし、希土類酸化物の粗粉末含量を22〜63.5体積%とすることが好ましい。即ち、希土類酸化物の微粉末と粗粉末とを使用することにより、後述する同時焼成時における収縮開始温度を、固体電解質用シートの収縮開始温度と整合させ、特に支持体2と固体電解質層7との焼成収縮差を低減でき、同時焼成時における固体電解質層7の剥離や固体電解質層7でのクラックの発生等を有効に抑制できるからである。
また、上記の導電性支持体用成形体は、その横断面における弧状部の曲率半径Rを5mm以下に設定しておくのがよい。これにより、得られる導電性支持体2の平坦部Aから弧状部Bにかけての境界領域が滑らかになり、固体電解質層7の剥離を有効に防止することができるからである。
上記のように導電性支持体用成形体を仮焼した後、所定の燃料極形成用粉末(例えばNi及び/又はNiO粉末と希土類元素が固溶したZrO2粉末との混合粉末)を、所定の有機バインダー及び溶媒と混合してスラリーを調製し、このスラリーを、導電性支持体用成形体の仮焼体の所定面に塗布し、前記燃料極層用のコーティング層を形成する。この塗布は、例えばメッシュ製版を用い、コーティング層の厚みが1〜30μm程度となるように行われ、塗布後、80〜150℃の温度で乾燥する。
一方、上記とは別個に固体電解質層用のシート(以下、固体電解質シートと呼ぶ)を作製する。即ち、Yを含有したZrO2(YSZ)などの固体電解質粉末を、有機バインダー及びトルエン等の溶媒と混合して成形用スラリーを調製し、このスラリーを用いて、前述したような厚み勾配を有する固体電解質シートを成形する。厚み勾配の成形は、所定の型を用いての押出し成形により行うことができるが、均一な厚みのシートを作製した後、研削等の機械的処理により、厚み勾配を形成することも可能である。さらには、任意の方法で成形された一定厚みの固体電解質シートを、位置をずらしながら順次積層していくことにより、段階的に厚みを変化させることができ、例えば図3(b)の如き固体電解質層7を形成することができる。
また、本発明においては、固体電解質層7の剥離或いはクラックの発生を抑制するために、後述する実施例で述べる手段によって測定される引張伸度が10乃至30mm、特に12乃至25mmとなるように、固体電解シートを成形することが好ましい。このような引張伸度の固体電解質シートを用いるときには、以下の同時焼成時において、導電性支持体用成形体(仮焼体)の焼成収縮に固体電解質シートが追随し、特に導電性支持体2の弧状部Bからの固体電解質層7の剥離を有効に防止することができる。(尚、上記の引張伸度は、乾燥による溶媒除去後の値である。)
尚、上記のような引張伸度を有する固体電解質シートを作製するためには、例えば成形用スラリーの調製に用いる有機バインダーとして、(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステルを重合して得られるアクリル系樹脂が使用され、さらに可塑剤、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸系の可塑剤をスラリー中に混合しておくことが好ましく、これにより、固体電解質シートの引張伸度を調整することができる。例えば、固体電解質粉末当り、アクリル系樹脂を12〜18重量%、特に13〜17重量%の量で使用し、且つ可塑剤を1.0〜3.2重量%、特に1.5〜2.7重量%の量で使用して成形用スラリーを調製するのがよい。
次いで、燃料極層形成用粉末(例えばNiO粉末とYSZ粉末との混合粉末)に有機バインダーと溶媒とを混合して調製されたスラリーを用いて、燃料極層用シートを作製し、この燃料極層用シートを、上記の固体電解質シートの一方の面に積層し、これを、前述した支持体用成形体(仮焼体)の所定位置に燃料極層シートが対面するように巻き付け、乾燥する。尚、上記の燃料極層用のスラリー中に支持体用成形体を浸漬させて燃料極層用のコーティング層を形成し、このコーティング層上に固体電解質シートを積層することもできる。また、支持体用成形体の仮焼は、上記のような固体電解質シートを巻きつけた後に行うこともできる。さらに、固体電解質シートの巻き付けは、燃料極形成用粉末を含有するスラリーなどの密着液を間に介在させて行なうことにより、上記支持体用成形体に密着させることができる。
さらに、上記の支持体用成形体の表面に、前述した元素拡散防止用複合酸化物を含むスラリーを塗布して元素拡散防止層用のコーティング層を形成しておき、このコーティング層に燃料極層用のコーティング層が対面するように、上記の固体電解質シートを積層することもできる。
この後、例えば、LaCrO3系材料などのインターコネクタ用粉末を、有機バインダー及び溶媒に混合してスラリーを調製し、このスラリーを用いて常法に従ってインターコネクタ用シートを作製し、このシートを、上記の固体電解質シートが巻かれた支持体用成形体の露出面に積層することにより、支持体用成形体の一部の面に燃料極層用コーティング層及び固体電解質シートが積層され、さらに残りの一部の面にインターコネクタ用シートが積層された積層成形体を作製する。さらに、必要により、この積層成形体の固体電解質シートの表面(特に支持体成形体の平坦部Aに対面する領域)に、前述したSDC複合酸化物などの反応防止層用酸化物を含むスラリーを用いて、反応防止層用のシートを積層し或いは反応防止層用コーティング層を形成しておくこともできる。
次いで上記の積層成形体について、脱バインダー処理のための熱処理を行なった後、酸素含有雰囲気中で1300〜1600℃で同時焼成することにより、導電性支持体2上に燃料極層5及び固体電解質層7が積層され、さらに所定位置にインターコネクタ13が積層され、必要により元素拡散防止層や反応防止層を備えた焼結構造体を得ることができる。このような焼結構造体においては、導電性支持体2の焼成収縮開始温度が固体電解質層7の焼成収縮開始温度に近似しており、しかも固体電解質層7(固体電解質シート)が導電性支持体2の焼成収縮に追随するように焼成収縮するため、固体電解質層7の剥離やクラックの発生(特に導電性支持体2の弧状部Bの部分において)が有効に抑制されている。
さらに、上記で得られた焼結構造体の固体電解質層7上(或いは反応防止層上)に、LaFeO3系酸化物粉末などを溶媒に分散させた酸素極層用の塗布液をスプレー噴霧して(或いはディッピングし)酸素極層用コーティング層を形成し、さらに同様にして、LaFeO3系酸化物粉末などを溶媒に分散させたペーストをインターコネクタ13の外面に塗布し、1000〜1300℃で焼き付けることにより、酸素極層9及びP型半導体層17を備えた本発明の燃料電池セルを得ることができる。尚、得られた燃料電池セルは、酸素含有雰囲気での焼成により、支持体2などに含まれる導体成分がNiOなどの酸化物となっているが、このような酸化物は、燃料ガスを供給しての還元処理や発電によって還元されることになる。
(セルスタック)
セルスタックは、図4に示すように、上述した燃料電池セル1が複数集合して、上下に隣接する一方の燃料電池1aと他方の燃料電池1bとの間に、金属フェルト及び/又は金属板からなる集電部材20を介在させ、両者を互いに直列に接続することにより構成されている。即ち、一方の燃料電池1aの支持体2は、インターコネクタ13、P型半導体層17、集電部材20を介して、他方の燃料電池1bの酸素極層11に電気的に接続されている。また、このようなセルスタックは、図3に示すように、隣接して配置されており、隣接するセルスタック同士は、導電部材22によって直列に接続されている。
セルスタックは、図4に示すように、上述した燃料電池セル1が複数集合して、上下に隣接する一方の燃料電池1aと他方の燃料電池1bとの間に、金属フェルト及び/又は金属板からなる集電部材20を介在させ、両者を互いに直列に接続することにより構成されている。即ち、一方の燃料電池1aの支持体2は、インターコネクタ13、P型半導体層17、集電部材20を介して、他方の燃料電池1bの酸素極層11に電気的に接続されている。また、このようなセルスタックは、図3に示すように、隣接して配置されており、隣接するセルスタック同士は、導電部材22によって直列に接続されている。
即ち、発電に供される燃料電池は、図4のセルスタックを、収納容器内に収容して構成される。この収納容器には、外部から水素等の燃料ガスを燃料電池1に導入する導入管、及び空気等の酸素含有ガスを燃料電池セル1の外部空間に導入するための導入管が設けられており、燃料電池セルが所定温度(例えば、600乃至900℃)に加熱されることにより発電し、余剰の燃料ガス、酸素含有ガスは、燃焼して収納容器外に排出される。
本発明を次の実験例で説明する。
尚、以下の例において、平均粒径は、レーザー回折散乱法による体積基準径(D50)を意味する。
尚、以下の例において、平均粒径は、レーザー回折散乱法による体積基準径(D50)を意味する。
(実験例1)
先ず、平均粒径0.5μmのNiO粉末と、表1に示す平均粒径のY2O3微細粉末及び表1に示す平均粒径のY2O3粗粉末とを、表1に示す体積比で混合し、さらにポリビニルアルコール(バインダー)及びメチルセルロース(分散剤)と、水(溶媒)を加えてスラリーを調製し、このスラリーを用いての押出し成形により、表1に示す曲率半径Rの弧状部を備えた横断面を有し、且つ内部にガス通路を有する柱状の導電性支持体用成形体を得た。その後、室温及び130℃での強制乾燥を行い、1000℃での脱脂・仮焼を行った。
先ず、平均粒径0.5μmのNiO粉末と、表1に示す平均粒径のY2O3微細粉末及び表1に示す平均粒径のY2O3粗粉末とを、表1に示す体積比で混合し、さらにポリビニルアルコール(バインダー)及びメチルセルロース(分散剤)と、水(溶媒)を加えてスラリーを調製し、このスラリーを用いての押出し成形により、表1に示す曲率半径Rの弧状部を備えた横断面を有し、且つ内部にガス通路を有する柱状の導電性支持体用成形体を得た。その後、室温及び130℃での強制乾燥を行い、1000℃での脱脂・仮焼を行った。
次に、平均粒径が1.0μmの8YSZ(8mol%のY2O3を添加した安定化ZrO2)を、アクリル系樹脂(バインダー)、トルエン(溶媒)、可塑剤(フタル酸ジブチル;DBP)及び分散剤(メチルセルロース)と混合してスラリーを調製し、押出成形法により固体電解質シートを作成した。このとき、有機バインダー及び可塑剤の添加比率(8YSZ100重量部当りの量)は、表1に示すように変更した。また、押出成形は、焼成後においてガス流れ方向上流側端部及び下流側端部の厚みが表1に示す厚み勾配を有するように、固体電解質シートにテーパー状の傾斜面が形成されるように行った。
上記で作成された固体電解質シートについては、乾燥して溶媒を除去したときの引張伸度を、下記の方法で測定し、その結果を表1に示した。
引張伸度:
固体電解質シートを、チャック間距離50mm、引っ張り速度500mm/minにて引っ張った際のシート切断時までの伸びを引張伸度とした。
引張伸度:
固体電解質シートを、チャック間距離50mm、引っ張り速度500mm/minにて引っ張った際のシート切断時までの伸びを引張伸度とした。
また、平均粒径1μmのYSZ粉末と、平均粒径0.5μmのNi粉末と、有機バインダー(アクリル系バインダー)と、溶媒(トルエン)とを混合してスラリー(燃料極層形成用スラリー)を調製し、これを用いて平均厚み10〜15μmになるようにメッシュ製版を用いて、固体電解質シート表面に印刷し、乾燥した。その後、密着液(燃料極層形成用スラリー)を介して支持体成形体に巻き付け、1000℃、2hrの条件で仮焼した。
上記のようにして仮焼を行なった後、平均粒径1μmのSm2O3粉末と、平均粒径1μmのCeO2粉末と、アクリル系バインダーと、トルエンとを混合してスラリーを調製し、これを用いて平均厚み10〜20μmになるように、上記仮焼処理した支持体の固体電解質シート上に印刷し、乾燥し、反応防止層用のコーティング層を形成した。
さらに、LaCrO3粉末と、アクリル系バインダー、トルエン、可塑剤(DBP)、分散剤(脂肪酸系分散剤)とを所定量添加し、ドクターブレード法等により厚さ50μmのインターコネクタ用シートを作製した。このインターコネクタ用シートを、上記の仮焼処理された支持体用成形体の露出面の平坦部に積層して、燃料極層用コーティング層、固体電解質シート、反応防止層用コーティング層、及びインターコネクタ用シートが積層された積層成形体を作製した。
上記の積層成形体を脱バインダー処理し、大気中で1485℃で2時間、同時焼成を行ない、導電性支持体上の一方の平坦部に燃料極層、固体電解質層及び反応防止層が積層され、他方の平坦部にはインターコネクタが積層された焼結構造体を得た。
また、LaFeO3粉末を溶媒(イソプロパノール)と混合して塗布液を調製し、これを噴霧スプレー法により、上記の焼結構造体の反応防止層上に塗布して、酸素極層コーティング層を形成した。その後、大気中で1150℃で加熱処理することで、厚みが100μmの酸素極層を反応防止層上に形成し、図1、2に示した高さが150mmであり、導電性支持体の厚み(平坦部間隔)が3.2mmで、表1に示す曲率半径の弧状部を有する楕円柱状の燃料電池セルを作製した(試料No.1〜13)。
作製した燃料電池セルについて、導電性支持体の弧状部における固体電解質層でのクラック及び剥離の有無をマイクロスコープで確認した。また、支持体の内部のガス通路に内圧が2気圧のHeガスを導入し、燃料電池セルの表面、特に弧状部でのガス漏れの有無を確認した。これらの結果を表1に示した。
また、作製した燃料電池セルを発電評価治具に設置し、850℃でセルの酸素極層側に空気を、導電性支持体のガス通路に水素を流し、発電試験を行った。このときの発電特性を確認した。
さらに、燃料利用率が70%となるような条件で100時間発電させ、発電後のセルの支持体について燃料枯れによるクラックの有無を、マイクロスコープで確認した。これらの測定結果を表1に示す。
表1から、本発明の試料No.3〜13では、ガス流路方向に固体電解質層の厚みが連続的に変化しており、ガス流路の下流側の端部での固体電解質層の厚みが50μm以下、ガス流路上流側の端部での固体電解質厚みが10μm以上であると、弧状部でのクラック等の破損やガス漏れもなく、且つ発電後のセルの支持体にクラックの発生は見られなかった。一方、本発明の範囲外である試料No.1,2は、固体電解質の厚みが均一であるため、支持体から固体電解質層が広範囲で剥離し、さらに発電後のセルの支持体にクラックの発生が見られた。
1:燃料電池セル
2:導電性支持体
2a:燃料ガス通路
5:燃料極層
7:固体電解質層
9:酸素極層
13:インターコネクタ
2:導電性支持体
2a:燃料ガス通路
5:燃料極層
7:固体電解質層
9:酸素極層
13:インターコネクタ
Claims (7)
- 高さ方向に延びている燃料ガス通路を内部に有する柱状の導電性支持体を有し、該導電性支持体の側面に、燃料極層と固体電解質層と酸素極層とからなる発電部が形成されている燃料電池セルにおいて、
前記固体電解質層は、前記高さ方向における一方側の端部での厚みよりも他方側の端部での厚みが厚くなるように、前記高さ方向に沿って厚みが連続的もしくは段階的に変化していることを特徴とする燃料電池セル。 - 高さ方向に延びている燃料ガス通路を内部に有する柱状の燃料極体を有し、該導電性支持体の側面に、固体電解質層と酸素極層とが形成されて発電部が構成されている燃料電池セルにおいて、
前記固体電解質層は、前記高さ方向における一方側の端部での厚みよりも他方側の端部での厚みが厚くなるように、前記高さ方向に沿って厚みが連続的もしくは段階的に変化していることを特徴とする燃料電池セル。 - 前記固体電解質層は、前記他方側端部での厚みが50μm以下である請求項1または2に記載の燃料電池セル。
- 前記固体電解質層は、前記他方側端部での厚みと前記一方側端部での厚みとの差が5μm以上である請求項1乃至3の何れかに記載の燃料電池セル。
- 前記固体電解質層は、前記一方側端部での厚みが10μm以上である請求項1乃至4の何れかに記載の燃料電池セル。
- 前記導電性支持体または燃料極体は、その高さ方向に垂直な横断面が、互いに平行なフラットな面の両端に弧状部を有する形状となっており、該弧状部の曲率半径Rが5mm以下である請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池セル。
- 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の燃料電池セルの複数が直列に接続されてなるセルスタックが収納容器内に収納されてなり、各燃料電池セルは、前記固体電解質層の厚みの薄い側の端部が、燃料ガス通路に供給される燃料ガスの流れ方向の上流側に位置し、且つ固体電解質層の厚みの厚い側の端部が下流側に位置するように配置されていることを特徴とする燃料電池。
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