JP5188069B2 - 燃料電池セルおよびセルスタックならびに燃料電池 - Google Patents
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Description
燃料極: O2− (固体電解質)+ H2 → H2O+2e− …(2)
かかる発電によって生成した電流は、支持基板31に取り付けられているインターコネクタ35を介して集電される。
上記のような構造を有する燃料電池セル30において、支持基板31は、燃料ガスを燃料極層32まで透過させるためにガス透過性(多孔質)であること、およびインターコネクタ35を介しての集電を行うために導電性であること、同時焼成時の熱膨張差による固体電解質などのクラックや剥離がないことが要求されるが、このような要求を満たすと同時に、還元・酸化サイクルにおける支持基板31の体積膨張に起因した固体電解質などのクラックを抑制する目的で、触媒活性金属およびその酸化物のいずれかと、触媒金属およびその酸化物との反応物を生成しない無機骨材、例えば、金属酸化物である固体電解質層または少なくとも一種の希土類元素を含有する希土類元素酸化物とを含有せしめて構成する。
本発明において、燃料極層32は、前述した式(2)の電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrO2と、Niおよび/またはNiOとから形成される。この希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニア)としては、以下に述べる固体電解質層33の形成に使用されているものと同様のものを用いるのがよい。
この燃料極層32上に設けられている固体電解質層33は、一般に3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrO2(通常、安定化ジルコニア)と呼ばれる緻密質なセラミックスから形成されている。希土類元素としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luを例示することができるが、安価であるという点からY、Ybが望ましい。
酸素極層34は、所謂ABO3型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成される。かかるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaを有するLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物の少なくとも1種が好適であり、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaFeO3系酸化物が特に好適である。尚、上記ペロブスカイト型酸化物においては、AサイトにLaと共にSrなどが存在していてもよいし、さらにBサイトには、FeとともにCoやMnが存在していてもよい。
支持基板31上に設けられているインターコネクタ35、36は、導電性セラミックスからなるが、燃料ガス(水素)および酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、かかる導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)を使用できる。ランタンクロマイト系酸化物としては、(La,Sr)CrO3、Laの一部をSrで置換したもの、Crの一部をMgで置換したもの、La(Cr,Mg)O3を使用できる。本発明では、ランタンクロマイト系のインターコネクタ35,36に限定されるものではないが、ランタンクロマイト系のインターコネクタ35,36では、特に、還元時に膨張する傾向があるため、本発明の燃料電池セルを好適に用いることができる。
以上のような構造を有する燃料電池セルは、以下のようにして製造される。先ず、Ni等の鉄族金属或いはその酸化物粉末と、例えばY2O3粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合して坏土を調製し、この坏土を用いての押出成形により、支持基板成形体を作製し、これを乾燥する。
セルスタックは、図3に示すように、上述した燃料電池セル30が複数集合して、一方の燃料電池セル30と隣り合う他方の燃料電池セル30との間に、金属板からなる集電部材40を介在させ、両者を互いに直列に接続することにより構成されている。即ち、他方の燃料電池セル30の支持基板31は、第1インターコネクタ35、集電部材40を介して、一方の燃料電池セル30の酸素極層34に電気的に接続されている。集電部材40は、一方の燃料電池セル30の幅方向端部を抱え込み、酸素極層34に接続するアーム部40aと、他方の燃料電池セル30の第1インターコネクタ35に当接する当接部40bと、アーム部40aと当接部40bとを支持する支持部40cとから構成され、支持部40cは、ガス流路形成方向zに形成されている。一方の燃料電池セル30の酸素極層34に接続された集電部材40は、一方の燃料電池セル30の第2インターコネクタ36には接続しないように形成されている。集電部材40は、一方の燃料電池セル30の酸素極層34と、他方の燃料電池セル30の第1インターコネクタ35と接合しており、第2インターコネクタ36は外部とは何ら接続されず、ダミーとされている。
31・・・支持基板
31a・・・燃料ガス通路
32・・・燃料極層
33・・・固体電解質層
34・・・酸素極層
35・・・第1インターコネクタ
36・・・第2インターコネクタ
40・・・集電部材
z・・・ガス流路形成方向
Claims (4)
- 柱状の支持基板の一方側主面に固体電解質層、電極層および第1インターコネクタを、前記一方側主面と前記支持基板を挟んで反対側の他方側主面に固体電解質層、電極層および第2インターコネクタを有してなり、前記第1および第2インターコネクタが前記支持基板を挟んで対称に設けられており、かつ前記支持基板の長さ方向に一端から他端まで延設されてなることを特徴とする燃料電池セル。
- 前記支持基板内部にガス流路を有し、かつ前記支持基板の両主面にそれぞれ設けられた前記第1、第2インターコネクタがガス流路形成方向に延設され、前記第2インターコネクタの両側に、かつ前記ガス流路形成方向に前記固体電解質層および前記電極層が延設されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池セル。
- 請求項1または2のうちいずれかに記載の燃料電池セルを複数配列し、一方の前記燃料電池セルの電極層と、該一方の燃料電池セルと隣り合う他方の前記燃料電池セルの第1インターコネクタとを集電部材で電気的に接続してなることを特徴とするセルスタック。
- 請求項3記載のセルスタックを収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池。
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