JP3580724B2 - 固体電解質型燃料電池セル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒状の空気極の外面に、部分安定化または安定化ZrOからなる固体電解質、燃料極が順次形成され、集電体を固体電解質および切欠部から露出した空気極に接合してなる固体電解質型燃料電池セルに関するものである。
【0002】
【従来技術】
固体電解質型燃料電池セルはその作動温度が900〜1050℃と高温であるため発電効率が高く、第3世代の発電システムとして期待されている。
【0003】
一般に固体電解質型燃料電池セルには、円筒型と平板型が知られている。平板型の固体電界質型燃料電池セルは、発電の単位体積当たり出力密度が高いという特徴を有するが、実用化に関してはガスシール不完全性やセル内の温度分布の不均一性などの問題がある。それに対して、円筒型の固体電解質型燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの機械的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てるという特徴がある。両形状の固体電解質型燃料電池セルとも、それぞれの特徴を生かして積極的に研究開発が進められている。
【0004】
円筒型の固体電解質型燃料電池セルは、図2に示すように開気孔率30〜40%程度のLaMnO系材料からなる多孔性の空気極1を形成し、その表面にY含有のZrOからなる固体電解質2を被覆し、さらにこの表面に多孔性のNi−ジルコニアの燃料極3が設けられている。燃料電池のモジュールにおいては、各単セルはLaCrO系の集電体(インターコネクタ)4を介して接続される。発電は、空気極1内部に空気6(酸素)を、外部に燃料7(水素)を流し、1000〜1050℃の温度で行われる。
【0005】
上記のような円筒型の固体電解質型燃料電池セルを製造する方法としては、近年、製造工程を簡略化し、且つ製造コストを低減するために、各構成材料のうち少なくとも2つを同時焼成する、いわゆる共焼結法が提案されている。この共焼結法は、例えば、円筒型の空気極成形体に、固体電解質成形体および集電体成形体をロール状に巻き付けて同時焼成を行い、その後、固体電解質表面に燃料極を形成する方法である。
【0006】
例えば、特開平9−129245号公報には、円筒型の空気極成形体の表面に固体電解質のシート状成形体を巻き付けた後、固体電解質のシート状成形体の端部が開口した部分(切欠部)を研摩して平坦状となした後、集電体のシート状成形体を積層圧着し、焼成し、この後、金属を含有するスラリーを固体電解質表面に塗布して燃料極を形成した円筒型の固体電解質型燃料電池セルが開示されている。
【0007】
この円筒型の固体電解質型燃料電池セルにおける空気極は、Laの15〜20原子%をCa、Sr、Baなどのアルカリ土類金属により置換したLaMnO系組成物からなり、固体電解質は、ZrOに対してY、Ybなどの安定化材を3〜15モル%の割合で固溶させた部分安定化ZrOあるいは安定化ZrOからなり、集電体はCa、Mg、Srを固溶したLaCrOから構成されている。
【0008】
そして、集電体の表面は、セルの外部に供給される水素に晒されるとともに、セル内部の酸素に、多孔質の空気極を介して晒されることになる。このため、集電体は酸化・還元の両雰囲気に対して化学的に安定で、かつ、両雰囲気を遮断するために緻密であることが要求される。金属を用いた場合は酸化雰囲気に晒される部分が酸化されてしまうため、導電性を有するセラミックスが用いられる。
【0009】
また、酸化・還元の両雰囲気は、緻密体である集電体と固体電解質によって遮断されているが、集電体と固体電解質の境界部分も隙間なく密着されている必要がある。
【0010】
ところが、集電体に用いられるLaCrO系ペロブスカイト材料は、Y含有の安定化または部分安定化ZrOとの接合が困難であるため、LaCrOからなるぺロブスカイト型結晶のCrの一部をMgで置換して、集電体と固体電解質とを良好に接合することが行われている。また、Mgによる置換により、焼結性および導電性も向上する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、集電体の固体電解質への接合を良好なものにするためには、LaCrOからなるぺロブスカイト型結晶のMgによる置換量が多いほど望ましいが、一方で、Mgによる置換量が多くなる程、水素等の還元雰囲気に晒されると体積膨張が大きくなり、このため、セル作製の際や発電中に温度サイクルが印加されると、セルが破損するという問題があった。
【0012】
一方、LaCrOからなるぺロブスカイト型結晶のMgによる置換量が少なくなると、還元雰囲気に晒されても体積膨張は小さくなるものの、集電体の固体電解質側部分もMgによる置換量が少なくなるため、集電体の固体電解質への接合が不良となるという問題があった。
【0013】
即ち、LaCrO系材料はペロブスカイト型結晶を有し、300℃付近で斜方晶系から菱面体晶系への相変態が存在し、また、還元雰囲気では酸素イオンの脱離に伴い残された陽イオンの反発による体積の増大が起こることが知られている。
【0014】
この体積膨張はペロブスカイト型結晶中のMgの置換量が全金属に対して1〜9原子%の範囲では小さな値を示すが、これら置換量の範囲では、実用の量産化の観点から前述したようにLaCrOが難焼結性であり、また、集電体の固体電解質への接合状況が思わしくなく、集電体と固体電解質との間から、ガスが漏出するという問題があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記問題を解決するため、上記LaCrO系材料の焼結性を改善し、さらに還元雰囲気中におけるLaCrO系材料の体積の増大を抑制し、導電率を向上・安定化させ、さらに、固体電解質との接合性を向上する方法について検討を重ねた結果、集電体を、LaCrO系材料の焼結性を高めるため少量のMgで置換したLaCrO結晶を主結晶とし、集電体の固体電解質と接する部分付近のペロブスカイト型結晶中のMgの置換量を、その他の部分よりも多くすることにより、還元雰囲気中におけるLaCrO系材料の体積膨張を抑制するとともに、集電体の固体電解質との接合を良好にできることを見出し、本発明に至った。
【0016】
即ち、本発明は、円筒状の空気極の外面に、部分安定化または安定化ZrOからなる固体電解質、燃料極が順次形成され、且つ前記固体電解質に設けられた切欠部を被覆する集電体を、前記固体電解質および前記切欠部から露出した前記空気極に接合してなる固体電解質型燃料電池セルにおいて、前記集電体が、金属元素としてLa、CrおよびMgを含有するぺロブスカイト型結晶を主結晶とし、かつ、前記集電体の固体電解質と接する部分に、前記ぺロブスカイト型結晶のMg置換量が他の領域よりも多い高Mg置換結晶領域が存在するものである。
【0017】
ここで、高Mg置換結晶領域におけるぺロブスカイト型結晶のMg置換量が、前記ぺロブスカイト型結晶の全金属元素のうち10原子%以上であることが望ましい。また、集電体にはMgO結晶を含有することが望ましい。
【0018】
【作用】
本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、少なくとも、空気極、部分安定化または安定化ZrOからなる固体電解質、および集電体を同時焼成するタイプのセルにおいて、金属元素としてLa、CrおよびMgを含有するぺロブスカイト型結晶を主結晶とする集電体の固体電解質と接する部分に、他の領域よりもぺロブスカイト型結晶のMg置換量が多い高Mg置換結晶領域を存在せしめたので、集電体の固体電解質と接する部分では、ぺロブスカイト型結晶中のMg置換量が多いため、集電体の固体電解質への接合状態が良好となり、一方、その他の部分、例えば、固体電解質と反対側の集電体ではぺロブスカイト型結晶中のMg置換量が少ないため、集電体が還元雰囲気に晒されても体積膨張が小さくなる。
【0019】
また、本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、高Mg置換結晶領域におけるぺロブスカイト型結晶のMg置換量を、ぺロブスカイト型結晶の全金属元素のうち10原子%以上とすることにより、上記集電体の固体電解質への接合状態をさらに良好とできる。
【0020】
さらに、本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、集電体にMgO結晶を含有せしめることにより、集電体の熱膨張係数を高くすることができ、固体電解質や空気極のそれと一致させることができる。
【0021】
即ち、固体電解質型燃料電池セルの集電体として用いる場合、セル製造中や発電中における破損を防止するため、集電体以外の部材、すなわち固体電解質や空気極などと熱膨張係数を一致させる必要がある。そのためには、LaCrOより大きな熱膨張係数を有するMgO結晶をLaCrO結晶とともに存在させることにより、本来、固体電解質や空気極よりも熱膨張係数が低い集電体の熱膨張係数を高くすることができ、固体電解質や空気極の熱膨張係数と一致させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明における固体電解質型燃料電池セルは、図1に示すように、円筒状の固体電解質31の内面に空気極32、外面に燃料極33を形成してセル本体34が構成されており、このセル本体34の外面に、空気極32と電気的に接続する集電体35が形成されている。
【0023】
即ち、固体電解質31の一部に切欠部36が形成され、固体電解質31の内面に形成されている空気極32の一部が露出しており、この露出面37および切欠部36近傍の固体電解質31の両端部表面が集電体35により被覆され、集電体35が、固体電解質31の両端部表面、および固体電解質31の切欠部36から露出した空気極32の表面に接合されている。
【0024】
空気極32と電気的に接続する集電体35はセル本体34の外面に形成され、ほぼ段差のない連続同一面39を覆うように形成されており、燃料極33とは電気的に接続されていない。この集電体35は、セル同士を接続する際に、他のセルの燃料極にNiフェルトを介して電気的に接続され、これにより燃料電池モジュールが構成される。連続同一面39は、固体電解質成形体の両端部と空気極成形体の一部とが連続したほぼ同一面となるまで、固体電解質成形体の両端部間を研摩することにより形成される。
【0025】
固体電解質31は、例えば3〜20モル%のYあるいはYbを含有した部分安定化あるいは安定化ZrOが用いられ、空気極32は、例えば、LaおよびMnを含有するペロブスカイト型複合酸化物を主成分とするもので、Caを酸化物換算で8〜10重量%、希土類元素のうち少なくとも一種を酸化物換算で10〜20重量%含有しても良い。希土類元素としては、Y、Nd、Dy、Er、Yb等があり、このうちでもYが望ましい。燃料極33としては、例えば、50〜80重量%Niを含むZrO(Y含有)サーメットが用いられる。
【0026】
集電体35は、金属元素としてLa、CrおよびMgを含有するぺロブスカイト型結晶を主結晶とするものであり、希土類元素やアルカリ土類金属元素を含有するものであっても良い。集電体35には、さらにMgO結晶を含有することが、集電体35の熱膨張係数を高くして、固体電解質31や空気極32のそれと一致させることができるため望ましい。
【0027】
固体電解質31、空気極32、燃料極33としては、上記例に限定されるものではなく、公知材料を用いても良い。上記材料からなる固体電解質31の熱膨張係数は、ほぼ10.5×10−6/℃である。
【0028】
そして、本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、集電体35の固体電解質31と接する部分に、ぺロブスカイト型結晶のMg置換量が他の領域Bよりも多い高Mg置換結晶領域Aが存在することを特徴とする。
【0029】
ここで、他の領域Bとは、例えば、切欠部36近傍の集電体部分、外部に露出する集電体表面付近をいう。ぺロブスカイト型結晶のMg置換量とは、集電体のぺロブスカイト型結晶をLa1.0 Mg2xCr1.0−2xと表した時のxの値である。
【0030】
高Mg置換結晶領域Aにおけるぺロブスカイト型結晶のMg置換量は、ぺロブスカイト型結晶の全金属元素のうち10原子%以上、特には10〜13原子%(0.1≦x≦0.13)であることが望ましい。これは、10原子%以上の場合には、還元雰囲気に晒された場合の体積膨張を低く抑制しつつ、集電体35の固体電解質31への接合状態をさらに良好とできるからである。一方、13原子%よりも多くなると、還元雰囲気での体積膨張が大きくなり、集電体35と固体電解質31とが剥離を生じる可能性があるからである
また、他の領域Bでは、ぺロブスカイト型結晶のMg置換量は、ぺロブスカイト型結晶の全金属元素のうち1〜9原子%であることが、還元雰囲気に晒された場合の体積膨張を抑制できるという点から望ましい。
【0031】
さらに、高Mg置換結晶領域Aは、集電体の固体電解質側表面から50μmであることが、高Mg置換結晶領域Aと他の領域Bとによる内部応力を緩和する点から望ましい。
【0032】
本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、集電体35の固体電解質31側に、他の領域Bよりもぺロブスカイト型結晶のMg置換量が多い高Mg置換結晶領域Aが存在するため、集電体35の固体電解質31側では、ぺロブスカイト型結晶中のMg置換量が多いため、集電体35の固体電解質31との接合状態が良好となり、一方、その他の部分では、ぺロブスカイト型結晶中のMg置換量が少ないため、集電体35が還元雰囲気に晒されても体積膨張が小さくなり、集電体35と固体電解質31との間からのガスの漏出を防止でき、また、集電体の体積膨張によるセルの破損を防止できる。
【0033】
本発明の固体電解質型燃料電池セルは、例えば、円筒状の空気極成形体(または空気極仮焼体)の外表面に、ドクターブレード法により作製した固体電解質シートを、その両端が離間するように(開口部が形成されるように)貼り付け、仮焼した後、固体電解質シートの両端間が同一平面となるまで研摩し、この部分に集電体シートを貼り付け、さらに固体電解質シートの表面に燃料極シートを貼り付け、その後1400〜1600℃の温度で2〜10時間大気中で焼成して作製される。この場合、燃料極の形成はスラリーを塗布して、共焼結時に焼成しても良いし、共焼結後に焼成しても良い。スラリーを塗布しただけでも良い。この場合には、発電中に焼成されることになる。
【0034】
集電体シートの作製方法について説明する。先ず、LaCO、CrおよびMgO粉末をジルコニアボールなどを用いて回転ミルなどの周知の方法で混合した後、1000〜1500℃の温度で1〜10時間熱処理して、例えば、ぺロブスカイト型結晶のMg置換量が、全金属元素のうち10〜13原子%のLaCrO系ペロブスカイト原料粉末Aと、Mg置換量が、全金属元素のうち1〜9原子%のLaCrO系ペロブスカイト原料粉末Bの2種類の粉末A、Bを作製し、これを粉砕して0.5〜5μmとする。
【0035】
この後、上記原料粉末A、Bを用いて、ドクターブレードのような周知の方法によりシート成形し、シートA、Bを作製する。
【0036】
そして、空気極成形体の外表面に、固体電解質シートを、その両端が離間するように貼り付け、仮焼した後、固体電解質シートの両端間が同一平面となるまで研摩し、この後、固体電解質シートの両端部にシートAをそれぞれ貼り付け、このシートAを被覆するようにシートBでを貼り付け、これを焼成することにより得られる。
【0037】
尚、固体電解質の両端間の間隔、即ち、切欠部幅だけ間隔を置いて、シートAを配置し、これらのシートAの上にシートBを配置し、これをプレス成形して、集電体シートを作製し、この集電体シートのシートAが固体電解質シートの両端部に当接するように集電体シートを貼り付け、これを焼成しても良い。
【0038】
【実施例】
市販の純度99.9%以上、平均結晶粒径1〜2μmのLaCO、Cr、MgOの粉末を調合し、ジルコニアボールを用いた回転ミルにて10時間混合後、1200℃で2時間仮焼し、2種類のLaMgCrO系のペロブスカイト型結晶粉末を作製し、これらの仮焼粉末100重量部に対して、MgO粉末をそれぞれ表1に示す量だけ添加し、原料粉末A、Bを得た。
【0039】
この後、原料粉末A、Bに対して有機系粘結剤を混合し、ドクターブレード法によって厚み75μmのグリーンシートA、Bを作製した。
【0040】
空気極を形成する粉末として、市販の平均結晶粒子径8μmのLa0.8 Sr0.2 MnO粉末を用い、焼結時の収縮率を制御するためにポア形成剤であるアビセル(商品名)を添加し、押出成形により外径18mm、内径12mmの中空の円筒状空気極成形体を作製した。
【0041】
一方、固体電解質として市販の平均粒径が0.6μmの10モル%Y/90モル%ZrO組成の粉末に有機系粘結剤を混合し、ドクターブレード法によって厚み130μmのグリーンシートを作製した。
【0042】
この後、空気極材料からなる円筒状成形体表面に固体電解質シートを巻き付け、固体電解質シートの両端部にそれぞれグリーンシートAを貼り付け、これらのグリーンシートAを被覆するように、グリーンシートBをグリーンシートAおよび空気極の露出面に貼り付け、1500℃で3時間焼成した。
【0043】
そして、80重量%NiO/20重量%Y含有する部分安定化ZrOの混合粉体を、固体電解質表面に50μmの厚みに塗布し、1400℃大気中1時間の熱処理を行い、図1に示す固体電解質型燃料電池セルを作製した。
【0044】
作製した固体電解質型燃料電池セルは、空気極が外径18mm、内径12mm、固体電解質の厚みが100μm、集電体の厚みが100μm(高Mg置換結晶領域の厚みが50μm)であった。
【0045】
得られた固体電解質型燃料電池セルについて、集電体の固体電解質側面から20μm地点(高Mg置換結晶領域)と、70μm地点(他の領域)について、ペロブスカイト型結晶のMg置換量をEPMA分析より求めた。
【0046】
次に、セルの内側に1kgf/cmの気圧をかけ、水中に没し、初期状態のガスリークの有無について調べた。
【0047】
この後、セルの内側に空気を、外側に水素を流しながら室温から1000℃まで5時間で昇温し、1000℃で1時間保持した後、室温まで5時間で冷却した。この熱サイクルを20回繰り返し、その際のセルのガスリークの有無を調べた。また、1000℃で1時間保持した後に出力密度を測定した。これらの結果を表2に示す
【0048】
【表1】
Figure 0003580724
【0049】
【表2】
Figure 0003580724
【0050】
これらの表1、2から、集電体の固体電解質と接する部分に高Mg置換結晶領域が存在する本発明の試料では、出力密度が0.32W/cm以上で、初期状態のガスリークもなく、熱サイクル後のガスリークも無かった。
【0051】
一方、高Mg置換結晶領域が存在しない試料No.1では、ペロブスカイト型結晶中のMg置換量が5原子%と一定であるため、Mg置換量が少なく、作製時において固体電解質と集電体との接合が不良となり、初期状態でガスリークが生じていることが判る。また、高Mg置換結晶領域が存在しない試料No.10では、ペロブスカイト型結晶中のMg置換量が12原子%と一定であるため、作製時において固体電解質と集電体との接合が良好であるが、集電体が還元雰囲気に晒されることによる体積膨張が大きく、内部応力が発生し、熱サイクル試験後においてガスリークが発生するようになることが判る。
【0052】
【発明の効果】
本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、金属元素としてLa、CrおよびMgを含有するぺロブスカイト型結晶を主結晶とする集電体の固体電解質と接する部分に、他の領域よりもぺロブスカイト型結晶のMg置換量が多い高Mg置換結晶領域が存在するので、集電体の固体電解質側では、ぺロブスカイト型結晶中のMg置換量が多くなり、集電体の固体電解質への接合状態が良好となり、一方、その他の部分、例えば、固体電解質と反対側の集電体の部分ではぺロブスカイト型結晶中のMg置換量が少なくなり、集電体が還元雰囲気に晒されても体積膨張が小さくなり、集電体と固体電解質を一体化させ、かつ、大気−還元雰囲気間での磁器の体積変化を抑制して、各部材間の応力の発生を抑制し、破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒状の固体電解質型燃料電池セルを示す断面図である。
【図2】従来の円筒状の固体電解質型燃料電池セルを示す斜視図である。
【符号の説明】
32・・・空気極
31・・・固体電解質
33・・・燃料極
35・・・集電体
36・・・切欠部
A・・・高Mg置換結晶領域
B・・・他の領域

Claims (2)

  1. 円筒状の空気極の外面に、部分安定化または安定化ZrOからなる固体電解質、燃料極が順次形成され、且つ前記固体電解質に設けられた切欠部を被覆する集電体を、前記固体電解質および前記切欠部から露出した前記空気極に接合してなる固体電解質型燃料電池セルにおいて、前記集電体が、金属元素としてLa、CrおよびMgを含有するぺロブスカイト型結晶を主結晶とし、かつ、前記集電体の固体電解質と接する部分に、前記ぺロブスカイト型結晶のMg置換量が他の領域よりも多い高Mg置換結晶領域が存在することを特徴とする固体電解質型燃料電池セル。
  2. 高Mg置換結晶領域におけるぺロブスカイト型結晶のMg置換量が、前記ぺロブスカイト型結晶の全金属元素のうち10原子%以上であることを特徴とする請求項1記載の固体電解質型燃料電池セル。
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