JP2004152585A - 燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉄族金属及び/又は鉄族金属の酸化物と、希土類酸化物とを主成分とする支持体13aの表面に、燃料極13e、固体電解質13b、空気極13cを順次設けてなる燃料電池セル3であって、前記支持体13aの希土類元素の酸化物換算量をRe1とし、前記燃料極13eの支持体13a側に形成された支持体側燃料極層13e1の希土類元素の酸化物換算量をRe2とし、前記燃料極13eの固体電解質13b側に形成された電解質側燃料極層13e2の希土類元素の酸化物換算量をRe3とし、前記固体電解質13bの希土類元素の酸化物換算量をRe4としたとき、Re1>Re4、Re2>Re3、Re4>Re3の関係を満足することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池セル及び燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来技術】
次世代エネルギーとして、近年、燃料電池セルのスタックを収納容器内に収容した燃料電池が種々提案されている。
【0003】
図4は、従来の固体電解質型燃料電池のセルスタックを示すもので、このセルスタックは、複数の燃料電池セル1(1a、1b)を整列集合させ、一方の燃料電池セル1aと他方の燃料電池セル1bとの間に金属フェルトからなる集電部材5を介在させ、一方の燃料電池セル1aの燃料側電極7と他方の燃料電池セル1bの酸素側電極11とを電気的に接続して構成されていた。
【0004】
燃料電池セル1(1a、1b)は、円筒状の金属からなる燃料側電極7の外周面に、固体電解質9、導電性セラミックスからなる酸素側電極11を順次設けて構成されており、固体電解質9、酸素側電極11から露出した燃料側電極7には、酸素側電極11に接続しないようにインターコネクタ12が設けられ、燃料側電極7と電気的に接続している。
【0005】
このインターコネクタ12は、燃料側電極7の内部を流れる燃料ガスと、酸素側電極11の外側を流れる酸素含有ガスとを確実に遮断するため緻密で、燃料ガス及び酸素含有ガスで変質しにくい導電性セラミックスが用いられている。
【0006】
一方の燃料電池セル1aと他方の燃料電池セル1bとの電気的接続は、一方の燃料電池セル1aの燃料側電極7を、該燃料側電極7に設けられたインターコネクタ12、集電部材5を介して、他方の燃料電池セル1bの酸素側電極11に接続することにより行われていた。
【0007】
燃料電池は、上記セルスタックを収納容器内に収容して構成され、燃料側電極7内部に燃料(水素)を流し、酸素側電極11に空気(酸素)を流して600〜1000℃で発電される。
【0008】
このような燃料電池セルでは、一般に、燃料側電極7が、Niと、Y2O3を含有するZrO2(YSZ)とからなり、固体電解質9がY2O3を含有するZrO2(YSZ)からなり、酸素側電極11がランタンクロマイト系複合酸化物から構成されている。
【0009】
また、上記のような燃料電池セルを製造する方法としては、近年ではセルの製造工程を簡略化し且つ製造コストを低減するために、燃料側電極7と固体電解質9を同時焼成する、いわゆる共焼結法が提案されている。この共焼結法は非常に簡単なプロセスで製造工程数も少なく、セルの製造時の歩留まり向上、コスト低減に有利である。
【0010】
しかしながら、従来の燃料電池セルでは、支持体である燃料側電極7が、Niと、YSZとから構成されており、Niの熱膨張係数が16.3×10−6/℃、YSZの熱膨張係数が10.8×10−6/℃であるため、YSZからなる固体電解質9に、燃料側電極7の熱膨張率を近づけることが困難であり、セル製造工程を簡略化するため、燃料側電極7と固体電解質9を同時焼成すると、固体電解質9にクラックが発生したり、固体電解質9が支持体である燃料側電極7から剥離するという問題があった。
【0011】
そこで、近年においては、固体電解質9と燃料側電極7の熱膨張係数を近づけるため、燃料側電極7をNiと、ZrO2よりも熱膨張係数の低いムライト(3Al2O3・2SiO2)やスピネル(MgAl2O4、CaAl2O4)とから形成することが行われている(特許文献1参照。)。
【0012】
【特許文献1】
特開平7−29574号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このような燃料側電極をNiとムライトやスピネルとから形成した燃料電池セルでは、燃料側電極と固体電解質を同時焼成したとしても、燃料側電極の熱膨張係数を固体電解質の熱膨張係数に近づけることができるため、固体電解質のクラックや、固体電解質の燃料側電極からの剥離を抑制できるものの、同時焼成時に、燃料側電極のMg、Al、Si等の成分が固体電解質に拡散し、固体電解質のイオン伝導度が低下し、燃料電池セルの発電性能が低下するという問題があった。
【0014】
本発明は、支持体の熱膨張係数を固体電解質に近づけることができるとともに、支持体からの元素拡散による固体電解質の性能低下を抑制できる燃料電池セル及び燃料電池を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池セルは鉄族金属及び/又は鉄族金属の酸化物と、希土類酸化物とを主成分とする支持体の表面に、燃料極、固体電解質、空気極を順次設けてなる燃料電池セルであって、前記支持体の希土類元素の酸化物換算量をRe1とし、前記燃料極の支持体側に形成された支持体側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量をRe2とし、前記燃料極の固体電解質側に形成された電解質側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量をRe3とし、前記固体電解質の希土類元素の酸化物換算量をRe4としたとき、Re1>Re4、Re2>Re3、Re4>Re3の関係を満足することを特徴とする。
【0016】
このような燃料電池セルでは、希土類元素酸化物は、焼成時や発電中に鉄族金属及び/又は鉄族金属の酸化物との固溶、反応が殆どなく、また、支持体に混合する希土類元素酸化物、例えばY2O3の熱膨張係数は、YSZの熱膨張係数(約10.8×10−6/℃)よりも遥かに小さいため、Y2O3などの含有比率を制御することにより、支持体の熱膨張係数を固体電解質の熱膨張係数に近づけることができる。この場合、鉄族金属及び/又は鉄族金属の酸化物と希土類酸化物の熱膨張係数の関係から、支持体に含まれる希土類元素の酸化物換算量は必然的に固体電解質よりも多くなり、Re1>Re4の関係を満足することになる。
【0017】
また、支持体は、拡散しにくい鉄族金属及び/又は鉄族金属の酸化物と特定の希土類元素酸化物を主成分とするため、支持体と固体電解質とを同時焼成したとしても希土類元素が固体電解質に拡散しにくく、固体電解質のイオン伝導度や酸素側電極の導電率等に悪影響を及ぼすことが少なく、さらに希土類元素が仮に同時焼成時に拡散したとしても、固体電解質はそもそもY2O3、Yb2O3等の希土類元素が固溶したZrO2から構成されているため、固体電解質への影響を最小限に抑制できる。また、Y2O3、Yb2O3などの希土類酸化物は、固体電解質の安定化材として用いられており、燃料電池セル中の元素種の増加を防止できる。
【0018】
しかしながら、希土類元素の固体電解質への拡散による影響は最小限に抑制できるとはいうものの、拡散により固体電解質を設計通りの特性とすることが困難であるため、本発明では、支持体の希土類元素含有量Re1と固体電解質の希土類元素含有量Re4の関係がRe1>Re4を満足する燃料電池セルにおいて、支持体と固体電解質の間に存在する燃料極に、支持体から固体電解質への希土類元素の拡散を抑制する機能を付与した。
【0019】
即ち、本発明では、支持体側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量Re2と電解質側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量Re3とがRe2>Re3の関係を満足せしめることにより、特に支持体側燃料極層で希土類元素の拡散抑制を果たし、発電性能に直接影響を及ぼす電解質側燃料極層、並びに固体電解質への希土類元素の拡散による悪影響を最小限に抑制できる。
【0020】
一方、燃料極の触媒活性を高めるために燃料極にも希土類元素は必要であるが、燃料極の希土類元素量が固体電解質よりも多い場合には、上記のような希土類元素の拡散抑制の役割は果たせず、固体電解質に希土類元素が拡散するおそれがある。
【0021】
したがって、電解質側燃料極層からの固体電解質への希土類元素の拡散を抑制するためには、電解質側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量をRe3とし、固体電解質の希土類元素の酸化物換算量をRe4としたとき、Re4>Re3であることが必要となる。
【0022】
このように本発明においてRe4>Re3とすることで、固体電解質に希土類元素が拡散することを抑制でき、これにより固体電解質の特性を設計値通りに制御することが可能となり、燃料電池セルの性能を維持することができる。
【0023】
したがって、Re1>Re4、Re2>Re3、Re4>Re3を満足することにより、支持体の熱膨張係数を固体電解質の熱膨張係数に近づけることができ、固体電解質膜のはがれを防止できるため、信頼性が向上するとともに、希土類元素が固体電解質に拡散することを抑制できるため、発電能力の劣化を抑制できる。
【0024】
本発明の燃料電池セルは、電解質側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量Re3は、2.18〜4.63モル%であることを特徴とする。
【0025】
電解質側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量は触媒活性に影響を与える。例えば、電解質側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量が十分でない場合、十分な触媒活性が得られず、分極が大きくなり、その結果、燃料電池セルの出力密度が低下する。また、電解質側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量が多すぎる場合にも希土類元素の凝集等が発生し、活性点が減少し、分極が増加し、燃料電池セルの出力密度が低下する。
【0026】
本発明の燃料電池セルでは電解質側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量を2.18〜4.63モル%の範囲に制御することで、燃料電池セルの分極を抑制し、発電効率に優れた燃料電池セルを提供できる。
【0027】
また、本発明の燃料電池セルは、支持体の希土類酸化物がY2O3及び/又はYb2O3であることを特徴とする。希土類酸化物のうちY2O3及びYb2O3はNiよりも熱膨張係数が小さいため、燃料極支持体に添加することで燃料極支持体の熱膨張係数を固体電解質の熱膨張係数に近づけることが可能であるとともに、一般的に広く使用されている原料であるため比較的安価であり、また、供給も安定しているためコストを下げることができる。
【0028】
また、本発明の燃料電池は、上記した燃料電池セルを収納容器内に複数収容してなることを特徴とする。このような燃料電池では、燃料電池セルの破損を防止できるとともに、固体電解質性能低下を抑制でき、また、優れた発電性能を達成できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の燃料電池セルの横断面を示すもので、燃料電池セル13は断面が扁平状で、全体的に見て楕円柱状であり、その内部には複数の燃料ガス通路15が形成されている。
【0030】
この燃料電池セル13は、断面が扁平状で、全体的に見て楕円柱状の多孔質な支持体13aの外面に、多孔質な燃料極13e、緻密質な固体電解質13b、多孔質な導電性セラミックスからなる酸素側電極13cを順次積層し、酸素側電極13cと反対側の支持体13aの外面にインターコネクタ13dを形成して構成されている。
【0031】
即ち、燃料電池セル13は、断面形状が、幅方向両端に設けられた弧状部mと、これらの弧状部mを連結する一対の平坦部nとから構成されており、一対の平坦部nは平坦であり、ほぼ平行に形成されている。これらの一対の平坦部nは、支持体13aの平坦部nにインターコネクタ13d、又は固体電解質13b、酸素側電極13cを形成して構成されている。
【0032】
支持体13aは、少なくとも一種の鉄属金属及び/又は鉄属金属酸化物、もしくはこれらの合金又は合金酸化物を主成分とするものであり、これら以外に、固体電解質13bの熱膨張係数に近似させるため、希土類酸化物を含有するものである。
【0033】
コスト低減、還元雰囲気中で安定という点から、鉄族金属及び/又は鉄族金属酸化物として、Ni及び/又はNiOが望ましい。
【0034】
支持体13a中の希土類酸化物の含有量Re1は、支持体13aの熱膨張係数を固体電解質13bの熱膨張係数に近づけるとともに、支持体13aの導電率を高く維持するため、支持体13a全量中35〜65体積%であることが望ましい。一方、Ni及び/又はNiOは、支持体13a全量中35〜65体積%であることが望ましい。
【0035】
支持体13a中の希土類酸化物は、特に、電解質として用いるYSZとの熱膨張係数を整合させるという理由から、支持体13a全量中40〜65体積%であることが望ましい。
【0036】
希土類酸化物は、YSZの熱膨張係数(約10.8×10−6/℃)よりも熱膨張係数が小さいという理由から、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Prから選ばれた元素を含む希土類酸化物が望ましい。これらの希土類酸化物のうち、安価であり、供給が安定しているという点からY2O3、Yb2O3を用いることが望ましい。
【0037】
支持体13aの長径寸法(弧状部m間の距離)は15〜35mm、短径寸法(平坦部n間の距離)が2〜4mmであることが望ましい。
【0038】
この支持体13aの外面に設けられた固体電解質13bは、3〜15モル%の希土類元素を含有した部分安定化あるいは安定化ZrO2からなる緻密質なセラミックスが用いられている。固体電解質13bの厚みは、ガス透過を防止するという点から10〜100μmであることが望ましい。
【0039】
支持体13aと固体電解質13bの間には、Ni及び/又はNiOと、希土類元素が固溶したZrO2とを含有する燃料極13eが形成されている。この燃料極13eの厚みは1〜30μmであることが望ましい。
【0040】
また、酸素側電極13cは、LaMnO3系材料、LaFeO3系材料、LaCoO3系材料の少なくとも一種の多孔質の導電性セラミックスから構成されている。酸素側電極13cは、600〜1000℃程度の比較的低温での電気伝導性が高いという点からLaFeO3系材料が望ましい。酸素側電極13cの厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが望ましい。
【0041】
支持体13a外面の一部には、その軸長方向に固体電解質13b及び酸素側電極13cが形成されていない部分を有しており、この固体電解質13b及び酸素側電極13cから露出した支持体13aの外面には、導電性セラミックスからなるインターコネクタ13dが形成されている。このインターコネクタ13dの厚みは、緻密性と電気抵抗という点から30〜200μmであることが望ましい。
【0042】
インターコネクタ13dは、LaCrO3系材料の導電性セラミックスから構成されている。インターコネクタ13dは、支持体13aの内外の燃料ガス、酸素含有ガスの漏出を防止するため緻密質とされており、また、インターコネクタ13dの内外面は、燃料ガス、酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有している。このインターコネクタ13dの端面と固体電解質13bの端面との間には、シール性を向上すべく接合層を介在させていることが望ましい。
【0043】
さらに、インターコネクタ13dの外面には、P型半導体17が設けられている。このP型半導体17としては、使用環境下で作動させるために、一般の不純物半導体ではなく、インターコネクタ13dを構成するLaCrO3系材料よりも電子伝導性が大きいセラミック製のP型半導体である酸素側電極13cと同一成分、即ち、LaMnO3系材料、LaFeO3系材料、LaCoO3系材料の少なくとも一種からなることが望ましい。
【0044】
このP型半導体17により、他方の燃料電池セル13の酸素側電極13cからの電流を、P型半導体14、インターコネクタ13dを介して一方の燃料電池セル13の支持体13aに効率良く伝達できる。
【0045】
そして、本発明では、燃料極13eは図2に示すように支持体13aと固体電解質13bの間に配置されており、燃料極13eの支持体13a側に形成された支持体側燃料極層13e1と、燃料極13eの固体電解質13b側に形成された電解質側燃料極層13e2とから構成されており、支持体13aの希土類元素の酸化物換算量をRe1とし、燃料極13eの支持体13a側に形成された支持体側燃料極層13e1の希土類元素の酸化物換算量をRe2とし、燃料極13eの固体電解質13b側に形成された電解質側燃料極層13e2の希土類元素の酸化物換算量をRe3とし、固体電解質13bの希土類元素の酸化物換算量をRe4としたとき、Re1>Re4、Re2>Re3、Re4>Re3の関係を満足していることが重要である。
【0046】
Re1>Re4としたのは、支持体13aと固体電解質13bの熱膨張係数を近づけ、剥離やクラックの発生を防止するためである。Re1≦Re4の場合には支持体13aの熱膨張係数を固体電解質13bの熱膨張係数と同程度にすることができず、剥離やクラックが発生し、燃料電池セルの信頼性、特性が維持できない。
【0047】
また、Re2>Re3としたのは支持体側燃料極層13e1に支持体13aからの希土類元素の拡散防止機能を付与するためである。Re2≦Re3の場合には、希土類元素が固体電解質13bに拡散してしまい、発電性能が低くなる。
【0048】
さらに、Re4>Re3としたのは、電解質側燃料極層13e2から固体電解質13bへの希土類元素の拡散を抑制するためであり、Re4≦Re3の場合には、電解質側燃料極層13e2の希土類元素の酸化物換算量が、固体電解質13bよりも多くなるため、電解質側燃料極層13e2から希土類元素が拡散し固体電解質13bの特性を設計値通りに制御できなくなる。
【0049】
また、電解質側燃料極層13e2の希土類元素の酸化物換算量Re3を2.18〜4.63モル%の範囲に制御することで、発電効率に優れた燃料電池セルを提供できる。
【0050】
また、Niよりも熱膨張係数が小さいY2O3及び/又はYb2O3を燃料極支持体に添加することで、燃料極支持体の熱膨張係数を固体電解質の熱膨張係数に近づけることが可能となる。また、Y2O3やYb2O3は、一般的に広く使用されている原料であるため、比較的安価であり、また、供給も安定しているためコストを下げることができる。
【0051】
以上のような燃料電池セルの製法について説明する。先ず、例えば、NiO粉末と、Y2O3粉末(40〜65体積%)と、有機バインダーと、溶媒とを混合した支持体材料を押出成形して、支持体13aとなる扁平状の成形体を作製し、これを乾燥する。
【0052】
次に、金属Niと5YSZ(YとZrの有機金属塩0〜30%分を含む)との比が体積比で40:60〜60:40となるように調整したスラリーを、支持体成形体の所定位置にスクリーン印刷し、100〜150℃の温度域で2時間以上乾燥させスラリーに含まれている溶媒を乾燥させ、支持体側燃料極層13e1となる成形体層を形成する。
【0053】
この後、支持体側燃料極層13e1となる成形体層上に、金属Niと8YSZ(YとZrの有機金属塩0〜30%分を含む)との比が体積比で40:60〜60:40となるように調整したスラリーをスクリーン印刷にて塗布し、電解質側燃料極層13e2となる成形体層を形成し、これを乾燥し、900〜1100℃の温度範囲で仮焼する。
【0054】
また、燃料極13eをさらに3層以上の構成にすることでも同様の効果を得ることは可能である。
【0055】
次に、例えば、YSZ粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合した固体電解質材料を用いてシート状成形体を作製し、電解質側燃料極層13e2となる成形体層上に、その両端間が支持体成形体の平坦部nで所定間隔をおいて離間するように、巻き付け、100〜150℃の温度域で乾燥し、この積層体を900〜1100℃の温度範囲で仮焼する。
【0056】
なお、ここでは支持体成形体上に燃料極成形体層を印刷して形成したが、固体電解質シート状成形体上に燃料極成形体層を印刷して形成し、この積層体を支持体成形体に巻きつけてもよい。この場合は曲面を有する支持体成形体に燃料極成形体を形成するよりも成形が容易であり、歩留まりが向上するため望ましい。また、あるいはそれぞれをシート状成形体とし、積層してもよい。この場合には、工程に要する時間が短縮でき、コスト低減が達成できるため望ましい。
【0057】
この後、例えば、LaCrO3系材料と、有機バインダーと、溶媒とを混合した、インターコネクタ材料を用いてシート状成形体を作製し、このシート状成形体を、露出した支持体成形体の外面に積層し、支持体成形体に燃料極成形体、固体電解質成形体、インターコネクタのシート状成形体が積層された積層成形体を作製する。
【0058】
次に、積層成形体を脱バインダ処理し、酸素含有雰囲気中で1300〜1600℃で焼成し、この積層体を、例えば、LaFeO3系材料と、溶媒を含有するペースト中に浸漬し、固体電解質13bの表面に酸素側電極成形体をディッピングにより形成し、また、LaFeO3系材料を含有する上記ペーストを、インターコネクタの外面に塗布し、1000〜1300℃で焼き付けることにより、本発明の燃料電池セルを作製できる。
【0059】
なお、燃料電池セルは、酸素含有雰囲気での焼成により、支持体13aが、例えばNiOとなっているため、その後、還元処理したり、発電中に還元雰囲気に曝されるため、この時に還元されることになる。
【0060】
セルスタックは、図3に示すように、燃料電池セル13が複数集合してなり、一方の燃料電池セル13と他方の燃料電池セル13との間に、金属フェルト及び/又は金属板からなる集電部材19を介在させ、一方の燃料電池セル13の支持体13a上に形成された燃料極13eを、インターコネクタ13d、P型半導体17、集電部材19を介して他方の燃料電池セル13の酸素側電極13cに電気的に接続して構成されている。
【0061】
集電部材19は、耐熱性、耐酸化性、電気伝導性という点から、Pt、Ag、Ni基合金、Fe−Cr鋼合金の少なくとも一種からなることが望ましい。なお、図3ではP型半導体17は省略した。また、符号21は、燃料電池セルを直列に接続するための導電部材である。
【0062】
本発明の燃料電池は、図3のセルスタックを、収納容器内に収容して構成されている。この収納容器には、外部から水素等の燃料ガス及び空気等の酸素含有ガスを燃料電池セルに導入する導入管が設けられており、燃料電池セルが所定温度に加熱されることにより発電し、使用された燃料ガス、酸素含有ガスは、収納容器外に排出される。このような燃料電池では、燃料電池セルの破損を防止できるとともに、固体電解質性能低下を抑制でき、また、優れた発電性能を達成できる。
【0063】
なお、本発明は上記形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、円筒状の支持体を用いて円筒型燃料電池セルを作製してもよく、支持体を用いる燃料電池セルであれば形状は問わない。
【0064】
なお、本発明においては支持体と記載しているが、本発明における支持体は鉄族金属粉末を含む組成物からなるため、燃料極そのものとしての機能も有するものである。従って、本発明の支持体は燃料極と置き換えてもよく、絶縁体等からなる純然たる支持体としてのみ規定されるものではない。
【0065】
【実施例】
実施例1
先ず、平均粒径0.5μmのNiO粉末、Ni粉末と、平均粒径0.8〜1.0μmのY2O3粉末、焼成後における体積比率が50:50になるように混合し、これにポアー剤、PVAからなる有機バインダーと、水からなる溶媒とを混合して形成した支持体材料を押出成形して、扁平状の支持体成形体を作製し、これを乾燥した。このときの、支持体成形体のY2O3量は23mol%である。
【0066】
次に、0〜10モル%Y2O3を含有するYSZ粉末と、YとZrの有機金属塩、上記したNi粉末と、アクリル樹脂からなる有機バインダーと、トルエンからなる溶媒とを混合した燃料極材料スラリーを支持体13aとなる支持体成形体表面に厚さが10μmになるよう印刷し、支持体側燃料極層13e1となる成形体層を形成した。支持体側の燃料極層13e1となる成形体層中の希土類元素の酸化物換算量は表1に示すように0〜15.00mol%とした。
【0067】
なお、支持体側燃料極層13e1となる成形体層中の希土類元素の酸化物換算量が2.60mol%を超える試料No.28では10YSZ粉末とYとZrの有機金属塩に加えて、さらにY2O3粉末を加えて希土類元素の酸化物換算量を調整した。
【0068】
次に、0〜14モル%Y2O3を含有するYSZ粉末と、YとZrの有機金属塩、上記したNi粉末と、アクリル樹脂からなる有機バインダーと、トルエンからなる溶媒とを混合した燃料極材料スラリーを支持体側の燃料極層13e1となる成形体層表面に厚さが10μmになるよう印刷し、電解質側燃料極層13e2となる成形体層を形成した。電解質側燃料極層13e2となる成形体層中の希土類元素の酸化物換算量は表1に示すように0〜20.00mol%とした。
【0069】
また、電解質側燃料極層13e2となる成形体層中の希土類元素の酸化物換算量が3.64mol%を超える試料No.27、28では10YSZ粉末とYとZrの有機金属塩に加えて、さらにY2O3粉末を加えて希土類元素の酸化物換算量を調整した。
【0070】
なお、これらの燃料極の成形体層は焼成後のNiと無機成分の比率が体積比率で50%:50%になるよう配合したものである。また、YとZrの有機金属塩由来の無機成分は全無機成分の20%とした。
【0071】
作製した成形体を130℃で2時間乾燥後、1000℃で仮焼した。
【0072】
この後、8YSZ粉末と、アクリル樹脂からなる有機バインダーと、トルエンからなる溶媒とを混合した固体電解質材料を用いて、固体電解質13bとなるシート状成形体を作製し、これを、固体電解質側燃料極層の仮焼体上に、その両端間が平坦部で所定間隔をおいて離間するように、巻き付け、乾燥した。
【0073】
この後、平均粒径2μmのLaCrO3系材料と、アクリル樹脂からなる有機バインダーと、トルエンからなる溶媒とを混合したインターコネクタ材料を用いてシート状成形体を作製し、このシート状成形体を、露出した電解質側燃料極層の仮焼体の平坦部外面に積層し、支持体成形体に燃料極層13eの成形体、固体電解質、インターコネクタのシート状成形体が積層された積層成形体を作製した。
【0074】
次に、この積層成形体を脱バインダ処理し、大気中にて1500℃で同時焼成した。
【0075】
この積層体を、平均粒径2μmのLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3粉末と、ノルマルパラフィンからなる溶媒を含有するペースト中に浸漬し、固体電解質13bの表面に酸素側電極13cとなる成形体をディッピングにより作製し、また、上記ペーストをインターコネクタ13dの外面に塗布し、1150℃で焼き付け、酸素側電極を形成するとともに、インターコネクタ13dの外面にP型半導体を形成し、図1に示すような本発明の燃料電池セル13を作製した。
【0076】
なお、支持体13aの長径は26mm、短径は3.5mm、固体電解質13bの厚みは40μm、酸素側電極13cの厚みは50μm、燃料極13eの厚みは10μm、インターコネクタ13dの厚みは50μm、P型半導体17の厚みは50μmであった。
【0077】
得られた燃料電池セルの燃料極の厚さ方向の断面をEPMAにより分析し、Y元素の分布を確認した。このとき、燃料極、固体電解質のY量、支持体側燃料極層13e1のY量ならびに、電解質側燃料極層13e2のY量を測定した。なお、支持体側燃料極層13e1のY量は、支持体13aと支持体側燃料極層13e1との界面から2μmの位置で測定し、固体電解質側燃料極層13e2のY量は、固体電解質13bと電解質側燃料極層13e2との界面から2μmの位置で測定した。また、支持体13a、固体電解質13bのY量はそれぞれの界面から2μmの位置で測定した。
【0078】
さらに、燃料電池セル13の支持体13aのガス通過孔15内に水素を、酸素側電極13c側に空気を流し、850℃において100時間発電させ、その時の出力密度を測定した。また、コールコールプロットによって分極抵抗を測定した。これらの結果を表2に記載した。
【0079】
【表1】
【0080】
表1に試料No.1〜28の燃料電池セル成形体の各部位でのY元素の酸化物換算量を示す。試料No.1〜28では支持体13aとなる成形体のY元素の酸化物換算量を23mol%に固定し、また、固体電解質13bとなる成形体のY元素の酸化物換算量を8mol%に固定した。また、試料No.1〜11では電解質側燃料極層13e2となる成形体のY元素の酸化物換算量を2.08mol%に固定し、支持体側燃料極層13e1となる成形体のY元素の酸化物換算量を0〜2.60mol%の範囲で変化させた。また、試料No.12〜27では支持体側燃料極層13e1となる成形体のY元素の酸化物換算量を1.30mol%に固定し、電解質側燃料極層13e2となる成形体のY元素の酸化物換算量を0.00〜20.00mol%の範囲で変化させた。また、試料No.28では電解質側燃料極層13e2となる成形体のY元素の酸化物換算量、支持体側燃料極層13e1となる成形体のY元素の酸化物換算量を15mol%とした。
【0081】
【表2】
【0082】
表2に試料No.1〜28の燃料電池セル焼結体の各部位でのY元素の酸化物換算量、厚さ、出力密度、分極の値を示す。
【0083】
表2の結果から、本発明の範囲である試料No.1〜26では焼成の前後の支持体13a、固体電解質13bのY元素の酸化物換算量は変化していない。表2では試料No.1〜26の固体電解質13bの値がばらついているが、測定誤差を含むもので、実質的に焼成の前後でY元素の酸化物換算量は変化していない。
【0084】
一方、燃料電池セル13の燃料極13eのY元素の酸化物換算量は成形体よりも増加していることから、焼成工程で、他の部位からY元素が拡散していることがわかる。燃料極13eの中でも、支持体側燃料極層13e1の方がY元素の増加量が多いことから、燃料極13eへのY元素の拡散はY元素を多く含む支持体13aから起こっていることがわかる。
【0085】
また、固体電解質13bのY元素の酸化物換算量が変化していないことから、燃料極13eが支持体13aからのY元素の拡散防止層としても機能していることがわかる。
【0086】
従来のNiとYSZを主成分とした支持体7を用いた場合では、燃料電池セル1にクラックや剥離が発生していたが、本発明の範囲内である試料No.1〜26では、支持体13aと燃料極13e、固体電解質13bの間に、各構成部材の熱膨張差に基づくクラックや剥離は全く見られず、十分な発電性能を有していた。
【0087】
一方、本発明の範囲外の支持体側燃料極層13e1のY元素の酸化物換算量が電解質側燃料極層13e2のY元素の酸化物換算量よりも少ない試料No.27では固体電解質13bにY元素が拡散しており、出力密度が極端に低くなった。
【0088】
また、本発明の範囲外の、電解質側燃料極層13e2のY元素の酸化物換算量が固体電解質13bよりも多い試料No.28では、燃料極13eが支持体13aからの希土類元素拡散防止層として十分に機能せず、固体電解質13bのY元素の酸化物換算量が成形体よりも増加しており、出力密度が極端に低くなっていることがわかる。
【0089】
以上の結果より、支持体13aの希土類元素の酸化物換算量をRe1とし、支持体側燃料極層13e1の希土類元素の酸化物換算量をRe2とし、電解質側燃料極層13e2の希土類元素の酸化物換算量をRe3とし、固体電解質13bの希土類元素の酸化物換算量をRe4としたとき、Re1>Re4、Re2>Re3、Re4>Re3の関係を満足させることで、支持体13aと燃料極13e、固体電解質13bの間にクラックや剥離が全くなく、また、十分な発電性能を有する燃料電池セル13を作製することができることがわかる。
【0090】
また、この結果より成形時に様々な組み合わせを用いても、焼成後に本発明の構成となればよいということもわかる。
【0091】
また、表2の結果より、焼成後の電解質側燃料極層13e2のY元素の酸化物換算量が2.18〜4.63mol%の範囲である試料No.2〜11、16〜26では出力密度が0.48W/cm2以上となることから、焼成後の電解質側燃料極層13e2のY元素の酸化物換算量は2.18〜4.63mol%の範囲であることが望ましい。
【0092】
また、焼成後の電解質側燃料極層13e2のY元素の酸化物換算量が2.59〜4.40mol%の範囲である試料No.4〜10、18〜26では出力密度が0.67W/cm2以上となることから、焼成後の電解質側燃料極層13e2のY元素の酸化物換算量は2.59〜4.63mol%の範囲であることがさらに望ましい。
【0093】
また、焼成後の電解質側燃料極層13e2のY元素の酸化物換算量が2.82〜4.00mol%の範囲である試料No.5〜8、19〜25では出力密度が0.73W/cm2以上となり、非常に優れた発電性能を示すことから、焼成後の電解質側燃料極層13e2のY元素の酸化物換算量は2.82〜4.00mol%の範囲であることがさらに望ましい。
実施例2
Y2O3に代えてYb2O3を用いた以外は上記実施例1と同様にして燃料電池セルを作製し、評価した。この結果を表3、4に記載する。
【0094】
【表3】
【0095】
表3に試料No.29〜41の成形体中の各部位でのYb元素の酸化物換算量を示す。試料No.29〜41では支持体13aのYb元素の酸化物換算量を23mol%に固定し、また、固体電解質13bのYb元素の酸化物換算量を8mol%に固定した。また、電解質側燃料極層13e2となる成形体のYb元素の酸化物換算量を2.08〜20.00mol%の範囲で変化させ、支持体側燃料極層13e1となる成形体のYb元素の酸化物換算量を0〜15.00mol%の範囲で変化させた。
【0096】
【表4】
【0097】
表4に試料No.29〜41の燃料電池セル焼結体13の各部位でのYb元素の酸化物換算量、厚さ、出力密度、分極の値を示す。
【0098】
表4の結果から、希土類元素としてYbを用いた場合でも実施例1の場合と同様に本発明の範囲である試料No.29〜39では燃料極13eが支持体13aからの希土類元素の拡散防止層として機能し、焼成後の支持体13a、固体電解質13bの希土類元素の酸化物換算量は変化していない。
【0099】
また、いずれの燃料電池セル13でも支持体13aと燃料極13e、固体電解質13bの間に各構成部材の熱膨張差に基づくクラックや剥離が全くなく、また、十分な発電性能を有する燃料電池セルを作製することができることがわかる。
【0100】
一方、本発明の範囲外の、支持体側燃料極層13e1のYb元素の酸化物換算量が電解質側燃料極層13e2のYb元素の酸化物換算量よりも少ない試料No.40では固体電解質13bにYb元素が拡散しており、出力密度が極端に低くなった。
【0101】
また、本発明の範囲外の、燃料極のYb元素の酸化物換算量が固体電解質よりも多い試料No.41では、燃料極13eが支持体13aからの希土類元素拡散防止層として十分に機能せず、固体電解質13bのYb元素の酸化物換算量が成形体よりも増加しており、燃料電池セル13としての性能が極端に低くなっていることがわかる。
【0102】
なお、ここでは燃料極13eの厚さを一定とし、Y元素、Yb元素の酸化物換算量を変化させた2層構造の燃料極13eを用いて電解質側燃料極層13e2のY元素、Yb元素の酸化物換算量を制御したが、燃料極のY元素、Yb元素の酸化物換算量を一定とし、燃料極13eの厚さを変化させることでも同様の結果は得られる。
【0103】
【発明の効果】
本発明の燃料電池セルでは、鉄族金属及び/又は鉄族金属の酸化物と、希土類酸化物とを主成分とする支持体の表面に、燃料極、固体電解質、空気極を順次設けてなる燃料電池セルにおいて各部材の希土類元素の酸化物換算量を適宜調整することで、支持体の熱膨張率を固体電解質に近づけることができるとともに、支持体からの元素拡散による燃料極および固体電解質の特性劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池セルを示す横断面図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】複数の燃料電池セルにより形成されたセルスタックを示す横断面図である。
【図4】従来のセルスタックを示す横断面図である。
【符号の説明】
13・・・燃料電池セル
13a・・・支持体
13b・・・固体電解質
13c・・・酸素側電極
13d・・・インターコネクタ
13e・・・燃料極
Claims (4)
- 鉄族金属及び/又は鉄族金属の酸化物と、希土類酸化物とを主成分とする支持体の表面に、燃料極、固体電解質、空気極を順次設けてなる燃料電池セルであって、前記支持体の希土類元素の酸化物換算量をRe1とし、前記燃料極の支持体側に形成された支持体側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量をRe2とし、前記燃料極の固体電解質側に形成された電解質側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量をRe3とし、前記固体電解質の希土類元素の酸化物換算量をRe4としたとき、Re1>Re4、Re2>Re3、Re4>Re3の関係を満足することを特徴とする燃料電池セル。
- 電解質側燃料極層の希土類元素の酸化物換算量Re3は、2.18〜4.63モル%であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池セル。
- 支持体の希土類酸化物がY2O3及び/又はYb2O3であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池セル。
- 請求項1乃至3のうちいずれかに記載の燃料電池セルを収納容器内に複数収納してなることを特徴とする燃料電池。
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