JP2005216619A - 燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】緻密な固体電解質33の両側に多孔質の電極32,34を有し、酸素含有ガスと水素含有ガスに接する緻密なインターコネクタ35を具備してなる燃料電池セルであって、前記インターコネクタ35は、水素吸着元素酸化物を含有しない水素非吸着層35bを有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
燃料極: O2− (固体電解質)+ H2 → H2O+2e− …(2)
かかる発電によって生成した電流は、支持基板31に取り付けられているインターコネクタ35を介して集電される。
上記のような構造を有する燃料電池セル30において、支持基板31は、燃料ガスを燃料極まで透過させるためにガス透過性であること、及びインターコネクタ35を介しての集電を行うために導電性であること、同時焼成時の熱膨張差による固体電解質などのクラックや剥離がないことが要求されるが、このような要求を満たす目的で、鉄属金属成分とY2O3等の希土類元素酸化物とから支持基板31を構成する。
本発明において、燃料側電極32は、前述した式(2)の電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrO2と、Ni及び/またはNiOとから形成される。この希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニア)としては、以下に述べる固体電解質層33の形成に使用されているものと同様のものを用いるのがよい。
この燃料側電極32上に設けられている固体電解質層33は、一般に3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrO2(通常、安定化ジルコニア)と呼ばれる緻密質なセラミックスから形成されている。希土類元素としては、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを例示することができるが、高イオン伝導性を有するという点からY、Yb、Scが望ましい。
酸素極34は、所謂ABO3型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成される。かかるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaを有するLaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物の少なくとも1種が好適であり、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaFeO3系酸化物が特に好適である。尚、上記ペロブスカイト型酸化物においては、AサイトにLaと共にSrなどが存在していてもよいし、さらにBサイトには、FeとともにCoやMnが存在していてもよい。
上記の酸素極34に対面する位置において、支持基板31上に設けられているインターコネクタ35は、導電性セラミックスからなるが、燃料ガス(水素)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、かかる導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3)が使用される。また、支持基板31の内部を通る燃料ガス及び支持基板31の外部を通る酸素含有ガスのリークを防止するため、かかる導電性セラミックスは緻密質でなければならず、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好適である。
以上のような構造を有する燃料電池セルは、以下のようにして製造される。
セルスタックは、図2に示すように、上述した燃料電池セル30が複数集合して、上下に隣接する一方の燃料電池セル30と他方の燃料電池セル30との間に、金属フェルト及び/又は金属板からなる集電部材40を介在させ、両者を互いに直列に接続することにより構成されている。即ち、一方の燃料電池セル30の支持基板31は、熱膨張調整層35a、水素非吸着層35b、P型半導体層39、集電部材40を介して、他方の燃料電池セル30の酸素極34に電気的に接続されている。また、このようなセルスタックは、図2に示すように、サイドバイサイドに配置されており、隣接するセルスタック同士は、導電部材42によって直列に接続されている。
31a・・・燃料ガス通路
32・・・燃料側電極
33・・・固体電解質層
34・・・酸素極
35・・・インターコネクタ
35a・・・熱膨張調整層
35b・・・水素非吸着層
Claims (11)
- 緻密な固体電解質の両側に多孔質の電極を有し、酸素含有ガスと水素含有ガスに接する緻密なインターコネクタを具備してなる燃料電池セルであって、前記インターコネクタは、水素吸着元素酸化物を含有しない水素非吸着層を有することを特徴とする燃料電池セル。
- 固体電解質とインターコネクタにより環状体を形成し、該環状体の内外に供給される酸素含有ガスと水素含有ガスが遮断されることを特徴とする請求項1記載の燃料電池セル。
- 環状体の内側には、水素含有ガスに晒される燃料側電極が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池セル。
- 燃料側電極の内側には、多孔質の支持体が形成されていることを特徴とする請求項3記載の燃料電池セル。
- インターコネクタは、熱膨張調整元素酸化物を含有する熱膨張調整層を有することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- インターコネクタの一方側の面が電極又は多孔質の支持体に設けられており、前記インターコネクタの電極側又は支持体側に熱膨張調整層を有し、該熱膨張調整層の表面に水素非吸着層を有することを特徴とする請求項5記載の燃料電池セル。
- インターコネクタはランタンクロマイト系磁器からなり、熱膨張調整元素酸化物は水素吸着元素酸化物であることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 水素吸着元素酸化物は、Mg、Al、Ti、Fe、Co及びCaのうち少なくとも一種の酸化物であることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 固体電解質は、安定化ジルコニア又はランタンガレート系磁器であることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 中空平板型であることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
- 請求項1乃至10のうちいずれかに記載の燃料電池セルを収納容器内に複数収容してなることを特徴とする燃料電池。
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