JP2006172952A - 横縞方式の固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

横縞方式の固体酸化物形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】横縞方式の固体酸化物形燃電池における、燃料放出端から逆拡散流入する酸素の流入を制限し、横縞方式の固体酸化物形燃電池の出力低下を防止する。
【解決手段】内部に燃料流路を有する多孔質の絶縁性支持基体の外面に複数個の固体酸化物形燃料電池セルを横縞状に配置してなる横縞方式の固体酸化物形燃電池であって、該支持基体について、燃料放出端から最燃料放出端側のセルの位置までの長さを延長して酸素逆散防止域とすることにより、燃料放出端から支持基体の燃料流路内に逆拡散する利用済み酸化剤ガスの流入を制限するようにしてなることを特徴とする横縞方式の固体酸化物形燃料電池。
【選択図】図3

Description

本発明は、横縞方式の固体酸化物形燃料電池に関し、より具体的には、内部に燃料流路を有する多孔質の絶縁性支持基体の外面に固体酸化物形燃料電池セルの複数個を横縞状に配置してなる横縞方式の固体酸化物形燃電池に関する。
固体酸化物形燃料電池〔SOFC(=Solid Oxide Fuel Cell)、以下適宜SOFCと略称する〕は、一般的には、作動温度が800〜1000℃程度と高いが、最近では800℃程度以下、すなわち800〜650℃という範囲の作動温度のものも開発されつつある。SOFCは、電解質材料を挟んでアノードとカソードが配置され、アノード/電解質/カソードの三層ユニットで構成される。
SOFCの運転時には、アノード側に燃料を通し、カソード側に酸化剤ガス(空気、酸素富化空気、酸素等、以下、代表して適宜空気と言う)を通して、両電極を外部負荷に接続することで電力が得られる。ところが、単電池一つでは高々0.7〜0.8V程度の電圧しか得られないので、実用的な電力を得るためには複数の単電池(セル)を電気的に直列に接続する必要がある。隣接するセルを電気的に直列に接続するのと同時に、アノードとカソードのそれぞれに燃料と空気とを適正に分配、供給し、また排出する目的で、インターコネクタとセルとが交互に積層される。
上記のようなSOFCは複数のセルを積層するタイプであるが、これに代えてセルの配置を横縞方式とすることも考えられている。横縞方式には円筒タイプや中空扁平タイプなどの方式があり、内部に燃料流路を有する多孔質の絶縁性支持基体の外面にアノード、電解質(通常固体酸化物からなる電解質)、カソードからなるセルの複数個を横縞状に配置して構成される。図7は特開平10−3932号公報に開示された円筒タイプの構成例を示す図である。図7(A)は全体図、図7(B)は図7(A)のX部の断面を拡大して示す図、図7(C)は図7(A)のY部の断面を拡大して示す図である。
特開平10−3932号公報
図7(A)〜(C)のとおり、多孔質の円筒状基体管21の外周面に順次、アノード22、電解質23及びカソード24を積層してなるセル25の複数個が該基体管21の長手方向に間隔を置いて形成されている。26は隣接するセル間を電気的に接続するインターコネクタ、33は集電リングである。多孔質の円筒状基体管21の構成材料としてはカルシア安定化ジルコニア(CSZ)などを用いるとされている。
同公報にはその運転時についての明示の記載はないが、以下のように運転されるものと推認される。空気が円筒状基体管21の外周のカソード24側に流され、燃料が集電リング33側から円筒状基体管21内の供給管(図7中記載はないが)に導入され、その先端で放出折り返して、円筒状基体管21内周のアノード22側に流される。円筒状基体管21の集電リング33側から放出されたアノードオフガスすなわち利用済み燃料中の未利用の燃料はカソードオフガスすなわち利用済み空気中の酸素により燃焼する。燃焼に伴い発生する熱は、供給空気の予熱やセルスタックの温度を保持するために利用される。
ところで、横縞方式の固体酸化物形燃料電池は、通常、利用済み燃料の放出端が開放系になっており、その放出端の外側近傍で利用済み燃料中の未利用の燃料と利用済み空気中の未利用の酸素が高温で混合して燃焼する。これにより、利用済み燃料中の未利用燃料である可燃性ガスを不燃性ガスにして排気することで安全性を確保するとともに、当該燃料電池を運転するのに必要な熱を供給することが可能となる。
しかし、利用済み燃料の放出端と、最放出端側のセル(該放出端に最も近いセル)あるいはその近傍のセルとの距離が短いか、あるいは放出端の口径が大きいと、利用済み空気が利用済み燃料の放出端から燃料流路内に逆拡散し、固体酸化物形燃料電池の発電出力を低下させてしまうが、従来の横縞方式の固体酸化物形燃料電池において、そのような利用済み空気の逆拡散による性能低下を防止する手段を施したものは見当たらない。
本発明は、横縞方式の固体酸化物形燃料電池におけるそのような問題点を解決するためになされたものであり、横縞方式の固体酸化物形燃電池について、利用済み燃料の放出端から燃料流路内に逆拡散してセル側へ流入する利用済み空気の流入を制限し、固体酸化物形燃電池の出力低下を防止してなる横縞方式の固体酸化物形燃料電池を提供することを目的とするものである。
本発明は、内部に燃料流路を有する多孔質の絶縁性支持基体の外面に複数個の固体酸化物形燃料電池セルを横縞状に配置してなる横縞方式の固体酸化物形燃電池であって、該支持基体について、燃料放出端から最燃料放出端側のセルの位置までの長さを延長して酸素逆散防止域とすることにより、燃料放出端側から支持基体の燃料流路内に逆拡散する利用済み酸化剤ガスの流入を制限するようにしてなることを特徴とする横縞方式の固体酸化物形燃料電池である。
本発明によれば、横縞方式の固体酸化物形燃電池における支持基体について、利用済み燃料の放出端から燃料流路内に逆拡散して流入する利用済み酸化剤ガスの流入を制限し、その流入に起因する発電出力の低下を防止し、固体酸化物形燃電池全体としての電池性能の低下を防止することができる。
本発明は、内部に燃料流路を有する多孔質の絶縁性支持基体の外面に複数個の固体酸化物形燃料電池セルを横縞状に配置してなる横縞方式の固体酸化物形燃電池である。そして、該支持基体について、その燃料放出端から最燃料放出端側のセルの位置までの長さ、すなわち支持基体の利用済み燃料放出端から該燃料放出端に最も近いセルの位置までの長さを延長して酸素逆散防止域とすることにより、燃料放出端側から支持基体の燃料流路内に逆拡散する利用済み酸化剤ガスの流入を制限するようにしてなることを特徴とする。
ここで、本発明においては、該支持基体について、燃料放出端から最燃料放出端側のセルの位置まで延長した長さ(すなわち間隔)を少なくとも20mm以上とすることが重要である。そのうち、特に、燃料放出端から最燃料放出端側のセルの位置まで延長した長さ(すなわち間隔)が30mmから50mmの範囲であるのが好ましい。本発明における、支持基体の内部に有する燃料流路は一つまたは複数個の燃料流路とすることができる。また、燃料流路の形状は、断面矩形状、断面四角形状、断面円形状、断面楕円形状その他適宜の形状に構成される。以下、図面を用いて本発明をさらに詳しく説明する。
図1は本発明で対象とするSOFCの構成例を説明する図である。図1(a)は平面図、図1(b)は裏面図、図1(c)は図1(a)中A−A線断面図である。また、図1(d)は図1(b)中B−B線断面図、図1(e)は図1(a)〜(b)の側面図〔図1(a)〜(b)を右側から見た図〕で、それぞれ拡大して示している。図1において、2は中空短冊状(中空扁平状)の多孔質の絶縁性支持基体で、その中空部3が燃料流路3となる。図1では燃料流路3が9個の例を示しているが、一個または複数個が設けられる。支持基体2は、その一端に燃料導入用の開口4を有し、その他端に利用済み燃料放出用の開口5を有する。開口5が未利用の燃料を含む利用済み燃料の放出端となる。
そして、複数個のセル6が支持基体2の表裏両面に横縞状に配置される。図1には、支持基体2として、その断面が左右両端に丸みをもつ矩形状の例を示しているが、断面矩形状とは限らず、断面四角形状、断面楕円形状その他各種形状に構成される。また、図1には、その表面、裏面にそれぞれ9個のセルを配置した例を示しているが、それぞれ2個以上のセルが配置される。こうして横縞方式のSOFC1が構成される。すなわち、SOFC1は、燃料導入用の開口4側から、利用済み燃料放出用の開口5側に燃料が流通する燃料流路3を有する多孔質の絶縁性支持基体2の表裏両面にそれぞれ複数個のセル6を備えて構成される。
上記のように構成した横縞方式のSOFCにおいては、燃料を燃料流路に流し、カソード側に空気を流しながら発電する。図2(a)はその態様を説明する図である。図2(a)のとおり、SOFCの上下両面側すなわちカソード側に空気流通機構8を備える。空気は導入管7から導入される。そして、空気分配機構8の複数の孔9から放出、分配され、カソード側を流れながら発電に寄与し、図2(a)中その右端から利用済み空気として排出される。
一方、燃料は、図2(a)中その左端の燃料導入口4から導入され、燃料流路3を流れながら発電に寄与し、その右端の利用済み燃料放出口5から排出される。燃料放出口5の右端が利用済み燃料の放出端となる。その際、燃料は、その流れ方向に沿って徐々に消費されて発電に寄与し、これに伴い、下流側に向けて発電に寄与するガス成分(水素、一酸化炭素)の量が漸次少なくなっていく。しかし、SOFCでは発電に寄与するガス成分の全部を利用することができず、供給された燃料は、通常その70〜80%程度が利用され、残りの30〜20%程度は未利用のまま外部に排出される。
前述のとおり、横縞方式のSOFCは、通常、利用済み燃料の放出端が開放系になっており、その端部外側の近傍で利用済み燃料と利用済み空気が混合し、利用済み燃料中の未利用の燃料と利用済み空気中の酸素が高温で燃焼する。図2(a)で言えば、その右端すなわち燃料放出端から排出される利用済み燃料は、SOFCの右端面の領域で利用済み空気と混合して燃焼する。これにより、可燃性ガスである未利用燃料(水素、一酸化炭素)を不燃性ガス(水蒸気や二酸化炭素)に変えて排気して安全性を確保し、SOFCを運転するのに必要な熱を供給することが可能となる。
ところが、本発明者らが、そのように構成したSOFCを現に運転して燃焼状況を詳細に観察したところ、(a)利用済み燃料の放出端とその放出端近傍のセルとの距離が短いか、あるいは(b)セルの開放口径が大きいと、利用済み燃料の放出端から燃料流路3内へ利用済み空気(未利用の酸素を含む)が逆方向に拡散して流入して燃料流路内で利用済み燃料と燃焼し、SOFCの発電出力を低下させてしまうことが分かった。そしてそのうち、特に(a)利用済み燃料の放出端と該放出端近傍のセルとの距離が短いと、その出力低下に大きく影響することが観察された。図2(b)は、この現象、事実を説明する図で、図2(a)に示すSOFCのうち、その右側のセル4個を含む部分を拡大して示している。
図2(b)中“酸素逆拡散”として示すとおり、利用済み空気が燃料放出端から燃料流路内に逆拡散して流入する。ここで、内部に燃料流路を有する支持基体の表裏両面には、燃料導入側から燃料放出側に横縞状に順次セルが配置されており、その運転時には、それら各セルで燃料流路を流れる燃料を消費することで発電が行われる。ところが、利用済み空気が燃料流路内に逆拡散して流入すると、少なくとも最燃料放出端側のセルZのアノード側には、発電に寄与する燃料ではなく、酸素が存在することになるので、少なくとも当該最燃料放出端側のセルZでは発電が行われなくなる。その結果、SOFCの発電出力の低下を招き、性能低下を来してしまう。
そこで、本発明においては、燃料流路を有する支持基体について、その燃料放出端を最燃料放出端側セルZの位置から所定間隔延長して“酸素逆散防止域”とすることにより、燃料放出端側から燃料流路内に逆拡散する利用済み空気の流入を制限するものである。すなわち、これを当該最燃料放出端側のセルZの側から言えば、セルZを、燃料流路の利用済み燃料の放出端から、利用済み空気(未利用の酸素を含む)が逆流する範囲以上の所定長さ(間隔)をもたせて配置する。その間隔により、燃料放出端から最燃料放出端側のセルZにまで逆拡散して流入する利用済み空気の流入を制限し、当該セルZに対する利用済み空気中の酸素の影響を回避して、SOFCの発電出力の低下を防止するものである。
図3(a)〜(c)はその態様を説明する図である。図3(a)のとおり、支持基体について、最燃料放出端側のセルZの位置(すなわち当該セルZの幅のうち燃料放出端側)から燃料放出端に向けて“酸素逆散防止域”を設ける。その“酸素逆散防止域”の長さについては、当該セルZの位置から延長した長さ(すなわち、当該セルZの位置から燃料放出端までの間隔)を少なくとも20mm以上とする。これにより、燃料放出端から最燃料放出端側のセルZにまで逆拡散して流入しようとする利用済み空気の流入を制限し、すなわち当該セルZに対する利用済み空気中の酸素の影響を回避するようにして、SOFCの発電出力の低下を有効に防止することができる。そのうち、特に好ましいその長さは30mmから50mmの範囲である。図3(b)はその長さが20mmの場合を示し、図3(c)はその長さが30mmの場合を示している。
支持基体の構成材料としては、MgOとMgAl24の混合物、ジルコニア系酸化物、ジルコニア系酸化物とMgOとMgAl24の混合物等を用い得るが、これらに限定されない。そのうち、MgOとMgAl24の混合物は、MgOとMgAl24の全量のうちMgOが20〜70vol%含まれる混合物であるのが好ましい。これらはNi(NiO)を含むことが好ましい。また、ジルコニア系酸化物の例としては、イットリア安定化ジルコニア〔YSZ:(Y23X(ZrO21-X(式中、x=0.03〜0.12)〕などが挙げられる。これらはNi等の触媒金属を含むのが好ましい。
アノードの構成材料としては、例えばNiを主成分とする材料、金属を含むセラミック材料などが用いられるが、これらに限定されない。金属を含むセラミック材料のうち、セラミック材料としては、例えばイットリア安定化ジルコニア〔YSZ:(Y23X(ZrO21-X(式中、x=0.05〜0.15)〕が用いられ、金属としては、Ni、Cu、Fe、Ru及びPdから選ばれた少なくとも1種の金属、すなわちそれら金属のうち1種または2種以上の金属が用いられる。
それら金属を含むセラミック材料のうち、Niを含むYSZ(Ni−YSZサーメット)、すなわちNiと〔(Y23X(ZrO21-X(式中、x=0.05〜0.15)〕との混合物は、本発明において好ましいアノード材料であり、特に当該混合物中のNiを40vol%以上分散させたものであるのが好ましい。
電解質の構成材料は、イオン導電性を有する固体電解質であればよく、その例としては下記(1)〜(4)の材料が挙げられるが、これら例示の材料に限定されない。
(1)イットリア安定化ジルコニア〔YSZ:(Y23X(ZrO21-X(式中、x=0.05〜0.15)〕。
(2)スカンジア安定化ジルコニア〔(Sc23X(ZrO21-X(式中、x=0.05〜0.15)〕。
(3)イットリアドープセリア〔(Y23X(CeO21-X(式中、x=0.02〜0.4)〕。
(4)ガドリアドープセリア〔(Gd23X(CeO21-X(式中、x=0.02〜0.4)〕。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明する。支持基体について、最燃料放出端側のセルZの位置から燃料放出端までの長さが異なる、すなわち“酸素逆散防止域”の幅が異なる各横縞方式のSOFCを作製し、それぞれについて性能試験を実施した。
図4は作製した各SOFCを示す図である。図4(a)は平面図、図4(b)は左側面図、図4(c)は右側面図である。図4(d)は図4(a)中A−A線断面図で、そのうち表面側を示している。また、図4(e)は、図4(a)中B−B線断面のうち、その右側のセル3個を含む部分を拡大して示した図で、図4(a)、(d)では示すインターコネクタ13、14等の記載は省略している。図4(a)〜(e)のとおり、支持基体2は、9個の燃料流路3を有し、その表裏両面にそれぞれ9個のセル6を備えている。また、各箇所に幅として示す数値は当該箇所におけるmm単位の寸法である。なお、図示は省略しているが、9個の燃料流路3の内径(内直径)はともに1.5mmである。
図4(d)中、2は支持基体、3は燃料流路、10はアノード、11は電解質、12はカソード、13はインターコネクタである。支持基体2の材料としてNiOとYSZの混合物(重量混合比=1:4)を用い、アノードの材料としてNiOとYSZの混合物(重量混合比=2:3)を用い、電解質11の材料としてYSZを用い、カソード12の材料としてペロブスカイト型酸化物である(La0.6Sr0.4)Co0.2Fe0.83を用い、インターコネクタ13の材料としてLa(Ti0.8Nb0.2)O3を用いた。また、14は、インターコネクタ13とカソード12とを接続する部材で、これもインターコネクタであるが、その材料としてはAgを用いた。
そして、それらを共通に備え、支持基体2のうち、図4(a)及び(e)中“酸素逆散防止域”として示す部分の長さ、つまり“最燃料放出端側セルの位置”から“燃料放出端”までの支持基体の長さをそれぞれ異ならせた以外は、同じSOFCを複数個作製した。その長さ(間隔)を図4(e)中、符号“←X→”として示している。
こうして作製した各SOFC〔すなわち、図4(e)中、符号“←X→”として示すように、支持基体2のうち、セルを設けない領域の幅(長さ)が異なる各SOFC〕をそれぞれ、図5(a)〜(b)のようにセットし、カソード側に空気流通機構〔図2(a)参照〕を付設して電気炉中に配置し、燃料として水素を燃料流路に流すとともに、カソード面に空気を流して性能試験を行った。その際、作動温度(運転温度)を750℃、電流密度(I)を0.2A/cm2、燃料利用率(Uf)を75%とそれぞれ一定とした。図5(a)は負荷器等の配置関係を示し、標準抵抗、電圧計Vは電流密度I=0.2A/cm2となるように負荷器をセットするためのものである。図5(b)は前述図4(d)に相当する図で“最燃料放出端側セル”に対する電圧計Vの配置を示している。
図6はその結果を示す図である。横軸は各SOFCにおける“酸素逆散防止域”の長さX(mm)、縦軸は“最燃料放出端側セルZ”の電圧値を示している。図6のとおり、まず、Xを14mmとしたSOFCでは0.22Vのセル電圧しか得られていない。これは最燃料放出端側のセルZが発電に殆ど関与していないことを示している。そしてこれは、利用済み空気が燃料流路内に逆拡散して流入し、最燃料放出端側のセルZのアノード側に、燃料ではなく、酸素が存在することになったためと解される。
次に、Xを20mmとしたSOFCでは0.69Vのセル電圧が得られ、最燃料放出端側のセルZが発電に有効に関与していることを示している。これは、その長さの酸素逆拡散防止域により、燃料放出端から最燃料放出端側のセルZにまで逆拡散して流入する利用済み空気の流入が制限され、酸素の影響がほぼ防止されていることを示している。なお、Xがその長さ20mmでは、利用済み空気の燃料流路内への逆拡散流入による幾分の酸素の影響はあるが、その電圧値は当該セルZ以外のセルにおける電圧値に近いと言える。
また、Xを20mmより長くしたSOFCにおける最燃料放出端側のセルZでのセル電圧は、さらに大きくなり、X=30mmのSOFCでは0.71V、X=40mmのSOFCでは0.74V、X=50mmのSOFCでは0.76V、X=55mmのSOFCでは0.8Vの値を示し、それ以降はほぼ0.8Vの値を示している。
本発明で対象とする横縞方式のSOFCの構成例を説明する図 従来の横縞方式のSOFCにおける燃料放出端から燃料流路への酸素の逆拡散による出力低下現象、事実を説明する図 本発明の態様を説明する図 性能試験用に作製した各SOFCを示す図 各SOFCの性能試験用にセットした性能試験装置の概略を示す図 実施例の結果を示す図 先行技術のセルスタックを示す図
符号の説明
1 SOFC
2 中空短冊状(中空扁平状)の支持基体
3 中空部、燃料流路
4 燃料導入用開口
5 燃料放出用開口
6 支持基体に横縞状に形成された各セル
7 空気導入管
8 空気分配機構
9 空気分配機構8の複数の孔
Z 最燃料放出端側のセル
10 アノード
11 電解質
12 カソード
13、14 インターコネクタ
21 多孔質の円筒状基体管
22 アノード
23 電解質
24 カソード
25 セル
26 インターコネクタ
33 集電リング

Claims (5)

  1. 内部に燃料流路を有する多孔質の絶縁性支持基体の外面に複数個の固体酸化物形燃料電池セルを横縞状に配置してなる横縞方式の固体酸化物形燃電池であって、該支持基体について、燃料放出端から最燃料放出端側のセルの位置までの長さを延長して酸素逆散防止域とすることにより、燃料放出端から支持基体の燃料流路内に逆拡散する利用済み酸化剤ガスの流入を制限するようにしてなることを特徴とする横縞方式の固体酸化物形燃料電池。
  2. 前記支持基体について、燃料放出端から最燃料放出端側のセルの位置まで延長した長さを少なくとも20mm以上としたことを特徴とする請求項1に記載の横縞方式の固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記支持基体について、燃料放出端から最燃料放出端側のセルの位置まで延長した長さを30〜50mmの範囲としたことを特徴とする請求項1に記載の横縞方式の固体酸化物形燃料電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の横縞方式の固体酸化物形燃料電池において、前記燃料流路が一つまたは複数の燃料流路であることを特徴とする横縞方式の固体酸化物形燃料電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の横縞方式の固体酸化物形燃料電池において、前記燃料流路が断面矩形状、断面四角形状、断面円形状または断面楕円形状の燃料流路であることを特徴とする横縞方式の固体酸化物形燃料電池。
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