JP2005346988A - 燃料電池組立体及び燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池セル3の内部ガス流路を通過した燃料ガスFGと、前記燃料電池セル3の外部を流れる空気AGとが、燃料電池セル3の出口側端面の上部空間で混合する構造を有し、前記燃料電池セル3の出口側端部の外周面に、ガスの流れを迂回させるための環状部材3aを装着した。
【効果】燃料ガスFGと空気極との接触、あるいは空気AGと燃料極との接触を防止することができ、燃料電池セル3の酸化、還元に起因する破損を防止することができる。
【選択図】図6
Description
前記内側電極には、固体電解質及び外側電極が形成されていない部位もあり、その部位には、内側電極の上にインターコネクタが形成されている。この燃料電池セルを複数用意し、ガスマニホールドの上壁に並行に固定し、発電・燃焼室内に収納する。
前記燃料電池セルに供給される燃料ガスと空気とは、前記内側電極及び外部電極を通って固体電解質まで輸送され、ここで電極反応を生じ発電が行われる。これらの燃料電池セルを直列に接続して、高い電圧を取り出すことができる。
しかしながら、特許文献1では、スリーブを燃料電池セルの端部に挿入しているため、スリーブの分だけ燃料電池セルが長くなり、しかも横幅も大きくなり、燃料電池が大型化するという問題もあった。
また、環状部材がガスの流れを整えて、余剰の酸化剤ガスと余剰の燃料ガスの流れの状態が安定するため、両ガスの混合により生じる燃焼状態が安定する。したがって、燃料電池セルの、両ガスの出口側端面の温度分布が安定し、温度変化によるクラックの発生を抑制する効果もある。
無機材料としては、ガス滞留効果に優れた多孔性無機材料を使用することができる。さらに多孔質無機材料は熱伝導率が低く、断熱性、耐熱性に優れたセラミック繊維やセラミック製断熱材等からなるものを使用するのが好ましい。
さらに、本発明の燃料電池は、前記燃料電池組立体をハウジング内に収容したものであり、信頼性の向上、寿命の長期化を実現することができる。
図1は、燃料電池に使用される発電ユニット集合体1a-1dを示す斜面図である。
発電ユニット集合体1a-1dは、一方向(図1において紙面左上から右下の方向)に細長く延びる直方体形状の燃料ガスマニホールド2a-2dを具備している。
燃料ガスマニホールド2a-2dの上壁には、複数の燃料電池セル3からなる燃料電池セルスタック4a-4dが装着されている。一枚の燃料電池セル3は、上下方向に細長く延びた板状をなしている。燃料電池セルスタック4a-4dは、このような燃料電池セル3を、燃料ガスマニホールドの一方向に沿って複数個縦列配置して構成されている。
導電性支持体5は、上下方向に細長く延びる板状片であり、平坦な表裏両面と断面半円形状の両側面とを有する。導電性支持体5にはこれを上下方向に貫通する複数個(図示の場合は6個)の燃料ガス通路12が形成されている。
前記燃料電池セル3の各々は、燃料ガスマニホールド2a-2dの上壁に、耐熱性に優れたセラミック接着剤などによって接合される。
隣接する燃料電池セル3同士の間には、1つの燃料電池セル3の空気極8と他の燃料電池セル3のインターコネクタ10とを電気的に接続するための集電部材9が配設されている。
導電性支持体5は燃料ガスを燃料極6まで透過させるためにガス透過性であること、そしてまたインターコネクタ10を介して集電するために導電性であることが要求される。かかる要求を満足するために多孔質の導電性セラミック(若しくはサーメット)が用いられる。
燃料極6は、多孔質の導電性セラミック、例えば希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニアと称される)とNi及び/又はNiOとから形成することができる。
空気極8は所謂ABO3型のペロブスカイト型酸化物からなる導電セラミックにより形成することができる。空気極8はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
燃料電池セル3の表裏面には、隣接する燃料電池セル3との電気的接続を図るための前述した集電部材9が配置されている。この集電部材9は、一方の燃料電池セル3の空気極8と、他方の燃料電池セル3のインターコネクタ10とを接続する電極である。インターコネクタ10は、図2に示すように、燃料極3に接続しているので、これにより、一方の燃料電池セル3の空気極8と、他方の燃料電池セル3の燃料極3とが接続されることになる。すなわち、一方の燃料電池セル3の正極と他方の燃料電池セル3の負極とが接続された形になり、燃料電池セルスタックを構成するすべての燃料電池セル3が直列に接続され、高電圧が取り出せる。
前記燃料電池セルスタック4a-4dを複数集合して、発電ユニット集合体1a-1dを組み立てる。この発電ユニット集合体1a-1dに、発電ユニット集合体1a-1dで発生した電力を燃料電池外に取り出すための導電電極(図示せず)を取り付けて、ハウジング内に収容して、燃料電池を製作する。
図5を参照して説明すると、燃料電池組立体は略直方体形状のハウジング20を具備している。このハウジング20の壁面には適宜の断熱材料から形成された断熱壁、すなわち上断熱壁21、下断熱壁22、右側断熱壁23、左側断熱壁24、前断熱壁(図示せず)及び後断熱壁(図示せず)が配設されている。
前断熱壁及び/又は後断熱壁は着脱自在あるいは開閉自在に装着されており、前断熱壁及び/又は後断熱壁を離脱あるいは開動せしめることによって発電・燃焼室25内にアクセスすることができる。所望ならば、各断熱壁の外面に金属板などの外壁を配設することができる。
ハウジング20には、空気供給管54が設けられており、この空気供給管54は、上断熱壁21を貫通し、外部から室温程度の空気を後述する熱交換器34に取り込むようになっている。
一方、発電ユニット1a-1dの上部には、改質ケース13a-13dが設けられている。改質ケース13a-13dは、図1に示すように、燃料電池セルスタック4a-4dの上方を細長く延びるほぼ長方体形状の管である。
被改質ガス供給管82aは都市ガス等の炭化水素ガスなどの被改質ガス供給源(図示していない)に接続されており、被改質ガス供給管82aを介して改質ケース13aに被改質ガスが供給される。改質ケース13a内には燃料ガスを水素リッチな燃料ガスに改質するための適宜の改質触媒が収容されている。
被改質ガス供給管、燃料ガス送給管の配置に関しては、発電ユニット1cは上述した発電ユニット1aと実質上同一であり、発電ユニット1b及び1dは、発電ユニット1a及び1cに対して前後方向が逆に配置されているところが異なっている。すなわち、改質ケース13b及び13dと燃料ガスマニホールド2b及び2dとを接続する燃料ガス送給管(図示していない)が後側に配置され、被改質ガス供給管82b及び82dが改質ケースから下方に延び、ハウジング20の下を通ってハウジング20外に延出している。
1/2O2+2e-→O2-(固体電解質)
の電極反応が生成され、燃料極において、
O2-(固体電解質)+H2→H2O+2e-
の電極反応が生成されて、発電される。
そしてまた、燃焼ガスが熱交換器34の排出路をジグザグ状に流動せしめられる際には、二重筒体50から導入された空気が熱交換器34の流入路をジグザグ状に流動せしめられる。かくして燃焼ガスと空気との間で効果的に熱交換されて空気が予熱される。
前記燃料電池セル3の外壁を通過した空気AGは、燃料電池セル3の上部端面付近で、燃料電池セル3の内部の燃料ガス通路12を通過した燃料ガスFGと合流するが、この燃料電池セル3の上端部の外周面に環状部材3aを外嵌している。
この環状部材3aの存在により、燃料電池セル3の表面に沿って下から上に上がってくる空気AGは、燃料電池セル3の上部端面付近で、環状部材3aの外側を迂回して流れるようになる。これにより、燃料ガス通路12の上端から噴出する燃料ガスFGの流れに合流しようとする空気AGの横方向(x方向)の流れが弱くなり、空気AGは主に上方向に、乱れることなく定常的に流れるようになる。
なお、環状部材3aを設置しない場合には、空気の流量あるいは供給圧の変動によりガスの流れが乱され易く、所期の効果は得られない。
また、環状部材として緻密質体を用いることで、内部ガス流路内に流れ込もうとするガスを迂回させることができる。
環状部材3aの材質は特に規定するものではないが、燃料電池セル3の内表面又は外表面に接触して装着されることから絶縁性であることが望ましい。また、燃料電池セル3から熱を奪わないように熱伝導率は低い方がよい。燃料電池セル3から熱が奪われると、発電効率が低下したり、燃料電池セル3に生じた温度分布により燃料電池セル3が破損する恐れがある。
図8は、円筒型燃料電池セル3の形状の一例を示す外観斜視図である。
前記燃料電池セル3の内部の燃料ガス通路12を通過した燃料ガスFGと、燃料電池セル3の外壁を通過した空気AGとは燃料電池セル3の上部端面付近で合流するが、この燃料電池セル3の上端部の外周面に、環状部材3aを設置している。図6との相違は、燃料電池セル3の形状が円筒型であることと、それに伴って、環状部材3aの形状も円環状になっていることである。
燃料ガス通路12の先端部にも環状部材3bを設けたことにより、燃料ガス通路12を通過する燃料ガスFGは、燃料電池セル3の上部端面付近で、環状部材3bを迂回して流れるようになる。しかも、燃料ガス通路12の断面積が狭くなることにより、燃料ガスFGの流速も速くなる。これにより、燃料ガスFGが上方向に定常的に流れるようになり、燃料ガス通路12の外周に沿って上昇してくる空気AGの流れと隔てられる。空気AGも、環状部材3aのために、前述したように上方向に定常的に流れるようになるので、空気AGと燃料ガスFGとの相互の流通が減少する。また、仮りに空気AGが燃料ガス通路12の内部に入り込んでも、燃料ガス通路12には環状部材3bが内嵌されているので、空気AGが直接燃料極に作用するのを防止できる。
さらに、本発明により、空気AGと燃料ガスFGとの流れが安定し、両ガスの混合により生じる燃焼状態が安定するため、燃料電池セル3の上部端面の温度分布が安定し、温度変化によるクラックの発生を抑制する効果もある。
このパイプ状部材61は、図9を用いて説明した環状部材3bと同等の作用をするものである。
パイプ状部材61は、支持体5の出口側端面から突出している。また、パイプ状部材61の内径は、内部ガス流路12の内径よりも細いため、内部ガス流路12から排出される燃料ガスは、出口側で僅かに流速が速くなり、かつ圧力も高くなる。これにより、燃料ガスFGが上方向に定常的に流れるようになり、燃料ガス通路12の外周に沿って上昇してくる空気AGの流れと隔てられる。したがって、比較的低圧の外部空気AGが、内部ガス流路12に入り込んでくる可能性がさらに低くなる。また、仮りに空気AGが燃料ガス通路12の内部に入り込んでも、燃料ガス通路12にはパイプ状部材61が内嵌されているので、空気AGが直接燃料極に作用するのを防止できる。
図11は、円筒型燃料電池セル3の内部のガス通路を空気AGが流れ、円筒型燃料電池セル3の外部を燃料ガスFGが流れるような構造の燃料電池における、環状部材3cの設置例を示す外観斜視図である。
2a-2d 燃料ガスマニホールド
3 燃料電池セル
3a,3b,3c 環状部材
4a-4d 燃料電池セルスタック
5 導電性支持体
6 燃料極
7 固体電解質
8 空気極
9 集電部材
10 インターコネクタ
12 内部ガス流路
61 パイプ状部材
Claims (10)
- 内側電極、固体電解質及び外側電極を備え、内部ガス流路が形成された燃料電池セルと、前記燃料電池セルの内部ガス流路にガスを供給するための内部ガス供給手段と、前記燃料電池セル外部に他の種類のガスを供給するための外部ガス供給手段とを具備し、前記内部ガス流路を通過した内部ガスと、前記燃料電池セルの外部を流れるガスとが、燃料電池セルの出口側端面の上部空間で混合する構造を有する燃料電池組立体であって、
前記燃料電池セル内部を通過した内部ガスと燃料電池セルの外部を通過した外部ガスが合流する燃料電池セルの出口側端部の外周面及び/又は内部ガス流路の出口側端部の内周面に、環状部材を装着してなることを特徴とする燃料電池組立体。 - 前記環状部材が、前記内部ガス流路の出口側端部の内周面から突出したパイプ状部材である請求項1記載の燃料電池組立体。
- 前記燃料電池セルの内部ガス流路を流れるガスが燃料ガスであり、前記燃料電池セル外部を流れるガスが酸化剤ガスである請求項1又は請求項2記載の燃料電池組立体。
- 前記燃料電池セルの内部ガス流路を流れるガスが酸化剤ガスであり、前記燃料電池セル外部を流れるガスが燃料ガスである請求項1又は請求項2記載の燃料電池組立体。
- 前記環状部材が絶縁性の無機材料からなる請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料電池組立体。
- 前記環状部材が緻密質である請求項5記載の燃料電池組立体。
- 前記環状部材が多孔質である請求項5記載の燃料電池組立体。
- 前記環状部材が、セラミック繊維又はセラミック製断熱材からなる請求項5記載の燃料電池組立体。
- 前記燃料電池セルが、中空平板型又は円筒型である請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃料電池組立体。
- 請求項1から請求項9のいずれかに記載の燃料電池組立体をハウジング内に収容した燃料電池。
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