JP4745622B2 - 集電部材、燃料電池セルスタック及び燃料電池 - Google Patents
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Description
この燃料電池セルを複数直列に接続して高い電圧を取り出すことができる。
この集電部材は、燃料電池セルの形状に合わせた細長い形状を有し、燃料ガスマニホールドの上に並行に固定された複数の燃料電池セルの間に配置される。
ところが、燃料ガス流路の入口付近で大きな電流が流れると、燃料電池セル及び集電部材において、燃料ガス流路の入口付近でジュール熱が過大に発生し、その発熱に伴い燃料電池セルの劣化が早くなる。特に燃料ガスの流量の少ないところでは、このような現象は顕著になる。
隣接する燃料電池セル間に配置され、前記燃料ガスの供給側から放出側へ延びる板片に、前記燃料ガスの供給側から放出側へ延びる方向と直角な該板片の幅方向に沿った複数の切れ目を形成して得られる複数の集電片を前記板片の両側に交互に突出させた形状を有しており、前記複数の集電片は、隣接する一方の前記燃料電池セルの前記外側電極と、隣接する他方の前記燃料電池セルの前記インターコネクタとにそれぞれ当接されているとともに、該集電片の厚みが、前記燃料ガスの供給側から放出側に向けて増大するように形成されていることにより、前記燃料電池セルの長手方向に沿った単位長さあたりの抵抗が、前記燃料ガスの供給側から放出側に向けて減少するように形成されていることを特徴とする。
したがって、前述したような燃料ガスの供給側の方が燃料ガス量が豊富なため大きな電流が流れ、燃料ガスの放出側の方が燃料ガス量が少ないため小さな電流が流れるという現象を補完することができる。
このため、ジュール熱の発生量を燃料電池セルの下部から上部にかけてほぼ一定にできるので、集電部材や燃料電池セルの耐久性を増すことができ、燃料電池の寿命を長くすることができる。
本発明の燃料電池セルスタックは、複数の燃料電池セルから構成され、前記本発明の特徴を備えた集電部材が、隣接する燃料電池セルの間に配置されているものである。
これらの燃料電池セルスタック及び燃料電池は、電流の流れが均一な集電部材を採用しているので、燃料電池セル内の不均一な発熱にともなう劣化を防止し、良好な耐久性を有する。
図1は、燃料電池に使用される発電ユニット集合体1a〜1dを示す斜面図である。
発電ユニット集合体1a〜1dは、一方向(図1において紙面左右の方向)に細長く延びる直方体形状の燃料ガスマニホールド2a〜2dを具備している。
燃料電池セル3の各々は、図2に断面を示すように、導電性支持体5の表面に、内側電極である燃料極6、固体電解質7、外側電極である空気極8を積層したものである。
前記燃料ガスマニホールド2a〜2dの上壁には短手方向に延びる複数個のスリットが形成されており、導電性支持体5の各々に形成されている燃料ガス通路12がスリットを介して燃料ガスマニホールド2a〜2dの燃料ガス室に連通している。
図2に示すように、燃料極6は導電性支持体5の片面及び両側面を覆う部分に配設されており、その両端はインターコネクタ10に接合している。固体電解質7は燃料極6の全体を覆うように配設されている。空気極8は、導電性支持体5の表面において固体電解質7を覆うよう配置されている。
この集電部材9は、燃料電池セルスタック4a〜4d の両端、すなわち図2において上端及び下端に位置する燃料電池セル3の片面及び他面にも配設されている。燃料電池セルスタック4a〜4d の両端に位置する集電部材9には、燃料電池セルスタック4a〜4d から発電電気を取り出すための導電部材11が接続されており、かかる導電部材により、燃料電池セルスタック4a〜4d は相互に直列接続される。
導電性支持体5は燃料ガスを燃料極6まで透過させるためにガス透過性であること、そしてまたインターコネクタ10を介して集電するために導電性であることが要求される。かかる要求を満足するために多孔質の導電性セラミック(若しくはサーメット)が用いられる。
燃料極6は、多孔質の導電性セラミック、例えば希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニアと称される)とNi及び/又はNiOとから形成することができる。
空気極8は所謂ABO3型のペロブスカイト型酸化物からなる導電セラミックにより形成することができる。空気極8はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
図3は、発電ユニット集合体1a〜1dをハウジング内に収容した状態を示す側断面図である。断面は、図2のBーBで切っている。
このハウジング20内には発電・燃焼室25が規定されている。
ハウジング20内の比較的上部には空気室(ガス室)31が配設されている。空気室31は上下方向寸法が比較的小さい直方体形状のケース32内に規定されている。
空気室31の下面には、発電・燃焼室25に向かって空気(酸素含有ガス)を送り込むための空気導入管(ガス供給手段)33が連通している。空気導入管33は複数本あり、その形状は円筒や中空板構造などが考えられる。空気導入管33は燃料電池セルスタック4a〜4d 間に配置されており、その下端部は燃料電池セル3の比較的下部まで伸びて開口し、この開口部から空気が噴出する構造となっている。空気導入管33はセラミックスなどの耐熱性の高い材料で作製するのが好適である。
一方、発電ユニット1a〜1dの上部には、改質ケース13a〜13dが設けられている。改質ケース13a〜13dは、図1に示すように、燃料電池セルスタック4a〜4d の上方を細長く延びる長方体形状(或いは円筒形状)の管である。
被改質ガス供給管82aは都市ガス等の炭化水素ガスなどの被改質ガス供給源(図示していない)に接続されており、被改質ガス供給管82aを介して改質ケース13aに被改質ガスが供給される。改質ケース13a内には燃料ガスを水素リッチな燃料ガスに改質するための適宜の改質触媒が収容されている。
被改質ガス供給管、燃料ガス送給管の配置に関しては、発電ユニット1cは上述した発電ユニット1aと実質上同一であり、発電ユニット1b及び1dは、発電ユニット1a及び1cに対して前後方向が逆に配置されているところが異なっている。すなわち、改質ケース13b及び13dと燃料ガスマニホールド2b及び2dとを接続する燃料ガス送給管(図示していない)が後側に配置され、被改質ガス供給管82b及び82dが改質ケースから下方に延び、ハウジング20の下を通ってハウジング20外に延出している。
次いで燃料電池セルスタック4a、4b、4c及び4dを構成する各燃料電池セル3に供給される。
1/2O2+2e-→O2-(固体電解質)
の電極反応が生成され、燃料極において、
O2-(固体電解質)+H2→H2O+2e-
の電極反応が生成されて、発電される。
そしてまた、燃料ガスが熱交換器34の排出路30をジグザグ状に流動せしめられる際には、二重筒体50から導入された空気が熱交換器34の流入路をジグザグ状に流動せしめられる。かくして燃料ガスと空気との間で効果的に熱交換されて空気が予熱される。
燃料電池セル3の表裏面には、隣接する燃料電池セル3との電気的接続を図るための前述した集電部材9が配置されている。この集電部材9は、一方の燃料電池セルの空気極8と、他方の燃料電池セルのインターコネクタ10とを接続する電極である。インターコネクタ10は、図4に示すように、燃料極3に接続しているので、これにより、一方の燃料電池セルの空気極8と、他方の燃料電池セルの燃料極3とが接続されることになる。すなわち、一方の燃料電池セルの正極と他方の燃料電池セルの負極とが接続された形になり、燃料電池セルスタックを構成するすべての燃料電池セルが直列に接続され、高電圧が取り出せる。
集電部材9は、弾力性を有する集電片92を1本ずつ、交互に反対方向に折り曲げた形状をしている。さらに詳しく言えば、集電部材9は、バックボーンとなる1本のまっすぐに伸びた背板部91と、この背板部91から互いに異なる2方向に交互に分岐する集電片92とからなる。図5に示すように、一方側に折り曲げられた集電片92の幅をw1、他方側に折り曲げられた集電片92の幅をw2とする。通常、w1=w2である。
また、集電部材9は、集電片92を1本ずつ、交互に反対方向に折り曲げた形状をしているので、図4のように一方の燃料電池セルの空気極8と、他方の燃料電池セルのインターコネクタ10との間に挟まれた状態で、隣接する櫛歯同士の間には、空気の通る隙間が出来る。この隙間が、空気導入管33を通して発電・燃焼室25内に入った空気の流通性を高め、空気極8に多量の空気を供給する。
まず座標の定義をする。図4に示すように、燃料ガスマニホールド2a〜2dに設置された燃料電池セル3の上方向を+z、燃料電池セルスタック4a〜4d を縦断して電流が流れる方向を+x、それらに直角な方向をyとする。燃料電池セル3の発電素子部の存在範囲をz=z1からz=z2とする。
セル間を方向xに流れる電流値をIとする。燃料電池セル3の発電作用により燃料電池セル3同士の間には電圧Vが生じる。その電圧Vを電流値Iで割れば、集電部材9の抵抗値Rが求まる。
前記電圧Vを単位長さあたりの電流密度j(z)で割った、単位長さあたりの抵抗をr(z)と書く。すなわち、
r(z)=V/j(z)
である。
これにより、燃料電池セル3の燃料ガス供給部に近い部分では単位長さあたりの抵抗r(z)を大きくして電流の流れを抑え、燃料電池セルの燃料ガス供給部から遠い部分では単位長さあたりの抵抗r(z)を小さくして電流の流れを促進することにより、燃料電池セル全体として、電流の流れを均一にする。
同図に示すように、分岐した一方側集電片92と同一方向の両隣の集電片92との間には隙間Sが生じているが、この隙間を形成することで抵抗を変化させることができる。
2a〜2d 燃料ガスマニホールド
3 燃料電池セル
4a〜4d 燃料電池セルスタック
5 導電性支持体
6 燃料極
7 固体電解質
8 空気極
9,9′,9″ 集電部材
10 インターコネクタ
91 背板部
92 集電片
Claims (3)
- 複数の燃料電池セルを電気的に接続するために用いられる集電部材であって、
前記各燃料電池セルは、燃料ガス流路を内部に有し、一端側が燃料ガスの供給側とされ他端側が放出側とされ、燃料ガスの供給側から放出側へ延びた形状の導電性支持体上の一側面側の表面に、内側電極、固体電解質及び外側電極が順次積層され、前記内側電極、前記固体電解質及び前記外側電極が形成されていない前記導電性支持体の前記一側面の反対側にある他側面の表面にインターコネクタが形成されてなるものであり、
隣接する燃料電池セル間に配置され、前記燃料ガスの供給側から放出側へ延びる板片に、前記燃料ガスの供給側から放出側へ延びる方向と直角な該板片の幅方向に沿った複数の切れ目を形成して得られる複数の集電片を前記板片の両側に交互に突出させた形状を有しており、前記複数の集電片は、隣接する一方の前記燃料電池セルの前記外側電極と、隣接する他方の前記燃料電池セルの前記インターコネクタとにそれぞれ当接されているとともに、該集電片の厚みが、前記燃料ガスの供給側から放出側に向けて増大するように形成されていることにより、前記燃料電池セルの長手方向に沿った単位長さあたりの抵抗が、前記燃料ガスの供給側から放出側に向けて減少するように形成されていることを特徴とする集電部材。 - 複数の燃料電池セルと、隣接する該燃料電池セル間に配置され、隣接する一方の前記燃料電池セルの外側電極と、隣接する他方の前記燃料電池セルのインターコネクタとを接続する請求項1に記載の集電部材とを備えることを特徴とする燃料電池セルスタック。
- 請求項2に記載の燃料電池セルスタックを、単独で又は複数集合して組み立てた発電ユニット集合体に、該発電ユニット集合体で発生した電力を燃料電池外に取り出すための導電部材を取り付けて、ハウジング内に収容してなることを特徴とする燃料電池。
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