JP2003308857A

JP2003308857A - 燃料電池

Info

Publication number: JP2003308857A
Application number: JP2002116369A
Authority: JP
Inventors: Takashi Shigehisa; 高志重久; Akira Okaji; 彰小梶
Original assignee: Kyocera Corp
Current assignee: Kyocera Corp
Priority date: 2002-04-18
Filing date: 2002-04-18
Publication date: 2003-10-31
Anticipated expiration: 2022-04-18
Also published as: JP4005837B2

Abstract

(57)【要約】【課題】燃料電池セル間の集電特性を向上できるととも
に、燃料電池セルの折損を防止でき、さらにセルスタッ
クの口開きを防止できる燃料電池を提供する。【解決手段】配列された複数の燃料電池セル３３からな
るセルスタックを収納容器３１内に収納してなる燃料電
池であって、隣設する燃料電池セル３３間に集電部材４
３を配置し、該集電部材４３の弾性力で隣設する燃料電
池セル３３のそれぞれの側面を押圧して電気的に接続す
るとともに、セルスタック３５における燃料電池セル３
３の配列方向両端に、セルスタック３５の広がりを阻止
する拡幅阻止部材５７をそれぞれ設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池に関する
もので、特に複数の燃料電池セルの集電特性が良好な燃
料電池に関するものである。

【０００２】

【従来技術】次世代エネルギーとして、近年、複数の燃
料電池セルを収納容器内に収納した燃料電池が種々提案
されている。

【０００３】従来の固体電解質型燃料電池は、複数の燃
料電池セルを収納容器内に収納し、燃料電池セル同士を
集電部材により電気的に直列又は並列に接続して構成さ
れており、発電は燃料電池セルに酸素含有ガス及び燃料
ガスを供給して６００〜１０００℃程度の高温で行われ
ていた。

【０００４】そして、燃料電池セル間の電気的な接続を
行う集電部材は、従来、繊維状の金属が集合した金属フ
ェルト状のものが用いられていた。このようなフェルト
状の集電部材を用いた燃料電池は、複数の燃料電池セル
を配列集合させ、例えば、一方の燃料電池セルのインタ
ーコネクタと、他方の燃料電池セルの外側電極との間
に、フェルト状の集電部材を詰め込み燃料電池セルを直
列に接続してセルスタックを形成し、このセルスタック
を収納容器内に収納して構成されていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た燃料電池では、隣設する燃料電池セル間にフェルト状
の集電部材を詰め込み、その集電部材の弾性力で隣設す
る燃料電池セルの側面を、隣設する燃料電池セルを広げ
るようにして押圧し、電気的な接続を確保していたた
め、燃料電池セルを押し広げるような力が作用し、燃料
電池セルの固定部に力が作用し、折損したり、セルスタ
ックが口開きするという問題があった。特に、燃料電池
セル間の電気的な接続を確保するため、集電部材の弾性
力を強くした場合にはその傾向が強い。

【０００６】本出願人は、先に、燃料電池セル間の電気
的な接続を長期間において確実に確保し、燃料電池セル
間の集電特性を向上するため、弾性力を長期間維持でき
る板状の集電部材を用いて燃料電池セルを電気的に接続
した燃料電池を出願した。このような燃料電池では、強
い弾性力で燃料電池セルを押し広げるようにして電気的
な接続を確保していたため、燃料電池セルの折損を助長
したり、経時的に集電部材による押圧部分が広がってい
く傾向があった。

【０００７】本発明は、燃料電池セル間の集電特性を向
上できるとともに、燃料電池セルの折損を防止でき、さ
らにセルスタックの口開きを防止できる燃料電池を提供
することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の燃料電池は、配
列された複数の燃料電池セルからなるセルスタックを収
納容器内に収納してなる燃料電池であって、隣設する前
記燃料電池セル間に集電部材を配置し、該集電部材の弾
性力で前記隣設する燃料電池セルのそれぞれの側面を押
圧して電気的に接続するとともに、前記セルスタックに
おける前記燃料電池セルの配列方向両端に、前記セルス
タックの広がりを阻止する拡幅阻止部材をそれぞれ設け
たことを特徴とする。

【０００９】本発明の燃料電池では、集電部材の弾性力
で隣設する燃料電池セルの側面を押し広げるようにし
て、燃料電池セル間を電気的に接続しているため、燃料
電池セルの電気的な接続を確保できるとともに、セルス
タックにおける燃料電池セルの配列方向両端に、セルス
タックの広がりを阻止する拡幅阻止部材をそれぞれ設け
たので、集電部材の弾性力で燃料電池セルの側面を押し
広げるようにしたとしても、拡幅阻止部材によりセルス
タックの拡幅阻止部材間の距離を一定に維持でき、燃料
電池セルの広がりを阻止して燃料電池セルの変形が抑制
され、燃料電池セルの折損を確実に防止できるととも
に、セルスタックの口開きが抑制され、これにより集電
部材による燃料電池セル間の電気的な接続を長期にわた
って維持できる。

【００１０】また、本発明の燃料電池は、燃料電池セル
の一端部がガスタンクに支持された状態で立設している
ことを特徴とする。この場合には、他端部がフリーな状
態であり、隣設する燃料電池セルの他端部間が広がりや
すいが、セルスタックの広がりを阻止する拡幅阻止部材
により、燃料電池セルの他端部間の広がりを確実に防止
できる。

【００１１】さらに、本発明の燃料電池は、拡幅阻止部
材の一端部がガスタンクに支持された状態で立設してい
ることを特徴とする。このような燃料電池では、拡幅阻
止部材の一端部がガスタンクに支持されているため、セ
ルスタックの両側から中央部に対して確実に押圧力を付
与できる。

【００１２】また、本発明の燃料電池は、収納容器内に
複数のセルスタックが収容されており、これらのセルス
タック同士を電気的に接続する導電部材が、前記セルス
タックを構成する燃料電池セルと拡幅阻止部材との間に
介装されていることを特徴とする。

【００１３】このような燃料電池では、複数のセルスタ
ックの電気的な接続を導電部材により確実に行うことが
できる。

【００１４】さらに、本発明の燃料電池は、隣設する燃
料電池セル間には、間隔を一定に保持するスペーサが設
けられていることを特徴とする。このような燃料電池で
は、セルスタックの拡幅阻止部材間の間隔は一定であ
り、しかも燃料電池セル間の間隔がスペーサにより一定
距離に保持できるため、集電部材による押圧力を一定に
長期間保持できる。

【００１５】また、本発明の燃料電池では集電部材は板
状であることを特徴とする。このような燃料電池では板
状の集電部材を用いることにより、燃料電池セルの側面
とは面接触となり、従来のようなフェルト状の集電部材
よりも燃料電池セルに当接する面積が大きくなり、集電
特性を向上できる。また、集電部材は板状であるため弾
性力も大きく、振動等が生じたとしても燃料電池セルと
の十分な接触を長期間確保できる。

【００１６】さらに、集電部材は板状であるため、収納
容器内が高温となった場合でも、従来のフェルト状の集
電部材よりも焼結しにくく、燃料電池セルとの十分な接
触を長期間確保できる。また、例えば、一方の燃料電池
セルのインターコネクタと他方の燃料電池セルの外側電
極との間に集電部材を詰め込む際にも、一方の燃料電池
セルと他方の燃料電池セルの外側電極同士の導通を確実
に防止できる。

【００１７】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の燃料電池の一形
態を示すもので、符号３１は断熱構造を有する収納容器
を示している。この収納容器３１の内部には、複数の燃
料電池セル３３を配列してなる複数のセルスタック３５
と、セルスタック３５間に挿入される酸素含有ガス供給
管３９と、燃料電池セル３３の上方に設けられた熱交換
部４１とが設けられている。

【００１８】収納容器３１は、耐熱性金属からなる枠体
３１ａと、この枠体３１ａの内面に設けられた断熱材３
１ｂとから構成されている。

【００１９】収納容器３１内の燃料電池セル３３は、図
２に示すように、３列に整列しており、隣設した２列の
最外部の燃料電池セル３３の電極同士が導電部材４２で
接続され、これにより３列に整列した複数の燃料電池セ
ル３３が電気的に直列に接続している。尚、図１では燃
料電池セルを４列に整列した状態を記載し、導電部材４
２については省略した。

【００２０】具体的に説明すると、燃料電池セル３３は
断面が扁平状で、全体的に見て楕円柱状であり、その内
部には複数の燃料ガス通過孔３４が形成されている。こ
の燃料電池セル３３は、断面が扁平状で、全体的に見て
楕円柱状の多孔質な金属を主成分とする燃料側電極（内
側電極）３３ａの外面に、緻密質な固体電解質３３ｂ、
多孔質な導電性セラミックスからなる酸素側電極（外側
電極）３３ｃを順次積層し、酸素側電極３３ｃと反対側
の燃料側電極３３ａの外面にインターコネクタ３３ｄを
形成して構成されており、燃料側電極３３ａが支持体と
なっている。

【００２１】即ち、燃料電池セル３３は、断面形状が、
幅方向両端に設けられた弧状部と、これらの弧状部を連
結する一対の平坦部とから構成されており、一対の平坦
部は平坦であり、ほぼ平行に形成されている。これらの
一対の平坦部は、燃料側電極３３ａの平坦部にインター
コネクタ３３ｄ、又は固体電解質３３ｂ、酸素側電極３
３ｃを形成して構成されている。

【００２２】一方の燃料電池セル３３と他方の燃料電池
セル３３との間には板状集電部材４３が介在され、一方
の燃料電池セル３３の燃料側電極３３ａは、該燃料側電
極３３ａに設けられたインターコネクタ３３ｄ、板状集
電部材４３を介して他方の燃料電池セル３３の酸素側電
極３３ｃに電気的に接続されている。尚、図２では、集
電部材４３を簡略化して記載した。

【００２３】板状集電部材４３は、図３に示すように、
燃料電池セル３３の平坦部（側面）に対向して設けられ
る帯状体４３ａと、この帯状体４３ａの対向するそれぞ
れの長辺に形成され、対向する燃料電池セル３３側に突
出して当接する複数の集電片４３ｂとから構成されてい
る。対向する燃料電池セル３３間には、帯状体４３ａの
長さ方向が、燃料電池セル３３の軸長方向（長さ方向）
となるように、１本の板状集電部材４３が介装されてい
る。尚、対向する燃料電池セル３３間に複数の板状集電
部材４３を介装しても良い。

【００２４】このような板状集電部材４３は、帯状母体
の対向する長辺に複数のスリットを略平行に形成し、該
スリット間の集電片４３ｂを対向する燃料電池セル３３
側に交互に突出させて形成され、複数の集電片４３ｂは
対向する燃料電池セル３３の外面にそれぞれ交互に当接
している。

【００２５】即ち、集電片４３ｂは、一方の燃料電池セ
ル３３の平坦部であるインターコネクタ３３ｄと、他方
の燃料電池セル３３の酸素側電極３３ｃ間に配置され、
燃料電池セル３３同士が直列に接続されている。平坦部
に集電片４３ｂが当接しているため、電気的接続を確実
に行うことができる。また、複数の集電片４３ｂはＡｇ
ペーストを介して燃料電池セル３３に接合している。こ
のＡｇペーストは発電時に焼き付けられ、集電片４３ｂ
と燃料電池セル３３のインターコネクタ３３ｄ、酸素側
電極３３ｃに接合し、これにより、集電片４３ｂと燃料
電池セル３３との電気的接続を十分にとることができ
る。集電片４３ｂの幅は、集電特性を向上し、集電片４
３ｂ間に十分に酸素含有ガスを供給するという点から、
２ｍｍ以下が望ましい。

【００２６】図４は、他の板状集電部材１４３を示すも
ので、この板状集電部材１４３は、矩形状板の一端部に
複数のスリットを略平行に形成し、該スリット間の集電
片１４３ａを板状集電部材１４３の両側に交互に突出さ
せ、基部１４３ｂの一端部に複数の集電片１４３ａが形
成された櫛歯形状とされ、複数の集電片１４３ａが対向
する燃料電池セル３３の外面にそれぞれ当接している。

【００２７】これらの板状集電部材１４３は、対向する
燃料電池セル３３間に複数配置されており、対向する燃
料電池セル３３間に基部１４３ｂから挿入され、基部１
４３ｂが下に位置している。

【００２８】対向する燃料電池セル３３間には、図５に
示す板状集電部材１４４を介在せしめても良い。図５に
示す板状集電部材１４４は、複数のスリットを略平行に
形成し、その間の集電片１４４ａを交互に板状集電部材
１４４の両側に突出させて形成された集電片１４４ａ群
を、長さ方向に所定間隔を置いて形成して構成し、基部
１４４ｂと集電片１４４ａを交互に形成して構成されて
いる。図５に示すような板状集電部材１４４では、図４
の板状集電部材１４３よりも燃料電池セル３３間への配
置を簡単に行うことができる。

【００２９】また、図５（ｃ）に示すように、複数の集
電片１４６ａ群を長さ方向に所定間隔を置いて形成し、
一つの集電片１４６ａ群において集電片１４６ａを一つ
おきに一方の燃料電池セル３３の酸素側電極３３ｃ側に
突出させて当接せしめ、その他の平坦な部分を他方の燃
料電池セル３３のインターコネクタ３３ｄに当接せしめ
るようにしても良い。この場合、インターコネクタ３３
ｄとの接合を十分に行うことができる。

【００３０】図６は、さらに他の板状集電部材２４３を
示すもので、この板状集電部材２４３は、矩形状板をＺ
型形状に折曲して構成され、その両端部は略平行とされ
ている。即ち、板状集電部材２４３は、中央部に形成さ
れバネを付与するための連結部２４３ａと、この連結部
２４３ａの両側に形成された略平行の当接部２４３ｂと
から構成されており、板状集電部材２４３の両端部に形
成された当接部２４３ｂが、対向する燃料電池セル３３
の外面にそれぞれ当接している。

【００３１】板状集電部材２４３の当接部２４３ｂには
波形の凹凸が形成されており、当接部２４３ｂに形成さ
れた凹部２４３ｂ１がガス流通方向に形成されている。
図６（ｂ）では、紙面に向かって垂直方向がガス流通方
向となる。ガスは、板状集電部材２４３の当接部２４３
ｂに形成された凹部２４３ｂ１と酸素側電極３３ｃ外面
との間を通過し、ガスの酸素側電極３３ｃ表面への供給
を増加でき、発電性能を向上できる。板状集電部材２４
３は、対向する燃料電池セル３３間に複数配置すること
により、燃料電池セル３３間の集電特性を向上できる。

【００３２】板状集電部材２４３は、対向する燃料電池
セル３３の平坦部であるインターコネクタ３３ｄと、酸
素側電極３３ｃとの間に配置され、燃料電池セル３３同
士が直列に接続されている。平坦部に板状集電部材２４
３の当接部２４３ｂが当接しているため確実に当接し、
電気的接続を確実に行うことができる。

【００３３】図６（ｃ）は板状集電部材２４４の当接部
２４４ｂに複数の凸部２４４ｂ１を点在して形成したも
ので、このような板状集電部材２４４でも同様な効果を
得ることができる。

【００３４】尚、当接部２４３ｂ、２４４ｂは全面がイ
ンターコネクタ３３ｄに当接し、酸素側電極３３ｃに
は、上記したように、当接部２４３ｂ、２４４ｂの酸素
側電極３３ｃ側に突出した部分を当接させても良い。こ
の場合には、当接部２４３ｂ、２４４ｂのインターコネ
クタ３３ｄへの接続固定をさらに確実に行うことができ
る。また、当接部２４３ｂ、２４４ｂに複数のスリット
を形成し、この部分から燃料ガスを酸素側電極３３ｃに
供給することもできる。

【００３５】これらの板状集電部材４３、１４３、１４
４、１４６、２４３、２４４は、導電性を有するＣｒ、
Ｆｅを主成分とするフェライト系ステンレスの表面をＡ
ｇからなる耐酸化性物質で被覆して構成されている。
尚、板状集電部材４３、１４３、１４４、１４６、２４
３、２４４は導電性を有する金属又は合金を主成分とす
るものの表面を耐酸化性物質で被覆したものであれば、
上記したものに限定されるものではない。

【００３６】燃料電池セル３３の下方には、図１に示し
たように、燃料ガスを燃料電池セル３３に供給するため
の燃料ガスタンク４５が設けられ、この燃料ガスタンク
４５には、外部から燃料ガスを燃料ガスタンク４５に供
給するための燃料ガス供給管５１が接続されている。

【００３７】燃料ガスタンク４５には、燃料電池セル３
３の下端部に取り付けられた取付治具５３が螺着してお
り、これにより、燃料電池セル３３が燃料ガスタンク４
５にそれぞれ立設している。即ち、取付治具５３は、燃
料電池セル３３の端部に取り付けられたセル端部側取付
治具５３ａと、両端部がセル端部側取付治具５３ａ及び
燃料ガスタンク４５にそれぞれ螺着する連結部材５３ｂ
とから構成されており、連結部材５３ｂの両端部には向
きが逆のねじ部が形成され、連結部材５３ｂを一方側に
回転させると、両端部がセル端部側取付治具５３ａ及び
燃料ガスタンク４５にそれぞれ螺着するように形成され
ている。

【００３８】セル端部側取付治具５３ａ、連結部材５３
ｂには、燃料ガスタンク４５と燃料電池セル３３の燃料
ガス通過孔３４に連通するように貫通孔が形成されてい
る。

【００３９】そして、上記したように、集電部材４３、
１４３、１４４、１４６、２４３、２４４が隣設する燃
料電池セル３３間に配置されており、集電部材４３、１
４３、１４４、２４３、２４４の弾性力で隣設する燃料
電池セル３３のそれぞれの側面を押圧して電気的に接続
されているが、本発明では、セルスタック３５の広がり
を阻止するため、即ち、隣設する燃料電池セル３３の上
端部の広がりを防止するため、図２、図７に示すよう
に、セルスタック３５の両端、即ち、一列に整列した燃
料電池セル３３の配列方向両端に、セル列毎（セルスタ
ック毎）に拡幅阻止部材５７がそれぞれ設けられてい
る。

【００４０】拡幅阻止部材５７の下端部は、ガスタンク
４５の側面に支持固定されており、一端部がガスタンク
４５に支持された状態で立設している。拡幅阻止部材５
７とセルスタック３５の最も外側に位置する燃料電池セ
ル３３との間には、導電部材４２が介装されている。
尚、図１では拡幅阻止部材５７の記載は省略した。

【００４１】また、図８に示すように、隣設する燃料電
池セル３３間には、その間隔を一定に保持するスペーサ
５９が設けられていることが望ましい。このスペーサ５
９はセルスタック３５両端の拡幅阻止部材５７に設けら
れていることが望ましい。

【００４２】酸素含有ガス供給管３９は、図１に示した
ように、その先端部が燃料電池セル３３間に位置してい
る。発電で用いられなかった余剰の酸素含有ガスは、燃
料電池セル３３間を通って燃料電池セル３３の上方に流
れ、発電で用いられなかった余剰の燃料ガスは、燃料電
池セル３３の燃料ガス通過孔３４を通って燃料電池セル
３３の上方から吹き出し、燃料電池セル３３の上端近傍
において、燃料ガスと酸素含有ガスが反応して燃焼する
ように構成されている。

【００４３】熱交換部４１は、熱交換器４１ａと、セル
スタック３５に対向して設けられた酸素含有ガス収容室
４１ｂとから構成されている。

【００４４】熱交換器４１ａは、図９に示すように、平
板６１と波板６３を交互に積層したプレートフィン型構
造とされており、酸素含有ガス収容室４１ｂと連通する
通路を形成する波板６３ａは、図９（ｂ）に示すように
形成され、また、燃焼ガスの排出用の通路を形成する波
板６３ｂは、図９（ｃ）に示すように形成されている。

【００４５】燃焼ガスは、図１に一点鎖線で示したよう
に熱交換器４１ａの下部側面から導入され、熱交換器４
１ａの上方へ排出され、一方、酸素含有ガスは、図１に
破線で示したように熱交換器４１ａの上部側面から導入
され、熱交換器４１ａの下方へ導かれ、酸素含有ガス収
容室４１ｂ内に導入される。

【００４６】酸素含有ガス収容室４１ｂは、図１０に示
すように、熱交換器４１ａの酸素含有ガスが導入される
側の端面、即ち燃料電池セル３３側端面に設けられてお
り、波板６３ａの各通路を通過した酸素含有ガスが一旦
収容されるようになっている。

【００４７】酸素含有ガス収容室４１ｂには、複数の酸
素含有ガス供給管３９の一端が開口し、連通している。

【００４８】また、図１に示したように、酸素含有ガス
収容室４１ｂの側面と断熱材３１ｂとの間、即ち酸素含
有ガス収容室４１ｂの周囲は、燃焼ガスを熱交換器４１
ａに導入する燃焼ガス導入口７１とされている。この燃
焼ガス導入口７１を介して燃焼ガスが熱交換器４１ａの
波板６３ｂの通路へ導出される。

【００４９】以上のように構成された燃料電池では、外
部からの酸素含有ガス（例えば空気）を酸素含有ガス管
７３を介して熱交換器４１ａに導入し、酸素含有ガス収
容室４１ｂに導入し、酸素含有ガス供給管３９を介して
燃料電池セル３３間に噴出させるとともに、燃料ガス
（例えば水素）を燃料ガス供給管５１を介して燃料電池
セル３３の燃料ガス通過孔３４内に供給し発電させる。

【００５０】発電に用いられなかった余剰の燃料ガスは
燃料ガス通過孔３４の上端から噴出し、発電に用いれら
なかった余剰の酸素含有ガスは燃料電池セル３３間を流
れ、余剰の燃料ガスと余剰の酸素含有ガスを反応させて
燃焼させ、燃焼ガスを発生させ、この燃焼ガスが燃焼ガ
ス導入口７１を介して熱交換器４１ａに導出され、熱交
換器４１ａの上端から排出される。

【００５１】そして、本発明の燃料電池では、バネ性を
有する板状集電部材４３、１４３、１４４、１４６、２
４３、２４４が燃料電池セル３３間を押し広げるように
して対向する燃料電池セル３３の平坦な側面間を機械的
に接続しているため、燃料電池セル３３とは面接触とな
り、従来のようなフェルト状の集電部材よりも燃料電池
セル３３に当接する面積が大きくなり、集電特性を向上
できる。また、集電部材４３、１４３、１４４、１４
６、２４３、２４４は板状であるため弾性力も大きく、
振動等が生じたとしても燃料電池セル３３との十分な接
触を長期間確保できる。

【００５２】また、一方の燃料電池セル３３の側面と、
この側面に当接した集電部材４３、１４３、１４４、１
４６、２４３、２４４間には隙間が形成されているの
で、酸素含有ガスが隙間、酸素側電極３３ｃを介して、
固体電解質３３ｂへ供給され、発電が良好となる。

【００５３】さらに、集電部材４３、１４３、１４４、
１４６、２４３、２４４は板状であるため、収納容器３
１内が高温となった場合でも、従来のフェルト状の集電
部材よりも焼結しにくく、また、燃料電池セル３３との
十分な接触を長期間確保できる。さらに、集電部材４
３、１４３、１４４、１４６、２４３、２４４が板状で
あるため、一方の燃料電池セル３３のインターコネクタ
３３ｄと他方の燃料電池セル３３の酸素側電極３３ｃと
の間に板状集電部材４３、１４３、１４４、１４６、２
４３、２４４を介装する際にも、一方の燃料電池セル３
３と他方の燃料電池セル３３の酸素側電極３３ｃ同士の
導通を確実に防止できる。

【００５４】また、発電に寄与しなかった余剰の燃料ガ
スと酸素含有ガスが反応して燃焼し、この燃焼ガス及び
外部の酸素含有ガスを熱交換器４１ａに導入し、この熱
交換器４１ａで燃焼ガスと酸素含有ガスとの間で熱交換
させ、起動時に酸素含有ガスを予熱することができ、ま
た、酸素含有ガス供給管３９が燃焼ガス中を挿通するこ
とにより、燃焼ガスにより酸素含有ガス供給管３９内の
酸素含有ガスをさらに加熱することができるため、加熱
した酸素含有ガスにより燃料電池セル３３を間接的に加
熱して実質的に発電するまでの起動時間を短縮できる。

【００５５】また、燃料電池セル３３が燃焼ガスを発生
する室に配置されているため、この燃焼ガスにより燃料
電池セル３３を直接加熱することができ、起動時間を短
縮できる。

【００５６】さらに、燃料電池セル３３の上部に酸素含
有ガス収容室４１ｂ、熱交換器４１ａが隣接して形成さ
れているため、高温の燃焼ガスを配管等を用いることな
く熱交換器４１ａに直接導入でき、簡単な構造で酸素含
有ガスの予熱効率を大きくできる。

【００５７】また、収納容器３１内で、燃焼ガスと酸素
含有ガスとを熱交換できるため、酸素含有ガスの予熱を
行うためのバーナーを収納容器３１内に別途設ける必要
がなく、小型にでき、しかも燃焼ガスを有効利用でき
る。

【００５８】さらに、熱交換器４１ａに酸素含有ガス収
容室４１ｂを設けたので、熱交換器４１ａと酸素含有ガ
ス供給管３９との接続を酸素含有ガス収容室４１ｂを介
して行うことができ、熱交換器４１ａからの酸素含有ガ
スを燃料電池セル３３間に確実に供給できる。

【００５９】尚、本発明は上記形態に限定されるもので
はなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可
能である。例えば、上記形態では、図２に示したような
扁平状で複数の燃料ガス通過孔３４を有する燃料電池セ
ル３３を用いて説明したが、燃料電池セルは燃料ガス通
路が一つであっても良く、燃料電池セルの形状は特に限
定されるものではない。

【００６０】また、熱交換器４１ａとしてプレートフィ
ン型を用いたが、本発明ではこれに限定されるものでは
なく、それ以外の熱交換器を用いても良いことは勿論で
ある。

【００６１】さらに、上記例では、燃料電池セル３３を
直列に接続した例について説明したが、並列接続しても
良いことは勿論である。また、燃料側電極３３ａを内側
電極としたが、酸素側電極３３ｃを内側電極としても良
い。

【００６２】

【発明の効果】本発明の燃料電池では、セルスタックに
おける燃料電池セルの配列方向両端に、セルスタックの
広がりを阻止する拡幅阻止部材をそれぞれ設けたので、
集電部材の弾性力で燃料電池セルの側面を押し広げるよ
うにしたとしても、拡幅阻止部材によりセルスタックの
拡幅阻止部材間の距離を一定に維持でき、燃料電池セル
の広がりを阻止して燃料電池セルの変形が抑制され、燃
料電池セルの折損を確実に防止できるとともに、セルス
タックの口開きが抑制され、これにより集電部材による
燃料電池セル間の電気的な接続を長期にわたって維持で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の燃料電池を示す説明図である。

【図２】図１のセルスタックを示す横断面図である。

【図３】板状集電部材を用いて燃料電池セルを接続した
状態を示すもので、（ａ）は側面図、（ｂ）は平面図、
（ｃ）は板状集電部材を示す斜視図である。

【図４】基部の一端部に複数の集電片が形成された櫛歯
形状の板状集電部材を用いて、燃料電池セルを接続した
状態を示すもので、（ａ）は側面図、（ｂ）は板状集電
部材を示す斜視図である。

【図５】複数の集電片群を長さ方向に所定間隔を置いて
形成して構成した板状集電部材を用いて、燃料電池セル
を接続した状態を示すもので、（ａ）は側面図、（ｂ）
は板状集電部材を示す斜視図、（ｃ）は集電片を一方側
のみ突出させた板状集電部材を示す斜視図である。

【図６】Ｚ型形状の板状集電部材を用いて燃料電池セル
を接続した状態を示すもので、（ａ）は斜視図、（ｂ）
は（ａ）の平面図、（ｃ）は当接部に凸部を点在して形
成した板状集電部材を示す斜視図である。

【図７】燃料電池セル間に集電部材が介装されたセルス
タックの両端に拡幅阻止部材を設けた状態を示す側面図
である。

【図８】燃料電池セル間にスペーサを配置した状態を示
すもので、（ａ）は平面図、（ｂ）は拡幅阻止部材にス
ペーサを設けた状態を示す斜視図である。

【図９】図１の熱交換器の概念を説明するための図であ
り、（ａ）は熱交換器の斜視図、（ｂ）は酸素含有ガス
の通路を形成するための波板を示す斜視図、（ｃ）は燃
焼ガスの通路を形成するための波板を示す斜視図であ
る。

【図１０】本発明の熱交換部を説明するための斜視図で
ある。

【符号の説明】

３１・・・収納容器３３・・・燃料電池セル３５・・・セルスタック４２・・・導電部材４３、１４３、１４４、１４６、２４３、２４４・・・
集電部材４５・・・ガスタンク５７・・・拡幅阻止部材５９・・・スペーサ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】配列された複数の燃料電池セルからなるセ
ルスタックを収納容器内に収納してなる燃料電池であっ
て、隣設する前記燃料電池セル間に集電部材を配置し、
該集電部材の弾性力で前記隣設する燃料電池セルのそれ
ぞれの側面を押圧して電気的に接続するとともに、前記
セルスタックにおける前記燃料電池セルの配列方向両端
に、前記セルスタックの広がりを阻止する拡幅阻止部材
をそれぞれ設けたことを特徴とする燃料電池。
【請求項２】燃料電池セルの一端部がガスタンクに支持
された状態で立設していることを特徴とする請求項１記
載の燃料電池。
【請求項３】拡幅阻止部材の一端部がガスタンクに支持
された状態で立設していることを特徴とする請求項１又
は２記載の燃料電池。
【請求項４】収納容器内に複数のセルスタックが収容さ
れており、これらのセルスタック同士を電気的に接続す
る導電部材が、前記セルスタックを構成する燃料電池セ
ルと拡幅阻止部材との間に介装されていることを特徴と
する請求項１乃至３のうちいずれかに記載の燃料電池。
【請求項５】隣設する燃料電池セル間には、間隔を一定
に保持するスペーサが設けられていることを特徴とする
請求項１乃至４のうちいずれかに記載の燃料電池。
【請求項６】セルスタック両端の拡幅阻止部材にスペー
サが設けられていることを特徴とする請求項５記載の燃
料電池。
【請求項７】集電部材は板状であることを特徴とする請
求項１乃至６のうちいずれかに記載の燃料電池。