JP3894849B2 - セルスタックの製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の扁平状の燃料電池セルの一端部をセル支持板の複数のセル挿入孔にそれぞれ挿入固定してなるセルスタックの製法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
次世代エネルギーとして、近年、固体電解質型燃料電池セルを収納容器内に複数収容した燃料電池が種々提案されている。固体電解質型燃料電池セルは、例えば、酸素側電極の表面に固体電解質、燃料側電極を順次形成して構成されており、燃料側電極側に燃料(水素)を流し、酸素側電極側に空気(酸素)を流して600〜1000℃程度で発電される。
【0003】
固体電解質型燃料電池セルは、上記したように、2種のガスを用い、しかも高温に曝されるため、高温においてもガスが漏出しないように、ガスの供給管やセルにおけるシール性について種々の改良がなされている。例えば、特開平8−287940号公報には、収納容器内のガスタンクにガス供給管を気密に接続する構造が開示されており、ガスは燃料電池セル内にガス供給管により供給されている。燃料電池セルは、一般に収納容器内に配置された隔壁に支持固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特開平8−287940号公報に開示された燃料電池では、ガス供給管をガスタンクにガス封止した状態で接続するとともに、燃料電池セル自体も隔壁に固定する必要があり、燃料電池セルの固定法が複雑であり、燃料電池自体が複雑化し、製造工程が多いという問題があった。
【0005】
本発明は、簡単な構造で製造が容易な長寿命のセルスタックの製法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のセルスタックの製造方法は、複数の扁平状の燃料電池セルの一端部をセル支持板の複数のセル挿入孔にそれぞれ挿入固定し、前記セル支持板に前記複数の扁平状の燃料電池セルを立設してなるセルスタックの製法であって、前記セル挿入孔がセル立設側に向けて先細形状に形成され、かつその内壁面の少なくとも一部が凹曲面に形成されたセル支持板、及び一端部に、前記セル挿入孔のセル立設側の孔径よりも大きく、かつ凸曲面を有する係合突出部が形成された燃料電池セルを準備し、前記セル挿入孔に前記燃料電池セルの他端部をセル立設側に向けて挿入し、前記係合突出部の凸曲面を前記セル挿入孔の凹曲面に係合させた状態で揺動させ、前記セルの間隔を調整した後、前記燃料電池セルと前記セル支持板とを接合固定することを特徴とするものである。
【0008】
即ち、例えば、セル支持板をセル挿入孔の孔径が大きい方を上にして固定し、このセル支持板のセル挿入孔内に、燃料電池セルの他端部から挿入し、セル挿入孔内の凹曲面に燃料電池セルの一端部に形成された係合突出部の凸曲面を係合させた状態で揺動させ、セル支持板から突出した複数の扁平状の燃料電池セル間の間隔を一定にし、この状態で、例えば、セル挿入孔内の凹曲面と係合突出部の凸曲面との間に介在されたガラス等の接着剤を加熱し、接合することができる。
【0009】
従って、セル支持板の複数のセル挿入孔内に燃料電池セルをそれぞれ挿入した後、加熱することにより一挙に複数の扁平状の燃料電池セルを接合固定でき、容易にセルスタックを作製できる。
【0010】
また、一般に、燃料電池セルは内側電極の外面に固体電解質、外側電極が形成されており、内側電極に電気的に接続されたインターコネクタが外部に露出しており、対向する燃料電池セルは、一方の燃料電池セルのインターコネクタと、他方の外側電極の間にNiフェルトや金属板等の導電性板からなる集電部材を配置し、電気的に直列に接続されるが、本発明では、上記したように、セル支持板から突出した複数の扁平状の燃料電池セル間の間隔を一定にした状態で燃料電池セルを固定できるため、燃料電池セル間に配置される集電部材の厚みは一定で良く、対向する燃料電池セル間のそれぞれの距離に対応するように集電部材の厚みを設定する必要がない。これにより、導電性板からなる集電部材を有効に用いることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の燃料電池の一形態を示すもので、符号31は断熱構造を有する収納容器を示している。この収納容器31の内部には、複数の燃料電池セル33が集合したセルスタック35と、燃料電池セル33間に挿入される酸素含有ガス供給管39と、セルスタック35の上方に設けられた熱交換部41とから構成されている。
【0014】
収納容器31は、耐熱性金属からなる枠体31aと、この枠体31aの内面に設けられた断熱材31bとから構成されている。
【0015】
セルスタック35は、例えば、図2に示すように、複数の燃料電池セル33を3列に整列させ、隣設した2列の最外部の燃料電池セル33の電極同士が導電部材42で接続され、これにより3列に整列した複数の燃料電池セル33が電気的に直列に接続している。尚、図1では、複数の燃料電池セル33を4列に整列させている。
【0016】
具体的に説明すると、図2に示したように、燃料電池セル33は扁平状であり、その内部には複数の燃料ガス通過孔34が形成されている。この燃料電池セル33は、楕円柱状(扁平状)の多孔質な金属を主成分とする燃料側電極33aの外面に、緻密質な固体電解質33b、多孔質な導電性セラミックスからなる酸素側電極33cを順次積層し、酸素側電極33cと反対側の燃料側電極33aの外面にインターコネクタ33dを形成して構成されており、燃料側電極33aが支持体となっている。
【0017】
即ち、燃料電池セル33は、断面形状が、幅方向両端に設けられた弧状部Aと、これらの弧状部Aを連結する一対の平坦部Bとから構成されており、一対の平坦部Bは平坦であり、ほぼ平行に形成されている。これらの一対の平坦部Bは、燃料側電極33aの平坦部にインターコネクタ33d、又は固体電解質33b、酸素側電極33cを形成して構成されている。
【0018】
一方の燃料電池セル33と他方の燃料電池セル33との間には、金属フェルト、及び/又は金属板、導電性セラミックス等の導電性板からなる集電部材43を介在させ、一方の燃料電池セル33の燃料側電極33aを、該燃料側電極33aに設けられたインターコネクタ33d、集電部材43を介して他方の燃料電池セル33の酸素側電極33cに電気的に接続して、セルスタック35が構成されている。
【0019】
複数の燃料電池セル33の下端部は、図1に示したように、燃料ガスタンク50の天板を構成するセル支持板50aに支持固定されており、これにより燃料電池セル33の下端部が燃料ガスタンク50に支持固定され、立設している。燃料ガスタンク50には、燃料電池セル33内部に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給管51が設けられている。
【0020】
燃料ガスタンク50のセル支持板50aには、図3に示すように、燃料電池セル33の下端部が挿入固定される複数のセル挿入孔50a1が形成され、これらのセル挿入孔50a1はセルが立設する側(以下セル立設側という)に向けて先細形状に形成されており、その内壁面は凹曲面とされている。
【0021】
即ち、セル挿入孔50a1の内壁面は、燃料電池セル33の平坦部B側が断面円弧状の凹曲面とされており、セル立設側のセル挿入孔50a1には、セル立設側に向けて拡径する傾斜面Sが形成されている。
【0022】
一方、燃料電池セル33の一端部には、セル挿入孔50a1のセル立設側の孔径よりも大きい、凸曲面を有する係合突出部57が形成されており、燃料電池セル33の係合突出部57の凸曲面をセル挿入孔50a1の内壁面の凹曲面に係合せしめた状態で、ガラス59で接合され、セルスタック35が構成されている。
【0023】
尚、凹曲面はセル挿入孔50a1の内壁面の一部に形成されていても良く、また、燃料電池セル33の係合突出部57の凸曲面も係合突出部57の一部に形成されていても良く、セル挿入孔50a1の凹曲面と係合突出部57の凸曲面が少なくとも係合し、燃料電池セル33が、対向する平坦部B方向にある程度揺動可能であれば良い。係合突出部57は半円柱であり、その曲面部には燃料電池セル33が挿通する孔が形成されている。
【0024】
このようなセルスタック35は、以下のようにして形成される。先ず、一端部に係合突出部57が形成された燃料電池セル33と、セル挿入孔50a1が形成されたセル支持板50aを準備し、図4に示すように、セル挿入孔50a1の傾斜面Sが形成された側を下にして、即ち、セル挿入孔59a1の孔径が大きい方を上にしてセル支持板50aを固定し、このセル支持板50aのセル挿入孔50a1内に、燃料電池セル33の他端部、即ち、係合突出部57が形成されていない側から挿入し、セル支持板50aから突出した複数の燃料電池セル33の平坦部B間の間隔がほぼ一定となるように燃料電池セル33を揺動して調整し、この状態で係合突出部57の凸曲面とセル挿入孔59a1の凹曲面との間をガラス59で接合して作製される。
【0025】
従って、複数の燃料電池セル33をセル支持板50aに一挙に接合固定することができるとともに、例えば、燃料電池セル33がセル製造工程で少々変形した場合でも、燃料電池セル33をその平坦部B方向に揺動させることにより、燃料電池セル33の平坦部B間の距離をほぼ一定に調整することができ、例えば、金属板等の導電性板からなる集電部材43を燃料電池セル33間に容易に介装することができる。或いは、集電部材43を複数の燃料電池セル33の平坦部B間に介装した後、係合突出部57の凸曲面とセル挿入孔50a1の凹曲面との間をガラス59で接合してセルスタック35を形成しても良い。
【0026】
そして、このセルスタック35は、図3に示したように、ガスタンク50の天板を構成しており、セルスタック35は、セル支持板50aを密封するようにガスタンク50を構成する枠体に螺着されたり、接合されている。
【0027】
図5は、金属板、合金板、導電性セラミックス等の導電性板からなる集電部材43を、燃料電池セル33間に介在せしめたもので、集電部材43は、矩形状板の一端部に複数のスリットを略平行に形成し、該スリット間の集電片43aを集電部材43の両側に交互に突出させ、基部43bの一端部に複数の集電片43aが形成された櫛歯形状とされ、複数の集電片43aが対向する燃料電池セル33の外面にそれぞれ当接している。
【0028】
即ち、集電片43aは、対向する燃料電池セル33の平坦部であるインターコネクタ33dと、酸素側電極33c間に配置され、燃料電池セル33同士が直列に接続されている。平坦部Bに集電片43aが当接しているため確実に当接し、電気的接続を確実に行うことができる。また、複数の集電片43aはAgペーストを介在して燃料電池セル33に接合している。このAgペーストは発電時に焼き付けられ、集電片43aと燃料電池セル33のインターコネクタ33dと酸素側電極33cに接合し、これにより、集電片43aと燃料電池セル33との電気的接続を十分にとることができる。集電片43aの幅は、集電特性を向上し、集電片43a間に十分に酸素含有ガスを供給するという点から、2mm以下が望ましい。
【0029】
これらの集電部材43は、対向する燃料電池セル33間に複数配置されており、対向する燃料電池セル33間に基部43bから挿入され、基部43bが下に位置している。これらの集電部材43は、導電性を有するCr、Feを主成分とするフェライト系ステンレスの表面をAgからなる耐酸化性物質で被覆して構成されている。尚、集電部材43は導電性を有する金属又は合金を主成分とするものの表面を耐酸化性物質で被覆したものであれば、上記したものに限定されるものではない。
【0030】
対向する燃料電池セル33間には、図6に示す集電部材44を介在せしめても良い。図6に示す集電部材44は、複数のスリットを略平行に形成し、その間の集電片44aを交互に集電部材44の両側に突出させて形成された集電片44a群を、長さ方向に所定間隔を置いて形成して構成し、基部44bと集電片44aを交互に形成しても良い。図6に示すような集電部材44では、図5の集電部材43よりも燃料電池セル間への配置を簡単に行うことができる。
【0031】
また、図6(c)に示すように、複数の集電片46a群を長さ方向に所定間隔を置いて形成し、一つの集電片46a群において集電片46aを一つおきに一方の燃料電池セル33の酸素側電極33c側に突出させて当接せしめ、その他の平坦な部分を他方の燃料電池セル33のインターコネクタ33dに当接せしめるようにしても良い。この場合、インターコネクタ33dとの接合を十分に行うことができる。
【0032】
酸素含有ガス供給管39は、図1に示したように、その先端部が燃料電池セル33間に位置している。
【0033】
熱交換部41は、熱交換器41aと、セルスタック35に対向して設けられた酸素含有ガス収容室41bとから構成されている。
【0034】
熱交換器41aは、図7に示すように、平板61と波板63を交互に積層したプレートフィン型構造とされており、酸素含有ガス収容室41bと連通する通路を形成する波板63aは、図7(b)に示すように形成され、また、燃焼ガスの排出用の通路を形成する波板63bは、図7(c)に示すように形成されている。
【0035】
燃焼ガスは、図1に一点鎖線で示したように熱交換器41aの下部側面から導入され、熱交換器41aの上方へ排出され、一方、酸素含有ガスは配管73により、図1に破線で示したように熱交換器41aの上部側面から導入され、熱交換器41aの下方へ導かれ、酸素含有ガス収容室41b内に導入される。
【0036】
酸素含有ガス収容室41bは、図8に示すように、熱交換器41aの酸素含有ガスが導入される側の端面、即ちセルスタック側端面に設けられており、波板63aの各通路を通過した酸素含有ガスが一旦収容されるようになっている。
【0037】
酸素含有ガス収容室41bには、複数の酸素含有ガス供給管39が連通している。
【0038】
また、図1に示したように、酸素含有ガス収容室41bの側面と断熱材31bとの間、即ち酸素含有ガス収容室41bの周囲は、燃焼ガスを熱交換器41aに導入する燃焼ガス導入口71とされている。この燃焼ガス導入口71を介して燃焼ガスが熱交換器41aの波板63bの通路へ導出される。
【0039】
以上のように構成された燃料電池では、外部からの酸素含有ガス(例えば空気)を配管73により熱交換器41aに導入し、酸素含有ガス収容室41bに導入し、酸素含有ガス供給管39を介して燃料電池セル33間に噴出させるとともに、燃料ガス(例えば水素)を、燃料ガス供給管51、ガスタンク50を介して燃料電池セル33の燃料ガス通過孔34内に供給し、燃料電池セル33において発電させる。
【0040】
発電に用いられなかった余剰の燃料ガスは燃料ガス通過孔34の上端から噴出し、発電に用いれらなかった余剰の酸素含有ガスは燃料電池セル33間を介して上方に噴出し、余剰の燃料ガスと余剰の酸素含有ガスを反応させて燃焼させ、燃焼ガスを発生させ、この燃焼ガスが燃焼ガス導入口71を介して熱交換器41aに導出され、熱交換器41aの上端から排出される。
【0041】
そして、本発明の燃料電池では、セルスタック35を、複数の燃料電池セル33をセル支持板50aに一挙に接合固定することにより作製でき、例えば、金属板等の導電性板からなる集電部材43を燃料電池セル33間に容易に介装でき、セルスタック35を簡単な構造で容易に製造でき、これにより燃料電池も簡単な構造で容易に製造できる。さらに、燃料電池セル間の距離を自由に制御できるため、集電部材43との電気的な接合を確実に確保でき、長寿命の燃料電池を得ることができる。
【0042】
また、発電に寄与しなかった余剰の燃料ガスと酸素含有ガスが反応して燃焼し、この燃焼ガス及び外部の酸素含有ガスを熱交換器41aに導入し、この熱交換器41aで燃焼ガスと酸素含有ガスとの間で熱交換し、酸素含有ガスを予熱することができるため、燃料電池セル33を加熱して実質的に発電するまでの起動時間を大幅に短縮できる。
【0043】
さらに本発明では、セルスタック35の上方に酸素含有ガス収容室41b、熱交換器41aが隣接して形成されているため、燃焼した高温の燃焼ガスを、配管等を用いることなく熱交換器41aに直接導入でき、簡単な構造で酸素含有ガスの予熱効率を大きくできる。
【0044】
また、収納容器31内で、燃焼ガスと酸素含有ガスとを熱交換できるため、酸素含有ガスの予熱を行うためのバーナーを別途設ける必要がなく、小型にでき、しかも燃焼ガスを有効利用できる。
【0045】
さらに、熱交換器41aに酸素含有ガス収容室41bを設けたので、熱交換器41aと酸素含有ガス供給管39との接続を酸素含有ガス収容室41bを介して行うことができ、熱交換器41aからの酸素含有ガスを燃料電池セル33間に確実に供給できる。
【0046】
尚、本発明は上記形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記形態では、図2に示したような楕円柱状で複数の燃料ガス通過孔34を有する燃料電池セル33を用いてセルスタック35を構成した例について説明したが、燃料電池セルは円筒状で、燃料ガス通過孔が一つであっても良く、燃料電池セルの形状は特に限定されるものではない。
【0047】
図9は、円筒状の燃料電池セル93をセル支持板95に接合する場合について記載したもので、燃料電池セル93の一端部には、球状の係合突出部97が設けられ、セル支持板95のセル挿入孔95a1の凹曲面に燃料電池セル93の係合突出部97の凸曲面が係合し、接合されている。係合突出部97は球体に燃料電池セル93が挿通する貫通孔が形成された構造とされている。このようなセルスタックでも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0048】
図10は、本発明のセルスタック101のセル支持板103を燃料ガスタンク105に接合したもので、このセルスタック101は、燃料電池セル107の一端部に係合突出部109が形成されており、この係合突出部109の凸曲面の一部が、セル支持板103のセル挿入孔111の凹曲面に係合し、ガラス113で接合されている。
【0049】
係合突出部109は円柱体の側面に燃料電池セルが挿通する孔が形成された構造とされ、燃料電池セル107の一端と燃料ガスタンク105の天板との間には隙間が形成され、さらに燃料ガスタンク105の天板には、燃料ガスを燃料電池セル107のガス通過孔117に供給するための貫通孔119が形成されている。
【0050】
このようなセルスタック101はガスタンク105上に接合されているため、図3のセルスタックとほぼ同様の作用効果を有する。
【0051】
また、熱交換器41aとしてプレートフィン型を用いたが、本発明ではこれに限定されるものではなく、それ以外の熱交換器を用いても良いことは勿論である。
【0052】
【発明の効果】
本発明のセルスタックの製造方法は、セル支持板をセル挿入孔の孔径が大きい方を上にして固定し、このセル支持板のセル挿入孔内に、複数の扁平状の燃料電池セルを、その他端部から挿入し、セル挿入孔内の凹曲面に燃料電池セルの一端部に形成された係合突出部の凸曲面を係合させた状態で揺動させ、セル支持板から突出した複数の扁平状の燃料電池セル間の間隔を一定にし、この状態で、例えば、セル挿入孔内の凹曲面と係合突出部の凸曲面との間に介在されたガラス等の接合材を加熱し、接合することができ、セル支持板の複数のセル挿入孔内に燃料電池セルをそれぞれ挿入した後、加熱することにより一挙に複数の扁平状の燃料電池セルを燃料電池セルとセル支持板とを接合固定でき、容易にセルスタックを作製できる。
【0053】
さらに、燃料電池セル間の間隔が調整されているため、導電性板からなる集電部材が介装される場合でも、燃料電池セル間の電気的接続を確実に、かつ長期に渡って維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池を示す説明図である。
【図2】図1のセルスタックを示す横断面図である。
【図3】燃料ガスタンクの天板をセル支持板とし、燃料ガスタンクに燃料電池セルを立設した状態を示す一部切欠斜視図である。
【図4】本発明のセルスタックの製法を説明するための一部切欠斜視図である。
【図5】基部の一端部に複数の集電片が形成された櫛歯形状の集電部材を用いて、燃料電池セルを接続した状態を示すもので、(a)は側面図、(b)は集電部材を示す斜視図である。
【図6】複数の集電片群を長さ方向に所定間隔を置いて形成して構成した集電部材を用いて、燃料電池セルを接続した状態を示すもので、(a)は側面図、(b)は集電部材を示す斜視図、(c)は集電片を一方側のみ突出させた集電部材を示す斜視図である。
【図7】図1の熱交換器の概念を説明するための図であり、(a)は熱交換器の斜視図、(b)は酸素含有ガスの通路を形成するための波板を示す斜視図、(c)は燃焼ガスの通路を形成するための波板を示す斜視図である。
【図8】本発明の熱交換部を説明するための斜視図である。
【図9】円筒状の燃料電池セルをセル支持板に接合した状態を示す一部切欠斜視図である。
【図10】燃料ガスタンクの上面にセルスタックが立設された状態を示す一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
31・・・収納容器
33、93、107・・・燃料電池セル
33a・・・燃料側電極(内側電極)
33b・・・固体電解質
33c・・・酸素側電極(外側電極)
50、105・・・燃料ガスタンク
35、101・・・セルスタック
50a、95、103・・・セル支持板
50a1、111・・・セル挿入孔
57、97、109・・・係合突出部
S・・・セル挿入孔の傾斜面
Claims (1)
- 複数の扁平状の燃料電池セルの一端部をセル支持板の複数のセル挿入孔にそれぞれ挿入固定し、前記セル支持板に前記複数の扁平状の燃料電池セルを立設してなるセルスタックの製法であって、前記セル挿入孔がセル立設側に向けて先細形状に形成され、かつその内壁面の少なくとも一部が凹曲面に形成されたセル支持板、及び一端部に、前記セル挿入孔のセル立設側の孔径よりも大きく、かつ凸曲面を有する係合突出部が形成された燃料電池セルを準備し、前記セル挿入孔に前記燃料電池セルの他端部をセル立設側に向けて挿入し、前記係合突出部の凸曲面を前記セル挿入孔の凹曲面に係合させた状態で揺動させ、前記セルの間隔を調整した後、前記燃料電池セルと前記セル支持板とを接合固定することを特徴とするセルスタックの製法。
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