JP2001110435A - 開端部保護手段を備えた固体酸化物燃料電池 - Google Patents

開端部保護手段を備えた固体酸化物燃料電池

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JP2001110435A JP2000273713A JP2000273713A JP2001110435A JP 2001110435 A JP2001110435 A JP 2001110435A JP 2000273713 A JP2000273713 A JP 2000273713A JP 2000273713 A JP2000273713 A JP 2000273713A JP 2001110435 A JP2001110435 A JP 2001110435A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧動作時における燃料電池開端部の空気電
極カソードの還元抵抗性を増加して管状固体酸化物燃料
電池の寿命を延長する。 【解決手段】 開端部(42)に、該開端部を越えて延
びるスリーブ(60,64)を嵌着する。該スリーブ
は、気体燃料に対して反応性の金属酸化物を含むため、
燃料が逆流しても空気電極に接触して該電極を劣化する
ことはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【政府契約】アメリカ合衆国政府は、アメリカ合衆国エ
ネルギー省との間で締結された契約第DE−FC26−
99FT―34139号に従って、本発明に関し権利を
享有する。
【0002】
【発明の分野】本発明は、特に加圧動作時における燃料
電池開端部の空気電極カソードの還元抵抗性を増加する
ことにより管状固体酸化物燃料電池の寿命の延長化に関
する。
【0003】
【発明の背景】燃料電池発電装置の管状固体酸化物燃料
電池の動作は、当該技術分野において良く知られてお
り、例えば、米国特許第4,395,468号(Isenbe
rg);4,664,986号(Draper, et al.)及び
5,573,867号(Zafred, etal.)に開示されて
いる。これらの文献によると、発電装置は、酸化剤入口
チェンバと、燃料入口チェンバとが燃焼領域または空気
予熱チェンバにより分離された構造である。管状固体酸
化物電解質燃料電池は、燃焼領域または空気予熱チェン
バから燃料チェンバを貫通する。本明細書中の用語「管
状」は、円形だけでなく、米国特許第4,874,67
8号(Reichner)に開示されているような、複数の内部
酸化剤通路を有する平板状の構成を包含するものと定義
する。管状固体酸化物燃料電池は、燃料チェンバ内の閉
端部と、燃焼領域または空気予熱チェンバ内の開端部と
を有し、消耗状態の酸化剤が燃料電池開端部から流出し
て消耗状態の燃料と結合し燃焼することによって、酸化
剤供給管及びこれらの供給管を流れる酸化剤を予熱す
る。燃料電池は、燃料流と接触する外側電極、即ち「燃
料電極」アノードと、通常は空気である酸化剤の流れと
接触する内側支持電極、即ち「空気電極」カソードとを
有する。これらの電極は、固体酸化物セラミックのイオ
ン伝導性電解質により分離され、燃料電池の動作温度は
約900℃乃至1300℃である。空気電極は、ドーピ
ングを施したLaMnO3で形成するのが一般的であ
る。
【0004】発電用として現在開発中の固体酸化物燃料
電池(SOFC)システムは、効率が高いこと、廃棄ガ
スによる汚染が極少量であること、多種の燃料の使用に
よる運転が容易なこと等の利点を有する。気体状及び液
体状の炭化水素燃料により作動可能な幾つかのSOFC
発電装置が製造されて、電池やシステム構成要素の性能
及び長期間安定性の評価のための現場試験が行われてい
る。SOFC発電装置を加圧モードでガスタービン発電
装置と一体化し、動作させる方法には高効率の動作が得
られる可能性がある。加圧状態でSOFC発電装置を動
作させるとカソード側の分極損が減少するという利点が
あるが、加圧下での電池の動作には逆流及び過渡状態に
おける危険を増加させる可能性がある。
【0005】電池のアノード側とカソード側との間の圧
力のバランス状態が崩れると、これらの両側の間にガス
の流れが発生し、酸素がアノード側に流入するか、ある
いは燃料ガスが電池内側のカソード上を流れることにな
る。燃料ガスがカソード上を流れると、ドーピングを施
したLaMnO3が還元され、それと同時に体積が変化
して、材質に割れを生ぜしめ電池の故障につながりかね
ない応力が発生する。燃料電池発電装置は何百個という
燃料電池により構成される場合があることを考えると、
これは由々しき問題である。かかる割れの問題を抑制す
る主な方法として、標準的な作動状態を維持して燃料ガ
スを電池の内側から隔離する方法がある。しかしなが
ら、突然減圧が生じた場合に起こるような逆流状態の下
では、この方法それらの問題の解決にはならない。従っ
て、燃料が燃料電池の開端部内に侵入して内側空気電極
を劣化させるという問題を永久に解決する必要がある。
本発明の主要目的は、耐熱衝撃性を有するスリーブを設
けることにより、内側空気電極が動作時また逆流状態時
に燃料と接触して劣化するのを防止してこの電極を保護
することにある。
【0006】
【発明の概要】上記目的は、外側燃料電極、内側空気電
極及びそれらの間の固体酸化物電解質より成り、開端部
と閉端部とを有し、開端部に、燃料電池の開端部を越え
て延びるスリーブが嵌着されており、該スリーブは、気
体燃料に対して反応性の金属酸化物を含むことを特徴と
する固体酸化物燃料電池により達成される。 スリー
ブは、ZrO2、Al23、NiO、SiO2及びそれら
の混合物より成るかまたはそれらを被覆され、燃料電池
の開端部を越えて、燃料電池の外径の少なくとも半分の
長さ、好ましくは、3倍を越えない長さだけ延びる。か
かるスリーブ付きの燃料電池を複数個、燃料電池発電装
置の発電チェンバ内に配置し、空気のような気体状酸化
剤と天然ガスのような気体状燃料の環境内で作動するこ
とができる。
【0007】本発明はまた、(a)燃料入口チェンバ及
び空気予熱チェンバを含む複数のチェンバを画定するハ
ウジング手段と、(b)内側空気電極及び外側空気電極
を備え、閉端部が燃料入口チェンバ内に、また開端部が
空気予熱チェンバ内に位置する活性長部分を有し、開端
部が発電装置の運転中断時に燃料ガスの侵入を受けやす
い複数の細長い燃料電池と、(c)気体状酸化剤を燃料
電池を介して空気予熱チェンバへ流入させる手段と、
(d)気体状燃料を燃料入口チェンバ内の燃料電池の周
りに流す手段とより成り、各燃料電池の開端部は該開端
部に嵌着したスリーブを有し、該スリーブは開端部を越
えて延び、気体状燃料に対して反応性の金属酸化物を含
み、該金属酸化物は気体状燃料と反応して内側空気電極
の還元を阻止することを特徴とする高温固体電解質燃料
電池発電装置に係わる。
【0008】スリーブの機能は、燃料の漏洩が過大にな
るかあるいは急激な減圧が生じた場合に来た気体状燃料
がカソード管の内部に拡散・侵入する通路長を増加する
ことにある。このスリーブは、通常は電池の端部で生じ
る燃料と空気の結合による燃焼が高い耐熱衝撃性を有す
るスリーブの端部で確実に生じるようにするため、この
スリーブにたとえ割れが生じても電池の作動に影響はな
い。また、金属酸化物を被覆すると、スリーブは金属酸
化物被膜の触媒還元によりカソードに到達する燃料ガス
の量を減少することができる。
【0009】
【好ましい実施例の説明】図1は、気密の外側圧力ハウ
ジング12を有する燃料電池発電装置10を示す。この
ハウジング12は、燃料入口チェンバ14及び燃焼領域
または空気予熱チェンバ16を含む複数のチェンバを取
囲んでいる。酸化剤入口チェンバ18もこのハウジング
12内に含まれる。別の方法として、酸化剤を供給管2
0内に分岐させる他の手段を用いても良い。ハウジング
12は、好ましくは、合金鋼で形成され、全体を通して
低密度のアルミナ繊維断熱材のような断熱材(図示せ
ず)で内張りされている。24で示すような燃料入口ポ
ート、26のような空気入口ポート、排気出口ポート、
並びに電気リード線29(図示せず)のためのポート
が、ハウジング12と断熱材を貫通する。
【0010】燃料入口チェンバ14は、燃料電池スタッ
クのライナー31の端壁30と、多孔質隔壁32、3
2’の間を延びている。空気予熱チェンバ16は、一方
の多孔質隔壁32と、管板34のような管支持構造体と
の間を延びている。多孔質隔壁32は、圧力が大気圧よ
りわずかに高い状態の燃料入口チェンバ14と、それよ
りもわずかに低い圧力の空気予熱チェンバ16との間で
拡散流が生じるように設計されている。発電装置10
は、垂直または直立状の配置で示してある。
【0011】高温管状固体酸化物電解質燃料電池40
は、改質デバイダ41と同様に、燃料入口チェンバ14
内に収容されている。この図では、中央の燃料電池がそ
の詳細部分を示すために拡大してある。燃料電池は、予
熱チェンバ16内に開端部42を、また燃料入口チェン
バ14内に閉端部44を有する。燃料電池は好ましくは
管状であり、固体酸化物電解質が空気電極と燃料電極の
間に介在している。各電池は、燃料入口チェンバ14内
に収容されている電気化学的に活性な長さ部分を有す
る。個々の電池は約1ボルト(開放回路)の電圧を発生
し、本明細書の一部として引用する米国特許第4,39
5,468号に詳説されているように、複数の燃料電池
を、好ましくは直列−並列の正方形アレー状に電気的に
相互接続する。
【0012】中央の燃料電池について図1に示すよう
に、供給管20は、好ましくは、管板34にその一端を
非剛性的に支持されている。管板34は、好ましくは、
インコネル(またはニッケル合金材)であり、管板に形
成した孔部に供給管20が緩く嵌着されるため自由な熱
膨脹が可能である。供給管20は、好ましくはアルミナ
より成り、管板は低密度アルミナ(図示せず)のような
断熱材の層で保護されている。限られた量の酸化剤の漏
洩が許容される。
【0013】供給管20は管板34から燃料電池40の
開端部42内へ延び、そこでは、単一の導管20が単一
の燃料電池内に同軸的に配置される。各導管20は、電
池の閉端部44まで延びる。電池スタックの実際の支持
構造は、発電装置の動作時の姿勢により決まる。導管2
0は開端部を有し、燃料電池の閉端部44から離隔して
いる。消耗状態の燃料の通過を許容する多孔質隔壁3
2、32’は、好ましくは、多孔質セラミックの整流板
であり、例えば、アルミナ繊維の板または、セラミック
ウールのプラグのような多孔質挿入物を有するセラミッ
クプレートのセグメントであって、各燃料電池40を取
囲む。
【0014】動作時、空気Oのような酸化剤が入口ポー
ト26を介して入口チェンバ18へ流入する。チェンバ
18は、個々の導管20の入口マニホルドとして機能す
る。予熱された空気は、約600℃乃至700℃の温度
で導管に流入する。空気は、供給管内において予熱チェ
ンバ16を通過する間に、さらに約900℃の温度に加
熱される。その後、空気は導管を流下して約1000℃
の温度にさらに加熱され、その底部の開端部を介して燃
料電池40内に放出される。燃料電池内の空気は、その
活性長さ部分に沿って燃料電池のカソードで電気化学的
に反応するため、電池の開端部42に近づくにつれて酸
素含有量が幾分減少した消耗状態となる。消耗状態の空
気は、燃焼生成物または予熱チェンバ16内に放出され
て排気流を形成し、排気出口ポート28を介して発電装
置から流出する。
【0015】動作時、水素または一酸化炭素と水素の混
合物のような燃料Fは、燃料入口ポート24を介して燃
料チェンバ14に流入するが、イジェクター27を介し
て改質要素33を有する改質チェンバ25内に流入す
る。イジェクター27を介して流入する際、隔壁32と
32’の間の再循環プレナムを介して反応済みの燃料3
5が添加される。燃料は燃料電池の外側の周りを流れ、
アノードで電気化学的に反応する。燃料は、多孔質隔壁
32に近づくにつれて消耗する。燃料含有量が最初の値
の約5%乃至15%となった消耗状態の燃料は、隔壁3
2、32’を拡散して、空気予熱チェンバ16に流入す
る。従って、スリーブ60または64が存在しない場
合、燃料は、燃料電池の開端部42に流入してこれと接
触する。圧力が安定しない状況下、あるいは空気流が停
止した結果空気の閉塞状態が存在する場合に、燃料が逆
流して、開端部42内に侵入し、燃料電池40の内部深
くに入り込むことがある。
【0016】酸素が消耗した空気と、燃料を含む燃焼生
成物と、管板34を介して予熱チェンバ16内に漏洩し
た空気とが結合すると、直接、発熱反応を生じる。燃料
を完全燃焼させる反応の熱と、消耗状態の燃料と空気の
かなりの熱とを利用することにより、導管20を介して
流入する空気を予熱する。排気ガスは、約900℃の温
度で排気出口ポート28を介して排出される。上述した
発電装置は非加圧モード、またはガスタービン発電機と
共に加圧モードで作動することができる。
【0017】図1に示すように、燃料電池40の開端部
42には、スリーブ60又は64が固着されている。こ
のため、空気電極の表面は燃焼済み燃料ガスと接触せ
ず、空気に露出された状態を保持する。空気流が中断
し、燃料流が短時間(弁動作の反応時間)の間流れ続け
る場合、スリーブの金属酸化物またはスリーブ上に支持
された金属酸化物の被膜が、燃料を燃焼させるための酸
素を提供することにより、空気電極の還元を阻止し、こ
れを保護する。NiOを被覆した編組み繊維のアルミナ
(Al23)及び射出成形したZrO2より成るセラミ
ックのスリーブを製作し、通常の状態、及び発電装置が
逆流するのをシミュレーションした状態で熱的テストを
実施した。テスト後の検査結果は、スリーブ60及び6
4が燃料電池の端部を割れから保護し、スリーブ上での
金属酸化物の存在により燃料が酸化されて燃料電池の開
端部の温度が減少することを示している。図2(a)及
び3(a)は、燃料Fがバランスがくずれた動作期間に
おいてスリーブと燃料電池の組立体に侵入する態様を示
す。
【0018】スリーブ60また64は、さらに以下に述
べる特性を有する。(1)高温環境に対する耐性が優れ
ている(通常の運転状態では1000℃、水素が燃焼す
る雰囲気中では最高1200℃乃至1300℃);
(2)酸化性雰囲気及び還元性雰囲気の両方に対する耐
性が優れている;(3)電気的絶縁及び化学的耐性が優
れている;(4)燃料電池開端部の幾何学的形状(卵
形、端縁部の不規則形状、局部的薄肉化に対する適応性
が優れている;(5)厳しい熱的勾配及び衝撃に対する
余裕がある。
【0019】本発明を、限定的でない例につきさらに詳
説する。
【0020】
【実施例】2つのタイプのスリーブを製作し、SOFC
においてテストを実施した。第1のタイプは射出成形し
たジルコニアZrO2製の剛性のスリーブであった。こ
のスリーブの形状は、燃料電池の開端部に嵌装する設計
であった。スリーブは、りん酸アルミニウムの接着剤に
より電池に固着した。スリーブ60のような図1に示す
スリーブを、図2(a)及び図2(b)にさらに詳示す
る。第2のタイプは、高純度の連続するアルミナ(Al
23)繊維の織糸により製作した可撓性の薄いスリーブ
であった。アルミナの繊維は、例えば引張り強度が高
く、引張り係数が大きいため編組みに非常に好適である
等優れた機械的特性をゆうすることにより選択した。石
英(SiO2)及び適度な純度のアルミナも使用可能で
ある。編組みしたスリーブを適当な長さに切断し、特殊
形状のテフロン(登録商標)のマンドレルの周りで成形
した後、硬化接着剤を塗布した。接着剤は、りん酸アル
ミニウム1部と、アルミナ2部及び脱イオン化水1部を
混合したものにより合成した。スリーブ上で接着剤を硬
化させるため、被覆したままのスリーブを30秒間マイ
クロウェーブオーブンで加熱した。硬化後、スリーブに
酸化ニッケルのような金属酸化物粉末を3部、アルミナ
1部、りん酸アルミニウム2部及び脱イオン化水2部よ
り成るスラリーを塗布した。金属酸化物スラリーを塗布
した後、スリーブをマイクロウェーブオーブンで30秒
間硬化させた。編組みしたアルミナのスリーブを図1の
スリーブ64として示すが、その詳細は図3(a)及び
3(b)に示す。最終的な高温硬化ステップは、編組み
したスリーブを室温から900℃へ4乃至6時間加熱
し、900℃で8時間熱を浸透させた後、炉を冷却する
ことにより実施した。これらのスリーブは、ダイアモン
ド製の切断ウィールにより所望のサイズにトリミングし
た。
【0021】外壁は真直ぐであるが内壁が70のところ
で薄くなり、72のところで40乃至50度の傾斜を有
する簡単な形状の管であるスリーブ60は、密度が10
0%に近いため側壁を介する燃料の浸透がないという利
点を有する。このスリーブは射出成形法を用いて製造す
るが、スリーブ64に用いる方法よりも高コストであ
る。スリーブ64はいくつかの製造ステップを必要と
し、薄いため可撓性がある。スリーブ64はまた、厚さ
が均一で、燃料電池から延びるにつれて外径が減少する
段付き/またはステップ状の管状構成であるため、図1
及び3(a)に示すように、酸化剤供給用の導管20に
嵌着可能である。スリーブ64は、燃料電池の開端部に
隣接する装着部分78よりも「のど」部分76における
直径が小さいため、セルの外径から内径への遷移部を構
成する。のど部76は、酸化剤供給用導管20の外壁と
スリーブ80の内壁との間の距離が圧力が不安定な状態
のもとで燃料流を制限するように形成可能である。
【0022】寸法の例として、スリーブ64は燃料電池
42の開端部から長さYだけ延び、燃料電池の外径を図
3(a)においてXで示す。Yは燃料の侵入を妨げるに
十分な長さであるが、流出する消耗状態の酸化剤が消耗
状態の燃料の大部分と完全に燃焼できず図2(a)及び
3(a)の部分断面図で示す酸化剤供給用導管20内の
供給酸化剤を加熱できないような長さでないことが重要
である。従って、Yは少なくともXの2分の1、しかし
ながら好ましくはXの3倍を超えないことが必要であ
る。スリーブ64の例では、Xは22.23mm;Yは
約28.65mm;Zは35mm;X’は17.2m
m;スリーブの外部の厚さは0.38mmであったが、
脆弱性を減少させるためより厚いものにすることも可能
である。
【0023】両タイプのスリーブを、長さ50cmのS
OFC燃料電池の開端部に接着することによりテストを
実施した。通常動作時におけるそれぞれのテスト結果
は、スリーブの性能が両タイプとも優れていることを示
している。その後、スリーブのテストを逆流状態を含め
るように拡大した。第1のテストにおいて、ZrO2
スリーブ付き電池、即ちタイプ60をスリーブのない電
池と比較した。最悪のシナリオでのテストを実施するた
めに、カソード管を流れる空気を5,8,10及び20
秒間停止する一方、水素の燃料流を1200cm3/分
に増加し、電池を開放回路で動作させた。最長20秒間
空気流が停止しても、何の劣化も生じなかった。電池の
動作を回復させた後、空気流を最終的に30秒間停止
し、その後電池を視覚検査した結果、スリーブのない電
池の開端部に多少の割れが生じていることが分かった。
スリーブのない電池をテスト後に検査した結果、約25
mmの長さの領域に幾つかの小さい割れより成る損傷が
発見されたが、ZrO2のスリーブ付きの電池には損傷
部分は見当たらなかった。
【0024】同じセットのテストを、金属酸化物を被覆
した編組みアルミナのスリーブ、即ちタイプ64と、ス
リーブのない第2の電池とについて実施した。再び両方
の電池を空気を流さずに5,8,10及び20秒間テス
トしたが、スリーブのない電池は空気が30秒流ないと
故障した(割れが発生した)。テスト後の検査により、
スリーブのない開端部に45mmの割れが生じていた
が、編組みアルミナのスリーブ付き電池には何の損傷も
ないことが分かった。空気流を停止させるこの一連のテ
ストは、燃料流は継続させるが空気流を停止する逆流状
態時においてスリーブにより電池の耐久性が著しく向上
することを証明するものである。
【0025】これらのテストを実施した後、両タイプの
スリーブを製作し、実験用の加圧電池束の再組立品に使
用した。予備的な結果は、テストの間スリーブは両タイ
プとも満足に機能したことを示していた。同様なテスト
結果は、細長い燃料電池に嵌合するように製作したスリ
ーブからも得られるはずである。
【0026】上述の発電装置、燃料電池及びスリーブの
寸法及び構成を本発明の思想及び範囲から逸脱すること
なく変更できるため、上記説明に含まれる全ての記載は
例示的なものであって限定的でないと解釈すべきであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスリーブを被せた燃料電池を含む発電
装置を単純化した部分断面図である。
【図2(a)】燃料電池の開端部に固着した本発明の一
タイプのスリーブの断面図である。
【図2(b)】図2(a)のスリーブの端面図である。
【図3(a)】燃料電池の開端部に固着した本発明の別
のタイプのスリーブの断面図である。
【図3(b)】図3(b)のスリーブを三次元で示す図
である。
フロントページの続き (72)発明者 パオロ アール ザフレッド アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 15668 マリスビル ウッドバイン・コー ト 4302 (72)発明者 ジェフリー ティー デデラー アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 16509 バレンシア ディア・スプリン グ・レーン 132 (72)発明者 グレゴリー ダブリュー トムリンズ アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 15218 ピッツバーグ ロイド・アベニュ ー 163 (72)発明者 ジェームズ エム トムズ アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 15642 アーウィン シェフィールド・ド ライブ 131 (72)発明者 ジョージ アール フォルサー アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 15068 ロウアー・バーレル エドワー ド・ストリート 154 (72)発明者 ダグラス エス シュミット アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 15203 ピッツバーグ エイティーンス・ ストリート サウス 96 (72)発明者 プラブヘイカー シン アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 15632 エキスポート ウッドモント・ド ライブ 2227 (72)発明者 チャールズ エー ヘイガー アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 16063 ゼリエノプル リッジ・ロード 312

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側燃料電極、内側空気電極及びそれら
    の間の固体酸化物電解質より成り、開端部(42)と閉
    端部(44)とを有する固体酸化物燃料電池(40)に
    おいて、 開端部(42)には、燃料電池の開端部を越えて延びる
    スリーブ(60、64)が嵌着されていることを特徴と
    する固体酸化物燃料電池(40)。
  2. 【請求項2】 スリーブ(60、64)は、気体燃料に
    対して反応性の金属酸化物を含むことを特徴とする請求
    項1の固体酸化物燃料電池(40)。
  3. 【請求項3】 スリーブ(60、64)は、ZrO2
    Al23、NiO、SiO2及びそれらの混合物より成
    る群から選択した金属酸化物を含み、該スリーブは、燃
    料電池の開端部を越えて、燃料電池の外径の少なくとも
    半分の長さだけ延びることを特徴とする請求項1の固体
    酸化物燃料電池。
  4. 【請求項4】 スリーブ(60、64)は、燃料電池の
    開端部を越えて、燃料電池の外径の半分から3倍の長さ
    だけ延びることを特徴とする請求項1の固体酸化物燃料
    電池(40)。
  5. 【請求項5】 スリーブ(60、64)は、ZrO2
    り成り真直ぐな側部を有する管(60)と、NiOより
    成り、織物状のAl23繊維に金属酸化物スラリーを被
    覆し、縮小外径部を有する管(64)とから選択した構
    成を有することを特徴とする請求項1の固体酸化物燃料
    電池(40)。
  6. 【請求項6】 スリーブ(60、64)は、燃料電池に
    接着されていることを特徴とする請求項6の固体酸化物
    燃料電池(40)。
  7. 【請求項7】 高温固体電解質燃料電池発電装置(1
    0)であって、 a)燃料入口チェンバ及び空気予熱チェンバ(16)を
    含む複数のチェンバを画定するハウジング手段(12)
    と、 b)内側空気電極及び外側空気電極を備え、閉端部(4
    4)が燃料入口チェンバ内に、また開端部(42)が空
    気予熱チェンバ内に位置する活性長部分を有し、開端部
    (42)が発電装置の運転中断時に燃料ガスの侵入を受
    けやすい複数の細長い燃料電池(40)と、 c)気体状酸化剤を燃料電池を介して空気予熱チェンバ
    へ流入させる手段と、 d)気体状燃料を燃料入口チェンバ内の燃料電池の周り
    に流す手段とより成り、 各燃料電池の開端部(42)は該開端部に嵌着したスリ
    ーブ(60、64)を有し、該スリーブは開端部を越え
    て延びることにより内側空気電極の還元を阻止すること
    を特徴とする高温固体電解質燃料電池発電装置(1
    0)。
  8. 【請求項8】 発電装置は加圧モードで動作し、スリー
    ブ(60、64)は気体状燃料に対して反応性の金属酸
    化物を含み、前記金属酸化物は気体状燃料と反応し、ス
    リーブは気体状燃料が燃料電池の開端部に侵入するのを
    阻止するに十分な長さだけ延びることを特徴とする請求
    項7の燃料電池発電装置(10)。
  9. 【請求項9】 スリーブ(60、64)は、ZrO2
    Al23、NiO、SiO2及びそれらの混合物より成
    る群から選択した金属酸化物を含むことを特徴とする請
    求項7の燃料電池発電装置(10)。
  10. 【請求項10】 スリーブ(60、64)は、燃料電池
    の開端部を越えて、燃料電池の外径の少なくとも半分の
    長さだけ延びることを特徴とする請求項7の燃料電池発
    電装置(10)。
  11. 【請求項11】 スリーブ(60、64)は、燃料電池
    の開端部を越えて、燃料電池の外径の半分から3倍の長
    さだけ延びることを特徴とする請求項7の燃料電池発電
    装置(10)。
  12. 【請求項12】 スリーブ(60、64)は、ZrO2
    より成り真直ぐな側部を有する管(60)と、NiOよ
    り成り、織物状のAl23繊維に金属酸化物スラリーを
    被覆し、縮小外径部を有する管(64)とから選択した
    構成を有することを特徴とする請求項7の燃料電池発電
    装置(10)。
  13. 【請求項13】 スリーブ(60、64)は、燃料電池
    に接着されていることを特徴とする請求項7の燃料電池
    発電装置(10)。
  14. 【請求項14】 液体状酸化剤及び気体状燃料による加
    圧モードで、ガスタービン発電機を含むシステムの一部
    として動作することを特徴とする請求項7の燃料電池発
    電装置(10)。
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